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2017年6月

2017年6月30日 (金)

山岳救助有料化に見る、救急搬送有料化との類似性

もともとはこの春に決まったと言う話なのですが、先日改めて取り上げられていたこちらのニュースを取り上げてみましょう。

「受益者負担」「悪影響」 山岳救助ヘリ、有料化に賛否(2017年6月28日朝日新聞)

 埼玉県が防災ヘリコプターを使った山岳遭難救助を有料化すると決めた。「山ガール」という言葉まで生まれた登山ブームの一方、遭難は後を絶たない。これから夏山最盛期。有料化は是か非か。

 3月の埼玉県議会。最大会派の自民党県議団が、防災ヘリに関する条例の改正案を提出した。県内の山で遭難し、県の防災ヘリに救助された登山者などから「手数料」を徴収するという内容。料金は燃料実費で、県によると1時間あたり5万円程度という。
 「有料化は観光に悪影響」「まずは登山道の整備を」。議会では反対意見が出たが、提案者の県議は「有料化で登山者がより一層周到な準備をし、慎重な行動をとることが期待できる」「登山道はコスト面からどこまで整備すべきか」などと反論。転倒や滑落などの危険が潜む山岳に、自らの意思で赴く登山者の「受益者負担」を強調し、賛成多数で可決された。

 改正案提出のきっかけは2010年7月の事故だ。同県秩父市の山中で救助活動中の防災ヘリが墜落し、乗員5人が死亡した。自民党県議団は当時から、山岳救助は他の救助活動より危険性が高いとして、ヘリ救助の有料化を模索してきたという。
 警察庁によると、16年の山岳遭難者数は2929人で、統計の残る1961年以降2番目に多かった。総務省消防庁によると、全国の消防防災ヘリの出動件数は2015年で1345件。埼玉県内では昨年度、山岳遭難でヘリが21回出動し、12件で実際に救助した。


山岳救助 防災ヘリ有料化へ 埼玉県が条例改正案(2017年3月24日毎日新聞)

 埼玉県内の山岳で遭難した登山者が同県の防災ヘリコプターに救助された場合、ヘリの燃料費相当分として運航1時間あたり約5万円の「手数料」を県に納めることを義務付ける条例改正案が同県議会で審議されている。自治体の防災ヘリで救助された遭難者に「自己負担」を求める条例案は全国初で、27日の本会議で可決される見通し。

 同県は3機の防災ヘリを所有し、昨年度は計11回の出動で5回が実際に救助に当たった。県は運航経費を公表していないが、県内の山岳関係者によると「民間ヘリなら、1時間あたり数十万円かかる」という。
 今回の議案では、ヘリが1時間あたり360~550リットルの燃料を使うと見込み「手数料」を算出した。改正案を提出した自民党県議団は「山岳救助は大きな危険が伴う。受益者負担の観点から、遭難者に一定の負担を求めることが県民間の公平につながる。有料化によって無謀な登山も減る」と説明する。
 林業従事者や生活保護受給者などには減免措置を設けるとともに、埼玉県からの登山者が県境の山で遭難し、隣接県の防災ヘリに救助された場合に手数料を請求するかどうかは今後、調整する。

 改正案には異論もある。埼玉県内で最も登山観光客が多い秩父市の田代勝三・秩父観光協会会長は「『秩父の山は有料』というマイナスイメージが先行し、登山客から敬遠されるのではないか」と懸念。加えて「県外からの登山者に条例を周知徹底できるかなど課題もある」と指摘する。
 静岡大学教育学部の村越真教授(山岳リスクマネジメント学)は「登山は自己責任で行うべきもので、受益者負担は理解できる。ただ不可抗力の事故もあり、山岳事故防止の啓発活動も同時に行うべきだ。海の遭難についても同様の議論が必要だ」と話している。【森有正】

埼玉県が有料化 防災ヘリ救助条例成立、全国初 地元や山岳連盟反発 専門家は「議論の契機に」 (2017年3月28日産経新聞)

 埼玉県議会で27日に成立した公的防災ヘリコプターによる山岳救助を有料化する全国初の改正条例は、地元の山岳連盟などから反対や慎重な議論を求める声が上がる一方で、専門家からは「登山者自身がリスクマネジメントについて考えるきっかけにもなる」と評価する声も出ている。県は「徴収には総務省の判断が必要」としており、同省の判断や、施行に向け県が定める細目の内容にも注目が集まる。(菅野真沙美)

 条例改正案に対しては、秩父山岳連盟と秩父観光協会が3月上旬、提案した自民党県議団などに反対や慎重な検討を求める要望書を提出。小鹿野町議会も16日、「幅広い関係者からの意見聴取、近隣都県の動向等調査し、慎重に審議するよう強く要望する」とする意見書を可決し、「山岳救助の現場に混乱をもたらすばかりでなく、秩父地域の重要な観光資源である登山客の減少などの悪影響をもたらす恐れがある」と指摘した。
 27日の本会議では、反対討論で「公平性に欠け、現場を混乱させることになりかねない」「要救助者が防災ヘリでの救助を拒んだ場合でも手数料を徴収できるとする点に違法性があるのでは」などの意見が出された。上田清司知事は本会議終了後、「細目を詰めるとともに総務省の見解を待つ必要がある」と言及した。

 自然体験のリスクマネジメント学が専門の村越真・静岡大教育学部教授は、「条例案自体には当然メリット、デメリット両方がある」としつつ、「登山者が山登りの際のリスクについて考え、議論を起こすきっかけになる可能性がある」と期待を寄せた。また、施行までの県の取り組みについて「行政は山岳関係者を巻き込んで、登山事故のリスクをどのように分担するかという部分まで踏み込むべきだ」とした。

この種の話題では先年ヨットで太平洋横断に乗り出したマスコミ関係者が遭難し無謀な計画による自己責任の事故ではないか、巨額の救助費用を負担するべきではないかと言う議論があったことは記憶に新しいのですが、同関係者は後に海難救助に関わるボランティア団体に500万円を寄付したとのことで、やはり経費負担の問題は気になっていたと言うことなのでしょう。
今回の有料化はあくまでも経費のごく一部だけだと言うことですから、記事にもあるように無計画な登山を避けるなど事故防止と言う側面も強いのだと思いますが、しかし現地にお金を落としていくのは往々にして多くの計画性の乏しい登山客ではないかと言う気もするので、観光振興と言う面ではネガティブな影響もあるのかも知れません。
また実行段階で予想されるトラブルとして、とりわけ昨今しばしば批判の的となる「疲れた」「下山が面倒臭い」と気楽に救助を要請し過ぎる登山客と現場で揉めるのではないかと言うことに加え、本当に救助を必要としている人までが救助を拒否した場合どうするのかと言う問題もありそうですが、特に救助を拒否した登山客がその後本当に遭難してしまった場合どうなるのかですよね。

この話を聞いて連想するのが、同様に長年あまりに気楽に依頼しすぎる人が多いとして有料化がたびたび話題になる救急搬送の問題なのですが、あくまでも健常者が自ら望んで行う登山に対して、病気や怪我は誰であっても突然襲いかかってくるものであり、各種の世論調査を見ても有料化には反対する声の方が優勢と言うケースが多いようです。
興味深いのは救急医療の現場を実際に担っている医師に訊ねてみると実に9割が有料化に賛成していて、しかもその過半数が軽症だろうが重症だろうが関係なく一律に徴収すべきだと言う意見に賛同していると言うことなのですが、多くの病院の公表しているデータによっても救急搬送の多くはその必要がない軽症患者であったと言う事実とも関係しているのでしょう。
さらに興味深い点としてもう一方の救急の当事者とも言える救急隊員からは有料化に反対する声もあると言うことなのですが、その理由がまさに先ほど取り上げたようにその場になって面倒なことになってしまうのではないかと懸念していると言うことですから、有料化を行うにしてもその徴収方法には工夫が必要そうですよね。


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2017年6月28日 (水)

医師会が変わった方法で医師の指導を行っている件

先日は某新聞のトップを飾ったと言うこの記事、御覧になった方もいらっしゃるでしょうか。

<医療事故>「リピーター」医師は27人 13~16年度(2017年6月26日毎日新聞)

 ◇日本医師会が再発防止を指導・勧告

 日本医師会(日医)が、医療ミスや不適切な医療行為を繰り返していたとして、2013~16年度の4年間で医師27人に再発防止を指導・勧告していたことが、25日分かった。日医会員が医療事故に備えて加入する保険の支払い請求が多いケースについて、治療経過などを調べて判定した。民事裁判などでも被害者が異なるミスの繰り返しが表面化することは少なく、実態の一端が初めて浮かんだ。【熊谷豪】

 ミスを繰り返す医師は「リピーター」と呼ばれ、重大な医療事故が相次いだ1999年ごろからたびたび問題視されてきた。昨年12月には、愛媛県内の産婦人科医院で05年以降に死亡3件を含む6件の重大事故が起きていたことが発覚し、県が立ち入り検査した。
 だが、リピーター医師を見つけ出す国の仕組みはなく、15年10月に始まった「予期せぬ死亡」を第三者機関に届け出る医療事故調査制度でも、把握できない

 国内の医師約31万人のうち、約12万人は日医と保険会社が共同で運営する「医師賠償責任保険」に加入している。医療事故で患者や家族への支払い義務が生じた際の保険で、日医は会員医師から請求があれば治療内容や結果を調べ、査定している。
 日医は13年8月から、この仕組みを医師の倫理と資質の向上に活用。弁護士らで作る指導・改善委員会が、医師側に問題がある事故重複例をリピーターと判定している。日医によると15年度までに19人が該当し、25日に開かれた定例代議員会で、16年度は8人と報告された。氏名やミスの内容は明らかにしていない。
 対象となった医師は、地元の医師会から、重い順に▽指導▽改善勧告▽厳重注意--のいずれかを受ける。東京都医師会はこれまでに3件の指導をし、幹部が事故の経緯を聞き取った上で、危険性の高い手術を今後行わないと誓約する書面を提出させるなどしたという。

 ◇再発防止に向けた実効性や透明性に課題も

 損害保険の請求実績からリピーター医師をあぶり出す日本医師会の取り組みは、医療界自ら実態把握を進めるという点で評価できる。重要なのは、これを問題がある医師の再教育や排除に確実につなげ、医療安全の向上に役立てることだ。
 厚生労働相には医師の業務停止や免許取り消しの権限があり、年2回、医道審議会が厚労省から報告があった医師の審査をしている。だが、対象になるのは、診療報酬の不正請求や医療行為と直接関係のない刑事処分を受けたものが大半。医道審は2002年、刑事罰を受けていなくても明白な注意義務違反がある医療事故は処分対象とする方針に改めたものの、ミスの繰り返しを理由とした処分は12年の戒告1件しかなく、形骸化も指摘される。
 日医の取り組みは、強制力を伴わない「指導・勧告」で、ミスの内容も公表しないため、再発防止に向けた実効性や透明性に課題も残る。医療事故の遺族で「患者の視点で医療安全を考える連絡協議会」代表の永井裕之さんは「せめて医療界の中だけでも情報共有して背景や深層を追究してほしい」と訴える。【熊谷豪】

改めて言葉の定義の問題ですが、事故調制度に絡めて医療法で定義された医療事故とは「提供した医療に起因し,又は起因すると疑われる死亡又は死産であって,当該管理者が当該死亡又は死産を予期しなかったものとして厚生労働省令で定めるもの(6条の10)」とされていて、死亡事例以外など世間一般で言うところの医療事故の概念とはいささか異なっていますよね。
ともかくも医療事故と言えば一般には医療の過程で何かしら患者に予想外の不利益が及んだ場合を示すものと言った辺りが最大公約数的なものかと思うのですが、この中の一部に関しては何かしらの不適切な行為に基づき発生した医療過誤(いわゆる医療ミス)と呼ばれ、また明らかなミスがなくとも一定確率で発生するものについては合併症や偶発症と言う言葉が用いられています。
ともかくも医療事故と言えばこの過誤に基づくものなのかどうかと言う部分が常に争点となりがちなもので、特に医療者側と患者側で過誤なのかどうかと言う認識に差異があることが紛争化の発端ともなるため、ともすれば入り口での議論から一歩も話が進まないと言うことにもなりかねないわけです。

今回医師会の試みを見ていてなるほどと思わされるのは、過誤があるかないかと言うことに関してはひとまず問わないと言う点なのですが、保険を使った回数と言う事は民事賠償に至ったケース、すなわち紛争化したものをカウントすると言うことであり、広義の医療トラブルを集計するのにはなかなかいい切り口なのではないかと言う気がします。
医療行為の何をどう処罰対象とすべきかと言う点については未だに意見が定まりませんが、客商売である以上少なくとも顧客と裁判で争う事態になると言うのは何かしら失敗であったと言わざるを得ず、手技的な問題があるのか手を出すべきでない症例や処置にまで手を出したのか、ともかくも同じことを続けて同じ失敗をさらに繰り返すと言うのはうまいことではないでしょう。
ただ記事にもあるように医師会ルートで保険に加入しているのは医師の4割程度と少数派であり、とりわけ相対的に非会員の多い勤務医に関しては一般に開業医よりも重症の患者を扱い、より高度な医療処置を行っている場合が多いと言う点から、こうした議論の対象としてむしろより重要なものであるはずですよね。
ともかくも保険と言うものを医師処分の根拠にすると言うのはかなり筋が違う話だと感じるかも知れませんが、過誤があったのかどうかと言う果てのない議論に敢えて踏み込まないと言う点では判りやすい話であるとも言えるので、だから全医師が医師会経由で保険に加入すべきなどと言った斜め上の話につながらなければ、もう少し広く応用を考えてもいいものに思えます。

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2017年6月26日 (月)

研修医の長時間労働は誰もあまり気にしていなかった様子

労基法無視の労働環境によって研修医が自殺すると言う悲惨な事件が先日も話題になっていたところですが、全国的に見ても同様の事態がいつ発生してもおかしくない状況にあると言う状況が報じられていました。

研修医自殺:疲弊する勤務医 長時間労働が常態化 過労死ライン超6.8%(2017年6月18日毎日新聞)

 昨年1月、1人の女性研修医が過労による自殺で命を絶ち、労働基準監督署から今年5月末に労災認定を受けた。そこから見えてきたのは、労使協定を無視した長時間労働の常態化だった。患者の安全のためにも、患者の命を預かる医師の過重労働の是正が求められている。

 「自己犠牲によって自らの生活や将来を失ったりしてはならない
 これは4月、厚生労働省の専門家会議がまとめた「医師・看護師等の働き方ビジョン」の一節だ。新潟市民病院の後期研修医だった木元文さん(当時37歳)の過労自殺は、この1年3カ月前に起きていた。
 医師の過重労働は、長い間改善が進んでこなかった。勤務医を対象にした厚労省調査によると、昨年6月の時間外労働時間は約5割が20時間以上で、6・8%は「過労死ライン」の80時間超。当直も多く、7割が宿直明けに通常勤務をしていた。日本外科学会の会員調査(2013年)では、医療事故やその手前の「ヒヤリ・ハット」の原因の81%に「過労・多忙」があった。

 なぜ過重労働は解消できないのか。一つには「正当な理由なく患者を断ってはならない」という医師法上の「応招義務」がある。
 また、東京大医科学研究所の湯地晃一郎特任准教授(血液内科)は「医師は看護師と違い、交代制になっていない。受け持ち患者の容体が急変すると、当直医に加えて主治医も呼ばれる」と指摘する。
 だが、高齢化や医療の高度化が進めば、医師の負担はさらに増す。ビジョンをまとめた渋谷健司・東大教授(国際保健政策学)は「女性医師が増え、働き方を変えなければ医療は回らなくなる。他の医療スタッフと仕事を分担し、医師本来の仕事の生産性を上げるべきだ」と訴える。
(略)
 労働組合「全国医師ユニオン」の植山直人代表は「入力作業などを他の職員に委ねても、医師の負担はあまり減らない。交代制勤務ができるよう医師数を増やすべきだ」と主張。聖路加国際病院の福井次矢院長は「救急や病理は医師不足が深刻で、国は診療科ごとに医師数の調整をしてほしい」と話す。
 政府が3月に公表した働き方改革実行計画は、医師については残業時間の上限規制適用を5年間猶予した。労働時間の短縮だけでは救急医療に支障が出るといった指摘もあり、議論は続きそうだ。【熊谷豪】

 ◇研修医自殺の新潟市民病院 「緊急対応」外来を制限

 木元さんが働いていた新潟市民病院は、医師にとって激務とされる総合病院の中でも過酷さが際立っていた。
 新潟労働基準監督署が認定した木元さんのうつ病発症1カ月前の残業時間は「過労死ライン」の2倍の160時間超。毎日新聞が情報公開請求で得た資料によると、同時期に後期研修医として在籍していた医師の7割以上の20人が、労使協定で定められた月80時間の上限枠を超える残業をしていた。
 病院側も手を打っていなかったわけではない。2009年に労基署から長時間労働の是正勧告を受けた後、医師数を2割増やし、医師の事務を代行する医療秘書も5倍以上に増員した。だが、外来患者も09年度の25万2753人から16年度は26万8703人に増加した。救急外来は過半数が軽症患者で「多くの市民が、うちに来れば何でも診てくれると思っている」(片柳憲雄院長)という状態だった。

 労災認定後の今月6日、市は同病院の「緊急対応宣言」を発表した。紹介状のない一般外来患者の受け入れ停止と、治療済みの患者を近隣病院へ回す対策が柱。篠田昭市長は「過重な負担が病院にかかり、これまで通り患者を受け入れて診察を続けるのは困難だ」と理解を求めた。
 同じく市内で3次救急を担う新潟大医歯学総合病院は、既に同様の対策を進めている。ここでは後期研修医の残業時間に労使協定違反がほとんどなく、過重労働の抑制に一定の効果が出ている。
 ただ市民病院は、地域住民の健康を守ってきた身近な存在だ。近隣病院が断った救急患者を「最後のとりで」として診てきた自負もある。「責任ある立場として患者を受け入れない選択肢はない」と複数の職員が語る。
 木元さんの夫は取材に対し「医師の使命感は分かるが、妻の死は病院による殺人だ」と訴えた。「全国過労死を考える家族の会」東京代表で、自らも医師の夫を過労死で亡くした中原のり子さんは警鐘を鳴らす。「医師の長時間勤務は、犠牲的精神など個人の力で解決できるものではない」【柳沢亮】

大淀病院事件を始めとして今日に至るいわゆる医療崩壊過程の引き金を引いたと言ってもいい毎日新聞が、今や他人事のような顔でこうした記事を書いていることに隔世の感を抱く方々も少なく内のではないかと言う気もするのですが、臨床研修制度が改まって以降かなり改善が進んでいた研修医の待遇もこれだけ問題があると言うことですかね。
しかし記事を見ていておもしろいなと思ったのが死者まで出した新潟市民病院の改善策なるものの内容なのですが、一般に研修医にはあまり関係がないだろう初診患者の外来診療を制限したところで、「過半数が軽症患者」と言うコンビニ化が進んでいる以上さして入院患者も減らないのだろうし、病床稼働率が大幅低下するのでもなければ研修医の負担はあまり変わらないのではと言う気がします。
この辺りは各施設によって様々な対策を講じているところだとは思いますが、仮に研修医の業務制限がうまく行ったとしてもその上の若手医師に負担がスライドしているだけでしょうから、施設全体としての業務量が減らなければどうにもならない理屈ですが、この点は常にフル回転で営業しなければ経営が成り立たないようになっている保険診療上の制約も大きいのでしょう。
そう考えると過重労働防止のためには抜本的な診療報酬体系の改革も必要になると考えられるのですが、諸外国との比較で日本の医療現場では医師の診療する患者数や病床数の多さが以前から指摘されているところで、この辺りの是正が労働環境改善に結びつくかどうかと言う視点での検討も行っていくべきかなとも思います。

医師の中でも研修医の長時間労働は世界的な課題でもあって、しかも世界各国とも「まあ仕方ないよね」とあまり深刻に問題視していないような気配もあったようですが、近年公的に研修医制度を廃止したドイツなどでも未だに「激務の割に報酬が少ない」「雑務ばかりで十分な研修を受けられない」と言った不満が根強く、現場に医師が定着してくれないことを問題視するようにはなってきているようです。
アメリカでは研修医の起こした医療事故が訴訟沙汰になり、結局これも過労が原因であるとして2003年より80時間ルールと呼ばれる一連の就業規制を導入していますが、面白いことにこの制限がこのところ部分的に緩和され、卒後1年目での連続勤務の上限がそれまでの16時間から24時間に引き上げられたと言いますが、要するに診療に影響がなければ普通ではない長時間勤務自体は問題視しないと言うことですよね。
この緩和に先立ってランダム化比較試験まで行われ、勤務時間制限を緩めても診療の質には影響しないと言うことが確認されたそうですが、しかし一方で長時間勤務を行えば研修の質が高まるのかどうかも気になるところで、そもそもの疑問としてどんな高度な医療を学ぼうとしているにせよ、16時間連続勤務しても出来ない研修とは一体どんなものなんだと率直に感じますね。


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2017年6月25日 (日)

今日のぐり:「麺匠 あらき」

先日ちょっと凄い人がいると話題になっていたのがこちらのニュースです。

人命救助8人目、警察もびっくり 感謝状の男性「当たり前のこと」(2017年6月14日福井新聞)

 道に迷っていたお年寄りを保護したとして、福井市の男性が13日、福井県警坂井署から表彰された。男性が命の危険にさらされた人を保護・救助したのは今回で8人目。男性は「当たり前のことをしただけ」と謙遜するが、ベテラン警察官は「8人の尊い命を救ったことは素晴らしい」と驚いている。
 呉服店を営む近藤高行さん(69)。近藤さんは1日午前11時半ごろ、福井市川合鷲塚町の通称芦原街道を車で走っていた際、歩いていた80歳代男性の様子がおかしいと感じた。声を掛けたところ、道に迷っていることが分かり、坂井署春江西駐在所に連れていった。男性は認知症の兆候があったという。

 近藤さんが初めて命を救ったのは県立丸岡高生だった1962年。同県坂井市の三国海水浴場(現三国サンセットビーチ)で、おぼれた女児を救った。
 同校卒業後、呉服販売の仕事に就き、県内を回る中で事故などに多く遭遇した。自転車やオートバイで転倒し大けがを負った人を助けたり、大雨時に川に転落した男性を救ったりした。
 80年代前半には、徘徊していたお年寄りを保護し、警察に連れていったことが3回あったという。また、救助以外にも、目の前で起きたひき逃げ事件で逃走車のナンバーなどを通報し事件解決に貢献した。

 これまで救った人の家族らから感謝を伝えられたことはあるが、警察から感謝状を受け取るのは初めて。近藤さんは「今回も命を救えてよかった」と笑顔を見せる。感謝状を贈った高中真太郎坂井署長は「日中にお年寄りの異変を察知し、保護することはなかなかできない」と感心しきり。式に立ち会った同署幹部も「尊い命を救い続けてきたことに敬意を表したい」と口をそろえた。

何にしろ長年にわたってこうした活動が継続出来ることは大変なものですが、しかし人生そうそう人命救助の機会に遭遇すると言うのも大変なものですね。
今日は近藤さんの功績に敬意を表して、世界中からそれはちょっとしたものではないかと思わされる様々なニュースを取り上げてみましょう。

「ぶり」支出額45年連続日本一(2017年3月23日NHK)

去年1年間の1世帯あたりの「ぶり」の支出額は、富山市が全国で最も高くなり、45年連続で日本一だったことが総務省の調査で分かりました。

総務省は毎年、全国の都道府県庁の所在地や政令指定都市などを対象に、家計調査を行い、品目ごとに各世帯の年間の支出額を調べています。
このうち、去年1年間の1世帯あたりの「ぶり」の平均の支出額は、富山市が全国平均の3倍近い9358円と全国で最も高くなりました。
富山市は昭和47年から45年連続の日本一です。

また「こんぶ」の支出額も全国平均の2倍以上にあたる1984円と全国で最も高くなり、統計が残る昭和35年から56回目の日本一となりました。
このほか、▼「さしみ盛合わせ」や▼「プリン」、▼「カツレツ」などが全国で最も高くなりました。
県統計調査課は「魚介類への支出が全国でも多いことが分かった。富山の食文化を象徴するブリや昆布をはじめ、ランキング上位にない食品の発掘にも力を入れたい」と話しています。

富山のブリと言えば確かに有名ですけれども、しかしこうまで突出して多かったとはちょっとびっくりで、正直お前らどれだけ(以下略
これからの暑い時期に何かとお世話になるのが氷菓子ですけれども、はるか海外にもその名声が届いているものが日本にはあるようです。

釘も打てるし武器になる・・・日本には想像を絶するほど硬いアイスバーがある!=中国メディア(2017年6月16日サーチナ)

 夏が近づき暑い日が続くのに伴って消費量が増えるのが、アイスだ。数え切れないほどの種類のアイスが売られているが、定番と呼ばれる商品はだいたい決まっている。その1つが井村屋の「あずきバー」だ。

 中国メディア・今日頭条は14日、日本国内には恐ろしいアイスがあるとして、このあずきバーを紹介する記事を掲載した。記事は「夏になると日本のネット上ではあずきバーが話題になる。それは、とてもおいしいからという理由のほかに、超硬いという特性を持っているからだ」と説明した。
 そして、その硬さについて日本のテレビ番組が「日本で一番硬いお菓子」としてその硬さをチェックしたことを紹介。まずは同じく硬いお菓子として知られている「芋けんぴ」を使って穴を掘ってみたところ、見事に芋けんぴが粉々になってしまったとした。さらに、あずきバーで釘を打ってみたところ、表面が多色削れただけでちゃんと打ててしまったと伝えている。
 記事はさらに、あずきバーの硬さに目をつけた専用のかき氷機まで出現したことを併せて紹介した。

 歯が丈夫な人はそのままで、自信がない人は少し溶かしたりかき氷にしたりして、そして温まりたいときにはレンジでチンしてぜんざいにしたりと、さまざまな楽しみ方をできるのがあずきバーのスゴイところだ。
 ちなみに中国にも夏に定番のアイスがある。それは「小豆」のバーではなく、「緑豆」のバーだ。同じ豆類を使ったアイスバーということで味は似ているが、その硬さはやはりあずきバーには及ばない。話に聞いて日本を訪れた際に実際食べてみた中国人観光客は、きっとその硬さに衝撃を受けることだろう。

まあ確かにその硬さは囓れば歯が欠けると言うほどなのですが、メーカーによれば改良の結果さらにその硬さは増してきているのだそうですね。
こちら大きさで世界一ではないかと言われるものですが、さすが大陸国だけにその大きさも桁が外れています。

総長1300キロを超えるゴルフコースがオーストラリアで話題に(2017年6月13日秒刊サンデー)

ゴルフと言えばスポーツの楽しみとは別に、お客様の接待をするという意味で重要なコミニュケーションツールとなっていることが多く、己のスキルよりもいかに、相手を満足して楽しませることができるかという点に重きをおいている方も多い謎多きスポーツですが、こちらのコースはとんでもなく長いということで話題です。

さて、今回話題となっておりますのは「世界一長いゴルフコース」ということです。18ホールがだいたい6キロとか多くて7キロの平均があります。それを踏まえると長いって言ってもせいぜい、10キロぐらい?と思うのかもしれません。
甘い、全く甘い。海外のスニッカーズぐらいねっとり甘い。正解は1300キロ。そう、すべて回ると1300キロというとてつもないコースがオーストラリアにあるということなのです。

このコースはNullarbor Linksゴルフコースというもので、とにかく長く砂漠化したコースを4日間かけて回るという過酷なものです。
コースは基本的にハイウェイやモーテル近くにありますが、中には炭鉱・農村などのコースがあり、羊の群れの中にグリーンがある、蛇が出る、カンガルーが出るなどエキサイティングなものも多いようです。安心して下さい、蛇に噛まれた人はいないようです。
ちなみに、1300キロというと東京から北海道ぐらいまでの距離のようです。ゴルフというよりももはや「修行」ですね。

写真ではこれでボールが見つかるのかと思うような自然そのものの環境に見えるのですが、これを実際に回る人が世の中にはいるのでしょうね。
妊娠・出産にまつわるニュースを二つ取り上げてみますが、こちら大変な安産であったことが大騒ぎの原因になったと言う珍しい妊婦のニュースです。

中国・杭州の女性 2分で出産して工場を立ち去り大騒動に(2017年3月22日NEWSポストセブン)

 これもまた、出産の神秘、について考えさせられる事件といえるだろうか。中国の情勢に詳しい拓殖大学海外事情研究所教授の富坂聰氏がレポートする。

 なんとも奇妙でお騒がせな事件である。
 杭州市のある自動車工場に、生まれたばかりの赤ん坊が血だらけで放置されているのを出勤してきた従業員が発見した。朝、8時20分ごろで、辺り一面は血が広がっていたという。従業員は、ピクリとも動かない赤ん坊がすでに死んでいると思った。というのも赤ちゃんはこの時期の冷たいタイルの上に置かれていたからだ。しかし、間もなく赤ちゃんが小さく動くのを集まった従業員たちが確認。大慌てで救急車を呼び、警察にも連絡を入れたことで事件となったという。

 これは3月12日に『銭江晩報』が伝えたもので、記事のタイトルは、〈杭州の一人の女 自動車修理工場に入り込み、2分間で赤ちゃんを出産 手でへその緒を切って立ち去る〉であった。
 若い女性の出産を巡る「とんでもニュース」は中国では少なくない。それでもこのニュースにはメディアも激しく反応し大きな話題となった。
 赤ちゃんを置き去りにされた自動車修理工場では、すぐにも防犯カメラがチェックされ、そこに二十歳前後の女性が写っていることを確認した。ただ、驚いたのはその手際の良さで、出産して立ち去るまでわずか2分程度の時間しか要していなかったというのだ。

 この女性はいったいどこに消えたのか?
 地元の夕刊紙『銭江晩報』の記者が追いかけたところ、女性は、実は逃げたのではないことが判明したという。
 記事によれば、女性は工場の前を通りかかったときに突然産気づき、そのまま慌てて工場内に入ってしまい出産。ただ、その後は何をしてよいのかわからず、とにかく家に戻って助けを求めたというのだ。結局、父親を連れて現場に戻ったところ、すでに工場は人だかりができて大騒ぎになっていたので警察に出頭したというのだ。
 まあ、悪気はなかったということなのだろうが、冷たい床に置きっぱなしにされた赤ちゃんは、体温が30度前後まで落ちていたというから、やはりとんでもない事件といわざるを得ないだろう。

しかしわずか2分での安産とは大変なものですが、安産がこれだけの大騒ぎになるのですから世の中判らないものです。
最後に取り上げるのも同じく妊婦さんのニュースなのですが、こちら妊娠によって世界一を断念したと言う悲しむべきニュースでもあります。

世界一の肥満を目指していた女性が妊娠 お腹の赤ちゃんを守るため減量に励む(2017年6月13日テックインサイト)

テックインサイトでは昨年9月に、世界一の肥満を目指し「動けなくなるまで太りたい」と体重増加に励んでいた米テキサス州フォートワースに暮らす女性のニュースをお伝えした。現在その女性は妊娠中で、お腹の赤ちゃんを守るために「肥満世界一」への夢を諦めたようだ。英『The Sun』など複数メディアが伝えている。

昨年、モニカ・ライリーさん(28歳)は恋人のシドさん(26歳)に漏斗で特製ミルクシェーキを流し込んでもらう姿を各メディアで報じられ一躍話題の人になった。体重が318kgあり、1日最大10,000キロカロリーを摂取するという不健康な食生活を続けていたモニカさんは、シドさんから大量の食事を与えられ女王様のように扱われることを喜びとしていたが、現在は心を入れ替えて減量に励んでいるという。

初めてモニカさんが妊娠したのは昨年の夏、ちょうどメディアで報じられていた頃であった。モニカさんはシドさんと新しい命に喜びながらも危険な食生活を送り続けていたために、妊娠12週目の検査の時に胎児が奇形であることがわかり堕胎した。
その数か月後に再び妊娠が発覚するが、14週目で流産した。2度の悲劇にモニカさんは激しく落ち込み、泣いてばかりの日々を過ごしたこともあったようだ。しかし今年3月、3度目の妊娠がわかった時、減量して健康的になることを決意した。

現在妊娠15週目のモニカさんは、すでに10週間で88kgの減量に成功している。「前は太りたいって思ってたけど、赤ちゃんができて目が覚めました。はっきりと言われたわけではないですが、やはり私の肥満は前の妊娠に影響していたと思います。過去の食生活は酷いものでしたから。初めての妊娠時は、自分の生活が大きく変わることに不安や怖さもありました。でももう赤ちゃんを失いたくないと思いました。こんな肥満体で妊娠することがいかに危険か、以前は気付かなかったんです。今は赤ちゃんを守るために健康になりたい。そうすれば赤ちゃんも強くなってくれるはずです」とモニカさんは話している。
シドさんのサポートを得て、毎日ウォーキングをし一日2,000キロカロリーの食生活におさえているというモニカさんだが、減量した自分をシドさんが魅力的だと思わなくなるのではないかという不安もあるようだ。しかし、「僕はモニカの全てを愛しているので、サイズは関係ありません」とシドさんのモニカさんに対する愛は深い。またモニカさん自身、これまでしていた特別な趣味を持つ男性のためのスーパーサイズモデルから、今後は普通のプラスサイズモデルに転身することも考えているそうだ。

色々とアレ専な方々の悲鳴が聞こえてきたとか来ないとか言うのですが、しかし動けなくなるほど太りたいと言うのもさすがにどうなのかですよね。
しかし写真の記事を参照する限り失礼ながら、一般的な妊婦検診などもかなり担当の先生は苦労されるのではないかと思うのですがどうなのでしょうか。

今日のぐり:「麺匠 あらき」

福山市北部にある大きなショッピングモールの一角にあるこちらのお店、珍しい味噌ラーメンの専門店で以前にも一度お邪魔したことがあります。
味噌も色々な産地のものが取りそろえられているようなのですが、基本は地元広島の味噌と言うことのようですね。

今回はなかなか説明的な名前の野菜盛り広島呉ますやみそ麺なるものを頼んでみましたが、その名の通り中国地方最大手を誇る老舗メーカーのますやみそと共同開発したのだそうです。
この辛口味噌スープはちょっと癖があるのですが悪くないですし、太めのしっかりした食感の麺との相性もよしで、味噌ラーメンとしてのベースはちゃんとしたものですよね。
トッピングは野菜盛りと言ってもほぼ純然たるモヤシなのはいささかどうよ?と言う感じですが、野菜の価格も時価相場で変わるものでしょうから仕方がないのでしょうか。
ともかくも味噌ラーメンはこれくらい野菜盛り盛りの方がらしいかなとも思うのですが、味噌ラーメン専門店と言うだけでもそれなりに物珍しさがありますね。

接遇面は完全にマニュアル対応ですが、若い女性スタッフが多い店内でハキハキと元気が良いので明るい印象になるのは場所柄にあっている気がします。
ちなみにこちらのお店、よく見ると焼き餃子だけでなく揚げ餃子もあるのですが、味の濃い味噌ラーメンですから水餃子などあっさりしたものもあるとうれしいかも知れません。

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2017年6月23日 (金)

医師の偏在対策、その方法論とは

医師偏在対策として様々な方法が検討、実施されてきたことは周知の通りですが、その一環として期待されていた医学部のいわゆる地域枠からの離脱者が問題とされていて、各種ペナルティの強化が検討されていると言う報道が先日あったところですよね。
この点についての抜本的対策としてそもそも地域枠への入学は原則地元出身者だけに限定するようにしようと言う話が報じられていたのですが、厚労省としては様々な医師偏在対策を検討しているようです。

「地域枠、地元に限定」「医師データベースで異動を追跡」「早期に実現可能な医師偏在対策」は地域医療支援センター強化(2017年6月16日医療維新)

 厚生労働省「医療従事者の需給に関する検討会」の第10回医師需給分科会(座長:片峰茂・長崎大学学長)は6月15日、「早期に実現可能な医師偏在対策」として、医学部地域枠の入学生は原則として地元出身者に限定、卒後は都道府県の地域医療支援センター等が策定する「キャリア形成プログラム」に沿って、大学所在地の都道府県において研修することを求めるなどの方針を了承した(資料は、厚労省のホームページ)。
 地域医療支援センターが派遣調整できる地域枠医師の増加が今後見込まれるため、同センターを強化するのが厚労省の狙い。2008年度以降、医学部定員増に伴い地域枠入学者が今後増え、2024年度には臨床研修を修了した地域枠医師は、厚労省による単純推計で9676人(留年、中途離脱等は考慮せず)。
 主に地域枠医師を対象に「キャリア形成プログラム」を策定、医師のキャリア形成に配慮しながら、医師不足地域に実効的な医師派遣を行うことを目指す。同センターについては、大学と十分に連携するなどして運営体制を強化、類似機能を有する「へき地医療支援機構」や「医療勤務環境改善支援センター」との連携も進める。
(略)
 地域医療支援センターは、47都道府県の全てに設置済み。しかし、「キャリア形成プログラム」の未策定が7県、大学と連携していない県があるなど、都道府県によって取り組みは異なり、運営が成功しているとは言い難い
 日本医師会副会長の今村聡氏は、「確かに今までは機能していなかった」と指摘しつつ、医療法に位置付けられ、税金を投入している以上、なぜ機能していないのか、その検証が必要だとした上で、「国が一定のルールを設ける方針か」と質問した。厚労省医政局地域医療計画課は、地域定着を図るために、上図のような方策の検討を提案したと回答。
 全国医学部長病院長会議会長の新井一氏も、地域医療支援センターの運営実態の検証が必要だとしたほか、大学が日常的に医師の派遣を行っていることから、「大学がコミットしないとうまく行かないのではないか」と提案した。日医常任理事の羽鳥裕氏は、「へき地医療支援機構」や「医療勤務環境改善支援センター」、さらに新専門医制度についての都道府県協議会など、類似機能を有する組織が複数あるため、連携あるいは統合した運営を求めた。
(略)
 厚労省が構築し、都道府県が活用する「医師の地域的な適正配置のためのデータベース」は、2年に一度実施する「医師・歯科医師・薬剤師調査」の届出情報、医籍情報、専門医に関する情報を用いて構築。医師の異動やキャリアパスの経年的な追跡な可能になる仕組みだ。
 今村氏は、医師のデータベース作成には賛成したが、「適正配置」との名称を問題視。地域枠医師以外の医師情報もデータベースに入るため、行政が全医師を「適正配置」すると受け取られないからだ。自発的に地方勤務が進むよう、魅力ある「キャリア形成プログラム」を作るなどの動きと齟齬が生じかねない。厚労省医政局長の神田裕二氏は、行政が「適正配置」するのではなく、地域医療支援センターは各地域で医療者や住民も交えて議論し、医師の偏在解消に取り組む場であると説明。
 国際医療福祉大学医学部長の北村聖氏は、医学教育ではIR(Institutional Research)、臨床研修ではEPOCなど、さまざまなデータベースを既に用いていることから、将来的にはこれらとの連動も検討すべきと提案。岩手医科大学理事長の小川彰氏は、「医師偏在対策には、フリーランス医師への対応が問題」と指摘。「どんな医師がいかなるキャリアを積み、どんな実力を持て、どこで働いているか」の把握が必要だとした。

 もっとも、15日の「医師需給分科会」で強かったのは、「早期に実現可能な医師偏在対策」ではなく、「抜本的な医師偏在対策」をめぐる意見だ。
 聖路加国際病院院長の福井次矢氏は、「医師の地域偏在と同様に大切なのは、医師の専門性(診療科)の偏在の問題」と述べ、早急な着手を求めた。小川氏は、「医師数は西高東低。地域枠医師の問題だけを議論しても、医師の偏在は解消しない。日本全体の地域偏在と診療科偏在の議論をしないと意味がない」と指摘。
 津田塾大学総合政策学部教授の森田朗氏は、「現時点では、このような形で議論をまとめるのが妥当ではないか」と、地域医療支援センター強化の取り組みを支持しつつ、医師需給分科会の議論を次のように総括した。「インセンティブや情報提供などの、“ソフトツール”ではなく、“ハードツール”でないと問題は解決しないという議論になったところで、(2016年10月以降)医師需給分科会は中断した。しかし、今は地域医療支援センターや地域枠医師の活用など、また“ソフトツール”の議論に戻っているところに、むなしさを感じているのだろう」。

しかし都道府県によって人口がこれほど違うにも関わらず医学部定員は画一的に一大学百人前後なのですから、人口現象が続く地域などではよほどに定員を考えないと医学部学生の学力低下がさらに深刻化しそうなのですが、試験の点数と医師としての能力の相関云々はさておき、地域医療の場においては真面目に働いてくれるなら多少の能力差は問題にならないと言う局面の方が多いとも言えます。
他方では地域枠入学者も未来永劫各地方に根を張って医療に従事していると言う訳でもないでしょうから、こうしたゆるい競争環境での医療に従事してきた彼らが後々他地域に流出してきた際にどうなるのかで、あまりに大きな能力格差などが発生しないよう卒然卒後の教育方法などにも工夫が必要なのだろうと思いますね。
ちなみに地域枠なども偏差値が低くても医学部に入学出来る(失礼)お得なルートとして受験の世界では知られているのだそうですが、他に社会人からの医学部編入なども効率的な抜け道であるとして最近人気が出ているのだそうですし、ハンガリーの医学部経由で日本で医師になると言った道もそれなりの数いらっしゃるそうですから、昔と違って医師への道も多様化してきていると言えるのでしょう。

当日の会議資料についてはこちらを参照いただきたいと思いますが、見ていて興味深いと思ったのは診療科偏在と言うことも地域的な偏在と同等、あるいはそれ以上に重視されていると言うことですよね。
この点で修学資金貸与事業において対象者の1/4には診療科を指定しての勤務義務が定められていて、かつその年限は9年以上と言う長期間が圧倒的多数であると言いますから、キャリアを考えると事実上診療科を限定されているのと同じ事ではないかと思いますが、今後さらに広汎に診療科偏在対策が講じられていくのかどうかです。
一方で若手医師が地方勤務を拒否する理由の上位に「希望する内容の仕事が出来ない」と言うことが挙げられていて、この辺り公益性と個人の自由意志のバランスと言う永遠の課題も見え隠れしますが、診療科間で社会的需要や業務量も異なることからも、今後待遇や診療報酬等の格差付けによる診療科間の自由意志に基づく誘導も検討されていくのかも知れません。
地域的な偏在に関しては自治体病院を統括する総務省も別に対策を検討していて、興味深いデータとして非常勤医師を常勤よりも割高な給与を支払ってでも確保した方が経営が改善したと言いますから、場合によっては医師間の待遇格差を拡大することも経営的には相応の合理性があると言う解釈も出来るのでしょうか。



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2017年6月21日 (水)

いのち一年分の妥当な値段

なかなか面白い試みだと思ったのですが、先日こんなニュースが出ていたことを御覧になったでしょうか。

1年延命の薬、公的負担どこまで 費用対効果、世論調査(2017年6月13日朝日新聞)

 1年延命できる薬に公的保険からいくらまで支出を認められるか、厚生労働省が今夏に世論調査に乗り出す。結果は高額な薬の費用対効果を判断する基準に使い、医療費の抑制につなげる。ただ、調査結果は延命にかける医療費の目安となりかねず、議論を呼ぶ可能性がある。

 質問案は「完全な健康状態で1年間生存することを可能とする医薬品・医療機器等の費用がX円であるとき、公的な保険から支払うべきか」。額を上下させ質問を重ね、適正だと思う値段を面談で聞き出す。対象者は住民基本台帳から無作為に抽出。年齢や性別、所得が偏らないよう数千人規模の調査とする見込みで、結果は秋までに公表する。

 結果は、評価対象の新薬ごとに製薬会社提供のデータと突き合わせる。データは新薬の使用で増えた費用と、延びた生存年数にその間の生活の質を加味した「QALY(クオリー)」という値を組み合わせたもので、その費用対効果を5段階で評価。「悪い」「とても悪い」となった薬は、代わりの治療法がないことなどがなければ値下げの検討対象とする。

「1年延命できる薬に、公的支出いくらまで?」厚労省、一般市民に面談調査へ(2017年6月15日読売新聞)

 高額な薬が増えるなか、厚生労働省は今夏、薬の値段に関する意識調査を行う。

 「1年延命できる薬に公的医療保険からいくらまで支払っていいか」を数千人の一般市民に尋ねる。結果は、薬の価格が効果に見合っているかどうかの費用対効果の判断に生かす。

 同省は来年度から、薬や医療機器の価格算定に、費用対効果の分析結果を反映させる制度を本格的に導入する方針。中央社会保険医療協議会(中医協、厚生労働相の諮問機関)の専門部会で14日、具体的な調査方法が議論された。

 調査は、面談方式で実施。薬について様々な金額を示したうえで、公的医療保険から支払うべきだと考えるかと尋ね、「はい」「いいえ」で回答してもらう。質問を重ねることにより容認できる金額の水準を探っていく。意識調査の結果は、今秋までに公表する。

記事によって微妙にニュアンスが異なっているのですが、朝日のニュースによれば単なる1年の延命ではなく「完全な健康状態で」と言う但し書きが付くところがポイントになりそうで、延命云々が議論になるような命に関わる大病がある状態で「完全な健康状態で」と言うのも、なかなかに空想的な前提条件と言う気がしますよね。
これが事実であれば調査によってどの程度正確なデータが収集できるものなのか微妙に疑問もありますけれども、せっかく何千人も面接を行うのであれば単にコストだけではなく、延命期間の健康状態など様々なパラメーターに関しても併せて調べて見ていただきたいと思います。
いずれにしても今回こうした調査を行うと言うことは、人の命は地球より重い式の昭和的価値観からの脱却が次第に進んできていて、命の沙汰は金次第とまでは言わないもののやはりある程度コスト意識を持たないではいられないだろうと言うコンセンサスが、次第に世の中にも拡がってきていると言うことを反映しているのでしょうか。

国の財政は当面大幅に好転する見通しはないようですが、そうなると支出をどれだけ抑制出来るかと言うことに注目が集まるのは当然であり、とりわけ増大する一方で絶対値としても巨大な金額となっている社会保障関連のコストをどう抑制するかが近年盛んに議論されるようになっていますよね。
毎年新薬や新規治療法が次々と登場していて、認可されると言うことは当然ながら旧来の治療法よりも効果があると認められたと言うことですが、超高額な新薬が相次いで登場している中でこの薬を使えば寿命が○ヶ月伸びます、その代わりコストは○百万円余計にかかりますと言ったことが現実に起こり得るようになっている時代です。
その増えた分のコスト負担が個人の財布に直接来ると言うのであれば自然と使用にブレーキもかかるのでしょうが、高額医療費の上限で定額負担だけで済むとなればかかったコストの自覚が乏しくなるのも当然であり、むしろ人間心理として「どうせ支払いが同じなら高い薬を使わなければ損」と言った心理が働く可能性すらありますよね。
この辺りは自己負担増加による医療費抑制が妥当なのかと言った積年の議論とも関わってきますが、単純に幾らと線引きが出来るような話でもないだけに、こうした調査などの繰り返しも含めて徐々に国民意識の変化を促していく地道な努力も必要になるのかも知れません。

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2017年6月19日 (月)

院内処方を行う病院で誤投薬により患者死亡事故が発生

鬼の首でも取ったようなと言う表現がありますが、こちら一部方面からは何故かそのような扱いをされていたニュースです。

“院内回帰の病院”で薬剤取り違え事故(2017年6月15日薬局新聞)

 JA新潟県厚生農業協同組合連合会(新潟厚生連)が運営する三条総合病院(病院長・神田達夫)は6月2日、処方薬の取り違いに伴う患者死亡事故が発生したことを公表した。同病院は8年前の2009年5月、それまで院外処方箋を発行していたものの、選択制と称して実質的に院内調剤に戻すことを打ち出し、物議を醸していた施設。今回の事件は患者が死亡した後に薬剤部が誤薬に気付き発覚したもので、病院は誤薬と死因の因果関係は不明としているものの、薬剤部の業務状態などがクローズアップされる状況に陥っている。

 三条総合病院が6月2日に公表したプレスリリースによると、亡くなった患者は三条市内在住の70歳代男性で、アルコール性肝硬変と慢性腎不全を併発しており、平成28年からは人工透析が行われたという。本年4月中旬に肝硬変による肝性脳症の治療を目的に入院。4月27日に病院の薬剤部で内服薬の調剤が行われたが、その際、肝性脳症治療薬である『リフキシマ錠200mg』が用いられるべきところ、取り間違えにより抗凝固薬である『リクシアナ錠30mg』が使用された。薬剤の取り違えは気付かれることなく、誤った医薬品であるリクシアナ錠が4月28日朝から30日の昼までの間服用された。
 同30日にリクシアナ錠の重大な副作用に記載されている「消化管出血」が出現し、同日に上部消化管内視鏡による止血術により出血は小康を得たものの、翌5月1日午前に患者は消化管出血を死因として死亡に至ったという。
 薬剤取り違えについては、患者が亡くなった2日後の5月3日に薬剤部が当該患者の残薬を確認した際、薬剤の取り違えに気付いたもの。2日時点の同病院の見解としては「リクシアナ錠の投与と消化管出血死亡の因果関係は不明」としている。なお、医療事故調査制度に従い、事の顛末を医療事故調査・支援センターに報告。外部委員を含めた医療事故調査委員会を立ち上げ、原因究明を行っている。

 同病院は、2009年5月から1日平均約350枚もの処方箋を選択制と称して、実質的に院内調剤に舵を切ったことで全国的にも注目度の高い病院となっていた。ホームページ上では現在も院内処方を中心としている記載が示されており、外来・入院患者のほとんどが病院内の薬剤部で調剤・調整などが行われていた可能性が高い。
 8年前に院内処方へ戻す際には「薬価差益が得られることは否定しないし、経営要素としてプラスになるからこのような判断に至った」と説明していた。また同じタイミングで薬剤部の人員を6人から9人に増員したほか、一包化機器や散剤機械を導入するなど、院内薬剤部の機能拡充に資源を投入していた。
 現在、同病院は「事故調査の事案のためコメント等は差し控えたい」とし、詳細については事故調査委員会の判断を待ってから正式な対応を取る考えを打ち出している。
 なお8年前の院内処方に戻す際、新潟県薬剤師会は同病院から発行されていた処方箋における疑義照会実績を公表しており、1カ月の平均件数は110件で過去1~2年間では重大な事象に結びつく疑義照会は47件発見されていたことを明らかにしている。

ちなみに別のソースによれば病院側としては「誤投薬と消化管出血との因果関係は「あると思われる」とするが、死亡との因果関係は「不明」としている」のだそうですが、3日間の内服でこうまで重大な結果を来していると言うのは、静脈瘤など基礎疾患の存在も経過に影響していたのかなとも想像しますがどうなのでしょうかね。
いずれにしても不幸にしてお亡くなりになった患者さんのご冥福をお祈りするしかないのですが、この種の薬剤取り違えによる医療事故はたびたび報じられていて、残念ながら今回のように単純に名称が似た薬剤を出してしまったと言ううっかりミスに近いケースが少なくないようです。
有名なところでは病棟でもよく使われるステロイド薬の「サクジゾン」と、手術室で使われる筋弛緩剤である「サクシン」の取り違え事故などが知られていますが、特に電子カルテシステムの場合最初の3文字程度の入力で自動的に検索機能が働くようになっているせいか、最初の数文字が同じ組み合わせと言うのは非常に注意が必要になりそうですね。

それはともかく、今回の場合病院側が薬価差益云々とわざわざ言っているところからしても、院外処方から院内処方へと戻す際にずいぶんとこの辺りを突っ込んだ人もいると言うことなのでしょうが、本来的には電子カルテで患者情報にも直接接することが出来る院内処方の方が、全く見ず知らずの患者の調剤を請け負う院外処方よりも安全であるはずです。
それでもこうした重大事故につながると言うのは一つには当然ながら入院患者の方がより重症であり、効果の点でも副作用の面でも強力な薬を使う機会が多いと言うこともあるでしょうし、院内の薬剤師であれば様々な業務で多忙にしているところに、さらに外来患者の調剤も引き受ければ多忙からミスも増えるだろうとは想像されるところですね。
最近では調剤業務の機械化による省力化と言うこともかなり進んでいるそうですが、外来患者の調剤を全部引き受けるとすれば薬剤部3人の増員では追いつかなかった可能性はあり、単純にマンパワー不足が重大な医療事故に結びついたのだとすれば他業種においても他人事ではない話ですから、事故調がどのような結論を出すのかにも注目したいですね。

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2017年6月18日 (日)

今日のぐり:「酔鯨亭」

過ぎたるは及ばざるが如しと言いますが、先日少しばかり過ぎてしまった結果不幸な結末を迎えてしまった人物が報じられていました。
 
 恋人たちが別れる理由は様々だが、少し珍しいことがきっかけとなって別れを切り出されたある男性が「教えて!goo」に相談を寄せた。Q&Aのタイトルは「食べ放題が原因で彼女と別れそう」となっている。
 ■正月デートがだいなしに
 相談者とその彼女は大学生、付き合って2年近くのカップルである。2人とも食べるのが好きで、デートで食べ放題の店に行くことも多かった。
 しかし相談者にはある問題があった。普段は食が細いのに、食べ放題に行くと必ず体調を崩すまで食べてしまうのだという。毎回「食べ過ぎに注意しよう」と決意して行くにも関わらず、食べているうちに「あれもこれも」となってしまうのだそうだ。
 彼女から食べ放題の店に行くのはやめようかという提案もあったが、相談者は「次は食べ過ぎない」と言い、これを断った。そして次回、またしても体調を崩すまで食べてしまうのである。
 ある正月、2人は旅行先で食べ放題の店へ。彼女から「本当に平気なのか」という旨の念を押されたが、相談者は「大丈夫」と返事。食後は景色を見てからホテルに戻るつもりだったが、相談者は案の定体調を崩すまで食べてしまい、ホテルに直帰、そのまま横になった。
 その後旅行は無事終わったかに思えたが、直後に彼女から「別れたい」との連絡が。何度も同じ失敗を繰り返す相談者に愛想が尽きたとのことである。彼女の決意は固く、相談者が謝っても翻意はなさそうな気配である。
 相談者は深く反省するとともに、「絶対に別れたくありません」とも言っている。そんな彼に対して、どのような回答が投げかけられたのであろうか。
(略)
まあ絶対に別れたくないくらい大事な相手なら相手が嫌がることはしてはいけないと思うのですが、どのような回答が出てきたかは各人ご確認いただければと思いますね。
今日は正月早々散々な目に遭った彼女を励ます意味で、世界中からもう多少のことはいいのではないか?と心が広くなるようなニュースを紹介してみましょう。
 

 津軽岩木スカイラインは岩木山南西に位置する有料の自動車専用道路。岩木山の8合目(1247メートル)までを登ることができ、全長は9.8キロに69カ所のカーブがある。近年は難所を利用した自転車や歩いて登るヒルクライムイベントなどが開催されている。
 話題となったきっかけは、ツイッターアカウント「@Plakad1ryuta」さんが6月2日に、津軽岩木スカイラインの地図画像とともに8合目から撮影した写真を「地図で見ただけでわかる異常具合」とツイートしたことから。9000以上のリツイートがあったほか、1万1000以上のいいねを集める反響があった。
 津軽岩木スカイラインの梅原寛さんによると、栃木県日光市の「いろは坂」よりカーブの数は多く、国内だけでなく海外からも問い合わせがあるという。1965(昭和40)年に開通した同道路の背景には「重要無形民俗文化財指定のお山参詣信仰を後世に残すこともあった」とも。
 津軽岩木山で行われている「お山参詣」は、旧暦の8月1日に「五穀豊穣」「家内安全」を祈願し、岩木山神社(弘前市百沢)を参拝した後、山頂を目指して登山するという山岳信仰。
 1962(昭和37)年6月には、一般人でも登りやすくするため道路整備の計画が浮上した。「工事にあたっては安全と自然環境に配慮し、最低限の森を切り開いた結果、69カ所というカーブの多さになった。過去にロープウェイの計画もあったが、生態系を壊しかねないと頓挫したこともあった」と梅原さん。
 梅原さんは「ネットで注目が高まったことに驚いている。春は新緑、秋は紅葉といったシーズンの見どころのほか、最近では営業時間を延ばし、8合目から見る満点の星空や夕日といった見所もある。ぜひシーズンで足を運んでほしい」と呼び掛ける。
 
その状況は記事の写真を御覧頂ければ一目瞭然なのですが、何事もここまでやりきってしまうと何やら清々しいほどのものを感じるでしょうか。
昨年昔懐かしい家庭用ゲーム機がリメイク発売され大いに話題になりましたが、こちらそれ以上に高機能な新型が話題になっています。
ゲーム配信サービス「Direct2Drive」などで知られるAtGamesは、セガのメガドライブ海外版“ジェネシス”に様々な新機能を付加した「Sega Genesis Flashback」を海外で発表しています。
この「Sega Genesis Flashback」は、実際のジェネシスのカートリッジがそのまま使えるだけでなく、2.4ghz帯の無線コントローラーを採用。ジェネシス用のコントローラーポートも残されているため、有線コントローラーを持っているのであればそのまま使用することができます。また、本機種は720pHDMIの出力に対応している他、スキャンライン風の表示、ステートセーブ機能の利用が可能です。更には『ソニック』シリーズや、『ファンタシースター』シリーズ、『獣王記』などを始めとした、85本ものゲームが内蔵されており、もしカートリッジを所有していなくともそのままゲームを楽しめます。
なお、この「Sega Genesis Flashback」と同時に「Classic Game Console」「Ultimate Portable Game Player」も発表されています。「Classic Game Console」は「Sega Genesis Flashback」の小型廉価版で、コントローラーは有線のみ、ゲームの収録数は81本といった仕様です。「Ultimate Portable Game Player」は2.8インチの液晶ディスプレイを備えた携帯モデル。カートリッジには対応していないものの、85本のゲームが収録されている他、SDカードを用いて自身で所有しているゲームを同機へと追加することができます。
 
内臓ゲームが豊富なだけでなくカートリッジも使え、SDカードで追加も出来ると言う高性能ぶりですが、やはり時代は16ビットを求めていると言うことなのでしょうか。
辛い物が好きな人は一定数いるものですが、さすがにこれは人としていささかどうよ?と思われるものがあるそうです。
「世界一辛い」とギネス世界記録に認定されているトウガラシ「キャロライナ・リーパー」を越える辛さのトウガラシが登場しました。「Dragon's Breath chile」と名付けられたトウガラシを食べた人は気道が焼かれて閉じてしまい、アナフィラキシーショックのような症状が起きて死に至る可能性があるとのこと。
新たに世界一の辛さを記録したトウガラシは「Dragon's Breath chile」という品種で、「ドラゴンの息」という言葉を名に冠します。トウガラシの辛さを測る単位をスコヴィル値と言い、ピーマンのスコヴィル値が0、ハバネロが30万と言われていますが、Dragon's Breath chileのスコヴィル値は248万を記録しました。これは、つまり「Dragon's Breath chileのカプサイシンを舌で感じられなくするようには、水で248万倍に希釈する必要がある」ということ。
248万スコヴィルという数字は、2013年に「世界一辛いトウガラシ」としてギネス世界記録に認定されたトウガラシ「キャロライナ・リーパー」が記録した220万スコヴィルを越える値です。
なお、白目をむいて救急車で運ばれる人が出たという「18禁ハンバーガー」に使われているトウガラシの濃縮ペーストは700~900万スコヴィルです。
Dragon's Breath chileを開発したのは農場主のMike Smithさんと、イギリス・ノッティンガム大学の研究者たち。Smithさんが実際にDragon's Breath chileの先をかじってみたところ「舌を何度も焼かれたようだった」とのことで、「食用には向かない」そうです。
文字通り「死ぬほど辛い」Dragon's Breath chileは、今後は、医療での使用が目標とされています。アレルギーがあるために麻酔薬を使えない患者は世界中に存在しますが、Dragon's Breath chileは皮膚を麻痺させるほどの辛さなので、Dragon's Breath chileから抽出したオイルが麻酔薬に替わるものとして使えると考えられているとのこと。また、経済的な理由から麻酔薬が使えない場においても使用できると予想されています。
もはやここまで来ると数字で示されても何がなにやらですが、果たしてこうした特殊な唐辛子で種々ツーされることが幸せなのかどうかですね。
宗教上の理由と言えば大抵の事が許容されると言う時代ですが、こちらかなり独特な教義をお持ちの方が報じられていました。
 
(CNN) 米アリゾナ州に居住する男性が運転免許証に使う顔写真にパスタの水切り用容器をかぶった姿の採用を求め、認められる一幕がこのほどあった。
宗教上の信仰を理由にした申請。米国の大抵の州では、運転免許証の写真はかぶり物などがないものを指定しているが、宗教上の理由があった場合は特例になる場合がある。アリゾナ州チャンドラー居住のショーン・コーベットさんはこの特例規則を適用しパスタの水切り用容器を使用した。
コーベットさんは2年かけアリゾナ州内の複数の場所で、水切り用容器の着用許可を申請し、これに応じる1カ所を見付けていた。
ただ、同州の交通行政当局はCNN系列局KNXVに、宗教に絡む特例事項はあるもののコーベットさんの場合は認められるべきではなかったと主張。水切り用容器をかぶった写真と運転免許証を無効にする準備を進めている。
これに対しコーベットさんは無効となれば法廷闘争を開始する構えを見せている。
コーベットさんは、団体「空飛ぶスパゲティモンスター教会」の信者と主張。この団体は、世界は5000年前、空飛ぶスパゲティモンスターによって創世されたもので、宗教的なかぶり物としてパスタの水切り用容器を身に付けるのが信者「パスタファリアン」の務めなどと説明している。
ただ、パスタファリアニズムについては敬けんな意味合いより、風刺が重んじられることを認めた。
元記事の画像を見てももはや何が何やらよく判りませんが、多くの日本人が宗教に関して寛容な精神を持っていることを何者かに感謝したくなるのはこんな時でしょうか。
最後に取り上げますのはお隣中国からの話題ですが、まずはびっくりするようなその記事から事件のあらましを紹介してみましょう。
 
妊婦のように突き出たお腹を抱える苦痛をほぼ人生を通して味わってきた中国・上海に暮らす22歳の男性が、このほど大腸から大量の糞便を除去する手術を受けた。男性は先天性の腸疾患を抱えていたとされている。英『Mirror』など複数メディアが伝えた。
幼い頃から腹部が膨らみ始めた男性(名前は明かされていない)は、これまで周りに「まるで妊婦のようだ」と思わせるほど大きなお腹を抱えて過ごしてきた。
彼は幼少期から便の出が悪く、大腸の働きを助けるために下剤や便秘薬に頼りながら過ごしてこなければならなかった。長年腹部の痛みを抱えながらも医師にかかることはなかったが、このたび激しい痛みや不快感に耐えられなくなり来院したという。
上海にある「10th People’s Hospital of Shanghai」で男性の手術を担当したイン・リウ医師は、専門チームとともに3時間かけて彼の腸を約76cm摘出した。そこには長年の糞便が蓄積されており、その重さはなんと12.7kgもあったという。便が漏れないように除去された腸は両端を縫合されたが、糞便の詰まった腸はまるでエイリアンのようだ。
医師は「いつ、腸が破裂してもおかしくない状態だった」と話しており、おそらく男性は腸の中の圧力を感じる神経節細胞の先天的欠如により、大腸に大量のガスや大便が蓄積する「ヒルシュスプルング病(先天性巨大結腸症)」を患っていたのではないかとみられている。
5000人に1人の発症率と言われる「ヒルシュスプルング病」はほとんどが子供の頃に診断されるそうだが、稀に大人になるまで気付かない人もいるという。なお手術を受けた男性の容態は安定しており、回復が見込まれているとのことだ。
その驚くべき切除標本は元記事に画像が添付されていますが、確かにこんなものが腹の中に入っていれば妊婦どころではなさそうですね。
しかし中国では特に経済的事情によって医療アクセスが非常に悪いそうですが、さすがにこれは我慢出来る限界を超えていたと言うことなのでしょう。
 
日本三大がっかり名所の一つに数えられる高知はりまや橋の近所に位置するこちらのお店、高知の名物が一通り揃っているのでなかなか重宝するお店です。
しかし久しぶりにお邪魔してみますとお向かいのコインパーキングがなくなってしまっているようで、少しばかり駐車が不便になった気がしますね。
 
例によって適当に色々なものをつまんで見たのですが、やはりこの時期食べておくべきなのは初鰹と言うことで、塩とポン酢のタタキに土佐巻きを頼んで見ました。
鰹のタタキに塩とポン酢のどちらが合うのかはお好み次第でと言うしかないのでしょうが、個人的には脂気が少なくさっぱり味の初鰹の時期は塩の方が合う気がします。
そのタタキを使った太巻きが土佐巻きですが、こちらの土佐巻きはいつの間にか裏巻きになってしまったようで、一体しばらく来ない間に何か思うところでもあったのでしょうか。
ウツボ自体他県ではあまり食べることがなく、経験した範囲では他に和歌山で見かけたくらいですが、皮と身の食感が楽しめる唐揚げはウツボの料理では一番好きですね。
クジラ料理も一通り揃っていますが、給食でも人気のあった竜田揚げは妙な臭みや癖もないですし、串カツもなかなかいけます。
昨今高知名物だというフルーツトマトは小ぶりなトマトが二つカットされていて、トマトとしてはずいぶん割高には感じるのですが確かに甘いですね。
 
全般的に以前とは盛り付けや料理の内容などは微妙に変わってきているようですが、設備面や接遇面などはごく一般的な水準で特記するようなことはありません。
居酒屋的なお店なので静かに落ち着いて会食するには向きませんが、穴場など特にこだわりがない人にはちょうどいい落としどころかなと言う気がします。

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2017年6月16日 (金)

「昭和の人生すごろく」とはなかなかうまい表現

先日から妙に話題になっているのがこちらの報告書ですが、まずは記事から紹介してみましょう。

120万人以上がDL 経産省若手職員の報告書に注目(2017年6月13日朝日新聞)

 「昭和の人生すごろく」では、平成以降の社会は立ち行かない――。こんな問題意識で、社会保障制度などの改革を提言した経済産業省の若手職員の報告書が、インターネット上で話題だ。これまでに延べ120万人以上がダウンロードするなど、行政資料としては異例の注目度となっている。
 報告書は「不安な個人、立ちすくむ国家」。経産省の20~30代の職員30人が所管の業務とは関係なく有志で昨年8月から議論を重ね、5月中旬に公表した。同省のホームページにも掲載したところ、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を通じて一気に拡散した。

 報告書が切り込んだのは「正社員男性と専業主婦家庭で定年後は年金暮らし」という、崩れつつある「昭和の標準的人生」を前提とした社会保障制度だ。
 日本では高齢者の年金と介護への政府支出が国内総生産(GDP)の1割を超えて増え続ける。ところが健康寿命は伸びており、元気な人も多い高齢者を一律に「弱者」と扱って予算をつぎ込む仕組みが「いつまで耐えられるのか」と問う。
 一方で、保育所整備や児童手当などの現役世帯向けはGDPの2%未満。ひとり親家庭の子どもの貧困率は5割を超え、先進国で最悪の水準だ。

 報告書は「現役世代に極端に冷たい社会」のしわ寄せが子どもに向かっていると指摘。高齢者も働ける限り社会に貢献し、未来を担う子どもへの支援に「真っ先に予算を確保」するよう求めた。

経産省若手の提言「ヤバイ感がすごい」 「2度目の見逃し三振は許されない」(2017年5月19日J-CASTニュース)

   「2度目の見逃し三振はもう許されない」。経済産業省の有志チームが、日本社会の課題について65枚のスライドにまとめた資料の表現が話題になっている。
   他にも「『昭和の人生すごろく』のコンプリート率は、既に大幅に下がっている」「子ども・若者の貧困を食い止め、連鎖を防ぐための政府の努力は十分か」など、従来の「お役所仕事」とは一線を画した表現で問題提起の文言が並ぶ。資料に目を通したツイッターユーザーの間でも「経産省のpdfから伝わる鬼のような緊迫感」と大きな関心を持たれている。

   経産省の資料とは「不安な個人、立ちすくむ国家 ~モデル無き時代をどう前向きに生き抜くか~」。2017年5月18日に開かれた同省設置の産業構造審議会第20回総会で配布され、省ウェブサイトで同日公表された。
   作成したのは経産省の20代~30代の若手有志30人で構成される「次官・若手プロジェクト」チームだ。資料冒頭に、同プロジェクトの趣旨は「国内外の社会構造の変化を把握するとともに、中長期的な政策の軸となる考え方を検討し、世の中に広く問いかけることを目指す」と説明がある。
   資料では、少子高齢化や人口減少が進み、個人の価値観も変化してきた日本は「人生選択の機会の増加」や「社会制度の変革」を目指すべきではないかといった内容を独自の表現で訴えている。

   たとえば「夫は定年まで外で働き、妻は家を守る」といった価値観は1960年代の高度経済成長期に形作られたものであり、同省の試算によると現代では薄れているとして、こう表現している。
    「『サラリーマンと専業主婦で定年後は年金暮らし』という『昭和の人生すごろく』のコンプリート率は、既に大幅に下がっている
    「今後は、人生100年、二毛作三毛作が当たり前」

「官僚たちの夏は終わっていなかったのか」

   一方で、現実は「『昭和の標準モデル』を前提に作られた制度と、それを当然と思いがちな価値観が絡み合い、変革が進まない」とし、「多様な生き方をしようとする個人の選択を歪めているのではないか」と訴える。こうした問題の背景として「みんなの人生にあてはまり、みんなに共感してもらえる『共通の目標』を政府が示すことは難しくなっている」などと政府に対しても厳しい評価をしている。
   これからは「団塊の世代」が75歳を迎える2025年を目処に新たな社会を作り上げる必要性を説き「逆算すると、この数年が勝負」とする。同時に、おおよそ1970年代生まれの「団塊ジュニア」を対象に「効果的な少子化対策を行う必要があった」が「今や彼らはすでに40歳を超えており、対策が後手に回りつつある」と遅れを指摘。同じことを繰り返せない旨を「2度目の見逃し三振はもう許されない」と表現している。
(略)
   資料をまとめた経産省政策審議室の担当者は19日、J-CASTニュースの取材に対し「省庁内に限らず、国民、企業、メディア、学生など、あらゆる立場の方々に、日本の今後に対する問題意識を抱いてほしいという思いで作成しました」と話す。
(略)
   具体的な施策はあまり書かれていないが、「そうするとそればかりにフォーカスが当てられ、当初の目的である『問題意識の投げかけ』が薄れてしまうと思い、あえて『回答』は出しませんでした」との意図だ。同時に「今後多方面から意見が出ると思いますので、それらを踏まえて改めて具体的な施策づくりを含めた議論につなげたいと思っています」との展望を話していた。

もともとの報告書についてはこちらから参照いただければと思うのですが、お役所の文書と言うイメージに反して非常に読みやすくキャッチーな内容で、意図された通り議論の叩き台としては良く出来た資料に仕上がっているのではないかと言う気がしますが如何でしょうか。
社会保障に関しては従来型の制度設計は破綻しつつあり、高齢者向け支出よりも子どもや現役世代向け支出を手厚くすべきと言う主張にはアグリーなのですが、特に「高齢者=弱者」と一律に認定してまんべんなく予算をつぎ込む方式はすでに限界であると言うことであれば、一人一人の状況に応じて必要な支援を必要な時に行えるシステムが必要になってくる道理です。
この点で気になるのが就労希望の高齢者が多いにも関わらず実に7割の高齢者は就労はおろか地域での活動にも従事しておらず、「定年退職を境に、日がなテレビを見て過ごしている。」と言う現実ですが、この人手不足の時代に何とももったいない現実であると同時に、自助努力が可能な人ですらこうした状況では一人暮らしの高齢者が体調を崩した際など即座の支援が行えるのか?と不安には感じますね。

ところでデータから各方面での現状が横断的、断片的に提示されていて興味深く拝見したのですが、改めて愕然としたのが中程34pに登場する東京大学の教員の年齢分布の図で、任期のない無期雇用の研究者が年々高齢側に偏っている一方、若手研究者の大半が任期の限られた不安定な身分に留め置かれていると言う状況が、この数年間で見ても急速に進行していると言う点です。
もちろん研究の実績を挙げれば無期雇用に格上げされる機会もあるのでしょうが、天下の東大ではそんなこともないのかも知れませんが田舎大学などではろくに論文も書かないまま長年講座に居座っている万年講師の類を見かけるもので、そうした生産性に乏しい方々のせいでポストを得られない若手が研究生活にも支障を来すと言うのでは大変な社会的損失ですよね。
このところ日本発の論文数が急速に減少していることが懸念されていますが、研究職に限らず地方の公立病院などでも同様に生産性の低い永年勤続の老先生が居座っているおかげでバリバリの若手・中堅がふさわしい待遇を得られないと言うケースも見かけるだけに、昭和そのままの人生すごろくを見直していくべき局面は案外多方面に及んでいるのかも知れません。

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2017年6月14日 (水)

添付文書の記載から禁忌・慎重投与が消える?

地味ながらなかなかに重要なニュースだと思うのですが、先日こんな記事が出ていました。

添付文書の「原則禁忌」「慎重投与」が廃止(2017年6月9日DIオンライン)

 厚生労働省は2017年6月8日、医療用医薬品の添付文書の記載要領についての通知を発出した。

 「原則禁忌」と「慎重投与」を廃止し、「特定の背景を有する患者に関する注意」を新設し項目を整理するほか、通し番号を設定するなど、約20年振りに全面変更する。

 適用は2019年4月1日からで、経過措置期間は5年間。

添文の新記載要領、経過措置は5年  厚労省、近く局長通知  19年4月施行(2017年6月8日日刊薬業)

 厚生労働省は、添付文書の新しい記載要領の内容を決めた。現行の添文にある「原則禁忌」と「慎重投与」を廃止するほか、新たに「特定の背景を有する患者に関する注意」を設けるなど、項目の統廃合・新設が柱。

 施行は2019年4月1日。3~5年間で検討してきた経過措置期間は5年間とする。近日中に医薬・生活衛生局長通知などを出し、内容を示す見通しだ。添文の記載要領改訂は1997年以来約20年ぶり。

この添付文書に書かれた禁忌と言う文言について、以前から主に医療訴訟関連でその解釈が問われてきた歴史がありますが、同じ禁忌と言ってもどのような場合にも投与してはならない絶対禁忌と、場合によっては投与が許容される原則禁忌の区別があるとされています。
この暗黙の区別の結果生じる興味深い現象の一例として、NSAIDsに分類されるセレコックス(セレコキシブ)の添付文書には禁忌としてアスピリン喘息が挙げられていますが、アレルギー学会の喘息予防・管理ガイドラインでは常用量で安全に使用することが出来ると言う記載があります。
そもそもNSAIDsである時点で一律に添付文書に禁忌の記載がされてしまうのがおかしいと言う話なのですが、こうした臨床的に許容される使用法であっても仮に何かあった場合、司法の場においては責任を問われる可能性があるのでは、と考えてしまいますよね。

過去の裁判事例では責任が問われるかどうかの分かれ目として医師個人の経験だけでは不十分で、投与の必要性等の客観的な理由や,患者の強い希望等の積極的理由があるかどうかにかかっていると言うことですが、先年の東京女子医大のプロポフォール投与事件ではこのあたりの判断基準が厳しく問われました。
遺族側弁護士は厚労省に質問状を提出し、プロポフォールの添付文書に言うところの禁忌とは原則禁忌なのか(絶対)禁忌なのかと問いかけたわけですが、厚労省の回答は特段の合理的な理由があれば投与を認めると言うべき内容で、言うところの原則禁忌に相当するものであると言う認識を示した形です。
もともと投薬については医師の裁量権の範疇であり、リスクも承知の上で使うべき局面はあるのだから禁忌などと一律に記載すべきではないと言う意見も根強くあって、今回の通知もそうした意見に沿う内容とも受け取れますが、逆に言えば医師の判断と責任が一段と重く問われる可能性もあると言うことです。
ある意味では今まで禁忌・慎重投与と明記された事例さえ気をつけていればよかったものが、どのような使用法であれ合理的な理由の有無を問われる可能性が出てきたとも解釈出来るわけで、今後この新しい通達の元で医療訴訟がどうなっていくかも注目していく必要がありそうですね。

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2017年6月12日 (月)

進化する学生教育は正しい方向に進んでいけるのか

本日の本題に入る前に、近年ロボットや人工知能の発達が進み各方面での応用が期待されている中、先日こんな面白い応用例が報じられていたことを紹介してみましょう。

ここまで来たシミュレーター「痛っ」「おえっ」、内視鏡挿入でロボットがえずく(2017年6月8日日経メディカル)

 内視鏡検査用スコープが咽頭部に触れると、瞼を閉じ、「痛っ」や「おえっ」と声を発する――。これは生身の患者ではない。医療シミュレーターロボットの動作だ。見た目や内部臓器の構造だけでなく、えずきや咽頭反射といった生体反応も再現。患者の苦痛にまで気を配るトレーニングが、ロボット技術の進化によって可能となる
 内視鏡検査と気管挿管、喀痰吸引の手技をトレーニングできるシミュレーター「mikoto」。テムザック技術研究所(鳥取県米子市)と鳥取大学医学部、鳥取大学医学部附属病院が共同開発し、同院シミュレーションセンターに2017年中に導入する。他の教育機関からの受注も2017年3月に開始。参考価格は、3つの手技のトレーニングを行えるマルチタスクモデルが980万円、気管挿管のみを行うシングルタスクモデルが198万円としている(写真1、写真2)。
 mikotoは、これまでの“マネキン型”のシミュレーターや動かない臓器モデルとは一線を画す。というのも、「患者が苦痛を感じる反射や反応をロボット技術で再現した」(テムザック技術研究所代表取締役社長の檜山康明氏)からだ。開発に携わった鳥取大学医学部附属病院シミュレーションセンター長の中村廣繁氏(医学部副学部長、胸部外科学分野教授)も、「これまでにない新しいものができた」と評する。
(略)
 mikotoの口腔あるいは鼻腔からに内視鏡を挿入すると、咽頭部に設置したセンサーに一定以上の力で触れると、声で咽頭反射を再現する。上咽頭に触れると「痛っ」、中・下咽頭に触れると「おえっ」とえずき、同時に瞬きも行う。なお、実際の患者では舌根に触れることでも咽頭反射が起こるが、気管挿管の手技を行う際に邪魔になってしまうため、現状は中・下咽頭のセンサーで咽頭反射を再現している。

 開発の背景にあるのは、内視鏡検査を行った患者からの「研修医にやられたから痛かった」という声。患者の苦痛を少しでも抑えつつ、「研修医のスキルアップを図れないかと考えた」と檜山氏は語る。マネキン型のシミュレーターを使って手技のやり方を学んだ後に、mikotoを使って正確性を極めるという使い方を想定している。鳥取大学医学部医学教育学分野准教授の中野俊也氏は、「mikotoの登場でシミュレーション自体のレベルが一段階上がるのではないか」と期待する。
(略)
 リアルな生体反応以外にも、mikotoは、(1)手技を定量的に評価できること、(2)人に近いリアルな造形、という2つの特徴を持つ。
 (1)の手技の定量的な評価に関しては、現段階では、咽頭部のセンサーに触れた回数と検査にかかった時間、設定した難易度によって手技を点数評価している。難易度は、開口の制限と首の可動域(それぞれ3段階で変更可能)で決定する。これによって、口が開きにくい、顎が固い、口が小さいなどのいわゆる「挿管困難症」といわれる難しい患者を想定したトレーニングも行える(写真3)。
(略)
 このほか、医師と患者のコミュニケーションによる効果を再現する機能も考えられている。例えば内視鏡検査において、医師が「大丈夫ですよ、ちょっと楽にしてくださいね」と声をかけることで患者の力が抜け、スコープが入りやすくなる。「背中をさすったり声をかけたりすることに応じた反応をmikotoでも再現できれば」と檜山氏は展望する。
 「医学教育が実践を重視する変革期に突入したこともmikotoの開発を後押しした」と中村氏は言う。医師国家試験に実技試験を組み込む検討も進んでいて、今年中に複数の大学がトライアル実技試験を実施する予定という。これまで座学が中心だった日本の教育に、「実技やシミュレーションが浸透し始めている」(中村氏)。
 しかし、いきなり実践や実技を行うのは難しい。そこで、実習をサポートしたり手技のトレーニングを補完したりするものとして、思い切って失敗することもできるシミュレーターが重要になるというわけだ。「これまでの既成概念を打ち破るような、リアリティーに基づいた評価も行えるシミュレーターの開発を目指している。今後は医学教育に欠かせないものになるだろう」(中村氏)。
 中村氏は、mikoto開発の現状を「ファーストステージが終わった」と表現する。今後は、手技の評価基準や、シミュレーションを行う上でのシナリオ作りなどを検討して、mikotoをいかに活用するかという研究を始めたい考えだ。咽頭反射の再現方法なども検討の余地があると見られるが、mikotoを共通の“ものさし”にまでできれば、手技の定量化も可能となるだろう。

ちなみにこの内視鏡トレーニング用の人形と言うものは昔からあるものですが、簡易的なものであればまさに胃袋だけと言うものからある程度本格的な人型を模したものまで存在するものの、やはり生身の人間との間には相当な違いがあると言う共通の課題はあったわけです。
近年ではこの弱点を克服する試みとして電子的に患者の反応を再現するシミュレーターなども開発されていますが、実臨床の環境になるべく近い形でのトレーニングとなるとやはり人型の模擬的人体を用いてのトレーニングが有用な局面も多いのでしょうし、それが生体同様の反応を返してくるとなると指導する側にとっても有用そうには思いますね。
今後こうしたものがどこまで一般化していくものなのか現時点ではまだ何とも言えませんが、少なくとも大学病院レベルであれば学生教育用にこの種のトレーナー導入を進めているはずで、試験等にも実技の能力を問うと言うことになれば企画の統一などについて今後メーカーとも相談しながら詰めていくことになるのでしょうか。
とかく医学教育もこのように時代時代の変化に応じて変わっていかざるを得ないものですが、各大学それぞれに工夫を凝らしたカリキュラムを追及している中で、先日こんな興味深い試みが報じられていました。

常識はずれの医師を作らないために 京大が挙げた問題事例の驚愕(2017年6月9日J-CASTニュース)

   患者の個人情報をSNSに出してしまう、がんの告知中に居眠りをする、無断で遅刻や欠席を繰り返す――。倫理観や態度に問題のある医師に、万が一診断されることになったら不安で治るものも治らないかもしれない。
   こうした医師を世に送り出さないためには、学生のころから「プロフェッショナリズム」を評価・指導することが重要であると考え、京都大学医学部医学科が4年前から「アンプロフェッショナルな学生の評価」という取り組みを行っている。

   京都大学医学部医学科医学教育・国際化推進センターのウェブサイト上で公開されている評価の書式によると、「アンプロフェッショナルな学生」とは、
    「診療参加型臨床実習において、学生の行動を臨床現場で観察していて、特に医療安全の面から、このままでは将来、患者の診療に関わらせることが出来ないと考えられる学生
と定義されている。つまり患者の診療にあたっている現場での実習で、医師として明らかに不適切と思われる態度や行動が見られた医学生を指導している医師が報告するというものだ。あくまでも成績とは独立した評価だが、報告があった場合は指導の対象となり、報告が複数の診療科から出された場合は留年もあり得る

   なぜこのような評価を始めたのだろうか。評価法の考案者である同センターの錦織宏准教授にJ-CASTヘルスケアが取材をしたところ、「医療現場で起こる可能性のあるトラブルの原因を、学生のうちに見つけだし改善させる」ことが目的だと答えた。
    「(卒業後に経験を積むための研修を受けている)研修医になってしまうと忙しくなってしまい、こうした指導を受ける余裕がありません。学生の段階で評価が必要であると考えました」
   医師にプロフェッショナリズムが徹底されていないことで起きるトラブルは医療現場でも常に問題になって、早期の改善が求められているという。では、具体的にはどのような態度がアンプロと見なされるのか。「アンプロフェッショナルな学生の報告例」に上がっている事例を見てみると、

    「ナースステーション内でゲームをしていたので看護師が注意をすると『看護師のくせに』と逆ギレした」
    「患者に失礼な態度を取り、クレームが来たことを伝えると『あんな患者は来なくていい』と言い出した
    「実習で担当した外国人の患者からクレームが入ると、差別的な発言を患者に聞こえるような大声でした
    「インフルエンザに感染していることを隠して患者に接していた

など、全12例からいくつか抜粋しただけでも常識はずれの驚きの内容だ。すべてが実際に報告された内容ではなく、多施設での事例などを参考に作成したものだが、類似したようなトラブルが起きているとすれば大変なことだ。
   錦織准教授は、
    「気をつけなければパワハラやアカハラの原因となる危険性もあるため、賛否を含めた意見やフィードバックを踏まえつつ、今後も評価の設計を考えていくつもりです」

   ちなみに、現場でアンプロフェッショナルな医師が増えているという実態はあるのだろうか。都内で総合病院に勤務するある医師は、J-CASTヘルスケアの取材に「現場全体がどうかはわからないが、私が把握する限りここ数年で急にコミュニケーションや態度が原因でトラブルを起こす医師が増えたとは思わない」としつつ、こう話した。
    「かつては治療に関する技術や知識を有していれば、多少の"欠点"には目をつぶるという風潮もあったかもしれません。診療をしていればいいのではなく、プロとしてどのような姿勢で医療を提供するかがより問われるようになったのではないでしょうか」

しかしあげられた実例を見ていても感じるのですが、どちらかと言うと態度に問題があるのは大ベテランに多く、今どきの若手はしっかりしている人が多いのでは?と言う気もするのですが、いずれにせよ医学部入試でこうした面での評価が合否判定の基準から抜け落ちている以上、一定程度の割合で妙な方々が入学してくることは当然あり得ることですよね。
こうした方々をどうするのかと言うことは別に今になって発生した問題でも何でもなく、かつてであれば人間的人格的あるいは能力的にアレな方々は医局長がうまいことやり繰りして問題の起こりにくいポジションに配置していた時代もあったと聞きますが、今の時代そうした白い巨塔(苦笑)的な大学医局の権威など断じて忌避されるものであり、社会的害悪でしかないと認識されているようで難しいところです。
無論ひとたび医師免許を取得してしまえば余程の事がない限り行動を掣肘することが難しい以上、鉄が熱い学生のうちからどうしてもと言う事例はなるべく除外しておきたいと言う理屈はよく理解出来るのですが、問題はそうした学生の評価を行う大学の先生方の主観がどの程度まで信用出来るのか、むしろ社会的に非常識と言われる側に立つケースの方が多いのではないかと言う懸念ですよね。
「プロとしてどのような姿勢で医療を提供するかがより問われるようになった」のは別に若手医師に限った話でも何でもないし、学生時代からこうした系統的な教育を為されていないベテランの方が姿勢が問われる機会が多いはずですが、ではすっかり冷めきった鉄の塊となり果てた彼らを誰がどうやってたたき直すべきなのかと言うことです。

一例としてこのところ働き方改革で医療の世界でも早急に労基法無視の現状を改めなければと言う社会的圧力が高まっていますが、せめて明文化された法律くらいは守ってくれと言う当たり前のことに対してぐちぐちと文句を言いつつ何とか違法状態を維持しようとしているのは、決まって大学や大病院の幹部を務めるエラい先生方であると言う現実があります。
さすがに「俺達の若い頃は」式のことを言う方々はどこの社会であれ今どき単なる老害として相手にされませんが、医療の特殊性がだとか応召義務が云々と様々な言い訳を並べ立てるのはいいとして、他業界で大企業の社長が同じようなコメントをすれば社会的にどれだけ批判され炎上するか?と言う客観的視点を持てないと言う点でどうなのかですよね。
その意味で労基法何それ食べられるの?などと言い出しかねない常識外れの医師を送り出さないよう、学生時代からきちんと社会常識を学習させておかなければ…と切実に感じるのですが、当然ながら指導する側の大学のエラい先生方も当たり前の社会常識を持っている人間であるのが大前提と言うことでしょう。
以前から大学教員の評価が研究などの業績中心に偏っていて、重要な業務であるはずの学生や若手医師の指導力などが評価されないのが問題とは指摘されるところですが、学生や若手から「あの先生のようになりたい」と慕われ尊敬される先生なら「コミュニケーションや態度が原因でトラブルを起こす」ことも少ないのではないかと言うことですよね。

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2017年6月11日 (日)

今日のぐり:「長田in香の香」

常にないことが起こることは凶事の前触れだと考える人は少なくありませんが、今年の初めにこんなニュースが出ていたことをご存知でしょうか。

兵庫県で60年~120年に一度の「凶事の前触れ」として知られる竹の開花が確認される(2017年1月24日Buzznews)

瀬戸内海国立公園にある島で竹が花を咲かせたと報じられています。
これは毎日新聞の地方版が報じており、兵庫県洲本市にある成ヶ島で竹の一種であるハチクが花を咲かせているというもので、竹が花を咲かせること自体珍しいため話題になっているとして記事に取り上げられています。
毎日新聞によると環境省自然公園指導員が「竹が花を咲かせるのは約60年に一度と言われている」と語っているそうですが、竹が咲くのが珍しいのは広く知られており、「竹の七不思議」と言われているほか、一説によると60~120年に一度ともされるほどです。
そして竹の花について知っておきたいのは単に珍しいということだけではありません。昔から竹や笹に花が咲くと凶事の前触れとして恐れられていたという伝承です。

数十年から100年に一度とも言われ、竹の花が咲くと凶事がと囁かれるこの現象ですが、近年日本で相次いでいるのも同時に知っておきたいところです。
今回は兵庫県でしたが、2014年から全国的に竹や笹の花が咲いたというニュースが相次いでいます。2014年6月には山形県で竹の花が咲いたと報じられ、この時も「50~100年に一度」と言われていた他、翌月には香川県の竹林で多数の竹が開花していたことがわかっています。
また2015年4月には京都でササの開花が見つかっていますが、この時に咲いた「イッショウチザサ」の開花としては国内初の開花確認だとされています。更に2015年5月には岐阜県でササが開花、この時は「60~120年に一度」と伝えられていました。

これほどの珍しい竹やササの開花が東日本大震災後に東北から関西にかけての広い一帯で続発しているのは、これから起こる凶事を地下の変化から感じ取ってのことなのでしょうか。
竹やササは地下茎で生育繁殖するため、開花の理由は子孫を遠くまで移動させるためではないかという噂まであるほどですが、不気味であるのは間違いありません。

今になってそう言えばと心当たりのある人が多いとも聞くのですが、いずれにせよ自然現象の一つであって過度に恐れる必要はないだろうとは思いますけれどもね。
今日は今年後半を無事に乗り切ることを祈念して、世界中からなかなか見られない珍しい話を取り上げてみることにしましょう。

白い羊の母親から黒い羊の赤ちゃんが 千葉市動物公園(2017年6月2日朝日新聞)

 千葉市動物公園(同市若葉区)で、白い羊の母親から、黒い羊の赤ちゃんが生まれた。近く一般公開し、名前を公募する。

 赤ちゃんは5月21日生まれのオスで、体高は42センチ。飼育担当の浅井沙羅さん(21)によると、体の色が基本的に白いコリデール種の羊だが、まれに突然変異で黒い羊が生まれることがある。この赤ちゃんは父親も体の色が黒く、体色は父親譲りとみられるという。

 赤ちゃんは好奇心が強く、母親の毛を口でくわえたり、近くにいる人の動きに合わせてうろうろしたり。今月10日に一般公開をはじめた後は、柵の外から触ることができるという。(白見はる菜)

ちなみに黒いヤギと言えばしばしば禍々しいものの象徴的存在として扱われるそうですが、黒いヒツジと言うものも必ずしも好意的には見られていないそうですね。
竜巻自体日本ではそう滅多にお目にかかるものではありませんが、その竜巻を目の前にしての光景が話題になっていたのがこちらのニュースです。

背後に巨大な竜巻も悠々と芝刈り、写真が話題に カナダ(2017年6月6日CNN)

(CNN) カナダ西部アルバータ州の農村地帯で、自宅の背後に巨大な竜巻が迫った後も男性が芝刈りを続ける様子が写真に収められ、話題を呼んでいる。

写真は男性の妻が2日に撮影したもの。背後に巨大な漏斗雲(ろうとうん:竜巻に伴って発生する細長い雲)が迫るなか、夫が芝刈り機を押し続ける光景をとらえた。そして写真をフェイスブックに投稿し、「夫が髪にそよ風を受けながら芝刈りをしている様子」とのキャプションを付けた。
女性が写真を撮ったのは、単に南アフリカに住む母親に送るためだった。だが写真はソーシャルメディア上で広く共有されたほか、多くのメディアにも報道された。

女性がCNNに語ったところによると、男性は竜巻が迫っていることに気付いており、「注意しているよ」と妻に声をかけていた。地元住民からは、写真で見えるほど竜巻は接近していないと伝えられていたという。竜巻は夫妻の自宅から1.5マイル(約2.4キロ)ほど離れていたようだ。
竜巻が出現しても風は強くならず、警報も鳴っていたなかったため、一家はパニックにならなかったという。夫妻は竜巻の発生頻度が少ない南アフリカの出身であり、これも警戒心の欠如につながったのかもしれない。

女性は写真への反応に驚いているという。写真が拡散して以降、1日にメッセージ約100件、ソーシャルメディアの友達申請60件ほどを受け取ってきた。一方、夫は今回の件を全く気にしておらず、騒動にも無関心だという。
一帯はカルガリー北西部の農村地帯であり、竜巻によるけが人は出ていない。ただ女性に対しては地元ラジオ局の司会者から、次に漏斗雲が水平線上に現れるのを見たときは、「早く家の中に入った方がいい」とのアドバイスが寄せられた。

元記事の写真のインパクトはなかなか大きなものがあるのですが、幾ら何でもこういうときは用心しておいた方がいいのではないかと言う気がします。
こちらも用心が足りないと言うのか何と言うのか、ともかくもあちらこちらから突っ込みが入ったと言う方のニュースです。

クマに8回襲われ生還の研究者 最も推奨する対処法(2017年5月21日朝日新聞)

 日本ツキノワグマ研究所(広島県)の米田(まいた)一彦理事長(69)が「熊が人を襲うとき」を出版した。明治末期から現在まで起きたツキノワグマによる人的被害を分析、46年間の研究と8回クマに襲われた経験を生かし、独自の知見を加えた。

 米田さんは県自然保護課の職員時代、秋田市の太平山でツキノワグマを追跡調査し、退職後の89年に研究所を設立した。昨年、クマに襲われて4人が死亡した鹿角市十和田大湯の現場に長期間滞在して地形を調べ、加害グマの特定を進めた。
 執筆の資料として集めたのが、クマが生息する各県の地元紙の記事だ。活動期の4~11月まで調べたところ、狩猟中を除き1993件の襲撃が起き、2255人が被害に遭っていた。
 こうした事故例を月別や発生場所、時間帯ごとに統計をとった。また、農作業、山菜採り、釣りなど被害者がどのような活動中に襲われたのか発生状況も取り上げ、どう対応して助かったのかにも触れた。

 クマに遭遇した時、賛否のある「死んだふり」について、米田さんは有効とする立場をとる。この方法で助かった十数例を取り上げ「うつぶせになって首を両手で守り、背中はザックで守るのが山に慣れていない人には最適」と指摘する。
 米田さんは、ラジオの使用は接近するクマの気配が分からないとして短期間でやめた。クマよけ鈴も音によって効果が違うという。最も推奨するのが、市販されているクマ撃退スプレーだ。自身も山を歩く時2本携帯する。本ではその理由も説明している。「本質的にクマは危険であり、積極的に人を襲う。死亡に至れば食害もあることを知ってほしかった」と言う。
(略)

いや8回も襲われる前にもう少し何とかならなかったのかと誰しも思うのですが、幸いにも生き残って知見を後代に広めることが出来たのはよかったですかね。
人間誰しも命は平等に一つきりと言うことになっていますが、こちらそうではないケースもあるらしいと言う稀なニュースです。

韓国の病院で“遺体”が呼吸し生き返る、医師も「ミステリー」と当惑(2017年5月16日レコードチャイナ)

2017年5月11日、韓国・チャンネルAが、死亡判定を受けた患者が遺体安置所に入る直前に生き返ったというニュースを伝えた。病院側は、医学的に説明がつかない「ミステリー」と説明しているという。

5月9日、ソウル近郊、京畿(キョンギ)道の大型病院に入院し集中治療室で治療を受けていた82歳のキムさんが医師から「死亡判定」を受けた。死亡診断書には9日午後0時40分に心停止で死亡と書かれている。
しかし死亡判定から1時間余り、葬儀場に遺体を移そうとしたところでキムさんが呼吸をしていることに家族が気付いた。集中治療室に戻されたキムさんは数時間後に意識を回復、家族は「父が生きていることも知らず葬儀を行うところだった」「もし(霊安室の)冷凍庫に送られていたなら大変なことになっていた」と怒りをあらわにした。
病院側は「心停止状態だったキムさんに対し心肺蘇生措置を2回行うなど十分な措置は取った」とし「その後も呼吸と脈拍が戻らず家族が見守る中、通常の臨終の確認手続きを行った」と釈明した。
現在キムさんは食事ができるほどに回復し、近々一般病室に移動する予定だという。

報道を受けた韓国のネットユーザーの声はさまざまだ。「自分の周りでも同じようなことがあった」という複数の体験談が上がったほか、「閻魔(えんま)大王から何か指示があったのだ」「神様がまだお呼びではなかったのです。残りの人生を幸せに、また善きものに」「死後の世界は見たのかな」とユーモアを交えながらキムさんの幸運を喜ぶ声が多く寄せられた。
また、「息をしているのに気付かなかったらどうなっていただろう?」「今まで霊安室の中で死んでいった人もいるのかも…」「こういうことがあるから、死んだとしてもすぐに冷凍庫に移しちゃ駄目だ」と病院側の処理について疑問を呈する声や、「昔からこんなことがあるから、三日葬(死亡後3日後に行う葬式)をしていたのさ。3日以内に生き返ることもあったから」と、韓国の伝統的な葬儀について説明する声も。
さらに「僕の母ももう一回生き返ってくれたらいいのに。こんな奇跡が僕にも起こってくれたなら」と、亡くなった母への思いを吐露する声も聞かれた。(翻訳・編集/木暮)

単純に確認手順の問題であった可能性もありますが、しかし集中治療室で治療を受けていた82歳の高齢者と言いますから単純に食事が取れるようになっただけでも大変なことですよね。
最後に取り上げるのは地球の反対側から、生まれたばかりの赤ん坊にまつわるこんなニュースです。

生後すぐに歩き始めた「奇跡の子」 ブラジル(2017年05月31日スプートニク)

出産されてすぐに歩き始めたブラジルの赤ちゃんの動画がネットで人気を博している。英紙インデペンデントが報じた。

動画では、ブラジル南部のサンタ・クルーズ病院と見られている病院の助産師が赤ちゃんを洗おうとすると、生後間もない赤ちゃんがお風呂を嫌って、助産師の腕を掴みながら足を動かしてしっかりと歩いている様子が伺える。動画では助産師が「まあ、歩いてるわ!神様!」と言っているのが聞こえる。
その場にいた人はみな、赤ちゃんの力と活発さに呆然としていた。普通赤ちゃんが歩きはじめるのは生後1年で、這って動けるようになってからだからだ。

ネットでは子供を「奇跡の子」だと呼ぶ人もいれば、不信感を示すものもいる。

こういう時代ですから何でも頭から信じるわけにもいかないのですが、動画を見る限りでは腕で支えられていて自力で立っていると言うわけではないようです。
この種の動きは多くの赤ん坊で普通に見られることだと言う話も聞くのですが、何にしろ歩いた後で天を指さしてありがたいコメントを残したと言うわけではないようですね。

今日のぐり:「長田in香の香」

善通寺市郊外に位置するこちらのお店、釜揚げうどん専門の超有名店なのですが、広い駐車場にこれでもかと車が入ってくる光景は感動ものですらあります。
当然ながら相変わらずの大行列なのですが、お店も広くメニューもシンプルなせいかお客の回転が早いのは助かりますね。

メニューはほぼ釜揚げのみで、あとはサイドメニューに稲荷寿司などちょっとしたご飯物が並べられている程度なのですが、この釜揚げうどんがなかなか大変なものです。
カウンターでうどんを注文し適当に席に座っているとうどんが運ばれてくるので、好みで温かい汁か冷たい汁でいただくと言うスタイルです。
この出汁からして煮干メインの汁でもここまで強くできるかとちょっと感動もので、思わずおみやげに汁を買って帰る人が多いのも納得ですが、やはりうどんですよね。
見た目はごく普通なのですが、釜揚げでこのコシと食感は尋常ではないと言うもので、大行列店である理由が判るうどんだと納得するしかありません。

接遇面では基本的に放置プレーなのですが、慣れていなさそうなお客にはさっと店員のサポートがつくので、初めてのお客でも助かるのではないかと思います。
特にうどんは好きだが釜揚げうどんはちょっと食感が物足りないと毛嫌いしている向きにも、ここの釜揚げは一度食べて見る価値があると思いますね。

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2017年6月 9日 (金)

常態化する労基法違反に意外なところから反撃ののろし上がる

最近では何かと独創的な発言で話題になることも多いこちらの方ですが、先日のこちらのコメントも賛否両論で話題になっているようです。

「子供がいるから夫を早く帰させて」 くわばたりえ「あさイチ」涙発言に賛否(2017年6月7日J-CASTニュース)

   お笑いコンビ「クワバタオハラ」のくわばたりえさん(41)が、NHKの情報番組「あさイチ」に出演中に突然泣き出し、ツイッター上などでその言い分が論議になっている。

   2017年6月7日に生放送されたあさイチでは、「大丈夫? あなたや夫の働き方」がテーマになった。
   ゲスト出演したくわばたさんは、家族で働き方などを話し合ったことがあるかと問われ、自らの夫のことについて口を開いた。くわばたさんは、子供ができたとき、夫には、「早く帰って来られへんの?」と懇願した。しかし、夫は、会社では、子供がいても誰も帰っておらず、上司も残っているのにそんなことは言えない、と説明したという。
   そこで、くわばたさんも 「お互い帰れるようになったら、周りも帰れるようになるんちゃう?」 と反論すると、ケンカ状態になり、くわばたさんは、 「じゃあ、もういいわ」 と、以後、早く帰ることは口にしなくなったと明かした。

   くわばたさんには、現在3人の子供がおり、番組では、
    「なんで3人増えたときに会社の人が『お前ちょっと早く帰れ』って誰か言うてくれへんねんかなって、テレビを通じて会社の人に言っています」
とカメラに向かって呼びかけた。
(略)
   さらに、「ほんで、みんなでご飯食べて...」と話したところで、突然くわばたさんの目に涙があふれてきた。
   「もう泣いちゃうけど、本当に。みんなでご飯食べて、お風呂入りたいんだもん」と言って、ハンカチを取り出して涙を拭いた。これに対し、同じゲストの石田ひかりさん(45)は、くわばたさんに「がんばってるんですよ」と声をかけた。

   くわばたさんの発言と涙が放送されると、ツイッター上などでは、「涙された気持ちがよく分かります」などとファンらから励ましの声が寄せられた一方、くわばたさんの言い分は現実離れしているとの指摘も相次いでいる。
    「職場の人だって子どもが3人いるかもしれないし、自分だけ大変みたいに思わない方がいい
    「子供がいるから、を理由にするのは何か違うのでは?単身者、子供のいない世帯ならいいのか?という話」
   自分の夫が早く帰れるよう会社に呼びかけたことについても、
    「テレビで会社の事を悪く言われて旦那が可哀想だ」
    「夫の立場悪くなると思う」
などと夫を心配する声も出ていた。

ここでは反論する声として興味深いのが、こんなことを言ってしまうと夫の職場内での立場が悪くなると言う懸念が非常に多いと言う点なのですが、この点からも未だ職場で長時間労働を強いられている人が非常に多いと言うこと、そして当の本人や家族はそれを望んでいるわけではないと言うことがうかがえるような気がします。
まあ子供がいるから早く帰してと言われると少子化も進行する今の時代、色々な方面から反発を招きかねないところではあるのでしょうが、家庭生活を犠牲にして企業戦士(と言う言葉もすでに死語ですが…)としての活動に専念すると言うライフスタイルが今の時代、どれほど広汎に受け入れられているものなのか?と言う疑問は改めて考えてみてもいいように思いますね。
医療の世界でも特にメジャー診療科の医師などは昔から家庭生活崩壊が当たり前と言う空気がありましたが、学生や若手医師のマイナー診療科志向の高まりも今さらの話題となっていて、ほとんど院内で生活しているような人生を当たり前に許容する人ばかりでもなくなってきていると言うことでしょうし、少なくとも過労死しかねないような労働環境を大好きだと言う医師はそうそうはいないでしょう。
幸いにも医師の労基法違反であっても労基署がきちんと動いてくれるようになったとは最近しばしば聞く話ですが、世間的にはすでにもう少し先のところまで事態が進んでいるのだそうで、先日はこんなケースが紹介されていました。

「夫が言えぬなら私が言う」労基署に行く妻たち 子供のサービス残業を告発する親も(2017年6月7日日経ビジネス)

 広告代理店最大手、電通の社員自殺事件を機に、国を挙げて働き方改革が加速している。それに伴い、かつてなく強化され始めたのが、過重労働を放置する企業への取り締まりだ。
 労働基準監督署は労働者からの情報提供によって、違法残業している事業場を特定していく。2015年に労働基準監督署が全国で立ち入り検査した事業場は15万5428件に達する。その約7割で違反が発覚し、1348社が総額99億9423万円の未払い残業代を支払う結果になった。
 労基署に情報提供するにはどうすれば良いのか。直接労基署を訪問したり、電話相談したりする方法がある。電話や窓口による相談は年間約120万件にもなる。このほか、労基署のウェブサイトに届く情報も大量にある。多くは社員や元社員など関係者からによるものだ。ある監督官は「会社に不満を抱えていて我々に相談しにくるケースもある。捜査対象の見極めがとても大事」と打ち明ける。同じ事業場から同様の相談がきたり、過労死の危険性が高そうな事案が優先的に立ち入り検査の対象となる。

 実は労基署への通報者は本人だけではない。最近増えているのが家族からの通報だ。本人が望まない形で労基署が立ち入り検査のきっかけとなる通報もある。
 「息子の帰りが遅くて心配です。調べて頂けませんか」。中堅広告代理店に勤める若手社員の親が、息子の帰りが遅いと心配になって通報してきたケースだ。たしかにその息子の会社は残業時間が長い職場だったが、本人はその働き方に満足していた。
 この親の通報が功を奏したのか、ある日労基署から会社の代表電話に連絡があった。社長は残業代を全て払っていたので、思い当たる節はない。特に対応する必要性を見いだせず、無視することにした。すると、また2週間後に連絡がきた。
 この時点でやっと人事担当役員が弁護士に相談した。その弁護士が「放っておくと、役員が送検される可能性がある」とアドバイスされた。自分の身に危険があると分かった役員は慌てて、社長に報告し、労基署へ連絡した。
 数日後、労基署がやってきた。出勤簿を確認すると、長時間残業がひと目で分かる。労働基準法は全ての事業所に対し、従業員の所定労働時間は「1人当たり週40時間」までとするよう定めている。もっとも、現実問題としてこれで仕事が終わる企業は少ないので、そうした事業所は「時間外・休日労働に関する協定届(通称:36協定)」を労基署へ提出することで、「1人当たり月45時間」までの残業が認められる仕組みになっている。これでも足りない企業は「36協定の特別条項」により、年に6カ月間に限り、労使間で自由に残業時間を設定することが可能だ。この会社は特別条項は結んでいなかった
 だが社長は「残業代払っているのに何が悪い」と開き直った。あっさりとクロが確定してしまったため、労働基準監督官から是正勧告書が手渡された。
 勧告署に従って、改善することになったのだが、社員にとって喜ばしいものではなかった。社長は社員に対し21時以降の残業を禁止した。そのため残業代が支払われなくなり、社員の月給が15万ほど下がった。残業代を見込んで生活設計していた人も多く、稼ぎたい人を中心に辞めてしまった。社員同士で飲みに行くことも減り、コミュニケーションも悪くなった。中堅広告代理店の社長は「社員が望んでいないし、もう少し柔軟な働き方を認めてくれたら」と愚痴をこぼす
(略)
 こうした家族からの通報が増える要因のひとつとして、過労死予防に対する世間の関心の高まりがある。インターネットで検索すると労働基準監督署への情報提供方法を指南するサイトもある。弁護士が「相談、着手金無料で残業代を取り返します」といった宣伝文句で社員や家族を煽る例もある。社員の満足度を高めるだけでは足らず、家族までもケアしなければない。企業にとっては大きな課題だ。

いやまあ、21時以降も当たり前に残業している体制を柔軟な働き方と言っていいのかどうか、むしろ仕事以外何もない日常で生活が硬直しまくっているのではないかと言う素朴な疑問もあるのですが、記事にもあるように当事者はしばしば問題意識が乏しいものであり、そうであるからこそ雇用主にとっては長時間労働の利便性が高かったとも言えるのかも知れません。
残業問題で常に話題になるのが一つには記事にもあるように残業代が減ることでむしろ嫌がる労働者もいると言う点、そしてもう一つが単に仕事が遅いだけでダラダラと居残っている人の方が多くの残業代を稼ぐのはおかしいと言う点ですが、この辺りは労働報酬体系の問題であったり、そもそも人生における家庭生活の位置づけの問題であったりだとも言える話で単純明快な答えはないものなのだろうとも思います。
ただ一方で雇用主から望まない長時間労働をを強いられ、過労死にまで追い込まれてしまう方々も現実にいらっしゃるわけで、近ごろ多いセクハラ訴訟にしばしば見られるように「嫌がっているとは思わなかった」と言う認識のズレを改めるにはどうしたらいいのか、嫌がっている人に過重な時間外労働を強いずにすむ体制になっているのかと言ったことも検証しておくべきなのでしょうね。

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2017年6月 7日 (水)

やれる状況になくやってもいないはずの犯罪行為で連行される事件が発生

このところ世間を大いに賑わせているのが、都内の電車で発生したこちらの事件です。

「何を言っても女の意見だけで痴漢が成立する」 平井駅で痴漢冤罪? Twitterで多数の無罪証言も男性は警察に連行(2017年6月5日ねとらば)

 6月3日0時10分ごろ、総武線平井駅で客同士のトラブルが発生し、最大22分の遅延が発生しました。外国人とみられる女性が痴漢被害を訴えたことが原因とされていますが、現場を見ていた人からは「痴漢冤罪だ」「男性は無実」とする多数の証言が寄せられています。
 Twitterの情報によると、乗車当時この男性は片手でスマートフォンを使用しながら、もう片方の手で吊革をつかんでおり、両手がふさがった状態でした。一方、女性は男性に痴漢されたことを主張して殴る蹴るの暴行を加え、非常停止ボタンを押し通報。周囲の乗客は男性が無実であることを主張したものの、到着した警察は男性を電車から下ろし連行したそうです。
 実際にこの男性が痴漢を行ったのか、女性の勘違い(または故意)によるぬれぎぬなのかは不明。警視庁と平井駅を管轄する小松川署にも取材しましたが、回答は得られませんでした。

 この件についてTwitterでは、一部始終を見ていたユーザーから「見てて気分が悪かった」「(証人をにらむ)警察の目が忘れられない」「警察はどんなに無罪主張が多くても、疑われた人を逮捕する」といった声が挙がるとともに、広く拡散。また、痴漢を疑われた人が線路に逃げる事件が多発していることを踏まえ「そりゃ線路にも逃げたくなる」という声も。また、“女性を罰するべき”とする意見も多数挙がっているようです。
 電車内の痴漢は、5月15日に痴漢の疑いをかけられた男性が電車にひかれて死亡し、逮捕までの流れを問題視する声が挙がるなど、社会問題になりつつあります。また、根本原因ともいえる満員電車の解消や、男性専用車両導入なども望まれ続けています。


東京・江戸川区で「痴漢騒ぎ」により電車停止、視聴者撮影(2017年6月5日TBSニュース)

 怒号が飛び交う、駅のホーム。この映像は、3日午前0時すぎ、東京・江戸川区のJR総武線・平井駅で撮影されたものです。この騒動の発端となったのは、ある「痴漢騒ぎ」でした。
 警視庁などによりますと、総武線・津田沼行きの車内で、中国籍の20代の女性が「30代の男性に触られた」と痴漢の被害を訴えました。居合わせた人が非常停止ボタンを押したため、電車はおよそ20分にわたり、平井駅で停車したのでした。

 「被害に遭われた方いらっしゃいますか?」(警察官)
 「全員被害者だよ!みんなだよ!みんな!」

 その後、警察官が男性から事情を聴くため任意同行を求めますが、男性は興奮している様子。それもそのはず、この騒動の直前、被害を訴えた女性が「自分の顔にこの男性の肘が当たった」と主張し、男性の腹部を蹴ろうするなどのトラブルがあったのです。そして突然、女性が「男性は痴漢です」と叫んだのでした。
 しかし、この一部始終は近くにいた複数の人が見ていました。
 「『この人やってないんだからいいじゃん、もう終わらせろよ』という怒号も聞こえた。証人と思われる人たちも1、2人ついていった感じです」(近くの車両に乗っていた人)
 目撃者たちが男性とともに任意同行に応じ、「男性の無実」を証言。彼らの証言が決め手となって痴漢の疑いは晴れ、男性は帰宅したということです。

混雑する電車が長時間の停車を強いられるなど多くの人に少なからぬ影響もあったこの騒動ですが、幸いにも痴漢の疑いは晴れ無事に帰宅出来たのはよかったとして、そもそも多数の目撃者も存在し物理的にも痴漢など行えそうにない状況である中で、何故こんな大騒動になったのかと誰しも疑問に感じますよね。
痴漢を巡る冤罪騒動と言えば2009年に新宿駅で発生した痴漢騒動に絡んで暴行事件があり、被疑者の自殺と言う悲劇的な結末を迎えた一件が有名ですが、今回もこうした騒動が発生したと言うことで改めて痴漢冤罪の恐さを再認識したと言う人が多いのも当然と言えば当然でしょう。
ちなみに今回の事件で大勢の人々がこれだけ長時間不本意な拘束を強いられたのですから、損害賠償請求なりをすれば総額ではそれなりの金額になるのではないかとも思うのですが、この場合誰を対象に損害賠償請求をすべきなのかで意見が分かれるかも知れませんね。

このところ痴漢騒動と言うものが妙な形で話題になることが多いと言うのも先日以来紹介している通りなのですが、警視庁や鉄道会社もとうとう痴漢対策に乗り出していると報じられているものの、では一連の痴漢騒動のどの部分に力点を置いて対策するのかと言う点が問題ですよね。
例えば痴漢防止対策として完全に車輛を男女別に分けた方がいいのではないかと言う意見が根強いのですが、ではその区分を間違って(あるいは無視して)乗り込んでいた人が痴漢だ痴漢だと大騒ぎし始めた場合にどうなるのかで、まさか車輛を間違えたから痴漢されても仕方がないとも言えず難しいところだと思います。
このところようやく電車内への防犯カメラ設置の動きが出てきていて、表向きは痴漢など迷惑行為の抑制やテロ行為の防止などを目的としているとのことですが、当然ながら痴漢冤罪と呼ばれるものへの対策にもなる可能性も高く、その利用に当たって先に挙げた新宿でのケースでは防犯カメラの映像が適切に取り扱われなかったことも大いに教訓とすべきですよね。

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2017年6月 5日 (月)

「それは自己責任」「今後も何ら対策は講じない」と堂々と主張したブラック職場

またぞろ犠牲者が出てしまったと言うべきでしょうか、先日からこんなニュースが出ていましたが、なかなか興味深い展開となっているようです。

新潟研修医自殺労災認定 遺族ら「(市は)対策なかった」と批判 労働環境改善を要求 (2017年6月2日産経新聞)

 新潟市民病院(新潟市中央区)の研修医、木元文(あや)さん=当時(37)=が昨年1月に自殺したのは、長時間労働による過労が原因だとして1日までに労災認定され、遺族らは待ちに待った結果に胸をなで下ろした。人手不足から医師らが過酷な労働を強いられている現状は全国各地でみられる。遺族の夫は、長時間労働を改善する姿勢をみせなかった市や同病院への憤り以上に、国や医療機関が労働環境の改善に真摯(しんし)に取り組むことを求めた。

 遺族の労災申請から認定まで、9カ月半と長い時間を要した。代理人を務める斎藤裕弁護士は新潟県庁で1日開いた記者会見で、新潟労働基準監督署の担当者から「労働時間の把握に時間がかかった」として謝罪の言葉があったことを明らかにした。
 斎藤弁護士によると、同病院は残業時間を最大で月80時間以内とする労使協定を結んでいた。ところが、電子カルテの操作記録などを調べた結果、木元さんの時間外労働時間は最も長かった平成27年8月には251時間に達し、同月を含め4カ月連続で200時間を超えるなど過酷な状態が続いていたことが判明した。
 遺族側は時間外労働時間は月平均で約187時間だったと指摘したのに対し、病院側は同労基署に対し、その3分の1に満たないと主張。さらに、医師らは勉強のため労働時間外も病院にとどまることがあるため、木元さんについても「自らのスキルアップのために残っていた可能性がある」としていた。
(略)
 会見で斎藤弁護士は「医師の過酷な労働が悲劇を招いたことは労災決定が示している」とした上で「市側は長い労働時間を正当化するような対応を取り、労働時間を減らす対策をほとんどしてこなかった」と批判。市に対し長時間労働の改善を申し入れるとした。


研修医自殺:労災認定へ 労基署「過労が原因」 新潟市民病院(2017年6月1日毎日新聞)

(略)   
 亡くなった研修医は木元文(あや)さん。看護助手をしながら医師を目指して勉強を続け、2007年、新潟大医学部に合格。卒業後の13年から研修医となったが、15年4月に後期研修医として同病院に移ると、救急患者対応の呼び出し勤務が激増。16年1月24日夜、行き先を告げず一人で自宅を出たまま行方不明になり、翌朝、家族が自宅近くの公園で遺体を発見した。
 新潟県警によると、死因は低体温症で、遺体のそばには睡眠薬と飲み終えた酒が落ちていた。自殺前、家族に「人に会いたくない」と漏らしていたといい、県警は自殺と判断している。
(略)
 一方、病院側は木元さんが自己申告していた残業時間は月平均約48時間だったと反論。「電子カルテの操作記録の多くは医師としての学習が目的で、労働時間に当たらない」と説明していた。
(略)
 木元文さんが勤務していた新潟市民病院では、毎日新聞の情報公開請求による取材で、残業時間を月80時間以内とする労使協定無視が常態化していた。
 「過労死ライン」の月80時間に対し、基本的に死亡の1カ月前に100時間か、2~6カ月前の平均で80時間を超える残業があれば過労死認定される。
 毎日新聞では、情報公開請求により、木元さんが亡くなった2015年度に在籍した後期研修医27人の残業自己申告記録を調べた。200時間を超える残業月は1人▽150時間超は3人▽100時間超は9人▽80時間超は7人▽80時間以内は7人で、後期研修医の7割以上の20人が協定違反の労働をしていた。また、管理職を除く136人中、62人に80時間を超える残業月があった。ある臨時職員の年間残業時間は1523時間で、平均月約120時間を超えた。
 同病院はこうした実態を踏まえ、今年度の労使協定改定で、残業上限を年6カ月以内の範囲で月100時間以内まで緩和した。上限緩和は過労対策の趣旨に反するが、同病院の担当者は「協定を守れる範囲にした。中核病院としての使命と労働時間の問題との間で葛藤がある」と話した。

<新潟市民病院>長時間労働は氷山の一角 協定違反が横行(2017年6月1日毎日新聞)

 過労自殺した研修医の長時間労働は氷山の一角--。新潟労働基準監督署に31日労災認定された木元文(あや)さんが勤務していた新潟市民病院(新潟市中央区)で、労使協定を無視した残業が常態化していたことが毎日新聞の情報公開請求で明らかになった。同病院は協定違反を認めたうえで「急性期病院のため救急患者を受け入れざるを得ない」と釈明。事態改善は難しいとの見解を示している。【柳沢亮】
(略)
 同病院は09年度、労使協定の上限を超える残業があったとして同監督署から是正勧告を受けている
 同病院はこうした実態を踏まえ、17年度の労使協定改定で医師と歯科医師の残業上限を緩和。年6カ月以内の範囲で月100時間以内まで残業を認めるなどとした。同病院は「協定を守れる範囲にした」と説明している。
 ただ、上限緩和は過労対策の趣旨に反する。同病院の担当者は、高齢化で仕事量も増える可能性があるとして「中核病院としての使命と、労働時間の問題との間で葛藤がある」と話した。

全国どこでもありがちな状況ではあると思いますが、注目すべきは死者まで出ているにも関わらず病院側には全く事態を改善する意志はないと公言していると言う点で、残業上限の80時間で死者が出たから100時間まで残業出来るようにしましたと言うのはもはや狙っているのか?と思うような意味不明の話ですよね。
どこの業界でも過労死と言う現象は残念ながら発生し得るものですが、ここまで全く反省の色もなく自己正当化の弁ばかり出てくる職場と言うものも昨今珍しいもので、これが医療以外の世界で起こった出来事であったなら今頃進歩的なメディアを始め各方面からの集中砲火で壮大な炎上騒動が発生していただろうと思います。
そうした状況であっても医療であるからこの程度許容されるだろうと考える傲慢さをどう考えるべきなのか、医療の常識は世間の非常識と言うことを証明する実例の一つになるのかですが、少なくとも研修医はこうした各病院の状況をよくよく把握した上で勤務先をしっかり選んでいかないと、いつ自分がそうした立場に追い込まれるか判らないと言うことです。

国の推進する働き方改革でも医療業界の後進性、閉鎖性はかなり注目されているようで、新潟市民病院も関係している全国自治体病院協議会がこの秋にも医師の働き方について見解を打ち出すと言っているそうですが、厚労省調査によれば医師の2/3までが勤務状況改善が必要だと答え、その理由として「医師の過重勤務により患者が不利益を被る可能性があるため」が最多であったそうです。
これに対して先日働き方改革による医師労働規制強化に異議を唱え「医師は労働者ではない」の名台詞?で全国に名を売った日医の横倉会長が興味深いコメントをしているのですが、彼によれば医師の応召義務を定めた医師法19条とは「医師個人に対しての規定で、医師が勤務する医療機関への規定ではない」と言う考え方が、日医内部での議論の結果打ち出されたのだそうです。
だから医師は黙って働くしかないのだよと言うのが日医の見解だとして、当然ながらこれとは逆の立場に立つ意見も少なくないわけですが、法律の解釈が原因で医師の勤務改革が出来ないと言うのであれば国に見解を問い是正を促すよう働きかければ済むことだと思うのですが、興味深いことにこうした当たり前の対応すらやろうとしない団体が世間では医師の主張を代弁する強力な圧力団体だと認識されているそうです(苦笑)。
いずれにしても自分の命を削ってまで職場に滅私奉公しようと言う人間は世間全般で減ってきている時代ですから、こうした事件が報じられることで医療の世界においても自然な摂理に従って医療リソースの再配分と淘汰が進んでいく可能性があると思うのですが、結果的に過労死寸前の目を血走らせた医師に診てもらうよりはよほど患者にとっても安心出来る医療が受けられるようになるかも知れないですね。

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2017年6月 4日 (日)

今日のぐり:「中津峡谷 ゆの森」

先日世界中の多くの人を驚かせたのがこちらの事件です。

ホホジロザメがボートに飛び乗る、乗っていた漁師は無事に生還 豪(2017年5月29日AFP)

【5月29日 AFP】オーストラリアで、ボートに飛び乗って転げ回るホホジロザメに突き飛ばされた漁師が、腕を負傷しただけで無事に生還を果たすという出来事があった。

 テリー・セルウッドさん(73)は、ニューサウスウェールズ(New South Wales)州エバンスヘッド(Evans Head)沖で静かな時間を楽しんでいた際、驚くべき事態に遭遇した。
 27日に豪ABCの取材に応じたセルウッドさんは、「よく分からない何かがボートに乗り上げてきたと思ったら、サメの胸びれが私の腕に当たって突き飛ばされてしまい、手と膝を床に打ちつけてしまった」と説明。ホホジロザメはボートのエンジンの上に乗り上げた後、床に落ちたという。

 サメの体長は2.7メートルだったのに対し、ボートは幅1.4メートル、全長4.5メートルで、船内はかなり窮屈な状況に陥った。
 セルウッドさんは「サメは四つんばいになった私を見つめ、私もサメを見つめていた。そうするとサメは動き出してボートを揺らし始めた。素早く船べりへと移る余裕がなかった」と語った。
「私はかなり出血しており、ぼうぜんとしていたので、何が起きたかよく覚えていないが、『まずい、ここから早く脱出しなくては』と思った」

 セルウッドさんは何とか無線機をつかみ、地元の海難救助ボランティアに連絡。ボートから救出されて陸へと向かい、皮膚がはがれた腕の手当てを受けることができたという。

その状況は元記事の画像を参照いただきたいと思いますが、確かにこれはかなり窮屈そうな状況ですよね。
本日は九死に一生を得たテリーさんを祝福して、世界中から生き物に関わるびっくりニュースを紹介してみましょう。

妻に見捨てられ…。アニメキャラに恋するペンギン、悲しい過去があった(2017年5月21日BuzzFeed News)

アニメ「けものフレンズ」のキャラクターに恋をしていると話題の、東武動物公園で暮らすフンボルトペンギンのグレープ君。
この度、グレープ君の恋のきっかけ(?)にもなった、悲しい過去が明らかになりました。

グレープ君は、ペンギン舎に展示された、フンボルトペンギンをモチーフにした同作のキャラクター「フルル」のパネルをじっと見つめる姿が話題となり、一躍人気者になりました。
グレープ君はいま20歳。人間の年齢に換算すると、およそ80歳になるそうです。
そんな彼がどうしてフルルを気に入ったのか。5月20日に同園で催されたイベントで、飼育係の「やまだおにいさん」が語りました。

グレープ君が東武動物公園にやってきたのは約10年前。当時は、いまも同じペンギン舎で暮らすメスの「ミドリ」と夫婦関係にあったそうです。
しかし、ミドリはその後……。
「けっこうイケメンの体がガッシリした(ペンギンの)若い男の子とくっついたんですよ」
ペンギンの世界にもいろいろあるようです。

妻に見捨てられて以来、グレープ君は群れから離れて一羽でポツンといることが多くなったそう。
そこに現れたのが、フルルでした。
巣を作るフンボルトペンギンは、グレープ君に限らず、それぞれお気に入りの場所があるそうです。
「それでも…」とやまだおにいさん。グレープ君の行動をこう説明しました。
「グレープ君は、(パネルを)設置してから確かにあの場所に行っていますね」
「飼育係と間違えているのかとも思ったんですけども、何かしらに惹きつけられてあそこに行っているのは確実だと思います」

これも元記事の寂しげな?後ろ姿を参照いただきたいところですが、その後グレープ君はフルルの中の人と記念撮影までしたのだそうでよかったですね。
見た目は可愛らしいようでも、やはり野生動物は侮れなかったと言うニュースがこちらです。

野生のアシカ、女児を海中に引っ張り込む カナダ(2017年5月22日CNN)

(CNN) カナダ西部ブリティッシュコロンビア州の埠頭(ふとう)で、見物人に餌付けされていた野生のアシカが幼い女の子を水中に引っ張り込むハプニングがあった。当局からは、餌付けによるトラブルを警告する声も出ている。

同州リッチモンドの埠頭にいたマイケル・フジワラさんは20日、港内に姿を見せたアシカをビデオで撮影していた。周辺には大勢の見物人が集まり、女の子を連れた一家もアシカに餌をやっていた。動画には見物人の笑い声や口笛の音、餌を持っているかのように手を差し出す姿などが映っている。
アシカが女の子の顔の目の前までジャンプする場面もあり、女の子はうれしそうな笑い声を立てていた。

ところが次の瞬間、女の子が桟橋に腰を下ろすとアシカが再びジャンプして、女の子のワンピースの背中の部分をくわえて引っ張った。
女の子は後ろ向きに水中に転落。すぐに親類と思われる男性が飛び込んで女の子を抱え上げ、見物人が手を貸して2人を引き上げた。
「一家はほとんど無言のままその場から立ち去った」「多分あまりにショックが大きかったのと、できるだけ早くアシカから離れたかったのだろう」とフジワラさんは話している。

港湾当局によると、女の子にも、助けた男性にもけがはなかった。今回の経緯についてはさらに詳しい調査を行っている。
同港はアシカの回遊ルート沿いにあり、オスが餌を求めて埠頭に近付くことがあるという。港湾当局は何年も前から、アシカに餌を与えないよう呼びかけていた。
「ここは水族館ではなく、魚を買う場所だ」「こんな風に餌付けをすれば、自分でトラブルを呼び込むことになる」。当局者はそう警告している。

元記事の動画を見ますと不用意に背を向けたのが悪かったのかですが、さすが英名sea lionと言われるだけにこういう怖いことにもなるのですね。
こちら冷静に考えると非常に怖いニュースなのですが、全世界的に話題になったのはいささか違うところであったようです。

「これがロシアの日常なの!?」カメラに映っていた信じられない光景よりも驚かされたこと(2017年5月18日らばQ)

こちらはとあるロシアの町の風景なのですが、遠くのほうではとんでもないことが起きています。
ところが撮影者は、いたって平然のリアクション。
「ロシアでは、これが日常なの!?」と戦慄されていた、カメラの先に映っていたものとは……。
(略)
この距離だと撮影者も危険だと思うのですが、この余裕、日常的によくある反応としか思えません。
(略)
コメントにもあるように、通常なら大騒ぎになりそうな現場ですが、なぜか笑って突っ立っているだけという、おそロシアの日常を垣間見た瞬間でした。

何がどう恐ろしいのかというその状況は元記事の動画を参照頂ければと考えますが、これまたおそロシアと言う言葉の由来が判る事件でした。
最後に取り上げるのは生きもの同士の壮絶な戦いの記録とも言うべきニュースですが、かなり想像の斜め上を逝く現実があるようです。

世界3番目の巨大タコ イルカを窒息死させる 食われた腹いせか 豪州(2017年05月30日ハザードラボ)

 日本を訪れる外国人旅行客が増える一方で、ヨーロッパの人になかなか理解されないのが、日本人がタコを好んで食べることだ。旅行先の大阪で初めて「たこ焼き」を体験して、おいしさにハマる人が続出中だというが、正体を知れば「デビル・フィッシュ(悪魔の魚)」と呼んで忌み嫌われる生物タコ。その理由が理解できる調査結果が海洋哺乳類学誌『Marine Mammal Science』に発表された。

 西オーストラリア州マードック大学のナヒード・スティーブンス教授は、2015年に死んだミナミハンドウイルカを解剖した結果、マオリタコの触手が気道に張り付いて窒息したのが死因だと発表した。
 イルカは、地元サーファーが「ギリガン」と呼んでいた人気者のオスで、2015年8月に同国西南端のバンバリー港近くの砂浜に打ち上げられた際に、口の端からタコの触手がはみ出していた。

 マオリタコは、豪州周辺に生息する世界で3番目に大きな種類のタコで、ギリガンが食べようとしたのは重さ2.1キロもあったという。通常、豪州のイルカがタコを狩るときは、口で触手をくわえて空中でブンブンと振り回し、海面に叩きつける動作を繰り返して、吸盤の吸着力を弱める方法をとることがこれまでの研究で明らかにされている。
 しかし、ギリガンはよっぽど腹をすかせていたのか、準備体操を怠って、パックンと飲み込んだため、8本の触手の吸盤がすべて気道に張り付いて、呼吸できなくなっていたという。

 世界では毎年のように、イルカやアシカがタコの被害に遭っており、2012年にはギリシャで生殖器を握り締められて犠牲になったイルカも報告されているという。
 「タコの危険性が知られているにもかかわらず、イルカが狩りをやめないのは、タコの高いタンパク質と味の良さです。特に、繁殖活動を終えた後のタコは、疲れやすく、魚よりも簡単に捕食できるので、格好の餌食となるのです」とスティーブンス教授。
 葛飾北斎が描くところのタコと交わる海女の浮世絵を彷彿とさせる研究結果だ。

ちなみに最大のタコであるミズダコなどは通常でも体重数十kg、世界記録になると何と270kgにも達すると言いますが、大きなものになると捕食者であるサメにも勝つのだそうですね。
元記事にはその恐ろしい状況の画像が添付されていますが、しかし急いで食べ物を丸呑みにしてしまうのはやはり危険であると言うことなのでしょうか。

今日のぐり:「中津峡谷 ゆの森」

日本一の清流と言うほど水質の良さで有名な高知県仁淀川の上流にある中津峡谷は観光地として知られていますが、その入り口にある温泉宿泊施設がこちらです。
川縁の施設で水音を聞きながら食事も出来るようになっているのですが、しかしこの峡谷は遊歩道も綺麗に整備されていて、なかなか一見の価値がありますね。

この界隈で売り出し中のオムライスにも惹かれるのですが、ここは土地の食材が出てきそうな田舎定食を頼んで見ました。
メインとなるのがなかなか立派なあめご(あまご。サツキマス)の煮付けで、ほんのりピンクのサケマス系らしい身の味が薄口仕立てで味わえます。
刺身が魚ではなくこんにゃくなのも山奥らしくていいのですが、こんにゃくの味、食感もまずまずですが酢味噌タレとの相性がよくおいしくいただけました。
小鉢のだし巻き玉子や山菜はまあこんなものかですが、揚げ出し豆腐の豆腐が意外にしっかりしていて普通の豆腐としても食べて見たい感じですね。

あめごと言うのはこの界隈で一般的に漁獲されるのだそうで、こういう煮付けで出す店もあり、串焼きにして出す店もありと広く利用されているようです。
それなりのボリュームに加えてこれでコーヒーもついていて、そこそこ値頃感がある定食だと思うのですが、せっかくなので季節毎の土地の名物が楽しめればいいですね。

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2017年6月 2日 (金)

うっかりボタンを押してしまうと契約成立に

未だにこういうものに引っかかる人も少なくないのでしょう、先日こんなニュースが出ていました。

金払わぬと中国に連れて行く…青森の40代女性被害(2017年5月29日毎日新聞)

 青森県警五所川原署は29日、津軽地方の40代女性が「有料サイトの登録料を払わなければ、中国に連れて行く」などと脅され、8回にわたって計816万円をだまし取られたと発表した。女性は、中国の国営新華社通信と同じ呼称の会社に未納料金があるとも言われたといい、県警は新たな手口の詐欺事件とみて警戒を呼びかける。

 女性の携帯電話に今月、「有料サイトに登録されている」と男の声で複数回連絡があった。女性は東京都内の住所などに計506万円を送金。その後「シンカシャツウシン」に電話するよう言われ、かけると片言の日本語を話す男から「310万円を払わなければ中国に連れて行く」とだまされた。知人に相談し、被害が発覚した。【一宮俊介】

しかし今さら紳士録商法に引っかかる人もそうそういないのでしょうが、こういった有料サイト云々と言われると良く判らないまま言いなりに支払ってしまう人も多いのはやはりネットが未だ身近でないと言うことなのか、年代別でこうしたものの被害の会いやすさを調べて見ると面白いかも知れませんね。
管理人などは風の噂として伝え聞くのみですけれども、怪しげなサイトでうっかりリンクを踏んでしまったところ入会に同意したものと見なされ高額な入会金を請求されと言ったワンクリック詐欺の被害者も未だ少なくないようで、こうした一方的な契約(とも言えないものですが)はそもそも無効であり、頭から無視して構わないと言うことになっています。
ところが先日報じられた民法改正に関連して、よくよく見てみるとこんな気になる話も出ていたことを御覧になった方もいらっしゃると思いますが、まずは記事から紹介してみましょう。

「同意ボタン」で契約成立、敷金は原則返還……120年ぶり民法改正で変わる“ルール”(2017年5月29日産経新聞)

 契約のルールを明確化する改正民法が26日、参院本会議で可決、成立した。取引条件を示した「約款(やっかん)」に関する規定の新設などが柱。契約に関する規定の大半は明治29(1896)年の民法制定から変わっておらず、約120年ぶりの抜本改正となる。
 周知のため施行は約3年後となる見通し。改正法では、約款が消費者が一方的に不利になる内容であれば無効となる。また、第三者の個人が企業向け融資の保証人になる際、公証人による意思確認を義務付けた。
 未払い金の消滅時効を原則「請求できると知ったときから5年」に統一することや、認知症の高齢者など判断能力がない人が結んだ契約は無効と明記することなども盛り込まれている。

 契約のルールが大きく変わることになった。今回の改正は、インターネット取引の普及といった社会の変化に対応しつつ、判例などで定着したルールを条文に明記し、国民に分かりやすい法律にするのが狙いだ。(滝口亜希)
 改正の柱の一つが、約款に関するルールの新設だ。
 「お試し価格500円の健康食品を注文したら定期購入になっていた」。国民生活センターにはネット取引をめぐる相談が多数寄せられている。商品を購入する際などに表示される取引条件が約款だが、小さな文字で書かれていて「注文時に気付かなかった」という声も少なくない

 これまでの民法には約款に関する規定がなかった。改正法では、ネット取引の「同意する」ボタンを押すなどして消費者が合意した場合や、契約内容として事前に約款が示されていた場合には、消費者が内容を理解していなくても約款が有効であると明確化する。
 ただし、消費者に一方的に不利な契約内容は無効となることも明記し、消費者保護にも配慮した形だ。
(略)

世間では簡潔に「同意ボタンを押すだけで契約成立」と報じられているこのニュース、考えてみるといわゆるワンクリック詐欺などもちょいと済みの方に約款を掲示するなどサイトの体裁を整えるだけで、形の上では契約成立の条件を整えられてしまうと言うことになってしまいそうですよね。
ここで問題になるのは「消費者に一方的に不利な契約内容」とはそもそもどのようなものなのかですが、世間一般には流通していない成人向けのケシカラヌ内容の画像や動画などを一定程度の料金で提供すると言う契約が「消費者に一方的に不利」なものと認識されるものかどうか、これはなかなか微妙なところであるような気がします。
当然ながらそうしたサイトにアクセスする時点でそうした目的を持って自ら能動的に契約締結を求めていると判断されるでしょうし、また画像の内容が料金と照らし合わせて妥当かどうかの判断も難しいところで、例えば市販されている写真集程度の健全かつ合法的な画像ばかりでも、それが何千枚とあれば市価に照らし合わせて数万、数十万程度の料金は妥当と考えられるのかも知れませんね。
実際にところは現時点でワンクリック詐欺などを展開しているサイトはこうした条件を満たしているとは到底思えませんが、詐欺と言うものの性質上法律の抜け道を突いてくるように臨機応変に変化していくはずですから、近い将来ワンクリック詐欺としても機能し、あわよくば合法的とも認定されるような体裁を整えたサイトが続々と登場してくるのかも知れませんね。

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