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2017年5月26日 (金)

主義主張に忠実に生きる人々

動物愛護団体と言うとテロリスト化している一部の過激な集団のイメージが強いせいか、ついつい色眼鏡で見てしまうところもあるのですが、先日こんな動物保護団体が話題になっていました。

犬“殺処分ゼロ”を掲げるNPO、保護犬に不妊・去勢手術せず 杉本彩も「動物愛護ではない」(2017年5月25日週刊新潮)

■犬「殺処分ゼロ」でふるさと納税をかき集める「NPO」偽善の履歴書(下)

 広島県神石高原町に所在地を置くNPO法人「ピースウィンズ・ジャパン」が始めた「ピースワンコ・ジャパン」は、“県内の犬の殺処分ゼロ”を看板に掲げる団体である。その活動は日本テレビ系「天才!志村どうぶつ園」などメディアでも取り上げられ、人気バンドSEKAI NO OWARIは支援ソングを発表。神石高原町へのふるさと納税の形でもPWは活動資金を得ている
 ところが、今年3月に30を超える動物愛護や福祉関係の団体がピースワンコの代表者ら宛てに公開質問状を提出。その内容は、「ゼロ」と謳っていながら52頭が殺処分されている点や、保護犬に不妊去勢手術を行わずに譲渡を行っている現状について質すものである。

 質問状への回答によれば、ピースワンコの施設が収容する犬は1166頭で、不妊・去勢手術を施したのは27頭。また、施設での犬たちの暮らしぶりについて「犬の頭数に対してスタッフが少なすぎる」とピースワンコでのインターンを経験した女性は指摘する。
 調布市のつつじヶ丘動物病院の菅井龍院長は、
「一般論ですが、不妊手術をしていない1000頭以上の犬に対し、数十人で繁殖制限をするのは非常に難しいと思います」
 と、こう続ける。
「動物病院と愛護団体は一概に比較できませんが、目安にはなると思う。私たちの病院では獣医師や看護師以下、常時10〜12人で診療に当たっていますが、預かっている動物は多い時でも40匹を超えません。それでも日々の世話は大忙しです。1000頭もの施設をどんな体制で運営しているのか、興味深いですね」

 収容所の生き地獄が想像されるが、すでに別の問題も生じているそうで、横浜市のニュータウン動物愛護会の日向千絵代表が言う。
「ピースワンコには野犬だった犬が多く、すると脱走の危険があるのに、里親に譲渡するときも不妊・去勢手術をしません。ピースワンコは神奈川にも譲渡センターを設けましたが、私の耳に入っているだけでも東京と神奈川で計5匹、ピースワンコからの犬が脱走し、2匹は捜索願いが出されたまま。あそこの事業はどんどん施設を作り、広島の犬の置き場を全国に移しているだけだと思います」
 ちなみに、扱いきれない犬をピースワンコに戻すときには、15万円を添える必要があるのだそうだ。
(略)
 ピースワンコ・ジャパンの大西純子プロジェクトリーダーの話を聞こう。
「不妊・去勢手術にはメリットもあればデメリットもあって、メスは女性ホルモンの分泌が減って、筋肉や骨が弱ってしまう。オスはもともと“ビビリ”の子が多いのが、さらに臆病になってしまう。避妊は手術以外の方法でもできるし、私はそのほうが望ましいと考えています。健康な子にわざわざ手術を施す必要はないと思うんです」
(略)
「ペットショップだって不妊・去勢の判断は飼い主に委ねていますよね。ペットショップの犬だって、保護犬だって、同じ犬じゃないですか。いったいなにが違うって言うんです? だから私たちは、具体的には生理がきたメスを隔離することで、繁殖が起きないようにしているんです」
(略)
「現在、譲渡率は30%ほどで、施設がパンクしないよう、岡山県にも新しい犬舎を作っています」
 ふるさと納税を使い、収容数を際限なく増やしているだけのような。だが、話を戻し、発情期の犬が凶暴になったりしないのかと問うと、大西氏は、
「普段からメスに接する機会が多いオスは、メスに生理が来たって急に暴れたりしません。人間だって共学の男子生徒と男子校の生徒では、男子校のほうが女子に会ったときドキドキしてしまうじゃないですか。それと一緒です。うちのオスたちは、生理のメスがいるからって、ストレスを感じている様子はないし、“ふーん、生理なんだ、でも僕はお散歩のほうが好きだもん”というオスは、たくさんいるんですよ」
 野犬あがりにしては、立派な御犬さまが多いらしい。ところで大西氏、
「殺処分ゼロを継続し、いまに至るのです」
 と言うので、その定義について尋ねると、
殺処分器を使っての殺処分がゼロということ
(略)

聞くところによるとテレビなどでも取り上げられることが多いそれなりに有名な団体なのだそうで、しかし殺処分器を使わなければ殺処分ではないと言う発想はなかなか斬新に感じられるのですが、各地の動物愛護団体も殺処分ゼロを目指して動物を引き取ってはいるものの、その管理に四苦八苦していると言う現実もあるようですね。
記事を見ていてイヌの繁殖がどのようなものなのか存じ上げないので何とも言いがたいのですが、「生理がきたメスを隔離することで、繁殖が起きないように」コントロール出来るというのはどの程度確実なやり方なのか、実際のところ1000頭以上のイヌできちんと管理出来ているものなのかは知りたいですね。
ともかくも動物愛護と言うことに関しては人それぞれの考え方があって、インフルエンザシーズンなど皆さんが気軽に使用しているうがい薬や手指消毒薬などは数限りないほどの微生物に対して全く愛護的ではないと思うのですが、過激な動物愛護団体の方々が病院に押しかけて消毒薬のボトルを叩き壊して回ったなどと言う話はあまり聞いた記憶がありません。
それでも自己責任で自らの思想信条に従って生きる自由は誰しも持っているはずだと思うのですが、それが自分自身だけの問題に留まらず周囲に悪い影響を与えるとなると批判の対象になってくることもあるもので、先日報じられていたこちらのニュースなども話題になっていました。

グルテンフリー食を強いられた生後7か月男児、栄養失調で死亡(ベルギー)(2017年5月22日ブレーキングニュース)

生後7か月の我が子にグルテンフリーの食生活を強要していた両親。しかも乳児の成長過程に必要不可欠な栄養を摂取させず、2014年6月にその乳児は死亡した。このたび第1回目の公判が行われたことを英紙『Metro』や『Independent』が伝えている。

ベルギーのベーフェレンで自然食品店を経営している父ピーターと母サンドリーナの間に生まれたルーカス君は、2014年6月6日にわずか7か月の生涯を閉じた。死因は激しい脱水症状と栄養失調による餓死であった。ルーカス君が亡くなった時の体重はわずか4.3kgで、同じ月齢の子の平均体重の半分以下だったという。
5月15日に行われた公判で、検察官は「ルーカス君の胃の中は完全に空っぽで脱水症状を起こしていた」と検死解剖の結果を述べ、ルーカス君の死因は両親にあると糾弾した。
ルーカス君は死の数日前に呼吸が苦しそうな状態であったものの、両親は医師の診断を仰ぐことを怠った。また、ルーカス君をグルテン不耐症で乳糖アレルギーがあると勝手に思い込んだ両親は、自身が行っていたグルテンフリーの食生活を強要したうえで乳児にとって不適切な食事を与えていたのだ。

ルーカス君が普通の粉ミルクを飲ませた時に痙攣を起こしたことから、両親はグルテンフリーのオートミルクやライスミルク、キヌアミルク、セモリナミルクなど自分たちの店で販売している商品を飲ませていた。法廷で弁護人は「両親は、ルーカス君が何らかの摂食障害を持っていると思い込んでいた」と明かしている。
しかも両親は近くの病院へ連れて行かず、遠く離れたホメオパシー療法をする医師のところでルーカス君を診てもらっていたという。ルーカス君が死亡した時は、おむつの中に祈りのメッセージが書かれたカードが入れられていたそうだ。ルーカス君の健康状態に関しての記録はどの医師も保管しておらず、児童保護サービスもこの両親のことを知らなかったもようだ。
裁判で父親のピーターは「息子の異変に気付かなかった」と話し、母のサンドリーナは「息子の体重は増えることもあれば減ることもあった。決して息子の死を望んでいたわけではない」と涙ながらに供述した。

もはやテンプレ化しているようなキーワードが多数ちりばめられて眩いばかりの記事なのですが、さすがに自分のことならともかく罪もない子供を巻き込むなと言う批判の声は多いものの、程度の差はあれ子育てだとか子供の教育と言ったものには似たような側面があるのかも知れないとも感じさせられます。
ちなみにグルテンと言えば小麦等の穀物に含まれる蛋白質のことで、食物アレルギーの人が小麦含有食品を回避して普通に生活していることからも判る通り別に必須栄養素と言うわけでもなく、実際にはグルテンフリー食の強要が死の原因であったと言うわけではなく、全般的な食生活に重大な問題があったのだろうと思います。
しかし構図としては日本でもしばしば話題になった宗教的信条からの輸血拒否のケースと似ている部分もあると思うのですが、命に関わるような局面であっても思想信条を優先させることの是非はとかくの議論はあっても個人の思想信条の自由として保障されるべきだと思うのですが、では親の意思が子供にどれだけ反映されるべきなのかです。
親子とは言っても別人格である子供の命を親がどの程度左右して良いものなのか、輸血拒否事例については現在命に関わるような局面では親権を停止してでも子供に輸血は行うと言うことになってきていますが、普通ではないことをやっている人々に対して公権力等外部からの強制力はどのレベルから介入すべきなのか、こうした事件が起こるたびにその線引きの難しさについても考えさせられますね。

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コメント

でも酒は飲むんでしょ?

投稿: | 2017年5月26日 (金) 08時49分

http://majikichi.com/archives/9109156.html
ぼく「命の大切さを謳うのはいいけど、綺麗ごとだけだと間違いなく失敗するぞ」

投稿: 10年前にドロッポしました。 | 2017年5月26日 (金) 09時38分

ごく個人的には、犬猫の不妊去勢はハンセン氏病患者に対して行われた断種をイメージしてしまってあまり良い気分がしません。
犬猫に対する不妊去勢処置は、動物愛護じゃなくて犬猫以外の誰かの都合でしょうし。

投稿: クマ | 2017年5月26日 (金) 12時57分

>犬猫に対する不妊去勢処置は、動物愛護じゃなくて犬猫以外の誰かの都合でしょうし。

>>飼育放棄される子猫の数を減らすためには、飼い猫に対する不妊手術の徹底が不可欠です。
>>不妊手術には、飼育放棄される子猫の数を減らすと同時に、繁殖期におけるストレスを軽減したり、生殖器関連の病気を予防するという重要な意味があります。
http://www.konekono-heya.com/aibyouka/syobun.html


投稿: 10年前にドロッポしました。 | 2017年5月26日 (金) 16時03分

難しいところですが、トータルで見ると管理出来る範囲内に数を抑制した方が愛護的対応を行えると言う考えなんでしょうね。

投稿: 管理人nobu | 2017年5月26日 (金) 18時10分

ペットとして飼うこと自体が権利侵害だから禁止するべき

投稿: | 2017年5月26日 (金) 19時49分

この神石高原町の「業者」って、セカオワが「HeyHo」を書いた切っ掛けだったってジッチャンが言ってた。

投稿: | 2017年5月27日 (土) 10時05分

>難しいところですが、トータルで見ると管理出来る範囲内に数を抑制した方が愛護的対応を行えると言う考えなんでしょうね。

人間ですら経済的理由による中絶が容認されているわけで、ましてや犬猫なんて人間に較べれば全然たいした事はないんだから要らないんだったらどんどんぶち殺せばよろしいw
*捨てるのはダメですよ。万が一生き延びでもすればオレが迷惑だし(なんで猫を飼った事も捨てた事もないオレ様が猫の糞を始末しなきゃならんのか…)、地域によっては希少生物が食害されたりしますからね。責任もってぶち殺すか、保健所に持ち込んでねはぁと

>ペットとして飼うこと自体が権利侵害だから禁止するべき

するってーとそもそも生まれてすらこなくなるわけで、種の存続の為人間に依存する事を選んだ家畜的には非常に不本意なんではないかと忖度いたしますw

投稿: 10年前にドロッポしました。 | 2017年5月27日 (土) 10時11分

フクシマで野生化した家畜は幸せなのか不幸なのか

投稿: | 2017年5月27日 (土) 10時33分

10年前にドロッポしました。 さまへ

>不妊手術には、飼育放棄される子猫の数を減らすと同時に、繁殖期におけるストレスを軽減したり、生殖器関連の病気を予防するという重要な意味があります。
それすら人間側の都合でそうする動物とそうしない動物がいるわけですからねえ・・・
あ、個人的には動物愛護って錦の旗印で不妊手術をするのがいやなだけで、人間様の都合でやりますってことなら全然OKだと思ってます。

投稿: クマ | 2017年5月27日 (土) 11時49分

不妊手術が不幸な動物を増やさない方法で愛護なんです、ってのが
ずうずうしいという気は確かにしますね
愛護してやってる、という感じ

投稿: | 2017年5月27日 (土) 15時03分

>個人的には動物愛護って錦の旗印で不妊手術をするのがいやなだけで、人間様の都合でやりますってことなら全然OKだと思ってます。

動物愛護自体が一から十まで人間様の都合ですから。

>愛護してやってる、という感じ

愛護してやってるんですよww

投稿: 10年前にドロッポしました。 | 2017年5月27日 (土) 15時25分

愛護してやってる同意
しょせんは自己満足の偽善

投稿: | 2017年5月27日 (土) 15時54分

動物愛護はキチガイなのか
https://www.j-cast.com/2017/05/27298935.html

投稿: | 2017年5月27日 (土) 18時10分

http://www.afpbb.com/articles/-/3129804?cx_part=sp_latest

投稿: | 2017年5月27日 (土) 22時33分

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