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2017年5月29日 (月)

医療のフリーアクセスが終焉へ?

医療の行方や在り方に関しても、このところその経済的側面からの観点は欠かせないものとなりましたが、先日こんな話が出ていたそうです。

かかりつけ医以外の受診「抑制へ定額負担を」 諮問会議(2017年5月24日日本経済新聞)

 政府は23日、経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)を開き、社会保障改革を議論した。民間議員は、費用対効果をもとに、医薬品の価格を決める新組織の設立や、かかりつけ医以外をランダムに受診した場合の定額負担の導入を提言した。代替のない高額医薬品ほど自己負担を減らす仕組みの検討も求めた。受診や薬の利用にメリハリをつけて医療費を抑える。

 塩崎恭久厚生労働相は、薬価の抑制につながる後発医薬品の普及率を、現在の60%台半ばから2020年9月までに80%に引き上げる方針を表明した。従来は「18年度から20年度末までのなるべく早い時期に80%以上にする」としていたが、時期を明確にした。

 民間議員はかかりつけ医の普及に向けて、まず大きな病院を紹介状を持たずに受診した時の定額負担の対象拡大を検討すべきだとした。その上で、かかりつけ医以外を受診した場合の定額負担の導入につなげたい考えだ。日本では外来受診時の負担が軽いことが医療費膨張につながっている。

 薬価の算定方法も見直す。民間議員は、費用対効果をふまえて薬価を算定する日本版「医療技術評価機構」の設置を提言した。新たな組織は、生存年数や生活の質のほか、再発率の高さなども総合的に勘案して薬の値段を決めることを目指す。

 フランスを例にして、薬の種類によって自己負担割合を変えることも提言した。薬の種類で負担割合が変わらないことが、過剰投与につながっているとして、使用や開発にメリハリをつける。

 23日の諮問会議では、6月に閣議決定する経済財政運営の基本方針「骨太の方針」の骨子案も示した。働き方改革と人材投資を軸に、成長と分配の好循環を目指す。消費の活性化や経済・財政一体改革の推進を盛り込んだ。

まあしかし外来受診時の負担が軽いことが医療費膨張につながっていると言い切ってしまっていいのかどうかも異論反論が多々あるところでしょうが、この辺りに関してすでに何かしら明確なエヴィデンスが出ていると言うことなのでしょうかね。
色々の話が混じり合っていますが、後発医薬品への切り替えに関してはかねて盛んに言われているところでもあり、医学的にさほど大きな問題とならない場合は半ば強制的にでも切り替えさせていくと言うことで今後も調節が続けられることになるのだろうと思います。
一方でここで非常に大きな医療のパラダイムシフトになりそうなのがかかりつけ医以外への受診抑制ですが、今のところ金銭的な面での誘導強化と言う程度に留まっているものの、最終的に目指すのはイギリスNHS風のホームドクター制度ででもあるのでしょうか。
もちろん医療においてゲートキーパー機能をきちんと発揮させることは医療費削減や高次医療機関の疲弊抑制などの観点から非常に重要ではありますが、風邪で大学病院受診もありと言うフリーアクセスを旨としてきた日本の医療制度の抜本的な転換点となるのかどうかが注目されます。

もともと病院の専門医志向から開業のかかりつけ医に誘導するべしとは長年言われてきたところですが、そのための方法論が問題なのは儲けにならなければ病院も患者を手放すだろうと病院の外来コストを安く設定した結果、安上がりだからと患者がかえって病院外来に集中してしまった過去の事例からも明らかですよね。
儲けにならないことはやらなくなると言うのも一面の真実なのでしょうが、日本の場合応召義務とフリーアクセスが担保されている以上儲けにならない患者だから断ることが出来ないもので、この点では保険外での自己負担を増やしていくと言う考え方は一定の実効性を発揮する可能性がありそうです。
先日出ていたように生保患者に関しては試験的にかかりつけ薬局限定でしか薬の処方を受けられないようにする方針で、有効であるなら一般患者にも同様の方針を広げない理由もなさそうなのですが、かかりつけ医以外の受診に余計な金銭的負担以外のペナルティを設定するのかどうかで、国の本気度も判りそうな気がします。

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コメント

そりゃあ乳幼児の一部負担金を無料にした自治体での小児科外来が
エライ事になった事例を思い出せば 逆もまた真なり で有効なのでしょうね。

投稿: | 2017年5月29日 (月) 10時53分

大病院が初診外来やってるのが問題
紹介と予約患者だけにしろ

投稿: | 2017年5月29日 (月) 13時11分

金銭的負担による受診制限はある程度有効そうなのですが、そもそも受診制限をかけること自体に反対の団体・個人もいらっしゃるので、現時点ではまだ実現の可能性は未知数ですね。

投稿: 管理人nobu | 2017年5月29日 (月) 13時57分

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