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2017年4月28日 (金)

効かないものも効くものも、それぞれに問題が

まあそんなものなんだろうなとも思うのですが、先日出たこんなニュースでかなりショックを受けたと言う人も中にはいらっしゃるようです。

効き目ゼロ「難消化性デキストリン」が呼び起こした「怨嗟」と「矛盾」(2017年4月10日デイリー新潮)

 静岡県に住む46歳の男性会社員は、2012年に「ペプシスペシャル」が発売されて以来、なんと、1・5リットル入りのペットボトルを毎日飲み続けていた。夏場にはペットボトル2本を空にしてしまうこともあったというから、まさに“トクホコーラ漬け”の日々を送っていたわけだが、
「週刊新潮の記事を読んで、えーっ! と衝撃を受けました。騙された、と。だって、あれを読めば確かに効果ゼロなんだって分かるじゃないですか。愕然としましたし、怒りもこみ上げてきた。すぐにサントリーに電話しましたが、消費者庁から許可をもらっているので問題ありません、という対応で、余計に腹が立ちました」
(略)
「ショックです。今年一番のショックです……」
 と、うなだれるのは「すこやか茶」を愛飲してきた都内在住の女性会社員(29)。
「すごい衝撃でした。駅前のコンビニには置いてないので、わざわざ出勤前に遠回りしてまで毎朝買っていたんですよ、あのお茶を。今はそんな自分が不憫でならない。でも、どうりで痩せないわけだ、と納得する部分もありました」
 何しろトクホの市場規模は約6400億円にもなるのだから、2人と同様に怨嗟の声を上げた人は数えきれないほどいたに違いない。彼らは言わば、トクホを崇め奉る「トクホ教」の信者だった。しかし本誌記事によって「洗脳」が解け、ある者は怒りに打ち震え、別の者はショックのあまり呆然としているわけだ。

 何とも間の悪いことに、そんなタイミングで難デキ入りの新トクホコーラを発売した会社がある。3月27日から「コカ・コーラ プラス」の販売を始めた日本コカ・コーラ社である。
〈脂肪の吸収を抑え、食後の血中中性脂肪の上昇をおだやかにする〉──これが新商品のキャッチコピーだ。トクホコーラの先行2商品は、〈脂肪の吸収を抑え、排出を増加させる〉というものだったが、新商品のコピーには、どこを探しても〈排出を増加させる〉という文言が見当たらない。一体どういうことなのか。
 その背景が分かる資料が内閣府のHPで公開されている。トクホの有効性と安全性の評価について審議する「消費者委員会新開発食品調査部会」の議事録だ。昨年9月、「コカ・コーラ プラス」などについて審議された際の議事録を確認すると、元々、日本コカ・コーラ社は〈脂肪の排出を増加させる〉という文言も含まれたコピーの使用を求めていたことが分かる。しかし、消費者委員会側が、

〈キャッチコピーとして強調できるほど、製品として脂肪の排出を増加させるのかを確認するため、その根拠の説明を求めました〉

 すると、日本コカ・コーラ社は、

〈許可表示から「排出を増加させ」を消去し、キャッチコピーも修正

 してきたといい、それ故、成分が同じトクホコーラなのにコピーが異なる、という珍妙な現象が起こってしまったのである。

〈消費者はパッケージの裏面を見て比べたりする、すると、こちらに書いてあってこちらに書いていない。そういう状況がいいのか、どうなのでしょうか〉(審議の席での委員の意見)

 本誌3月30日号で難デキの効能を裏付ける論文の「嘘」を看破した千葉大学名誉教授の山本啓一氏(生理学・生化学)が言う。
「おそらく、各企業は、難デキには脂肪の排出を促すことで身体への吸収を抑制する効果はない、と認識し始めたのでしょう」
 おさらいしておくと、難デキに脂肪の吸収を抑える効果がある、と謳うトクホの多くは特定の2つの論文を根拠として取り上げている。難デキの国内シェア8割を誇る松谷化学工業の研究者などが2007年と09年に発表した論文で、山本氏はそこに以下のような「嘘」が含まれていることを指摘した。

◎〈09年論文〉では、難デキを摂取した実験群は未摂取の対照群の倍の量の脂肪が糞便として排出された、との実験結果が明らかにされているが、これは数字上のゴマカシ。糞便として排出されなかった脂肪量の割合は実験群が97・4%、対照群が98・6%でその差は1・2%。これは生物学の世界では誤差の範囲で、故に難デキには脂肪の吸収を抑制する効果はない。
◎〈07年論文〉では、難デキの量が5グラムの実験群の血中の脂肪の減少率は27・2%で、難デキ10グラムの実験群では20・1%になっている。難デキの量が2倍になっているのに効果が下がるのは、科学的にあり得ないこと──。

(略)
 各企業が「再現実験」にトライするも、軒並み失敗。14年に、あの“割烹着の女性”が引き起こした騒動と似た状況なのである。
(略)
 山本氏のこの指摘とも関係する“ある疑問”が、先に触れた「消費者委員会新開発食品調査部会」での審議で取り沙汰されている。実験では、参加者94名のうち17名が最終的に解析対象から除外されたのだが、それについて委員から次のような意見が出たのだ。

途中でこの人は生活が乱れているのではないかということで除外するというのは、恣意的と言うと失礼かもしれませんけれども、その可能性も否定できないわけで、九十何名のうち17名がそうだというと割にパーセンテージとしては大きいので、これはいかがなものかという気がいたします〉

 この委員の指摘について山本氏は、
「私もその通りだと思います。まず、そもそも、途中で解析対象者から除外された人数が94名中17名もいるのは多すぎます」
 と言う。なぜなら、
「実験の参加者はあらかじめ食事の摂り方や生活記録のつけ方について、注意を受けている。にもかかわらず、その内容がおかしいという理由で、これだけの人数が途中で除外されるのは明らかに不自然。この実験では、中性脂肪値のばらつきを小さくするために、言い方を変えれば『P値』を下げたいがために恣意的に途中で解析対象者の数を減らしたのではないか。委員はそう疑ったのでしょう」

 除外された人数の多さに、実験を行った企業の“苦労”が表れている、ということなのかもしれないが、大本の〈松谷の07年論文〉について、早々にバツ印をつけていた組織がある。

〈この参照資料からは、主張されている効能を科学的に立証するためのいかなる結論も導き出し得ない

 11年にそう判断した欧州食品安全機関(EFSA)は、難デキの食後血糖値上昇抑制効果についても、〈因果関係は確認されていない〉と結論付けている。
(略)

まあしかしトクホであれ何であれ、毎日毎日コーラ1.5リットルを飲み干してしまうような消費者の場合他の増悪因子の影響も大きいのではないかと言う気がするのですが、今回の場合いわばトクホと言うお墨付きを与えたと言う形であることから、元を正せば国の責任ではないかと言う声も少なくないようです。
ちなみにこの種の食品に関する用語が数多くあって混乱すると言う方もいらっしゃるかと思いますが、トクホ「特定保健用食品)と言うものが消費者庁の許可を受け、有効性についてある程度科学的な根拠があるとされるものであるのに対して、栄養機能食品と言うものには特に審査などはなく、定められた一定基準の栄養を含んでいれば業者が勝手に称してよいものとなっています。
今回の件でその科学的な根拠なるものがどの程度のものであるのかについての疑問が呈された形ですが、一般的には食品メーカーなどが出しているデータを元に議論することが多いのでしょうから、医薬品承認などにおけるような意味での効果効能の証明がなされているとは考えない方がいいのでしょうね。
この辺りは国が許可を出していく以上さらに厳密に審査を行うようにしていくべきなのか、それともトクホと言うものはその程度のものであると言う風に認識を改めていくべきなのか今後の議論次第ですが、他方で効果についてはそれなりに証明されているものへのアクセスについてこんなニュースも出ていました。

Amazonで「第1類医薬品」の購入が可能に 「ロキソニンS」「ガスター10」「リアップ」などを取り扱い(2017年4月18日ITmedia NEWS)

 アマゾンジャパンは、Amazon.co.jp内のドラッグストア「Amazonファーマシー」において「第1類医薬品」の販売を開始した。注文の確定に当たっては、薬剤師による適正利用の確認が必要で、確認できない場合は注文がキャンセルされる。
 4月18日現在、第1類医薬品のラインアップは頭痛薬「ロキソニンS」(第一三共ヘルスケア)、胃腸薬「ガスター10」(同)、育毛剤「リアップ」(大正製薬)など76品目。
 第1類医薬品は、薬剤師からの情報提供を受けた上で購入することが必須だが、Amazonファーマシーでは以下の手順を踏むことで代替している。

1. 第1類医薬品をカートに入れる
2. レジに進む
3. 「ご使用者状態チェック」で購入者の利用情報を入力する
4. 「お薬の説明と確認」で当該医薬品の注意事項を読み、質問の有無を選択
5. 会計手続きを行う
6. 薬剤師による確認が完了次第発送

 取り扱う第1類医薬品は、順次拡大する予定だ。

ガスターを始めとする処方薬の市販化やネット通販解禁についてもそれぞれ一騒動あったところで、この種の「強い」薬を好き勝手に買えるようにしてしまうのは問題だと言う指摘もある一方、国がOTC薬推進と言いながらクリニックで処方されるより高くつくのはおかしいと言う指摘もあって、そうした警戒感もあってか今のところ日本では未ださほど大々的に普及するとまでは行っていないようです。
既存の薬局からすれば大規模ドラッグストアだけでもすでにかなりのダメージで、この上ネット通販で顧客をごっそり奪われたのではたまらないと言う反発の声も強いのは当然なのですが、他方では近隣に医療機関もない僻地離島の住民にとって医薬品ネット通販は命綱であり、一刻も早く普及拡大して欲しいと言う意見もあります。
今回ネット通販大手が第1類医薬品を売ると言うのは利便性の面で非常に期待は大きいのですが、一般的な通販利用の経験がある利用者からすると事実上フリーパスで購入出来るとも言え、かつて対面販売の必要性が云々と大騒ぎになっていた過去の経緯とは何だったのか?とも感じてしまいますね。
肯定的な評価をするなら大手がこうして購入履歴を一元管理出来る体制が出来るはずですから、明らかに適正量を超えて購入しようとする利用者の購入を制限すると言った対策も行いやすい理屈ですが、しかしこうして売られた医薬品でトラブルがあった場合、確認作業を行った薬剤師が何らかの責任を問われると言うことがあるのでしょうかね?

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コメント

薬剤師も確認のしようがないような。
こういう形骸化したチェックがどれだけ意味があるのかなあ。

投稿: ぽん太 | 2017年4月28日 (金) 09時06分

>こういう形骸化したチェックがどれだけ意味があるのかなあ。

訴訟対策w

投稿: 10年前にドロッポしました。 | 2017年4月28日 (金) 09時32分

この場合薬剤師の顔は見えないはずなので、訴えられれば自然会社として対応することになると言う安全性?の高いシステムではないかと言う気がします。

投稿: 管理人nobu | 2017年4月28日 (金) 17時30分

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