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2017年3月10日 (金)

病院から消えた高齢者が一ヶ月後に遺体で発見

先日報じられたこちらの事件ですが、まずは記事をそのまま紹介してみましょう。

<パーキンソン病患者>病院に配車断られ…男性遺体で発見(2017年3月7日毎日新聞)

 千葉県柏市内の老人ホームに入居していたパーキンソン病患者の男性(72)が昨年12月、市立柏病院で介護タクシーを呼ぶよう頼んだところ断られ、約1カ月後に別の場所で遺体で発見されていたことが病院関係者らへの取材で分かった。男性は要介護3で歩行にはつえが必要だったが、直線距離で約3キロあるホームまで歩いて帰ろうとした可能性があるという。

 病院関係者らによると、男性は昨年12月下旬に同病院で診察を受けた後、介護タクシーを呼んでホームに帰ろうとした。電話をかけるのに必要な現金を持ち合わせていなかったため、病院案内窓口で電話を依頼したが看護師から「対応は難しい」と断られたという。

 男性は「そうですよね」と言って立ち去ったがその後行方が分からなくなり、ホーム側はその日のうちに病院と警察に連絡。1月下旬になって病院から約1.5キロ離れた川の近くで遺体で見つかった。死因は凍死で、行方不明になった日が死亡日とされたという。現場は空き地や草むらが広がる道路からは少し離れた場所だった。

 病院の対応と男性の死亡の因果関係はわからないものの、6日にあった市議会一般質問では病院の対応を疑問視する声が上がった。市保健福祉部の佐藤靖理事は「男性には個々の患者の要望に応えるのは困難と伝え、理解もいただいた」と説明。質問に立った末永康文市議(護憲市民会議)は取材に「1人で帰るのが無理と気づかないのは問題。丁寧に対応すれば命は奪われなかった」と批判した。

 病院は取材に「外来患者は1日500人以上おり、対応には限界がある」と話している。【橋本利昭】

毎日の記事しかないので情報が限られており、電話をかけるお金も持たずどうやって帰るつもりだったのかだ、ホーム入所中で要介護3の高齢患者が何故一人で病院に来ていたのか、案内窓口で何故看護師が対応しているのか、タクシーに乗って帰ってホームでお金を払えばいいではないか等々、様々な疑問があげられています。
患者は生活保護受給者であったと言う推測もあり、この場合タクシー又は介護タクシーは無料で利用出来ることも多いのですが、この辺りはどういう補助になっているのかは地域によっても実情が異なると言い、例えば介護タクシーは補助するが一般のタクシーは不可と言った条件もあったのかも知れないと言う推測も成り立ちます。
ただ介護タクシーの場合はその性質上、送りと迎えの時間を決めて依頼すると言うのが一般的ですから、たまたま今回電話をしなければ迎えに来ないような話を付けていたと言うことなのか、記事からは少し非定型的な状況であったと推察されるところですね。

いずれにしても要介護3のパーキンソン病の高齢男性が一人で病院を受診している状況で、帰りの手段に困っているのであれば電話の一つくらい貸してやるなりすればいいではないかと言う声が非常に多いのですが、記事で見る限り病院側のコメントも今ひとつ要領を得ず、日常的に受診しているだろうこの種の患者に対して病院としてどう対処するのかと言う疑問は感じますよね。
聞くところでは同病院では施設老朽化もあり近く移転新築する予定であったものが、諸事情からゼロベースで見直しが決定されたのだそうで、長年の慢性的な赤字と言う自治体病院共通の課題も抱えていたと言いますから、至れり尽くせりの万全な対応と言うことは難しい状況ではあったのかも知れませんが、ではこうした一人で帰られない患者をどう見つけ出し、誰がどう対応すべきなのかです。
当然ながらこうした患者を介助者もなく一人で送り出すホーム側の対応はどうだったのかと言う批判もあり得るわけですが、こうした事故防止のためにいつでもスタッフが付き添えるかと言えば現実的に不可能であるだけに、この種の患者の病院受診についてはかなり綱渡り的な運営がなされているのだろうと改めて思い知らされた事件だとも言えそうです。

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心と体」カテゴリの記事

コメント

困っている人には親切にしてあげたほうがいいと思うけど、事件扱いするほどの不親切とも思えません。
結果の大きさで行為自体の重さを計るのはやめたほうがいいと思う。

投稿: JSJ | 2017年3月10日 (金) 09時22分

いつもの売国タブロイド紙のいちゃもんです。無視でよろしいかと。

投稿: 麻酔フリーター | 2017年3月10日 (金) 10時08分

患者が自己判断で帰っちゃった場合も損害賠償させられるの?

投稿: | 2017年3月10日 (金) 11時43分

「質問に立った末永康文市議」もズレてて、
政治家なら病院の不親切を咎めるのではなく、
周囲の親切に頼らなければ安全に通院できない状況・制度こそを問題にすべきだろうと思います。

投稿: JSJ | 2017年3月10日 (金) 11時57分

今回の場合患者が一人で安全に帰られるような状態であったかどうかの判断が問われると思うのですが、もしそれが無理だと言うことであれば責任を問われるのは送り出した施設側になりそうです。
単独受診をしている以上、病院側としては単独で帰宅する能力もあると考える妥当性はあると思うのですが、そうは言っても記事から不親切な病院だと言うイメージはついてしまうでしょうね。

投稿: 管理人nobu | 2017年3月10日 (金) 12時24分

毎日新聞よりはこっちのほうが信用できる

千葉日報
患者男性遺体で発見 タクシー配車断られた後 柏市立柏病院
https://www.chibanippo.co.jp/news/national/392526
 柏市立柏病院で昨年12月、外来患者の男性(72)がタクシーを呼ぶよう看護師に頼んだが断られ、約1カ月後に約1・5キロ離れた草むらで遺体で発見されていたことが8日、同病院への取材で分かった。
男性は歩くのにつえを使っていたといい、市議会一般質問で病院の対応への批判が上がった。

 同病院によると、男性は市内の福祉関係施設に入居しており、昨年12月21日午前に外傷で同病院を受診。
診察後にカウンターで「タクシーを呼んでください」と頼んだが、看護師に「一人一人に対応するのが難しい」と断られた。

 男性は「そうですよね」と立ち去ったが帰宅せず、施設が当日中に同病院と柏署に連絡。
同署が行方不明の届け出を受理して捜索したが、男性は今年1月29日に同市松ケ崎の草むらで遺体で発見された。
同署は死因などについて「事件性はない」としている。

 同病院は「特別なケアを必要とする患者には見えなかったという看護師の判断。過失はなかった」とする一方、
「職員が患者をもっと観察して対応できたかもしれない。より一層患者の状態を把握し、丁寧な対応を心掛けたい」と話す。

投稿: | 2017年3月10日 (金) 21時12分

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