« 今日のぐり:「スパゲッティハウス チャオ JR名古屋駅新幹線口店」 | トップページ | 風邪に抗生剤投与は御法度に »

2017年3月 6日 (月)

手術の立ち会い人を求められたが誰も頼める人がいない場合

ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、2012年にスタートし2015年頃から何かと取り上げられる機会の増えたネットサービスとして「おっさんレンタル」なるものがあって、1時間1000円で中年男性をレンタルできると言うなかなか興味深いサービスなのですが、これが意外に人気があるのだそうです。
料金を考えてもほとんど儲けは出ないだろうと思いますし、実際に仕事と言うよりは限りなくボランティア的性質のものだと言うことですが、そのおっさんレンタルのかなり意外性のある利用法として先日こんな記事が話題になっていました。

子宮摘出の立会人に「おっさんレンタル」。衝撃の結末に…(2017年3月1日BuzzFeed Japan)

Twitterユーザーのめんたい。さんが話題だ。彼女は45歳にして子宮筋腫が見つかり、「全摘出」を選んだ。女性として大きな決断ではあるものの、彼女は子宮を失うことに対して、何も感慨がなかった。ただひとつだけ、課題があったのだ。それは立会人が必要であること。両親はいない。兄弟とは疎遠。友人にも頼りづらい……そこで選んだのが「おっさんレンタル」だった。【BuzzFeed Japan / 嘉島唯】

生理痛もなく、周期も順調だったが、膀胱炎で病院に足を運んだところ、子宮筋腫が見つかった。卵大の筋腫は3つもあった。
急いで摘出する必要もない。しかし、めんたい。さんは全摘出を選んだ。
「恋人もいないし結婚の予定もない、この年令から妊娠出産育児とか無理。そしてそれを実現できる奇特な男性は存在しないと思うので全摘でいいです。あと生理なくなって便利。しかも卵巣残るなら更年期ないんでしょ? だったらお願いします」
担当医は、彼女の言葉をカルテに記した。しかし、問題が一つだけあった。友人でも問題ないが立会人が必要だというのだ。

身寄りのない彼女は、「おっさんレンタル」というサービスを使うことを選んだ。
「おっさんレンタル」とは、その名の通り「中年男性」をレンタル予約できるサービスだ。立会人が必要でもあるが、単純に興味もあった。サービスの創業者、西本貴信さんの著書『「おっさんレンタル」日記』を読み、ここに頼もうと決めた。
手術の30分前におっさんは現れた。予備知識もなく

婦人科の手術立ち会い。なかなかハードな内容だったが、メールで問い合わせをしたところ、レンタルできるおっさんが見つかった。
予約は一ヶ月前。手術の30分前にベッドサイドで会話をし、術中および全身麻酔から醒めるまで5時間の待機。これがめんたい。さんの依頼だった。
現れたのは、青白い顔をした47歳のおっさんだった。手にはキティちゃんのぬいぐるみを持っていた。友人の設定で軽く挨拶をし、手術の説明をその場で初めてした。ある単語を聞いた瞬間、顔色が変わる。
「子宮全摘出」
自分が手術をうけるわけでもないのに、おっさんは明らかに落ち込んでいた。「子宮とっちゃうんですか?」、「結婚はしないんですか?」彼は真剣に聞いてきた。めんたい。さんは後悔した。「事前に手術の話をしておけばよかった」。
めんたい。さんは、彼の真摯な姿勢に心を打たれた。「婦人科手術」というハードルの高い依頼を受けるプロなおっさんだ。一体どんな人なのだろう? 手術の直前に話を聞いてみた。
(略)
めんたい。さんは、おっさんに追加料金を払いたいと申し出たが、「ボランティアですから」と言って帰って行った。退院後、彼女はおっさんにメールにて追加料金を支払う旨を送った。おっさんレンタルという一見、奇妙なサービスについてこうツイートした。
「本当に身寄りがなかったり頼める人がいなかった私には感謝してもしきれない。そして今後わたしのような人間は増えるだろう、おっさんレンタルがあってよかったしこれからも繁盛してほしい」
(略)
「ひとりでは生きていけないという当たり前のことを痛感しました。商店街のお店の息子さんが荷物運んでくれたり、階段を昇れない時は、近所ご夫婦が手を引いてくれたり。ふとしたことに涙しました。私は立派な人間ではないけれど、悩んでいるひとになにかできる人になろうって決めました。おっさんもそうだったかもしれません」
「時間って本当に心の傷に効く薬なんですよ、そして今では思いもつかないけれど先々びっくりするような幸せがあったりします。おばちゃん、これ自分の体験から保証します」

めんたい。さんにとってもかなり予想外だったおっさんの正体については記事の続きを読んでいただきたいものとして、ボランティア的活動ですと確かにこういうこともあり得るのだろうなあと感じてしまうような話でもあったでしょうかね。
いずれにしてもひとまず無事に手術が終わったと言うのは良かったのでしょうし、ここでおっさんレンタルと言うサービスの存在に気がついたと言うことも運が良かったと言えるかも知れませんが、ここで注目したいのは独身で実質的に身寄りのない方々にとって、社会のあちこちで当たり前のように求められる保証人や立会人と言ったものへのハードルの高さです。
数年前から各地の自治体で同性婚のパートナーを結婚に相当すると認め証明書を出す動きが広まっていたり、保証人代行サービスなどが存在するのもこうした社会のあり方から孤独な人々にとっては何事も面倒が非常に多いと言う現実を示していますが、特に以前からたびたび問題になっているのが医療現場におけるそれです。

そもそも入院などにあたって何故保証人が必要になるのかと言う声は根強くあって、もちろん救急車で運ばれてきた重症患者に保証人がいないからと入院拒否するようなことはないにせよ、究極的な個人の問題とも言える医療において場合によっては赤の他人かも知れないのに保証人などを求めるのはおかしいのではと言う意見も理解出来るものですよね。
もちろん病院側にとっては入院費用の取りっぱぐれと言う心配もあるにはあるのでしょうが、今の時代では特に患者本人と意思疎通が出来ない場合の代理人と言う意味合いが非常に大きく、誰かに話を聞いてもらい同意書を書いてもらわないことには何も始まらないと言う局面は多々あるわけです。
また仮にお亡くなりになった場合誰に引き取ってもらうかと言った問題もあり、その点からも高齢者の多い回復期・慢性期を担当する病院であるとか、介護施設などで未だに保証人を求められる場合が多いと言うのはそれなりに理解出来るとも言えるのですが、実際におひとり様が今後ますます増えて行く世の中にあって次第に現実的ではなくなってきているのも確かでしょうね。
入院費用や亡くなった場合の始末などはあらかじめ保証金なりの形でお金を納めておいて、何かあればそれでお願いしますと言ったやり方も考えられるのでしょうが、いずれにせよ病院それぞれで方針や対処法も違うことですので、困った時には病院側の担当者にまず相談していくことが必要だと思います。

|

« 今日のぐり:「スパゲッティハウス チャオ JR名古屋駅新幹線口店」 | トップページ | 風邪に抗生剤投与は御法度に »

心と体」カテゴリの記事

コメント

そもそもいまどき保証人ってどうなんだって気が。
いっそ国が規制してもいいんじゃないかと思うんですけど。

投稿: ぽん太 | 2017年3月 6日 (月) 08時48分

本人がいくら希望しても、本人以外の誰かが同意しないと手術などの侵襲の強い医療行為が行えない状況は即刻改善すべきだと思います。

投稿: クマ | 2017年3月 6日 (月) 13時12分

その辺りは特に認知症患者などの場合、なかなか話が難しいケースもあるように思います。

投稿: 管理人nobu | 2017年3月 6日 (月) 15時45分

クマ様

僕は認知症のない成人例に対しては,本人の同意のみで手術を施行していますね.
単身者が少なくないという土地柄のせいか,院内で問題になったことはないですね.
もちろん「できれば家族は来られないか?」とは聞いていますがね.

投稿: 耳鼻科医 | 2017年3月 6日 (月) 17時33分

耳鼻科医様へ

そうしていただけると大変助かります。
何かあったときのために家族がいるのが望ましい、のはその通りだと思います。

投稿: クマ | 2017年3月 7日 (火) 11時02分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/519753/64975930

この記事へのトラックバック一覧です: 手術の立ち会い人を求められたが誰も頼める人がいない場合:

« 今日のぐり:「スパゲッティハウス チャオ JR名古屋駅新幹線口店」 | トップページ | 風邪に抗生剤投与は御法度に »