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2017年3月23日 (木)

飲酒運転の車にぶつけられた結果

先日久しぶりに心が僻地ネタが出ていましたので、紹介してみましょう。

島で唯一の医者が脅迫され避難 沖縄・北大東島 常勤医が不在に(2017年3月18日沖縄タイムス)

 沖縄県北大東村(人口約600人)の県立北大東診療所の常勤医師が2月上旬から1カ月以上、不在となっていることが17日までに分かった。常勤の女性医師が村内で男に脅迫される事件が起き、村外へ避難したのが理由。診療所は現在、本島の県立病院からの代診派遣でやりくりしているが、県病院事業局の伊江朝次局長は「やる気のある医師がこんな形で島を離れざるを得なかったことを、もっと重く受け止めてほしい」と村に要望する。村は役場や駐在所と連携した医師の安全確保策などに取り組むとし、常勤配置を求めている。

 那覇署によると事件は2月7日夜に発生。男が酒気帯び状態で運転する車が対向車線に進入し、医師の乗る車と正面衝突した。男は「通報したらどうなるか分かるよな」などと医師を脅し、後に脅迫の疑いで逮捕された。「示談にしたかった」と供述したが、医師は事件翌日に村外へ避難し、その後に離任が決定した。
 現在は県立南部医療センター・こども医療センターや中部病院の医師らが数日ずつ代診を務めている。航空機の手配や医師確保が間に合わない日があり、患者の経過を継続して診られないなどの影響も出ている。

 病院事業局は事件後、村が村民に対し、常勤医師不在の理由について十分な情報を提供せず、危機感が薄いことなどを指摘。後任を4月から配置する方向で調整中だが「赴任後の安全が担保できなければ、延期もあり得る」とする。
 宮城光正村長は「事件は診療時間外の発生。県警が捜査していることもあり、村としても対応が難しい面があった」と説明する。
 事業局には「島の医療を守る連絡会議(仮称)」を立ち上げて医師住宅への防犯カメラ設置を含めた安全確保策を講じ、村議会で飲酒運転撲滅決議を提案することなどを提示。村長は「関係機関との調整が必要な部分もある。常勤医師がいてこそ住民の安心が得られるので、県や地域と連携しながら再発防止に取り組みたい」と語った。

医師が脅迫受け離島 常勤不在に、村が安全策(2017年3月19日琉球新報)

 北大東村(宮城光正村長)の県立南部医療センター・子ども医療センター付属北大東診療所では2月上旬から常勤医師が不在となっている。常勤だった女性医師が交通事故にあい、相手方の男性から脅迫される事件が発生し、その後島外へ避難したためだ。現在は県立南部医療センター・子ども医療センターと県立中部病院の医師が代診で島へ派遣されているが、日程確保ができないなどの理由で継続的に患者を診られないなどの影響も出ている。

 那覇署によると事件は2月7日に発生。男性が運転する車が反対車線に飛び出し、医師と同乗者が乗る車に正面衝突した。医師と同乗者は軽傷だったが、男性から「通報したらどうなるか分かるよな」などと脅された。事故当時、男性から基準値の2倍のアルコールが検知された。
 事件後、医師は身の危険を感じたとして村外へ避難。男性は1日に脅迫の疑いで逮捕された。医師は来年度も続投する予定だったが、離任が決定した。
 事態を重くみた県病院事業局は村に安全対策を要求。4月から後任を配置する方向で調整している。

 県病院事業局によると、北大東村は「島の医療を守る連絡会議(仮称)」を設置し、医師住宅に防犯カメラを設置するなどの安全確保や村議会で「飲酒運転撲滅宣言」決議を提案するなどの対策をとるとしている。
 病院事業局は「医師の安全を守る体制ができ、安全を担保できる状況でないと医師配置の延期などになる可能性もある」としている。

聞くところによれば若い女医さんで夫婦揃って離島診療に従事していた方なのだそうで、夫の方も近隣の南大東島で働いていたと言いますから北大東村と言わず僻地離島にとって大変な財産であるはずですが、どこからどう見ても全面的に飲酒運転の上でぶつかってきた相手の方が悪いだろうと言うものですし、脅迫するなど言語道断ですよね。
夜にこうした事故に遭遇し翌日には島を離れたと言うくらいですから余程身の危険を感じられたのでしょうが、こうした不心得者自体はどこの世界でも一定確率で存在するもので仕方がないとも言えますが、問題は記事にもあるように村長が何ら積極的な関与をしようとしていないように見えると言うことで、制度上のことはどうあれ地元のトップがこうした態度ですととても不安が解消されるようにも見えません。
医師派遣元の病院事業局では4月からの医師派遣延期も示唆しているそうですが、地元の最高責任者が対応は難しいと言っている以上また同じような事件が起こっても何ら不思議ではないわけですから、そもそも誰が行くにしても喜んで赴任すると言う状況にはならないようにも思いますね。

ちなみにここから先は全くの余談ですけれども、自動車保険の保険料率は都道府県によって違いますが、沖縄県は「沖縄料率」と言う言葉があるくらい全国でも突出して保険料率が安いことが知られていて、何故こうまで安く出来るのかと言えば、任意保険に入っている車が半分ほどしかないため保険会社にとって支払いが少なくてすむからだそうです。
しかし沖縄県は鉄道がないこともあり車の数は決して少なくなく、事故率などは全国中位程度であるのに任意保険にも入らないで大丈夫なのか?と思えるのですが、沖縄独自の習慣として狭い島内で血縁地縁の強い地域が多いせいか、交通事故が起こった場合にも大抵は当事者同士の話し合いで解決してしまうのだそうですね。
今回の事故にしても当事者はそうした感覚で「話し合い」で解決しようとしたとも言っているようですが、今回のニュースを見てその昔僻地医療の専門家の先生が何よりもまず地域内の血縁関係を理解しないと仕事にならないと言っていたことを改めて思い出しました。

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コメント

後任になるかもしれない医師が、今回の加害者やその身内が島にいるなら行かないと言い出してもおかしくない状況ではありますが・・・そんなことを言い出したら島から人がいなくなるレベルかもしれないのがこういう離島の怖いところでもあります。

投稿: クマ | 2017年3月23日 (木) 07時58分

こんな離島じゃ示談がイヤでも拒否できないんでしょうねえ。
まるで横溝正史の小説みたいなだなと。

投稿: ぽん太 | 2017年3月23日 (木) 08時30分

企業城下町ならぬ企業島という島の成り立ちを考えれば日常風景なのかも。
階級社会でよそものは従う以外なし。

投稿: おる | 2017年3月23日 (木) 12時14分

たまたまこの日のこの人が稀有な例外だったのかどうか、民度を測る上で気になるところではありますね。

投稿: 管理人nobu | 2017年3月23日 (木) 13時30分

もう20年以上前の話ですが、某離島で、島の顔役wが、免許不携帯&酒気帯びを顔パスしたのを目の当たりにしました。
田舎で割と大きな精神科の院長やってる知り合いが酒気帯び当て逃げ(器物損壊)して留置所に2泊して新聞に名前が載りましたが、2年たった今でも警察からも検察からも音沙汰なく、罰金も払ってなければ免許もそのまま、だそうです。(運転は自粛しているようですが)

つーこって多分普通w

投稿: 10年前にドロッポしました。 | 2017年3月24日 (金) 10時56分

そういう扱いができる村なら、通報されたって問題なかろうになぜ脅迫したかねw

つまり、「医者だから」脅迫されたわけじゃないと思うんだが?

投稿: | 2017年3月24日 (金) 14時52分

たぶん若いねーちゃんだから脅迫されたんだろうね

投稿: | 2017年3月24日 (金) 21時37分

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