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2017年3月

2017年3月29日 (水)

地域枠の義務違反に対し厳しい目線

先日こんなニュースが出ていたことを御覧になったでしょうか?

都市圏で暮らしたい…「地域枠」医師、3%離脱(2017年03月26日読売新聞)

 地域で働く医師を育成する大学医学部の「地域枠」を昨春卒業した1060人のうち、3%強に当たる35人が地域医療から離れていたことが文部科学省の初調査でわかった。

 「地方では専門性を高められない」「都市圏で暮らしたい」などが理由。地方の医師不足が深刻になる中、全国の71大学が地域枠を導入しており、厚生労働省の検討会が改善に向けた議論を進めている。

 地域枠は、卒業後の一定期間、大学の地元などで医療に従事することを条件に一般枠とは別に募集、選抜するのが一般的。「一定期間の地元勤務」などを条件に奨学金を返済免除とするケースも多い。一般枠で入学後、同様の奨学金を出す自治体もあり、文科省はこれらを含めて「地域枠」と総称している。今回の調査で判明した離脱者35人のうち30人は条件付き奨学金を受け取り、卒業時に返済するなどしていた。

こうしたニュースをどのように受け止めるべきかは人それぞれなのだろうと思いますが、個人的に感じたこととしては地域枠学生のわずか3%しか離脱しなかったのかと言う驚きで、今どきの学生はやはり相当に真面目なのだろうなと思いますね。
興味深い点としては離脱者35人のうち5人は奨学金を返済していなかったように読めると言う点ですが、通常こうした場合返済義務が生じるはずですから今後働きながら返済していくことになるのか、場合によっては勤務先が立て替えて払ってくれるというありがたい話もあるように聞きますね。
いずれにしても契約でこうした場合にはこうなると言うことを明記し双方納得して契約しているのであれば、それに従って対処していくと言うことでしかないと思うのですが、世間的にはこの種の行為に対してあまり良い感情がないと言うことなのでしょうか、先日はこんな記事も出ていました。

「地域枠」義務違反の病院に罰則を検討、臨床研修部会(2017年3月24日医療維新)

 厚生労働省の医道審議会医師分科会医師臨床研修部会(部会長:桐野高明・東京大学名誉教授)が3月23日に開催された。地域枠で医学部に入学した研修医が指定地域外の病院で初期臨床研修を行う問題に対応するため、医師臨床研修マッチングに当たって、研修医に地域枠であることを申告することを義務づけたり、病院に対して罰則を設けたりするなどの対策を議論した。
 近年、地域枠で入学しながらも、大都市部の病院で初期臨床研修を行ったり、その際に病院側が、義務を果たさない場合に生じる奨学金返済を肩代わりするなどの事例があるという。改正案は、参加者(研修医)向けの規約に以下の2つの条項を追加するというもの。マッチングは医師臨床研修マッチング協議会が実施しており、厚労省がとりまとめた改正案を同協議会と協議する。

規約に追加される条項案
・参加者は、地域医療等に従事する明確な意志を持った学生の選抜枠、いわゆる「地域枠」の入学者であって、臨床研修期間中に指定された地域や病院での従事要件が課せられている場合は、選考過程において参加病院にその旨を伝えること。
・地域枠を設けている都道府県は、参加者のうち、地域枠入学者であって、臨床研修期間中に指定された地域や病院での従事要件が課せられている者の情報(氏名、大学及び従事要件)を、厚生労働省を経由して参加病院に通知する。参加病院は、得た情報を選考過程での参考情報としてのみ用い、また、該当する都道府県に紹介する場合がある。

 規約の改正については大筋で合意された。
 併せて、厚労省は、臨床研修病院が義務履行要件に反する研修医を採用している場合、病院に対し研修医1人当たり60万円程度になるとされる臨床研修補助金を減額するなどの罰則を設ける方針。また、翌年以降の募集定員を削減することも検討している。ほとんどの委員が罰則を設けることに賛成を示したが、社会福祉法人聖隷福祉事業団総合病院聖隷浜松病院顧問の清水貴子氏は「ペナルティを科したいのは重々分かるが、これまでやっていなかったので、まずは周知のみとすべきでは」と指摘。罰則に関する議論は次回に持ち越された。補助金は省令施行通知で実施されており、罰則の適用は早くても2018年度からとなる。
(略)

実際にやるやらないは別にして、地域枠の義務違反を犯した学生当人ではなくそれを雇う側の病院にペナルティを科そうと言うのはなかなかよく考えた手段で、確かに罰金はともかく研修医の募集定員削減などは地道に効きそうなペナルティだなと感じるのですが、その背景には当然ながら返済奨学金の肩代わりなど病院側のバックアップが違反を増長させていると言う気持ちもあるのでしょう。
もう一つ、例えばこれが医師・医学生ではなく他の業種であればどのように報じられていたのかで、例えば一昔前まで当たり前に行われていた看護学生のいわゆる御礼奉公を進歩的なメディアがどれだけバッシングしていたかを思い出していただければ、まさか彼らが医師だけは当然の権利を認められないなどと言い出すはずもありませんよね。
要するに違反とは言っていますがこうしたペナルティが表沙汰になるほど制度そのものやペナルティを科す側にとっても必ずしもありがたくない話であるとも言えるわけで、それが故に少しでも立てる波風を小さなものにしようと言う工夫の表れなのだろうと思うのですが、しかし97%が普通に制度を遵守しているのだから何も大騒ぎするほどのことでも…と思ってしまうのは不肖管理人だけでしょうか。

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2017年3月27日 (月)

免疫療法ガイドラインが専門家に与えた葛藤

かねて何かと(余り好意的ではない意味で)話題になることも少なくなかった免疫治療につき、先頃その一種とされる免疫チェックポイント阻害薬が保険収載されたことが知られていますが、それと関連して昨年末に免疫療法全般に関してのガイドラインが登場し話題になっています。

あらゆる癌免疫療法に言及した日本初のガイドライン発行 その免疫療法、本当に推奨できますか?(2017年3月21日日経メディカル)

 2016年12月に日本臨床腫瘍学会は、日本がん免疫学会、日本臨床免疫学会の協力を得て、「がん免疫療法ガイドライン」を新たに発行した。ポイントは、有効性が示されて保険収載された免疫チェックポイント阻害薬だけでなく、自由診療で行われているものやまだ有効性が証明されていないものなど、現時点で知られているあらゆる免疫療法に言及したことだ。

 近年、癌の薬物治療に関わる医師の間で必ず話題に上がるのが、免疫チェックポイント阻害薬だ。もともと免疫系には、免疫応答を活性化させる仕組みがある一方で免疫応答を抑制する仕組みが存在し、それを免疫チェックポイントと呼んでいる。癌はこの免疫チェックポイントを悪用することで、T細胞などからの攻撃を回避して増殖していることが明らかになってきた。そこで開発が進められたのが免疫チェックポイント分子を標的とする免疫チェックポイント阻害薬で、ニボルマブ(商品名オプジーボ)やペムブロリズマブ(キイトルーダ)、CTLA-4を阻害するイピリムマブ(ヤーボイ)が先陣を切って使用可能になった。しかも悪性黒色腫を皮切りに、肺癌や腎癌、ホジキンリンパ腫など横断的に様々な癌で有効性を示し、薬事承認を経て保険診療で使われるようになってきた。今後も頭頸部癌、胃癌など、様々な癌に適応を拡大すると見込まれている。

日本臨床腫瘍学会ガイドライン委員長を務める室圭氏は「免疫チェックポイント阻害薬の登場でペプチドワクチンなどを再評価しようという研究も始まっている。今回、全ての免疫療法を定義できたことは今後のためにいい機会だった」と語る(写真撮影:森田直希)
 「標準治療と同等もしくはそれを凌駕する効果が臨床試験でしっかりと証明された。標準治療に組み込まれる初めての免疫療法だ」──。愛知県がんセンター中央病院薬物療法部部長で、日本臨床腫瘍学会ガイドライン委員長を務める室圭氏は免疫チェックポイント阻害薬をこう評する。

 免疫チェックポイント阻害薬そのものは抗体医薬だが、免疫系に作用する薬剤であることから免疫療法の一種とも言える。一方、従来から言われている免疫療法は、患者由来のリンパ球を体外で刺激して輸注したり、患者の癌細胞由来ペプチドを投与して免疫系を刺激するもの。世界中の研究者が研究に取り組んできたものの、これまで既存治療を上回ったり、既存治療への追加効果を示した免疫療法は存在しない
 にもかかわらず、一部に自由診療で患者に実施されている免疫療法が存在する。「癌の薬物治療に関わる医師にとって、効果が証明されていない免疫療法は標準治療になり得ず、はなから念頭になかった。効果が証明されていないのに一般診療で提供している一部の動きに『うさん臭いもの』『相手にする必要がない』と切り捨ててきた」(室氏)。
(略)
 これに対し、がん免疫療法ガイドライン作成ワーキンググループ長を務めることになった和歌山県立医科大学第三内科(呼吸器科・腫瘍内科)教授の山本伸之氏は、世の中に存在する全ての癌免疫療法に言及するガイドラインにするという方針を宣言した。
 「こちらは承認されているから良い、あちらは怪しいものだから相手にしない、というのはいわば先入観。ガイドラインだからこそ恣意性を排除する必要がある。存在する全ての免疫療法を対象にして、それぞれに有効性を証明する知見(エビデンス)があるかどうかを科学的に調査した上で推奨できる免疫療法を示すべきだと考えた」と山本氏は言う。
(略)
 山本氏は、「当たり前だが、我々は根拠のある治療を患者に対して示す必要がある。だから、全ての免疫療法と名の付く治療をリストアップし、現時点でどんな根拠があるか、推奨される免疫療法はどれか、ということを明示したガイドラインは、癌治療に関わる医師、ひいては医師の説明を受けて受ける治療を考える患者さんの役に立つはずだと考えた」と語る。

 文献検索については、定義に基づいたキーワードを設定し、2000年1月1日以降に発表されているもので、フェーズ2もしくはフェーズ3試験で、ヒトを対象とした論文を抽出した。そしてフェーズ1試験や単群フェーズ2試験などの非ランダム化試験、本体試験の付随研究などを除外して残った文献を吟味して推奨治療を決めている。
 その結果、ガイドラインに掲載されている18の癌腫を見てみると、何らかの免疫療法が推奨された癌は、造血器腫瘍、肺癌、頭頸部癌、腎細胞癌、尿路上皮癌、悪性黒色腫の6つだ(表2)。
 日本医科大学武蔵小杉病院腫瘍内科教授の勝俣範之氏は、「網羅的に免疫療法を紹介していることはとても重要なことだ」とガイドラインを評価する。「文献を網羅的にしっかりと調べた上で、推奨される知見がある免疫療法を推奨している。逆に、このガイドラインで推奨されていない免疫療法は患者に提供すべきではないと言えるだろう」(勝俣氏)。
 勝俣氏は、「効果が証明できていない免疫療法を一般診療として患者に提供するのは、科学的にも倫理的にも問題だ。有効だと思う治療法ならば、患者に説明し、同意を得た上で臨床試験として実施するべき」と指摘。「このガイドラインの内容こそ患者にも伝わってほしい。患者向けガイドラインも作るべきではないか」と語る。
(略)

非常に多くの免疫療法が網羅的に掲載されていると言う点が特徴として挙げられますが、注目されるのは全ての免疫療法について推奨される、されないと言うことを明示してあると言うことで、勝俣教授らのコメントからもうかがわれるようにやはり本音の部分では後者に相当な力点が置かれているのではないかと言う気もします、
この点で免疫療法に限らず代替医療の類全般に言えることですが、これまで明確なエヴィデンスも存在しないものは専門家としてスルーしてきたことが彼らの布教活動を助長してきた側面も否定出来ませんから、公的な見解として「患者に提供すべきではない」ものを定義したと言うことの意味は小さくはないように思います。
山本教授がこのガイドライン作成作業に関してインタビューを受けていますが、免疫チェックポイント阻害薬が今まで行われてきたいわゆる免疫療法とは違うものではないかと言う考え方もある一方で、そうした違いの明確化と言う意味でもガイドライン作成が必要であったのではないかと言う印象を受けます。

がん免疫療法ガイドライン作成WG長の山本信之氏に聞く 手のひら返しをしてでも免疫療法に注目するワケ(2017年3月21日日経メディカル)

(略)
 我々に「今まで存在してきた免疫療法が悪くて、今回新しく登場した免疫チェックポイント阻害薬という免疫療法はいいものなんだ」という先入観があるのかもしれない。だからこそ、そもそも免疫療法そのものを真摯に見直して、その上で患者さんに提示できるもの、まだ有効性が証明されておらず、患者さんに提示すべき段階ではないものを、整理すべきだと考えたのです。

 当初、「(新たに登場した免疫チェックポイント阻害薬を)保険適応のないような治療と一緒くたにされてはたまらない」という考えがあったことは否定しませんが、作成時にはそういう考えさえも先入観と考え、排除して取り組んできました。
(略)
 なお、効果や安全性を明らかにするためにしっかりと検証された結果があるものの、日本で保険償還の対象となっていない治療が文献検索で明らかになったらどうするかという課題がありましたが、これについては患者さんに大きな負担を掛けることはできないので、原則として保険償還の対象となっていない治療は標準治療として記載しないという方針を定めました。ただ当たり前の結果ですが、効果があることを証明した知見があるのに保険償還の対象になっていない治療はほとんどありませんでした。

──この「がん免疫療法ガイドライン」を、免疫チェックポイント阻害薬だけを対象としたガイドラインとして作成するという選択肢はなかったのでしょうか。

山本 我々、いや、ひょっとしたら私だけかもしれませんが、「免疫療法のことを十分理解しているわけではない」というスタンスから始めました。以前は免疫療法のことをよく知らなくても癌治療はできました。免疫療法は標準治療の選択肢の中になかったので、免疫療法の知識がなくても一番よい治療を提供できたからです。
 今回、免疫療法を整理するにあたり、保険償還の対象になっていないものというだけで排除していいのかと考えました。例えば、水道水を飲んだら治療効果があるという知見が、自分が知らないだけで世の中には存在するかもしれない。調べもせず、先入観だけで排除するのはよくないだろうと。しっかりと定義した上で、その定義に基づいて情報を集めたら、我々が知らなかっただけで、しっかりと検証された知見があるかもしれない。だからまず免疫療法と呼ばれるものを全てしっかりと定義し、ガイドラインに明示したのです。

──質の担保された情報さえあれば、ガイドラインで推奨されるというということですか。

山本 そうです。第三者が見ても妥当だと評価された知見が文献として示されていればガイドラインに掲載するという方針で作成しました。
(略)
 我々、作成ワーキンググループ委員は利益相反(COI)を抱えています。お金の面だけでなく思い入れという面でもです。COIがあるからこそ基準を決めて、その基準に基づいて客観的に作るということに腐心しました。
(略)
──一般的に、今まで特に内科医は「免疫療法なんて(怪しい治療だ)」と考えて、相手にしてこなかった傾向がありませんか。むしろ外科医は、手術をして、でも再発したり切除しきれないことも多く、だからこそ患者検体を持っていることを生かしてペプチドワクチンや体外でリンパ球を刺激して輸注する免疫療法の開発に取り組んできたような気がします。内科医、外科医というのはあくまで印象ですが。今になって内科医が手のひらを返したように「これからは免疫療法だ」と言っている感じも受けるのですが。

山本 その通りです。手のひらを返しました。極端な言い方かもしれませんが、患者さんにとってよい治療であれば治療方法は何でもいいのです。治療方法にこだわりがあるわけではありません。こだわりがあるとしたら、一番よい治療を提供しようというこだわりです。
 もし今までに「免疫療法なんて」と言っていたとしたら、それは今までの免疫療法には有効だという証拠がなかったからです。しかも中にはまだ有効性を客観的に評価できていないのに、臨床試験、臨床研究ではなくて日常診療として提供されているものがあります。有効性が客観的に示されていないのに“治療”を行うことは問題でしょう。もちろん標準治療の選択肢がなくなり、まだ有効性が示されていない開発中の治療法を試すことはあります。その段階で保険償還されていないような治療法を試すという選択肢を患者さんが選ぶことを否定するものではありません。
 でもそれは最低限の安全性を確認した上で、臨床試験として行われるべきものです。試験ではない診療として提供されるのは言語道断でしょう。
(略)

思い入れという面でも利益相反を抱えているとはなかなかに言い得て妙だと思いますが、言葉の端々に様々な葛藤があったことを伺わせる一方で、幸か不幸か古典的な意味でのいわゆる免疫療法に関しては有効であるというエヴィデンスは示されなかったと言うことで、ガイドラインにおいても躊躇なく推奨されざるものとして扱い得たと言うことですね。
この種のガイドラインにこうしたものをどこまで取り上げるべきなのかは当然様々な考え方があるのだろうし、当然今回のガイドラインがこうしたものにまで言及していることに諸手を挙げて賛同する人ばかりではないのでしょうが、いわゆる代替医療や似非医療による健康被害がしばしば報じられる現状を考えると、専門家集団として見解を示してもらいたいと言う声が少なくなかったのも事実でしょう。
今後は癌診療に限らず○○は高血圧に効くだとか、△△は糖尿病にいいと言ったものに対して専門家が見解を求められる機会も増えてくるのではないかと言う気もするのですが、この辺りに話が及んでくると免疫療法など比較にならないほど巨大な商売にも関わってくるだけに、それこそCOI的なしがらみも増えてくるのかも知れませんね。

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2017年3月25日 (土)

今日のぐり:「おばんざい木むら」

先日ちょっと良い話として紹介されていたのがこちらのニュースです。

タクシー強盗未遂の25歳男諭し、チキンステーキおごった66歳運転手…「人に迷惑かけない人生歩んで」(2017年3月21日産経新聞)

 兵庫県姫路市の路上に停車中のタクシー車内で、運転手から金を奪おうとして男(25)が逮捕された強盗未遂事件で、被害にあった男性運転手(66)=同県明石市=が20日、産経新聞の取材に応じ、「怖かったが、きちんと反省して、人の道を外れることなく改心してほしい」と振り返った。

 「金、出さんかい」
 19日未明、タクシー料金約1万5千円を請求した直後、男性運転手は後部座席に乗っていた客の男に突然、髪の毛をわしづかみにされ、顔面に毛抜きを突きつけられて脅された。
 男性運転手によると、男は18日深夜、明石市内のJR西明石駅前でタクシーを呼び止めた。行き先を尋ねても「姫路まで行ってくれ」「近くまで来たら場所をいう」というだけで、具体的な番地などは告げなかった。不審に思いながらも、姫路市内までタクシーを走らせ、目的地付近に着いた途端に金を要求してきたという。

 興奮気味の男に対し、男性運転手は「悪いことしてるのは分かってるよな」などと説教。男は次第に落ち着きを取り戻し、自身の生い立ちなどを語り始めたという。
 男が「金がなく、ご飯も食べていない。寝る場所もない」と打ち明けたため、近くのファミリーレストランで食事を取ることに。男はチキンステーキやドリンクバーなど計4点を注文し、「ここまで人に親切にしてもらったのは初めてです」とうれしそうな表情を浮かべた。同時に、「本当に悪いことをしてしまった」と反省していたという。
 男性運転手は男の食事代計2252円を支払い、「まだ仕事があるから」と店を後にした。通報はしなかったものの、男は19日午後に交番に自首した。警察から連絡を受けたという男性運転手は、「自首したと聞いて安(あん)堵(ど)した。まだ若いし、これからは人に迷惑をかけないような人生を歩んでほしい」と話していた。

しかし毛抜きで強盗と言うのもなかなかに斬新ですが、頼んだのがファミレスのチキンステーキと言うのも何やら人生の風雪を感じさせますね。
今日は冷静な対処で事なきを得た運転手氏の無事を祝って、世界中からそれは少し考え直すべきでは…と感じさせる犯罪者の話題を紹介してみましょう。

“刃物強盗”3万7000円強奪し「5000円はいらない」(2017年3月23日テレ朝ニュース)

 「5000円はいらない」と強盗が奪った金の一部を返してきたということです。

 警察によりますと、22日午後10時ごろ、横浜市西区で帰宅途中だった会社員の男性(47)の前に刃物を持った男が現れ、「分かるだろう、金だよ、金」と脅し、現金3万2000円を奪って逃走しました。男は逃げる前に男性の財布から3万7000円を取り出すと、「5000円札はいらない」と突き返したということです。男は身長170センチから175センチくらい、上下黒の服を着ていて、警察が行方を追っています。

しかし5千円札が余程嫌いだったのでしょうか、なかなか珍しい犯罪だったと言う気がしますね。
こちらも珍しいと言うのでしょうか、世間では狙うものが違うだろうと言う声が多かった事件です。

「パンツをよこせ」帰宅途中の女性襲い下着狙う 強盗未遂容疑で35歳派遣社員逮捕 警視庁(2017年3月22日産経新聞)

 帰宅途中の女性の下着を奪おうとしたとして、警視庁小松川署は22日、強盗未遂容疑で、東京都江戸川区南篠崎町の派遣社員、新井理央容疑者(35)を逮捕した。「駅から好みの女性の後をつけて、押し倒そうとしたが、パンツを奪おうとしたかは覚えていない」と供述している。

 逮捕容疑は昨年9月14日午前0時40分ごろ、東京都江戸川区の公園で、帰宅途中のアルバイトの女性(32)の後ろから襲いかかり、「パンツをよこせ」と叫んで地面に押し倒して下着を奪おうとしたが、女性が抵抗したため、そのまま逃走したとしている。

 小松川署によると、防犯カメラの映像から関与が浮上した。

人の好みは人それぞれなのでしょうが、それでもパンツの方が良かったんですね…
二つ名を持つ犯罪者と言えば普通はそれなりの人物と言う気がしますが、こちらその二つ名はどうなのよ?と思う窃盗犯のニュースです。

スイーツ好きの窃盗 「シュガー」逮捕(2017年3月21日NHK)

都内の事務所に忍び込んで、アイスクリームなどを盗んだとして、石川県の51歳の男が逮捕され、警視庁は事務所ばかりを狙っておよそ40件の盗みを繰り返していたと見て調べています。警視庁は、男が侵入した事務所を物色しては甘いものばかりを食べていたと見ていて、一部の捜査員の間では「シュガー」と呼ばれていたということです。

逮捕されたのは、石川県輪島市の無職、若島康弘容疑者(51)で、警視庁によりますと、去年8月、東京・武蔵野市の税理士事務所に忍び込んで、冷凍庫に入っていたアイスクリームなどを盗んだ疑いが持たれています。調べに対し、容疑を認めているということです。
警視庁は、防犯カメラの映像などから都内や石川県内の事務所の現金などを狙っておよそ40件の盗みを繰り返し、被害はおよそ550万円に上ると見て調べています。

これまでの調べで、このうち、15件の現場で、生チョコやプリンなど合わせておよそ250点のスイーツの食べかすが散乱していたということです。
警視庁はいずれも若島容疑者が、侵入した事務所を物色しては冷蔵庫などの中にある甘いものばかりを食べていたと見ていて、一部の捜査員の間では「シュガー」と呼ばれていたということです。

冷蔵庫のアイスクリームを盗っていく窃盗犯と言うのも非常にはた迷惑で困ったものですが、刑務所の中では甘いものに不自由することになりそうですね。
こちらも二つ名を持つ泥棒のニュースですが、こちらも格好良いのか情けないのか微妙な感じですよね。

銭湯専門の泥棒“風呂場のミッチー”逮捕 警視庁(2017年3月22日産経新聞)

 銭湯を専門に盗みに入っていたとして、警視庁捜査3課は22日、窃盗容疑などで、東京都世田谷区大蔵の無職、道端英樹容疑者(66)を逮捕した。「覚えていないので、時間をかけて思い出す」と容疑を一部否認している。

 捜査3課によると、道端容疑者は捜査員から“風呂場のミッチー”と呼ばれており、荒川区や台東区など、昔ながらの銭湯で番台の引き出しから入浴券を盗む手口で、40件以上(被害総額約80万円)の犯行に関与したとみられている。盗んだ大半は入浴券で、これまで2千枚以上を東京・山谷で知人らに売り、生活費や遊興費にしていたという。

 逮捕容疑は平成27年11月10日午前4時~8時ごろ、東京都荒川区の銭湯に侵入し、入浴券約100枚(計4万2千円相当)を盗んだとしている。

脱衣場で財布でも盗むと言うのならともかくですが、しかし入浴券を盗んでいくと言うのもかなり残念な感じがしますでしょうか。
最後に取り上げますのはフランスからのニュースですが、正直その発想はなかったと多くの人々を驚愕させたと言います。

仏動物園に密猟者、シロサイ殺し角奪う 「前代未聞」の事件に衝撃(2017年3月8日AFP)

【3月8日 AFP】フランスの首都パリ(Paris)郊外のトワリー(Thoiry)動物園で、夜間に侵入した何者かによってシロサイ1頭が射殺され、角を奪われる事件が発生した。警察と同園が7日、明らかにした。
 犯人は6日夜、住み込みの職員5人に気付かれることなく、正門をこじ開け、さらに少なくとも2か所の扉を破り侵入した。

 殺されたのは、国際自然保護連合(IUCN)の絶滅危惧種リスト(レッドリスト)で準絶滅危惧種に指定されているミナミシロサイで、4歳の雄の「バンス(Vince)」。バンスは他にも少なくとも2頭のサイが飼育されている場所で襲われたという。
 警察の報道官がAFPに明かしたところによると、6日にサイの飼育場を後にした職員が、翌7日に戻った際にバンスの死骸を発見。バンスは頭を3度撃たれ、2本の角のうち大きい方の角だけが盗まれていたという。角はチェーンソーで切断されたとみられる。

 捜査当局は、盗まれた角には3万~4万ユーロ(約360万~480万円)相当の価値があると推定している。同園のティエリー・デュゲ(Thierry Duguet)園長はAFPに対し、「こんなことはフランスや欧州の動物園で一度も起きたことはなかった」と指摘。職員らは事件に衝撃を受けていると語った。

サイの角も案外と高価なものなのだなと思うのですが、しかしせめてアフリカまで行けばいいでしょうに、何ともお手軽に済ませた気がしますね。
こうした輩は今後増えてくる可能性もあるのが厄介なところですが、動物園側としても早速対策を講じなければならず頭が痛いところでしょう。

今日のぐり:「おばんざい木むら」

福山駅から少し離れた裏通りの一画にあるこちらのお店、駐車場に立っているウルトラマンが目立っていますが、お店自体はなかなか雰囲気がありますよね。
とは言え入って見るとカウンターにお惣菜が並んでいて、適当に好みのものを取ってもらって食べると言う、まさに昔ながらのスタイルのお店です。

目につくものを色々とつまんで見ましたが、最初に出てきた飛竜頭はたっぷり大きいサイズで、熱々で香ばしく味もよしとなかなか先が楽しみですよね。
野菜料理が色々あって、あっさり味のナス煮浸しや大根の煮物、軽く塩をしているレンコンとふきのとう天ぷらなど、いずれも素材の味が素直に出ています。
一方でオリジナル料理なのでしょうか、レンコンをバルサミコ味で似た一品が甘くてちょいとピリ辛の味で、この日一番楽しめたものでしたね。
肉料理も幾つかいただいたのですが、チキン香草焼きは有名牧場のチーズを挟み込んであるそうで、これも普通にお総菜でも出てきそうなものですがさすがに上品な味です。
全体に非常に微妙な味つけで酒飲みには少し物足りないかなとも思ったのですが、見慣れたものが多いだけに料理する人にとってこそ感銘を受けることが多そうですよね。

座敷席の掘り下げた足下に電気カーペットと言うのも地味に有効ですが、トイレなども設備も広さも充実したもので、強いて言えばバリアフリーでないのが惜しいくらいでしょうか。
ただ座敷席だとオーダーが少しばかり面倒で、こういうお店はカウンターで食べるのがいいのでしょうが、多少なりとも何かしらのサポートする仕組みがあればいいのでしょうけれどもね。
ハードウェアに対して接遇面などはごく普通で特に感銘を受けるようなものではないのですが、まあこういうスタイルであまり格式張っていてもそれはそれで違う気がします。

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2017年3月23日 (木)

飲酒運転の車にぶつけられた結果

先日久しぶりに心が僻地ネタが出ていましたので、紹介してみましょう。

島で唯一の医者が脅迫され避難 沖縄・北大東島 常勤医が不在に(2017年3月18日沖縄タイムス)

 沖縄県北大東村(人口約600人)の県立北大東診療所の常勤医師が2月上旬から1カ月以上、不在となっていることが17日までに分かった。常勤の女性医師が村内で男に脅迫される事件が起き、村外へ避難したのが理由。診療所は現在、本島の県立病院からの代診派遣でやりくりしているが、県病院事業局の伊江朝次局長は「やる気のある医師がこんな形で島を離れざるを得なかったことを、もっと重く受け止めてほしい」と村に要望する。村は役場や駐在所と連携した医師の安全確保策などに取り組むとし、常勤配置を求めている。

 那覇署によると事件は2月7日夜に発生。男が酒気帯び状態で運転する車が対向車線に進入し、医師の乗る車と正面衝突した。男は「通報したらどうなるか分かるよな」などと医師を脅し、後に脅迫の疑いで逮捕された。「示談にしたかった」と供述したが、医師は事件翌日に村外へ避難し、その後に離任が決定した。
 現在は県立南部医療センター・こども医療センターや中部病院の医師らが数日ずつ代診を務めている。航空機の手配や医師確保が間に合わない日があり、患者の経過を継続して診られないなどの影響も出ている。

 病院事業局は事件後、村が村民に対し、常勤医師不在の理由について十分な情報を提供せず、危機感が薄いことなどを指摘。後任を4月から配置する方向で調整中だが「赴任後の安全が担保できなければ、延期もあり得る」とする。
 宮城光正村長は「事件は診療時間外の発生。県警が捜査していることもあり、村としても対応が難しい面があった」と説明する。
 事業局には「島の医療を守る連絡会議(仮称)」を立ち上げて医師住宅への防犯カメラ設置を含めた安全確保策を講じ、村議会で飲酒運転撲滅決議を提案することなどを提示。村長は「関係機関との調整が必要な部分もある。常勤医師がいてこそ住民の安心が得られるので、県や地域と連携しながら再発防止に取り組みたい」と語った。

医師が脅迫受け離島 常勤不在に、村が安全策(2017年3月19日琉球新報)

 北大東村(宮城光正村長)の県立南部医療センター・子ども医療センター付属北大東診療所では2月上旬から常勤医師が不在となっている。常勤だった女性医師が交通事故にあい、相手方の男性から脅迫される事件が発生し、その後島外へ避難したためだ。現在は県立南部医療センター・子ども医療センターと県立中部病院の医師が代診で島へ派遣されているが、日程確保ができないなどの理由で継続的に患者を診られないなどの影響も出ている。

 那覇署によると事件は2月7日に発生。男性が運転する車が反対車線に飛び出し、医師と同乗者が乗る車に正面衝突した。医師と同乗者は軽傷だったが、男性から「通報したらどうなるか分かるよな」などと脅された。事故当時、男性から基準値の2倍のアルコールが検知された。
 事件後、医師は身の危険を感じたとして村外へ避難。男性は1日に脅迫の疑いで逮捕された。医師は来年度も続投する予定だったが、離任が決定した。
 事態を重くみた県病院事業局は村に安全対策を要求。4月から後任を配置する方向で調整している。

 県病院事業局によると、北大東村は「島の医療を守る連絡会議(仮称)」を設置し、医師住宅に防犯カメラを設置するなどの安全確保や村議会で「飲酒運転撲滅宣言」決議を提案するなどの対策をとるとしている。
 病院事業局は「医師の安全を守る体制ができ、安全を担保できる状況でないと医師配置の延期などになる可能性もある」としている。

聞くところによれば若い女医さんで夫婦揃って離島診療に従事していた方なのだそうで、夫の方も近隣の南大東島で働いていたと言いますから北大東村と言わず僻地離島にとって大変な財産であるはずですが、どこからどう見ても全面的に飲酒運転の上でぶつかってきた相手の方が悪いだろうと言うものですし、脅迫するなど言語道断ですよね。
夜にこうした事故に遭遇し翌日には島を離れたと言うくらいですから余程身の危険を感じられたのでしょうが、こうした不心得者自体はどこの世界でも一定確率で存在するもので仕方がないとも言えますが、問題は記事にもあるように村長が何ら積極的な関与をしようとしていないように見えると言うことで、制度上のことはどうあれ地元のトップがこうした態度ですととても不安が解消されるようにも見えません。
医師派遣元の病院事業局では4月からの医師派遣延期も示唆しているそうですが、地元の最高責任者が対応は難しいと言っている以上また同じような事件が起こっても何ら不思議ではないわけですから、そもそも誰が行くにしても喜んで赴任すると言う状況にはならないようにも思いますね。

ちなみにここから先は全くの余談ですけれども、自動車保険の保険料率は都道府県によって違いますが、沖縄県は「沖縄料率」と言う言葉があるくらい全国でも突出して保険料率が安いことが知られていて、何故こうまで安く出来るのかと言えば、任意保険に入っている車が半分ほどしかないため保険会社にとって支払いが少なくてすむからだそうです。
しかし沖縄県は鉄道がないこともあり車の数は決して少なくなく、事故率などは全国中位程度であるのに任意保険にも入らないで大丈夫なのか?と思えるのですが、沖縄独自の習慣として狭い島内で血縁地縁の強い地域が多いせいか、交通事故が起こった場合にも大抵は当事者同士の話し合いで解決してしまうのだそうですね。
今回の事故にしても当事者はそうした感覚で「話し合い」で解決しようとしたとも言っているようですが、今回のニュースを見てその昔僻地医療の専門家の先生が何よりもまず地域内の血縁関係を理解しないと仕事にならないと言っていたことを改めて思い出しました。

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2017年3月21日 (火)

必要のない薬を患者に大量投与した理由とは

医療機関で不正行為が行われると言うことは残念ながらしばしばあることですが、先日それなりに珍しい形での不正が発覚したと報じられていました。

在庫処理で薬を投与…患者6人に、通常の8倍も(2017年3月17日読売新聞)

 精神科治療を行う、広島県福山市の福山友愛病院(361床)が昨年11~12月、統合失調症などの患者6人に本来は必要のないパーキンソン病の治療薬を投与していたことがわかった。

 病院を運営する医療法人「紘友(こうゆう)会」の末丸紘三会長の指示による投薬で、病院側は取材に「使用期限の迫った薬の在庫処理がきっかけの一つ」と説明。患者の一人は投与後、嘔吐(おうと)し、体調不良となっていた。

 病院によると、末丸会長は病院で精神科医としても勤務しており、昨年11月28日~12月6日、主治医に相談せず、パーキンソン病の治療薬「レキップ」の錠剤(2ミリ・グラム)を統合失調症などの患者6人に投与するよう看護師に指示し、複数回、飲ませた。また末丸会長は、通常の8倍の投与量を指示していた。

 レキップは統合失調症を悪化させる恐れがあり、昨年12月の院内の医局会では、一部の医師がレキップ投与を批判。末丸会長は「在庫はどうするんじゃ。病院経営も考えろ」などと言って、聞き入れなかったという。

 当時、病院では使用期限(昨年11月末)の迫ったレキップが70錠残り、うち62錠が6人の患者に投与された。投与後、1人は体調を崩し、残り5人に体調不良は起きなかったという。

 末丸会長は今月、読売新聞の取材に「薬は経験則で使った」と話し、在庫処理については否定。病院は調査委員会を設置、行政側への報告などを検討している。

小売業界全般でこの賞味期限切れ間近な商品への対応をどうするかと言う議論はあり、特にスーパーやコンビニなどから大量の廃棄食品が出ることはしばしば話題になっていて、コンビニ本部との契約内容がその原因になっている、コンビニ各店舗でスーパーのような期限切れ間近な商品の値引き販売が出来ないのは本部からの圧力が理由だと言った報道も出たのは記憶にあるところです。
ただいずれにしてもこうした問題の大前提として、少々期限が切れようが別にすぐ体に悪いと言うわけでもないよね?と言うコンセンサスがあるはずで、実際に賞味期限の類はあまりに余裕を持って設定され過ぎていて、これが廃棄食品増加の一因であると言う声も根強くあります。
医療における不正請求などの問題も様々なものがありますが、例えば受診していない患者を受診したように見せかけ請求すると言った行為でも患者に特に実害があるわけでもないので、今回明らかに患者に実害が出る形での不正行為が行われたと言う点が医療人として批判される大きな理由とはなりそうですね。
記事にもある通り事件は同病院の会長による指示で行われていたのだと言い、風の噂に聞くところでは同院と言いますか同会長は以前からこんな調子であるのだそうで、別に意外性のある話ではないと言う声も聞くのですが、いわば従業員である他の医師からも批判されていたと言うくらいですから、余程に目に余る行為ではあったのでしょう。

この種の期限切れ問題はどこの病院でも起こり得る話で、通常は期限が切れてしまえば仕方ないよねと廃棄するしかない話ではあるのですが、特に稀にしか使わないが使用時には緊急性があり、そしてそれなりに高価であると言った薬の期限切れが迫ってくると、院内でも何とか使い切れないものかと工夫することはあるでしょうし、この辺りは飲食店などでその日使いたい食材からメニューを考えると言った話と似た感じなのでしょうか。
病院などによって使う薬の差はあるはずですから、病院間でうまく在庫のやり繰りが出来れば廃棄率は下がるのでしょうが、残念なことに現状でこうした行為は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」で禁止されていて、大規模震災時などに例外的に許可が出る程度であると言うことです。
ただ院外薬局では自前で在庫のない薬を他の薬局から融通してもらうと言うことは認められているので、この辺り卸会社なり薬局なりが仲立ちをしてうまくやり繰り出来るような抜け道が出来ないものかですが、そもそも法律を改正して正当な行為として認めていただければそんな面倒もないのでしょうけれどもね。

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2017年3月19日 (日)

今日のぐり:「はま寿司 倉敷水江店」

先日こんなニュースが話題になっていました。

『ドラゴンボールZ』好きの少年が蜂に襲われて400回刺されるものの超ベジータになりきって生還(2017年3月4日ギズモードジャパン)

もしヤムチャになろうとしていたら、一発でアウトだったかも。
アリゾナに住む11歳のアンドリュー少年が家の外に置かれた古い車をエアガンで撃って遊んでいたところ、車内に作られていた蜂の巣に流れ弾が命中し、中にいた大量の蜂が激怒。少年を400回以上刺すという大惨事が起こりました。
しかし、少年は強かった! GeekTyrantによると、刺されている最中、彼は『ドラゴンボールZ』の超ベジータ のように、スーパーサイヤ人になろうと必死に気を高めたそうです。おそらく、DbzRemasteredHighDefの動画のような感じに。
Carbivore Connorでは、事故後のアンドリュー少年がインタビューに応える様子の動画をアップしています。かなり痛々しいので、閲覧にはご注意ください。
全開に気を高めたんだ。僕はアンドリューだけどベジータって呼んでね。400回の蜂の刺してくる攻撃に耐えたよ!

アンドリュー少年はもともと蜂の毒にアレルギーがあったとのことで、命の危険にまで及んだ可能性もあります。ベジータになりきることが、丸まって身を守り、全身をこわばらせることにつながり、それが結果的に良かったのかもしれません。
事故から救出されたあとは奇跡的な回復を遂げていた彼の写真と併せて、ABC15 Arizonaのニュースで救出にあたった消防署長のコメントもどうぞ。
腫れが引いたらまたイイ男に戻るよ。いつも笑顔を忘れずにね。
と語りかけるクラーク・ビンガム署長も実は蜂アレルギー持ちだったのだとか。しかし危険を顧みずに助けに行った署長は今、アンドリュー少年の究極のヒーローとなったそうです。
ヒーローの中でも『スーパーマン』ですかね? クラークだけに。

なにげにヤムチャをディスるのはやめていただきたいものですが、しかし400回も刺されてよく無事でいられたものですよね。
本日はスーパーサイヤ人化してしまったアンドリュー少年に敬意を表して、世界中から男としてそれはつらい…と感じさせるニュースの数々を紹介してみましょう。

「レビュー主の母です」Amazonレビューに母降臨 料理下手をフライパンのせいにした息子のレビューを星5つに訂正させる(2017年3月15日ねとらば)

 Amazon.co.jpでフライパンを購入したてんてんさん。当初レビュー欄でフライパンを「星2つ」としていましたが、そこにまさかのお母さん乱入。5つ星に訂正させたママゾンっぷりが話題となっています。

 てんてんさんが買ったのはフランス製「デ・バイヤー」のなかなか良さげなフライパン。ところがレビューでは、「高さがないため、調理可能面積は少なめ」「多めに作ると材料が飛び出します」「万能フライパンではなく料理と人と保管場所を選ぶフライパンですね」と、かなり辛辣な評価でした。そんなレビュー欄に突如お母さんが降臨。「レビュー主の母です」と切り出すと、「レビュー主はろくに料理もできないくせに焼きそばを作って焦げ付いたため悪い評価にしていました」と暴露し始めました。

 てんてんさんは「システムキッチンに立てかけて収納できない」ことを減点ポイントとしていましたが、お母さんは「システムキッチンなどとかっこつけていますが、安アパートなどでそんなものがあるはずもなく。料理の仕方を簡単に教えたら鼻歌交じりに『なかなかええフライパンやね』とえらそうに言っており、とても気に入ったようでした」と、てんてんさんをフルボッコ。てんてんさんも最終的にはフライパンの性能に納得したようです。

 顔の見えないネット上での書き込みなので、本当にお母さんが乱入したのか、はたまたてんてんさん1人によるネタ投稿だったのかは定かではありませんが、なんともほっこりするレビューでした。

昔ながらのコピペのバリエーションとも言えるのでしょうが思わぬ暴露にびっくりとは言え、最終的にはフライパンの性能に満足しているようで何よりでした。
日本では特にその根絶に苦労している家庭も多いと思うのですが、先日こんなびっくりするようなニュースが出ていました。

繁殖に雄いらず 雌3匹以上で単為生殖促進(2017年3月13日毎日新聞)

 全国に分布するワモンゴキブリは雌だけで3匹以上いると、雄と交尾せずに子孫を残す「単為生殖」が促進されるとする実験結果を、北海道大の研究チームが13日発表した。単為生殖できる他のゴキブリも同様の性質をもっている可能性がある。動物学専門誌に掲載された。
 害虫駆除では雌のフェロモンで雄を引きつけて殺虫し、繁殖を妨げる方法があるが、ワモンゴキブリは雌雄両方の駆除を徹底しないと効果が小さいと考えられる。

 チームはワモンゴキブリを▽雌雄1匹ずつのペア▽雌1匹だけ▽雌だけ2~5匹--など11パターンで、それぞれ14組以上を容器で飼育。複数の卵が入ったカプセルのような「卵鞘(らんしょう)」を形成するまでの期間を2回目まで調べた。
 その結果、雌3匹以上では最初の形成が平均10日程度と1匹だけより3日程度早く、2回目では9日程度早くなった。15匹以上で飼育を始めたケースでは、雌だけで3年以上もコロニー(集団)を維持している。
 匂いや物などを感じ取る触角を切除すると卵鞘形成が遅くなったため、単為生殖促進には触角で他の雌を確認することが必要だと考えられるという。チームの西野浩史・北大助教(神経行動学)は「集団のケースで単為生殖が進むのは、子の生存率が高くなるからではないか」と話す。

あの繁殖力や生存性の強さの理由がわかった気がするのですが、それにしても男としては全く立場のない話でもありますね。
こちら男として極めてつらい状況であり、まさしく同情するしかないだろうという悲しむべきニュースです。

かつら没収は人権侵害、受刑者の訴え認める NZ裁判所(2017年3月17日AFP)

【ウェリントンAFP=時事】殺人や児童性的虐待の罪で終身刑を受け服役中の男が、刑務所でかつらを没収されたのは人権侵害に当たると訴えていた裁判で、ニュージーランドの高等裁判所は16日、男の主張を一部認め、かつらは「表現の自由」との判断を示した。(写真は資料写真)
 フィリップ・ジョン・スミス受刑者(42)は1996年に終身刑を言い渡されたが、2014年1月にオークランドの刑務所から仮釈放された際にブラジルへ逃亡した。このとき、スミス受刑者は「自尊心を高めるため」として2年前に着用を認められたかつらをかぶっていた。
 3週間後、スミス受刑者は身柄を拘束されニュージーランドに送還されたが、かつらは没収され、裁判所出廷時に撮影された頭頂部が薄くなった写真が広くメディアで報じられた。
 「完全に見下され、体面を傷つけられ、屈辱を味わった」。スミス受刑者は裁判でこう主張し、自分は頭頂部の脱毛を非常に気にしており、かつらは社会復帰のために重要だと訴えた。
 エドウィン・ワイリー判事は、矯正局がかつらを没収した際にスミス受刑者の人権を考慮しなかったとの原告側の主張を認め、「表現の自由というスミス氏の基本的人権がないがしろにされたと結論付ける」として、かつら没収の決定を取り消す判断を示した。
 ただ、ワイリー判事はスミス受刑者が求めた5000ニュージーランドドル(約40万円)の損害賠償については却下した。

そのつらさ悲しさは理解できると言うものですが、しかし刑務所内でかつらが認められるのであれば他にも様々なものが認められる余地もありそうですね。
こちら何とも血なまぐさい猟奇的事件なのですが、特に男の方々にとっては精神的ダメージが大きそうなニュースです。

「年の割に大きすぎる」2歳息子のペニスを切断した母親(2017年03月16日テックインサイト)

今年1月、ジンバブエ第二の都市ブラワヨで「息子のペニスが年の割に大きすぎる」という理由で、母親が2歳の息子のペニスを切断していたことが分かった。現地時間3月14日に国営日刊紙『chronicle.co.zw』が報じた。

母親は息子のペニスを切断後、叫びながら近所の人に助けを求めたという。この母親は以前から近隣住民に息子の局部が2歳児にそぐわない大きさだと言っていたそうだ。

息子は地元の「Mpilo Central Hospital」に搬送されたが切断されたペニスは見つからず、2か月にわたり病院で治療と精神的ケアを受けたという。現在、退院後に幼児が入所できる児童養護施設を探している。母親は息子に対してだけでなく他の患者にも暴力的な態度であったため、現在は精神科専門の「インガットシェニ病院」に収容されている。

まあそれは慎重な精神的ケアも必要だろうと言うものですが、しかし2歳にして何とも悲劇的な運命に襲われたものでしたね。
こちらアメリカはテキサス州からの話題ですが、幾ら何でもそれは行きすぎではないかと言う声が強い一方、なかなか複雑な事情もあるようです。

「男性の自慰に罰金」の州法案、中絶規制への批判込め(2017年3月14日CNN)

(CNN) 男性の自慰行為は1回につき100ドルの罰金――。女性の人工妊娠中絶を厳しく規制している米テキサス州で、民主党の女性議員が14日までに、批判を込めてそんな法案を提出した。ただ、法案には共和党議員から反発も出ている。
法案には、男性が精管切除を望む場合や勃起障害治療薬を買い求める場合、24時間の待機を義務付ける内容も盛り込んでいる。
提案したのはテキサス州議会のジェシカ・ファーラー下院議員。たとえ成立の見込みはなくても、男性議員に対し、女性に対する仕打ちを自ら味わってほしいという思いを込めた。

テキサス州では女性が人工妊娠中絶手術を受けることが極めて難しい。法案では性差別的な二重基準を際立たせることにより、女性が自分の健康に関して突き当たる障壁にスポットを当てることを狙った。
「テキサス州が女性に対してやってきたことに目を向けてほしい」「もしも男性が、同じように行き過ぎた手順を踏まなければならないとしたらどうなのか」。ファーラー議員はそう語る。
男性の自慰行為については、命の尊厳を守ることができないという理由、さらには「生まれる前の子どもにとって良くない行為」という理由で罰則の対象とした。

「男性の知る権利法」という名称は、テキサス州で中絶を望む女性に対して医師からの配布を義務付けられているパンフレット「女性の知る権利」への皮肉を込めた。
同パンフレットについては、内容が不正確で宗教的な理念の影響が大きく、中絶を思いとどまらせようとする意図があるとして批判の的になっていた。
ファーラー議員によると、テキサス州は先進国の中で妊婦の死亡率が最も高い。実際に、最近の調査によれば、妊娠関連の合併症で死亡する女性の割合は2010年から14年の間に倍増している。
同議員の法案に対して共和党議員は強く反発。トニー・ティンダーホルト議員は「人間の生物学に関する基本的な理解が欠如している」と批判した。同議員は、中絶手術を行う医師や手術を受ける女性を殺人罪に問う法案を提出している。

テキサス州では妊娠20週を過ぎた女性は、生命が危険にさらされない限り、中絶できない。
中絶手術を行うクリニックも極端に少なく、医師やクリニックに対する規制強化の州法が制定された2014年以降、中絶手術ができるクリニックは44施設から18施設へと急減した。
この州法は後に最高裁判所で無効とされたが、今も中絶手術ができるクリニックがあるのは州内の7市のみ。州西部は「中絶砂漠」状態となっている。

背景には宗教的・文化的価値観に基づく対立があると言うことなのですが、しかしアメリカにおける中絶問題の大きさは日本ではあまり想像出来ないものですよね。
男性にとってどのような気持ちになるものなのかは判りませんが、しかしこうした法律が施行された場合自慰行為と言う言葉の定義を巡ってまた騒動が勃発しそうな気もします。

今日のぐり:「はま寿司 倉敷水江店」

このところ100円系回転寿司の競争は大変なもの聞きますが、倉敷市市街地中心部からやや外れたこちらのお店もいつも満員のようですね。
ただ行列待ち自体は開店直後の時期よりは短くなってきた印象もあるのですが、さすがにオペレーションも手慣れてきたと言うことなのでしょうか。

同行者とシェアしながら適当に頼んで見たのですが、まずはいきなり一貫盛りかつ100円でもないと言うブリトロですが、ちゃんとブリっぽい味がしました。
炙りサバは少し脂ぎってるなあと言う感じですが味は及第で、しかし100円系チェーンの鮮魚ネタもちゃんとそれらしくなっていると言うのは感心しますね。
カキフライ軍艦はタルタルソースが合わせてあって、まあ飯にはもともと合うのが保障付きと言う組み合わせですが、こういうメニューは回転らしくていいですね。
他方でまぐろ龍田軍艦と言うものも試して見たのですが、これは少しまぐろの血の風味が強いのか単品で食べた方がよさそうに感じました。
豚汁は以前より肉が増えた印象ですが、逆に野菜が減った気もするのは個体差の範疇なのか、しかし味噌がここまで薄くなると個人的にはいいんですが、豚汁っぽさは薄まった気もします。
単品のあさり酒蒸しは何とも味の薄いあさりなのが逆に印象的なくらいで、厚焼き玉子は特徴的なくらいに甘い味と、この辺りは100円っぽくてほっとするところもあります。

全般的には値段分以上には楽しめるかなと好意的に感じたのですが、こちらの場合メニューの幅も広いのはいいんですが、毎回売り切れが多いのは気になりました。
ちなみに地味ながらカード払い可なのはありがたいことですが、しかし薄利多売の極まるこうした業界でカード払いの扱いも大変な部分はあるのでしょうね。

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2017年3月17日 (金)

「舌をしびれさせるのは、多量の化学調味料ですよ」は正しいのかも知れませんが

お食事会系を自称する当「ぐり研」としては以前から漠然と気になりながらも特に深く追及することなく放置していたのですが、先日こんなニュースが出ていたことで改めて真偽が気になったのがこちらの話題です。

化学調味料が「頭痛の原因」になるという都市伝説(2017年3月15日MAG2ニュース)

健康を損なうものとして第一に槍玉にあげられるのが、食品添加物。「味の素が頭痛の原因になる」などという都市伝説めいた話を聞かれたことがある方も多いかと思いますが、信憑性はあるのでしょうか。無料メルマガ『アリエナイ科学メルマ』の著者で科学者のくられさんは、偏頭痛のメカニズムを紹介しつつ、「添加物と頭痛の関係」の真実を記しています。

味の素が頭痛の原因になるという伝説
(略)
ともあれ、味の素が頭痛の原因になるという話は、味の素のグルタミン酸が原因というより、塩分のほうが原因だとも言われています。頭痛自体のメカニズムが複雑なので、どれがどうしてこういう頭痛が起きるということが正確に判明していないところで、これこれの成分は頭痛を引き起こす毒であるということもハッキリ言えないわけです。そういうハッキリしないのが頭痛の話なので、さも中華料理症候群を添加物の害悪の典型例みたいに紹介してる人は、だいたいトンチキなインチキだと思っていいでしょう。

もちろん食品による頭痛というのは日本頭痛学会の発表する資料にもあり、代表的なのはチラミンを含むチーズや、赤ワインや、ザワークラウトなどの発酵食品のヒスタミン、柑橘類の皮に多く含まれるシネフェリンのようなフェネチルアミン系の化合物などなど、血管を一時的に収縮と拡張と影響を与えることで、偏頭痛の引き金となるとされています。その中にグルタミン酸ナトリウムという記述があるのですが、どちらかというと、ナトリウム過剰による血管の収縮(浸透圧の変化)のほうが大きい気がします。またハムやソーセージに含まれる亜硝酸塩は、亜硝酸ですから血管拡張能力が微量でもけっこうあるので、それが引き金で頭痛を起こすこともあるようです。ただハムやソーセージも同様に塩の含有量が多いので、具体的にどちらが犯人かはなんともいえません。

ようするに些細なことで頭痛を起こすような人は、塩分の濃い食事をあまり取らない方がいいでしょう。

そしてなにより食品由来の頭痛は「気にしなくて良い」と毒性はそれ以外は無いと明言されているということです。故に頭痛を起こすような毒だから体に悪いなんていうロジックは存在しないわけです。頭痛が起きる量を自分で知っておき、起こるようならそれを避けるようにしようね…という話です。
(略)
頭痛が続くようであれば、その原因を発見し、治療していくことが大事なので、少しでもおかしいなと思ったら医師の診断を受けて、そのために健康管理をするのが当たり前で、食品添加物ごときを悪者にしたところで解決する問題ではないのです。無意味なスケープゴートで満足して病気の本体を取り逃がすようなことにもなりえません。故にただのフードホラーといっても、立派なニセ化学なわけです。

この化学調味料の過剰摂取が頭痛等の症状につながる説、もともとは1960年代のアメリカ発祥であったようで、ちょうど1950年代からアメリカでもグルタミン酸ナトリウムが大々的に流通するようになったこともあって化学調味料との関連が示唆され、特にその使用量が多いと言うことで「中華料理店症候群(Chinese Restaurant Syndrome:CRS)」などと言う呼称が知られていますよね。
特に日本ではひと頃大いに(そして後に別な意味でも)話題になった某グルメ漫画でこの言葉が登場して注目を集めた経緯もありますが、同漫画の原作者は化学調味料アレルギーを公言していて、外出先でもずいぶんと食べるものに苦労しているのだそうですが、風の噂に寄れば同氏が「無化調」と大絶賛したお店も実は(少ない量なのでしょうが)化学調味料は使っているのだそうですね。
ただ疫学的調査によればCRS経験者のうち中華料理店と関係がありそうだと言う人の比率は1割程度で、メキシコ料理やイタリア料理よりも少なかったと言いますから何とも奇妙な呼称にも思えるのですが、各種調査でも終始グルタミン酸過剰摂取と発症との関連は否定的であり、結局のところグルタミン酸大量投与によってもCRSを発症させることは出来ないのだそうです。
グルタミン酸と言うよりも含有されているナトリウム過剰がCRSの各種症状の原因になると言う説もある一方、単純に化学調味料の味が過剰な料理がまずいせいで気分が悪くなった人もいるのではないかと思うのですが、この点でグルタミン酸系のうまみに普段あまり慣れていなかっただろうアメリカで日本などアジア諸国に先駆けてこうした症状が認められたと言うのは、何かしら味覚との関連もありそうな気がします。

ちなみに最近では化学調味料と言う言葉を使わずうまみ調味料と言う言葉を使うようですが、これに対して蛋白加水分解物と言うものも良く目にする言葉で、一体何が何やら判らないと言う方も多いのではないかと思うのですが、前者は微生物を用いて大量生産したうまみ成分を結晶化して精製したものであるのに対して、後者は蛋白質を分解して作ると言う違いがあります。
当然ながら単一成分である前者に比べて後者の方が多種多様なアミノ酸を含有するだけ複雑な味になると言うことで、単一のうまみが突出して尖った味になると言うことがなく不自然さが薄らぐと言う評価もある一方で、天然だしと比べると独特の後味の悪さを感じる人も少なくないようですから、いずれにしてもこれらだけで出汁の代用とするのは無理があり、出汁の味を補完する程度の使い方がいいのだと思いますね。
料理のたびに出汁を取るのは面倒だと言う人もいるかも知れませんが、市販の出汁パックを材料を入れた鍋に放り込んでおくだけでも簡単にそれなりの味に仕上がりますし、料理によってはお好み焼きなどに使う鰹節粉などを仕上げに加えても簡単ですので、天然出汁の使い方にも色々と工夫をしてみていただければと思いますね。

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2017年3月15日 (水)

厚労省がついに医療行為と刑事責任について研究を開始

先日こんな話が出ていたことをご存知でしょうか。

「医療行為と刑事責任」の関係、厚労省研究開始(2017年3月10日医療維新)

 厚生労働省は3月10日、「医療行為と刑事責任」に関する研究に着手、同日にその「準備会」を開催した。座長は、東京大学法学部・大学院法学政治学研究科教授の樋口範雄氏が務め、医療や司法の専門家ら10人前後で構成、近日中にもう1回開催し、2017年度からの本格的な研究につなげる。医療事故が業務上過失致死罪に当たるのか否か、当たる場合にはどんな医療事故が該当するのかなど、刑法の本質に踏み込んだ研究になる見通し。厚労省医政局医事課によると、異状死体の警察への届出を定めた医師法21条とは別問題として、研究を進める。

 準備会は厚生労働科学研究として開催。2017年度からの本格的研究に備え、過去に医療事故で刑法211条に定める業務上過失致死罪に問われた判例、関連の研究、海外の事例などの収集が目的だ。樋口氏のほか、日本医師会常任理事の今村定臣氏、虎の門病院顧問の山口徹氏、東京大学大学院法学政治学研究科教授の佐伯仁志氏のほか、弁護士、裁判官OB、検事OB、警察OBらがメンバー。10日は、樋口氏が医事法関係、佐伯氏が刑法の専門家の立場から過失論について概説したほか、自由討議などを行った。オブザーバーとしては、厚労省医政局、法務省刑事局、警察庁刑事局が参加。

 2017年度からは、医療行為と刑事責任の関係について、学術的な視点から研究を進める。体制は未定だが、準備会のメンバーを中心に検討する予定。また厚生労働科学研究あるいは厚労省の委託研究など、いかなる形で進めるかは未定。取りまとめの時期や方針なども未定。1年ではなく数年にわたり研究を続けたり、途中の段階で、中間的な取りまとめを行うことも想定し得るという。「医療行為と刑事責任の関係については、これまであまり議論されてこなかった。今後議論に資する資料等を取りまとめになればと考えている」(厚労省医政局医事課)。

 2015年10月からスタートした医療事故調査制度の根拠法である、医療介護総合確保推進法附則では、法の公布(2014年6月25日)から、2年以内に必要な見直しをするとされた。自民党の「医療事故調査制度の見直し等に関するワーキングチーム」で検討した結果、2016年6月の取りまとめで、「医療行為は一定のリスクを伴うものであるにもかかわらず、全ての医療事故が業務上過失致死罪等の捜査対象となり得る状況では、医師が医療を提供するに当たって萎縮しかねない。このような状況を解消するため、医師法第 21 条の見直し、医療行為と刑事責任との関係等について、更に検討を深めていく必要性について、意見の一致をみた」という意見が出たことが書き込まれたことが、今回の研究につながっている。

今からようやく研究に着手すると言うことは今まで何も考えていなかったのかと言われそうな話なのですが、そもそも医師とは唯一合法的に他人に傷を付けることが許される職業であるなどと言われることもあり、一般的な意味での刑事責任をそのまま適用しては医療そのものが成り立たない部分があります。
医療崩壊の危機が盛んに叫ばれた21世紀初めの頃には医療には刑事免責が必要であると言った主張が盛んに為された時期もありましたが、さすがに他の職業と比較してあまりに特権的過ぎると言う批判が避けられなかったこともあるのでしょうか、近ごろではあまり大きな声で主張されることはなくなったように思えるのは何事にも厳罰主義を求める傾向が広まってきたこととも関係しているのでしょうか。
厳罰主義の反動として指摘されているのがいわゆる萎縮医療であったり、JBM(司法判断に基づく医療)であったりするわけですが、ここで注目したいのはこうした状況を解消するための手段として真っ先にいわゆる異状死体の届け出義務を定めた医師法第21条の見直しがあげられていると言う点なのですが、個人的には医師法第19条に定める応召義務などの方が影響が大きい気もします。

ともあれ処罰されるべき医療行為とは何かと言う議論もなかなか難しく、様々な異論反論もあるところですがひとまずその点は置いて、一般に処罰のあり方としては刑事罰、民事賠償、行政処分と言う三つの方法論があり、医療の側からは民事賠償や行政罰は仕方ないとしても、特に刑事責任を問われることに対する忌避感が非常に強いと言えます。
ただこの点に関しては医療の側からの視点と司法の側からの視点で考え方にかなり違いがあり、司法側からは医師に鍵っての刑事責任免除はあり得ないと言う見解が一般的であるようですが、航空機事故調に関わる議論などにおいてもたびたび出てくるように、海外では処罰を前提としては正しい証言は得られず、再発防止のための教訓を得ることが出来ないと言う考え方であるようです。
他方で一般に日本において司法が被害者の復讐として機能している側面が強いと言う指摘もありますが、実質的な刑事免責のために迅速に行政罰を下すべきだとか、強制力を持つ医師の自律的組織を作るべきだとか言った意見もあり、医療業界内部でもコンセンサスが得られていない中で厚労省がどのような結論をまとめてくるのか注目されるところですよね。

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2017年3月13日 (月)

未だ世間に広まっているらしいあの学説

まともな医療関係者からはほぼ相手にされていないにも関わらず、世間的にそれなりに力を得ている一見医療っぽい何かと言うものは相応にあるもので、日本でも数年前に砂糖玉を舐めさせておけば病気が治ると主張して多くの犠牲者を出したホメオパシーの実態などが話題になったことがありました。
こうした類のものの中でも根強い支持者がいるのが元慶応大学放射線科の某先生を中心とした俗に言うガンモドキを主張する方々ですが、先日はこんな記事が出ていました。

がん検診で見つかるガン 放っておいても自然に治る例多数(2017年3月10日NEWSポストセブン)

 がん検診を受けると、「命を奪わないガン」をたくさん見つけてしまうことになるのだという。それが最も多いと考えられているのが、「前立腺がん」だ。「PSA(前立腺特異抗原)」という血液を調べる検診が普及した2000年頃から、新規患者が激増した。
 京都大学医学博士の木川芳春氏は、このような命を奪わない病変を「ニセがん」と呼ぶ。

「新規患者がうなぎ上りに増えているのに、死亡者の数が横ばいなのは、命を奪わない『ガンに似た病変』をたくさん見つける『過剰診断』が多いことを意味しています。日本では検診によって『ニセがん』をたくさん見つけることで、新規患者の水増しが行なわれているのです。私は、前立腺がんの半分以上は『ニセがん』だと考えています」

 前立腺がんでは、検診で見つかる早期がんのほとんどが、いわゆる「ニセがん」なので、それで死ぬことはない。つまり、1~3期の10年生存率が100%と異常に高いのは、早期に見つけて治療した成果ではなく、元々命を奪わない「ニセがん」ばかりを検診で見つけている結果といえる。
 こうした「ニセがん」は、「乳がん」「子宮頸がん」「甲状腺がん」などでも多いと指摘されている。これらのがんも、全症例の10年生存率が80~90%台と軒並み高い。数字がよく見えるのは、「早期発見、早期治療によりガンが治った」というよりも、前立腺がんと同様に、命を奪わないニセがんが多く含まれているからなのだ。

医師で医療統計が専門の新潟大学名誉教授・岡田正彦氏もこう話す。
「がん検診で見つかるガンの中には、放っておいてもいいガンや、自然に治るガンが、かなりの割合で含まれています。このようなガンばかりを見つければ、当然、生存率は高くなります。昔に比べて生存率が高くなったように見えるのは、治療が進歩したからとは断言できないのです」
 一方、命を奪う「本物のガン」は進行が非常に速いため、定期的にガン検診を受けても、早期で発見することは難しい。そうしたガンは、周囲に広がっている3期や、転移のある4期の状態で見つかることが多いので、必然的に10年生存率が低くなる。
「食道がん」「肝胆膵がん」「肺がん」「卵巣がん」などで全症例の10年生存率が低いのは、進行が速い悪性度の高いガンが多いからだ。これらのガンは早期発見することも、完全に治すことも、まだまだ難しい。
 10年生存率からは、このような厳しい現実も読み取られるべきだろう。
●鳥集徹(ジャーナリスト)と本誌取材班

しかし○○大学医学博士とはあまり聞かない表現だなと興味深く拝見したのですが、こうした主張に対する反証としては、かなりの割合で含まれていると言うガンモドキなりニセがんを、本物の癌とどうやって区別するのか?と言う一点を指摘すればすむ話だと思います。
そもそも論として癌とは上皮性の悪性腫瘍であり、自然に消えてなくなるようなものを悪性腫瘍と言っていいのか?と言う疑問もあるかと思いますが、この辺りは組織学的悪性度と臨床的悪性度の違いであるとか様々な議論がある得る部分ですし、実体験でそうしたケースを多数知っている臨床医ほどガンモドキ理論を一刀両断しにくいと言う事情は理解できます。
ガンモドキ論で言うところのガンモドキなるものを一般的に言うところの良悪性境界病変などに置き換えて読んでみればさほどの違和感は感じない場合もありますが、こうした場合どういった所見があれば悪性を疑うと言った議論を長年のデータの積み上げによって検証が続いている場合がほとんどであり、逆に言えばそうした地道な作業なくして話が進まないと言うことですよね。
本物か偽物か区別出来ないものを根拠もなく偽物と考えて放置しろでは単なるトンデモ理論となってしまいますから、ひとまず何をもってガンモドキだと判断するのかと言う明確な基準を提示いただかないことには話が進まないと思うのですが、残念ながらこの種の主張をされる先生方の多くはこの最も重要な点には全く興味がないように見えて仕方がありません。

ところで興味深いことにこの種の主張に与される方々には多くの場合、医療界は患者が減れば損をするからどんどん患者を増やそうとしているのだと言った主張が見られるのですが、癌診療に携わっている臨床医の多くは基幹的医療機関に勤務しているものと思われ、日々激務に追われ過労死の心配をしこそすれ患者をどんどん増やそうなどあり得ないと言う素朴な反発もありそうですよね。
またガンモドキ論一派とされている方々の中にも、これこれの場合急激に悪化することは稀で、自然に軽快する場合もあるから少し経過を見ましょうと言った妥当な患者説明をしていらっしゃる方もいるのかも知れませんし、場合によってはマスコミバイアス等によって発言を切り貼りされ誤解を受けていると言う不幸なケースもあるのかも知れません。
ただそうした場合であるほど言えることですが、ともかくも世間的にかくも「誤解」され患者に不利益を与えている現実に対しては認識を新たにしていただきたいものですし、患者がガンモドキ論を信じて悪化してしまった場合、他人に尻ぬぐいだけ押しつけたりせずにちゃんと最後まで面倒をみろと考えている臨床医はそれなりに多いのではないかと思います。

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2017年3月12日 (日)

今日のぐり:「駅釜きしめん」

不肖管理人も料理番組は好きな方ですが、先日とある料理番組にクレームが入ったと話題になっています。

『MOCO'Sキッチン』に苦情、BPOが公開 「オリーブオイル使いすぎ」(2017年3月10日J-CASTニュース)

(略)
 BPOは2017年3月8日、17年2月に視聴者から寄せられた意見の概要を公式サイト上で公表した。その中では、BPOに先月届いた全1713件の視聴者意見のうち20件を抜粋して紹介している。そこで取り上げられたのが、

  「朝の情報番組に、人気俳優の出ている料理コーナーがある。そこで使われているオリーブオイルの量は、料理一品に対して多すぎるのではないか」

という苦情だ。この意見では、さらに「オリーブオイルは体に良いものであっても、使い過ぎるとどうなのか」との疑問を呈しており、

  「そもそも、(オリーブオイルが)安価で簡単に手に入るものなのか疑問だ。視聴者の健康や家計などに配慮するべきではないか」

とも訴えている。具体的な番組名は公表されていないが、内容からして『MOCO'Sキッチン』を指したものと見て間違いないとみられる。
 2011年4月にスタートした『MOCO'Sキッチン』は、料理を担当する速水さんがオリーブオイルを「これでもか!」と多用する姿がSNSで大人気に。番組では、完成した料理にも仕上げにオリーブオイルをかけるのが「定番」となっていて、これを称して「追いオリーブ」なる造語まで誕生した。
 こうした人気にあやかり、13年2月には速水さんがプロデュースするオリーブオイルが発売された。これは1本450グラム入りで税込5250円と高額だったが、すでに限定発売された15000本が完売している。
 なかでもファンの間で「神回」と呼ばれているのが、一瓶のオリーブオイルを丸々使い切った16年3月8日の放送だ。このときのメニューはオイルを多用する「アヒージョ」だったものの、速水さんは「たっぷり使っちゃいましょう」と笑みを浮かべて一言。その直後、瓶を高々と掲げて豪快にオイルを鍋へ投入していた。
(略)
 ただ、こうした『MOCO'Sキッチン』のスタイルはファンに愛されていることもあり、今回BPOが取り上げた苦情に対しては、

  「オリーブオイルが主役だから」
   「もこみちがオリーブオイルたっぷりかけるところが見たいんだよ」
   「オリーブオイルで揚げた事すらあっただろ?いまさらかよ」

といった声がツイッターやネット掲示板に出ている。
(略)

いや平野レミの料理に突っ込みを入れることは許されてもそこは突っ込んじゃいけない聖域なのではとも思うのですが、幸いにも?BPOも総合的に判断する方針ではあるようですね。
本日は世のオリーブオイルフリークを狂喜させてやまない速水氏に敬意を表して、世界中からそれは突っ込んでいいものなのかどうか迷う類のニュースを紹介してみましょう。

75歳男が87歳女性をナンパ? 下半身露出し公然わいせつで逮捕(2017年1月31日産経新聞)

 帰宅途中の女性に下半身を露出したとして、埼玉県警狭山署は31日、公然わいせつの疑いで、同県滑川町月輪の自営業、原口勇容疑者(75)を逮捕した。原口容疑者は「女性と話をして、むらっとしてやってしまった」と容疑を認めている。

 逮捕容疑は昨年9月7日午前11時5分ごろ、同県狭山市内の路上で、歩いて帰宅していた女性(87)の前で下半身を露出したとしている。

 同署によると、2人に面識はなく、原口容疑者が女性に一方的に話しかけていたとみている。男は犯行後すぐに立ち去り、女性は近隣住民を介して同署に通報した。

何にムラッとしようがそれは個人の自由であるでしょうし、相変わらずお盛んなのですねと言うしかないのですけれどもね…
こちら決してわいせつ目的云々と言うことではないのだそうですが、ともかくも尋常ならざるニュースではありそうです。

女性客乗せ尻出したままタクシー運転の疑い、60歳運転手を書類送検(2016年2月13日産経新聞)

 タクシーの車内でズボンを膝まで下ろして尻を出したまま乗客を乗せて運転したとして、京都府警は13日、軽犯罪法違反(身体露出)容疑で、大津市に住むタクシー運転手の男(60)を書類送検した。「運転中にズボンが窮屈だった」と供述し、容疑を認めているという。

 書類送検容疑は、昨年5月12日午前8時ごろ、京都市内を走行中のタクシー車内で、乗客の30代女性を後部座席に乗せた状態で尻と太ももを露出したとしている。

 府警生活安全対策課によると、女性がタクシーに乗り込んだときにはすでにズボンと下着を膝まで下ろしていたとみられ、約20分間にわたってそのまま運転していた。ズボンを下ろしていたものの、後部座席の女性客からは太ももと尻しか見えなかったため、同法違反容疑を適用した。

 調べに対し、「2年前からやっていたが、これまで苦情もなかった」と供述したという。

いやまあ、自分がお客でもこれにはさすがに苦情言う度胸はなかったかも知れないですし、まして女性客が一人でとなりますとさすがに、ねえ…
ものごとの真相が解明されるのは基本的に望ましいことなのだと思いますが、こちらいささかその方向性はどうよ?と話題になっていたニュースです。

「時速60kmで走る車から手を出すとおっぱいの感触と同じ」説は本当か?(2017年1月31日日刊スパ)

 昔から男子の間で有名な「時速60kmで走る車から手を出すとおっぱいの感触と同じ」という噂。この俗説を15年以上前に検証し、おっぱい再現の研究を続けているのが、“ムダサイエンティスト”の異名を誇る平林純氏だ。
「胸のカップ数は、アンダーとトップの差で決まります。つまり“何カップのおっぱいが半径何センチか”はおおよそ決まっており、その体積や重さもおのずと計算で導き出すことができるわけです」
一方、走る車から手を出したときの風圧は、“ナビエ・ストークス方程式”という、気体や液体の流れの様子を表す方程式で求めることができるとか。平林氏は、指の隙間を流れる空気流のモデルまで作成して、これを計算した。
「結果、時速60kmの車から出した手にかかる力は約430g重。これはたしかにアンダー75cmの女性のDカップのおっぱいに相当する重さ。同様に、時速100kmならFカップ相当になります」

平林氏が情熱を傾けた試算により、「車の速度」と「手が感じるカップ数の重み」との相関が一目でわかるグラフが作成されている。しかし、これには重大な欠陥があったという。
「手にかかる風圧は一定なので、あくまでおっぱいを持ち上げたときの重さしか体感できません。残念ながら、揉んだときの弾力などは再現されないのです」
 だが、そこで諦める平林氏ではなかった。

 そこで平林氏が注目したのが、物質に力を加えたときにどれくらい変形しやすいか(弾性係数)を示す“ヤング率”という値だ。
「検証を重ねた結果、市販のゼラチンを使い、規定の分量より水を2割ほど減らして作ったゼリーが、もっともおっぱいのヤング率に近づくことができました。密度も胸の脂肪分とほぼ同じなので、重さも再現できています」
 さまざまな容器を使って“おっぱいプリン”も試作した。
「お茶碗で作ると、アンダーとトップの差が約7cmで、ほぼAカップ相当になる。ラーメン丼で作ったGカッププリンは、自重で形を保てずつぶれてしまい、爆乳女性の悩みを実感できました(笑)」

 おっぱい研究の動機を「自分にないものだから好奇心と想像力を刺激されるんです」と語る平林氏。おっぱいが男のロマンである理由を、的確に説明した一言だろう。

いや昔から男子の間で有名かどうかもまずひと言ありたいところなのですが、ここまでされるとさすがにこれは立ち入ってはならない領域かと感じさせる説得力がありますね。
人間誰しも健康で長生きしたいものでしょうが、こちらその人間としての限界をはるかに突破していると言う方の話題です。

256歳まで長生き! その秘訣は?(2017年2月23日エポックタイムス)

 さて、世界で一番長生きした人物はだれでしょうか?・・・正解は李清雲さんです。なんと、256歳まで長生きしたのです! これは神話でもなく、作り話でもありません。
 成都大学教授・胡忠謙さんが発見した、1930年発刊のニューヨーク・タイムズ紙に「1827年、清朝政府は李清雲さんの150歳の誕生日をお祝いし、さらに1877年には、200歳の誕生日をお祝いした」との記事がありました。
 また、報道の2年前(1928年)に、李清雲さんの近所の人たちが「少年時代、祖父から李清雲さんの話を聞いて育ちましたので、よく知っていますよ。祖父が子どもの時から、すでに李さんは大人だったそうです」と話していた記録もあるといいます。

 李清雲さんは10歳から漢方を学び、甘粛省、陝西省、チベット、安南、西安、満州などの山林の中へ薬草を採取して、寿命を延ばし長生きする為の薬草を研究しました。約40年間、霊芝、クコ、オタネニンジン、ツルドクダミ、ツボクサ、米酒だけの食べ物で生き延びました。
  1749年、李清雲さんは71歳のとき、武術老師の地位で軍隊に入隊。隊内でも人気がありましたが、私生活では結婚を23回、子供を200人以上もうけました。
 李清雲さんは、一度だけ仙人のような人物に会ったことがあるとのこと。この人物は李清雲さんに気功を教えると共に、飲食についてアドバイスもしました。この人物との出会いにより、世間一般の認識を超越した境地まで長生きする事ができました。

 李清雲さんは、よく人から「長寿の秘訣はなんですか?」という質問を受け、「いつも心を穏やかに維持する事。そして、座るときは亀のように、歩くときは気力あふれる鳩のように、寝るときは犬のように」と答えました。
  李清雲さんの驚きの長寿の秘訣は、心身を穏やかに保ち、呼吸の技巧を使うことです。長い人生の中で、長寿と同じくらい魅力的なこと、それは『一生変わる事のない、穏やかな境地』かもしれません。
 現在、欧米諸国の平均寿命は80歳代前半ですが、やはり100歳を超える人は少ないようです。はたして、私たちは李清雲さんのように200歳まで、長生き出来るのでしょうか?

ここで突っ込んだら負けなのだと自制心を最大限発揮したいところですが、いずれにせよ相当な長寿の方であることだけは間違いないと言うことでしょうね。
最後に取り上げますのはこちらブリからのニュースですが、まずは記事を紹介してみましょう。

永遠に続く愛?指絡ませた二人の男 工事現場から骨が見つかる(2017年03月08日ハザードラボ)

 英国南東部で現在建設中の鉄道クロスレールのトンネル工事現場から、15世紀に黒死病で亡くなった男性二人の墓が見つかった。二人は指を絡ませるように手をつないで埋葬されており、考古学者は「家族なのか、それとも恋人同士なのか?」と頭を悩ませている。

 ロンドンでは現在、中心部を通って東西に延びる総延長118キロの鉄道路線の建設工事が進められている。
 2009年の着手以来、古くは8000年以上前の先史時代の石器をはじめ、ローマ時代の蹄鉄など、さまざまな歴史的遺物が発見されている。出土品は先月10日にオープンしたばかりの博物館で目玉企画として展示されているが、今回見つかった二人の男性の骨には、考古学者たちも困惑を隠せないでいる。
 14~17世紀の中世ヨーロッパで猛威を振るった黒死病の犠牲者5万人分の墓のうち、15世紀初頭に亡くなったとみられる男性二人が指を絡ませるように手をつないだ状態で埋葬されていたのだ。
 骨の人物の年齢を調べると、一人は36~45歳、もう一人は少なくとも46歳だと推測され、骨のDNA検査でペスト菌が検出されたという。いずれの人物も虫歯が多く、脊椎に関節炎の痕跡があったことから、生前は重い荷物を運ぶ仕事をしていたと推測される。

 考古学チームによると、中世の社会では、家族が同時期に死亡した場合、同じ墓に埋葬されること自体は一般的だったが、夫婦や親子でもない限り、手をつないだ状態で見つかることは稀だとして、二人の関係についてさまざまな憶測が働いているという。
 ロンドン考古学博物館の研究者ドン・ウォーカー氏は、「埋葬された土の中で死体が腐敗する間に、体に巻かれていた布が破れたりして、手が動いた可能性も考えられなますが…、あまりロマンティックな理由じゃありませんね」と笑う。
 ロンドンの鉄道は、ハリー・ポッターが学ぶ魔法学校へつながっているが、ミステリアスな中世の世界にも私たちを運んでくれるようだ。

昨今日本でもようやく認識が広まりつつあるそうした方々のお仲間であったものなのかどうか、世間でも様々な想像が働くニュースであったようです。
手をつないで葬られると言うのはほぼ同時に亡くなったと言うことなのでしょうが、桃園の誓いよろしく深い事情でもあったのかも知れずで、これはこのままそっとしておくべきなのでしょう。

今日のぐり:「駅釜きしめん」

名古屋飯第二弾と言うことで、こちら名古屋駅新幹線口にほど近いきしめんのお店にお邪魔してみました。
名古屋と言えばきしめんで麺自体は今や全国どこにでも売られていますが、汁やトッピングはどうなのかと言う点は気になりますよね。

とりあえず全部乗せっぽい患児の駅釜きしめんを頼んで見たのですが、こちらのスープは醤油、塩、味噌とあって、ひとまず今回は名古屋っぽそうな味噌を選んでみました。
聞くところではデフォルトの味はやはり醤油なのだそうですが、名古屋と言えば味噌味と言うのもまあイメージ的にはありますよね。
きしめんは柔らかめの茹で加減でコシも強くないので讃岐系のうどんなどとはかなり違う食感ですが、このピラピラ食感は刀削麺やワンタンに通じる気がします。
気になる汁の味なのですが、勝手に味噌ラーメンっぽいものを想像していたのですが辛口渋めの味噌をあっさり和風出汁に合わせたもので、まあそれはそうだよねと感じるものでした。
味噌や醤油などは地域毎にかなり味が違っているもので、味噌カツソースもそうですが、こういう系統の味噌が名古屋風なのか?と感じるところです。
トッピングの方は天ぷらやワカメなど種類としてはおおむねうどんと同様ですが、何故か厚焼き卵が入るのは地域の伝統なりきしめんの特徴なりがあるのでしょうかね?

駅構内のお店だけにまずは早く確実にと言うことが最低限必要ですが、その中でも接遇面でわりと気がつく感じなところは好印象を受けました。
特に今回味噌味の汁であっただけにエプロンを出してくれるのは助かるなと思ったのですが、名古屋駅はこういう名物が手軽に食べられるのは旅行者には助かりますよね。

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2017年3月10日 (金)

病院から消えた高齢者が一ヶ月後に遺体で発見

先日報じられたこちらの事件ですが、まずは記事をそのまま紹介してみましょう。

<パーキンソン病患者>病院に配車断られ…男性遺体で発見(2017年3月7日毎日新聞)

 千葉県柏市内の老人ホームに入居していたパーキンソン病患者の男性(72)が昨年12月、市立柏病院で介護タクシーを呼ぶよう頼んだところ断られ、約1カ月後に別の場所で遺体で発見されていたことが病院関係者らへの取材で分かった。男性は要介護3で歩行にはつえが必要だったが、直線距離で約3キロあるホームまで歩いて帰ろうとした可能性があるという。

 病院関係者らによると、男性は昨年12月下旬に同病院で診察を受けた後、介護タクシーを呼んでホームに帰ろうとした。電話をかけるのに必要な現金を持ち合わせていなかったため、病院案内窓口で電話を依頼したが看護師から「対応は難しい」と断られたという。

 男性は「そうですよね」と言って立ち去ったがその後行方が分からなくなり、ホーム側はその日のうちに病院と警察に連絡。1月下旬になって病院から約1.5キロ離れた川の近くで遺体で見つかった。死因は凍死で、行方不明になった日が死亡日とされたという。現場は空き地や草むらが広がる道路からは少し離れた場所だった。

 病院の対応と男性の死亡の因果関係はわからないものの、6日にあった市議会一般質問では病院の対応を疑問視する声が上がった。市保健福祉部の佐藤靖理事は「男性には個々の患者の要望に応えるのは困難と伝え、理解もいただいた」と説明。質問に立った末永康文市議(護憲市民会議)は取材に「1人で帰るのが無理と気づかないのは問題。丁寧に対応すれば命は奪われなかった」と批判した。

 病院は取材に「外来患者は1日500人以上おり、対応には限界がある」と話している。【橋本利昭】

毎日の記事しかないので情報が限られており、電話をかけるお金も持たずどうやって帰るつもりだったのかだ、ホーム入所中で要介護3の高齢患者が何故一人で病院に来ていたのか、案内窓口で何故看護師が対応しているのか、タクシーに乗って帰ってホームでお金を払えばいいではないか等々、様々な疑問があげられています。
患者は生活保護受給者であったと言う推測もあり、この場合タクシー又は介護タクシーは無料で利用出来ることも多いのですが、この辺りはどういう補助になっているのかは地域によっても実情が異なると言い、例えば介護タクシーは補助するが一般のタクシーは不可と言った条件もあったのかも知れないと言う推測も成り立ちます。
ただ介護タクシーの場合はその性質上、送りと迎えの時間を決めて依頼すると言うのが一般的ですから、たまたま今回電話をしなければ迎えに来ないような話を付けていたと言うことなのか、記事からは少し非定型的な状況であったと推察されるところですね。

いずれにしても要介護3のパーキンソン病の高齢男性が一人で病院を受診している状況で、帰りの手段に困っているのであれば電話の一つくらい貸してやるなりすればいいではないかと言う声が非常に多いのですが、記事で見る限り病院側のコメントも今ひとつ要領を得ず、日常的に受診しているだろうこの種の患者に対して病院としてどう対処するのかと言う疑問は感じますよね。
聞くところでは同病院では施設老朽化もあり近く移転新築する予定であったものが、諸事情からゼロベースで見直しが決定されたのだそうで、長年の慢性的な赤字と言う自治体病院共通の課題も抱えていたと言いますから、至れり尽くせりの万全な対応と言うことは難しい状況ではあったのかも知れませんが、ではこうした一人で帰られない患者をどう見つけ出し、誰がどう対応すべきなのかです。
当然ながらこうした患者を介助者もなく一人で送り出すホーム側の対応はどうだったのかと言う批判もあり得るわけですが、こうした事故防止のためにいつでもスタッフが付き添えるかと言えば現実的に不可能であるだけに、この種の患者の病院受診についてはかなり綱渡り的な運営がなされているのだろうと改めて思い知らされた事件だとも言えそうです。

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2017年3月 8日 (水)

風邪に抗生剤投与は御法度に

医療現場で長年議論されていたことが、意外な方面から解決しそうだと言うニュースが出ていました。

「風邪に抗生物質投与は控えて」 厚労省が手引書(2017年3月6日日本経済新聞)

 厚生労働省の有識者委員会は6日、軽い風邪や下痢の患者に対する抗生物質(抗菌薬)の投与を控えるよう呼びかける手引書をまとめた。抗生物質を使いすぎると薬剤耐性菌が増え、治療に有効な抗生物質が将来なくなる事態が懸念されているため。早ければ今月中にも、日本医師会などを通じて全国の医療機関に配る。

 手引書では、一般的な風邪の原因となるウイルスには抗生物質が効かないことから、「投与を行わないことを推奨する」とした。医師が患者に説明する際に「抗生物質は効かない」と告げた上で、症状が悪化する場合は再受診するよう指示しておくことが重要だとしている。

 一方、ふだんより排便回数が1日3回以上増える急性下痢症は、ウイルス性、細菌性にかかわらず自然と良くなることが多い。そのため安易に抗生物質を使わないよう呼びかけている。

 厚労省によると、薬剤耐性菌への対策を取らなければ、2050年には同菌によって世界で年1千万人が亡くなるとの推計もある。

風邪と呼ばれる疾患も単一の感染症を示すものではなく、当然ながら抗生物質の効く細菌性のものも含まれているはずですが、症状などからこれはまず確実にウイルス性だろうと推察される場合も多いのは事実であり、その場合抗生物質を投与しても効果がないことは明白に見えます。
ただ医師の間にも未だにこうしたケースでも抗生物質が有効であると主張する方はいて、ウイルス性の風邪で痛んだ呼吸器に最近が二次感染する恐れが云々だとか様々な理屈は考えられているようですが、どのみちそうした場合風邪症状が長引き重症化しているわけなのですから、記事にもあるように初診時の処方で軽快しなければ再診をと指導するのが筋でしょうね。
むしろアレルギーや薬剤耐性菌のリスクを考えるとほとんどの場合、抗生剤の使用による不利益の方がずっと大きいと考えるべきですし、実際に米国小児科学会も風邪に抗生剤は(無益ではなく)有害である(”Unnecessary Antibiotics CAN Be Harmful”)と明言しているわけです。

ただまあ、そうした当たり前の理屈は全て理解した上で、現場の臨床医を悩ませているのは結局のところ「抗生剤を下さい」と言う患者にどう対応するのかと言う一点で、こうした理屈を片っ端から説いたとしても理解が得られる場合ばかりではないですよね。
むしろ忙しい外来の時間をその種の手間がかかる患者の対応によって無駄に浪費されてしまうくらいなら、さっさと抗生剤を処方してやった方がよほどにいいと言う声も決して少なくことが、医学と言うより医療におけるこの問題の所在を示しているように思います。
今回の厚労省の手引き書はそうした患者への対処の一助となるのかどうかですが、医学的に妥当でもなければ推奨もされない治療を患者希望で敢えて行うと言う場合は保険診療の範疇ではなく、全額自費の自由診療で対応させていただくと言うのが本来の筋道ではあるのかも知れません。

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2017年3月 6日 (月)

手術の立ち会い人を求められたが誰も頼める人がいない場合

ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、2012年にスタートし2015年頃から何かと取り上げられる機会の増えたネットサービスとして「おっさんレンタル」なるものがあって、1時間1000円で中年男性をレンタルできると言うなかなか興味深いサービスなのですが、これが意外に人気があるのだそうです。
料金を考えてもほとんど儲けは出ないだろうと思いますし、実際に仕事と言うよりは限りなくボランティア的性質のものだと言うことですが、そのおっさんレンタルのかなり意外性のある利用法として先日こんな記事が話題になっていました。

子宮摘出の立会人に「おっさんレンタル」。衝撃の結末に…(2017年3月1日BuzzFeed Japan)

Twitterユーザーのめんたい。さんが話題だ。彼女は45歳にして子宮筋腫が見つかり、「全摘出」を選んだ。女性として大きな決断ではあるものの、彼女は子宮を失うことに対して、何も感慨がなかった。ただひとつだけ、課題があったのだ。それは立会人が必要であること。両親はいない。兄弟とは疎遠。友人にも頼りづらい……そこで選んだのが「おっさんレンタル」だった。【BuzzFeed Japan / 嘉島唯】

生理痛もなく、周期も順調だったが、膀胱炎で病院に足を運んだところ、子宮筋腫が見つかった。卵大の筋腫は3つもあった。
急いで摘出する必要もない。しかし、めんたい。さんは全摘出を選んだ。
「恋人もいないし結婚の予定もない、この年令から妊娠出産育児とか無理。そしてそれを実現できる奇特な男性は存在しないと思うので全摘でいいです。あと生理なくなって便利。しかも卵巣残るなら更年期ないんでしょ? だったらお願いします」
担当医は、彼女の言葉をカルテに記した。しかし、問題が一つだけあった。友人でも問題ないが立会人が必要だというのだ。

身寄りのない彼女は、「おっさんレンタル」というサービスを使うことを選んだ。
「おっさんレンタル」とは、その名の通り「中年男性」をレンタル予約できるサービスだ。立会人が必要でもあるが、単純に興味もあった。サービスの創業者、西本貴信さんの著書『「おっさんレンタル」日記』を読み、ここに頼もうと決めた。
手術の30分前におっさんは現れた。予備知識もなく

婦人科の手術立ち会い。なかなかハードな内容だったが、メールで問い合わせをしたところ、レンタルできるおっさんが見つかった。
予約は一ヶ月前。手術の30分前にベッドサイドで会話をし、術中および全身麻酔から醒めるまで5時間の待機。これがめんたい。さんの依頼だった。
現れたのは、青白い顔をした47歳のおっさんだった。手にはキティちゃんのぬいぐるみを持っていた。友人の設定で軽く挨拶をし、手術の説明をその場で初めてした。ある単語を聞いた瞬間、顔色が変わる。
「子宮全摘出」
自分が手術をうけるわけでもないのに、おっさんは明らかに落ち込んでいた。「子宮とっちゃうんですか?」、「結婚はしないんですか?」彼は真剣に聞いてきた。めんたい。さんは後悔した。「事前に手術の話をしておけばよかった」。
めんたい。さんは、彼の真摯な姿勢に心を打たれた。「婦人科手術」というハードルの高い依頼を受けるプロなおっさんだ。一体どんな人なのだろう? 手術の直前に話を聞いてみた。
(略)
めんたい。さんは、おっさんに追加料金を払いたいと申し出たが、「ボランティアですから」と言って帰って行った。退院後、彼女はおっさんにメールにて追加料金を支払う旨を送った。おっさんレンタルという一見、奇妙なサービスについてこうツイートした。
「本当に身寄りがなかったり頼める人がいなかった私には感謝してもしきれない。そして今後わたしのような人間は増えるだろう、おっさんレンタルがあってよかったしこれからも繁盛してほしい」
(略)
「ひとりでは生きていけないという当たり前のことを痛感しました。商店街のお店の息子さんが荷物運んでくれたり、階段を昇れない時は、近所ご夫婦が手を引いてくれたり。ふとしたことに涙しました。私は立派な人間ではないけれど、悩んでいるひとになにかできる人になろうって決めました。おっさんもそうだったかもしれません」
「時間って本当に心の傷に効く薬なんですよ、そして今では思いもつかないけれど先々びっくりするような幸せがあったりします。おばちゃん、これ自分の体験から保証します」

めんたい。さんにとってもかなり予想外だったおっさんの正体については記事の続きを読んでいただきたいものとして、ボランティア的活動ですと確かにこういうこともあり得るのだろうなあと感じてしまうような話でもあったでしょうかね。
いずれにしてもひとまず無事に手術が終わったと言うのは良かったのでしょうし、ここでおっさんレンタルと言うサービスの存在に気がついたと言うことも運が良かったと言えるかも知れませんが、ここで注目したいのは独身で実質的に身寄りのない方々にとって、社会のあちこちで当たり前のように求められる保証人や立会人と言ったものへのハードルの高さです。
数年前から各地の自治体で同性婚のパートナーを結婚に相当すると認め証明書を出す動きが広まっていたり、保証人代行サービスなどが存在するのもこうした社会のあり方から孤独な人々にとっては何事も面倒が非常に多いと言う現実を示していますが、特に以前からたびたび問題になっているのが医療現場におけるそれです。

そもそも入院などにあたって何故保証人が必要になるのかと言う声は根強くあって、もちろん救急車で運ばれてきた重症患者に保証人がいないからと入院拒否するようなことはないにせよ、究極的な個人の問題とも言える医療において場合によっては赤の他人かも知れないのに保証人などを求めるのはおかしいのではと言う意見も理解出来るものですよね。
もちろん病院側にとっては入院費用の取りっぱぐれと言う心配もあるにはあるのでしょうが、今の時代では特に患者本人と意思疎通が出来ない場合の代理人と言う意味合いが非常に大きく、誰かに話を聞いてもらい同意書を書いてもらわないことには何も始まらないと言う局面は多々あるわけです。
また仮にお亡くなりになった場合誰に引き取ってもらうかと言った問題もあり、その点からも高齢者の多い回復期・慢性期を担当する病院であるとか、介護施設などで未だに保証人を求められる場合が多いと言うのはそれなりに理解出来るとも言えるのですが、実際におひとり様が今後ますます増えて行く世の中にあって次第に現実的ではなくなってきているのも確かでしょうね。
入院費用や亡くなった場合の始末などはあらかじめ保証金なりの形でお金を納めておいて、何かあればそれでお願いしますと言ったやり方も考えられるのでしょうが、いずれにせよ病院それぞれで方針や対処法も違うことですので、困った時には病院側の担当者にまず相談していくことが必要だと思います。

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2017年3月 5日 (日)

今日のぐり:「スパゲッティハウス チャオ JR名古屋駅新幹線口店」

何事も道を究めるとは大変なものですが、その結果こんな悲劇が待ち受けていたと話題になっていたのがこちらのニュースです。

韓国のクレーンゲーマー、“達人”すぎて警察に通報される(2017年2月28日レコードチャイナ)

2017年2月23日、韓国・聯合ニュースは、韓国の地方都市のゲームセンターに現れた驚くべき技を持つクレーンゲーマーについて報じた。

大田(テジョン)市内でゲームセンターを営むAさんが出勤し驚いたのは、今月6日の朝のこと。5台のクレーンゲーム機の中に入っていたぬいぐるみ210個、210万ウォン(約20万8000円)相当が丸ごとなくなっていたのだ。扉を開け確認してみると、機械の中に入っていた現金は信じられないほど少なかったという。Aさんは前日夜の監視カメラの映像から、男性2人が2時間ほどでぬいぐるみ210個を取っているのを確認、「おかしい」と警察に通報した。
このクレーンゲーム機は1万ウォン(約990円)を入れると12回挑戦できるが、1〜2回成功できるか1回も取れないのが普通。しかし男性らははるかに高い確率でぬいぐるみを取ることに成功していた。
この驚くべき技を見せた20代の男性2人は、警察の調べに対し「操作レバーを特定の方法で操作し、高確率でぬいぐるみを獲得した」と答えたという。
この一件をどう扱うか、警察は頭を悩ませている。男性らが他の客と同様に金を払いゲームをしている以上、不法行為と見なすのは難しく、刑事立件に値する行為との判断が難しいのだ。警察関係者は「刑事立件をしたとしても窃盗、詐欺、営業妨害のどれなのか明確でなく、追加調査が必要」と話している。

韓国の一般市民の間には、男性らを擁護する意見が多いようだ。ゲームセンターで息子とよくクレーンゲームをやるという大田市の会社員(42)は、「機械を壊して物を盗んだわけでもなく、誰かをだましたわけでもない。例えば大食漢の団体がビュッフェに来て、たくさん食べたからレストランが損害を被ったとしても違法ではないのと同じことでは」という意見。ネット上でも「ゲームが得意なことが違法なの!?」「これも実力でしょ」「なぜ通報されなければならないのか?」「上手なことが罪になるなんて…」との声が圧倒的だ。
また、同市の男性(53)が「彼らは金を払ってゲームを最大限楽しんだだけで、彼らなりのノウハウがあってのこと。むしろぬいぐるみを獲得する確率を低くし利益を上げている業者の方がもっと問題」と話すように、業者への批判の声も多い。ネットでは「そもそもぬいぐるみを取ってくれ、というゲームではないの?」「取れる確率を下げている業者の方が問題だ!」「払った金に比べ取れたものが少ない場合は業者が立件されないとね」「1万ウォン払って1、2個取れるのが普通だなんて。これこそ詐欺」などの声もあった。

どのようなノウハウがあったのかも気になるところですが、しかしゲームのルールに則ってのことであれば非難される余地はないように思うのですけれどもね。
本日はゲームがうますぎたばかりに逮捕されてしまった彼らに哀悼の意を表して、世界中から予想外の不幸な結末を伝えるニュースをお伝えしましょう。

大量のエロ本に囲まれて孤独死…死後1か月以上経過した部屋のすさまじさ(2017年2月28日日刊スパ)

 亡くなっても誰からも発見されず、無残に虫の餌食になる痛ましい孤独死者。その数は、この10年で3倍にも増加しているという。男性の一人暮らしで孤独死したケースを見てみよう。

 部屋の壁面に溢れんばかりのアダルトビデオに、腰の位置ほども積み重なったエロ雑誌の切り抜き――。かつては大手自動車メーカーに勤めていたという神奈川県の50代の男性は、このエロ雑誌の切り抜きに埋もれ、腐乱した状態で息絶えていた。死因は心筋梗塞。死後1か月以上が経過していた。
「孤独死とひと言で言っても、亡くなられた方のお部屋にはいろんなパターンはあるんです。男性の一人暮らしの方は、このように自分の世界観に浸っている場合が多いんです。2DKのマンションだったのですが、アダルト雑誌だけでも6t分もあったんですよ」
 そう淡々と語るのは、特殊清掃・遺品整理業のマインドカンパニーの鷹田了氏。孤独死する人は、何らかの趣味や性癖に傾倒しているオタク系が多いそうで、大量のアイドルグッズが溢れた部屋に驚くことも。
「故人の恥部にならないよう、部屋の大人のおもちゃなどは、遺族に存在が知れないように処分するように心がけています」(鷹田氏)

 不幸中の幸いか、この部屋では、エロ雑誌の切り抜きが遺体から出た体液の吸収材の役割を果たし、階下への被害がまったく無かったという。普通は死後1か月となると、階下まで体液が染みわたり、修繕費用は膨大になるのだそうだ。
「なかには下で寝ていた住民の顔に体液がポタリと垂れたことで孤独死が発覚したケースもありました」(鷹田氏)
 悪夢のような話だが、これが現実である。

色々な意味でまさしく悪夢のような話と言うしかないのですが、しかし一人暮らしにはこういうリスクもあるので侮れませんよね。
日本でも時折報じられる事件ですが、こちらアメリカで先日こんなことがあったそうです。

米NYで食肉処理場から牛が逃走、大捕り物の末死んで火葬場へ(2017年2月22日ロイター)

[ニューヨーク 21日 ロイター] - 米ニューヨークの食肉処理場から21日、牛が逃げ出し、警察による2時間を超える大捕り物の末、民家の裏庭に追い込まれて死ぬ騒ぎがあった。

テレビニュースの空撮映像には、クイーンズ地区で何度か捕獲に失敗する様子が映っている。警官がパトカーで追い詰めようとして失敗する一方、牛は見物の人垣から人垣へと駆け回った。けが人はいなかったという。
この映像は一時ツイッターのトップトレンドとなり、テレビのリポーターが「NY市警対牛、牛が優勢を維持」などと投稿した。

警察の広報担当者によると、牛は食肉処理場から約2.4キロの地点で民家の裏庭に追い込まれ、警察が落ち着かせてから捕獲したが、その後で牛は死んだと報告された。
死因は特定されなかったが、ストレスが一因となった可能性があるという。牛はロングアイランドの火葬場に搬送された。
ニューヨーク・ポスト紙は、警察は少なくとも5発の鎮静剤の矢を撃ったと伝えた。

薬をつかったりで食用に適した状態でもなかったのでしょうが、この牛の生涯とは何だったのかと考える人も多かったようです。
同じく動物が絡んだニュースですが、こちらもずいぶんと予想外の事件であったようです。

新年の花火で犬がパニック、30頭死ぬ(2017年1月8日テックインサイト)

1月1日、新年を迎えると南アフリカの各地で花火が打ちあがる。華やかに空を彩る花火ではあるが、地上では動物たちが被害をこうむっていたようだ。
1月3日の地元紙によると、南アフリカ・ダーバンでは新年の打ち上げ花火の音に驚いて息を引き取った犬が少なくとも30頭いたと発表された。

ダーバンにある動物保護団体『Phoenix Animal Care and Treatment』によると、12月30日から新年にかけて飼い主だけでなく住民からも動物を救助してほしいという電話が絶え間なくかかって来たそうだ。できる限りの要望に応えるべく出動するが、たいていの犬はすでに死んでおり、運よく救助して獣医のもとに搬送できたのはたったの7頭だけであった。
犬の死因は様々で、花火の大きな音に驚いた犬が家を飛び出してしまいハイウェイなどをパニック状態で走っているところを車にはねられたり、家の外に鎖でつながれていた犬は暴れたため鎖が首に巻きついてしまい窒息死したケースが多かった。
ダーバン郊外のクルーフ・アンド・ハイウェイ動物保護協会でも、花火の音にパニックになり逃げ出した動物に関する問い合わせや通報が多々あったという。年末年始は緊急電話が鳴り続け、15頭の動物が保護されている。

ちなみにダーバンはインド系が多いこともあり、10月末にはヒンドゥー教の新年を祝うディーワーリーがある。「光のフェスティバル」とも言われるディーワーリーでは昨年、花火によって犬が32頭、猫が10匹、アヒルが1羽死んだことが報告されている。

どれだけ死ぬんだよと言う話なんですが、これが中国文化圏であれば犬も慣れていたかも知れませんですけれどもね。
冗談のような本当の話と言うことなのでしょうが、こちら本当にあったびっくり事件だそうです。

ATMから「子ども銀行」の紙幣 インド警察が捜査(2017年02月23日AFP)

【2月23日 AFP】インドのデリー(Delhi)首都圏で、現金自動預払機(ATM)から「インド子ども銀行」発行の模造2000ルピー(約3400円)紙幣が出てくる珍事があり、警察が捜査を開始した。警察当局が22日、AFPに明らかにした。

 問題のATMは国営インドステイト銀行(State Bank of India)のもので、2月6日、利用者から偽札が出てきたとの通報があった。紙幣にはインド中央銀行のロゴの代わりに「インド子ども銀行」と記され、裏面には「インド娯楽銀行」と書かれていたという。こうした模造紙幣はインド各地で売られており、子どもたちに人気となっている。

 模造紙幣は、最近導入された新2000ルピー札に似せて作られていた。同国では昨年11月、ナレンドラ・モディ(Narendra Modi)政権が突如として500・1000ルピー札の廃止と新紙幣の導入を発表し、紙幣不足による混乱につながっていた。

どれほど精巧な模造紙幣なのかと言うことですが、しかし何らかの規制なりはなかったものなのでしょうかね。
最後に取り上げますのはロシアでの事件ですが、まずはその顛末を紹介してみましょう。

ロシアでAMDとNVIDIAのどちらのグラフィックカードが良いかという議論による死傷者が出る(2017年2月23日スラド)

あるAnonymous Coward 曰く、

ロシアで昨年9月、AMDのグラフィックカードとNVIDIAのグラフィックカードで、どちらが優れたクーラーを搭載しているかで議論になった末、ナイフによる殺傷事件に発展する事件が起きたそうだ(PCGamer)。

二人は元同僚という間柄で、当時は酒を飲みながら議論を行っていたとのこと。刺した側はNVIDIA派(31歳)で、AMD派の男(37歳)をキッチン用斧で2回頭部を殴った後、ナイフで11回刺したという。三日後に容疑者は逮捕されたとのこと。このたび事件の裁判が行われ、9年半の実刑が言い渡されたようだ。

興味のない人間にとってはどうでもいい話にも聞こえるでしょうが、例えばこれが巨人と阪神だとか、レアルとバルサだとかに置き換えて考えればどうでしょうか。
いずれにしても斧で2回、ナイフで11回はやり過ぎだとおもうのですが、AMD派によほど心をえぐられたと言うことなのでしょうかね。

今日のぐり:「スパゲッティハウス チャオ JR名古屋駅新幹線口店」

名古屋という土地には地元ローカルな食べ物が数ありますが、天むすや手羽先などは全国的にもすっかり定着していますよね。
数ある名古屋飯の中でも比較的他の土地で広まっていないと思われるものの一つがあんかけスパゲッティですが、今回現地で初めて食べてみました。

しかしこちらのメニューは暗号かと思う表記が並んでいて、ひとまず一番の定番と聞くミラカンを頼んで見ましたが、肉類(ミラネーゼ)と野菜類(カントリー)のミックスと言う意味だそうです。
具材的にはコーンがやや珍しいくらいでおおむねナポリタンと呼ばれるものと同様の内容ですが、2mmくらいありそうな太麺はもちもちぷるぷる食感で、強いて言えばちゃんぽんの麺が一番近いでしょうか。
麺自体はプレーンな状態で盛られていて、ソースは和えてあるのではなく麺の周囲にかけられているのですが、問題はこの名古屋独特のあんかけソースなるものです。
もともとはミートソースから発展したものだそうで、同じくトマトベースですが何とも他にない味と言うしかなく、こうして食べるとわりとうまいと思いますし慣れるとハマりそうな気がする味ですね。
そもそもミートソースだ、ナポリタンだと言ったもの自体今では珍しくなってきていて、もちろん普通のイタリア料理屋のパスタとは全く違うものですが、これはこれで面白いと思いました。

しかし以前におみやげにソースだけもらった時には作ってみてもピンとこなかったんですが、なるほどこういう食べ方をするものなのかと初めて納得できました。
名古屋駅のこの一画は地元のローカルな食べ物を出す店が並んでいて、いずれも繁盛してるのは結構なことですが、しかしこれだけ行列が出来ると列車に遅れる人もいるのでしょうかね。

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2017年3月 3日 (金)

改正道交法で高齢ドライバーが医療機関に殺到?

3月12日に施行される改正道交法で75歳以上の高齢者に対する認知症対策が強化される事になっていますが、免許更新時の検査で認知症の恐れと判断されると、今までと違って違反などの問題が何もなくとも必ず医師の診断を受けることが義務化されることになっています。
この結果医師の診察を受けることになる高齢者が年間5万人、うち免許取り消しに至るケースが年間1万5千人と試算されているそうで、これらはいずれも現状の10倍に上ると言うことですが、この激増ぶりに対してそもそも医療機関側が対応出来るのか?と言う疑問の声も根強くあります。

免許更新の認知症診断に医療機関は対応できるか(2017年2月21日日経メディカル)

 2017年3月12日の改正道路交通法施行で、75歳以上の高齢者は運転免許証更新時の認知機能検査で第1分類(認知症のおそれ)と判定されれば、全員が医師による認知症の診断を求められるようになる。この制度変更によって運転免許に関わる診断を要する高齢者は年間およそ4000人 から5万人弱と、大幅に増えると見込まれる。かかりつけ医や非専門医にも診断書作成を依頼する患者が訪れる可能性がある。
山鹿中央病院の原暁生氏は「通院する際や生活にも車が欠かせないこの地域で、私の診断書がきっかけでもし免許取り消しにでもなったら、苦しい思いをさせるのではないか――」と不安に感じている。

 2017年3月12日に迫った改正道路交通法(平成27年法律第40号)施行を前に、認知症患者の診療に関わる医師たちの間では慌ただしい動きが見られている。
 「2月に入り、熊本県警から改正道路交通法に関するアンケートが届き、公安委員会指定の診断書を持ってきた高齢者が初診で訪れた場合、診断書作成に協力できるかを尋ねられた」と話すのは、熊本県内陸部の山鹿市で認知症診療を担う山鹿中央病院院長の原暁生氏だ。神経内科専門医の原氏は、「診断書の作成に可能な限り協力し、診断が困難な場合には専門医など他の医療機関を紹介する」の項目に丸を付けた。
 とはいえ、状況を把握していない高齢者の認知症の有無を初診で判断することに対して強い不安も抱いている。「短期間で初診の人が認知症であるかどうかを診断するのは難しい。さらに、通院する際や生活にも車が欠かせないこの地域で、私の診断書がきっかけでもし免許取り消しにでもなったら、苦しい思いをさせるのではないか……」と不安を吐露する。
(略)
 改正道交法施行後の運転免許証更新に関わる認知症診断を円滑に進めるため、日本医師会は対応法をまとめた手引きを準備中だ。日本認知症学会をはじめとする関連学会も合同で、会員から寄せられた質問に対する回答をまとめたQ&A集の作成を進めている。いずれも改正法施行の3月12日の前を目途に、作業を急いでいる。
(略)
 八千代病院(愛知県安城市)愛知県認知症疾患医療センター長の川畑信也氏は日経メディカルOnlineの連載「プライマリケア医のための認知症診療講座」 で、今回の道交法改正に対する懸念を再三指摘している。その川畑氏に一番の懸念を改めて尋ねると、「明らかに認知症と診断できる症例であればよいが、そうでない患者も多い。認知症で『ない』ことを証明するのはそもそも非常に難しいし、それをかかりつけ医の先生ができるのかという問題もある」と説明する。岡田医院の岡田氏も同様に、「認知症に限らず、その疾患が『ない』ことを証明するのは『ある』と診断するよりも難しい」と指摘する。
 かと言って、「認知症」と診断するのにも相応の覚悟は求められるのは前述の通り。認知症にせよ、認知症でないにせよ、運転免許証更新で求められる診断書を目的に受診する高齢者が増えれば、短時間で難しい判断を迫られる局面も出てきそうだ。
 なお、警察庁が2月13日に示した診断書様式では、診断結果の選択肢の1つとして「認知症ではないが認知機能の低下がみられ、今後認知症となるおそれがある」という項目がある。医師が認知症の有無の判断を保留したい場合にも選ばれそうな項目ではあるが、この項目が選ばれた場合、半年後に運転免許保持者は、臨時適性検査の受検もしくは医師による診断書提出のどちらかが再び求められることになる。
(略)
 ただし、運転免許に関わる診断書を書くことに抵抗感を覚える医師は多いだろう。岡田医院の岡田氏も、これまで多くの認知症患者を診てきたものの、免許に関する診断書は書いたことがない。「専門医に集中するとパンクしてしまうので、かかりつけ医がスクリーニングの役割を果たすことが大切」とは考えているが、「3月以降に急にやるのは難しいので、マニュアルが必要」という条件が付くようだ。

 日本認知症学会などのQ&A集作成の取りまとめを担当している同学会理事長の秋山治彦氏(横浜市立脳卒中・神経脊椎センター臨床研究部部長)は、「これまでの診療と同様に対応することであって、過剰な不安を抱く必要はない」と説明する。「認知症かどうかの診断には、専門医とかかりつけ医が協力してあたる必要がある。道交法改正への対応で、かかりつけ医の先生がこれまで以上に大きな役割を担う地域もあるかもしれない。ただ、今回の改正がなくても認知症患者は確実に増加する。多くの医師がこれまでと同じく、あるいはより積極的に認知症医療に関わっていただけたらと思う」と話す。
(略)

当然ながら地方に行けば未だに車の運転が出来なければ行動に極めて大きな制約を受けると言うケースは少なからず見られるわけですし、地元の人間以外には狐や狸が走る程度の田舎の農道で多少の認知症の有無が問題になるのかと言う声もないではないですが、それならそれでローカルエリア内だけの免許制度なりを新設するか、セニアカーなどの普及に対して補助金を出すかするべきなのでしょうね。
ともかくも認知症であるかどうかの診断も難しいと言えば難しいのでしょうが、現場で危惧されているのはやはり認知症と診断し免許取り上げにいわば医師がお墨付きを与えることで患者との信頼関係はどうなるのかと言う点で、この観点から長年の診療で気心が知れているかかりつけ医での対応がいいのか、それとも情に流されず客観的に判断出来る専門医で対応すべきなのかも意見が分かれるところです。
ただ医師が認知症と判断し患者がそれを聞き入れず無免許運転で事故を起こしたと言うケースならまだしも患者の責任ですが、場合によってはその逆のケースと言うことも十分想定されるわけで、こうした場合に法的に医師が責任を問われるのかと言う点は誰しも気になるところだと思います。

認知症ではないと診断した患者が事故を起こしたら医師は責任を問われる?(2017年2月17日日経メディカル)

(略)
 今後、医師は、診療した患者さんが認知症と判明したときには、自動車運転は禁止と患者さんと家族に伝えること、さらに書面(カルテ)に必ず残しておくことが必須となります。馬場先生の原著によりますと、認知症と診断しながら、患者さんの免許取消しを回避するために診断書に記載しなかったところ、患者が自動車事故を起こした場合、診断書に虚偽の記載をしたことになるので虚偽診断書作成(刑法160条)、虚偽公文書作成(刑法156条)に該当するそうです。被害者やその家族から賠償請求される可能性もあります。

 「認知症ではないと診断した患者が、その後に人身事故などを起こし、別の医師が認知症と診断した場合、最初の医師の診断の適否を問われないか」の疑問もあるかと思います、これに関しては通常、医師の刑事責任が問われることはないと言われています。事実、2013年11月19日の参議院・法務委員会において警察庁交通局長が同様の趣旨を答弁しています。ただし、民事に関しては別です。民事で相手方から訴訟を起こされる危険性は否定できません。もし民事裁判で敗訴になったとき、入っている保険会社から賠償金が出るのか否かに関しても現時点ではよく分かりません。この件が医療過誤に当たるのか否かなどについて争点になるかと思います。

 認知症と診断された患者が免許取り消しとなり、その後、診断が誤りであったと判明したときも悩ましい問題かと思います。ある病院の神経内科にて認知症と診断された者が免許取消し処分を受けたのですが、1年後に同一の病院の別の神経内科医が認知症ではないと診断し免許証が復活した事例があります。もし、この患者さんが車乗務にて生計を立てていた場合、運転ができなった期間の保証を金銭で求められたらどうなるのでしょうか

診断書や行政処分に不服の場合
 免許取消し等の行政処分に不服がある者は、処分を下した都道府県公安委員会に対して審査請求や取消し訴訟をすることができます。公安委員会は、処分をする相手に対して、不服申立てができること、不服申立て先(都道府県公安委員会)、申立てができる期間について教示することになっています。もし、訴訟という事態になっても各公安委員会が責任を持って対応するとのことであり、医師が直接裁判所などに出頭することはないと思います。

 認知症であるとの医師の診断書に納得がいかない場合には、別の医師に診療を求めることは可能です。つまりセカンドオピニオンは可能とされています。極端な事態を想定すると、認知症ではないとの診断書を作成してくれる医師を求めてあちこちの医療機関を渡り歩く者が出てくるかもしれません。2人の医師の間で診断に齟齬があるときには、公安委員会指定医による適性検査が施行されることになるかと思います。
(略)

今のところ細部までは断定的ではないものの、民事訴訟で訴えられる可能性に関しては(当然ながら、ですが)否定は出来ないと言う話なのですが、それに関しても実際に免許取り消し処分を行う公安委員会が責任をもって対応すると言うことですし、実際にそれで対応しないとなればどこの医療機関も診断書など書かなくなるでしょうね。
ただ最後にさりげなくドクターショッピングへの危惧について語られていますけれども、診断書作成が命じられてから3ヶ月以内に提出と言う期限が定められていること、そして医師の側では診断書作成に関して書けないと思えば断っても良い自由があると言うことですので、実際にはそう無制限にドクターショッピングが出来ると言うわけでもないようです。
ただ実はこの診断書作成とそれに必要な検査自体保険でやっていいものか、自費診療になるのかと言うことも未だはっきりしていないと言う話もあって、聞くところでは某関係省庁の側でも認知症の疑いが高いなら保険診療でいいだろうがケースバイケースで云々とあまり明確な基準を示していないとも言いますから、診断書の内容と併せて窓口支払いにおいても揉める可能性があると言うことですね。

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2017年3月 1日 (水)

病院会、医師の働き方改革にとことん抵抗を決める

本日まずは先日から話題になっているこちらのニュースを紹介してみましょう。

ヤマト運輸が荷受けの抑制を検討 ネット通販拡大で、労組が春闘で要求(2017年2月23日産経新聞)

 宅配便最大手のヤマト運輸が、荷受量を抑制する検討に入ったことが23日、わかった。労働組合が今年の春闘の労使交渉で会社側に要求した。インターネット通販の拡大などを背景に宅配個数が増える半面、トラックドライバーなどの人手不足で慢性化している長時間労働の軽減を図る。

 人手不足は業界共通の課題で、最大手の動きに他社が追随する可能性がある。

 労組はまた、終業から次の始業まで最低10時間空ける「勤務間インターバル」の導入も要求。働き方改革を求める一方、賃上げ要求は定期昇給とベースアップの合計で平均1万1千円と前年水準(前年妥結額は5024円)に据え置いた。

 ヤマト運輸の平成28年3月期の宅配便取り扱い個数は、過去最多の17億3千万個。今期はこれを超える見通しで、労組は、次期の宅配個数を今期以下の水準に抑えるよう求めている。

 会社側はネット通販などの大口顧客に値上げを求めていく方向。交渉次第で荷受け停止の可能性もある。ドライバーの負担が重い夜間の時間帯指定配達も、見直しの対象となり得る。

 親会社のヤマトホールディングスは1月、人手不足による人件費高騰などを背景に、今期の連結純利益予想を従来の390億円から340億円に引き下げた

ぶっちゃけ某ネット通販会社との取引が激増していると言うのが破綻最大の理由なのだそうですが、そもそもこのネット通販会社との取引については2013年に別の大手運送業者が要求ばかり高くて対価は低く、元が取れず業務負担ばかりが増すからと撤退したと言う経緯があり、事実上ヤマト運輸の一社独占になっていました。
この背景事情としてヤマト運輸の場合下請けに配達を依頼するのではなく自社配送であり、配達効率さえ上げられれば利益が出ると言う目論見だったそうですが、実際には現場が増え続ける労働量に耐えきれなくなったと言うことで、注目いただきたいのはその結果荷物の取引は増えているにもかかわらず人件費高騰等から利益が落ちていると言う現実ですが、同社の決断を後押ししたのはこうした部分だったのでしょう。
このネット通販による運送会社の疲弊については国も再配達を減らす宅配ボックスの普及など対策を講じている一方、ヤマト運輸も大手取引先と配達料の再交渉や引き受け荷物量の制限などを検討中だそうで、ともすれば配達料無料などと言う言葉で配送業者に無用な犠牲を強いてきた大手通販会社の姿勢も問われることになりそうですね。
ともかくも昨今では世の中どこでも人手不足であるせいか、現場で実際に働くスタッフの労働環境に配慮しない組織は結局のところうまくいかないと言う当たり前の理屈がようやく滲透し始めているのは良い傾向だと思うのですが、そんな中でひとり時代に逆行しているかのように見える業界があるのだそうで、先日出ていたこちらの記事を紹介してみましょう。

「医師は適用除外を」、時間外労働の上限規制 堺日病会長、四病協・日医の共同で要望予定(2017年2月27日医療維新)

 日本病院会会長の堺常雄氏は、2月27日の定例記者会見で、政府の「働き方改革実現会議」担当の加藤勝信・内閣府特命担当大臣と、塩崎恭久厚労相に対し、導入が検討されている時間外労働の上限規制について、医師を適用除外とするよう要望する方針を明らかにした。日病を含む四病院団体協議会および日本医師会とともに、今週中にも行う予定だという。
 堺会長は、「働き方改革の趣旨に反対しているわけではなく、全面的に賛同して協力していく。しかし、できることと、できないことがある」と説明、「医師には応招義務があるなど、医業の特殊性についての理解を求めていく」と述べた。「上限を設定すると、医療には多大な影響がもたらされるのではないか」と指摘し、別途、オールジャパンで医師の働き方等について議論する場を設けることが必要だとした。また研修と労働の切り分けも難しく、その解釈も分かれることから、ガイドライン作成も求められるとした。

 「働き方改革実現会議」では、時間外労働を最大で月平均60時間、年720時間までとし、違反企業に罰則規定を設けることなどを検討。3月末までに実行計画をまとめる予定になっている。ただし、一部の職種については、適用除外される。
 日病は2月25日の常任理事会で、本問題について検討した。「理事には大学関係者もおり、大学の助教以上は裁量労働制であり、適用除外になるようだが、一般病院においては、管理者以外は裁量労働制は認められない」(堺会長)。
 堺会長は会見で、過去の経緯を振り返り、医師の宿日直を時間外労働として扱うかどうかなど、医師の労働の解釈については曖昧になっていた部分があると説明。しかし、宿日直を時間外労働として認めるか否かが争われた奈良県立奈良病院の裁判などもあり、ここ数年、労働基準監督署の対応が厳しくなっているほか、電通職員の過労死事件などもあり、長時間労働の是正が社会的に重要課題になっていると情勢分析。
 「病院からすると、医師に時間外労働の上限が設けられると、なかなか厳しい」と堺会長は述べ、上限設定された場合、人的・経済的コストが増大し、救急や周産期医療など、急変に対応できなくなる懸念もあり、地域医療への影響も大きいとした。実際、労基署の立入検査を受けた病院では、長時間労働是正のため、救急指定を返上したケースもあるという。さらに医師が時間外対応を求められる場面として、患者家族への説明も挙げ、医師の労働時間短縮には国民の理解も必要だとした。

 常任理事会では、「上限を設けたら、勤務医のレベルが低下するのではないか」などの懸念も呈せられたという。米国では、研修医の労働時間は週80時間以内が原則とされ、上限に達すると、診療の途中でやめるケースもあるという。また研さんの機会が減ることも想定されるとした。

しかし「勤務医のレベルが低下する」だの「研さんの機会が減る」だの、他人様の健康には全く気を遣わない割に妙なことにはよく心配していただけるものだと感心するのですが、現場からは「どうせ当直などやってない年寄りがこういうことを言う」と散々な評判であるのは当然であり、国や労基署もきちんと正しく門前払いをすると共に引き続き労基法無視の職場に対しては厳しい対応を取っていただきたいものだと思います。
日病などは医師を雇って働かせる立場に立つ団体ですから、経団連などが「労働時間に上限を設けると業務が回らない。上限撤廃を」と言い出すのと同じようなものですが、電通事件などで電通を批判していたマスコミなどは当然こうした業界団体の妄言を思い切りバッシングしなければならない道理ですし、今後この件についてどのようなスタンスで報じていくのかも注目されるところですね。
ちなみに堺氏は医師の労働時間が長時間化している理由として応召義務をあげているそうですが、長時間労働が医師の能力を低下させ医療事故を招く大きな要因となり得ることが明らかになっている現在、本当に問題意識があるのであれば原因対策としてまず応召義務撤廃を主張すると言うのが筋なのではないかと言う気がします。

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