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2017年2月 6日 (月)

白玉団子を喉に詰めるなら白玉団子を食べさせなければいい、は確かに正論ですが

司法判断として妥当なのかどうかは意見が分かれるところだと思いますが、先日こんな判決が出ていました。

給食の白玉で窒息「予見できず」(2017年2月2日共同通信)

 栃木県真岡市の市立小の当時1年だった飯沼晃太君が給食の白玉団子を喉に詰まらせ、死亡したのは市が安全管理を怠ったことなどが原因として、両親が市に損害賠償を求めた訴訟で、請求を棄却した2日の宇都宮地裁判決は「誤嚥する危険性は予見できなかった」と認定した。
 吉田尚弘裁判長は判決理由で「当時7歳の健康な児童に対し、直径約2センチの白玉団子がほかの食品と比べて誤嚥する危険性が高いというのは困難で、半分ないし3分の1にして提供する義務があったとはいえない」と指摘。
 救護措置については「速やかに救急通報しており、救命するため行うべき処置をした」とした。


児童だんご窒息 過失認めず(2017年2月2日NHK)

7年前、真岡市の小学校で1年生の男の子が給食で出た白玉だんごを喉に詰まらせて、その後死亡し、遺族が真岡市に損害賠償を求めていた裁判で、宇都宮地方裁判所は「小学校や給食センタ-に過失があるとは言えない」として遺族の訴えを退ける判決を言い渡しました。
平成22年2月、真岡市の亀山小学校で当時小学1年生の飯沼晃太君が給食の白玉だんごを喉に詰まらせて重体となり、その後死亡しました。
裁判は、晃太くんの両親が真岡市に管理上の責任があったとして慰謝料や介護の費用などおよそ8400万円の損害賠償を求めたもので、真岡市は市に明らかな過失はなかったとして争う姿勢を示していました。
(略)
判決のあと父親の健一さんは県庁で弁護士とともに会見を開き「判決は非常に残念で、このままだと晃太が亡くなったことが無駄になってしまうという思いです。行政にはきちんと対応してもらいたかった」と話し、近く控訴するとしています。
事故を受けて、真岡市は5年前から年に1回、全教員を対象に3時間をかけて心肺蘇生法やAEDの使い方、気道に異物が詰まった時に除去する方法を学ぶ講習会を始めました。
教員は少なくとも3年に1回講習を受けるよう義務づけられています。
また真岡市の給食センターでは白玉だんごの他、同じような形状のうずらの卵やミニトマトなどを直径おおむね1センチ以上の食材を給食に出すことを中止しました。
それ以外でも、形が大きい具材は小さく切るなど、事故を防ぐための対応を行ってきたということです。


給食の“白玉団子”で窒息死、父思い語る(2017年2月2日日本テレビ)

栃木県真岡市で給食の白玉団子をのどに詰まらせ、その後、亡くなった小学生の男の子。遺族側は、市に対して損害賠償を求めて提訴し、2日判決が出た。男の子の父親がその思いを語った。
(略)
提訴から4年、迎えた判決の日。宇都宮地裁は、飯沼さんの訴えを棄却した。白玉団子に食品としての危険性はないと判断した。判決後、飯沼さんは―
「こういう結果になったのは現実あると思うんですけど。多分このままだと、また変わらないっていう」「行政の中で変わっていかないと、事故が起きそうという気が自分はあるので、それを防ぐには行政がちゃんと色々なことに取り組んでやってもらいたいというのが一番」
消費者庁によると、食べ物をのどに詰まらせたことによる9歳以下の子どもの死亡事故は、2015年は19件起きている。こどもの窒息事故を防ぐにはどうしたら良いのだろうか。専門家は―
「小さい子どもがなぜ窒息しやすいかというと、1つはのみ込む機能がまだ未熟である。小さい子供の場合、歯が十分に生えていないため、十分かみ切ることができなくて、そのままのみ込んでしまう、こういうことが窒息を引き起こす原因と考えられる」
みたらし団子やミニトマトなど弾力があって丸いモノに注意が必要で、小さい子どもには細かく切ってあげることが大事だという。
そしてこの時期に注意したいのが節分の豆。歯が生えきっていない小さい子どもは、豆を完全にかみ砕くことができないため、破片が気管に入ることが多いという。
消費者庁は、3歳頃までは豆類を食べさせないよう注意喚起している。

人類の歴史を振り返ればおよそあらゆる食品には誤嚥や窒息の事例があるでしょうから、予見可能性があったと言うことは出来るでしょうが、ではその対応策はどうなのかと言われれば今回真岡市では直径1センチ以上の食材は給食に出さないと言うかなり妥協的な対策を実施していると言うことです。
細かく刻もうが流動だろうが誤嚥する人は誤嚥し窒息するのですから、根本的な対策と言えばそもそも給食を出さない、ものを食べさせないと言う結論に行き着くしかなさそうですが、学校が午前も午後も行われている以上食べずにいると言うことは困難であり、仮に弁当持参にしたところで学校内で窒息誤嚥などを起こせば同様の紛争になる可能性は十分にあるわけです。
給食がなかった初期の学校では家が近所の学童は自宅まで昼食に帰ると言うこともあったそうですが、21世紀の日本においても学童の食事は各自が自己責任で自宅なりで取ると言うのがご遺族の求める抜本的な対策と言うことになるのかどうか、いずれにしても真岡市の給食はずいぶんと様変わりしたものにはなりそうですよね。

ところで今回の学校内で起こった窒息事件では学校側の対応は妥当であると判断されたようですが、救急車を呼べばokと言うのはさすがに医療機関では成り立たないでしょうが、世間一般における責任の追及に関して一定の歯止めとして考えるべきかです。
こうした場合難しいのは同市では今後教員に救命救急処置の講習を義務づけると言うことなのですが、それによって専門的知識を持っていることが当たり前と言うことになれば今後は責任追及の要求される水準も高くなる道理で、また同じような事故が起き対策を講じればさらに高い水準の対応を当然視されと、果てしがないですよね。
また当然ながら人間には個人差と言うものがあり、誰かにとって何でもないことでも別の誰かにとっては重大な問題となることはままありますが、固形物が喉に詰まる子供がいるかも知れないから給食は全てペースト食だけにしますでは、まあ大抵の子供にとってはあまり愉快なものではないだろうとは思いますし、かといって一人一人の好みや希望に個別に対応できる状況にあるのかどうかです。。
医療機関や介護施設内ではこの種のトラブルは決して珍しいものではなく、実際に裁判においても専門家なのだから高い水準の要求をされて当然だと受け取れる判決が見られるようですが、医療機関の側にとっても一定以上のリスクだと判断されれば回避せざるを得ないのは当然ですから、正しい対策を突き詰め過ぎることは誰に取っての幸せにもつながらないと言う声も根強いのは仕方がないのでしょうね。

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コメント

1cm以上の大きさはダメだったらメニュー考えるの大変そうだなあ。
給食伝統のコッペパンも禁止されちゃうんですかね?

投稿: ぽん太 | 2017年2月 6日 (月) 08時57分

>小さい子どもには細かく切ってあげることが大事
 そうでしょうか?(馬鹿じゃネ?)
 窒息しないサイズまで咀嚼しろ、と しつけられてない時点で、
 何食ってもリーサルなリスクを抱えてるわけで。
 そのうち とろみ食 ばかりになるなw。 
 

投稿: | 2017年2月 6日 (月) 09時56分

市側は相当な対策も講じている中で、親御さんが何を求めていたのかが記事からははっきりしないのが隔靴掻痒の感がありました。

投稿: 管理人nobu | 2017年2月 6日 (月) 13時29分

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