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2017年2月 3日 (金)

世間で人気の健康食品、あれもこれも効果が否定される

まあそうなんだろうなと感じるのが、先日出ていたこちらの記事です。

「水素水」はただの水!? 国民生活センターが衝撃調査 メーカー側に反論聞いてみたら…(2017年1月23日産経ニュース)

 ブームが続く「水素水」について、国民生活センターが実施した調査が話題を呼んでいる。飲用水素水として売られる一部商品で開封時に水素ガスが検出されないなど驚きの結果が出たのだ。水素水は「ただの水」との指摘もあるなか、企業サイドの“反論”を聞いてみた。(夕刊フジ)

 調査は昨年9~11月に実施。ネット検索で消費者が目にする機会が多いと考えられる「飲用水素水」10銘柄と「水素水生成器」9銘柄について、水素濃度などを調べた。
 「飲用水素水」の調査では、開封時、水素ガスが検出されなかったのは2銘柄。パッケージに表示された充填(じゅうてん)時や出荷時の水素濃度より、実際の測定値の方が低かったのは3銘柄あった。
 こうした結果に飲用水素水の販売業者は“反論”も見せている。
 開封時、水素ガスが検出されなかったとされた「逃げない水素水36」(500ミリリットル)。製造する奥長良川名水の担当者は「私どもの商品は『開封後』に水素が発生する仕組み。体内に取り込むことによって発生するほか、開封2日目で水素が発生することも確認している」と説明する。
 同様の指摘を受けた「日田天領水」(同)を製造する日田天領水にいたっては、「(商品パッケージに)『天然活性水素水』との表示があるので調査対象となったようだが、そもそも原材料に水素ガスは入っていない。商品は『水素水』として売っていないのだが…」と困惑気味だ。
 一方、「水素水生成器」の調査では、生成直後、説明書などに表示された値より測定値が低くなるとされたのは3銘柄あった。
 その一つである携帯型「充電式高濃度水素水生成器」を販売する「日省エンジニアリング」の担当者は、「うちの製品は乾燥した状態で出荷しており、使い始めは(発生水素は)米粒ぐらいの気泡に止まるが、何度か使うことで濃度が上がる」と説明。水温などによっても濃度は変わってくるという。

 水素水は美容やアンチエイジングなど「健康にいい」というイメージで人気を集めているが、事業者アンケートでは、水素水の飲用により期待できる効果としては「水分補給」が最も多かった
 だが、水素水ビジネスでは、水素濃度が高いことを“売り”にしているケースも多い。
 国民生活センターは調査報告で、「水素水には公的な定義などはなく溶存水素濃度もさまざまだ」などと指摘。効果・効用については「特定保健用食品(トクホ)や機能性表示食品として許可、届け出されたものは現在のところはない」と消費者に呼びかけた。
 また、事業者には、一部の商品パッケージ、広告で、健康保持増進効果などがあると受け取れる記載があったとして、「医薬品医療機器等法や健康増進法、景品表示法に抵触する恐れがある」と改善を要望した。
 法政大の左巻健男教授(理科教育)は「飲むことで取り込める水素は微量に過ぎず、体に及ぼす影響はほとんどないといっていい。水素水は『あらゆる病気に効く』とか『アンチエイジングに効く』などと言って売られているが、健康効果に関する医学的根拠はない。水素水はいうならば『清涼飲料水』だ。こうした点を認識した上で、購入するかどうかだ」と指摘している。
 消費者はどう判断するのか?

そもそもこの水素水なるものが体にいいのかどうかと言う話は触れないものとして、聞くところでは水素を溶け込ませた正しい?水素水であっても水素は非常に抜けやすく、ペットボトルに密封していても時間が経てば単なる水になってしまうと言うことですので、あくまでも製造時には水素水でしたと言うことでしかないようです。
今回の調査も製造後どれだけの期間が経っているかを統一して調べなければあまり意味のないことだと言えますが、ただいずれにせよ実際には飲用時に水素水ではなくなっている可能性も高いわけで、これが経時的劣化によるものなのかそれとも製造時から(以下略)なのかはユーザーレベルでは何とも言えない話ですよね。
水素水などはいずれ一過性のブームに過ぎないのであって、有害無害など論ずるにも足りないと達観していらっしゃる方もいらっしゃるかも知れませんが、昔からの定番商品とも言えるあれについても先日こんな話が出ていたことを紹介してみましょう。

健康食品「ウコン」(ターメリック)には薬効はないことが判明(2017年01月30日Gigazine)

黄色い見た目が特徴的な「ターメリック」、またの名を「ウコン」は、日本では二日酔いに効くとされ、本場インドでは傷薬や虫刺され、ひいては「ガンに効く」とまで言われています。カレーの原料としても知られるウコンは民間療法にも用いられる万能プレイヤーとして認識されているのですが、実は医学的な効能は認められていません

A large scientific review study shows that curcumin in turmeric has no medicinal properties — Quartz

ウコンにはさまざまな種類が存在しており、日本でもカレーの原料として広く知られるウコンは「秋ウコン」と呼ばれており、苦みが少ない特徴があります。一方、健康食品として用いられるのは、苦みがあって黄色が強い「春ウコン」で、中に含まれているクルクミンに効果があると考えられてきました
しかし、ミネソタ大学の研究チームによる論文では、クルクミンに含まれる物質について「不安定かつ科学的に反応性が高く、体内に吸収できない化合物であるため、(薬剤の開発に役立つ)可能性は極めて少ない」とする結論を導き出しています。薬剤の検証が行われる際には、多くの場合で特定のタンパク質に作用する能力についての検証が行われます。そして、クルクミンの化学組成には、実際にはタンパク質に作用していないにもかかわらず、あたかも効果があったかのような結果「False Hits (偽の結果)」をもたらす効果があることが明らかになっています。
このような特性は人々にクルクミンの効果を期待させ、さらに間違った期待をもとに研究が進められるために、不要な予算が消費されることにつながります。この結果についてミネソタ大学のマイケル・ウォルターズ博士は「クルクミンの一件は私たちに対する教訓です」とコメントしています。このような特性を持つ物質はPANIS(pan-assay interference compounds:広範な試験法に干渉する化合物)とも呼ばれ、科学的な誤解を生む物質として注意すべきものとされているとのこと。

医学誌「Journal of Medicinal Chemistry」の共同編集長を務めるガンダ・ゲオルグ氏は、「多くの労力と資金がクルクミンの研究に浪費されてしまいました」と、クルクミンを取り巻く誤解と混乱を語っています。しかしその結果はまだまだ十分に周知されておらず、いまでもクルクミンの効能についての論文が次々と寄せられているといいます。
最新の研究からは、クルクミンの効能は「プラシーボ効果」に等しいともいえる結果が出ているとのことですが、一方で「クルクミンの研究はまだ十分ではない」として、さらに掘り下げた調査を行うことで、PANISであることを踏まえた理解を目指す研究も行われているとのこと。しかし前出のウォルター博士は「クルクミンの研究に投じられるリソースを、他に研究されるべき何千という化学物質の研究に投じるべきである」としています。

有益な効果があるのかどうかはひとまず置くとしても、臨床的な知見からはウコンに全く効果がないとも思えない部分があって、ウコンを主原料とする健康食品が原因と思われる肝障害などは日常臨床でも経験することがありよく知られたものですよね。
有害な作用があるくらいですから何かしら有益な作用も及ぼす可能性は否定は出来ないと言うことになるのでしょうが、当然ながら損得勘定としてどちらがより有用なのかと言うことが薬物としての価値を大きく左右するもので、今のところは有益な作用はさほど期待出来ず有害作用は重大なものがあると言う、やや期待感に乏しいものであると言う結論になるでしょうか。
健康食品の類に限らず何であれ有害な副作用が出ることはあり得ることですし、一般的には有益なものであっても人によっては有害であると言うことも珍しくありませんから、自己判断で使用することまでは仕方ないとしても、病院などで服薬歴などを訊ねられた際にはこれらについてもなるべくきちんと申告しておいた方がよいかもですね。

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コメント

おバカさんはどんどん無駄金使って消費を活性化させてくれ

投稿: | 2017年2月 3日 (金) 10時02分

全ての銘柄がそうでもないのでしょうが、近所で見かけたものは水としては大変に高価で驚きました。

投稿: 管理人nobu | 2017年2月 3日 (金) 15時09分

ウソの情報を流されて困ってる
http://www.j-cast.com/2017/02/02289564.html?p=all

投稿: | 2017年2月 3日 (金) 20時55分

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