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2017年2月20日 (月)

専門医制度、ひとまず5都府県で総数規制を導入

2018年度からも始まると言う噂の新専門医制度について、先日こんなニュースが出ていました。

専攻医数の上限設定は5都府県、京都は除外へ(2017年2月17日医療維新)

 日本専門医機構は2月17日の理事会で、2018年度から開始予定の新専門医制度において、都市部への専攻医の集中を防ぐため、東京、神奈川、愛知、大阪、福岡の5都府県において、専攻医の募集定員の上限を設定する方針を固めた。「専攻医採用実績の過去3年間の平均値」が上限になる見通し。1月の理事会では、6都府県で検討していたが、京都府が除外された(『6都府県、専攻医の募集上限設定、都市部集中防ぐ』を参照)。ただし、5都府県においても、外科、産婦人科、病理、臨床検査については上限を設定しない。
 新専門医制度では、大学病院への専攻医の集中を問題視する声も根強い。過去5年間の専攻医採用実績が平均350人以上の基本領域学会については、「基幹病院は、大学病院のみ」という体制にならないよう、各都道府県に基幹施設の複数設置を原則とする。現時点で想定されているのは、内科、小児科、精神科、外科、整形外科、産婦人科、麻酔科、救急科の8領域。
 これらを盛り込んだ「専門医制度新整備指針」の運用細則は、次回3月の日本専門医機構理事会に諮る。同機構理事長の吉村博邦氏は、理事会後の記者会見で「大枠はかなり煮詰まったが、まだ詰めるべき事項があり、次回理事会で正式決定したい」と説明した。募集定員の上限設定や基幹病院の在り方は、重要かつ地域医療への影響が大きい問題だ。「(各基本領域の学会が集まる)基本領域連携委員会を近く開催し、さらに調整を重ねた上で、最終案としたい」(吉村理事長)。
(略)
 5都府県、「4以上の医学部・医科大学あり」

 都市部への専攻医の集中を防ぐため、募集定員の上限を設定する5都府県は、「医籍登録後3~5年」の全医師のうち、5%以上の医師が勤務しているという基準で選んだ(2014年「医師・歯科医師・薬剤師調査」の特別調査による)。5都府県とも、4以上の医学部・医科大学を有する。
 外科など4基本領域を除外するのは、「医師・歯科医師・薬剤師調査」において、2014年の医師数が、1994年と比較して減少しているため(外科は89%、産婦人科は97%など)。
 日本専門医機構副理事長の山下英俊氏は、都市部での専攻医の上限設定は、医師の地域偏在解消が目的であるとしたものの、「むやみにシーリング(上限)をかけると、都市部の大学等から、地域に医師を派遣している機能が損なわれる。その結果、困るのは地域」と述べ、引き続き丁寧な制度設計を進めるとした。

 総合診療専門医、「外科の追加、定員削減」が焦点

 総合診療専門医について説明した松原副理事長は、まず「医師の地域偏在に務める、また学術的に高いレベルを確保することが求められる」が前提になると説明。
(略)
 総合診療専門医の研修プログラムは現時点で、基幹施設が404施設、連携施設として計5505施設の関与が想定されている。「募集定員は約1600人まで絞り込んでもらったが、3分の1は都市部。さらに削減するか、あるいは丁寧に配分しないと、地域偏在が起きてしまう」と松原副理事長は述べ、都市において、内科や外科の専攻医になれなかった場合、総合診療の専攻医を選ぶことなども想定されるため、地域偏在が起きないよう、さらに検討を進めていくとした。

この新専門医制度については、予想通りいわゆる医師偏在解消への強制力となるよう制度設計されそうなのですが、当然ながらその定数設定をどのようにするのかが問題であって、どこの地域であっても今現在いる数を認めませんと言われたのでは文句なしではいられないはずです。
東京などは確かに医師数も大学数も多いですが、隣接する千葉や埼玉が全国有数の医師不足地域とされていることを考えると決して多すぎると言うことはないと言う考え方もあり、この辺りは都道府県単位よりもブロック単位なりで考えた方がより地域の実情に沿った配置が行えるのかも知れませんね。
ただあまりザルな制度にしてしまえば医師配置の強制と言う目的に沿ったものになりませんから難しいところですが、ひとまず今回5都道府県に限定したと言うことで今後は状況を見ながら次第に定数の調整をしていくと言う腹づもりなのでしょうが、さてそれを誰が主導で決めるのかと言う点でもまた何波乱もありそうですよね。

どのような医療供給体制が望ましいのかと言う点に関しては当然ながら人それぞれの考え方がありますが、先日厚労省で開かれた「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」のヒアリングでは民間病院を中心とする四病院協議会の神野正博氏が強力な医師偏在対策を求め、それが出来ないなら医師総数を増やせと主張したと報じられていました。
2020年以降医学部定員をどうするのかは同検討会で結論を出すのだそうですが、今も医師数が増えれば医療費も増えると言う考えは厚労省に根強くあるようですから、医師総数を無制限に増やすくらいなら医師配置への強制力を強めるべきだと言う結論になりそうですし、医療現場からもそれを強く望んでいると言う言質は取った形です。
医師が十分に増え適正な配置もなされた世界がどのようなものになるのかは何とも言えませんが、例えば交替勤務制を取っている看護師などは有資格者に対して実働数はかなり少なく、現状でも看護師不足による激務解消が叫ばれているような状況ですから、現場の医師が十分に人間的な生活を送れるほど過剰になるには相当な数を増やさなければならないのかも知れません。

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コメント

出身大学で勤務先制限を導入すべき
地方で勤務する気のない遠隔地の学生のせいで地元の学生が割りを食ってる

投稿: | 2017年2月20日 (月) 11時29分

そうした地方の学生も他の地方の大学に進学していたりもするので、お互い様とも言える気がします。

投稿: 管理人nobu | 2017年2月20日 (月) 13時26分

そもそも学力で劣るから入学できないんでしょ。地元民優遇が進むとその医学部のレベルが下がってくだけだと思うけど、そんな「馬鹿」レッテル貼られた医者をご希望ですか?

投稿: REX | 2017年2月21日 (火) 07時25分

>地元民優遇が進むとその医学部のレベルが下がってくだけだと思うけど、
>そんな「馬鹿」レッテル貼られた医者をご希望ですか?
。。。優秀な成績で真っ当に入学できたとしても地域医療や総合医療の軛を掛けられてしまえば
どっちみち「大体の事は出来そうな気がするけど何も出来ない医師」になってしまう事だろうから
定数の半分くらいは地元民で占めてしまえば良いような

投稿: | 2017年2月21日 (火) 11時02分

地域医療ならとくべつに優秀じゃなくても普通に仕事してくれりゃそれでいい

投稿: | 2017年2月21日 (火) 12時34分

まあ30年もすれば、AIが基本的な診療計画を立てるようになって
人間の医者はAIの専門用語を解読して、一般人に解説するだけの係になってるんじゃないですかねえ・・
誤診した時にAIの代わりに責任とって刑務所に入る係ともいう(笑)

血液検査データからの疾患類推はもう実用段階に達してますし、
現在、心電図が読めなくて自動解析に頼ってる先生がいるように
20年後にはデジタル画像も機械が画像認識して読影しているでしょう。

「AIの指導医」をするような人材や、外科系の名人芸は別として、
一般臨床医レベルの仕事ならば診断能力ゼロの医者でも何とかなってしまう時代が、そこまで来ている気がします。

投稿: 爺医 | 2017年2月22日 (水) 22時32分

とにかく全員全身スキャン、全員全項目血液検査ならAIまかせになるような気がしますが
コスト的にそれが許されるのかどうか

投稿: | 2017年2月23日 (木) 09時08分

AIって何の検査したらいいかも考えてくれるの?
膠原病の鑑別なんて任せたいなあ

投稿: | 2017年2月23日 (木) 11時11分

患者への実害もなく必要性も高いAIとして、保険者の査定を回避して医療機関の収益を最大化するレセプト病名をつけてくれるAIは需要がありそうに思います。

投稿: 管理人nobu | 2017年2月23日 (木) 11時39分

>保険者の査定を回避して医療機関の収益を最大化する
>レセプト病名をつけてくれるAIは需要がありそうに思います。
きっと名前は「SKYNET」なんでしょうなあ。。。

投稿: | 2017年2月23日 (木) 18時27分

医療費を跳ねあがらせて国の財政を崩壊させるAIですな

投稿: | 2017年2月24日 (金) 11時38分

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