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2017年1月 7日 (土)

既存メディアとネットニュース、どちらも本当であり嘘でもある

日本でもありそうな話ですけれども、先日アメリカでこんな事件が報じられていました。

偽ニュース、ネットで拡散=ピザ店に脅迫や銃撃-大統領選にも影響か・米(2016年12月24日AFP)

【12月24日 時事通信社】米大統領選では、虚偽の情報を記事のように仕立てた「フェイク(偽)ニュース」がインターネット上に広がった。事実と異なる内容を平然と語るトランプ次期米大統領に、そうした偽ニュースが追い風を送ったとの見方もある。今月初めには、デマに基づく銃撃事件が起き、米社会に衝撃が広がった。

 ◇デマ信じ「捜査」

 事件が起きたのは首都ワシントン郊外のピザ店「コメット・ピンポン」。4日午後、半自動小銃と拳銃で武装した男が押し入って発砲した。死傷者は出ず、男はすぐに逮捕された。首都警察によると、男はネット上のデマ「ピザゲート疑惑」を信じ、「私的捜査のために来た」と供述した。
 ピザゲートは、11月8日の大統領選直前から広がったデマだ。「コメットは児童売春組織の拠点であり、民主党候補ヒラリー・クリントン氏が関わっている」という妄想に基づく投稿が、ツイッターや匿名掲示板に拡散した。
 もともとコメットは、クリントン陣営のポデスタ選対本部長らのなじみの店。選挙前に告発サイト「ウィキリークス」が続々と暴露したポデスタ氏のメールに、店名が記されていた。
 10月28日、連邦捜査局(FBI)がクリントン氏のメール問題の再捜査を発表すると、ツイッターには「クリントン陣営が関わるコメットの児童売春が捜査される」とのデマが拡散した。「小児性愛の証拠」と称した画像や資料も次々に投稿され、極右サイト「インフォウォーズ」などがクリントン氏の「犯罪」を糾弾。コメットは脅迫にさらされた。

 ◇トランプ氏側近も

 この問題では、トランプ氏の側近らが偽ニュースをあおったことも表面化している。次期政権の大統領補佐官(国家安全保障担当)に就くフリン元国防情報局長官は11月2日、ツイッターに「警察が新たなヒラリーのメールを告発した。資金洗浄、小児性愛など。読むべきだ」と投稿。フリン氏の息子は銃撃事件後、「ピザゲートは、うそと証明されるまで存在し続ける」と書き込み、批判を浴びて政権移行チームを事実上解任された。フリン氏の投稿は既に削除されている。
 米報道機関や警察はピザゲートをデマと認定したが、コメットの店員は、事件から3週間近くたっても「電話やメールでの嫌がらせが絶えない」と語る。
 ネットでは「オバマ政権が疑惑を隠すため、俳優を雇って偽の銃撃事件を起こし、世間の関心をそらした」といった新たなデマが広がり始めた。ツイッターで「ピザゲート」と日本語で検索すると、陰謀論を肯定する多数のアカウントが、新聞やテレビによる「情報操作」を批判している。

デマの類というのは古今東西人の世の中から消えた試しがありませんが、こうしたネット経由で広く情報が拡散し共有されると言うのが今日的なデマのあり方であり、またその過程でいわゆるソースロンダリング的な行為が行われた結果真偽が判りにくくなっていくと言う効果もあるようで、未だに拡散を続けているデマの類も少なくありません。
興味深いのは記事の末尾にある「陰謀論を肯定する多数のアカウントが、新聞やテレビによる「情報操作」を批判している」なる一文ですが、ネット経由で拡散したデマである以上ネット利用者がその関与の主体であることは明らかだろうし、一般論としてもネット利用率の高い人ほど既存メディアに対する信頼感も薄い傾向はあるでしょうね。
この辺りは既存メディアの方では逆にこうしたネット批判的な記事を展開するケースが多くお互い様とも言えますが、先日は朝日新聞社会部が「相手に十分取材をして、記事を書く。そんな当たり前のプロセスが存在しない」とネットメディア批判と受け取られるつぶやきを発したところ「お前が言うな」の大合唱が起きたように、既存メディアとネットとはしばしば対立的な関係にあるように見えます。

今やニュースはネット経由でと言う人が新聞と肩を並べるほどだと言い、興味深いのは若年世代のみならずいわゆる情弱とも言われてきた60代ですらネットニュース利用率が過半数に達したと言う点、そして新聞を読まない人ほどネットニュース利用率が高いと言う点が指摘されています。
他方で若い人ほど既存メディアの代表格である新聞への信頼度は低く、50代以上ではおおむね4割であるのに対して若年層ではわずか2割ほどだと言うことですが、この辺りは調査方法や対象者選定によるバイアスが非常に大きいようで、既存メディアでしばしば取り上げられるのは新聞など既存メディアは高い信頼を維持していると言う調査結果に偏っているようです。
先日はローマ法王が誤った情報を拡散することは「メディアができうる最大の加害行為」と語ったと報じられ、特に冒頭の記事のような行為は罪であると批判したとも言いますが、媒体の種類を問わず誤報や捏造は常に発生し得るものである以上、その後にどのような対処を取るのかと言う点も信頼度の判断における一つの目安になるのでしょうか。

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