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2017年1月20日 (金)

残業しないことを報奨する制度

新入社員の過労死に端を発する一連の電通捜査について先日塩崎厚労相が「社長の引責辞任ですむ話ではない」と言ったと報じられていて、これは珍しく本気でやるつもりになったかと感じるのですが、電通に限らず世にブラックと呼ばれる企業は数多くある中で、今や心当たりのある各社としては対策が急がれるところですよね。
この労基法無視の過重労働に関しては各方面で対策も講じられながら未だこれはと言う改善策も打ち出せていない中で、比較的奏効率が高いように思われるのがこうした方法ではないでしょうか。

はるやまが「ノー残業手当」導入 4月から、健康配慮し業務効率化(2016年1月12日山陽新聞)

 長時間労働を是正しようと、はるやまホールディングス(HD、岡山市北区表町)は、定時に退社する社員に「ノー残業手当」を支給する新制度を4月から導入する。社員の健康に配慮するとともに、業務の効率化を促すのが狙い。

 スーツ販売の子会社・はるやま商事(同)と合わせた計約1200人(課長級以上を除く)が対象。残業時間ゼロの社員に月額1万5千円を支給する。残業した社員についても、残業代が1万5千円に満たない場合は、手当と同額になるよう差額分を支給する。

 手当の総額は年間1億8千万円を見込む。両社の社員1人当たりの平均残業時間は月10時間半で、制度導入により残業代を年間8千万円圧縮できるとみている。

 同HDは「健康経営は企業の責務でもある。業務を効率化し、なるべく定時退社できるよう促したい」としている。

この残業問題に関しては、当然ながら雇用者側としては少なくとも建前上は残業を減らせと言うはずですが、残業が減れば残業手当が減ってしまうじゃないかと反発する声も確かに一部ではあるようで、残業する権利を守るべきだなどと本末転倒な?擁護論も一部で出る所以ですよね。
裏を返せば正当な勤務時間内に終わらせられるはずの仕事でもダラダラと引き延ばして残業にしてしまえば手当がつくと言うものですから、被雇用者が効率よく業務時間内に仕事を片付けるモチベーションになりにくいと言うことでもありますが、これらに対する一つの解答がこうした残業しない人への手当支給です。
勤務時間を短くする方が給料が増えると言うことは効率よく仕事をこなす動機付けになるはずで、企業にとってもメリットがあるのだそうですけれども、記事を見れば判るように実際には全社員に一定金額を支給すると言う実質給与アップで終わるだけと言う懸念もありそうですね。
無論そもそも残業手当など付かないような本物のブラック企業においては、もともと給料に手当も含まれている等々の名目で遠慮なくタダ働かせようなどと考える雇用者もいるかも知れずで、あくまでも余計に働けば余計にお金が出ると言う建前を守っている会社だからこそ成立するシステムであるとも言えますよね。

先日「残業を減らしたければ部下の「頑張る姿」を評価するな」なる記事が出ていて興味深く拝見したのですが、要するに部下は残業することで上司の評価が上昇すると言う意識を持ってしまえば残業してしまうだろうと言う、人間心理として当たり前のこととも言える指摘です。
では上司は残業を減らすためどうすればいいのかと言う対策として、全て結果だけで部下を評価するようにしろと言うのもいささか極端だとは思いますが、やはり上司も部下が定時までにきちんと仕事を片付けてさっさと帰ると言うことを評価しないと、職場内に残業に対するプレッシャーをかけているも同じだと言うことでしょうか。
もちろん単純に労働力に対して仕事が多すぎると言う職場も多く、別に残業をしたくてしているわけではないと言う人も多いはずで、企業が残業をさせていることへのペナルティも必要な場合があるのでしょうが、この場合単に時間が来たら職場の電気を消すなどと言う話では何ら意味がなさそうで、労働力と労働量のミスマッチをどう解消させるかへの誘導が必要になるはずです。
この辺りは労働力の供給に一定の制約がある有資格職でミスマッチが起こった場合には、どうしても労働量の方を制限する必要があると言う結論とも結びついてくると思うのですが、社会として制度としてそれは当たり前のことなのだと言う認識をどこまで共有できるかが鍵になりそうですね。

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コメント

単なる残業代15000円の丸目支給ですよ。普通の制度です。残業が15000円超えた月でも15000円のままがブラック。超えたらちゃんと支給するのが合法。当然、事実上残業代請求させない運用が多いのが実態。

投稿: 麻酔フリーター | 2017年1月20日 (金) 10時45分

夕方になって「明日の朝、誰々のカルテを見るから用意しておけ」と電話してくる
厚生労働省保険局の担当者の行動はブラック労働を助長していると思うのですが。

これは局が違うから関係ないってことでいいんでしょうかね。
こういうブラック労働せざるを得ない立場に追い込む顧客や取引先、官庁も連帯責任
で処罰したほうがいいと思います。

あとは仕事が7時に終わる、だからICは夜九時以降じゃないと来れないという患者家族
も同罪で。

投稿: | 2017年1月20日 (金) 13時08分

…またぁ?いい加減飽きたんですけどぉ??しょうがないなあ、これで最後ですよ?

そんなブラック病院に勤めているあんたが全面的に悪い!!!!!

投稿: 10年前にドロッポしました。 | 2017年1月20日 (金) 15時27分

医師の場合基本的に売り手市場のはずなのに、労働環境の改善が進まないのは興味深いことだと思います。

投稿: 管理人nobu | 2017年1月20日 (金) 16時50分

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