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2017年1月10日 (火)

年々癌死亡者は増加している、と言うわけではなく

薬漬けの治療法に疑問を感じ、「薬を使わない薬剤師」を目指す過程で薬剤師業は辞めてしまったと言う宇多川久美子氏が、先日こんなおもしろい記事を書いていました。

がん医療が飛躍的に進歩でも、年々がん死亡者増加という不都合な真実…がんの定説が間違っている疑い(2017年1月7日ビジネスジャーナル)

 現在、日本人の死因の1位はよく知られているとおり「がん」で、死亡者数のおよそ3割を占めています(2015年、厚生労働省人口動態調査)。
 日本で、がんが初めて死因の1位になったのは1981年のこと。それ以来、がんの死亡者数は年々増え続け、現在にいたるまで死因1位の座を不動のものとしています。

 この数字が物語るとおり、がんは多くの人の命を奪う恐ろしい病気です。がんと聞けば、誰もが深刻にならざるを得ないほど、その恐ろしさが周知されています。
 それだけに、がん治療の研究は絶え間なく続けられており、その成果として新しい技術や新しい薬が次々に開発されています。
(略)
 普通に考えるなら、がん治療の進展に伴い、医療環境が整った日本におけるがんの死亡者数は年を追うごとに圧倒的に減っていくはずです。
 ところが実際には、この日本において、がんで亡くなる人の数は年々増えつづけています。がん治療の研究は継続的に行われているというのに、なぜ死亡者数は減少しないのでしょうか。
(略)
 現代の西洋医学では、がんは無限に増殖するとされています。これは近代医学の祖といわれるドイツ人医師のルードルフ・ルートヴィヒ・カール・ウィルヒョウ(1821~1902)の「がん細胞増殖説」に基づくものです。ウィルヒョウは、「がん細胞は、ひとたび発生すると無限に増殖を続ける」と主張しました。
 しかし、その説に沿うと、納得できない面があります。がんは、1回分裂すると2個になり、2回分裂すると4個……、40回で 1兆個に達します。この計算でいくと、46回目の分裂で64兆個となり人間の細胞の数とされる60兆個を超してしまいます。
 ウィルヒョウの理論では、「正常な細胞の多くは、分裂を数十回くり返すと、それ以上の分裂能力を失うか、細胞がアポトーシスするように設計されている。しかし、DNAに異常のあるがん細胞は、アポトーシスすることなく分裂を続ける。そして分裂・増殖を繰り返し、ついには宿主(患者)を死に至らしめる」とされています。

 しかし、これは150年も前の時代の理論です。私たちの体内には、毎日5000個ともいわれるがん細胞の元が発生しています。ウィルヒョウの説が正しければ、人類はとっくに滅亡しているはずです。毎日がん細胞ができているのに人類が100万年以上も生き延びているのは、NK細胞をはじめとする身体の免疫システムが、がん細胞の増殖を抑えてくれているからです。
 ウィルヒョウの時代には、免疫細胞の存在すら見つけられていませんでした。そのため「がん細胞・無限増殖論」に世間は納得したかもしれません。しかし、免疫細胞の存在が明らかになった現代でも、なぜかまだウィルヒョウの理論が定説となっているのです。
 日本人のがん死亡者数が減らない原因のひとつは、いまだに「がん細胞・無限増殖論」を信じるあまりに、自分自身が持っている免疫の力を忘れてしまっているからではないでしょうか。

さすがに全部を紹介するのはなかなか厳しいものがありますが、この人間の精神構造を理解する上で非常に興味深いテーマを投げかけてくれる宇田川氏の独創的な理論については各方面で解説されているようですので、興味と精神的耐性に自信のある方はご参照いただければと思います。
宇田川氏にとっては残念なことに「がん細胞・無限増殖論」を信じるどころかそんなものの存在すら知らないだろうイヌやネコの世界においても癌による死亡が年々増加していると言う事実があって、この一点をもってしても同氏の理論は破綻していると思いますが、このことから誰しも思いつくことは人口高齢化が癌を増やしているのではないかと言う疑問ですよね。
実際に宇田川氏を始めとする「何故癌は未だに増え続けるのか」論者(仮名)にとっては残念なことに、人口高齢化の影響を除いて比較するとすでに1990年代から癌による死亡率は低下し続けている(と言うより、ほとんどの疾患の死亡率は低下してきている)と言う事実があり、コスパと言う点では未だ議論の余地があるとは言え医学的進歩はその成果を挙げつつあると言っていいようです。

ただそのコスパと言う観点からすると癌治療が必ずしも褒められたものではないと言うことは実は年々顕著になっていて、一つには昨今話題になることが増えているように超高額な抗癌剤が続々登場していると言うこともあげられますが、一方で治療法の進歩により癌になっても長く生きられるようになったために治療費が高くなっていると言う面もあります。
多くの癌は手術によって治せる場合はまず手術を考え、癌が取りきれなかった場合あるいは手術が出来なかった場合には抗癌剤や放射線治療などを行うと言う方針になると思いますが、この場合手術一回で完全に治る場合がもっとも安上がりになる一方で、何年も高額な抗癌剤治療を続けていればトータルでの費用は大変なものになるでしょう。
無論皆保険制度によって患者負担はそこまでのことはありませんが、医療費抑制論の行き着くところこうした高額な医療にどこまで保険を認めるべきかと言う議論は定期的に出てくる話で、仮に今後治療法の進歩によって癌患者がさらに長く生きられるようになってきた場合、毎月何百万もする治療を受ける患者が社会の中で次第に増えて行く可能性もあるわけです。
諸外国ではコスパなど様々な指標を元に高額な医療に対する保険給付を制限する動きが広まってきていて、当然ながらこの種の抗癌剤治療などは直接的にその影響を受けることになりますが、現在日本で行われようとしている緊急避難的な薬価切り下げで抜本的な解決が得られるとは到底思えない話で、我々はいずれ嫌でも「癌治療費無限増殖論」と向き合わなければならなくなると言うことでしょうね。

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コメント

>我々はいずれ嫌でも「癌治療費無限増殖論」と向き合わなければならなくなると言うことでしょうね。

 癌に限ったことじゃありません。
 腎不全(透析)は昔からでしたが、心不全、認知症も先延ばしにする技術は次々開発されてきてますから、負担になってくるのも時間の問題。団塊の世代で社会実験されることになります。

投稿: | 2017年1月11日 (水) 16時51分

リミッターが必要だってのはみんなわかってるのでは
問題は誰がどんなリミッターをかけるのかでしょ
政治家は選挙が怖いから言わないだろうな

投稿: | 2017年1月11日 (水) 22時51分

財務省が悪役になっての医療費抑制政策拡大というのが、その現実的な落とし所になりそうには思います。

投稿: 管理人nobu | 2017年1月12日 (木) 11時32分

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