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2017年1月18日 (水)

偽の肝炎治療薬、発見される

当然に予想されたことと言うべきでしょうか、こんなニュースが出ていました。

C型肝炎治療薬の偽造品が流通(2017年1月17日NHK)

奈良県内の薬局で、C型肝炎の治療薬の偽造品が確認され、厚生労働省と奈良県が、流通経路を調べています。これまでに健康被害の報告はないということです。

偽造品が確認されたのは、アメリカの製薬会社「ギリアド・サイエンシズ社」のC型肝炎の治療薬、「ハーボニー」です。
厚生労働省と奈良県によりますと、今月10日、奈良県内の薬局で「ハーボニー」を処方された患者から、「いつもの薬と違う」という問い合わせがあり、連絡を受けたギリアド・サイエンシズ社が回収して検査した結果、偽造品とわかりました。

製薬会社などが偽造品を処方した可能性がある奈良県内の薬局などを調査したところ、ほかにも2か所で、4つの偽造品が見つかったということです。
正規品の「ハーボニー」は、ひし形をしただいだい色の錠剤ですが、偽造品はまだら模様で、薄い黄色など色や形が違うものがボトルの中に混入していました。
実際に購入した患者は1人だけで、これまでに健康被害の報告はないということです。

ギリアド・サイエンシズ社は、ホームページで、詳しい情報を掲載して、偽造品が疑われる場合は、連絡するよう薬局や医療機関に呼びかけています。
また、厚生労働省と奈良県は、偽造品が流通した経路について調べています。

C型肝炎治療薬の偽造品=奈良の薬局チェーンで発見-厚労省(2017年1月17日時事通信)

 厚生労働省は17日、米ギリアド・サイエンシズの日本法人が販売するC型肝炎治療薬「ハーボニー配合錠」の偽造品が、奈良県内の薬局チェーンで発見されたと発表した。偽造品に含まれる成分を調査中で、厚労省と同社は患者や医師、薬剤師に対し注意を呼び掛けている。
 同社によると、これまでに偽造品の服用による健康被害などの報告はない。ひし形でだいだい色の同錠の正規品とは明らかに外見の異なる錠剤入りのボトル5個が、チェーンの本部や店舗計3カ所から見つかった。ボトルには、外見の異なる錠剤だけが入ったものと、正規品に似た錠剤と混在したものがあった。偽造品は、同社の正規取引先以外の経路から入手されていたという。
 錠剤の外見が異なっていることに気付いた患者が、処方した薬局に持ち込んで発覚した。同社は奈良県警への被害届の提出を検討している。
 厚労省によると、ハーボニー配合錠は1錠約5万5000円の高額薬品で、2015年9月に国内販売が開始された。昨年12月までの利用者は約7万6000人。 

厚労省の報道発表資料についてはこちらを参照いただきたいと思いますが、ハーボニーの偽造薬が確認されたのは全国でもこれが初めてなのだそうで、これだけ高価な薬であるだけにむしろ今までよく表沙汰にならなかったものだと思います。
偽造品はギリアドの正規取引先以外の経路から入手されたものだと言いますから、この薬局チェーンかその卸業者のいずれかが非正規ルートを使って偽造品を掴まされたと言うことですが、今のところ特定薬局チェーンにだけ限定していると言うことですからどうなのでしょうね。
この偽造品がうまいと思うのは12週間だけ使用する薬であり、しかも4週間分をまとめて処方するパッケージになっていますから患者が偽物と気づくチャンスは最大2回しかなく、最初から最後まで偽造品が処方された場合にはそれが偽造だと気づく可能性すらないと言う点で、いつも同じ薬を長年処方されるタイプの薬とは話が違うと言うことでしょうかね。

ところでこの場合健康被害があったなかったと言う、その健康被害とは何なのかと言うことが気になったのですが、例えば何の役にも立たない砂糖玉を処方されていたとしても何ら健康上の不利益はなく、健康被害はなかったと言えるかも知れません。
ただ使えば実質的にほぼ100%肝炎ウイルスが消える薬であり、なおかつ非常に効果で医療費助成がなければ使いがたいものである上に、その医療費助成が通常一生に一度だけしか認められないと言うことであれば、偽物薬を掴まされた結果一生に一度だけのチャンスを逃がしたと言う方もいて不思議ではないわけです。
その結果肝硬変になりました、肝臓癌が出来ましたという話になれば場合によっては莫大な損害賠償の発生する可能性もありそうですが、さてその責任はどこの誰が取ることになるのか、今後の捜査の行方を見守っていきたいですね。

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コメント

だんだんと奏功率が下がってきたら偽物蔓延の可能性があると。
今回のヘタな偽物よりずっと精巧なのも出るでしょうね。

投稿: ぽん太 | 2017年1月18日 (水) 08時54分

今回は剤型が不均一など質的に粗雑でしたが、今後もっと精巧な偽薬が登場した場合見分けられるかどうか疑問がありそうです。

投稿: 管理人nobu | 2017年1月18日 (水) 13時02分

これまでにハーボニーを処方されたことのある患者さんを全数調査した方が良さそうです。
偽物を掴まされたために治療に失敗した患者さんが「薬をきちんと飲まなかったから」ってことにされているケースがありそうで・・・

投稿: クマ | 2017年1月19日 (木) 08時50分

薬局は訴えられるかな?

投稿: | 2017年1月19日 (木) 12時37分

偽C型肝炎薬、都内でも 卸元2社、無許可個人から納入か

2017年1月24日 東京新聞

 C型肝炎治療薬「ハーボニー」の偽造品が奈良県の薬局チェーンから見つかった問題で、厚生労働省は二十三日、卸元に当たる東京都内の卸売販売業二社の在庫から、偽造品数十錠入りのボトル計九本が新たに見つかったと発表した。九本の仕入れ先は卸売販売業の許可を得ていない個人の可能性が高いことも判明。厚労省は医薬品医療機器法(旧薬事法)違反の疑いもあるとみて関係自治体に詳しい調査を求めた。

 奈良県は同日、偽造品が最初に見つかったのは「関西メディコ」(奈良県)が運営する「サン薬局」の同県内の三店舗と公表した。全五十九店舗を調査した結果、新たな偽造品は見つからなかったとしている。

 厚労省によると、奈良県や東京都が流通ルートを調査した結果、複数の業者を介して関西メディコに卸していた都内の卸売販売業一社の在庫から偽造品六本を発見した。

 この会社から医薬品を仕入れている別の卸売業一社の在庫からも偽造品三本が見つかった。関西メディコにはハーボニーを卸していないため、厚労省はこの会社を通じて別の薬局などに流通した可能性の有無も調べている。

 奈良県の三店舗で見つかった五本も含め、偽造品はいずれも正規の箱と添付文書(説明書)がない状態で流通していた。

 ハーボニーを製造販売する米製薬会社ギリアド・サイエンシズは、正規の箱に入っていない製品があれば同社に相談するよう呼び掛けている。

投稿: | 2017年1月25日 (水) 19時58分

「2万~3万円安く購入」 偽造C肝薬、奈良の薬局
その他 2017年1月25日 (水)配信共同通信

 C型肝炎治療薬「ハーボニー」の偽造品が奈良県の薬局チェーンで見つかった問題で、薬局を運営する「関西メディコ」(同県平群町)が24日、取材に応じ「ボトル1本当たりの価格が正規の販売ルートより2万~3万円安い業者からも購入していた」と説明した。

 同社は、ハーボニーを製造する米製薬会社ギリアド・サイエンシズが指定した卸売販売業1社から正規品を購入していたのとは別に、安価で計4社から仕入れていた。ギリアド社から、患者に渡す前にボトルを開けないよう説明を受けており、中身は確認していなかった。

 正規品と同じボトルで、製造番号やメーカー名も記されており、見分けが付かなかったという。偽造品には正規の箱がなかったが、関西メディコの担当者は「ボトルは密閉されており、中身が偽造品かどうか疑う余地はなかった」と話した。

 奈良県は、関西メディコが運営する「サン薬局」の全59店舗を調査し、新たな偽造品は見つからなかったとしている。

投稿: | 2017年1月29日 (日) 14時21分

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