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2016年12月 3日 (土)

久しぶりにガチな取材と話題のアレ

今日は珍しく?マスコミに絡んでちょっと感心した人が続出と言う話題を紹介してみるのですが、その前にまずは昨今話題になることの多い大手広告代理店について今度はこんなニュースが出ていました。

電通、NHK取材に「自浄能力がない」と感想を述べた若手社員を「戒告」の懲戒処分にして自浄能力のなさを改めて示す(2016年11月30日マイニュース)

 電通が、社長セッションのあとでNHKの出待ち取材に答え「自浄能力がない会社だなと思う」等と感想を述べた20代社員に、始末書を書かせて「戒告」の懲戒処分を下していたことがわかった。先週(11月21日の週)の局会や部会等を通して、大半の現場社員に知れわたった。社員からは「ごく普通の意見で何も処分されるような内容ではない」「経営側にとって都合の悪い話が出ないよう、締め付ける目的」「かわいそう」といった同情の声ばかりが聞かれた。NHKは本人を特定できる形で、かつ「40代社員」と見た目で適当に判断して年齢を偽った報道を行い、翌日になって該当部分を丸ごと削除。誤報のうえ、取材協力者に報道被害を与え、処分で電通社内を萎縮させ、視聴者には説明なく突然「なかったこと」にするという、報道倫理が欠落した、ずさんな仕事ぶりだった。

 社員によると、石井社長からの説明は、レジメを見ながら、一方的なスピーチ形式で、およそ40分強、続いた。大枠として、3つの問題点→3つの視点からの改革→4つの具体策→2つの投資、という順番に説明された(左記概要を参照)。どれも当り前のことばかりで、逆にこれまでの経営不在ぶりが際立つ内容だ。
(略)
 そして、「様々な社員のみなさんの声を取り入れて、みなさんとともに新しい電通を作っていければ、と思っています」と述べ、最後に、あらかじめ用意された、いくつかの質問に答えたという。そのなかの1つが、以下だ。

 ――具体的に、どの業務を減らすのか?
 石井社長「ここではお答えできません。なぜならば、業務そのものに関しては、個別に、取引相手のある話だから。先日来、社内の文書が外に漏れている。業務そのものに関する内容は、相手様があるから、答えられない。情報が漏れることについて申し上げれば、ご自分の考えを述べることはもちろん構わないが、社内の情報を外に出すことは、明確な社規違反です」

 以上が、社長セッションの概要であった。「社員のみなさんの声を取り入れて」「ご自分の考えを述べることはもちろん構わない」と述べていることに注目していただきたい。その直後に、「社員のみなさん」の1人が「ご自分の考えを述べ」たら、即刻、処分されたからだ。
 経営者は、口先ではなく、行動で判断される。本音では、何も変わろうとする気などない、ということだろう。
(略)
 この社長セッションが終わり、電通ホール(電通本社ビル隣接)から出てきた社員は、次々と待ち構えていたマスコミから、コメントを求められた。多くは、黙っていた。そのなかに、正直に感想を述べた若手社員がいた。内容から判断するに、これは本音だ。
 NHK NEWSウェブでは「外から圧力がかからないと変わらないのは悲しいことで、『自分たちのことは自分たちで』という考えがない。自浄能力のない会社だ」と報じられた(冒頭画像参照)。NHK『ニュース7』の字幕では、「捜索が入って急に騒ぎ出すのは自浄能力のない会社だなと思う」と記された。

 電通の過労死事件は今回が初めてではなく、実際に再発したという事実があるのだから、「自浄能力のない会社だなと思う」という発言は、論理的に正しい客観的事実を述べているにすぎないし、社内の業務内容についてしゃべっているわけでもない。きわめて一般的な感想にすぎない。
 だが、電通は体育会系・軍隊気質の社風。規律を重んじ、上の言うことは絶対で、意見を言う者は「口ごたえ」とみなされ、許されない。小さな会議ですら、1年目が意見を言うなどとんでもない、というカルチャーだという。だから、上から押し付けられる理不尽に大量な仕事を断れず、過労死事件が起こったのである。社長のスピーチに対して、20代の若造が感想を述べるなど、とんでもない口答え、なのだった。
 この感想に逆ギレした石井社長は、電通として、この20代社員に、戒告処分を言い渡した
(略)

件の企業の体質がそういうものであると言うのは半ば公然の事実ですから仕方がない部分もありますが、一若手社員にいわば押しかけ取材でこれだけ迷惑をかけたNHKが謝罪するでも社長に取りなすでもなく、単に全てをなかったことにして終わりと言うのは何とも情けない話で、天下のNHKも強者には逆らえなかったと言うことなのでしょうかね。
とは言え大手企業ともなれば社長と下っ端社員との格差は天と地どころか天国と地獄ほども違っていると言うことなのでしょう、社長に平社員が意見めいたことを口走るなど論外だと言う考えは決して特殊なものではないのかも知れませんが、ましてやそれがアルバイトやパートタイマーであればそもそも眼中にないと言うものなのかも知れません。
ところが先日とある人物が、社長に意見するために敢えて自らアルバイトの身分に身を投じてみせたと言うニュースが出ていて、世間からその覚悟の程が半端ないと大いに話題になっているようです。

週刊文春のユニクロ潜入取材レポが「ガチ」と話題に ユニクロから訴えられたジャーナリストが改名してバイトしてみた(2016年11月30日ねとらば)

 著書「ユニクロ帝国の光と影」でユニクロから訴えられたジャーナリスト・横田増生氏が、名字を変えて昨年からユニクロでアルバイトをする潜入取材を行い、12月1日発売の「週刊文春」(文藝春秋)にレポート記事を掲載することが分かりました。文藝春秋の告知を受け、ネットでは「ガチや」「これはすごい」とその取材姿勢が話題になっています。

 週刊文春Webの記事によると、同著におけるユニクロの長時間労働についての記述が名誉毀損に当たるとして、2011年にユニクロは版元の文藝春秋に2億2000万円の損害賠償を求めて提訴しましたが、最高裁まですべて敗訴。判決確定後に横田氏はユニクロの決算会見へ参加を希望しましたが、氏による別の記事を理由に取材を拒否されていました。

 またユニクロを運営するファーストリテイリングの柳井正社長は、ブラック企業批判について「悪口を言っているのは僕と会ったことがない人がほとんど。会社見学をしてもらって、あるいは社員やアルバイトとしてうちの会社で働いてもらって、どういう企業なのかをぜひ体験してもらいたいですね」(「プレジデント」2015年3月2日号)と語っていたそうです。

 そこで横田氏は、法律にのっとり名字を変えて昨年10月からユニクロでアルバイトを始め、現在も新宿の超大型店「ビックロ」で勤務しているとのこと。1年にわたる潜入取材のレポート記事を「週刊文春」に掲載します。3店舗、総計800時間を超える勤務から「社員たちのサービス残業や人手不足、創業感謝祭(11月23~29日)の過酷な勤務の実態が浮かび上がる」と文藝春秋は告知しています。

 「ぜひ体験してもらいたい」というユニクロ側からの発言を受け、本当に勤務、しかも改名までしたその取材姿勢に、Twitterでは「執念やな」「これは凄い」など驚きの声があがっています。

問題の記事をまだ目にしていないのでその内容については論評することが出来ないのは残念なのですが、しかしここまでやられるとこれは是非とも読まなければと考えてしまう人が少なからずと言うことなのでしょう、ネット上ではこれは買うと言う声が多数上がっているようです。
もちろん当事者の意に沿わない記事を書く人間の取材を受ける義務は企業であれ個人であれないわけですから、単に気に入らないと言う理由だけで取材を拒否すること自体は全く正当な権利の行使だと思いますけれども、それに対してこうした切り返し方と言うのは意外性もあって、何ともジャーナリスト魂を見せられたような気がしますね。
皆さんも機会があれば記事に目を通してみていただければと思いますが、しかし「社員やアルバイトとしてうちの会社で働いてもらって、どういう企業なのかをぜひ体験して」もらった柳井社長がこの記事にどういう反応を示すのか、記者氏の今後についても注目したいところです。

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コメント

クビになったらしいね
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20161207-00006861-sbunshun-soci

投稿: | 2016年12月 7日 (水) 21時20分

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