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2016年12月24日 (土)

その答えは仕事ではなく遊びだから?

このところ違法な長時間労働を強いていたとして各方面でブラック企業と糾弾される向きが増えているようですが、そんな中でこんな発言が話題になっていました。

エイベックス松浦氏が労基署の是正勧告を受けコメント 「時代に合わない労基法なんて早く改正してほしい」(2016年12月22日キャリコネニュース)

エイベックス・グループ・ホールディングスが、社員に違法な長時間労働をさせていたとして、12月9日に三田労働基準監督署から是正勧告を受けた。これを受けて、同社の代表取締役社長の松浦勝人氏が22日、自身のブログで労働基準法についての持論を展開した。

毎日新聞の報道によると、同社は三田労基署から、社員の実労働時間を管理していない、長時間残業をさせている、残業代を適正に支払っていないなどと指摘され、9日付けで是正勧告を受けた。
これを受け、松浦氏は22日に自身のブログを更新。「労働基準法 是正勧告とは」と題された記事で、持論を展開した。
松浦氏は、是正勧告を「真摯に受け止め対応はしている」としながらも、「労働基準監督署は昔の法律のまま、今の働き方を無視する様な取り締まりを行っていると言わざるを得ない」と反論する。
2015年に労働基準監督署が指導した8500の事業場のうち、「75%以上が何かしらの違反とみなされている状況」を挙げ、「そもそも法律が現状と全く合っていないのではないか」と指摘。また音楽業界では、「好きで働いている人が多い」のだから、長時間労働を抑制するのはいかがなものなのかと苦言を呈している。

    「僕らの仕事は自己実現や社会貢献みたいな目標を持って好きで働いている人が多い。」
    「(長時間労働を抑制すると)自分の夢を持ってその業界に好きで入った人たちは好きで働いているのに仕事を切り上げて帰らなければならないようなことになる。」
    「好きで仕事をやっている人は仕事と遊びの境目なんてない。僕らの業界はそういう人の『夢中』から世の中を感動させるものが生まれる」

音楽業界などで働く人々は夢を持って、好きで働いているのだから、好きでしている長時間労働を抑制しないでほしいというのだ。
そして改めて「時代に合わない労基法なんて早く改正してほしい」と、労働環境の改善ではなく、労働基準法の改定の方を主張している。

今回同社が労働是正勧告を受けたことに関して、ネットでは、

    「労基はどんどんあぶり出していってほしい
    「ユニクロ、電通に続きエイベックスも労基調査入りか。こうやって大手からどんどんブラック企業がなくなればいいのに。」

と労基署の対応を支持する声が出ていた。
ただ一部からは「エンタメ業界は労基法を守っていたら成り立たない」という声も。エイベックスだけに留まらない、業界全体の問題もあるのだろう。いずれにしても、「世の中を感動させるもの」を生み出す人々が快適に働けるようになるになるためには、まだ時間が掛かるのかもしれない。

当然ながらあまり好意的な反応を持って迎えられたとは言えないこの発言、現場労働者が言うならまだしも働かせる側の社長が言うのはアウトだろうとか、労基法がない時代そのままの旧態依然の労働を強いる経営者だとか、様々な意見が続出しているのはまあ仕方がないところなのかも知れませんね。
実際に現場で働いているスタッフにアンケートなりを取ってみれば松浦氏の主張が正しいかどうか判りそうですが、実際には「仕事が遊びで遊びが仕事」が持論だと言う松浦氏の会社からは新卒入社の3-4割が入社5年以内に辞めていくのだそうで、少なくともエンターテイメントとして社員にあまり上等なものを提供出来ているようには思われません。
その他にも松浦氏については様々な好ましからざるスキャンダルが報じられているようで、反社会的な考え方に基づいて社員を酷使しなければやっていけない業界なのか、それとも松浦氏だけが際立って異常なのかは何とも言えませんが、いずれにしてもそうした状況にある同社なり業界なりのあり方の方に問題なしとはしないだろうと言う意見が多数派を占めているようです。

ただ注目したいのはこうした報道においてしばしば雇用者側から同じように「社員はもっと働きたがっている!」「画一的な法律で社員のやる気を削いで良いのか!」と言ったコメントが出ることですが、特に「労基法を守っていたら仕事が成り立たない」式のコメントはどこの業界でも同じように出てくるものですよね。
ただこうした労働量の管理を何故うるさく言うようになってきたかと言えば、その線を超過していると心身の健康を損ない結局は仕事の質も効率も落ちていくと言うことが背景にあるのですから、特に絶対に失敗の出来ない重要な仕事を任されている業界ほど労基法を守らなければならないだろうし、実際に旅客機パイロットなどは非常に厳重な労働規制を敷いていると言います。
一方で某業界のように「法律を守っていては」云々と言い訳をしながら長時間連続勤務を日常的に行っている業界もあるわけですが、これについても現場からはどんどん摘発してもらった方が、異常な労働環境が長年習慣的に続いてきたものがさっさと正常化していいと言う声も出てきていますから、いずれにしても労基署が手心を加える必要はなさそうだと言うことですね。
しかし松浦氏を始め世の社長さん方がどのような理由や原因によって労基法の基準を超えた労働を現場に強いることになったとしても、残業代も支払わずただ働きをさせることへの弁解には全くならないんじゃないかとは思いますけれども、業界のあり方については御高説を垂れても何故決められた給料も払わないかと言うシンプルな問いについてはまともに答えてくれないのでしょうかね。

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