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2016年11月 5日 (土)

ようやく大阪市が給食費滞納者への対策に乗り出す

近年では生活保護受給者の過剰受診対策など全国的に見ても先進的な政策で話題になることも多い大阪市ですが、全国的にも問題が深刻化しているあの件について対策を打ち出したと報じられています。

滞納給食費、悪質保護者は弁護士が回収!…大阪市、未納1億円超「逃げ得許さぬ」 政令市で初(2016年10月24日産経新聞)

 学校給食費の滞納が増加している大阪市で、市教育委員会が11月から回収業務の一部を弁護士に委託することが24日、分かった。支払い能力があるのに再三の催告に応じない悪質な保護者が回収の対象。大阪市の滞納総額は昨年度末時点で小中学校合わせ1億円超に上り、滞納額は全国の中で多いとみられる。教育現場の負担軽減とともに、法律の専門家に託すことで「逃げ得」を許さない強い姿勢を示す。給食費の滞納整理業務に弁護士を起用するのは政令指定都市で初めて。
 市教委によると、債権回収で実績のある弁護士と契約し、高額滞納者への督促や簡易裁判所への支払い督促申し立てなどを任せる。今年度は計約2千万円分の委託を見込み、弁護士への報酬は回収額に応じた出来高制とする。

 大阪市の給食費は小中学校とも1カ月約4千円。平成27年度の1年間に発生した新規滞納額は給食費全体の1・3%にあたる約8600万円(4165件)で、約5700万円だった26年度の1・5倍に達した。
 文部科学省の調査(24年度)によると、全国の公立小中での未納額の割合は給食費全体の0・5%。年度が異なるため単純な比較はできないが、現在の大阪市の未納割合は高いとみられる。
 年度をまたいで未納が続く“焦げ付き”を含めた市の27年度末時点の滞納残高も約1億1300万円(5606件)に上る。

 滞納額が膨らんだのは、小学校に加え、24年度から中学校で段階的に給食を導入し、26年度の新入生から全員給食制になったことが理由とみられる。
 滞納者については、生活保護受給世帯には給食費全額が支給され、経済的に困窮している家庭に対しては2分の1(小学生は全額)を支給する制度があるため、市教委は「支払う能力があるにもかかわらず、意図的に滞納している家庭が多い」とみている。

 滞納給食費の回収についてはこれまで、学校側からの報告を受け、市教委職員が催告状の送付や簡裁への申し立てなどを実施。昨年度は11件(約110万円)について強制執行で資産を差し押さえるなど法的措置も辞さない姿勢で臨んだが、まったく応じない未納者もいたという。
 市教委は、弁護士からの働きかけで早期の滞納解消につなげるとともに、督促業務に追われ、本来の教育事務に手が回らなくなりがちな現場の負担軽減も図りたい考えだ。担当者は「たかが給食費ではなく、れっきとした債権だ。子供たちのためにも保護者は支払いに向き合ってほしい」と話している。

「義務教育やろ。何で払わなあかんねん!」保護者の低いモラルなど課題さまざま…全国未納額22億円、弁護士導入の先行自治体で効果(2016年10月26日産経新聞)

 給食費滞納への対応として、大阪市教委が弁護士への一部委託を始めるが、この問題については全国の学校関係者が頭を悩ませている。文部科学省の調査では全国の公立小中の未納額推計は約22億円(平成24年度)にのぼる。背景には保護者のモラルの低さとともに制度上の問題も浮かび上がる。

 「義務教育やろ。何で俺らが払わなあかんねん」。大阪市立小学校で教諭をしていた50代の男性が、こうした発言を、給食費未納の保護者から浴びせられたのは1回にとどまらないという。
 公立小中学校では、調理設備や調理員の人件費などは自治体など学校の設置者が負担している。保護者に給食費として負担を求めているのは食材購入費などだけだ。しかし、それすら払おうとしない保護者への対応に、教育現場は労力を割かざるを得ないのが現状だという。
 「督促に反応してくれるだけでもましなのかもしれない。完全に無視され連絡もつかないこともある」。男性は、そうため息をついた。
 文科省の調査で未納の原因を尋ねたところ、「保護者の責任感や規範意識」と回答した学校は61・3%に上り、「経済的な問題」の33・9%を大きく上回った。

 一方で、管理制度の問題も一因にあるとみられる。
 全国の小中学校の7割近くが採用している学校ごとの独立会計(私会計)では、滞納の保護者との折衝は担任や教頭、校長ら学校現場が主体。通常業務に加えて家庭訪問で督促を行うなどの負担が大きい上、法的措置など強い対応に乗り出しにくい。このため自治体として給食費を一括管理する「公会計」に切り替える動きも出ている。
 大阪市教委は26年度に公会計に変更し、事務局職員が滞納への対応に主体的にあたるようになった。「学校現場の負担を減らすことができ、滞納者への対応も明確に行えるようになった」(担当者)。しかし教職員の負担は皆無ではなく、職員からの働きかけでも徴収に限界はある。
 大阪市に先行して、昨年度から弁護士への委託を本格導入している東京都練馬区によると、導入前の25年度1年間で約260万円に上った給食費未納額は、27年度では半分以下の約120万円に減少した。弁護士からの督促で分割納付に応じたり、短期の未納にとどまるケースが増えているという。

大阪だけが特殊と言うわけではなく全国各地で同様の問題に頭を抱えている自治体は多いと思いますが、今どき債権回収の方法論は幾らでもあるわけですから、適宜そうした手段を講じていかないと不公平感をますます助長すると言うことにもなりませんよね。
先行して弁護士委託を導入した自治体では大きな効果があったと言うことですから、むしろ何故全国各地の自治体がこうした対策を講じないのかと言うことですが、金銭的な面だけを考えれば弁護士委託によるコストも相応なものがありますから、小学であればこのまま黙認しても…と言った事なかれ主義が背景にあるのかも知れません。
ただ現状ではただでさえ多忙な現場の教員が畑違いの督促に走り回っていると言うことの方が大きな問題で、大阪市ではすでに教職員から事務局職員に督促の主体を変更したと言うことですが、むしろこうした対策の方が現場ではより急がれているものではないかとも思えます。

根本的にはこの問題、そもそも支払いもないのに給付を行っていると言うことが問題で、高校や大学で行っているようにお金をきちんと出した人にだけ食事を出すと言うことが本筋なのでしょうし、アレルギーや食育等の関係からむしろ給食はいらないと言う家庭も一定数いるわけで、その選択の自由は確保すべきだとは思います。
ただ本来的に学校給食とは食事も食べられない家庭生活の中で一日一食くらいは子供にきちんと食事を与えたいと言う動機が出発点だったそうですから、やはりそれを求める全児童に給食を出すべきだと言う考え方もあるはずですから、そうなりますとそもそも現金を児童が持参すると言う現在の徴収の方式から改める必要があるかとも思いますね。
こうしたことは本来入学時の契約関係として締結しておくべきと言う考え方もあり、在学中の必要経費はあらかじめ入学時に説明し徴収しておき余った分は卒業時に返還すると言ったやり方も考えられるかと思いますが、督促を受けても払う気のない人に教員が無駄な時間を漫然と使い続けることが一番馬鹿馬鹿しいことですから、まずは制度的にそこの手当から始めるべきかと言う気がします。

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