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2016年11月15日 (火)

高齢ドライバーの重大事故、またも相次ぐ

このところ登校中の学童の列に軽トラが突っ込んだり病院駐車場で車が暴走したりと高齢ドライバーの絡む死亡事故が相次いでいますが、こちらその異様な光景が注目を集めた事故のニュースです。

コンビニに車突入し「たばこくれ」認知症か(2016年11月11日日本テレビ)

 11日午後、東京・板橋区のコンビニエンスストアに80代の男性が運転する車が突っ込み、客2人がケガをした。

 警視庁によると11日午後1時半ごろ、板橋区・三園のコンビニ「ファミリーマート三園一丁目店」に乗用車が突っ込んだ。車は近くに住む80代の男性が運転していて駐車場に車を止めようとしたところ、車止めを乗り越え正面から店に突っ込んだという。

 目撃者「車が突っ込んで(車が店の)中に入ってから(運転手が)『たばこくれ』って言ったんですよ」

 はね飛ばされた陳列棚などが当たり、客2人が軽傷。運転手の男性は調べに対し「全く覚えていない」などと話しているということで、警視庁は男性が認知症の可能性もあるとみて過失運転致傷などの疑いで調べている。

どういう豪快な買い物客だと話題になっていましたが、しかしコンビニに車で突っ込んできてお客を怪我させておいて「たばこくれ」ですから、見ていた人達もずいぶんと驚いたのではないでしょうか。
いずれの事件も共通するのは80代高齢者の運転による事故であること、通常では少し考えられないような特殊な状況での事故となっていること、そして当事者がいずれも事故当時の状況を覚えていない、あるいは説明出来ないと言った点が挙げられますが、何かしら認知機能に異常を抱えていたのでは、と誰しも考えますよね。
運転免許自体には定年制などないとは言え、このところ高齢者の認知機能検査など様々な対策も取り入れられているところですが、それらをすり抜けてくる症例に対してどのように対応すべきなのかと言う課題が取り上げられるようになってきています。

高齢ドライバーの事故どう防ぐ 「認知機能診断」に課題(2016年11月12日朝日新聞)

 横浜市港南区で集団登校中の小学生の列に軽トラックが突っ込み、1年生の男児が死亡した事故で、横浜地検は11日、自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死傷)の疑いで逮捕された無職合田政市(ごうだまさいち)容疑者(87)について、鑑定留置を始めた。高齢ドライバーによる死亡事故の割合は増加しており、認知症かどうかの診断機会を来春から増やすが、戸惑いの声も上がっている。
 合田容疑者の鑑定留置の期間は3カ月。これまでの神奈川県警の調べに対し、「ごみを捨てようと家を出たが、帰れなくなった」「どこを走ったか覚えていない」などと供述しており、認知症の疑いがあるという。専門医による精神鑑定の結果を踏まえ、責任能力がないと判断されれば起訴されない。3年前に受けた免許更新時の認知機能検査では問題ないとされていた。
 合田容疑者は10月27日朝、ごみを荷台に積んだ軽トラックで横浜市磯子区の自宅を出発後、神奈川県内や東京都内で高速道路を出たり入ったりしていた。翌28日朝に事故を起こすまで断続的に走り続け、自宅周辺を何度も通り過ぎていたという。事故では男児1人が死亡したほか、児童4人と軽乗用車に乗っていた2人の計6人がけがをした。

■増え続ける高齢者の事故、道交法を改正へ

 警察庁によると、全国の車やバイクが起こした死亡事故のうち75歳以上の運転者の割合は年々高まり、昨年は12・8%だった。
 来年3月施行の改正道路交通法では、75歳以上が3年に1度免許を更新する際の認知機能検査で「記憶力・判断力が低い」と判断されれば、医師の診断を受けなければならなくなる。さらに75歳以上が道路の逆走や一時不停止といった違反をした場合も、認知機能検査が義務づけられる。認知症と診断されれば免許の停止や取り消しになり、受検しない場合も同様だ。
 警察庁によると、専門医は全国に約1500人で、専門外のかかりつけ医でも診断できるようにガイドラインを定めた。だが、専門医からは反発の声も出ている。八千代病院認知症疾患医療センター(愛知県安城市)の川畑信也センター長は「増えている認知症患者に今でも分刻みで対応している。法改正で年5万人もの高齢者が受診を義務づけられると見込まれており、十分な対応は無理だろう」。
 日本医科大学認知症センター(川崎市中原区)の北村伸部長は「車を必要とする患者から恨まれる可能性もあり、付き合いの長いかかりつけ医は認知症との診断をしにくいのではないか。『すぐに認知症と判断する』という評判が立てば経営にも響きかねない」と話す。
 警察幹部や医師がそろって指摘する決め手は運転免許の自主返納だが、全国で約1700万人いる65歳以上の保有者のうち、昨年の返納者は約27万人だった。
 昨年は75歳以上の約163万人が免許更新時の認知機能検査を受け、3・3%にあたる約5万4千人が「記憶力・判断力が低い」と判断された。このうち医師の診断を受けたのは1650人で、免許の取り消しや停止に至ったのは564人だったという。(古田寛也)
(略)
 認知症の高齢者に、運転をやめさせることができずに悩む家族も少なくない。
 「認知症の人と家族の会」(本部・京都市)にも相談が寄せられる。副代表理事の田部井康夫さんは「『やめて』と言ってもなかなか聞き入れてくれず、家族は苦労している。特に車がないと生活に困る地域では、家族が強く言いにくい面もある。家族だけに任せず、医師や警察など様々な関係者が本人に働きかける仕組みが必要だ」と話す。
 運転をやめてもらうには、車に代わる移動手段の確保が重要だ。注目されているのが、出発・到着時刻を指定できる「オンデマンド方式」の乗り合いバス。登録した住民が無料で乗れる「元気バス」を運行する三重県玉城町など、一部自治体が取り組んでいる。
(略)

とある調査によれば認知症疑いのある高齢者の4割は車を運転していると言いますが、一昔前のように若者の無謀運転が問題視される時代が遠く過ぎ去り、むしろ若者の車離れが懸念されるような時代になってきますと、若い頃からモータリゼーションの恩恵を十分に受け、車があるのが当たり前で育ってきたこれからの高齢者こそハイリスク層と言うことになりそうです。
車を運転することが当たり前になっている人間に対して車に乗るな、バスを使えと言うのもなかなか難しく、特に運動不足を自覚している若い世代にはともかく足腰の弱っている高齢者からすれば、いつでもドアからドアまで乗り付けられる車の利便性が捨てがたいでしょうね。
それに対してどのような対策を講じるべきかと言うことですが、もともと必要だから免許を維持しているのだと考える人が多いのでしょうし、特に地方では車があるのとないのとでは利便性が劇的に違いますから、何らかの代案無しでは納得し難いものがあると言うのも事実でしょう。
足腰の不自由な高齢者向けの移動手段としてシニアカーと言うものがあり、また昨今ではマイクロコミューターなどと言うものも開発されてきていますが、例えば免許を返納し車を処分した高齢者には何らかの個人交通手段を自治体が給付すると言ったことになれば、仮に事故なり起こった場合でもまだしも被害は軽減出来るのかも知れませんけれどもね。

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コメント

国も腰を上げたらしい

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161114-00000132-jij-pol

投稿: | 2016年11月15日 (火) 08時17分

毎年認知症検査くらいなんですかねえ?
運転しちゃいけないって診断するのも大変でしょうが。

投稿: ぽん太 | 2016年11月15日 (火) 09時09分

>警察庁によると、全国の車やバイクが起こした死亡事故のうち75歳以上の運転者の割合は年々高まり、昨年は12・8%だった。

単純に75歳以上の運転者の絶対数が増えたからでわ?って気もしないではないですねえ…。
http://blogs.yahoo.co.jp/japangibier/36108251.html
ちなみに総人口に占める75歳以上の割合は12.3%だそうです。
http://www.stat.go.jp/data/topics/topi721.htm

投稿: 10年前にドロッポしました。 | 2016年11月15日 (火) 12時07分

報道されている事故類型を見る限り、自動ブレーキ等の機械的な補助によって抑止できる事故も多いのではないかという気がしますが、装備装着を政策的に誘導出来るかでしょうか。

投稿: 管理人nobu | 2016年11月15日 (火) 12時55分

〇歳以上のドライバーズライセンスは「ナビ付き車限定」とする。
通常車はエンジンがかからなくする。「高齢者限定仕様車」はナビが逆走を感知するとAVS(Automatic vehicle Stopping なんちゃって)で自動停止、発煙筒と発炎筒に着火、車の前後に△反射板を展開して防犯ブザーを盛大に鳴らす。(即 実装可な価格になってるだろ、昨今のナビは) 
 老人車がぶつけに行くことは防止できるが、しかし停車した地点によっては、ぶつけられやすくなる。この場合、緊急避難的にぶつけたほうが 免責。

投稿: 妄想 | 2016年11月15日 (火) 15時39分

田舎道なら自動運転もいけるんじゃない
たまに道踏み外して谷底に落ちるかもしれないけど

投稿: | 2016年11月15日 (火) 16時54分

20日朝早く、兵庫県内の中国自動車道の上り線で
70代の男性が運転する乗用車がおよそ20キロにわたって逆走し、付近の区間が一時、通行止めになりました。
衝突事故などは起きませんでしたが、警察は男性から話を聞いて詳しいいきさつを調べています。

20日午前4時50分ごろ、兵庫県加東市の中国自動車道の上り線で「車が逆走している」と、
走行中の車の人から警察に通報がありました。

警察は、進行方向の先にある加西インターチェンジ付近で待ち構え、逆走してきた乗用車を止めたということです。

乗用車を運転していたのは県外に住む70代の男性で、
ひょうご東条インターチェンジからおよそ20キロにわたって逆走してきたと見られますが、
警察の調べに対し、「逆走しているとは思っていなかった」と話しているということです。

また、衝突事故などは起きなかったものの、
逆走の影響で、中国自動車道は現場付近の上り線がおよそ20分にわたって通行止めになりました。
警察は、さらに男性から話を聞いて詳しいいきさつを調べています。

NHK 11月20日 8時44分

投稿: | 2016年11月20日 (日) 09時58分

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