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2016年11月25日 (金)

外国人がタダ同然の医療を受けられる抜け道

各地で相当な金額になっている医療機関の未収金問題とも関連して、外国人の無保険者による未収金が特に一部公立病院を中心に問題視されていますが、ある意味その解決策とも言えそうなのがこちらの方法論です。

来日中国人が日本の医療制度に“タダ乗り”しようとしている!?(2016年11月22日日刊SPA!)

(略)
 中国・広東省出身の40代の中国人女性Wさんは、3年前から患っているC型肝炎の治療のため、2か月前に夫を伴って日本にやってきたばかりだ。
「中国で1年ほどインターフェロン投与による治療を続け、一旦は治ったようにみえたのですが、半年後に再発。そんななか、ほぼ完治するという特効薬・ハーボニーの存在を医者から聞いた。ただ、その薬は中国国内では承認されておらず、海外の医療機関で治療する必要があるとのことでした」
 興味を持ったWさんは、海外への医療ツアーを斡旋する複数の業者に接触した。ちなみに中国の患者数は約4000万人以上おり、国民病だ。こうした事情を受け、海外でハーボニーによる肝炎治療を仲介する業者は数多く存在するという。ただ、欧米での投与は完治までの滞在費を含め1000万円近くかかる。上位中間層に属するWさんにとっても、即断できる金額ではなかった。
「後発薬が使用されているインドや東南アジアなら100万円以下で済むらしいのですが、不安で踏み切れなかった。そんなとき、ある業者が日本での治療という選択肢を提案してきた」(Wさん)

 問題は彼女が支払う費用だ。
「医療費に業者への費用、滞在費をあわせて200万円ほどです」
 国が定めるハーボニーの薬価は5万5000円で投薬期間は12週間。完治までには薬代だけで最低465万円がかかる計算となる。
「国民健康保険のおかげです。薬代は月に1万円までしか取られないですから」(同)
 実は彼女の在留資格は、医療滞在ビザではなく、会社経営のために滞在する場合に発給される経営・管理ビザなのだという。留学ビザや経営・管理ビザ、就労ビザなどで日本に3か月以上合法的に在留するすべての外国人は、国民健康保険(会社員なら社会保険)への加入が義務付けられている。同時に、日本人加入者と同様の恩恵を受けることができる。ハーボニーは肝炎医療費助成制度の対象となっており、国保もしくは社保の加入者は、所得によって自己負担限度額が月額1万円もしくは月額2万円までに制限される。つまり薬価ベースでは465万円かかる投与が、最低3万円で受けられるのだ。さらにハーボニーの薬代以外の診察料や各種検査費用なども、国保なので「3割負担」で済む。Wさんが依頼した業者は、この制度に目をつけ、格安でC型肝炎治療を受けられる方法を彼女に売り込んでいたのだ。

 ちなみに医療滞在ビザで来日し、ハーボニー投与を受けた場合、滞在費を含めて600万円以上になると業者から言われたという。
 薬価と患者の負担額の差額は、保険料と税金によって賄われていることは言うまでもない。Wさんは「保険料はきっちり払っている」と強調するが、前年に日本で所得のない彼女の保険料は、最低額の月4000円程度だ。
 多くの日本人は、健康状態にかかわらず国保や社保の保険料を一生支払い続けなければいけない。治療目的で来日して国保に加入し、支払った保険料を大きく超えるような医療サービスを受けるというのは、公正とはいえない。
 ちなみにWさんのビザ申請は「業者任せなのでわからない」と言う。どういうわけか。中国人ジャーナリストの周来友氏が明かす。
「経営・管理ビザは、資本金500万円以上の会社を設立し、その代表取締役になる場合に申請できる在留資格で、まず1年間滞在することができる。500万円の“見せ金”を用意できれば、割と簡単に発給されるため、日本でマンションを爆買いして移住する中国人にも人気のビザです。ビザ申請のためのペーパーカンパニーまで用意してくれる行政書士もいる」

記事を読んでいるだけでもなかなか興味深い方法だなと思うのですが、これが通用するのであれば国が推進するメディカルツーリズムにおいても日本滞在型医療の強力なアドバンテージにもなると言うもので、なるほどこう言う道を用意しているからこそ外国人を呼び込もうとしているのかと感心するところですよね。
ただ日本の医療費が天井知らずの増加を続け、どのように国民負担を分かち合うかと言うことが問題視されている中で、外国人だけがいわば保険の美味しいところだけをつまみ食いすると言うことに対しては、それなりに思うところがあると言う人もいるのではないかと言う気がします。
そもそもこの制度、2009年の入管法十九条改正で「適法に3月を超えて在留する等の外国人であって住所を有する者は、住民基本台帳法の適用対象とされることとなる」こととされた結果、3ヶ月を超えて日本に滞在する外国人は住民票を作成され、また国民健康保険にも加入しなければならないと言うことになりました。

もともとは在住外国人が増えたことから、地方行政においても住民サービスを提供する必要性が高まったことに端を発した一連の法改正の結果と言えますが、当然ながら冒頭に取り上げたような外国人無保険者の医療費滞納問題などへの対策ともなっていた理屈です。
ただ恐らく今回のような短期滞在での健康保険利用と言うスタイルは想定しなかったのだろうとも思うのですが、制度としてこうなっている以上それを利用しなければ損であると考えるのもまた当然で、文句があるなら法律を改正するなりしろと言う話ですよね。
何が医療保険制度のタダ乗りなのかと言う線引きも難しいものがありますし、乱用があるから制度そのものを廃止してしまえと言うのも無理がありますが、こうしたスタイルでの医療リソース利用が増えれば医療費増大もさることながら、医療現場ではいよいよ増加する外国人患者への対応に本腰を入れなければならないと言うことにもなりそうですね。

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コメント

こんな制度があったなんて知らなかった

投稿: | 2016年11月25日 (金) 11時23分

制度としては必要なものだろうし、医療現場にとっては無保険者を減らすありがたい制度とは言えますよね。

投稿: 管理人nobu | 2016年11月25日 (金) 13時00分

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