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2016年11月

2016年11月30日 (水)

国が医師の勤務実態を大々的に調査

先日は全国医学部長病院長会議が厚労相に対して「医師1万6千人を実質的に増員できる」と言う画期的な?献策を行ったと報じられていて、何とはなしに先の大戦末期の学徒動員を思い出したのですが、いずれにしても医師不足であると言うことがようやく表立ってもコンセンサスになってきたようには感じます。
このところ某大手広報関連企業のブラックさが話題になる一方で、「医師の世界こそ日本一のブラック業界である」と言う声も改めて再燃しているようですが、そんな中でついに厚労省も重い腰を上げざるを得なくなったのか、こんなニュースが出ていました。

医師の勤務実態調査へ 厚労省、10万人規模(2016年11月29日共同通信)

 厚生労働省は29日、今後の医師需給の検討に生かすため、医師の勤務実態などに関する全国調査を実施すると発表した。勤務医や開業医計約10万人を対象に、1週間の勤務状況やキャリア形成に関する希望などをアンケートする。

 塩崎恭久厚労相は同日の記者会見で「医療を囲む環境には大きな変化が起きている。(有識者会議で)調査の分析結果を議論し将来の医療ビジョンや医師需給を考えてもらいたい」と述べた。

 厚労省によると、調査は12月8~14日の1週間で実施。病院や診療所計約1万2千施設を無作為に選んで調査票を送る。毎日の勤務実績を記録してもらうほか、将来の働き方についての希望や地方で勤務する意欲があるかなども尋ねる。

 医師の勤務実態を正確に把握することで医師需給の推計に生かすほか、女性医師の勤務環境改善や、地方の医師不足是正のための基礎資料とする。来年1~2月に将来の医療ビジョンに関する有識者会議で結果を報告する。

医師個人ではなく施設を選んで送ると言うところが味噌ですが、皆様の施設でこの調査票をどのように取り扱うかがポイントでしょうかね。
このところ全国各地で医療現場に労基署の指導が入っていると言う報道もあるようで、いよいよ聖域あるいは別世界視されてきた医療の世界にも世間並みの労働基準が適用されることになるのかと感じるところですが、こうした話が出ると当の医療業界内部から「労働基準法など守っていては医療はなりたたない」などとトンデモナイ声が上がるのも常ですよね。
医師の場合そもそも三六協定を始め労基法関連のルールを知らない、何それ食べられるの状態な知識の欠如をそもそも自覚しないまま働いている先生方も少なくないようですが、ネットの普及で初めて自分達の労働環境の異常さに気付いたと言う医師が少なくなかったことからも、今回の調査自体によって何かしら目覚めてしまう医師も相応にいるのかも知れませんよね。
こうした調査で違法な勤務実態が判明する場合も当然にあると思うのですが、こうした場合それを持って処罰に結びつけると言うことでは本当のことを書かなくなる可能性もありますから、匿名なり免責なりでとにかく事実関係の調査を優先することになると思いますが、それで違法な行為が判明した場合何をどうするのまです。

これで労基法違反が蔓延していると言う結果が出たとして、ではそれを誰がどうただしていくのかが次の課題となりますが、日本の医療現場がこのような状況にあることの理由の多くが国民皆保険制度下での医療を行っていることに由来するとも言え、言ってみれば過酷な労働環境は何よりも診療報酬のあり方に問題があるとも言えるわけです。
一例を挙げれば病院が空床を持つと経営が成り立たないと言うことが挙げられますが、その結果まずはベッドを埋めようとして余計な入院患者を抱え込むことになり、またその状況で急患が来ればキャパシティーを超えた労働を強いられることになりと良いことがありませんが、国がどの程度本気で考えているかが次回以降の診療報酬改定にも現れてくることになるのでしょうかね。
いずれにしても10万人規模の調査と言いますからざっと医師の3人に1人は調査されると言うことで、果たして現場の正しい実態が把握出来るような調査になるのか、それとも事務方が適当なことを書き込んで勝手に返却するだけに終わったりするものなのか、いずれにしてもまずは結果を見て自分の労働環境は標準と比べどうなのか知りたいと言う先生も多いのではないでしょうか。

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2016年11月29日 (火)

新聞の煽り報道の後始末は誰がどうつけるべきか

マスコミと医療の関係について、先日面白い話が出ていました。

新聞のネガティブ報道は健康政策に影響する(2016年11月15日日経メディカル)

 日本におけるHPVワクチンに関する新聞報道の変化について分析した帝京大学ちば総合医療センターの津田健司氏らは、接種後に健康を害した1人の患者を紹介したセンセーショナルな1本の記事が、その後のネガティブな報道の基調を形成し、ワクチンと健康被害の因果関係が証明された例はないとする政府の発表後もその傾向は変化しなかったと報告した。詳細はClinical Infectious Disease誌電子版に2016年9月22日に掲載された。

 日本では「Cervarix」と「Gardasil」という2種類のHPVワクチンがそれぞれ2009年と2011年に承認されており、2013年4月に、思春期の少女に対する定期接種が始まった。しかし2013年3月に、朝日新聞が、HPVワクチン接種後に歩行と計算が困難になった1人の女子中学生に関する記事を掲載して以来、同様の症例の報道が相次いだ。接種から症状発現までの時間はさまざまで、ワクチンとの因果関係は明らかではなかったが、ワクチンの安全性に対する国民の懸念は高まり、日本政府は2013年6月に、HPV ワクチンに関する積極的な接種勧奨を一時的に差し控えることにした。
 著者らは、HPVワクチンに関する新聞記事の特徴を分析するために、国内の主要な5紙(朝日、毎日、読売、産経、日経)の記事を対象とする文献調査を行った。具体的には、日本最大の新聞記事データベースである日経テレコン21に登録されていた、2011年1月から2015年12月までに発表された「HPVワクチン」または「子宮頸癌ワクチン」に関する記事を選出し、内容について検討した
(略)
 記事のトーンは2人の医師がそれぞれ別個に判断し、ポジティブ/ニュートラル/ネガティブに分類した。ワクチンの利益に焦点を当てている記事はポジティブ、利益とリスクの両方に触れている記事はニュートラル、有害事象などワクチンの危険性に焦点を当てている記事をネガティブとした。個々の記事に対する2人の評価に基づいて、記事を以下の6群に分類した。2人の判断が一致(ポジティブ・ポジティブ、ニュートラル・ニュートラル、ネガティブ・ネガティブ)、相違(ポジティブ・ニュートラル、ネガティブ・ニュートラル、ポジティブ・ネガティブ)。

 1138本の記事を同定した。それらは、その期間に掲載された新聞記事の0.02%に相当していた。2013年3月より前の記事が487本、それ以降の記事は651本だった。13年3月以前に比べ、それ以降は、HPVワクチンに関する記事が一面に掲載される頻度が高まった。一面掲載記事は、13年3月以前は6本(487本のうちの1.2%)、それ以降は20本(651本のうちの3.1%)で、相対リスクは2.49(95%信頼区間1.01-6.16)だった。
 有害事象に関係するキーワードを含む記事は、2013年3月より前が77本(15.8%)、それ以降は565本(86.8%)で、相対リスクは5.49(4.46-6.75)だった。効果に関係するキーワードを含む記事は384本(78.9%)と340本(52.2%)で、相対リスクは0.66(0.61-0.72)になった。監督当局関係のキーワードを含む記事はそれぞれ、10本(2.1%)と45本(6.9%)で、相対リスクは3.37(1.71-6.61)だった。
 記事のトーンについては、1138本のうち記事全文のテキストが入手できなかった12本は評価対象から除外した。問題の記事以後にネガティブ・ネガティブが増加、13年3月より前は7本(1.4%)だったが、それ以降は196本(30.5%)になっており、相対リスクは21.1(10.0-44.5)になった。ネガティブ・ニュートラルも9本(1.9%)から148本(23.1%)に増加、相対リスクは14.2(6.39-24.1)になっていた。一方で、ポジティブ・ポジティブは94本(19.4%)から27本(4.2%)に減少、相対リスクは0.22(0.14-0.33)、ポジティブ・ニュートラルも、194本(40.1%)から25本(3.9%)に減少し、相対リスクは0.10(0.07-0.15)だった。
 13年3月以前の記事では、ネガティブ・ネガティブとネガティブ・ニュートラルを足しても全体の3.3%で、ポジティブ・ポジティブまたはポジティブ・ニュートラルが59.5%を占めていた。ところがそれ以降は、ネガティブ・ネガティブとネガティブ・ニュートラルを併せると53.6%になり、ポジティブ・ポジティブまたはポジティブ・ニュートラルは計8.1%に減少していた。

 現時点では、国内の専門家のほとんどが、HPVワクチンの接種と、問題とされている有害事象の間に因果関係があることを示す証拠はないと結論している。しかし、一部の医師や研究者、被害者の家族などは、HPVワクチンが有害事象の原因であると非難している。
 2016年3月、信州大学の池田修一氏は厚生労働科学研究の発表会で「子宮頸癌ワクチン接種後の神経障害に関する治療法の確立と情報提供についての研究」と題された発表を行った。この研究は、マウスを用いた基礎研究や少数の臨床データから、ワクチン接種と脳損傷の関係を論じており、ピアレビューを受けたものではなかったにもかかわらず、ワクチンと有害事象の関係を示唆したとして、メディアは発表の内容を広く報道した。こうした否定的な報道は世論に影響を与えやすい。
 過去の同様の事例として、Lancet誌の論文でMMRワクチンと自閉症の因果関係が疑われたことがある。英国ではサウスウェールズ・イブニングポスト誌の報道後に、ウェールズでのMMR接種率が減少した。しかし、現在ではMMRと自閉症の因果関係はないとされている(訳注:わが国ではMMRの接種率が減少した世代で、逆に自閉症の発生率が増加していた)。

 世界の保健当局は、繰り返しHPVワクチンの安全性を主張している。また、16年4月には、日本小児科学会、日本産科婦人科学会、日本感染症学会、日本耳鼻科学会など、予防接種に関わりのある15の学術団体で構成される「予防接種推進専門協議会」が、HPVワクチンの接種勧奨の速やかな再開を求めた。しかし、こうした動きにメディアが注目することはほとんどない
 今回の分析は、センセーショナルな症例報告がその後の報道トーンを形成し得ること、当局が科学的な声明を出しても状況は変わらない可能性があることを明らかにした。著者らはワクチンの信用を取り戻すためには、政府が情報発信のイニシアチブを取り、学術団体が信頼の回復に努め、無過失責任の予防接種による健康被害補償制度を作り上げることが必要ではないかと提案している。
(略)

全体的な結果としては予想通りと言うべきでしょうか、こうした報道によって接種対象者の受診行動にどの程度の影響が出ているのかと言うことも知りたいところですが、客観的事情に注目するならば世界的に見ても専門家の大部分が利益が不利益を上回ることから接種を勧めている一方、マスコミは例外的少数派の反対意見の方をより大きく取り上げているとは言えるでしょうか。
もちろん安全性が確認されたと言っても副作用ゼロではないのですから、補償制度などの整備は社会的にも推進する価値がありますが、今回のHPVワクチンに関してはかつてのインフルエンザワクチンの学童集団接種のような社会防衛を目的としたものではなく、個人の防衛を目的としたものですから基本的にはリスクと利益を各個人で勘案して接種の是非を決めればいいのだとは思います。
ただし今回何故ここまで騒ぎが長引いているのかと言う一つの要員として、HPVワクチンの場合はワクチン受益者となる接種対象者が未成年である一方、接種するかどうかを決めるのが保護者である親であると言う点も挙げられると思いますが、将来子供が成長し子宮癌になった場合に接種させなかった親が責任を取れるのかと言う指摘はあるところですよね。
この辺りは親が宗教的思想的信条から子供の輸血拒否をすると言ったケースと同様の問題だとも言えますが、輸血拒否事例の場合緊急にそれを行わなければ死んでしまうと言ったケースでは児童虐待として一時的に親権を停止してでも輸血をしたと言うケースが実際にある一方で、ワクチンに関しては結果が出るのは何十年も先の話であると言う難しさもあります。

今回の事例に限らず、一部の進歩的なマスコミなどはともすれば少数意見こそ多数意見であるかのように大々的に取り上げる傾向は以前から指摘されていましたが、当然ながら患者の受診行動はもちろんのこと、万一副作用が出るなりして医療訴訟にでもなった場合患者や家族が訴えの根拠として真っ先に注目するのがこうしたマスコミによる報道だと考えられますよね。
一方で実際の法廷において本来的には専門家内部での多数派によって形成されるコンセンサスと言うものが判断の根拠となるはずなので、訴えた患者や家族にすれば「あれだけ新聞テレビで大騒ぎされたのにおかしい!不当判決だ!」と言いたくなる気持ちも理解出来るのですが、この辺りの齟齬は煽りに煽ったマスコミにその是正や摺り合わせを期待することが出来るのかどうかです。
医療業界の内部においても全く問題なしとしないところはあって、もちろん学問ですから何でも多数派が正しいと言うわけではなく少数意見を主張する自由も当然あるわけですが、少なくとも訴訟の場において多くの専門家からは首をかしげられるような奇妙な意見が採用されると言うのはあってはならないことで、参考人や鑑定人として登場する医師の資質については業界としてどう担保していくかが課題でしょうね。

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2016年11月28日 (月)

医療費削減を目指して高齢者負担増が本格化

国政の場においても来年度の話が地道に進められている中で、長年の懸念となっていた問題がようやく実現しそうだと報じられていました。

高齢者負担拡大で国費圧縮 医療1千億、介護400億 所得に応じ、政府・与党 17年度、現役保険料増も(2016年11月24日共同通信)

 2017年度予算編成で政府、与党は23日、社会保障費の伸びを医療分野で1千億円程度、介護分野で400億円程度抑える方向で調整に入った。所得が比較的高い高齢者の負担軽減措置の縮小が柱。一方、大企業社員に介護保険料の負担増を求めるなどして、国民の理解を得たい考えだ。
 政府は財政健全化のため17年度、国費で賄う社会保障費を1400億円圧縮する目標を設定しており、達成に向け来月上旬にも具体的な実施時期や対象者数を固める。

 医療費の自己負担が高くなりすぎないように月ごとに上限を設けている「高額療養費制度」では、70歳以上で一定以上の所得がある人の上限額を引き上げる。高齢者は受診する頻度が高いとして、外来医療費の上限を現役世代より低額に抑える特例もあるが、低所得者を除き縮小。数百億円が抑制される見通しだ。
 75歳以上の後期高齢者医療制度では、専業主婦ら扶養家族だった人や低所得者の保険料を最大9割軽減している特例を、新たに75歳になる人から一部廃止する方針。既に軽減を受けている人についても数年間で段階的に保険料を引き上げ、17年度は200億~300億円の削減を見込む。
 療養病床に長期入院する患者のうち、医療の必要性が比較的低い人の光熱水費を現在の1日320円から370円に引き上げる。難病患者を除き、費用を徴収する範囲を医療の必要度が高い人にも広げる考えだ。
 超高額の抗がん剤「オプジーボ」は来年2月、薬価を半額に下げると既に決定。約180億円の削減効果がある。
 中小企業社員が入る協会けんぽへの国庫補助金は、財政に余裕があるとして300億~400億円減らす。
 介護保険では、40~64歳が支払う保険料の計算方法を見直し、収入に応じた「総報酬割」という仕組みを数年かけて段階的に導入する。17年度は数百億円の削減となる。
 介護サービスの利用者負担月額に上限を設ける「高額介護サービス費制度」で一般的な所得の人の上限額を引き上げる
(略)

現役並み収入の高齢者ら、医療費負担増へ 来年度から(2016年11月16日朝日新聞)

 厚生労働省が来年度から実施する医療や介護の負担増の大枠が固まった。現役世代並みの収入がある70歳以上の人は医療費の自己負担上限が上がり、新しく75歳になる人は保険料の軽減特例がなくなる。大企業の会社員らは介護保険料の負担が増える。さらに対象を広げるか財務省と調整し、年内に最終決定する。

 医療費では、年収に応じて自己負担月額の上限を定める「高額療養費制度」を見直す。年収が370万円以上で70歳以上の人は、上限を現役世代並みに引き上げる。年収370万円未満で住民税を払っている人も含めるかどうかは調整する。
 75歳以上の後期高齢者には年収が低い人を対象に保険料を軽減する特例があるが、来年度から新たに75歳になる人を対象に廃止する。すでに75歳以上の人は3年かけて段階的に廃止することも検討する。
 現役世代の介護保険料は、医療保険の被保険者の収入総額に応じて割り当てる「総報酬割」を来年度から数年かけて段階的に導入する方針。健保組合の約7割と共済組合のほぼすべてで保険料が上がる見通しだ。
 厚労省はこうした負担増などによって、来年度で約1400億円の社会保障費の抑制をめざす。
(略)

この高齢者の医療上の様々な特例に関してははるか以前から是正や廃止が言われていたにも関わらず、様々な要因から延び延びになっていたものですけれども、社会保障制度の財政的な負担増加がどうにもならない状況に陥りつつあることに加えて、このところ政府与党の政権運営基盤が安定していることが是正の推進力となっているようにも思われます。
昨今国も再び医療・介護領域での支出削減のため様々な対策を講じているところで、ひと頃の医療費削減政策が医療崩壊とも言われる現象につながった10数年前を思い出す向きもあるかも知れませんが、医療現場の側ではある程度対策や意識改革も進んでいる印象ですから、直接的にはそこまでの大きな影響はないのかも知れません。
一方で金銭的な負担の増加によって患者側の受診行動がどの程度変わるものなのかと言う点は気になるところで、自己負担が増えれば受診の手控えや金銭的制約による医療内容の制限なども起こり得ることですが、この点で特に今回高齢者の負担増が柱ともなっているように見える点が注目されるところですよね。
日本の診療報酬体系によればとにかく患者が医療機関を受診してくれないことには経営が成り立たないことから、医者が増えるだけ医療需要が喚起されると言う傾向があると以前から指摘されるところですが、国が本当に受診抑制をしたいのであれば単に自己負担増だけではなく、医療機関への診療報酬体系そのものへも抜本的な改革が必要になってくるのかも知れません。

個別の問題点はともかく、総論としては収入の伸び悩みが続きワープア化が続いている中で、年々社会保障制度を支えるための負担が増す一方の現役世代にこれ以上の負担を強いると言うのはさすがにどうなのかで、能力に応じた負担と考えても受益者負担の観点からも高齢者にも応分の負担と言う考えはやむなきところでしょう。
個人個人の属性によって差別的待遇をしてはならないと言うのが今の時代の基本的な考え方になってきているわけですから、ただ高齢者であると言うだけで特別な対応をすると言うのも本来的にはおかしな話だとも言え、少なくとも現役並みの収入もあり資産も少なくないだろう高齢者に負担を求めることは避けられない流れになってきているとも言えそうです。
一連の後期高齢者医療制度の見直しによって、最大で75歳以上の約6割に当たる900万人余りに影響があると言う試算もあるそうですが、近年では高齢者への医療給付自体ももっと絞ってもいいのではないかと言う考えも台頭してきていますから、将来的には診療報酬体系なども高齢者と現役世代とで差別化が図られていくことにもなるのかも知れません。
この点でで注目されるのが昨年春の原則要介護3以上と言う基準の厳格化に伴い、特養入所待機者が一気に4割以上も減ったと報じられていることですが、それが介護難民や介護離職増加など様々な問題を生んでくると言う懸念はさておき、目先のちょっとした線引きの調整でこれだけの効果があると言うのは国にとっては美味しい話に感じられることでしょうね。

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2016年11月27日 (日)

今日のぐり:「扇屋」&「羽根屋」

先日こんなニュースが話題になっていたのをご存知でしょうか。

吉田沙保里の副学長就任で「栄監督が部下」と話題(2016年11月5日R25)

至学館大学は11月1日、レスリング女子の吉田沙保里選手(34歳)が、母校である同大学の副学長に就任したことを発表した。ネットでは、レスリング部監督の栄和人監督(56歳)の立場が話題になっている。

『東スポWeb』によると、至学館大学の谷岡郁子理事長兼学長は、「2004年のアテネ五輪のころから吉田を要職として迎える構想を持っていた」という。さらに、将来的には「授業を持つ可能性もある」として、選手としてだけでなく教育者としての活躍に期待しているようだ。
一方で、栄監督の心境は複雑なようだ。「教え子が(役職で)私を超えて、すごく複雑な思い。どう呼んで、どう接触したらいいのか戸惑っています」と自虐的ともとれる冗談でコメント。さらに、副学長に就任した吉田選手には、執務用の個室が与えられるが、栄監督の部屋より立派なものになるという事情も絡んでいるようだ。Twitterでは、

「吉田沙保里が大学の副学長とか栄監督涙目でしょw」
「副学長吉田ネキで立場的に栄監督が部下とか笑っちまったじゃねーか」
「ニュースで吉田ネキがあったから結婚かな!?と思ったら副学長になって栄監督が部下になってた」
「吉田沙保里が大学の副学長ってニュース見て、とっさに『栄監督が部下になった』と思ったら同じこと考えてる人いた」

と監督が選手の部下になったと揶揄する声が相次いだ。一方で、

「いきなり彼女の部下になった栄監督がまたユーモアたっぷりのコメントで微笑ましい」
「栄監督のことは世間が十分評価しています。肩書きはなくても、名前と風貌で世の中を渡って行けます」
「厳しい練習がなければあれだけの多くの人材が育つわけがないが、それを継続できているのは栄監督の人柄も影響しているんだろうと実感する」

と、ユーモアで返す栄監督を評価する声も続々と寄せられた。
栄監督の至学館大学レスリング部での教え子には、吉田選手のほかにも、リオ五輪金メダリストの登坂絵莉選手(23歳)、川井梨紗子選手(21歳)、五輪で4連覇を成し遂げた伊調馨選手(32歳。当時は前身の中京女子大学)など、数々のトップ選手が名を連ねる。そうした栄光の裏で、栄監督は私費で家を購入して選手寮にするといった選手へのサポートを惜しまず、生活のすべてをレスリング指導に捧げたといわれている。
吉田選手の副学長就任という教え子が師匠を超える事態に、ユーザーが敏感に反応したと同時に、栄監督の偉大さも浮き彫りとなった何とも微笑ましい出来事だった。立場は変わっても、2人は変わらない強い絆で結ばれていることだろう。

教え子二人が国民栄誉賞を取ったにしてはこの仕打ちもどうなんだですが、むしろ上司になった形の吉田選手の方がやりにくいのではないかと言う気もしますね。
今日は涙目だと言う栄監督に共感と哀悼の意を表して、これはちょっと泣くに泣けないと言うもの悲しいニュースの数々を紹介してみましょう。

薄毛の客は宿泊料500円割引 北九州のホテル(2016年10月20日朝日新聞)

 頭の毛が薄い、と認定されると宿泊料が500円安くなる「禿(は)げ割り」をしているホテルが北九州市にある。自分が対象になるかどうか、おそるおそる職員に尋ね、これまで20人余が割引のサービスを受けた。10月20日は「頭髪の日」。

 ユニークなサービスを行っているのはホテルテトラ北九州(同市小倉北区)。グループの三浦孝司社長が、清掃の職員から「排水溝の髪の掃除が大変」と聞かされ、「自分のように髪のないお客さんだと掃除が楽なんだな」と導入を決めた。2014年8月から北九州を含むグループのホテルで順次始めた。

 客の申し出を受けたフロント職員が、頭髪の薄さを見て割引の対象になるかを判断する。昨秋、3人組の客から「誰がOK?」と尋ねられた西野かおり副主任(38)。2人に「OK」を出して、「お1人は断りました。うれしいような寂しいような顔をしておいででした」。

 サービスのPRに、頭の輝く三浦社長のマスコット人形がフロントで客を出迎える。「遠慮なくお申し出になって、お仕事にはげんで下さい」と西野さんはチャレンジを呼びかける。(奥村智司)

この場合申告するのも認定されるのも喜ぶべきなのかどうかですが、まだしも自己申告制ですから割り切っていられるのでしょうかね。
新婚旅行と言えば人生幸せの絶頂とも言うべきですが、それが暗転してしまったこんなかなしいニュースが出ていました。

新婚旅行で悲劇 魚料理の「シガテラ中毒」で妻が急死(2016年11月05日テックインサイト)

温暖なメキシコでの幸せいっぱいのハネムーンが一転した。とんだ悲劇に見舞われたのはイギリスからやってきた新婚夫婦。レストランで食べた魚料理に含まれていた毒素が体で大暴れし、妻が心臓発作を起こして死亡してしまったという。

『scallywagandvagabond.com』などが伝えているところによれば、死亡したのは英ウェスト・ミッドランズのヘレフォードシャーから新婚旅行のためにメキシコのカンクンにやってきた54歳のクリスティン・フェンサムさん。アンディ・ベネットさん(58)と9月中旬に結婚式を挙げたばかりだった。元の伴侶となした3人の子と5人の孫がいるクリスティンさん。ブラッドさん(33)、リチャードさん(30)、ヘイリーさん(29)ら子供たちはこう話し、悲しみに暮れている。
「父は41歳の時にひき逃げ事故により死亡し、母は深い悲しみで家に引きこもるなど心配な状態が5年も続きました。それでも7年前にアンディさんと出会い、再び愛を見つけて結ばれたのです。これからは幸せな人生を歩んでくれると思ったのに…。」

司法解剖の結果、死因は「シガテラ中毒」と特定されたクリスティンさん。彼女が食べたハタ科の魚には高濃度の水銀と「シガトキシン」と呼ばれる毒素が含まれていたという。サンゴ礁周辺の有毒藻が発生するこの毒素を摂り込んだ小さな魚をハタ科の魚、バラクーダ(オニカマス)、鯛などの大きな魚が食べ、さらに人間がそうした魚を食して「シガテラ中毒」を発症する。カリブ海、ハワイ、中米を中心に世界で5万人の発症が確認されており、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、関節痛、しびれなどの神経症状があらわれ、重症の場合は徐脈など循環器症状が出てくるという。
特効薬はないものの死亡例は少ないこと、またシガトキシンが検出される魚が数百種類に及ぶことから毒素の検査もなく飲食店に卸されるのが現状で、加熱処理でも防ぐことができない。より小さな魚を選んで毒素の摂取量を減らすことが唯一の防衛手段になるという。日本ではかつて沖縄県や奄美大島でまれに発生していたが、地球温暖化により海水の温度が上昇している現代では本州でも患者が確認されている。

運が悪かったとしか言い様がありませんが、まあしかし新婚旅行ですから大きな魚を選びたくもなるのでしょうし、日本でもハタと言えば高級魚ですからねえ。
こちらそれに対して同じく新婚に絡む話ながら、かなり人為的要因の大きな不幸のニュースを紹介してみましょう。

海水浴で初めて妻のスッピンを見た夫 離婚を突きつける(2016年10月21日テックインサイト)

「美しくありたい!」と日々メイクを研究し自分に磨きをかける女性も多かろう。ただスッピンとメイクのギャップが大きすぎると、男性にそっぽをむかれてしまうこともあるようだ。このたびドバイで…。

結婚式を終え、アラブ首長国連邦ドバイのアル・マンザービーチで、甘いひとときを過ごしていたある夫婦。6か月の婚約期間を経てゴールインしたものの、34歳の夫は26歳の妻のスッピンを一度も見たことがなかった。
しかしこの日、夫婦が海の中で戯れていると、常に厚化粧でばっちりきめていた妻のメイクはすっかり洗い流されてしまった。
妻のスッピン顔に衝撃を受けた夫は「メイクなしでは君が誰だかわからない。離婚してくれ。」と非情な言葉を放ったという。
一気に興ざめしてしまった夫は「僕の知っているかわいい妻とは明らかに違う。すっかり騙された」とその場で妻に離婚を突きつけた。男性の決意は固く、女性とよりを戻すことは考えていないという。

ショックから立ち直れない女性は、精神科医のアブドル・アジズ・ アサフ氏にカウンセリングを依頼し、現在も通院中だ。
アサフ医師は「女性はつけまつげで目元を常時派手に仕上げていたようです。また結婚式の前には美容整形もしていました。男性には何度も真の姿を見せようとしたようですが、このような最悪の結果になってしまい悲しみに暮れています」とコメントしている。
恋人の関係ならまだしも、2人は夫婦だったはず。上辺だけの付き合いが長続きしないのは目に見えている。女性が早い段階で別れを経験したことは、長い目でみれば良かったのかもしれない。

ものの考え方や価値観はひとそれぞれですが、しかしこうしたことではいずれ遅かれ早かれと言うことだったのかも知れませんね。
結婚は人生の墓場であるとかないとか言う話もありますが、こちら結婚どころかそのはるか手前で絶望感に浸っている男性の悲劇です。

ケニア人の男性(20)、ペニスが大きすぎてセックスできず(2016年9月4日ミラー)

    ケニア人の男性ソレンス・オウィチ・オピヨさん(20)は10歳の頃からペニスが異常に発達しはじめた。
    すでに平均的なペニスの10倍のサイズに膨張し、ひざ下までぶらさがっているが、巨大化はいまも止まらない。

    大きすぎるペニスのせいで、女性とセックスすることもできないし、結婚して子供をもうけることもできない。
    また、ひどいイジメにあい、学校も中退しなければならなかった。

    痛みがあるためパンツやズボンを履くこともできず、常に下半身裸で、つらい生活を送っているオピヨさん。
    病院でペニスを小さくする手術を受けたこともあるが、手術後もペニスの巨大化は続いているという。

息子の暴走には世のお父さん方も辛い思いをすることも多かろうですが、まだ未婚の身でこんな目に遭うとは不幸というしかありませんよね。
人の生き死にに貴賤はないのかも知れませんが、こちらあまりにあまりな亡くなり方ではないかと話題の事件です。

酸性の熱水泉に転落死、遺体溶けてなくなる 米国立公園(2016年11月18日CNN)

(CNN) 米ワイオミング州などにまたがるイエローストン国立公園で、観光客の男性が誤って酸性の熱水泉に転落して死亡する事故が起きた。遺体は溶解してなくなっていたという。公園管理当局がこのほど明らかにした。

公園管理当局によると、オレゴン州のコリン・スコットさん(当時23)は今年6月、家族と2人でイエローストンを訪れ、温泉浴ができる場所を探してノリス間欠泉近くの立入禁止区域に侵入した。
泉を見付けたスコットさんは温度をチェックしようと手を伸ばし、足を滑らせて泉の中に転落。駆け付けた救急隊が泉の底に沈んでいるスコットさんを発見したものの、付近一帯は当時、雷雨に見舞われていたことから引き揚げることはできなかった。
翌日現場に戻ってみると、泉の底にあった遺体は消えてなくなっていた。「あっという間に溶解が進んだ」と森林監視員の責任者は話す。

イエローストン国立公園内の間欠泉や泉は、地中深くにある硫酸が熱水に噴き上げられて酸性になっている。硫酸は岩盤や土壌に含まれる硫化水素が微生物に分解されて生成される。
家族はスコットさんが転落した時の様子を携帯電話のカメラで撮影していたが、この映像は公開されていない。
管理当局は、公園内では注意を促す標識に従ってほしいと強調し、慎重に行動しなければ危険が伴うと指摘。「イエローストンのように地熱資源を理由に指定されている場所には特にそれが言える」と話している。

記事で見る限りでは確かにそこかでの危機感を抱かせる光景ではないのですが、立ち入り禁止区画にはくれぐれも立ち入るべきではないと言うことでしょうね。
最後に取り上げますのはかつて大きな話題になった人物の、あまりに若すぎる悲劇的な最後です。

自宅に裏庭に原子炉を作ってしまった高校生、39歳で死亡(2016年11月13日ビジネスニュースライン)

まだ高校生だった1994年に自宅の裏庭に完全自作の原子炉を製作し、稼働させたことにより周囲に深刻な放射能汚染を生じさせたDavid Charles Hahn(デビッド・チャールズ・ハーン)氏が9月27日、死去していたことが一部報道により明らかとなった。39歳だった。

ハーン氏は、自宅の裏庭に、原理的には増速炉(Breeder reactor)の一種を製作し、旧式の時計に使用されていた発光塗料を集めて燃料として使用することで、実際に自作の原子炉の運転まで行っていた。
ハーン氏が自宅の裏庭で怪しい実験を行っていることは直ぐに、地元警察の知れ渡ることとなり、その後、Nuclear Regulatory Commission(原子力規制委員会)によって極秘裏に機器の撤去作業と除染作業が行われていた。

高校生が自宅の裏庭に原子炉を自作し、実際に稼働させていたことは、最高機密として封印されていたが、1998年にHarper's誌がスクープ記事を報じたことから、公になっていた。
死亡との因果関係は不明となるが、高校時代に行った原子炉実験によって生じた被爆の影響なども指摘されている。

このニュースも当時大きな話題になりましたが、しかしやはり体には悪かったと言うことなのでしょうかね。
原子炉などは専門家がきちんと管理した環境でこそ稼働していいもので、良い子は決して真似しないようにお願いしたいものです。

今日のぐり:「扇屋」&「羽根屋 大津店

扇屋と言う屋号よりも亀嵩駅蕎麦の方がずっと通りがいいのだと思いますが、島根県のローカル線駅構内に位置する蕎麦屋として有名なお店ですよね。
この日はたまたまタイミングが良かったのかちょうど車輛が停車していたのですが、一両編成の路面電車のような可愛らしい車輛でした。

出雲独特の割子蕎麦をいただいてみましたが、見た目はまさしく田舎蕎麦そのもので、かなり不揃い感があるのもご愛敬でしょうか。
蕎麦自体はかなり硬めのものなのですが、これまたちょっと癖のある独特の甘辛い蕎麦ツユをかけ回して食べると妙に合うと言うもので、これはこれでうまいですよね。

このお店に関しては駅蕎麦と言うのが独特で、蕎麦弁当と言うものもあるのですがこの日見た停車時間ではちょっと弁当を買っていられそうにはないですよね。
ちなみにこのあたり奥出雲と言えば蕎麦の産地でもあり人気の店もあるそうですが、近くまた時間を作って回ってみようかと思います。

一方でこちら羽根屋は出雲界隈で何店舗かある老舗の蕎麦屋ですが、特にこちらの店舗にはよく寄らせていただいています。
割と親父さんのいる時間帯にいい蕎麦が出てくる印象があるのですが、この日に関しては残念ながら不在のようですね。

今回は冷おろしそばを食べてみたのですが、うどんならまさにぶっかけに相当するもので、そもそも倉敷風ぶっかけうどんなども元ネタはこういう料理なんでしょうかね。
大根おろしgたっぷりで辛さもかなりなものですが、細打ちの蕎麦はわずかに茹でたりずボキボキとした食感で、メニューにある温おろしそばならちょうどよかったかも知れません。
このほんのり甘さを感じる汁も大根おろしと合っていい具合ですが、しかし一般に蕎麦の方が濃い汁のイメージがあるものの、このまま蕎麦をうどんにしたらちょっと物足りない気がしますね。

しかしこちらも最近では駐車場に入りにくいことが多いのですが、出雲界隈の蕎麦屋は近ごろどこも繁盛している様子ですよね。
ちなみに昼飯時を過ぎた時間だっただけに蕎麦湯はかなり濃厚過ぎるほどで、何か最近はもうちょっとすっきりした加減がちょうどよくなってきました。

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2016年11月26日 (土)

必ずしも高齢ドライバーだから間違えるのではなく

先日も福井の高速道で逆走した高齢ドライバーが衝突事故を起こして死亡したと報じられるなど、全国各地から高齢ドライバーに関わるニュースが相次いで出ているのは注目されている証拠だと言えますが、その一方でこうした議論も盛んになっています。

高齢ドライバーに「免許返納せよ」大論争 ネットで展開される極論(2016年11月22日zakzak)

(略)
 警察庁によると、昨年発生した交通死亡事故のうち、75歳以上が過失の重い「第1当事者」となったのは458件。この10年で全体の事故件数が減少傾向にある中、75歳以上が占める割合は7・4%から12・8%に上昇している。
 ただ、高齢ドライバーの名誉のためにも強調したいのは、2005年12月末の75歳以上の運転免許保有者数が236万5533人だったのに対し、15年には477万9968人とほぼ倍増している点だ。必ずしも高齢ドライバー1人当たりの「死亡事故率」が急上昇しているわけではない
 とはいえ、高齢ドライバーが増えれば、認知症や老化を背景とした事故のリスクが高くなるのも避けられない。ネット上では「70歳以上は免許証を取り上げるべきだ」といった残酷な意見も散見される。
 「一定年齢に達したら免許は没収するといったやり方には反対だ」と憤るのは、50年以上にわたり活動する現役のモータージャーナリストで「いまも年間4万キロを運転する」という青木英夫氏(83)。「100歳になっても運転できる人もいるし、地方に住む人にとっては、車は必需品だ」と指摘する。

 事故の被害者側は言うまでもないが、人の命を奪った身として最晩年を送るドライバーも悲惨だ。どうすれば悲劇を食い止められるのか。
 NPO法人「高齢者安全運転支援研究会」の中村拓司事務局次長は「65歳になった時点で一度、『関所』を設けてはどうか」と提案する。
 「免許を取得するには『卒業検定』を通過する必要があるが、同じ試験を一定年齢に達したときに義務付ける。長年、公道を走るうちに身についた自己流の悪いクセを矯正することが目的だ」(中村氏)

 一方、現行の免許制度に関して、青木氏が「形式的だ」、中村氏が「甘いという声もある」と口をそろえるのが「高齢者講習」だ。70歳以上のドライバーは免許更新の際に受講が義務付けられているが、中村氏は「講習はシミュレーターや教習所内での運転のみだ。日本老年精神医学会は路上での実車テストで判断すべきだという提言を出している」と話す。
 75歳以上の高齢者には、免許の更新時に記憶力や判断力の測定が実施されている。来年3月からは、特定の違反があった場合にも行われることになるが、中村氏は「認知症については、警察とは別の機関が調査するべきだろう。客観的なデータを取り入れるべきだ」としている。

 ドライバーの心構えも重要になってくる。前出の青木氏は「サンデードライバーのような人は、自分の衰えに気付きにくいかもしれない」とし、自分の体力を自覚することが大切だと説いた上で、こう提案する。
 「車線を外れると警告音が鳴ったり、自動ブレーキが作動したりという、運転をアシストする車両であれば乗ってもよいという高齢者向けの『限定免許』の制度を作るのも一つの考えかもしれない」
 新たな事故を防ぐために、知恵が求められている。

記事の末尾にもあるように機械によるサポートと言うのは近年急速に技術的にも発展しているし、いずれはシートベルトなどと同様に義務づけられるようになると思うのですが、高齢者の場合長年同じ車をずっと乗り続けていると言う人も多いだけに、こうした安全装備の義務化によって結果的に自動車を手放す人も増えると言ったこともあるのかも知れません。
高齢者の免許を取り上げろが極論かどうかはさておき、高齢者が様々な点で衰えてくると言うことは生物学的な事実であって、そうであるからこそ免許取得後も機械的に更新させるだけではなく、折々に相応のハードルを設けて適切な技術や知識、能力を保持している者だけに更新させると言うのはまずは妥当な考えかと思います。
ただそのハードルを高齢者だけに対して強いると言うのもどうなのかで、若かろうが高齢だろうが年齢とは無関係に問題運転を日常的に繰り返している人間は幾らでもいるのですから、まずは全年齢を対象にこうしたハードルを設けるべきではないかと言う考え方ももっともだと思うのですが、一例として日常的に問題になっているこうした話が挙げられます。

クルマの燃料、入れ間違うと? 軽油とガソリン、誤給油とんでもないトラブルに(2016年11月23日乗り物ニュース)

 一般的なクルマの燃料は、大きく分けて軽油とガソリンの2種類です。すなわちディーゼル車とガソリン車に大別され、それぞれに合った燃料を使用するわけですが、時折、給油の際にその油種を間違える人がいるようです。
 2016年3月にJAF(日本自動車連盟)が公表したデータによると、2015年12月の1か月間に発生したドライバーによる救援依頼のうち、軽油とガソリンを「入れ間違えた」と申告されたものが、全国で269件あったといいます。これについてJAFは、「実際には、ドライバーが入れ間違いに気付かず、走行不能などのトラブルとなって救援依頼されたケースも考えられるため、さらに多いことが予想されます」としています。
(略)
 製品として販売されるガソリンと軽油では、おおむねどこの会社の製品も色が違うものですが、これは間違いを防ぐために、わざわざ別の色をつけているとのことです。
 ほか、ガソリンスタンドなどでも給油ノズルの色を変えるなど、両者を間違えないよう注意喚起しています。それでも誤って給油してしまうのは、なぜでしょうか。
 JAFは、軽油とガソリンの入れ間違い原因として「うっかりしていた」「普段乗らない車だった」「軽自動車は軽油と思った」といった「ドライバーの認識不足や勘違いが多い」としています。

 では、両者を誤って給油してしまったら、どうすればいいのでしょうか。JAFロードサービス部の藤本さんは「気づいた時点で、すぐエンジンを止めてJAFにご連絡ください」といいます。
「路上で連絡いただいた場合、ガソリンスタンドか修理工場へクルマを運ばせていただき、あとはそちらで燃料を抜く作業をしていただくことになります。車種にもよりますが、作業にはそれなりに時間がかかります」(JAF 藤本さん)
(略)

この誤給油問題、セルフ方式のガソリンスタンドが一般化してから大きく報じられるようになってきた印象がありますが、普通にスタンドの店員に入れてもらったのに誤給油されたと言うケースもあるものですから、誰にでもうっかり間違いと言うことは発生し得るもので、当然ながら高齢者だから誤給油すると言うよりもむしろ若い世代の方が間違いが多いと言う可能性すらありますよね。
注目いただきたいのはこの入れ間違えると言うことがどういう状況なのかですが、しばしば聞くこととして「軽自動車だから軽油だと思った」と言うのが入れ間違いと言っていいのかどうかで、普通に考えればこれは教習所レベルで必ず習っておかなければならない基礎的知識の欠如であり、うっかり間違いだとか経由と「間違えて」灯油を入れたなどと言う話とは全く異なるものだと言えます。
時々起こる事故としてアクセルとブレーキの踏み間違いに起因するものがありますが、例えばブレーキを踏めば車は減速すると言うことを知らないでペダルを操作する人間がいれば誰しも免許を取り上げるべきだと考えるでしょうが、車の燃料の種類さえ承知していないような人が免許を所持するのに妥当な知識を持っていると言えるのかどうかですよね。

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2016年11月25日 (金)

外国人がタダ同然の医療を受けられる抜け道

各地で相当な金額になっている医療機関の未収金問題とも関連して、外国人の無保険者による未収金が特に一部公立病院を中心に問題視されていますが、ある意味その解決策とも言えそうなのがこちらの方法論です。

来日中国人が日本の医療制度に“タダ乗り”しようとしている!?(2016年11月22日日刊SPA!)

(略)
 中国・広東省出身の40代の中国人女性Wさんは、3年前から患っているC型肝炎の治療のため、2か月前に夫を伴って日本にやってきたばかりだ。
「中国で1年ほどインターフェロン投与による治療を続け、一旦は治ったようにみえたのですが、半年後に再発。そんななか、ほぼ完治するという特効薬・ハーボニーの存在を医者から聞いた。ただ、その薬は中国国内では承認されておらず、海外の医療機関で治療する必要があるとのことでした」
 興味を持ったWさんは、海外への医療ツアーを斡旋する複数の業者に接触した。ちなみに中国の患者数は約4000万人以上おり、国民病だ。こうした事情を受け、海外でハーボニーによる肝炎治療を仲介する業者は数多く存在するという。ただ、欧米での投与は完治までの滞在費を含め1000万円近くかかる。上位中間層に属するWさんにとっても、即断できる金額ではなかった。
「後発薬が使用されているインドや東南アジアなら100万円以下で済むらしいのですが、不安で踏み切れなかった。そんなとき、ある業者が日本での治療という選択肢を提案してきた」(Wさん)

 問題は彼女が支払う費用だ。
「医療費に業者への費用、滞在費をあわせて200万円ほどです」
 国が定めるハーボニーの薬価は5万5000円で投薬期間は12週間。完治までには薬代だけで最低465万円がかかる計算となる。
「国民健康保険のおかげです。薬代は月に1万円までしか取られないですから」(同)
 実は彼女の在留資格は、医療滞在ビザではなく、会社経営のために滞在する場合に発給される経営・管理ビザなのだという。留学ビザや経営・管理ビザ、就労ビザなどで日本に3か月以上合法的に在留するすべての外国人は、国民健康保険(会社員なら社会保険)への加入が義務付けられている。同時に、日本人加入者と同様の恩恵を受けることができる。ハーボニーは肝炎医療費助成制度の対象となっており、国保もしくは社保の加入者は、所得によって自己負担限度額が月額1万円もしくは月額2万円までに制限される。つまり薬価ベースでは465万円かかる投与が、最低3万円で受けられるのだ。さらにハーボニーの薬代以外の診察料や各種検査費用なども、国保なので「3割負担」で済む。Wさんが依頼した業者は、この制度に目をつけ、格安でC型肝炎治療を受けられる方法を彼女に売り込んでいたのだ。

 ちなみに医療滞在ビザで来日し、ハーボニー投与を受けた場合、滞在費を含めて600万円以上になると業者から言われたという。
 薬価と患者の負担額の差額は、保険料と税金によって賄われていることは言うまでもない。Wさんは「保険料はきっちり払っている」と強調するが、前年に日本で所得のない彼女の保険料は、最低額の月4000円程度だ。
 多くの日本人は、健康状態にかかわらず国保や社保の保険料を一生支払い続けなければいけない。治療目的で来日して国保に加入し、支払った保険料を大きく超えるような医療サービスを受けるというのは、公正とはいえない。
 ちなみにWさんのビザ申請は「業者任せなのでわからない」と言う。どういうわけか。中国人ジャーナリストの周来友氏が明かす。
「経営・管理ビザは、資本金500万円以上の会社を設立し、その代表取締役になる場合に申請できる在留資格で、まず1年間滞在することができる。500万円の“見せ金”を用意できれば、割と簡単に発給されるため、日本でマンションを爆買いして移住する中国人にも人気のビザです。ビザ申請のためのペーパーカンパニーまで用意してくれる行政書士もいる」

記事を読んでいるだけでもなかなか興味深い方法だなと思うのですが、これが通用するのであれば国が推進するメディカルツーリズムにおいても日本滞在型医療の強力なアドバンテージにもなると言うもので、なるほどこう言う道を用意しているからこそ外国人を呼び込もうとしているのかと感心するところですよね。
ただ日本の医療費が天井知らずの増加を続け、どのように国民負担を分かち合うかと言うことが問題視されている中で、外国人だけがいわば保険の美味しいところだけをつまみ食いすると言うことに対しては、それなりに思うところがあると言う人もいるのではないかと言う気がします。
そもそもこの制度、2009年の入管法十九条改正で「適法に3月を超えて在留する等の外国人であって住所を有する者は、住民基本台帳法の適用対象とされることとなる」こととされた結果、3ヶ月を超えて日本に滞在する外国人は住民票を作成され、また国民健康保険にも加入しなければならないと言うことになりました。

もともとは在住外国人が増えたことから、地方行政においても住民サービスを提供する必要性が高まったことに端を発した一連の法改正の結果と言えますが、当然ながら冒頭に取り上げたような外国人無保険者の医療費滞納問題などへの対策ともなっていた理屈です。
ただ恐らく今回のような短期滞在での健康保険利用と言うスタイルは想定しなかったのだろうとも思うのですが、制度としてこうなっている以上それを利用しなければ損であると考えるのもまた当然で、文句があるなら法律を改正するなりしろと言う話ですよね。
何が医療保険制度のタダ乗りなのかと言う線引きも難しいものがありますし、乱用があるから制度そのものを廃止してしまえと言うのも無理がありますが、こうしたスタイルでの医療リソース利用が増えれば医療費増大もさることながら、医療現場ではいよいよ増加する外国人患者への対応に本腰を入れなければならないと言うことにもなりそうですね。

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2016年11月24日 (木)

ヌーハラなる言葉を流行させようと言う動きあり

本当なのか嘘なのか何とも言いがたいのですが、最近こんな妙な話が話題になっているようです。

“ヌーハラ”ってどういう意味? 日本特有の新たな「ハラスメント」誕生が物議(2016年10月24日GETNAVIweb)

昨今は“ハラスメント”の種類がどんどん増えてきている。SNSで“いいね”などを強要する「ソーシャルメディア・ハラスメント(ソーハラ)」、企業が内定を出した学生に就活をやめるように強要する「就活終われハラスメント(オワハラ)」といった変わり種まで出始めた。そして最近では、「ヌーハラ」というこれまた聞き慣れないハラスメントが登場し、物議を醸している。

「ヌーハラ」っていったい何?
Twitterのとあるユーザーが「ヌードル・ハラスメント」、略して「ヌーハラ」が日本には存在すると指摘した。このユーザー曰く、「ヌーハラ」とは「日本に来た外国人が日本人が“ズズズ”と麺をすするのを聞いて、精神的苦痛を感じる状況」とのこと。
他にも「日本のラーメン屋の大半は豚肉を具材かスープに使用しているため、豚肉を食べないムスリム(イスラム教徒)がかわいそうだということ」「外国出身の子供が学校で麺をすすれずにからかわれること」「カレーうどんを食べる白い服を着た客にエプロンを提供しないこと」なども「ヌーハラ」だと主張している。

麺を“ズズズ”とすすってはダメなのか?
確かに外国の多くでは、食事中に音を立てることはマナー違反だとされている。だが、日本では音を立てて麺をすする行為は何も問題なく、昨今では「日本にはそのような文化がある」と外国からの認知も高まってきている様子。
海外の声をネット上で見てみると、たしかに麺をすする音を不快だと感じる人もいるようだが、「別に音は気にならないな(カナダ人)」「地元のヌードルバーでもすすっている人はいるよ(イギリス人)」「すするのは好きだけど、スープが顔にかかっちゃうのが嫌なんだよね(ドイツ人)」と“気にならない派”も多い模様だ。
また、多いのが「日本の文化だから、日本ではすすっている人を見て笑っちゃだめだよ」という、文化の違いには口を出すべきではないという意見。他にも日本に来た外国人が「麺をすすってみたい!」とチャレンジしたりと、少なくとも日本では外国人の多くが麺をすすることに寛容であるように見える。
今回の「ヌーハラ」論には、「考えすぎ」「文化を否定することこそマナー違反」「昨日そば屋で隣に座ってた外国のご老人夫婦はすすってたぞ?」と批判の声が多いようだ。


「麺を音を立てて食べてはいけない」への大反発 「ヌーハラ」なんてものが本当にあるのか(2016年11月19日J-CASTニュース)

   「ヌードル・ハラスメント」(ヌーハラ)といった新語が独り歩きしている。ヌードルは蕎麦やラーメンなどの麺で、ハラスメントは人を困らせる事、嫌がらせといった意味だ。外国人には麺をすするといった習慣がないため、すする音を聞かせて不快な思いをさせないよう、音を立てずに食べるべきだ、という主張が裏にはある。
   これについてネット上では、日本の伝統的な食べ方であり、すすることで美味くなるよう調理されているわけだからハラスメントには当たらない、と大反発が起きている。

スエーデンから来た老夫婦は「ブタよ!」
   「ヌーハラ」という言葉が広がったのはこんなツイッターでのつぶやきからだと言われている。「世界が激怒する日本の『ヌーハラ』」というタイトルで、

    「欧米では音を立てずに食事することを子供の頃からしつけられてます。しかし日本では『ズズーズ』と野生動物のように音を立てて食べることを強制されます。それが欧米人からすれば差別以外の何物でもありません」
    「2020年のオリンピックに向けて一刻も早くこの『ヌーハラ』を地上から撲滅するべしです。まずは『世界的に正しい麺類の食べ方』を日本政府が啓蒙して日本人の意識改革をすすめることが早急の課題なのです」(編集部で一部修正)

などと2016年10月中旬から主張が始まり、まとめサイトも登場した。

   16年11月16日には、フジテレビ系情報番組「とくダネ!」で、「日本人VS外国人『ヌーハラ』論争」という大特集を放送し、この言葉を一気に全国的に広めた。蕎麦やラーメンをすする音はほとんどの外国人にとって耐えられないほどの不快な音だとし、番組スタッフがラーメンを食べる映像と音を外国人観光客に見せると、スウェーデンから来た老夫婦は「ブタよ!」と一喝した。エストニアの男性は、「音を出して食べたら、幼稚園で、ちゃんとした教育を受けてないと言われるよ」と語った。イタリア人の彼氏がいる日本人女性は音を立てて麺を食べる事をやめた。それは彼氏から「隣の部屋に行って食べてくれ」と言われたからだとした。
(略)
   「ヌーハラ報道」が増えるにつれ、ネット上でも、そもそも「ヌーハラ」というものが実際に存在しているかも分からない、といった意見とともに、「ヌーハラ」騒動に対する批判が増え始めた。このような言葉を流行らせようとしている人たちには、何か日本に対する悪意を感じるとし、ネットの掲示板には、

    「おもてなしを一方的に外国人サマへの譲歩と捉えている向きがある。自国の風俗習慣を『殺す』たくらみとしか思えない」
    「なんでもかんでも外人に配慮配慮ってうぜーんだよ、ここは誰のための国だよ」
    「こういうことが話題になるのは日本だけだろ。よその国で、外国人観光客が不快な思いをするから昔からある伝統を変えようなんて話が出ることがあるか?」
    「外国人に対して ソバの『伝統的な食べ方』を教えるのが 正しいおもてなしの心だろ」

などといった書き込みが並んでいる。

まあ誰が麺のすすり方を強要しているのか存じ上げませんですが、この手の主張は昔から絶えたことがない話で、特に食文化の面に注目しても日本でも外国人から批判されるからクジラを食べるのはやめるべきだと主張する人が一定数いますし、お隣韓国でも同様にイヌを食べるのはやめようと言う主張もあり、これまた五輪などの国際的イベントを機にと言った枕詞がつくことも共通していますよね。
特定文化においては不快に思える行為があるなら、特定文化においては快適に思える文化もあるわけで、我々はヌーディズムの信奉者だから東京の街中も裸で歩かせろと言われても日本では禁止だとお答えするしかないと思いますが、何故か特定の文化圏に関わる主張だけがより重視される傾向があるように思えるのは気のせいでしょうか。
昔からヒンズー教文化圏では牛肉を食べるなどトンデモナイこととされているし、イスラム教文化圏では豚肉を食べてはいけないことになっていますが、東京五輪でこれら宗教の方々も沢山いらっしゃるから牛や豚を東京の街から追放しようなどと言う運動が拡がっている、なんて話は聞いたことがないですよね。

ちなみに日本でも麺類や汁物を食べるに当たって盛大に音を立てるのは別に行儀が良いとされているわけではありませんが、こと蕎麦に関しては比較的肯定的に捉えられる傾向にあるのは蕎麦文化圏の中心地であった江戸っ子気質に由来すると言う説に加え、風味を大切にする蕎麦の場合すすることで鼻腔に香りが抜けて蕎麦の風味がより楽しめると言う話もあるようですが、まあこじつけ臭い話ですよね。
ともあれ基本的にこの種の話に関してはそうした考え方の方々は多文化に配慮して行動いただければそれでいいんだろうと思いますが、当然ながら全くスルーしてしまえばいいと言うのとは異なる話で、こうした考え方を当たり前のものとして持っている外国人の方々に対して日本のヌードルの食べ方はそうなのだと説明しておく方が余計な文化摩擦を生まないだろうとは思います。
ただそれは別に麺を音を立ててすすることに限らずあらゆる文化の側面に関しての話で、例えば茶碗など食器を持つと言う行為は日本では正しいマナーですが多くの国では不作法とされているように幾らでも文化的差異はあるものなので、恣意的に特定の習慣の違いだけを取り上げてこれはあり、これは駄目と大騒ぎすると言うのも何かしら理由があってのことなのでしょうね。

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2016年11月23日 (水)

今日のぐり:「草戸庵」

先日多くの人々を驚かせたのがこちらのニュースです。

囲碁部が間違って将棋の団体戦に出場…まさかの勝利を飾る(2016年11月14日BIGLOBEニュース)

大学の囲碁部が、囲碁と間違えて将棋の大会に出場し、しかも初戦を勝利で飾ったという珍事がTwitterで話題を呼んでいる。

将棋大会にエントリーしたのは法政大学の囲碁部。13日に行われた関東大学将棋連盟主催の古豪新鋭戦に出場した。古豪新鋭戦は、団体戦の対局数が3回以下の人が出場できる大会で、1日3局、2日間で計6局を戦う。畑違いの将棋にも関わらず法政囲碁部チームは、この大会の1日目の初戦を3-2の勝利で飾った。

囲碁部が将棋大会で勝ち星を上げるという珍事に、Twitterでは「法政囲碁部、凄い」といったコメントのほか、「法政の囲碁ってめっちゃ強いんでしょ?」「というか元々将棋も強いんでは?」との疑問が寄せられている。法政囲碁部チームのすきま桜さんに経緯を聞いたところ、将棋部と部室が共同のため、将棋部が記載していた将棋大会の日程を見て勘違いしてしまったとのこと。しばらくして間違いに気付いたものの、「せっかく予定を開けたので」と出場を決めたそうだ。もともと将棋をたしなんでいたメンバーもいたものの、普段向き合っているのは碁盤と碁石。付け焼き刃の勉強をして大会に臨んだ。

初戦こそは勝利をおさめたものの、2戦目は東大とあたり0-5で敗北。その後も1-4で負け、現在の戦績は1勝2敗となっている。法政囲碁部チームは、11月20日に行われる2日目にも出場予定だ。

そこで敢えて出場してしまうのもどうなのかですが、しかし付け焼き刃の勉強で買ってしまうと言うのもとんでもない話ですね。
今日は見事な将棋界初勝利を挙げた法政大囲碁部の快挙を祝して、世界中からなんだかよく判らないがちょっと凄そうだと感じるニュースを紹介してみましょう。

【その発想はなかった】ペヤング、ついにリュックサックになる(2016年11月4日ロケットニュース24)

カップ焼きそばは数あれど、その中毒性の高さで絶対的な人気を誇る、まるか食品のペヤングソースやきそば。パチモノ風の「ペヨング」や、謎の「ワカメMAXやきそば」を展開するなど、同社の商品ラインナップを読み切ることは至難の業と言っていいだろう。
そんなまるか食品から、またも「その発想はなかった」と絶句する新アイテムが発表されたのでお知らせしたい。それは何とリュックサック! ペヤングがリュックサックになるというのだ。ノストラダムスでもこの展開は読めないだろ……!!

・通販サイト「オムニ7」限定商品
この商品は『ペヤング オリジナルリュックセット』という正真正銘の正規品だ。販売はセブンイレブンやヨーカ堂などを運営する「セブン & アイホールディングス」の通販サイト “オムニ7” のみの取り扱いとなっており、つまり限定品である。
(略)

デカデカとプリントされたペヤング柄はそっちのけで、リュックサックとしての性能を大々的にアピールしている。しかもノートPCまで収納可能ということは、ビジネスシーンでの活用も視野に入れているようだ。

・ペヤンガーは要チェック
なお、価格は税込5999円、リュックサックを購入すると「ペヤングソースやきそば」と「ペヨングソースやきそば」が1つずつ付属するとのことである。
おそらく今後、ペヤングがリュックサックになる可能性はかなり低いと思われるので、ペヤング大好き・ペヤンガーたちはぜひチェックしてみてはいかがだろうか?

すでに一部方面では非常に注目を集めているようですが、しかし実際にこれを身につけて町を歩く人はかなり少なそうに思うのですがどうでしょうかね?
こちらもその発想は正直なかった系のニュースですが、まずは黙って記事を読んでみていただきましょう。

解けたら天才? 店の「Wi-Fi パスワード」を入手するための数式が激ムズと頭を抱える人続出(2016年11月1日ロケットニュース24)

様々な投稿が集まる海外メディア『Reddit』。今回も、あるお悩み相談が寄せられた。それは……「店の Wi-Fi パスワードを入手するためには、この問題を解かなければなりません。数学名人のみなさん助けてくれますか?」というもの。
実際に問題を見てみると……!!! これは難しそう。筆者は一瞬見ただけで「無理」だと白旗をあげました。さて、あなたには解けるだろうか?

・様々な答えが集まるも……つながらない!
ユーザーネーム Joshua_Glockさんが、米テキサス州サンアントニオのタイ料理レストラン『Ya Ya’s』で発見したこの問題。どうやら激ムズの数式の答えが、Wi-Fi を利用するのに必要なパスワードになっているようだ。
この挑戦を受け、『Reddit』上では「neverzero か almostzero を試してみて!」「binomcdf」「0.00000057285069487613544464111328.」など多くの答えが寄せられることに。しかし Joshua_Glockさんがその全てを試してみても、 Wi-Fi にアクセスできなかったそうだ。
また「P=n1S」「1」との答えもあがっていたが、パスワードは8文字以上でなければならないため、これらでは短すぎるという。
(略)
問題が投稿されてから5日以上が経過した2016年11月1日現在、まだ答えは分かっていないもよう。だが「絶対に店の Wi-Fi にアクセスしてやる」と決意を燃やしている Joshua_Glockさんは、レストランのオーナーに直接話を聞いてみるともコメントしている。
グルメサイト『Yelp』の当レストランの店鋪情報では「Wi-Fi:なし」となっているが、 Joshua_Glockさんいわく「店内にはちゃんとシグナルが飛んでいる。誰も答えが分からないから、グルメサイト上では “なし” にしているのでは」とのこと。ちなみに、料理はとても美味しいそうだ。

正解がどのようなものであるかはともかく、要するに店内でWi-Fiを使ってくれるなと言う意志表示であると解釈すべきなのでしょうかね?
アメリカと言えば普段から日本人目線で見ると世紀末救世主伝説風なところがありますが、こちらその中でもとびきりの人達が集まったと言うニュースです。

世界の「ヒャッハー!」が大集合! アメリカのイベント『ウェイストランド』が世紀末過ぎる!(2016年10月29日VIRATES)

集まったのは総勢2500人以上!そして、その全員が世紀末!
アメリカのモハーヴェ砂漠で行われたイベント『ウェイストランド』がいろいろと気合入りすぎ!

映画『マッドマックス』やゲーム『フォールアウト』シリーズなどのファンが一同に集うこのイベントは今年で始まって7年目。
毎年9月に4日間開催されることが通例になっているらしく、そのあいだ参加者たちは思い思いの「ヒャッハー」体験に勤しんでいるそうだ。
そんな“滅亡後の世界”の様子を撮影した写真がコチラ。
コスチュームのみならす“小道具”や車まで作中仕様というところは、さすが海外といった感じだろうか?

その状況は元記事の画像を参照いただきたいと思いますが、しかしこのまま映画でも撮れそうなクオリティですよね。
中国人と言えば時々とんでもないことをしでかしてしまうところがありますが、こちら30年がかりの努力の結晶だそうです。

30年間で63体のロボットを開発した男性、どのロボットにも「必殺技」あり―中国(2016年11月19日レコードチャイナ)

16日、記者は北京市通州区の農民ロボット発明家・呉玉禄さんを訪ねた。中国新聞網が伝えた。

小学校教育しか受けたことのない呉玉禄さんは、30年間ロボットの発明に心血を注いできた。呉さんが発明した全てのロボットには「必殺技」があるという。ロボットの名前は「呉」姓の後ろに兄弟の順番を表す言葉を付け、発明した順に「呉老大、呉老二、呉老三…」のように名づけられている。全部で「呉老六十三」まで存在し、彼が本当の子どものように可愛がっているロボットたちは、すでに63体まで増えている。

いやもうね、写真の数々を見るだけでもどこから突っ込んだらいいのかですが、しかしそれぞれの必殺技とはどんなものかと訊いてみたいですね。
最後に取り上げるのはご存知突っ込まずにいることが難しいと言うあの国の話題ですが、こちら最初から突っ込まれていると言う希有な新製品の話題です。

作った人は天才!!英国で女性用バイブ目覚まし時計ついに発売(2016年11月8日DMMニュース)

【英国で発売された前代未聞の目覚まし時計が予約待ちの人気になっているという。その目覚ましとはズバリ、女性用バイブレーター目覚まし時計「リトル・ルースター」。振動式の目覚ましは数多くあったが、女性の局部にセットして就寝するものは世界初。起きるまで振動を強めてくれる機能もついており、官能的な目覚めを味わえるそうだ】

まず、開発した人に「あなたは天才です!」って賛辞を贈りたいですね。今は米国と英国でしか買えないみたいですけど、いつか日本で発売しないのかな?発売されたら私、絶対買います。こんな面白い目覚まし時計、絶対試してみたくなりますもん。毎晩これをセットして下着に入れるなんて、ちょっと不思議。下着に入れるところでオナニーしたくなりそうですが(笑い)。

それにしても、バイブの振動で起こされるってどんな感じなんでしょうね?最初は、気持ち良すぎてむしろ起きれないんじゃないか…と心配になったんですけど、徐々に振動を強めてくれる機能がついていると聞いてちょっと安心。ブブッブブッブブッという小刻みな振動から、ブブーッて長いのに続いたら、どんな女のコでも気持ち良くて起きちゃいそうです。
(略)

どのような需要を想定しているのかはブリ以外の諸国民にはいささか理解に困難を覚えますが、やはりこういうものが大人気になると言うことですね。
それにしても実際の使用感がどのようなものなのかも聞いてみたいですが、こういうものを装備した状態で女性は安眠出来るものなのでしょうか?

今日のぐり:「草戸庵」

福山市街地の南部、住宅街の拡がる一角にある昔ながらの町の蕎麦屋と言う風情ですが、家族経営っぽいこの手の店にしては自家製粉とは珍しいですね。
メニューを見ますと意外と本格的で丼物やうどんはないし、そもそも蕎麦以外は炊き込みご飯くらいですが、種物も一通りあって特ににしんそばはこの界隈では珍しいでしょうか。

ひとまずお約束でざるそばを頼んで見ましたが、細打ちのしゃっきりした蕎麦で見た目も喉越しもこれはなかなか侮れない真っ当な蕎麦ですね。
やや甘めの蕎麦つゆはもう少し魚の出汁が立った方が好みですがまずまずですし、蕎麦湯もこの時期の新蕎麦らしい甘い風味が楽しめました。
ついつい玉子とじそばも頼んでしまったのですが、蕎麦自体がしっかりしているので温かい蕎麦もいけますし、玉子が何気に綺麗な仕上がりで好印象ですね。

今回初めてお邪魔して、細かいところで色々と思うところもあるのですが、気取らない普段使いの店としてキープしておきたいと言う感じでしょうか。
接遇面や設備面などは見た目通りと言う感じで特記するところはないのですが、しかし素朴な疑問としてこの立地でこうした蕎麦屋の需要がそれほどあるものなんでしょうかね?

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2016年11月22日 (火)

AIの進化は単に人間の肩代わりに留まらず

ちょうどAIと人間の棋士とが将棋で争う電脳戦の日程が迫っているところですが、他方では中国でロボットが暴走し周囲を破壊、史上初めて人間を攻撃したと報じられていて、SFの世界で古来主要なテーマになってきた人間と人間の作り出した人工物との争いがいよいよ現実味を帯びてきたと言う声も出ているようですね。
とは言えロボットにしろAIにしろきちんと使えば極めて大きな役に立つことは明白で、特にこのところAIによる診療支援が多忙な医師の負担を軽減するのではないかと注目されていますが、このところ報じられた臨床応用のニュースを取り上げてみましょう。

AI使って診察支援 富士通、医師の負担軽減(2016年11月11日共同通信)

 富士通は10日、人工知能(AI)を用いて、医師の診察を支援する技術を開発したと発表した。AIが医師の代わりにカルテを分析して患者の抱えるリスクを指摘し、医師の診察の負担を軽減する。

 富士通によると、スペインの総合病院で精神科の患者を対象に実証実験した。3万6千人以上のカルテのほか、医療関係の論文や用語集などをデータベース化し、開発したAIに読み取らせた。
 AIと精神科医に患者のカルテを別々に分析させたところ、AIは自殺やアルコール依存症、薬物依存の危険性を85%以上の精度で判断し、精神科医が見落としがちなリスクも指摘したという。

 富士通は、技術的には外科や内科などほかの分野でも応用が可能としており、カルテを分析する時間を減らし、医師が患者と向き合う問診の時間の増加が期待できる


眼底の病気、AI画像診断 成功率8割超、早期発見へ光(2016年11月15日朝日新聞)

 目の底の病気を早期発見するために、名古屋市立大と情報システム会社「クレスコ」(東京都)が人工知能(AI)を使った画像診断システムを開発した。80%以上の確率で診断に成功し、人間ドックなどの健診での利用をめざしているという。

 AIが診断するのは「光干渉断層計(OCT)」と呼ばれる網膜の中心を撮影した画像。機器の前に座るだけで、数マイクロメートルの解像度で目の底の様子を撮影できる。必要な時間は数秒。自覚症状が無くても、老廃物がたまっていたり、異常な血管が生えていたりしないかなど病気の初期段階がわかるという。
 研究には、健康な目も含めた300人の両目のCT画像1200枚を使用。そのうち1100枚には、20年以上の臨床経験を持つ医師の診断をつけ、AIに学習させた。残り100枚の画像をAIに診断させ、1枚につき可能性の高い診断名を五つ挙げさせた。1番目に挙げた診断名が医師の診断と合致したのは83%、2番目までに合致したものを加えると90%だった。残り10%は症例数が少ない病気だったという。

 OCTはすでに普及しているものの、一つの病気でも多くの異常があり、複数の病気を併発していることも多いため、画像の診断には専門的な知識と経験が必要だ。研究チームの名市大大学院医学研究科、安川力(つとむ)准教授(視覚科学)は「すでにスクリーニングに使えるレベルは突破できている。人間ドックにOCT検査とAIによる診断を導入すれば早期発見、早期治療につながる」と期待する。検査機器を開発する企業と共同で、AIの診断システムを組み込んだOCT検査機器を開発中だという。

AIで介護計画作成研究 自立支援に最適な内容に プラン約10万件学習(2016年10月24日共同通信)

 高齢者らが介護保険サービスを使う際に必要な利用計画(ケアプラン)の作成に人工知能(AI)を活用しようという研究が、このほど始まった。実際の約10万件のケアプランなど大量の情報をAIが学習。質のばらつきをなくして自立支援に最適なプランの作成を目指し、過剰なサービスの防止や現場の負担軽減を図る
 厚生労働省の補助金による事業で、介護サービス大手のセントケア・ホールディング(本社・東京)が実施する。政府の成長戦略を策定する未来投資会議でも、実用化を検討する方向だ。

 ケアプランは要介護度や疾病、生活環境などに応じて、介護サービスの種類や頻度を決める。利用者からの依頼でケアマネジャーがつくるのが一般的だ。
 ただ、ケアマネが雇用元の事業者の利益のために過剰なサービスを盛り込んだり、利用者の要求に漫然と応じてしまったりする問題が指摘されている。AIの活用でプランの最適化や作成時間の短縮を図る。

 研究では、介護予防や自立支援で先進的な取り組みをしている複数の自治体のアドバイスを得て、高齢者の心身状態などのデータをAIに学習させる。AIが数十人分のプランを試験的につくり、老年医学やリハビリ、栄養学などの専門家が適当かどうか検討する。
 最終的には、要介護度を改善・維持できるプラン、家族の負担を軽減できるプランなど、1人の利用者に対し複数の選択肢を提案できるようにしたい考え。

 ただ、実際のプラン作成には、利用者が自宅で日常、どのように生活しているかの確認など対面によるきめ細かい対応が必要。セントケア・ホールディングの担当者は「AIはあくまでもケアマネを支援するツールと位置付けて実用化を目指す」と話している。

いずれも実用化されれば非常に便利になるだろうと期待される話ばかりなのですが、興味深いのが眼科の画像判定を自動化する技術で、眼科領域の非専門医が慣れない眼底写真を見ながら適当な所見をつけるよりはよほど真っ当な診断になるだろうし、専門外の勉強まで強いられる健診担当医のストレス軽減と言う意味でも有用そうですね。
この点では日頃こんな仕事面倒臭いと思うようなことはどんどん自動化出来ればそれに越したことはないので、毎月のレセプトチェックや薬剤等の併用禁忌のチェックなどは早速にも自動化していただきたいところなんですが、何がどのようになればより現場で有益なのかと言うフィードバックを、医療現場から開発側にきちんと返していく必要があります。
AIと言うほど高尚なものではないのでしょうが、すでに久しく以前から心電図の自動判定が末端臨床の場にまで行き渡っていて、特に心電図モニターなどにおいては異常を自動で拾い上げてくれることの有り難みは機械力様々と言うものですが、医師以外でもレントゲンやCTなどの位置合わせがボタン一つで出来たり、心電図の電極が勝手に装着されたりすればずいぶんと業務が効率化しそうな気もします。

医療の世界ではともすれば人の命に関わることで慎重な導入を期すべきだと言う反対意見もあり、特に日本においては医療現場に導入する新規機材の類は厳しいチェックを経た上でなければならないと言った規制がありますが、それ以前に機械がやることに命を預けられるものかと言う問題もありますよね。
先日はイギリスでAI裁判官が開発されたと言うニュースが出ていて、普通に考えれば人工知能から有罪宣告されると言うのでは受け入れ難いと反発も出そうですが、日本でも導入されている裁判員裁判などにおいて過去の同種事件でどのような判決が出ているのかと言ったことを参考にしたいとなれば、下手に主観が混じらないだけこうした機械の方が手助けになるのかも知れません。
非常に興味深いのが東大、JAXAおよび富士重工が協力して開発している飛行機の制御システムのニュースですが、機体の物理的損傷時の操縦を支援することで「片翼を失っても生還できる」システムを目指すのだそうで、一見すると戦闘機などに用いられる技術かと思うのですが、旅客機などに搭載されれば日航123便墜落事故のようなケースでも無事に着陸できるのかと期待したくなりますよね。
こうして見ると単純に人間のサポートや業務の肩代わりに留まらず、人間ではとても出来ないようなことがAIの進歩によって可能となる未来が近づいて来ていると言えますが、そうなれば人智を越えたAIのミスを人間がチェック出来るものなのかどうかと言う問題も出てくるもので、そのために新たなAIを開発しなければならないと言う堂々巡りすら予想されてきそうです。

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2016年11月21日 (月)

終末期の意志表示だけでは不十分

近年いわゆる終末期医療に関連した指針が各学会から発表されており、場合によっては延命的医療の中止や差し控えも考慮すべき状況になってきていますが、現場での実情に関してこんな報告が出ていたそうです。

救急搬送の延命中止36% 終末期患者で医師提案 8割は家族の意向通り(2016年11月15日共同通信)

 死期が迫った状態で救急搬送された患者について、日本救急医学会が過去5年半の間に医師から報告された159件を調べたところ、医師側が患者の家族に延命治療の中止を提案したケースが36%に当たる57件に上ることが15日、分かった。
 いずれも複数の医師らによる医療チームが、回復の見込みがない「終末期」に該当する患者かどうか判断した上で延命中止を提案しており、57件のうち48件(84%)でチームの中止方針と家族の意向が一致していた。残り9件では家族の意向は中止ではなかったが、積極的な回復治療は求めなかった。最終的な処置は57件の大半で医師側の提案通りになったという。
 調査を担当した国立病院機構大阪医療センターの木下順弘(きのした・よしひろ)・集中治療部長は「チームが丁寧に説明したことで家族の理解を得られやすかったのではないか」としている。

 調査は全国の救急医らに任意で報告を求め、2010年10月から今年4月までに集まった159件を分析した。
 救急医学会は07年に「終末期医療に関する指針」を策定。薬物注入などによる安楽死は禁じているが、人工呼吸器の取り外しや血圧を上昇させる昇圧剤の減量、人工透析停止といった延命中止行為を選択肢として認めている。57件の内訳は明らかになっていないが、こうした行為が含まれる。
 延命中止以外の102件は、治療レベルを固定して新たな投薬などをしない「差し控え」が59件、「心肺が停止しても蘇生措置を実施しない」が38件あった。5件はその他・不明。
 搬送された終末期患者の年齢は70歳以上が全体の64%を占めた。くも膜下出血や脳梗塞などの脳・神経疾患、肺炎などの呼吸器疾患が多かった。
 患者本人が延命治療に関し事前に意思表示する文書などを用意していたのは3件にとどまった。
(略)

心肺停止の高齢患者、書面のDNAR提示は18%(2016年11月18日日経メディカル)

 2011年度からの5年間に横浜市立市民病院救命救急センターに搬送された院外心肺機能停止(CPA)症例1783例を調べたところ、70歳以上の患者が68.0%を占め、このうちDNAR(Do not attempt resuscitation:心肺蘇生を試みない)の意思を書面で示していたのは17.9%に過ぎないことが明らかになった。同センター長の伊巻尚平氏らが11月17~19日に都内で開かれた第44回日本救急医学会総会・学術集会で発表した。

 対象となったCPA症例1783例を年齢別に見ると、70歳代が22.8%、80歳代が33.4%、90歳以上が12.2%で、70歳以上の症例が68.0%を占めていた。1783例のうち、CPAに備えて事前に何らかの形でDNARの意思を示していた症例は407例(22.8%)で、書面で意思表示がなされていたのは73例(17.9%)だった。DNARの意思が示されていた患者407例を年齢別に見ると、70歳代が16.6%、80歳代が29.2%、90歳以上が50.9%と、70歳以上が86.2%と大半を占めていた。
 搬送元の施設別では、高齢者施設から搬送されたCPA患者が275例(15.4%)で、このうち何らかのADL障害を認めたのは220例(80.0%)。施設からの搬送例のうち158例(57.4%)でDNARが示されており、これはDNARを示していたCPA患者全体の38.8%に相当する。これらの結果から伊巻氏は、「施設に入居しているかどうかがDNARの意思表示に関係していた可能性があるが、現実にはDNARの意思が表示されていても救急搬送が行われている」と説明した。

 伊巻氏は、CPA症例の約7割を70歳以上が占めていたにも関わらず、書面でDNARを表明していた割合が2割に満たなかった点に着目し、「DNARの意思表示は書面で行うことが原則。口頭での確認では不十分だ」と啓発。加えて、「意思表示をするだけではなく、高齢者診療に携わる医療者や患者、家族は搬送をするかどうかも含め、事前に議論をする必要があるだろう」と指摘した。そして伊巻氏は、「救急医療に携わる医療者だけではなく、施設、かかりつけ医、患者、患者家族を含め、社会全体として高齢患者のCPA時の対処法を考えていかなければならない」とコメントした。

大阪医療センターの報告にあるようにおよそ1/3の症例で医師側が延命治療中止を提案しており、その大部分が家族から受け入れられていると言うのが多いのか少ないのかですが、前提条件で死期が迫った状態と言うことですから意外に少ないとも言えますが、残る2/3にしても実際には延命的処置は控えていると言うことですから、終末期の延命処置の手控えについてはかなり広汎に広まってきているように思えます。
一方で終末期患者の多くが高齢者であるからこそこうした判断も行えたのではとも考えられるのですが、横浜市立市民病院の報告で見ますとあらかじめDNARの意志表示を行っていた患者の大部分が高齢者ではあったものの、高齢者であってもDNARの意志表示を行っていたケースは必ずしも多くはなく、きちんと書面で示していたのは少数派であったと言うことも注目されます。
特に施設からの搬送でもともと状態が良くない患者が大部分を占めているにも関わらず、半数近くではDNARの意志確認がされていなかったと言うのも問題なのですが、一方でDNARの施設入居者がこれだけ多数救急搬送されてくると言うのでは、そもそも意志確認の意味があるのかと言う話弐もなりかねませんよね。

こうした場合施設の非医療職スタッフや家族など医学的知識の乏しい方々が救急車を呼んでいるのか?と言う疑問もあるのでしょうが、ちょうど先日は在宅看取り希望の高齢者が主治医判断で救急搬送されそうになったと言うケースが紹介されていて、やはり誰がと言うよりも関係者各人の意志統一の不徹底や誤解が大きな要因になっているのかも知れません。
先日は岐阜で介護サービス等の介入を拒否した親子3人が自宅で亡くなっているのが発見されたと報じられていて、こうした話が出ると誰かがどこかで介入して何とか出来なかったのかと言う声も決まって出てくるのですが、極論すれば在宅や施設での看取りと言うのもこうした話と同じようなものとも言え、出来ることがある場合に敢えてそれを断る個人や家族に周囲がどこまで手を出すべきかと言う議論につながってきます。
「おしん」「おんな太閤記」「渡る世間は鬼ばかり」など数々の作品で知られる脚本家の橋田壽賀子は90歳を過ぎても現役で活動されているそうですが、昨年末に安楽死志望を公表し数年がかりで着々と終活に励んでいるそうで、終末期に自分の意志を貫こうと思うと書面一つサインするだけではなかなか難しく、周囲への根回しなどそれなりに周到な下準備が必要になるのかも知れませんね。

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2016年11月20日 (日)

今日のぐり:「たくみや」&「登城」

この時期蕎麦好きな人にとっては何とも楽しみな季節ですが、そんな中でこんな記事が出て激論を呼んでいました。

「そば湯知らない」女性ブログに驚き殺到 「東日本の風習」は本当なのか(2016年11月15日J-CASTニュース)

   そばの茹で汁を飲む彼氏を「受け入れられそうにない」――。そばを茹でた汁を「そば湯」として飲む習慣を知らない女性が書いたブログ記事が、いまインターネット上で波紋を広げている。
   一口飲めば職人の腕が分かるともいわれる「そば湯」。専門店ならば必ずと言っていいほど出てくるものだけに、ネット上では「そば湯を知らない人がいるのか」と驚く声が広がっている。

   話題のブログは2016年11月7日、「そばの茹で汁を平気で飲む彼氏」というタイトルで「はてな匿名ダイアリー」に投稿された。その全文は、

    「育ってきた環境の違いなのか、そばの茹で汁を飲む人をはじめてみた。そば湯だからと言うのだけど、茹で汁ごときを健康に良いといって平然と飲む姿を受け入れられそうにない」

というもの。タイトルを含めても100字に満たない短い文章だが、恋人が「そばの茹で汁」を飲んだことに対する驚きや不快感がストレートに表現されている。
   こうしたブログをめぐり、ネット上では「そば湯を知らない人がいるのか」という驚きの声が相次いだ。ツイッターやネット掲示板には、

    「まともな蕎麦屋行ったこと無いんじゃないのか」
    「そば湯って当たり前に出てくるものだと思ってた」
    「そば湯知らんとかどんな人生歩んだらそうなるのか」

といった意見が殺到。ツイッターのトレンドワードにも一時「そば湯」という言葉が登場するほど、数多くの書き込みが寄せられた。
   だが一方で、数は少ないながらも「そば湯って何」「名前しか知らない」といった声も出ている。実際、J-CASTニュースが14日に北海道、大阪、福岡のそば専門店3店に取材したところ、どの店の担当者も「ごくたまにですが、そば湯を知らない客がいることは確かです」と話していた。
   さらには、今回の「そば湯ブログ」をめぐり、関東と関西の「食文化の違い」にまで言及する意見も目立ち始めた。一部ニュースサイトがこのブログを取り上げた際に、そば湯を飲む風習について「西日本では(略)そこまで一般的ではないようだ」と伝えたためだ。
(略)
   だが、本当に「そば湯」に地域差などあるのだろうか。そば文化の普及活動をしている一般社団法人「全麺協」の担当者は取材に対し、「西日本にはそば湯がないといった話は、これまでに聞いたことがありません」と否定する。続けて、

    「そもそも西日本ではあまりそばを食べず、うどんを食べる人が多いので、そもそも『そば湯』を出すような専門店に行くことが少ないのでは」

と推測していた。さらに、先述した大阪と福岡のそば専門店も「『そば湯』を出さない専門店は、これまでに見たことがない」と話していた。
(略)

もしかするとうどん食文化圏出身で蕎麦屋に入るのも初めてだったのかも知れませんが、よほどタイミングが悪かったのかプチ炎上状態になってしまったようですね。
本日は育ってきた環境等々何の要因によるものであれ、この人は他の人とはちょっと違う、もしかしたらただ者ではないのかもと感じさせる方々のニュースを紹介してみましょう。

京都に足なめ男 車の運転席で女性の足35分間なめ続ける 強制わいせつ容疑などで逮捕(2016年11月7日産経新聞)

 嫌がる女性の足を約35分間なめ続けたなどとして、京都府警生活安全対策課などは7日、強制わいせつ容疑で、京都市伏見区の配送業アルバイトの男(56)を逮捕した。京都府警によると、「覚えがない」などと容疑を否認しているという。
 逮捕容疑は7月23日午前0時ごろ、同区内の駐車場で、乗用車の運転席に座った20代女性の足元にもぐり込み、右足首をつかんで無理やり約35分間にわたり、足の裏をなめたり、足に歯を立てたりするわいせつな行為をしたとしている。

 府警によると、男は現場を通りかかった女性に、「車のブレーキの修理を手伝ってほしい」と声をかけて駐車場に誘導。運転席に座らせて「ブレーキを踏んで」と要求した後、運転席に体を潜り込ませ、足をなめたという。女性が携帯電話で撮影し、車のナンバーを覚えていたことなどから、男を特定したという。
 同区内などでは平成24年から今年9月、同様に女性が足をなめられたりする事件が5件発生しており、関連を調べる。

一部方面では妖怪足舐めなどと言われているそうですけれども、しかしこうした行為は法的にはわいせつな行為として認定されるものなのでしょうかね。
こちらとにかくその仕上がりぶりにびっくりしたと言う声が数多なのですが、まずは記事から紹介してみましょう。

81歳の全盲の母が記憶と計算を頼りに編んだセーターに感動の声!(2016年11月3日MAG2ニュース)

目が見える人でも難しいといわれる編み方で制作したセーターの完成度が素晴らしいと大反響を呼んでいます。
りーさんのお母さんは目が見えないだけでなく、なんと!81歳を迎えています。 セーターの画像を見たツイッターユーザーからはこんな称賛する声が集まりました。
(略)
もしかしたら、お母さんには『限界』という言葉はないのかもしれません。
りーさんはお母さんのことについて、こんなこともつぶやいています。

気持ちの持ちよう一つで大きく物事が変わるということを『行動』で教えてくれているような気がします。
(略)

その現物と政策裏話、そして世間の反響ぶりは元記事を参照いただきたいと思うのですが、特にどうやって作っているのかと言う点には感服するしかありませんね。
先日あちらこちらでお祭り騒ぎになったハロウィンですが、中にはこんなちょっと違う方向性に走った方もいたそうです。

仏警察、ハロウィーンに「テロ犯」の仮装をした男を逮捕(2016年11月02日AFP)

【11月2日 AFP】フランス南部トゥールーズ(Toulouse)の警察は1日未明、ハロウィーンの祝いに参加してライフル銃のようなものをちらつかせ、「アラーアクバル(アラビア語で神は偉大なりの意)」と叫んでいた26歳の男を逮捕した。複数の通行人から、不審者通報が寄せられていたという。

 警察筋によると、黒とカーキ色の服を着て、後に偽物と判明したライフルを持っていた男は捜査員らに対し、何が問題なのか分からないと述べたという。

 男は祭りに合わせて仮装していただけだと主張し、「ハロウィーンには何をしても良いのだから」と話したという。

 過去2年間にイスラム過激派の攻撃が相次ぎ、合わせて200人以上が犠牲になっているフランスでは、警察も市民らも警戒を強めている。

フランスではこの日に限って実際何をしてもよいかどうかは存じ上げませんが、こうした場合海外であれば問答無用で射殺されなかっただけでも儲けものと考えるべきなのでしょうか。
やっていること自体もなかなか出来ないことなのですが、その目的がなんともいじましいと話題になっていたニュースがこちらです。

「お母さんに家を買ってあげたい」8歳少年がベーカリーをオープン(2016年09月23日テックインサイト)

やんちゃ盛りの8歳の男の子。自立心も芽生え始め、親への反抗が激しくなることもある。しかし、米カリフォルニア州フレズノ市に暮らすジェイレン・ベイリー君は少し違う。彼は8歳にしてすでに自分のビジネスを立ち上げているのだ。
ジェイレン君は、自身の“ベーカリー”を持っている。母親のシャーホンダ・マハンさんと2人で暮らしている狭いアパートの一室が「Jalen’s Bakery(ジェイレン・ベーカリー)」というジェイレン君の仕事場だ。
彼はチョコレートチップクッキー、バナナブレッド、ピーナッツバタークッキー、チョコ&バニラカップケーキなどを作っている。さらに効率よく商品を作るため、自分でお金を貯めてミキサーも購入した。

ジェイレン君の生き方に大きな影響を与えたのが、母シャーホンダさんの存在だ。シングルマザーとして子育てをしている彼女は、18歳で自身のビジネスを始めた。ジェイレン君に周囲の子どもたちとは少し違う人生を歩ませたいと願ったシャーホンダさんは、ジェイレン君を学校に行かせずホームスクーリング(家庭内教育)で学ばせ、若いうちからスキルを身につけるアントレプレナーシップ(entrepreneurship)、つまり企業家精神の大切さを説いた。
そしてジェイレン君は今年7月1日に自分のベーカリーを開き、ビジネスをスタートさせたのだ。現在は立派にウェブサイトも開設し、フレズノ市のみへの配送を行っているが、市外の人でも「ジェイレン・ベーカリー」のオリジナルTシャツが注文でき、ジェイレン君をサポートすることが可能だという。

ジェイレン君は、幼い頃から自分の母親が必死に子育てする姿をしっかり見ていたのだろう。親孝行がしたいというジェイレン君の夢は「ベーカリーでお金を貯めて、お母さんに新しい家を買う」ことだそうだ。
「息子をとても誇りに思っています」と話すシャーホンダさんは、ジェイレン君が身につけたスキルで、自分のために家を買いたいと思ってくれていることに嬉しさを隠せない。「ママは、とっても素敵なんだ。地球上で一番最高のママだよ」というジェイレン君は、長くても着実に親孝行への道を歩み続けている。

作っているパンが妙に子供サイズで微笑ましいのですが、しかしこの歳から起業するとはなかなか将来有望なのでしょうね。
お隣中国と言えば伝統的武術でも知られている国ですが、世に隠れた達人もいるものだと教えてくれるのがこちらのニュースです。

通りがかりの武術の達人、ひったくり犯を捕獲!?(2016年10月13日レコードチャイナ)

北京の団結湖付近でこのほど、「ひったくり!捕まえて!」という女性の叫び声が響いた。通りがかりの通行人男性2人と警備員1人がすぐに反応し、ひったくり犯を捕まえた。

写真に写るこのひったくり犯を捕まえた通行人の1人はマラソン愛好家だったそうで、その様子をネットに投稿したところ、その場にいて一緒にひったくり犯を追いかけたもう1人の男性がその投稿に対し、「私と一緒にひったくり犯を追った男性はマラソン愛好家で、自分は極真空手のヘビー級全国トップ3と中国式プロレスの北京市75キロ級のトップ3。このひったくり犯は賽銭泥棒でもしたんだろうか?」とその運の無さを皮肉交じりにコメントする返信が寄せられた。

たまたま街中にこんな方々が集っていると言うのが何と言う偶然なのかですが、さすが人口も多いだけに芸のある人も多いと言うのでしょうか。
最後に取り上げますのはご存知ブリからのニュースですが、ごく真っ当な形で社会に貢献していると言う点で意外性あるニュースです。

瞬間記憶能力「カメラアイ」を持つ警官 4年間で850人以上の検挙に貢献(2016年10月19日テックインサイト)

「カメラアイ」という特殊能力をご存知だろうか。瞬時にしてカメラのように目の前の画像が記憶される特殊な能力のことで「瞬間記憶能力」とも呼ばれている。先天性のこの能力は、一度記憶した画像を決して忘れない。羨ましい能力だと思われがちだが、同時に嫌な記憶も消えることがない。そのため、この能力を持つ人は苦悩を抱えることも多いという。
(略)
しかし、このカメラアイの能力を仕事に活かす男性がイギリスにいる。英バーミンガムのウエストミッドランド警察で、PCSO(地域警察補助官)として勤務するアンディ・ポープさん(38)は、この4年間で850人以上もの犯罪者の検挙に貢献した。

ウスターシャー州レディッチ在住のアンディさんは、1年前に見た強盗犯の顔をほくろだけで特定できたり、キメが粗い監視カメラの映像からでも顔を記憶できるほどの優れた能力を持つ。
勤務開始時刻より30分も早く出勤するアンディさんは、コンピュータをオンにし、指名手配犯の写真を脳に叩き込む。そうすることで、今後目にした人物を特定できるというわけだ。仕事熱心なアンディさんは昼休みの時間でさえ、記憶をリフレッシュさせるために指名手配犯の顔を見続けるという毎日を送っている。
アンディさんは1年の間に150人以上の指名手配犯を見つけている。そして逮捕に繋がっているため、ウエストミッドランド警察としては嬉しい限りだ。

警察官になる前のアンディさんはスポーツ店に勤務していた。実はアンディさん、幼少時も以前の勤務先でも自分の特殊能力には全く気付いていなかった。しかし2005年以降、現在の職務に就くようになり、1人の捜査官に「君には他の人よりも優れた記憶力がある」と言われたことがきっかけで、初めて自分の特殊能力に気付いたという。
自分のもつ「カメラアイ」という特殊能力について、科学的には検査をしたことがないというアンディさんだが、今の仕事に自分の能力が貢献していることを光栄だと話す。過去には警察からもその能力を表彰されているほどだ。
ただ、アンディさんは数字を記憶することには弱いらしく「誕生日とか記念日とか、すぐ忘れちゃうんですよ。だからその辺は妻に任せています」と英紙『Daily Mail』に語っている。

最後にきちんと落ちがつく辺りがブリ的諧謔と言うものなのでしょうか、いずれにしても職業上確かに便利そうな能力ですよね。
しかしこれだけの特殊能力を持っていれば気づきそうなものですが、人間とは誰しも自分が普通であるとして考えてしまうものなのかも知れません。

今日のぐり:「たくみや」「登城」

出石城下町の外れ、風情ある古式の民家の並んでいる中に立地するのが「たくみや」さんですが、看板がなければ裏通りの民家としか見えませんね。
店内は古民家リフォームの一例として非常にうまく出来ているし、なかなか風情があって好きな店なんですが、しかしこんな地味な店でも満席とは侮れないですね。

こちらの皿そばは生わさびを鮫皮で降ろすなどこだわりがありますが、少し柔らかめの蕎麦は味は悪くないのですが、もう少ししゃっきり感が欲しいなあと感じます。
ダシが効いた濃いめのツユも単独ではそう悪くないのに、この蕎麦とのマッチングがいまいちで、何と言いますか微妙に落ち着かない感じです。
ただ皿そばの特徴として蕎麦ツユに卵やとろろを入れて食べると言うことがあり、こちらの場合もそうした食べ方に合わせたセッティングになっているのかとも思いますね。

箸置きやお茶のコースターが出るのもこの界隈では珍しいですが、接遇面もごく地味なんですが割合によく気がつくし、全体に落ち着いた雰囲気は悪くないですね。
ところでこちらのお品書きにもサヨリの干物が載っているのですが、聞けば但馬界隈の郷土料理なのだそうで出石の蕎麦屋でも酒のつまみに常用されているそうですね。

さて、まさに出石のお城の大手前と言う絶好の立地でオープンした新店舗がこちら「登城」さんですが、堀の上に張り出したような立地は目立ちますよね。
ガラス張りのおしゃれな外見に比べると中はそこまで目新しさはありませんが、さすがに設備は新しいですしお堀端のテラスも眺めは絶好です。

こちらの皿そばは細打ちのしゃっきりした蕎麦屋風のものですが、この日だけの問題なのか洗いがちょっと足りていないのが気になるかなと言うところです。
蕎麦つゆも辛口濃いめで普通にいけると思うのですが、普通に蕎麦として食べて違和感がないと言うのは新しい店だからこそでしょうか。

正直観光地の新店舗と言えばもっとすごいものが出るかと期待?していたのですが、意外と普通にしっかり打っている蕎麦で拍子抜けした感じです。
接遇は今風のマニュアル対応で店長さん以下スタッフの皆さんも揃ってお若いのが目につきますが、こういうお店はそのうち化けるかも知れませんね。

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2016年11月19日 (土)

30年経って無実が判明したリアル炎上事件の真相

ネットが登場して以来その特異的な現象か何かのように言われることもある炎上と言う現象ですが、もともとマスコミなど既存メディアが得意としてきた手法ですし、現実世界でも日常的に発生する現象で何もネットだから起こり得るものと言うわけでは全くありません。
ただネットで全世界が同時につながっているからこそ炎上しやすくなったのではないかと言う指摘もあって、異文化や異なる価値観の共存するネットだからこそ発生する炎上と言うものも確かにありますが、先日その炎上と言う現象に関してこんな記事が出ていました。

◆炎上に参加するネット民はわずか0.5%、その属性は?『ネット炎上の研究』(2016年11月7日ダイヤモンドオンライン)

 ブログやTwitterなど様々なSNSが普及するのに伴って、ネットにおける「炎上」も広く知られるようになった。著名人のスキャンダルや不適切発言、企業のコンプライアンス、一般人の行動など、炎上の原因は多岐にわたる。ネットの炎上事件がテレビや新聞でも取り上げられ、さらに世間に周知されるようになり、事態が深刻化することも日常茶飯事だ。もし自分や自分の属する組織が炎上の対象になったら、と想像してぞっとしたことがある人も多いのではないだろうか。しかしこれまで、匿名性の高いネットの世界において、どんな人が批判的なコメントを書き込んでいるのかといった実態を、くわしく知る術はなかった。
(略)
 炎上に実際に書き込んでいる人の属性について、約2万人に対するアンケート調査のデータを用いて実証分析し、炎上の実態を掴んだ。
 第1に、炎上を知っている人はインターネットユーザの90%以上いるものの、これまで炎上に参加したことのある人はわずか約1.1%しかいない。このことから、ごく少数の人が、複数回にわたり炎上に参加していることが明らかになった。
 第2に、炎上参加者の代表的な属性として、「男性である」「若い」「子持ちである」「年収が多い」「ラジオ視聴時間が長い」「ソーシャルメディア利用時間が長い」「掲示板に書き込む」「インターネット上でいやな思いをしたことがある」「インターネット上では非難しあって良いと考えている」といったものが得られた。一方、学歴やインターネット利用時間といった属性は、炎上参加行動に有意な影響を与えていなかった

 炎上は、ごく一部の人が書き込んでいるに過ぎない。炎上に書き込んだことがある人は、インターネットユーザ全体から見ても少なく、インターネット上で非難しあってよいと考えている人に限られる。したがって、炎上して多くの罵倒を浴びせられたとしても、別段気に病む必要はないだろう。炎上を過剰に気にしてインターネット上の情報発信を控える必要もない。
(略)

炎上と言う現象がごく一部のアクティブな攻撃的ユーザーによって引き起こされていることは経験的にも知られていた事実ですが、興味深いのはその実態として年収が多いが学歴にはあまり関係ないと言った、今まで漠然とネット上で語られていた人物像とはやや異なる印象もあるように感じられるという点です。
もちろんその気になれば誰が炎上を起こしているのかと言うことはそれなりに調べられる手段はあるし、場合によっては損害賠償請求など一定の対応策も考えられるのですが、先日もネットや実社会で暴力的活動や暴言を繰り返してきた集団の幹部が大手企業幹部であり、職務上の取引先に対しても暴言を吐いていたことが明らかになったケースのように、炎上される側にも一定程度落ち度のある場合もあり難しいところでしょうね。
一方で何ら罪科もないにも関わらず言われ無き騒動に巻き込まれ社会的に大いに不利益を被ると言ったケースは極めて深刻で何とか対策を講じたいところですが、先日長年の言われ無き不名誉な誹謗中傷が間違いであったとようやく立証された人物のニュースが話題になっていました。

「ペイシェント・ゼロ」、米エイズ流行の起源ではないと証明 研究(2016年10月27日AFP)

【10月27日 AFP】米国にAIDS(エイズ、後天性免疫不全症候群)をまん延させた最初の患者「ペイシェント・ゼロ」として同性愛者の男性が不当なレッテルを貼られたのは、患者番号の誤解と1980年代のメディアの過剰な報道が原因だと決定づける研究結果が26日、発表された。
 英科学誌ネイチャー(Nature)に発表されたこの論文は、科学と歴史学の両観点から分析を行った。それによると、エイズの原因であり、米国内で40年ほどの間に65万人以上の命を奪ったHIV(ヒト免疫不全ウイルス)は、1970年頃にカリブ海(Caribbean Sea)地域から米ニューヨーク市(New York City)に持ち込まれたという。
 33年前の血液サンプルを最新技術で分析した結果、米国にHIVを大流行させた張本人として死後に中傷されたこの男性、ガエタン・デュガ(Gaetan Dugas)さんは、エイズに侵された大勢の患者の一人にすぎなかったことが決定的に証明された。
 フランス系カナダ人で航空会社の従業員だったデュガさんは1984年に亡くなるまで、自身の多数の性交渉パートナーを特定し、科学者らがエイズの感染経路を調査する手助けをした。
 論文の主執筆者の一人で公衆衛生史の専門家、リチャード・マッケイ(Richard McKay)氏は「デュガさんは歴史上で最も悪者扱いされている患者の一人だ」と述べた。

「ペイシェント・ゼロ」の発端は1982年、カリフォルニア(California)州南部で珍しい致死性の肺感染症にかかった男性数人が、性的な関係で結び付いていることに米疾病対策センター(CDC)の調査チームが気付いたことだった。
 当時はまだエイズだと分かっていなかったこの感染症について、調査チームは患者同士の関係性を明らかにして感染源を突き止めるため、患者に聞き取り調査を実施。すると、1人の男性が繰り返し浮上した。それがデュガさんだった。
 調査チームは手順に従い、デュガさんに患者番号「057」を割り当てた。
 デュガさんの出身は、調査を行ったロサンゼルス(Los Angeles)ではなくニューヨークだったため、調査チームは「カリフォルニア州外(Outside-of-California)」の頭文字「O(オー)」を、デュガさんの番号に付け加えて記載した。
 だが間もなく、調査チームは「不明瞭な楕円(だえん)形を数字と解釈し、『ペイシェント・オー』を『ペイシェント・ゼロ』と呼び始めた」と、マッケイ氏は説明した。

 一方で保健当局者らは、潜在的な感染ネットワークが広範囲に及んでいる可能性に気づき始めていた。ロサンゼルの感染集団(クラスター)に属する同性愛男性のうち、65%以上が生涯で1000人以上と性的な関係を持ち、75%以上が前年だけで50人と関係を持ったと報告した。
 患者番号057のデュガさんは、過去3年間で関係を持った男性約750人のうち、72人の名前を挙げることができた。この数は調査対象となった患者の大半よりもはるかに多く、それが珍しくて印象に残る名前と相まって、後にデュガさんの悪評を生む一因となった可能性があると、マッケイ氏は推測する。

 1984年にCDCの調査に基づく科学的研究が発表されると、図表の中の「ペイシェント・ゼロ」に注目が集まった。この人物が、東海岸と西海岸でエイズを拡散させているウイルスの根源であることを示唆していた。
 2年後、ある野心的なジャーナリストがデュガさんの名前を嗅ぎつけ、エイズ危機を扱った自身の著書で社会に影響を与えた「そしてエイズは蔓延した(And the Band Played On)」の中に極悪人として登場させた
 米国のHIV流行が不運なデュガさんから始まったのではないことは、専門家の間では以前から明白だったが、生物学的な証拠が不十分だった。

 この件に決着をつけるために、論文のもう一人の主執筆者である米アリゾナ大学(University of Arizona)のマイケル・ウォロビー(Michael Worobey)氏は、数十年前の血液サンプルに含まれるHIVウイルスから遺伝物質を回収するための新技術を開発した。
 研究チームは1978~1979年に米国人男性から採取した血液サンプル2000あまりからHIVのDNAを抽出、HIVが1970年代にすでに高い水準の遺伝的多様性を示していたことを突き止めた。これは、HIVがすでにある程度の期間、米国本土を循環していたことを意味する。
 さらに研究チームはHIVの起源をカリブ海地域と特定、ニューヨーク市経由で米国に持ち込まれたことを明らかにした。
 ウォロビー氏は声明で、「人々が警鐘を鳴らすきっかけとなり、エイズ発見につながったカリフォルニアでのHIV流行は、実際にはそれ以前にニューヨークで発生していた流行から派生したものにすぎなかった」と指摘した。

件の著書は映画化もされ大きな社会的反響を呼んだことから、「この場合実際に炎上すべきだったのは勝手な思い込みとプライバシー侵害の捏造著書で巨大な社会的誤解を招いた「ある野心的なジャーナリスト」だったのではないかと言う指摘もあるのですが、自身もゲイであったジャーナリスト氏はすでにエイズにより死亡しており、亡くなったデュガさんの無実が晴らされたことに対して何らかのコメントを出せる状況ではないようです。
ちなみにこのジャーナリスト氏はゲイであることで就職にも長く苦労していたと言いますが、伝えられるところによれば若い頃からずいぶんと言われなき差別も数多く経験していたようで、まさに「自分自身も嫌な思いをしたことのある人間が他人を炎上させている」と言う類型通りの展開だったとも言えるのかも知れません。
現代の炎上事件がこの時代のそれよりも厄介なのは、一度それが発生し世間に名が出てしまえば事実上それを消去することが出来ないと言う問題が挙げられますが、こうした点については情報の削除を求めても限界がありむしろ隠蔽行為を働いているのだから後ろ暗いことがあるに違いないと勘ぐられ、かえって情報が拡散してしまうと言う危険性も指摘されています。
事実と異なる誹謗中傷に対してはいずれどこかで名誉回復の機会があることを考えると、例えば検索エンジンで事件報道に関連する情報を検索した場合はその後の続報も一緒に提示出来るようにすると言った対策も考えられるかと思うのですが、実社会で炎上させた側の方々もなるべくその後のフォローアップまでも責任をもって行っていただければ印象もずいぶんと良くなるかと思いますね。

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2016年11月18日 (金)

留置場の床に座ると全身に皮下出血が発生?

よく判らない話と言うものは時々あるものですが、先日こんなニュースが報じられていました。

「調べ中の暴行で死亡」 岩手医大教授が奈良県警告発へ(2016年11月15日岩手日報)

 2010年2月に奈良県警が業務上過失致死容疑で逮捕し、桜井署で勾留中の男性医師=当時(54)=が死亡したのは取り調べを担当した警察官の暴行が原因として、遺体の鑑定書を調べた岩手医大の出羽厚二(こうじ)教授(法医学)が、県警に特別公務員暴行陵虐致死容疑で告発することが14日、分かった。容疑者は特定していない。
 15日に告発状を県警に提出する。出羽教授は取材に「下半身に広範囲の皮下出血があり、多数の打撲で生じた可能性が高い。取り調べで自白させるために暴行し、死亡させるようなことがあってはならない。県警は真実を隠さずに調べてほしい」と話している。

 医師は勤務先の奈良県大和郡山市の医療法人雄山会「山本病院」(廃院)で、06年に肝臓の手術ミスで患者を死亡させたとして、10年2月6日に逮捕され、同月25日に死亡した。
 告発状によると、警官は同月14~24日ごろ、医師の取り調べ中に頭部や胸部、上下肢を殴打して傷害を負わせ、急性腎不全などの多臓器不全で死亡させたとしている。

<法医学教授>「勾留中に暴行死の疑い」奈良県警を告発(2016年11月15日毎日新聞)

(略)
 医師の遺族は13年2月、県警が勾留中に適切な治療を怠ったなどとして県に約9700万円の損害賠償を求めて提訴し、奈良地裁で係争中。出羽教授は、07年の大相撲時津風部屋の力士暴行死事件で、力士を解剖して「多発外傷によるショック死」と鑑定し、当初病死とした愛知県警の判断を覆したことで知られ、今回は遺族側の依頼で調査した。

 奈良県警は「暴行は一切ない。足の出血は留置場で座る際に床で打ったことが原因」などとしている。【塩路佳子】

勾留中死亡、法医が告発へ 「自白強要で暴行」 奈良県警の警察官(2016年11月15日共同通信)

(略)
 医師を司法解剖した奈良県立医大の教授は、死因を急性心筋梗塞と判断したが、遺族から意見を求められた出羽教授は、広範囲の皮下出血から打撲で筋肉が挫滅し、腎不全や肝不全を引き起こしたと結論付けた。
 医師が逮捕された日の受診記録に皮下出血の記載はなく、遺体の皮膚の色などから、打撲を負ったのは死亡した日から1週間以内と考えられるという。
 奈良地検は当時、医師の死亡について「取り調べは適正で、因果関係はない」と説明した。
(略)


遺体にあざ「真相調べて」 納得できず、解明託す(2016年11月15日共同通信)

 3週間足らずの勾留中になぜ死亡したのか。男性医師の遺体にあざのような痕を見た遺族の女性(52)は「急性心筋梗塞」という死因に納得できずに6年以上を過ごした。岩手医大の出羽厚二(でわ・こうじ)教授(法医学)による告発に「警察は自らの手で、真相をしっかり調べてほしい」と解明を託した。

 女性は15日、出羽教授らとの記者会見で「解剖結果を不審に思った。本当のことが知りたいし、皆さんにこういうことがあったと知ってもらいたい」と訴えた。
 2010年2月25日、奈良県警から「すぐに来てください」と死亡連絡を受けた女性。駆け付けた病院で遺体と対面し、思わず目を疑った。「右足が真っ黒。なんでこんな状態になっているの
 職業上、医師は健康にも気を付けていたといい、女性は急死に納得できず、県警や検察に問い合わせた。「県警からは検察に、検察からは県警に聞いてくださいと言われ、満足のいく内容は聞けなかった」と振り返る。

 遺体の鑑定書を調べた出羽教授は、下肢の広範囲に及んだ皮下出血の原因として、取り調べ中に殴打があった可能性を指摘する。女性も「勾留中に体の至る所をけがするなんて、普通あり得ますか」と語気を強める。
 「密室の中で何があったのか」。医師が死亡した日から、女性は今でも考え続けている。

さすがに「留置場で座る際に床で打った」だけで「右足が真っ黒」になるまでの皮下出血と言うのも考えにくいようでは思うのですが、ネットなどにも写真が出回っているようにほぼ全身の内出血が認められたと言い、頭部にも傷があったと言う報道もあるようで、事実であれば素人目にも一目瞭然でこれはおかしいと感じるほどの状態であったように思われます。
ただ奈良県立医大の教授が司法解剖までして死因を決めたと言うことですから、その際に皮下出血など怪しい部分があれば何かしら言及していただろうと思うのですが、事実心筋梗塞の所見があったのかどうかは見れば判るでしょうから、そのレベルでの見過ごしや診断の誤りがあったとなればいささか問題と言うことになりかねません。
今回の奈良県警への告発状提出にしても疑惑が事実だったとすればいわば当事者に事件の追及を委ねる形で、まともな捜査など行われるはずがないと言う声もありますが、そうした観点からすると日頃から奈良県警と付き合いの深いはずの県立医大法医学教授がどの程度独立した判断が出来たのかと言う疑問も出てくるところです。

すでに各方面で報じられ関心が拡がっているところですから、いずれ何らかの事実関係も明らかになってくるのだと思いますが、実際にこうした暴行が現在進行形で行われていたのだとすれば大変な問題なのはもちろんですが、一体何故そこまで?と言う疑問も当然ながら感じるところですよね。
男性医師は医療事故関連の容疑で取調中だったと言うことですが、患者さんが亡くなったにせよまさか容疑者に死ぬまで暴行を加えるともなると周囲も本人も黙っていないはずですが、組織として暴行を加え隠蔽していたとなればもちろん大問題ですが、誰か特定個人が何らかの理由で暴走したにせよ何ら抑止力も働かなかったとすればこれまた問題です。
先年に関西で発生した青酸化合物による殺人事件で当初被害者の多くが単なる病死として見過ごされていたことから、奈良県警でも犯罪死は断固見逃してはならないと対策を強化しているそうですが、今回の報道が事実かどうかに関わらず拘留中の管理体制にも問題はあったと言えますから、奈良県警としても何らかの対応は講じないわけにはいかないはずです。

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2016年11月17日 (木)

医療の世界だけブラックが許容されると言う理屈はないので

恐らくは全国的にごくありふれていることなのだと思うのですが、ありふれていることを認めたことが極めて珍しい話としてこんなニュースが出ていました。

【宮崎】県立3病院 医師過重労働常態化 当直に違法性認識連続30時間(2016年11月14日宮崎日日新聞)

 県立3病院で、医師が夜間当直を挟んで連続30時間以上勤務する長時間労働が常態化している。当直が労働基準法の定める軽度な業務にとどまらない激務で、事実上の通常業務とみなされているためだ。背景には医師不足があり、「特効薬は見いだせていない」と県病院局経営管理課。過重労働や違法性を認識しつつも現状維持せざるを得ないという。

 同課によると、午後5時15分~翌日午前8時半の当直体制は宮崎病院3人、延岡病院2人、日南病院1人。4月1日現在、宮崎84人、延岡29人、日南21人のほぼ全ての診療科の医師で回している。昨年度の休日を含む当直では1日平均で宮崎が11・2人、延岡が9・5人、日南が4・9人の救急患者に対応した。
 労基法では、当直業務を巡回や検温など軽度な内容に限定。当直に認定されるには労働基準監督署の許可が必要だが、宮崎は2010年の申請時に「通常の診療をしているため当直には該当しない」として認められなかった。日南は03年に労基署の調査が入り、許可を取り下げた。延岡は許可証の所在が不明。同課は3病院の当直に「違法性はある」との認識を示す。

 3病院では医師が当直の前後に日勤業務を行っているが、当直が救急患者の診療をしているため、労働時間が30時間超となることも珍しくない。当直時に救急対応した実働分は時間外労働となるため、労使協定で合意した時間外労働の上限70~80時間を超える月がある。
 実情について、ある医師は「40時間以上働くこともある」と明かす。多い日は一晩で救急車が10台以上来る。仮眠は取れて2~3時間で、日によっては一睡もできない。「労基法を意識したら医療現場は回らない。ただ、今の当直体制や長時間労働は問題だ」と訴える。

 同課によると、当直をやめ、1日の労働時間を8時間に区切る3交代制を導入するには医師の数が足りず、通常業務にも支障が出るという。身動きできない状況に、同課の永田耕嗣課長補佐は「少しずつ医師確保を進めるしかない」と話す。
 宮崎産業経営大法学部の廣田久美子准教授(労働法)は「長時間労働は医師の健康問題や医療の質の低下に関わる。労働環境が改善されないままでは医師不足が悪化しかねない」と危惧。「労基法のルールの中で働きやすい環境を整える一方、国の動きも促しながら医師確保を急ぐ必要がある」と力を込める。

この十年ほどでずいぶんと医師の意識改革も進み、あまりに労働環境の悪い職場からは医師がどんどん出ていくと言う現象が全国的に見られるようになっていますが、それでも未だにこうした状況を放置している病院も多いのだろうし、特に自治体病院などは医師の労働者としての権利におおむね鈍感な傾向がある印象です。
この辺りは歴史的に多くの自治体病院が医局人事による医師派遣で回っていて、医師など数年おきに勝手に派遣されてくるものと言う認識が一般的だったせいなのでしょうか、今年初めに研修医が自殺したことで知られる新潟市民病院の調査でも同院の研修医の1カ月当たりの時間外労働時間を調べたところ、81%が過労死の目安とされる80時間超だったと言います。
世間的にもブラック企業に対して国民の目線は年々厳しくなっており、またそうした企業を回避しようと就職活動においても情報収集を行う学生も増えているそうですが、この種のブラック企業が「仕事が多いのだから仕方がない」「労働は各個人の裁量に任せている」等と言えばまあ炎上沙汰になりそうですけれども、それが当たり前に通用してきたのが医療業界であると言えます。

冒頭の宮崎県立病院にしてもはるか以前から違法状態であったにも関わらず放置しており、また労基署もそうした違法状態に対して何らペナルティを課すでもなく黙認していたもので、「労基署に通報しても相手が医師だと判った途端に電話を切られる」などと言う都市伝説もまんざら嘘ではないのかも知れませんね。
これに対してさてどうした対策を取るべきかで、某大先生などはただひたすら医師を増やせ、とにかく増やせの一点張りですけれども、しかし国民皆保険制度下の医療現場は薄利多売を強いられており、医療需要を自ら喚起しながらフル操業状態を維持し続けなければ経営が成立しないと言う大前提を抜きにして何を語っても仕方がないのではないかと言う気がします。
そのための方策として診療報酬体系を改めるのがよいのか、医療需要そのものを抑制するための方策があるのか、方法論としては様々なものがあるかと思うのですが、まずは過酷な現場におかれた当事者がこれはおかしいと問題意識を持ち、解決のために自ら出来ることを始めていくことが必要になるのはどこの業界でも同じ事だと思いますね。

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2016年11月16日 (水)

飲酒運転で検問突破しても処分軽減される医師という職業

近年飲酒運転に対する世間の目線がどんどん厳しくなっている中で、珍しく処分を軽減されたと言うニュースが出ていましたが、元ネタとあわせて紹介してみましょう。。

患者が危篤に! 飲酒検問振り切って、医師逃走 対馬、酒気帯び運転疑い現行犯逮捕(2016年7月9日産経新聞)

 長崎県警対馬南署は9日、道交法違反(酒気帯び運転)の疑いで長崎県対馬病院の医師(59)=同県対馬市厳原町=を現行犯逮捕した。署によると、医師は検問を振り切って逃げ、署員がパトカーで追い掛けて止めた。呼気検査で基準値を上回るアルコールを検出したため、逮捕した。

 病院を運営する長崎県病院企業団によると、所属の医師に対し、緊急呼出を受けて車を運転できない場合、原則タクシー利用を義務付けている。逮捕された医師は担当する患者が危篤状態に陥り、自宅から病院に向かう途中だった。患者は間もなく死亡。病院企業団は「当直医が代わりに対応し、影響はなかった」と説明している。

 逮捕された医師は対馬島内で唯一がんの放射線治療ができる医師で、病院企業団は今回の逮捕で患者が治療を受けられなくなる恐れがあるとして、対応を検討している。

 逮捕容疑は9日午前2時10分ごろ、同市厳原町の国道382号で酒気を帯びた状態で乗用車を運転した疑い。


酒気帯びの医師を停職7日 危篤患者に対応と軽減(2016年11月9日共同通信)

 長崎県は8日、酒気帯び運転をした県対馬病院(対馬市)の男性医師(59)=同市=を停職7日の懲戒処分とし、管理職から一般職に降格したと発表した。通例では免職に相当するが、危篤状態の患者の元に向かっていたことを考慮し、処分を軽くしたとしている。

 病院を運営する長崎県病院企業団によると、医師は7月9日未明、道交法違反(酒気帯び運転)の疑いで現行犯逮捕された。自宅で発泡酒3本を飲んで眠り、約6時間後に病院から呼び出しを受けて乗用車を運転していた。企業団の聞き取りに「お酒は抜けていると思った」と説明したという。

 10月に厳原簡裁から罰金30万円の略式命令を受け、納付した。

今回の一件に関しては医師の特権云々と批判する声もないではないのですが、一方で飲酒後6時間の呼び出しで「酒は抜けていると思った」と言う弁解には一定の理解を示す声もある一方、検問を振り切って逃げていると言うことでやはり飲酒の自覚はあったか、あるいはそもそも冷静な判断力を喪失していた可能性はあるとの指摘もあるようですね。
こうした場合通常ならば少なくとも停職または免職に相当すると言うことであり、場合によっては学会による専門医剥奪や保険医指定を外されるなどの行政処分もあり得るケースで、地域内で特権的地位を所持しているからと軽々しく罪を減免していいものか、そもそもが医師として自覚に欠けるのではないかとむしろ同業者から批判も出ているようです。
他方では問題にするべきは飲酒運転で検問を振り切ったことよりも、飲酒状態で患者の診療に当たろうとしたことではないかと言う指摘もありもっともだとは思うのですが、法的には飲酒状態での診療に対する罰則と言うものはないそうなので、酒を飲んでいようがタクシーで出てくれば無問題と言う病院側のスタンスは問題視されていないようです。

しかしこの一連の経緯について、そもそも酒を飲んでいなければ良かったのだと言えば言えるのですが、当直勤務以外での医師の拘束と言うことを考えるとなかなか難しい問題が含まれていて、例えば休日に病院を離れて遠くまで外出は出来るのかと言ったことでさえ、特に今回のように代替する医師がいない場合何となく遠慮すべきだと言う空気も未だにあるようですね。
基本的には警察や消防などと同様医療も交替勤務制で行われるべきで、勤務日以外は待機の日と完全フリーの非番の日を設けられればいいと言う話ですが、都心部はともかく今回のような地方では人員の手当等様々な事情から全くもって実現の可能性の乏しい話で、今現在も全国で類似の事件は幾らでも起こっているのだろうと思います。
昔は田舎の住民などはのんびりしたもので、医師が酒を飲んでいる時に呼び出したりすればむしろ申し訳ないことをと声をかけるような文化もあったようですが、現状で医療現場の現実と法的社会的なルール、そして昨今何かと話題になる労働者の権利擁護と言う視点から、どの辺りを落としどころにすべきなのかは難しい話ではありますね。

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2016年11月15日 (火)

高齢ドライバーの重大事故、またも相次ぐ

このところ登校中の学童の列に軽トラが突っ込んだり病院駐車場で車が暴走したりと高齢ドライバーの絡む死亡事故が相次いでいますが、こちらその異様な光景が注目を集めた事故のニュースです。

コンビニに車突入し「たばこくれ」認知症か(2016年11月11日日本テレビ)

 11日午後、東京・板橋区のコンビニエンスストアに80代の男性が運転する車が突っ込み、客2人がケガをした。

 警視庁によると11日午後1時半ごろ、板橋区・三園のコンビニ「ファミリーマート三園一丁目店」に乗用車が突っ込んだ。車は近くに住む80代の男性が運転していて駐車場に車を止めようとしたところ、車止めを乗り越え正面から店に突っ込んだという。

 目撃者「車が突っ込んで(車が店の)中に入ってから(運転手が)『たばこくれ』って言ったんですよ」

 はね飛ばされた陳列棚などが当たり、客2人が軽傷。運転手の男性は調べに対し「全く覚えていない」などと話しているということで、警視庁は男性が認知症の可能性もあるとみて過失運転致傷などの疑いで調べている。

どういう豪快な買い物客だと話題になっていましたが、しかしコンビニに車で突っ込んできてお客を怪我させておいて「たばこくれ」ですから、見ていた人達もずいぶんと驚いたのではないでしょうか。
いずれの事件も共通するのは80代高齢者の運転による事故であること、通常では少し考えられないような特殊な状況での事故となっていること、そして当事者がいずれも事故当時の状況を覚えていない、あるいは説明出来ないと言った点が挙げられますが、何かしら認知機能に異常を抱えていたのでは、と誰しも考えますよね。
運転免許自体には定年制などないとは言え、このところ高齢者の認知機能検査など様々な対策も取り入れられているところですが、それらをすり抜けてくる症例に対してどのように対応すべきなのかと言う課題が取り上げられるようになってきています。

高齢ドライバーの事故どう防ぐ 「認知機能診断」に課題(2016年11月12日朝日新聞)

 横浜市港南区で集団登校中の小学生の列に軽トラックが突っ込み、1年生の男児が死亡した事故で、横浜地検は11日、自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死傷)の疑いで逮捕された無職合田政市(ごうだまさいち)容疑者(87)について、鑑定留置を始めた。高齢ドライバーによる死亡事故の割合は増加しており、認知症かどうかの診断機会を来春から増やすが、戸惑いの声も上がっている。
 合田容疑者の鑑定留置の期間は3カ月。これまでの神奈川県警の調べに対し、「ごみを捨てようと家を出たが、帰れなくなった」「どこを走ったか覚えていない」などと供述しており、認知症の疑いがあるという。専門医による精神鑑定の結果を踏まえ、責任能力がないと判断されれば起訴されない。3年前に受けた免許更新時の認知機能検査では問題ないとされていた。
 合田容疑者は10月27日朝、ごみを荷台に積んだ軽トラックで横浜市磯子区の自宅を出発後、神奈川県内や東京都内で高速道路を出たり入ったりしていた。翌28日朝に事故を起こすまで断続的に走り続け、自宅周辺を何度も通り過ぎていたという。事故では男児1人が死亡したほか、児童4人と軽乗用車に乗っていた2人の計6人がけがをした。

■増え続ける高齢者の事故、道交法を改正へ

 警察庁によると、全国の車やバイクが起こした死亡事故のうち75歳以上の運転者の割合は年々高まり、昨年は12・8%だった。
 来年3月施行の改正道路交通法では、75歳以上が3年に1度免許を更新する際の認知機能検査で「記憶力・判断力が低い」と判断されれば、医師の診断を受けなければならなくなる。さらに75歳以上が道路の逆走や一時不停止といった違反をした場合も、認知機能検査が義務づけられる。認知症と診断されれば免許の停止や取り消しになり、受検しない場合も同様だ。
 警察庁によると、専門医は全国に約1500人で、専門外のかかりつけ医でも診断できるようにガイドラインを定めた。だが、専門医からは反発の声も出ている。八千代病院認知症疾患医療センター(愛知県安城市)の川畑信也センター長は「増えている認知症患者に今でも分刻みで対応している。法改正で年5万人もの高齢者が受診を義務づけられると見込まれており、十分な対応は無理だろう」。
 日本医科大学認知症センター(川崎市中原区)の北村伸部長は「車を必要とする患者から恨まれる可能性もあり、付き合いの長いかかりつけ医は認知症との診断をしにくいのではないか。『すぐに認知症と判断する』という評判が立てば経営にも響きかねない」と話す。
 警察幹部や医師がそろって指摘する決め手は運転免許の自主返納だが、全国で約1700万人いる65歳以上の保有者のうち、昨年の返納者は約27万人だった。
 昨年は75歳以上の約163万人が免許更新時の認知機能検査を受け、3・3%にあたる約5万4千人が「記憶力・判断力が低い」と判断された。このうち医師の診断を受けたのは1650人で、免許の取り消しや停止に至ったのは564人だったという。(古田寛也)
(略)
 認知症の高齢者に、運転をやめさせることができずに悩む家族も少なくない。
 「認知症の人と家族の会」(本部・京都市)にも相談が寄せられる。副代表理事の田部井康夫さんは「『やめて』と言ってもなかなか聞き入れてくれず、家族は苦労している。特に車がないと生活に困る地域では、家族が強く言いにくい面もある。家族だけに任せず、医師や警察など様々な関係者が本人に働きかける仕組みが必要だ」と話す。
 運転をやめてもらうには、車に代わる移動手段の確保が重要だ。注目されているのが、出発・到着時刻を指定できる「オンデマンド方式」の乗り合いバス。登録した住民が無料で乗れる「元気バス」を運行する三重県玉城町など、一部自治体が取り組んでいる。
(略)

とある調査によれば認知症疑いのある高齢者の4割は車を運転していると言いますが、一昔前のように若者の無謀運転が問題視される時代が遠く過ぎ去り、むしろ若者の車離れが懸念されるような時代になってきますと、若い頃からモータリゼーションの恩恵を十分に受け、車があるのが当たり前で育ってきたこれからの高齢者こそハイリスク層と言うことになりそうです。
車を運転することが当たり前になっている人間に対して車に乗るな、バスを使えと言うのもなかなか難しく、特に運動不足を自覚している若い世代にはともかく足腰の弱っている高齢者からすれば、いつでもドアからドアまで乗り付けられる車の利便性が捨てがたいでしょうね。
それに対してどのような対策を講じるべきかと言うことですが、もともと必要だから免許を維持しているのだと考える人が多いのでしょうし、特に地方では車があるのとないのとでは利便性が劇的に違いますから、何らかの代案無しでは納得し難いものがあると言うのも事実でしょう。
足腰の不自由な高齢者向けの移動手段としてシニアカーと言うものがあり、また昨今ではマイクロコミューターなどと言うものも開発されてきていますが、例えば免許を返納し車を処分した高齢者には何らかの個人交通手段を自治体が給付すると言ったことになれば、仮に事故なり起こった場合でもまだしも被害は軽減出来るのかも知れませんけれどもね。

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2016年11月14日 (月)

臓器移植詐欺、マスコミ各社を巻き込む

マスコミ各社を招いて厚労省内で記者会見まで開いたと言うのに、それが全て嘘だったと明らかになり世間が唖然としていると言うニュースが話題になっていました。

拡張型心筋症の6歳男児、海外移植へ 募金始まる(2016年11月8日産経新聞)

 拡張型心筋症を患う東京都品川区の小学1年、皆川りた君(6)が米国で心臓移植するため、「りたくんを救う会」が結成され、8日から募金活動が始まった。費用は約2億円かかり、親類など関係者で5千万円集めたが、残り1億5千万円必要だという。

 救う会によると、りた君は今年1月、高熱が続き、夜中に突然呼吸困難になって病院に行った。拡張型心筋症と診断され、心臓移植以外に回復の見込みがないという。

 日本で移植を待っている時間はなく、来年2月にも米国へ渡航を計画。厚生労働省で会見した救う会代表で、りた君の伯母、岩本まどかさん(36)は「走るのが大好きな子。友達と鬼ごっこして遊べるようになってほしい」と話した。

「重い心臓病で募金を」 記者会見はうそ 女性が謝罪(2016年11月9日NHK)

「小学1年生のおいが重い心臓病を患い、アメリカで心臓移植を受けるために募金活動をしている」などとホームページで訴えたうえ、8日、記者会見を開いた女性が9日になって、「おいには病気はなく、金に困ってうそをついてしまった」などと謝罪しました。

東京・品川区に住む36歳の女性は「小学1年生のおいが重い心臓病を患い、アメリカで心臓移植を受けるために募金活動をしている」という内容のホームページを掲載したうえ、8日、手術や渡航費用などとして1億5000万円を目標に募金を呼びかける記者会見を開きました。

ホームページや会見では、男の子の写真とともに募金の振込先の銀行口座などを公開していましたが、9日になって、「おいは健康で、病気というのはうそだった。自分の家族には金がなく、今回のことを思いついた。募金が振り込まれた場合はすべて返金したい」などと謝罪しました。

ホームページの開設や記者会見について、女性は、おいの両親に無断で行っていたということで、「おいの家族にも迷惑をかけたことをおわびしたい」と話しています。


<心臓移植>虚偽の募金会見、女性が謝罪(2016年11月9日BIGLOBEニュース)

厚生労働省内で8日にあった、心臓病の児童が心臓移植を受けるための募金への協力を呼びかける記者会見の内容が、虚偽だったことが9日分かった。 会見を開いた東京都内の女性(36)が虚偽を認めて謝罪した。会見の内容は、一部の新聞やテレビなどですでに報道されていた

女性は児童の親族。移植を支援する団体の代表として記者会見を開いた。児童が米国で心臓移植を受けるため、親族で5000万円を集め、あと1億5000万円足りないとして協力を呼びかけていたが、児童が病気ということ自体が作り話だった。

女性によると、注意欠陥多動性障害(ADHD)のため今年5月に働けなくなり、生活に困窮し、うその募金を思いついた。10月に団体のホームページを開設したところ、支援者から記者会見をするようアドバイスを受け、引くに引けなくなったという。

児童の両親には無断で、ホームページに児童の写真や作り話、寄付金の振込先を掲載し、記者会見を開いていた。両親は弁護士と対応を検討している。 女性は報道各社や児童の家族に向けた謝罪文を発表し「食べていくにも困っており、父から『死にたい』と言われ、うその募金を思いついた。大変申し訳ない。寄付があれば全額返金する」とした。 【山田泰蔵】

独自ドメインを取得してホームページまで開設し大々的にやったことで多くの人があっさり騙されたと言う格好ですが、一斉に取り上げたマスコミ各社も直ちに関連記事を削除して回っているようで、こうしたケースでは今後の類似被害を防ぐためにもむしろ大々的にアナウンスすべきだと思うのですけれどもね。
この件については重症患児が存在しなかったことに安堵したと言う声もないではないものの、マスコミ各社があっさり騙されたことに対しての意見も多く、特に記者会見を取り仕切った形の読売新聞社こそ担当記者の懲戒処分を公表しているものの、他社も何ら責任を取らずに記事を削除するだけでいいのかと言う声も上がるのは当然でしょう。
もともとこの種の募金活動に関しては以前から世間の目線が厳しくなってきていることもあり、今回も公表された活動内容や費用の明細などを見て最初からこれは怪しいと言う声が多く、国内での移植待機患者や関係者の方々からも懸念のコメントすら出ている中で、ここまで話が進んでしまったことにはマスコミの検証能力の欠如と言われても仕方がないところかも知れません。

震災などのたびに各地で義援金などが募られる一方で、それがどのように使われているのかに対してのチェックは必ずしもきちんと行われておらず、国からも「義援金詐欺に注意を」と言った呼びかけが行われるような時代ですが、それでもこの種の移植関係の募金活動と言うものは今も行われており、相応のお金も集まっているようです。
それらのうちでどこまでが詐欺的行為でどこまでが真っ当な募金なのかははっきりしませんが、世間では「死ぬ死ぬ詐欺」なる言葉が定着しているほど怪しげなものであると言う認識も広まっている一方で、「救える命を放置するのか」と熱心に活動に協力していらっしゃる方々もいて、結局は騙されても後悔しないのであれば協力するべきだと言うことになるのでしょうか。
ちなみに国際的には自国内の臓器需要は自国内でまかなうべきだと言う考え方が定着してきていて、WHOなども主導して莫大なお金を投じて臓器を買うような渡航移植を実質禁止する動きも広まってきていますから、いずれは渡航移植云々の話自体が出た時点で徳川埋蔵金だとかM資金などの話と同様の扱いをされる時代もやってくるのでしょうか。

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2016年11月13日 (日)

今日のぐり:「左京」&「床瀬そば」

もうどこから突っ込んでいいものやら迷うと言うものですが、先日こんなニュースが報じられていました。

修学旅行中デリヘル、教諭懲戒免 サービス巡りトラブル(2016年11月10日朝日新聞)

 徳島県教委は10日、修学旅行の引率中に派遣型風俗店(デリバリーヘルス)を利用し、サービス内容をめぐってトラブルを起こしたなどとして、県内の小学校の男性教諭(28)を懲戒免職とし、発表した。

 県教委などによると、教諭は10月、1泊2日の修学旅行を引率中、児童らも宿泊した大阪市内のホテルの自室に、派遣型風俗店の女性を呼んだ。サービス内容を巡ってトラブルになり、警察に通報された。男性は署で事情を説明するため、無断で外出。早朝、児童が教諭の不在に気付いて発覚したが、他の教員が引率し、修学旅行を続けたという。

 教諭は女性との示談が成立している。教諭は「反省している。子どもや保護者に申し訳ない」と話しているという。

まさに突っ込みどころが多すぎると言う話なんですが、幾ら何でも一泊二日の修学旅行中も我慢出来なかったのでしょうかね?
本日はあまりに抑制が効かなすぎた男性教諭に哀悼の意を表して、世界中から幾ら何でもそれはいささかどうよ?と突っ込みたくなるネタを紹介してみましょう。

地球を救うため樹木と愛を交わす「エコセクシャル」(2016年11月04日スプートニク)

私たちの惑星が危険に瀕しておりエコロジー状況に改善の余地があることは周知の事実。一部の人々は肉食をやめ、一部の人は車から自転車に乗り換える。また一部の人は、自然を救うには自然と性交するしかない、と考えている。ヴァイスが報じた。

「エコセクシャル」運動の代表らは木々や植物と性交し、絶頂感のために泥の中に転がり、滝の下に立って自慰にふけり、裸で森や山を歩く。 そうした人が世界には10万人あまりあるという。

相手となった木や草がどれだけ救われたのかは不明。

まあこの種の方々の主張にいささか理解に困難を覚える部分があるのはしばしばですが、樹木が異種性愛者だと考えた理由は少し聞いてみたいですね。
この種のネタと言えば昨今は中国の独壇場とも言えますが、まずは日本でも有名なあの俳優がこう言っているそうです。

「日本兵を素手で裂きません!」ジャッキー・チェンの“抗日映画”で面白ポスターが登場(2016年11月5日レコードチャイナ)

2016年11月4日、ジャッキー・チェンの最新作映画「鉄道飛虎(Railroad Tigers)」から、これまで話題になった抗日ドラマを意識した爆笑ポスターが公開された。新浪が伝えた。

「鉄道飛虎」は、中国で今年12月30日から公開されるジャッキー・チェン最新作。第2次世界大戦下の中国が舞台で、日本軍を襲撃するため鉄道労働者や一般市民によって組織されたゲリラ隊「鉄道遊撃隊」を描くもの。「ジャッキー・チェンの抗日映画」と言われているが、作品自体はジャッキーならではのコメディーをふんだんに取り入れ、トレイラー映像を見ても軽いタッチで描かれているのが分かる。

この「鉄道飛虎」から、新たに公開されたポスターが面白すぎると話題だ。「石で飛行機を撃ち落としません」「日本兵を素手で裂きません」など、ポスターの全面にデカデカと字が書かれた4パターンが登場。これらはいずれも、ありえない描写が話題になり、「神ドラマ」とネットで騒がれた抗日ドラマに登場するワンシーンを示している。

このポスターに反応したネットユーザーたちが、ジャッキー・チェンの絶妙なユーモアのセンスに賞賛を送っている。

色々と突っ込みどころはあるのでしょうが、しかし日本兵を素手で裂きもしない抗日映画に何の存在価値がと言う素朴な疑問も感じるところです。
怪しげな民間療法による健康被害は後を絶ちませんが、こちら何故そうなったと思わず疑問を感じる顛末です。

磁石セラピーに失敗 睾丸を強くはさまれ男性が救急搬送(2016年10月14日テックインサイト)

急所をわしづかみされたような股間の激痛を訴え、午前4時48分という早朝に自宅から救急搬送となった中国・広東省在住の45歳の男性。痛みに絶叫しながら緊急処置室へと運ばれた。何名もの救急隊員が興味深そうに取り囲んだ物々しいその病室の様子を中国のメディア『サザン・メトロポリス・デイリー』などが伝えている。

「磁気治療に関心があり、強力磁石を2つ用いて自宅でそれを試していた。すると睾丸をはさんで磁石がピタッとくっつき、まったく外れなくなった」と説明されたが、前例がないため救急隊員は医師の指導を仰ぎたいと救急病院に搬送。しかしそこでは、医療スタッフとの間で何か間違いが起きたら誰が責任を負うのをめぐり少しばかり悶着が起き、痛みに耐えかねた男性は「すべての責任は自分にある。いいから早くやってくれ」と絶叫。彼らは念のためその妻の同意も得て処置を開始した。

ついに取り出されたのは本格的な油圧工具。それほどまでに磁石は強力であったが、非常に微妙な位置にあったため、医師は大型で強力な工具の使用は断念せざるを得なかった。そして磁石を製造した業者に電話。しかし「スライドさせてみてください」との助言に、医師は「強力すぎてあまりにも危険」とその方法も断念した。

こうして医師と救急隊員は最善の方策について改めて相談。一人の救急隊員が「磁石はハードな固体ではない。油圧カッターを用いてみたらどうだろう」と言うと多くが賛成した。細心の注意を伴った切断作業により、アクシデントの発生から4時間も経過しところでやっと男性の睾丸は磁石から解放された。医師はその後、男性を診断。「睾丸のダメージは永続的なものではない」と告げて安心させたという。

記事には写真も添付されているのがまた何ともですが、しかしまあどのような状況からこのような事態に至ったものなのでしょうね。
こちら勇気ある行動と言えば言えるのかも知れませんが、しかしどうやら相手が悪かったと言えるニュースです。

「女の子の気を引きたかった…」動物園でパンダの檻に侵入した男、返り討ちにあい敗走(2016年11月1日地球備忘録)

中国、江西省の動物園で男が柵を乗り越えジャイアントパンダの飼育小屋に侵入する様子を捉えた動画が話題になっている。
取材に対して男は、一緒に動物園を訪れていた2人の女友達にカッコイイところを見せたかったと話しているという。

檻に侵入した男は目論見通りジャイアントパンダに近づくが、体重120㎏の12歳の雄パンダである「メイリン」は寝ているところを邪魔されて機嫌を損ねてしまったようだ。男に掴みかかると、そのまま離さずUFCさながらの格闘に発展してしまった。
数分後、どうにかしてパンダの攻撃を逃れた男は一目散に逃亡、難を逃れた。

ジャイアントパンダは一見可愛らしい動物だが、顎や爪は強い力を持っているため、興奮すると重大な事故を引き起こすこともある。普段は飼育員も大人パンダの檻には入らないという。
パンダによって男のズボンはズタズタに引き裂かれたものの、奇跡的に男、パンダともに無傷だったようだ。

その状況は元記事の動画を参照いただきたいのですが、しかし普段から寝技をやっている動物だけに見事なテイクダウンですよね。
最後に取り上げますのはご存知ブリからのニュースですが、まずは記事から紹介してみましょう。

飛行中のブリティッシュ・エアウェイズ機で機長がわいせつ行為か 衝撃写真が流出(2016年11月01日テックインサイト)

上空を飛行中であるブリティッシュ・エアウェイズ(以下BA)の旅客機のコックピットで、機長が下半身露わにガーターストッキングだけをつけて脚を投げ出している。そんなあられもない恰好で撮影された写真、トイレで撮影された下半身写真、そして別のフライトでは複雑な電子機器の上でポルノ雑誌を広げている写真など数枚が流出した。

『thesun.co.uk』が報じているところによれば旅客機はいずれもボーイング777型機で、シリアル番号を含むダッシュボードの情報を元に現在コリン・グローバー機長(51)について厳しい取り調べが進められている。ただし本人は「自分ではない」と否定しているという。フライトシミュレータで撮影されたのではないかという意見が多いことについて、航空専門家のクリス・イェーツ氏はこう述べている。

「上空を飛んでいる飛行機においてこれは極めて危険な行為です。乱気流に巻き込まれた時と同じ状況を引き起こしかねません。写真をみる限り、照明の雰囲気からこのコックピットは実際の機体である可能性が高いです。また別の写真にあるトイレも同様です。」

BAの広報担当者によればグローバー機長は勤務26年のベテランで、アメリカ、カリブ海、極東地域にB777型機で飛ぶことが多かったのは事実だとし、取り調べのため現在は乗務から外されているとのこと。「悪質で深刻な出来事と受け止め、調査の結果を待ちたい」と話している。また写真は“自撮り”の可能性が高く、Facebookに投稿されたと伝えるメディアもある。国際航空運送協会、国家の安全規制機関や会社の規則を遵守するべきパイロットがなぜそのようなことをしたか、慎重な調査が必要であるようだ。

元記事には写真も添付されているのですが、しかし見たところこれはごく一般的なブリ紳士の嗜みの範疇であるようにも感じられますが如何でしょう?
ともあれ彼ら以外の世界の大部分では変態的行為として認識されるものであるのは間違いないのですが、慎重な調査を行って何がどう解明されるものでしょうね。

今日のぐり:「左京」&「床瀬そば

 
皿そばで有名な出石城下のいわば入り口付近に位置するのがこちらの左京さんですが、間口も狭く見た目はかなり地味ですよね。
いつ言っても安定した質の蕎麦が出てくるので、出石方面では最近まずこちらに入ることが多いのですが、この日は満員御礼状態でした。

当然ながら皿そばを頼むのですが、こちら少しあっさり目だが甘辛のバランスが良いツユにコシのあるしっかりした蕎麦と、蕎麦屋の味に通じるものがありますね。
特筆すべきなのはこうした繁忙期であり、かつ水を吸わない陶器の皿なのに一切余計な水がたまっていないことですが、こういうところは仕事をしっかりされているのだろうと思います。
店員さんの接遇も観光客相手が手馴れてるものですが、たまに出てくる大将もなかなか面白い親父さんで、機会があれば少し空いた時間にゆっくり滞在されるのもいいかも知れませんね。

さて、その出石の町から外れた豊岡市郊外の山間部の小集落に位置するのが床瀬そばさんですが、見た目はまさに古民家そのもので風景と合わせてなかなかいい場所です。
ちなみに以前来た時には川下に当たる東側からのアクセスで大変な目に遭ったのですが、川上の北側からは立派な道がつながっているようですね。

並そばを頼んで見ましたが、こちら皿そばではなく普通にザルに盛った田舎風蕎麦で、蕎麦の味自体はそう悪くはないんですがザルの上なのに蕎麦が水浸しなのはちょっとどうなのかです。
妙な酸味が気になる蕎麦ツユは蕎麦ともマッチングも今ひとつに感じましたが、それでも前回朝一で開店待ちに並んだ時のような臭くて口に入れるのもちょっとアレな蕎麦ではありませんでした。
蕎麦湯はナチュラルタイプでこれも味自体は決して悪くないんですが、蕎麦ツユが大ぶりの器にたっぷり入っているのでそのまま蕎麦湯を入れると辛くなりすぎてしまいますね。
出石の皿そばのように蕎麦ツユを別容器にして欲しいところですが、こちらの場合蕎麦の薬味も一テーブルごとの盛り合わせと言う店ですから仕方ないのでしょうか。
空気はいいし接遇もこの日は丁寧で蕎麦以外はおおむね好印象ではあったので、あるいは他の料理を試して見ればもっと楽しめるお店なのかも知れませんね。

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2016年11月12日 (土)

日弁連の死刑廃止宣言直後の死刑執行が話題に

先日久しぶりの死刑が執行されたと報じられていましたが、それと前後してこんなニュースが流れていたことをご存知でしょうか。

<記者の目>日弁連の死刑廃止宣言(2016年11月11日毎日新聞)

 日本弁護士連合会が10月7日、「2020年までに死刑制度の廃止を目指し、終身刑の導入を検討する」とする宣言を採択し、死刑廃止に向けて活動していく方針を初めて明確に打ち出した。木村保夫副会長は採択後の記者会見で「国民の理解が得られるように犯罪被害者の支援を拡充する」と発言したが、その言葉通り、まずは被害者支援の拡充に力を尽くしてほしい。その前提がなければ、刑罰のあり方を巡る国民的な議論は進まないはずだ。
(略)
上級審で減刑、遺族納得できず

 13年には、裁判員裁判で出された1審の死刑判決を、裁判官だけで審理する2審が無期懲役に減刑するケースが2件続いた。裁判員制度は「刑事裁判に市民感覚を反映させる」ために導入されたはずだった。裁判員の苦渋の判断を覆した2審判決を「納得できない」と批判する被害者遺族の声を聞いた。
 2件はいずれも、殺害された被害者が1人で、計画的とはいえないと認定された強盗殺人事件だった。検察側は上告したが、最高裁はこうしたケースを無期懲役としてきた「過去の量刑」との公平性を重視し、2審判決を支持した。この判断について、ある裁判官は「裁判員制度の趣旨からして市民の判断を尊重するのは当然だが、人の命を奪うことになる死刑だけは慎重にならざるを得ない」と説明した。死刑という究極の刑罰が、裁判員制度に矛盾をはらませている。

 死刑廃止を求める人たちは「裁判に誤りがありうる以上、死刑はなくすべきだ」と主張する。確かに、無実の人が国家によって命を奪われるという究極の不正義は決して許されない。死刑が確定しながら、再審開始決定が出て釈放された袴田巌元被告のようなケースが今もあることを、重く考える必要がある。
 日弁連も「冤罪(えんざい)で死刑が執行されれば取り返しがつかない」として、今回の宣言に踏み切った。内部の賛否が割れる中で、死刑廃止が進む海外の動向も踏まえた思い切った決断だった。

 他方で、国が4月に採択した「第3次犯罪被害者等基本計画」に挙げられているように、加害者の損害賠償責任が果たされず、被害者が十分な賠償を受けられない現状が依然としてある。事件で仕事ができなくなった被害者の雇用先の確保など、被害者の生活に関わる課題は山積している。
 決意を持って宣言を採択した以上、日弁連にはこうした課題に率先して取り組む責務がある。


「法律上、当然だ」死刑執行で弁護士グループが初の声明 死刑に否定的な日弁連会長声明は「弁護士の総意ではない」(2016年11月11日産経新聞)

 田尻賢一死刑囚の死刑が執行されたことを受け、死刑制度存続の必要性を訴える弁護士グループ「犯罪被害者支援弁護士フォーラム」は11日、東京都内で会見し、「法に定められた死刑の執行は当然だ」と評価する声明を発表した。

 同フォーラムが死刑執行について声明を出すのは初めて。

 声明は、死刑は重大な刑罰であり、慎重な態度で臨む必要があると指摘した上で、「死刑制度は最高裁でも合憲とされ、死刑判決は慎重な審理を尽くした上で言い渡されている。執行に反対することは法律を順守しなくても良いと述べるのと同様だ」と死刑制度廃止論に異議を唱えた。

 同フォーラムは会見で「死刑が執行されるたびに日本弁護士連合会が(死刑に否定的な)会長声明を出すが、決して弁護士全体の総意ではないということを国民や犯罪被害者、遺族に分かってほしい」とした。

この日弁連と死刑制度との関わり合いは昨日今日に始まったことではありませんが、組織として公的な見解を打ち出したことには重大犯罪被害者や関係者のみならず弁護士業界内部でも強い批判を招いていて、今回の死刑執行を受けて改めて議論も盛んになっているようですが、死刑廃止の代案として終身刑導入を提案している点については評価に値するものかとも思いますね。
ともあれ進歩的な方々が死刑制度廃止を唱えることは全くの自由ですし、国民の了解を得られれば法制度の改正など様々な手続きを経て実現されればいいかと思うのですが、一方でこの場合主張しているのが単なる有志の団体などではなく日弁連と言う組織であり、日本で弁護士として活動するためには加入が義務づけられている団体であると言うことが問題だとも言われています。
今回コメントを出した「犯罪被害者支援弁護士フォーラム」に限らず、弁護士業界内部でも日弁連の主張が自分達の総意であるかのように誤解されては困ると言う不満が渦巻いているとも側聞しますが、しかし弁護士の懲戒権限も持つ業界団体に逆らうと言うのもずいぶんと勇気が要るのだろうとは思いますけれどもね。

ちなみに推進派の方々に言わせれば「強制加入団体だからできないという理由はもはや使い古された論理でしかなく」何の説得力もない意見であり、「弁護士が口に出して言うべきでないというのであれば、あなたも黙って下さい、というべきレベルのものでしかない暴論」だそうですが、当の弁護士を対象にした調査でも死刑廃止賛成の声は4割強と半数にも至らなかったそうです。
そんな少数派の意見が何故全体の声のように通ってしまったのかと言えば、採択をした人権擁護大会が委任による議決を認めておらず、参加したのが弁護士全体のわずか2%程度と言うごく少数に留まったからだと言いますが、話を聞くだけでも弁護士業界と言うところもずいぶんと大変な世界なのだろうなと思いますね。
ひるがえって見れば幸いにも医療の世界では日医などと言う団体は別に強制加入でも何でもなく、特別な権限を法的に付与されているわけでもないのですが、日弁連などと同様何かと独自見解を業界の総意か何かのように公言したがる性質は共通しているようで、今後仮に公的な権力でも握ろうものならどのようなことになっていくのでしょうか。

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2016年11月11日 (金)

お金を節約するために糖尿病患者は大病院へ!?

先日出ていてちょっと面白いなと思ったのがこちらの記事なのですが、まずは一部なりとも紹介してみましょう。

医療費を削減するテクニックで年10万円も節約可能!(2016年11月5日ザイ)

 現在発売中のダイヤモンド・ザイ12月号には、知っているだけで差がつく「医療費の削減ワザ65」を掲載中。今年の制度改定によって、昨年までは医療費がお得になっていた裏ワザを使い続けていると、逆に割高になってしまうという落とし穴にハマるかも!? 今回は、ダイヤモンド・ザイに掲載されている65の医療費節約テクニックの中から、7つのテクニックを抜粋して紹介!

【医療費削減テクニック(1)】大きな病院に行くときは、医師の紹介状を必ず持参せよ!
 2016年4月から、紹介状を持たずに大病院を受診すると、通常の医療費に加えて、初診時5000円以上、再診時2500円以上の特別料金が加算されることになった(歯科は、初診時3000円以上、再診時1500円以上)。これ以上の金額を各病院の裁量で設定していいことになっているので、なかには1万円程度の特別料金を取るところもあるという。
大病院は高度な手術や化学治療、中小病院や診療所は日常的な慢性疾患」と、医療機関の機能分化をして、限られた医療資源を有効活用するのが制度を改定した国の狙いだ。
 対象になる医療機関は、「特定機能病院」「一般病床500床以上の地域医療支援病院」と呼ばれるもので、具体的には大学病院や国立病院機構、複数の診療科がある地域の民間病院だ。これらの大病院に、紹介状を持たずにいきなり行くと医療費が割高になるので、日頃からかかりつけの中小病院や診療所を見つけておきたいもの。
日常的な病気やケガは、かかりつけ医に診てもらい、大きな病気が見つかった場合は紹介状(診療情報提供書)を書いてもらうといいだろう。紹介状の料金は750円(3割負担の場合)。いきなり大病院に行くよりも費用を安く抑えられる。

【医療費削減テクニック(2)】よほどのことがない限り、深夜・早朝・休日の受診は避ける!
 夜22時から翌朝6時までの時間帯に医療機関を受診すると、初再診料に加え1440円が上乗せされる。同様に、休日は750円、時間外(6~8時、18~22時)は260円(その病院が定める診療時間内なら150円)などの料金が加算されてしまう。症状が軽い場合や緊急性のない病気なら、深夜や休日はなるべく避けて、時間内に病院へ行くようにしよう。

【医療費削減テクニック(3)】軽度の病気やケガなら「施設基準」が低い病院を狙え!
 日本の医療費は全国一律の公定価格。原則的に全国どこの病院でも同じ価格ということになっているが、実は「施設基準」によって差がある。
 例えば、入院1日あたりの基本料は病棟の看護師の人数によって異なる。入院患者7人に対して1人の看護師がつく病院なら1日あたり4773円。患者15人に対して1人の看護師がつく病院なら2880円で、なんと1893円もの差があるのだ(一般病棟入院基本料の場合)。
 医療費を抑えたいなら、事前に病院のホームページなどをチェックして、「施設基準」が低い(=患者数に対して看護師が少ない)病院を選ぶのもひとつの手段。軽度な病気やケガなら「施設基準」が低い病院で対応できるケースも多い。自分の症状に応じて利用する医療機関を使い分けるようにしよう。

【医療費削減テクニック(4)】同じ病院の複数の科で診てもらうなら、同一日に受診せよ!
 病院や診療所に行くと、必ずかかる「初診料」と「再診料」。「初診料」はその病気で初めて受診したときの基本料金で、3割負担だと850円。「再診料」はその病気で、同じ医療機関を2回目以降に受診したときの料金で220円(診療所と一般病床200床未満の病院)となっている。
 ただし、同じ病院内で同一日に受診した場合は、2科目は「初・再診料」が半額になる。さらに、3科目以降はいくつ受診しても「初・再診料」はかからない。つまり、病院は同じ日にまとめてかかるのがお得なのだ。

【医療費削減テクニック(5)】勝手に通院を止めたり、複数の病院をハシゴで受診したりしない!
 同じ病気なら、2回目以降の通院は「再診料」になるが、治療が終わっていないのに患者が勝手に通院をやめて、1カ月以上経ってから再受診すると、割高な「初診料」で計算されてしまう。また、ひとつの病気で、複数の医療機関をハシゴ受診すると、その度に「初診料」がかかって医療費が高くなる。同じ検査を何度もするのもお金の無駄だ。“ドクターショッピング”(買い物でいろんな店舗を見て回るように次から次にさまざなま病院・医師にかかること)は控えるべし

【医療費削減テクニック(6)】生活習慣病で定期的に通院するなら、より大きな病院を選べ!
 生活習慣病での通院は、実は大病院のほうが医療費はお得になる。
 というのも、糖尿病や高血圧症などで通院すると、2カ月目から「特定疾患療養管理料」という特別料金が加算されるが、その料金は医療機関の規模によって料金が変わるため。
 診療所は1回につき680円、ベッド数100床未満の病院は440円、101~200床未満の病院は260円。そして、200床以上の病院になると特別料金の加算がなくなる。つまり、生活習慣病での通院では、特別料金の分、大病院ほど医療費が安くなるのだ。
 とはいえ、特別料金が安くなる以上に交通費などがかかっては意味がない。通いやすい場所にあるなら紹介状をもらった上で大病院に行こう。

【医療費削減テクニック(7)】薬局は1カ所にまとめ、行くときは必ず「おくすり手帳」を持参!
 2016年度の診療報酬改定で変更されたのが、「おくすり手帳」の扱いだ。これまでは、患者が手帳への情報提供を断ると、処方せんの受付1回につき20円安くなっていたが、今年度からは逆に手帳を持参しないと薬代が高くなってしまうように。
「おくすり手帳の料金なんて払ったことない」と思うかもしれないが、薬局で支払う「薬剤服用歴管理指導料」に含まれている。手帳への情報提供は、薬局が指導料を算定する条件のひとつになっているのだ。
(略)

この種の医療ハウツーネタについては正直ちょっとそれはどうよ?と思うような対策が並んでいることも多い中で、途中の理屈はともかく結論部分にはおおむね了解できるかなと思うような話でほっとするところですが、この中で一つ気になったのが「【医療費削減テクニック(6)】生活習慣病で定期的に通院するなら、より大きな病院を選べ!」の部分ではないでしょうか。
そもそも「【医療費削減テクニック(1)】大きな病院に行くときは、医師の紹介状を必ず持参せよ!」の部分でいきなり「 日常的な病気やケガは、かかりつけ医に診てもらい、大きな病気が見つかった場合は紹介状(診療情報提供書)を書いてもらうといいだろう」と明言しているにも関わらず、まさしく日常的な病気の代名詞とも言える生活習慣病で大きな病院に定期通院しろと言うのでは何のことやらです。
実際にこの種の病気でかかりつけになってくれる大病院医師もいるのかも知れませんが、普通はさっさと逆紹介されて町の開業医なりに熨斗をつけて送り出されるだろうと言うものなんですが、別にこの記事はそうした医療が正しいとか望ましいとか言う話ではなく、単に現行の医療制度に従えばこうした方が得だと言う話に過ぎないので、文句があるなら生活習慣病の診療報酬を改定しろですよね。

この辺りは患者が何を望むかによっても受診行動が別れるところで、せっかく信頼できる開業医を紹介しようとしても断固として大規模病院に通いたがる患者もいて、そうした方々が回り回って若手医師の外来でたらい回しにされているようなケースも時折見かけますが、本人は「こんな大病院で診てもらっているのだから安心だ」と思い込んでいるのかも知れません。
逆に大病院は待ち時間が多いから嫌だと市中の施設を紹介してくれと言う患者もいますが、こうした患者はとにかく待ち時間がなくさっさと薬だけを出してくれる医者がいい医者だと言う考えに陥りがちで、担当の先生がきちんと定期的な検査をしながら診療しようとしても逆ギレして勝手に治療を中断してしまい、その後どこかで重症化してまた大病院に担ぎ込まれると言った場合も見られます。
国は医療費の節約と言うことを大きな目標にしている節があって、必ずしも医学的に妥当とは思えない診療報酬体系を現場に強いている場合もあって油断できないのですが、この種の外部目線で客観的にチェックされると何でそんな妙なことに?と思うようなことも結構あるもので、時々はこうした第三者の評価にも目を通しておく必要もあるのでしょうね。

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2016年11月10日 (木)

高齢者介護問題よりも急速に深刻化しつつある子世代の問題

高齢者の介護問題が年々深刻化しつつあると言う中で、近年とみに注目されるようになったのがこちらの問題です。

「パラサイト・シングルの子」に介護される親の“悲劇” (2016年10月28日プレジデントオンライン)

(略)
「介護生活はどんな家族でも例外なく大変なものですが、なかでもパラサイト・シングルの人が介護を担う状況は、見ていてつらくなることが多いです」
Iさんの説明によると、こんな状況です。
まず、仕事を持っている人。同居しているわけですから、介護の負担をすべて背負い込むことになります。親元から独立し結婚という苦労が伴うことを避け、気楽に暮らすことを選んだ人にいきなり介護の苦労が押し寄せる。精神的に追い込まれますし、仕事と介護に両立は難しいと受け止め離職する人も少なくありません
仮に離職すれば当然収入はなくなる。介護生活は親の年金と貯えが頼り。将来の展望が描けない日々が続くことになります。そして介護が終わった時、つまり親を看取った時点で、貯えはほとんどなく、しかも高齢で仕事が見つからない現実に直面して途方に暮れるといったケースが少なくないわけです。
「利用者さんのなかには、そうした不安を切々と語られる方がいますが、聞いていてつらくなりますよね。ただ、この状況になったのは親御さんのために介護を頑張ろうという思いがある。親子の“情”が介在している分、我々も気持ちを汲んで対応できるのですが……。対応の仕様がなく、親御さんがいたたまれない状態になるのが、ニートの方が介護するケースです」

ニートが介護すると何が問題となりやすいのか。
第一の障害として、ニートの人は、ケアマネージャーをはじめ介護サービスを提供する人たちとの接点を持ちたがらないそうです。
「SOSを出す状況にもかかわらず、我々が訪ねて行ってもなかなか家に入れてくれないわけです。社会に対して閉じてしまっているというか……。対人関係が築けないからニートになったのかもしれませんが、介護に関しては、そんなことを気にしている場合じゃないと思うんですけどね」
それでも根気強く説得して接点を持ち、介護サービスの必要性を説明しても、次なるハードルが待ち構えているといいます。お金の問題です。
「親御さんが要介護になると、金銭の管理は子であるニートの人がすることになります。そのお金の使い道は自分優先で、介護サービスをはじめ親のためには極力使いたくないという態度を示すんです。話を聞いて必要と思われるケアプランを作って行っても、こんなサービスはいらないから削れと言われてしまう。結果的に、親御さんは劣悪な状況に置かれることになります」
(略)
「これはあくまで私が経験した事例であって、ニートの方でも親御さんをいたわる気持ちを持ち、真面目に介護に取り組んでおられる方もたくさんおられるでしょう。しかし、世間の常識とはかけ離れた感覚のまま介護をされる方が増えている危うさを感じますね」
そうした経験からIさんは、「ニートのお子さんと同居している親御さんは、ちゃんとした介護をしてくれる、などと期待しない方がいい」と言います。
「そういう方は元気があるうちに最期まで面倒をみてくれる施設を見つけ、家を売って入所することを考えた方がいいと思います。そうなればお子さんだって、生きるために社会に出ざるを得ないですし、自立するきっかけになるかもしれません。ただ、その決断は難しいかもしれません。ニートの方がいる利用者さんを見ると、親御さんに甘さを感じます。子離れできていないのです」
(略)

年金を代表として多くの社会保障システムは世代が次々と再生産され次世代につながっていくことを前提に構築されていて、そもそも子供世代が親世代よりも減っていく今の時代に合っていないと言いますが、特に親二人に対して子供一人と言う家庭の場合、よほどに経済力をつけるか資産を貯め込むかでもしておかなければ経済的に回らないのも当然ですよね。
お隣中国では近年一人っ子政策で子供を一人しか持たなかったにも関わらず、その子供を失ってしまった両親の老後が「失独家庭」などと言われ社会問題化しているそうですが、中国よりは社会保障が充実している日本であってもパラサイトシングルが離職し介護に専念すると言うケースは少なくなく、親の年金が途絶えた後彼らの生活をどう担保していくのかです。
記事では特にパラサイトシングルかつニートの場合が大変だと結んでいますが、記事から読む限りでは北欧方式にも通じる手をかけないスタイルはむしろ今風であるとも言えるのかも知れずで、感情の問題を考えなければ高齢者介護問題を解消する方向に働く原動力ともなりかねないものがありますが、他方では子供の側にもこんな言い分があると言います。

「生保受けたいから親に早く死んでほしい」支援者が語るひきこもりの本音(2016年10月17日新刊JP)

現在、日本には6カ月以上家族以外と交流せず、自宅にいる15歳から39歳の「ひきこもり」が約54万人いる。
こうした人が、社会参加できないまま年を取る「ひきこもりの長期化・高齢化」が社会問題になるなか、この状況に一石を投じているのが、元ひきこもり相談員である伊藤秀成さんの『ひきこもり・ニートが幸せになるたった一つの方法』(雷鳥社刊)だ。
(略)
――今、ひきこもりの長期化と高齢化が大きな問題となっています。平均10年以上というデータもありますね。
伊藤:僕が会った方で一番長い方は、50代の方で30年くらいでしたね。
でも、おそらく40年以上ひきこもって60歳を超えている方もいらっしゃるはずです。その年代になると、「独居老人」というくくりになって「ひきこもり」としてカウントしないから実態が見えないだけで。

――ひきこもっている方々の本音として、自分の将来についてどう考えているのでしょうか。
伊藤:そこは人によって本当にまちまちで、悲観的な人もいれば楽観的な人もいます。
「なんとかしないと」と思っている人がいる一方で、「生活保護を受けたいから早く親に死んでほしい」と考える人もいます。「楽してお金をもらえそうだから議員になりたい」という人もいました。楽なわけがないんですけどね。
印象に残っているのは「正直、将来のことは考えたくない」と言っていた20代の方です。中学に一度も登校せず、そこからずっとひきこもっている方なんですけど、どこかで自分の将来は絶望的だと気づいていたんだと思います。
ただ、こういう方は現実を見ているぶん、希望はあります。まずいのは「ファンタジーから抜け出せない人」です。
一度もサッカーをしたことがないのに、サッカー選手になりたいとか、日本代表の監督になれると言ってはサッカーの教本を読んでいる40歳くらいの男性に会った時は衝撃を受けました。「中二病」を中高年まで引きずってしまうと厄介なんです。
(略)

まあそのうち本気を出せばまた違ってくるのかも知れませんが、今や引きこもり問題は決して若年者問題と言うわけではなくなっており、まさにこれからは親世代だけでなく彼ら自身の老後をどうするかと言う難問が待ち構えているわけですが、親の年金に頼って子が生活していると言う場合、別に子の考え方如何に関わらず資金的な面から介護サービスなどを制限せざるを得ないこともあるでしょう。
介護に加えてお金の問題にまで頭を悩ますくらいならいっそ自分だけで生保受給で暮らして気楽に生きていきたいと言う考えもそれなりに妥当なのかも知れずですが、実際のところ真性の引きこもりが今の時代に生保受給と言う相応に高いハードルを乗り越えることが出来るのかどうかで、全国的にも親の死後の支援などを行う団体が立ち上げられるなど対策もようやく進み始めているようです。
引きこもりと言うほどではなくとも、孤独死は独居老人よりも独身中年の方がむしろ多いと言う話もあるのだそうで、今後は高齢者のみならずその子世代への対策も重視していく必要があると言えそうなんですが、お金を出す国からすれば本来しっかり働いて税金をたっぷり支払ってもらいたいこの年代が要支援状態になるのも、ダブルパンチで痛い話なのかとも思いますね。

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2016年11月 9日 (水)

市販薬拡大路線の功罪

処方薬の市販薬化拡大の問題に関してはどちらかと言えばそのリスクを強調する論調が目立っていた印象ですが、先日はこうした記事が出ていました。

米国は医療費の大幅削減に成功 “強い”薬も薬局で買える(2016年11月6日.dot)

 風邪薬、下痢止め、咳止め、酔い止め、鎮痛剤……。ドラッグストアでさまざまな薬を手軽に入手できる点はアメリカも日本も同じだが、決定的に異なるのは、日本では医師の処方が必要な「強い」薬が、アメリカではドラッグストアでも売られているところだろう。
「赴任したとき、日本では医師が処方しなければならない胃潰瘍薬、『プロトンポンプ阻害薬』がドラッグストアに並んでいたことに驚きました」
 と、アメリカのマサチューセッツ州ボストン在住の医師、大西睦子さんは言う。

 米国では、病気などの初期症状が出たとき、ファーストステップとして、病院に行くより、市販薬に頼るケースが一般的だ。
 2015年度の米国消費者ヘルスケア製品協会の報告によれば、米国の市販薬市場は400億ドル、平均的な家庭は年間に約338ドルを市販薬に使っていることになるという。
「8割以上の成人は、軽い病状が現れた場合、まず市販薬に頼りますし、深夜に子どもに症状が出た場合も、7割近い親が市販薬を与えているというデータがあります。医療費が高額になりがちな米国では、市販薬は、手ごろな価格でアクセス可能な、貴重な医療手段なのです。市販薬がないと、軽い症状でも、高額な医療に依存しなければなりません」

 市販薬は医療費の削減という意味でも効果的だ。医療機関を受診すれば6~7ドルかかるが、市販薬では1ドルで済むとされる。医療費を770億ドル、薬のコストを250億ドル削減しているという。セルフメディケーションが成功しているように見える米国だが、消費者リテラシーはやはり高いのか。
副作用や他剤との飲みあわせなどの諸注意は、『ドラッグファクト』としてパッケージに大書きされ、メディアで定期的に周知されているので、理解は進んでいると思います。市販薬のポーションは大きく、数百錠単位で売られているものもあります。子どもが大量に誤飲してしまえば大事ですから、保存場所にも気を配るのが常識です」
 それでも、特に健康リスクの上がる高齢者は、多剤服用での相互作用や、腎機能や肝機能低下などが問題になるケースは後を絶たない。手に入れやすいために、乱用して中毒に陥るケースも報告されている。
「たとえば、解熱鎮痛剤のアセトアミノフェンは、過剰服用で毎年3万人が入院し、重篤な肝障害を引き起こすこともあるため、FDA(米国食品医薬品局)も注意を促しています」

 医師にかかりづらいといわれる米国だが、市販薬を服用する際は、かかりつけ医(プライマリードクター)に電話で相談できる仕組みもあるという。
「セルフメディケーションは、消費者の理解が進むことはもちろんですが、薬剤師や医師など医療従事者の理解と協力、それを支える仕組みが機能してはじめて、成立するものだと知ってほしいです」

市販薬の服用でもかかりつけ医に相談できると言うのはありがたいことだと思いますし、電話相談でお金が取れるシステムが確実に出来るのなら日本でも欲しいところですが、例の安い料金で24時間365日対応義務の主治医制ではまあ、現場のモチベーションとしてはどうなんでしょうねえ…
こうした習慣が根付いていれば医療費削減効果も相応に高いだろうと言うことは理解出来るのですが、医療費、薬のコスト合わせて1000億ドル以上を削減していると言われると大変なもので、逆に言えば今さらこの部分に規制を入れると言うわけにもいかない状況なのでしょうね。
日本ではこれとは逆に市販薬として容易に手に入る薬であっても保険が効いて安いから、安心だからと医療機関で処方してもらいたがる患者が多く、昨今では処方薬の市販薬化を推進すべきかどうかと言う議論が続いていますが、当然ながら薬に対する理解がなければ不安も高まろうと言うもので、「何の薬か知らないけど白くて丸いやつ」レベルの患者さんにも問題なしとしません。
この辺りの妥協的なアイデアとして最初は処方薬として診察後に出し、その後は理解が良い患者についてはリフィル処方箋なりを用いて継続すると言ったやり方もあるかと思うのですが、医療現場のリソース負担軽減などには相応に有効かも知れませんが、こうした再診患者への処方で食っている先生方からは反発も出そうですよね。
ただ市販薬にしても基本的には安全性の高いものが選んで売られているとは言え、使用法を間違えれば何でも毒にはなるもので、特に先日こんな記事が出ていたことは注目したいところです。

風邪薬「パブロン」でトリップする<金パブ中毒>な人たち~市販薬をドラッグ代わりに乱用(2016年10月27日ヘルスプレス)

(略)
 巷では「金パブ中毒」なる現象が起きている。「効いたよね、早めのパブロン」のCMでおなじみのパブロンシリーズの「パブロンゴールド=金パブ」(大正製薬)だ。
 金パブを頻繁に使ううちに手放せなくなり、毎日、大量に摂取するようになる依存者は少なからずいる
 原因は主に、パブロンゴールドに含まれているジヒドロコデインリン酸塩だ。このジヒドロコデインリン酸塩やリン酸コデインなどのコデイン類の成分は、咳を鎮める効果に優れている。
 咳は本来、異物が体に入り込まないようにするための防御反応で、脳内の「咳嗽(がいそう)中枢」という神経中枢がコントロールしている。
 咳嗽中枢の働きを抑えれば、止まらない咳も抑えることができるのだが、その感覚が「ふわっと気持ちいい」のと、依存性があるのとで、いつのまにか薬を手放せなくなる傾向のある薬だ。

 同じ鎮咳剤で「非麻薬性」があるのに対し、コデイン類はアヘン由来の成分で、「麻薬性」中枢性鎮咳薬に分類される。
 麻薬性といっても医療用なので、もちろん安全レベルの含有率なのだが、大量服薬すれば事情が変わってくる。コデイン類の麻薬性に魅了され、1日1箱ペースで乱用する「金パブ中毒者」もいるぐらいだ。

咳止めシロップはウケがいい?

 咳止め効果の高いコデイン類は、何も金パブ特有の成分ではない。その他の風邪薬や、特に咳止め薬の多くに含まれている。
 金パブと同じく、いや、もしかしたらそれ以上にウケがいいのは、「エスエスブロン錠」(エスエス製薬)だ。金パブもそうなのだが、コデイン類に加え、エフェドリンが含有されているからだ。
 エフェドリンは、生薬の麻黄に由来する成分だが、覚せい剤に似た交感神経の興奮作用がある。もちろん覚せい剤ほど強力ではないが、スポーツ選手のドーパミン偽陽性反応に関わることもあるパワーアップの成分だ。

 また、咳止め薬のシロップタイプも<ウケ>がいい。体内吸収がいいのだ。錠剤や粉薬に比べ、そのまま飲める飲みやすさも、シロップならではの利点。薬局で購入後、その場でただちに飲み干せる手軽さがある。
 「咳止めシロップをごくごく飲むとトリップできる」という話が、まことしやかに伝わっているが、一気飲みすれば、人によっては「ふわっとした心地」を強く感じるので、あながち嘘ではない。
 ましてや、1回に2~3本まとめて飲めば、いい「景気づけ」になるという。それを1日に1度ならず、何度も繰り返す人々もいる。
(略)
 そこまで来たら、薬物依存の領域である。正しい判断力や言動を保てず、仕事や家庭に問題をきたし、生活が破たんする人も現れる。自力でその状態から脱するのは難しく、精神科の加療が必要だ。
(略)

この種の飲み合わせや過量投与による副作用を利用して別世界に行ってしまう方々と言うのはいるもので、何と何の組み合わせが効く云々と言った情報も幾らでも世にあふれている時代ですが、市販の感冒薬などは特に肝障害など重大な副作用トラブルを起こす可能性があることに加え、風邪と誤解して肺炎や喘息などの疾患をこじらせてしまうリスクも指摘されているところです。
それだけに用法用量など使用上の注意を守り、改善が見られなければ医療機関を受診すると言ったことは当然だろうと思うのですが、しかし記事にもあるように意図的な誤用、過量投与に関してはいくら添付文書で注意を促しても改善するとは思えず、さてどうしたものかと悩ましいところですよね。
ただ市販薬だから危ないのかと言えば全くそういう話ではなく、当然ながら医療機関で出される処方薬の方がずっと強力な成分を含んでいるものが多いわけですし、複数の医療機関を渡り歩いて危険な薬物を大量入手する方々も実際にいらっしゃるわけですから、これをもって市販薬拡大に反対する論拠とするのも無理があるようには思います。
安全性に配慮はしていても当然ながらリスクもあることは承知しておくべきだとしか言えないし、これも含めて自己責任で利用するのが市販薬と言えばそれはその通りなのでしょうが、しかしこうした用法用量外の使用が拡大すれば医療現場においても今までのように救急車を受けて、かかりつけ医療機関の処方薬だけチェックしておけば済むと言う話ではなくなってくると言う恐さはありそうですね。

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2016年11月 8日 (火)

歯科不正請求問題で厚労官僚の意外なセカンドキャリアが話題に

ある意味では仕事熱心で優秀なコンサルだったと言えるのかも知れませんが、先日こんな一件が報じられていました。

<診療報酬資料改ざん>元厚生官僚が歯科医に指南(2016年11月4日毎日新聞)

 診療報酬の不正請求を調べる厚生労働省の「個別指導」を巡り、東京都内でコンサルタント会社を営む元厚生官僚(65)が、指導対象となった大阪市内の歯科医に不正が発覚しないよう資料の改ざんを指南していたことが分かった。元官僚は現役時、「医療Gメン」と呼ばれる医療指導監査官で、現在は全国の歯科医に行政対応を助言。厚労省は「指導逃れ」に当たるとみて、この歯科医を再調査する方針だ。

 ◇国の不正調査時

 厚労省などによると、元官僚は歯科大で博士号を取得し、1980年に旧厚生省入り。歯科衛生課長補佐などを務め、97年に退職後、2000年にコンサル会社を設立。現在約40カ所の歯科医への助言のほか、東京や大阪で定期的にセミナーを行っている。大阪市内の歯科医院の院長は14年11月に厚労省近畿厚生局の個別指導を受けた際、元官僚に対応を相談した。
 個別指導では、厚生局が指定した患者30人分のカルテやレントゲン写真、歯にかぶせる金属や義歯(入れ歯)を業者に発注する際の「技工指示書」などの資料を歯科医が持参。厚生局は診療報酬の請求内容と矛盾がないかを調べる。
 複数の関係者によると、元官僚は資料の不備や不正請求が疑われないように広範な書き換えを指示。義歯に安い金属を使っているのに高い金属で診療報酬を請求したケースでは技工指示書を作り直したり、納品書を業者に書き換えてもらったりするよう助言した。偽装資料はコーヒーに漬けた後に乾燥させ、古びて見せる手口なども示していた。

 院長は「(元官僚は指導の)裏を知っている人だから、言うことを聞けば確実だろうとその時は思った」と証言。院長によると、高齢者施設などに出向く「訪問診療」での請求を巡る意見の食い違いから途中で相談をやめ、今年3月まで続いた個別指導では訪問診療での不正請求など数百万円を返還したという。関係者は「元官僚の指南がなければ(他の診療の不正も指摘され)更に重い処分を受けた可能性がある」と話す。
 元官僚は「書き換えをしないと歯科医がクビ(資格取り消し)になる。応急処置をせざるを得なかった。書類の不備がないよう助言しており、不正請求を助長しているつもりはない」と話した。【藤田剛】


偽装指南、微に細に コーヒーに浸して古さ装う/レントゲンを色鉛筆で修正(2016年11月4日毎日新聞)

 偽装した書類をコーヒーに浸して古びたように見せ、レントゲン写真は色鉛筆で修正。診療報酬の不正請求を調べる厚生労働省の「個別指導」を巡り、元厚生官僚(65)が歯科医に指南した「偽装工作」の詳細な手口が、内部資料や関係者の証言で分かった。現役時には「医療Gメン」と呼ばれ、指導を取り仕切っていた元官僚。歯科医は助言に従い資料改ざんに手を染めたが、最後は「医師の名義借り」まで指南され「ひどいことになる」と考え相談をやめたという。【藤田剛】

 2014年11月10日、元官僚が経営する神奈川県のコンサルタント会社(現在は東京都に移転)から大阪市内の歯科医院に1枚のファクスが届いた。歯科医院は10日後に厚労省近畿厚生局の個別指導を受ける予定で、元官僚に相談。ファクスはその事前準備を細かく指示していた。「伝票の照合作業を行い、不一致が生じた場合には訂正依頼をする」「訂正分カルテを業者に依頼し18日までに新カルテの入力作業を行う」
 元官僚が泊まりがけで来院すると作業は本格化した。歯の治療を装うためレントゲン写真の上から銀の色鉛筆で着色し、2年以上前の書類を作り直す際は水で割ったコーヒーに漬け、ドライヤーで乾燥。指示内容をまとめた内部資料にはこんな記載もあった。「検査の数字はいろいろな太さで書く。同じ日に全部書いたのではないことをアピールする」「技工所(義歯などの加工業者)には納品書の書き換えなど協力を要請しておく。1枚5000円が謝礼の相場」
 個別指導は翌年以降も続き、厚労省から特に不正が疑われたのは高齢者施設などに出向く「訪問診療」関連の請求だった。訪問診療は20分未満なら報酬が大幅に下がるが、実際は20分未満なのに20分以上と装い請求していた。個別指導でつじつまを合わせるには医師の数が足りなかった。

 院長によると、元官僚から「他院のドクターから名義を借りる」「20分以上と証明するには『認知症で治療開始まで時間がかかる』などのストーリーメークが必要」と助言され、一時は虚偽の資料作成を始めた。別の歯科医院の協力も得られる見通しだったという。
 院長は「言う通りにやっていたら、運が良ければウソを貫き通せるかもしれないが、少しでもつじつまが合わないとめちゃくちゃひどいことになる。『これは丸わかりやん、あかんな』と思った」と話す。結局、名義借りをあきらめて元官僚への相談もやめ、元官僚に支払った謝礼は約50万円だったという。
(略)
歯科医院>コンビニ 20年で1万カ所増

 厚生労働省調査(2015年)では歯科医院は全国に約6万8700カ所で、20年前より約1万カ所増えた。コンビニエンスストア(今年9月時で5万4400店余)より多く「経営は厳しい」(ある開業医)という。厚労省は新規開設医を含めて年間約3000件の歯科に個別指導を行い、10~14年度に保険医登録の取り消し処分(取り消し相当含む)を受けた歯科医師は88人。医師の46人や薬剤師の18人を上回る。
 保険医登録を取り消されると原則5年間、保険診療ができないため、インターネット上では「個別指導対応」をうたうコンサルタントなどのホームページが増えている。ただ、現状でコンサル業を規制する法律はない

元官僚側のコメントも載っていて、興味深いことにこちらでは歯科医の言い分とは逆に「悪いのは書き換えではなく、実際と違い高めの金属で請求している歯科医」「そんなにひどいと思わなかった。だから途中で手を引いた」とむしろ自分から手を切ったとのことですが、歯科医は行政処分になるとして元官僚はどうなるのでしょうか。
泊まり込みで作業指示をするほど働いて50万円ならむしろ安かったと言うべきなのかも知れませんが、しかし不正請求と言われるものの中にも色々なレベルがあってそれは切る方がどうよ?と思われるものも多いのですが、今回の場合は記事から読む限り確かにそもそもの診療内容にも相当な問題があったようにも見えますね。
この辺りは個人経営の小さな歯科クリニックなどではなかなかレセプトチェックまで手が回りきらないと言う部分もあるのかも知れませんが、ここまで大々的な改変作業をしなければならないとなれば元官僚も頭を抱えたのではないかとも思われ、院長先生も普段の診療からもう少し何とかならなかったのかと言う気もします。
記事では歯科医院の林立による過当競争によって経営悪化から不正に走ったのでは、と言うシナリオを匂わせる内容になっていますが、国や保険者としてもこうまで歯科医過剰が言われるようになると敢えて経営的な配慮など必要性を感じていないのでしょうか、今後歯科領域では悪貨は容赦なく駆逐すると言う方針でますます指導が厳しくなる可能性もありそうですね。

実際に医師に比べて数が少ないはずの歯科医師がこれだけ多くの保険医登録取り消しを食っていると言うことは、チェックの目線が厳しいことに加えなりふり構っていられない経営の厳しさもあるのでしょうが、個人でやっている小規模施設で働いている歯科医が多い点も関係しているのでしょうか。
医科の場合は歯科と比べれば高額な診療報酬を請求しているのは大規模施設に多く、そうした施設では事前のレセプトチェックなど事前の対応も相応に厳しくなっているはずですが、逆に言えば査定にかからない請求方法と言うことへの必要性も高いとも言え、今後はこうしたコンサルへの需要も増えていくのかも知れません。
官僚のセカンドキャリアとしても新たな分野を開拓出来るとも言えますが、当然ながらお金に関わるシビアな問題を扱うわけですから実績等によってコンサル業自体も今後その質を問われることになるでしょうし、今回のように犯罪的な改変作業に手を染めるだとか、表向きの業務以外の部分で政治的影響力を行使するともなれば社会的にも問題視されかねませんよね。
医療機関側としては偽装、捏造とも言われかねない犯罪的な行為には手を出さないのは当然ですが、近年では地域の基幹病院ですら保険診療の停止など重大なペナルティを受けるケースも見られることから、怪しげなコンサルに手を出さずとも済むよう普段からよほどに心がけておくことが必要な時代だと言えるでしょうか。

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2016年11月 7日 (月)

医師は確かに偏在している模様

医師不足なのか偏在かなのかと言う議論も今さらなもので、少なくとも医師は偏在していると言う点には一定のコンセンサスが得られているようなんですが、先日非常に興味深く拝見したのが医師不足に関するこちらの医師に対する調査結果です。

【調査結果】勤務医65%「医師が足りない」、開業医59%「足りている」(2016年10月31日m3.com)

 「医師不足」と感じているのは勤務医で、開業医は感じていないとの回答が多かったものの、勤務医でも「医師の絶対数」よりも「地域・診療科偏在」の問題と捉えているほか、業務の他職種への移譲で負担軽減を図れると考える医師が多く、今後の医学部定員は「現状維持」あるいは「減らすべき」との意見が多数……。
 今回の調査結果は、このように総括できます。

 Q1で、今の仕事において、「医師が足りない」と感じるかどうかを聞いたところ、開業医では「感じない」との回答が「感じる」を上回った一方、勤務医では「感じる」が「感じない」よりも多く、両者の意見が正反対の結果になりました。開業医では、「あまり感じない」「全く感じない」が計59%(勤務医33%)、勤務医では「大いに感じる」「ある程度、感じる」が計65%(開業医39%)です。
 ただ、「医師が、医師以外でもできる仕事をやっている」との問いには、開業医72%、勤務医81%といずれも高率で「大いに感じる」「感じる」と答え、医師の仕事の内容を見直す余地は大きいことがうかがえます(Q2)。

 では、ご自身の身近な環境ではなく、日本全体で見た場合に、「医師不足」の問題をどのように捉えているのでしょうか。最も多かったのが、「地域・診療科偏在のみ」との回答で、開業医55%、勤務医46%で、次の「絶対数不足+地域・診療科偏在」(開業医14%、勤務医23%)とは大きな開きがあります(Q3)。
 医学部定員については、「現状維持」(開業医50%、勤務医54%)、「減らすべき」(同34%、26%)が多く、「増やすべき」(同10%、14%)と少数派でした。
(略)

実際の結果は元記事の方を参照いただきたいと思うのですが、最も目をひくのが開業医においては実に2/3が医師不足を感じないという結果で、勤務医における正反対な結果と照らし合わせて考えるならば現代日本の医師は開業医に偏在していると言う言い方も出来るかと思います。
この医師不足を「あまり感じない」「全く感じない」が計59%と言う数字がどれほど衝撃的なものであるかと言えば、近ごろではコンビニよりも数多いとして乱立が世間からもその存続が心配されている歯科医ですら50%とこれよりも低いと言うことですから、開業医は一体どれだけ医師過剰を感じているのかと言う話ですよね。
もっともこの点は多少割引いて考えるべきところはあって、勤務医の場合はあくまでも自分や周囲の仕事量を基準に医師不足を考えている場合が多いと想像されるのに対して、開業医の場合はやはり経営的な目線が入って来ますから、実際には早朝から夜遅くまでずっと働き通しでも経営的にうまく行っていなければ過当競争だ、医師は多すぎると考えてしまうものなのかも知れません。

これをもって開業医は暇を持て余している、もっと仕事をやらせるべきだと言えば言えるのかも知れませんし、難しい患者は何でも病院に丸投げして自分達はゴルフ三昧と不満を抱いている勤務医の先生方もいるかも知れませんが、それが嫌なら自分も開業すればいいじゃないかと言うそもそも論はさておくとしても、やはり勤務医の側からも逆紹介の促進等でもっと開業医に仕事を振ると言う姿勢は必要なのだろうとは感じます。
特にあまりに多忙過ぎる病院の先生方から時折聞くことですが、外来予約枠も病棟もどうでもいい患者でわざと埋め尽くしてしまって新しい患者が入れないようにする、などと言う話は本末転倒ですし、それによって患者を抱え込まれることを恐れた開業医が紹介してこなくなると言うのではもはや何が何やらですが、そうでもしないと自己防衛出来ない今の医療体制にも問題があると言うことでもありますね。
救急患者を引き受ける基幹病院などは本来いつでも患者を受けられるようにベッドもマンパワーも一定程度の余力が必要なはずですが、常時フル稼働していなければ経営が成り立たないと言う診療報酬体系も問題ですが、さてこうした現場認識に基づく医師偏在にどのような対策がよいのかと考えてみると、地域毎の医師数コントロールなどあまり面白くない話が有効そうだと言うことにもなりかねないのでしょうか。

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2016年11月 6日 (日)

今日のぐり:「多田水産 須崎道の駅店」

先日大きな話題になっていたのが、何とも悲劇的と言うしかないこちらのニュースです。

がん克服の米少女、いじめ苦に自殺 笑顔うまく作れず(2016年11月1日CNN)

(CNN) 米オハイオ州の小学校に通う11歳の少女が、学校で執拗(しつよう)ないじめに遭って自殺した。母親によると、少女は脳腫瘍(しゅよう)の治療の後遺症で笑うと表情がゆがむ症状があり、これを理由にいじめを受けていたという。

小学6年生のベサニー・トンプソンさんは3歳の時に脳腫瘍と診断され、放射線治療を受けて2008年にがんを克服した。しかし治療の過程で神経を損傷し、笑顔がぎこちなくなった。
特にひどいいじめを受けた10月19日、ベサニーさんは親友にもうこれ以上耐えられないと言い残し、自らの命を絶った。
親友の父親はベサニーさんの母親ウェンディー・フォイトさんに電話で連絡したが、間に合わなかった。ベサニーさんはこの日帰宅すると、自宅にあった銃で自分を撃って死亡した。子どもたちの目の届かない場所にしまってあった銃を、ベサニーさんが探し出したと見られる。

ベサニーさんは優しくて活発で、水泳と動物と音楽が大好きな少女だった。
フォイトさんはベサニーさんが自殺する2日前、校長にいじめのことを相談し、校長は調査中だと説明していたという。
学校区の責任者も、いじめについて把握していたことを確認。「昨年度、学校区の担当者が児童から寄せられた苦情について調査を行い、適切に解決した」と述べ、同学校区では児童や教職員を対象としたいじめ対策に力を入れていると説明した。

家族はベサニーさんを転校させることも考えたが、1年生の時から通い続けている同校の方が、周囲が事情を知っているため安全だと判断したという。
ベサニーさんはカウンセラーの助言を受け、応援してくれる友人もいた。しかし同じクラスの男子児童などからのいじめは止まらなかったという。
地域では遺族を支えようとする活動も広がっている。10月30日には知人の呼びかけでベサニーの葬儀費用を集めるための集会が開かれ、主催者によると、目標額の2000ドル(約21万円)に加えて5500ドル(約57万6000円)以上の寄付が集まった。
遺族は寄せられた寄付金を使ってベサニーさんの名で基金を設立し、いじめ撲滅に向けた啓発活動の展開を計画している。

今になって何をどう言っても手遅れなのかも知れませんが、しかしことがアメリカであるだけに下手すると巨額の訴訟沙汰に発展するかも知れませんね。
今日はベサニーさんの冥福を祈りながら、世界中から幾ら何でもこれはアウトと感じてしまう痛いニュースの数々を紹介してみましょう。

米カジノ、44億円の当たりは「無効」 代わりにステーキ提供(2016年11月3日CNN)

(CNN) 米ニューヨーク市クイーンズにあるカジノで、スロットマシーンで4294万9672ドル(約44億円)を引き当てたとしてディスプレーの前で自撮りまでした女性が、金額の表示は機械の不具合によるもので、結果は無効だと告げられる憂き目に遭っていたことが3日までに分かった。女性には代わりに同カジノからステーキのディナーがごちそうされた。

カトリーナ・ブックマンさんは8月下旬、クイーンズにあるカジノのスロットマシーンで大当たりを引き当てた。ブックマンさんは4294万9672ドルとの金額が表示されたディスプレーの前で、興奮した自身の様子を撮影。この金額は米国のスロットマシーンによる賞金としては史上最高額となるはずだった。
だが、ブックマンさんが翌日、正確な賞金額を確かめるためにカジノに戻ったところ、従業員から興奮を台無しにする言葉が告げられた。賞金内容について尋ねると、「1銭も獲得してません」との返答が帰ってきたという。マシーンにより印字された実際の獲得金額は2.25ドルで、カジノ側はこれを支払う意向を申し出ている。

ニューヨーク州の賭博規制当局によると、ブックマンさんが使っていたスロットマシーンは機械の不具合を起こしていたという。このマシーンには同カジノ内の他のものと同様、機械の不具合の場合は獲得賞金やプレー結果が無効になるとのただし書きが添えられている。
ブックマンさんはCNN系列局WABCの取材に、「私の頭に浮かんだのは家族のことだけ」と声を震わせながら答えた。ブックマンさんは里親の家庭で育ち、シングルマザーとして4人の子どもを育てていた。

こうしたことが通るなら一切賞金を支払わなくてよくなるのではと言う声も多いこの事件、これまた今後紛争化するのではないかと言う気もするところですがどうでしょうね。
最近何かと話題になることも多いフィリピンですが、犯罪者撲滅運動の一環としてこんなこともされているのだそうです。

「生きたままワニの餌にした」「マシンガンで“とどめ”刺した」 ドゥテルテ比大統領が殺害関与と証言 元自警団員が議会で(2016年9月16日産経新聞)

 【シンガポール=吉村英輝】フィリピン議会で15日、南部ダバオ市で薬物犯罪関係者らを殺害していた自警団元団員を自称する男性(57)が証言した。ドゥテルテ大統領が、同市長時代に1000人以上の“処刑”を指示し、直接殺害にも加わったと述べた。

 フィリピン警察当局は14日、ドゥテルテ氏の大統領就任から約2カ月半で、警察官が取り締まり中に殺害した薬物犯罪容疑者は1506人になったと発表。ほかに1571人が「密売人」などの書き置きとともに殺害されて見つかり、自警団の関与が指摘される。
 こうした「超法規的殺人」に国際社会の批判が強まる中、男性は人権などに関する上院公聴会で宣誓。ドゥテルテ氏が1988年の市長就任後、警察官や元共産党戦闘員で構成する「ダバオ暗殺団」に加わり、殺害も指示していたと証言。ドゥテルテ氏批判を繰り返す人物や、対立候補の関係者の暗殺も含まれていたと述べた。
 また、2007年に法務省捜査員と銃撃戦となった際、ドゥテルテ氏自らが2丁のマシンガンで「とどめを刺した」とした。

 男性は「麻薬密売人、強姦犯、誘拐犯などを殺すのが仕事だった」と、約50人の殺害を告白。遺体は仲間の警察官が所有する採石所に遺棄したほか、生きたままワニの餌にしたという。
(略)

事実だとすればどんな世紀末だと言う話なんですが、実際に犯罪者が減ったと肯定的に評価する声も根強いようで何ともかんともですね。
小児性愛嗜好だから直ちに悪いと言うことではないのでしょうが、これは明らかなアウトだと憤りの声が上がっているのがこちらの事件です。

5歳少女のお絵かき→“迫り来る勃起ペニス”が描かれている→神父によるレイプ事件発覚!(2016年11月1日トカナ)

 ある日を境にパッタリと習い事に行かなくなり塞ぎ込む5歳の娘に心配した両親が、診てもらった小児精神科医のアドバイスで娘の部屋の調べてみると……。娘のノートブックには消すことのできないトラウマを表現した絵が描かれていたのだ。
(略)
 ブラジル・ミナスジェライス州モンテス・クラロスの街に住む家族の5歳の女の子が、初等教育を前に通っていた英語教室にある日を境にパタリと通わなくなってしまった。そればかりでなく、塞ぎ込むようになり心配した両親だったが、体調には何の異変もないため小児精神科へと連れて行った。
 女の子を診断し明らかにメンタルの異常を感じとった精神科医は、両親に対して女の子の部屋のモノを詳しく調べるようにと提案。そこでさっそく両親は娘の部屋を物色してみると、勉強に使うノートブックに6つの“お絵かき”が描かれてあることを発見した。もちろん見るからに子どもらしいお絵かきなのだが、描かれている2人の人物を良く見て両親は戦慄した。

 実は、女の子の診断をした精神科医は、女の子が性的虐待を受けた可能性があることを見抜いていたのだ。しかし、そうだとすればいったい誰から性的な虐待を受けたのか? そして消去法でたどりついたのは、娘が通っていた英語教室の教師であり、教会の神父でもある54歳のジョアン・ダ・シルバ氏の名前が浮上してくることになる。
 女の子が描いた6つの“お絵かき”はいずれも2人の人物が登場するのだが、大きな人物が小さい人物をベッドのような場所に寝かしつけている様子が描かれている。とくにここで紹介する2枚の絵は衝撃的だといわれている。ベッドに寝かされているのは女の子本人で、その正面に立つ大きな人物がダ・シルバ氏であることが濃厚になったのだ。そのお絵かきのひとつでは、女の子も両脚の間にむりやり胴体を押し込み、“勃起したペニス”が今まさに襲いかからんとしている光景が描かれている。
 これに激怒した女の子の父親は、ダ・シルバ氏へ直接電話をかけて猛烈な勢いで直談判。怒り狂った父親の迫力に圧倒されたダ・シルバ氏は罪を認め、併せて通報した警察によって直ちに身柄を拘束されたのだ。
(略)

その衝撃的だと言う2枚の絵については元記事を参照いただきたいと思いますが、不幸な事件の中で家族の行動力がまだしも救いだと言う声も多いようです。
このように家族と言えば子供にとっては最後の砦とも言える存在のはずですが、その家族が子供に牙を剥いた悲劇的な事例を二つ紹介してみましょう。

行方不明だった少年、36歳で発見 父と継母が地下室に20年監禁か(2016年11月2日テックインサイト)

サンパウロ市郊外のグアルーリョスで行方が分からなくなって20年。スケートボードとギターを愛するごく普通の16歳の少年だったアルマンド・デ・アンドラーデさんは、36歳になった姿でこのほど自宅の地下室で発見された。そこは窓や照明器具もなく、床とベッドは汚物まみれ。そんな暮らしを続けてきたため極めて不潔な状態で、ヒゲはひざ丈、爪も伸び放題となっていた。
グアルーリョス警察の発表したところによれば、アルマンドさん発見に至ったきっかけは麻薬捜査班が市内の全ての家屋を対象におこなった急襲捜査であったとのこと。アルマンドさんは拘束を解かれても立ち上がれないほか、心に深い傷を負っているためか言葉をうまく話せず、病院では栄養失調の治療のほか精神科での検査が必要であるという。

アルマンドさんを監禁していたのはなんと実の父親と継母であった。チェーン錠で閉じ込めていたことを認めた父親は、取り調べに対して「息子は18歳で家出して先週ここに戻ってきた。薬物依存を克服するまで地下室に閉じこもりたいと本人が希望し、私たちは食べ物を運んでいた」などと話したとのこと。近所の激しい非難から逃れるために2人は自宅を離れたが、父親については不法監禁罪での起訴が決まっている。
なおアルマンドさんの居場所を尋ねる隣人や友人に対し、夫婦は口裏を合わせたかのように「ブラジル北東部に転地した」 「元気で仕事も頑張っている」 「結婚して家庭を持った」などとアルマンドさんの年齢に応じた答えをしていた。アルマンドさんは16歳になるとアルコールを飲むようになっており、友人の中にはその罰として家を追放されたと考えた者もいるようだ。

どのような事情があったにせよ決して許されることではありませんが、しかし日本でもたびたび家族による虐待事例が報じられますが何ともやり切れない話ですね。
最後に取り上げますのはこれまたかなしい事件ですが、まずはニュースから紹介してみましょう。

68日間断食で少女死亡=過失致死の疑い、家族訴追-インド(2016年10月10日時事ドットコム)

 【ニューデリーAFP=時事】インド南部ハイデラバードで4日、68日間の断食を行ったジャイナ教徒の少女(13)が断食終了の2日後、心臓まひで死亡した。断食を強要した過失致死容疑で家族が訴追された。警察が9日、明らかにした。

 家族によると、少女は68日間一切食べ物を食べず、1日2回お湯を飲むことだけが許された。少女が断食を完遂した際には盛大な祝祭が行われ、多くの政治家らも集まり、参加者は記念撮影に励んだ。葬儀にも600人以上が参列し、少女を「子供の聖人」とたたえ、死を祝福した。

 地元メディアによれば、宗教指導者が家族に対し、傾いた家業を立て直すために少女に断食させるよう助言していた。少女の祖父は「孫の信念で行ったことで、誰も強要していない。去年は34日間、一昨年は8日間断食した」と反論している。

毎年倍々ゲームで断食期間が延びていくとはいずれ破綻するのは目に見えていますが、しかしこれだけ盛大な社会的イベントとして今もこうした行為が成立していると言うことですね。
少女にとっては様々な意味で詰んでいたとしか言いようが無い状況だったのでしょうが、ただただその冥福を祈るしかありません。

今日のぐり:「多田水産 須崎道の駅店」

高知県は須崎市内の一角にあるこちらのお店、一般的な飲食店ではなくいわゆる道の駅の中にある即売コーナーです。
名物鰹のタタキの藁焼き実演販売をしているのですが、持ち帰りだけではなくすぐ店頭で食べられるのがミソですね。

ひとまずタタキを頼んで見たのですが、この種のお店では使い捨ての色気のない器も多いところ、こちらはちゃんとした皿にちゃんとした盛り付けなのはありがたいですね。
やはり高知のカツオはこんな風に薬味沢山でないとらしくありませんが、この鰹自体も香ばしい焼き具合で生臭さがなく、脂の強い戻り鰹にしてこのすっきりした後味はなかなかです。
こちらではちゃんと塩もポン酢も用意されていて、個人的に戻り鰹にはポン酢の方が合う印象があるのですが、これなら塩でもおいしくいただけますね。

設備面ではまさに店頭と言いますか、通路にテーブルと椅子が並んでいるだけでお店と言うほどしゃれたものではないのですが、お客が途切れることのないほど繁盛していらっしゃいます。
当然接客もごく簡単なものですが、売り子をしているおばちゃんも観光施設らしくフレンドリーで、旅先ではこういう経験も楽しいでしょうね。

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2016年11月 5日 (土)

ようやく大阪市が給食費滞納者への対策に乗り出す

近年では生活保護受給者の過剰受診対策など全国的に見ても先進的な政策で話題になることも多い大阪市ですが、全国的にも問題が深刻化しているあの件について対策を打ち出したと報じられています。

滞納給食費、悪質保護者は弁護士が回収!…大阪市、未納1億円超「逃げ得許さぬ」 政令市で初(2016年10月24日産経新聞)

 学校給食費の滞納が増加している大阪市で、市教育委員会が11月から回収業務の一部を弁護士に委託することが24日、分かった。支払い能力があるのに再三の催告に応じない悪質な保護者が回収の対象。大阪市の滞納総額は昨年度末時点で小中学校合わせ1億円超に上り、滞納額は全国の中で多いとみられる。教育現場の負担軽減とともに、法律の専門家に託すことで「逃げ得」を許さない強い姿勢を示す。給食費の滞納整理業務に弁護士を起用するのは政令指定都市で初めて。
 市教委によると、債権回収で実績のある弁護士と契約し、高額滞納者への督促や簡易裁判所への支払い督促申し立てなどを任せる。今年度は計約2千万円分の委託を見込み、弁護士への報酬は回収額に応じた出来高制とする。

 大阪市の給食費は小中学校とも1カ月約4千円。平成27年度の1年間に発生した新規滞納額は給食費全体の1・3%にあたる約8600万円(4165件)で、約5700万円だった26年度の1・5倍に達した。
 文部科学省の調査(24年度)によると、全国の公立小中での未納額の割合は給食費全体の0・5%。年度が異なるため単純な比較はできないが、現在の大阪市の未納割合は高いとみられる。
 年度をまたいで未納が続く“焦げ付き”を含めた市の27年度末時点の滞納残高も約1億1300万円(5606件)に上る。

 滞納額が膨らんだのは、小学校に加え、24年度から中学校で段階的に給食を導入し、26年度の新入生から全員給食制になったことが理由とみられる。
 滞納者については、生活保護受給世帯には給食費全額が支給され、経済的に困窮している家庭に対しては2分の1(小学生は全額)を支給する制度があるため、市教委は「支払う能力があるにもかかわらず、意図的に滞納している家庭が多い」とみている。

 滞納給食費の回収についてはこれまで、学校側からの報告を受け、市教委職員が催告状の送付や簡裁への申し立てなどを実施。昨年度は11件(約110万円)について強制執行で資産を差し押さえるなど法的措置も辞さない姿勢で臨んだが、まったく応じない未納者もいたという。
 市教委は、弁護士からの働きかけで早期の滞納解消につなげるとともに、督促業務に追われ、本来の教育事務に手が回らなくなりがちな現場の負担軽減も図りたい考えだ。担当者は「たかが給食費ではなく、れっきとした債権だ。子供たちのためにも保護者は支払いに向き合ってほしい」と話している。

「義務教育やろ。何で払わなあかんねん!」保護者の低いモラルなど課題さまざま…全国未納額22億円、弁護士導入の先行自治体で効果(2016年10月26日産経新聞)

 給食費滞納への対応として、大阪市教委が弁護士への一部委託を始めるが、この問題については全国の学校関係者が頭を悩ませている。文部科学省の調査では全国の公立小中の未納額推計は約22億円(平成24年度)にのぼる。背景には保護者のモラルの低さとともに制度上の問題も浮かび上がる。

 「義務教育やろ。何で俺らが払わなあかんねん」。大阪市立小学校で教諭をしていた50代の男性が、こうした発言を、給食費未納の保護者から浴びせられたのは1回にとどまらないという。
 公立小中学校では、調理設備や調理員の人件費などは自治体など学校の設置者が負担している。保護者に給食費として負担を求めているのは食材購入費などだけだ。しかし、それすら払おうとしない保護者への対応に、教育現場は労力を割かざるを得ないのが現状だという。
 「督促に反応してくれるだけでもましなのかもしれない。完全に無視され連絡もつかないこともある」。男性は、そうため息をついた。
 文科省の調査で未納の原因を尋ねたところ、「保護者の責任感や規範意識」と回答した学校は61・3%に上り、「経済的な問題」の33・9%を大きく上回った。

 一方で、管理制度の問題も一因にあるとみられる。
 全国の小中学校の7割近くが採用している学校ごとの独立会計(私会計)では、滞納の保護者との折衝は担任や教頭、校長ら学校現場が主体。通常業務に加えて家庭訪問で督促を行うなどの負担が大きい上、法的措置など強い対応に乗り出しにくい。このため自治体として給食費を一括管理する「公会計」に切り替える動きも出ている。
 大阪市教委は26年度に公会計に変更し、事務局職員が滞納への対応に主体的にあたるようになった。「学校現場の負担を減らすことができ、滞納者への対応も明確に行えるようになった」(担当者)。しかし教職員の負担は皆無ではなく、職員からの働きかけでも徴収に限界はある。
 大阪市に先行して、昨年度から弁護士への委託を本格導入している東京都練馬区によると、導入前の25年度1年間で約260万円に上った給食費未納額は、27年度では半分以下の約120万円に減少した。弁護士からの督促で分割納付に応じたり、短期の未納にとどまるケースが増えているという。

大阪だけが特殊と言うわけではなく全国各地で同様の問題に頭を抱えている自治体は多いと思いますが、今どき債権回収の方法論は幾らでもあるわけですから、適宜そうした手段を講じていかないと不公平感をますます助長すると言うことにもなりませんよね。
先行して弁護士委託を導入した自治体では大きな効果があったと言うことですから、むしろ何故全国各地の自治体がこうした対策を講じないのかと言うことですが、金銭的な面だけを考えれば弁護士委託によるコストも相応なものがありますから、小学であればこのまま黙認しても…と言った事なかれ主義が背景にあるのかも知れません。
ただ現状ではただでさえ多忙な現場の教員が畑違いの督促に走り回っていると言うことの方が大きな問題で、大阪市ではすでに教職員から事務局職員に督促の主体を変更したと言うことですが、むしろこうした対策の方が現場ではより急がれているものではないかとも思えます。

根本的にはこの問題、そもそも支払いもないのに給付を行っていると言うことが問題で、高校や大学で行っているようにお金をきちんと出した人にだけ食事を出すと言うことが本筋なのでしょうし、アレルギーや食育等の関係からむしろ給食はいらないと言う家庭も一定数いるわけで、その選択の自由は確保すべきだとは思います。
ただ本来的に学校給食とは食事も食べられない家庭生活の中で一日一食くらいは子供にきちんと食事を与えたいと言う動機が出発点だったそうですから、やはりそれを求める全児童に給食を出すべきだと言う考え方もあるはずですから、そうなりますとそもそも現金を児童が持参すると言う現在の徴収の方式から改める必要があるかとも思いますね。
こうしたことは本来入学時の契約関係として締結しておくべきと言う考え方もあり、在学中の必要経費はあらかじめ入学時に説明し徴収しておき余った分は卒業時に返還すると言ったやり方も考えられるかと思いますが、督促を受けても払う気のない人に教員が無駄な時間を漫然と使い続けることが一番馬鹿馬鹿しいことですから、まずは制度的にそこの手当から始めるべきかと言う気がします。

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2016年11月 4日 (金)

生活保護の医療費がついに自己負担に?

先日は政府有識者調査会によって、2023年度には医療費がさらに10兆円以上増加すると言う推計値が公表されましたが、当然ながら各方面で医療費抑制のための働きかけが強まっていて、例えば高額なことで大きな話題となった新規医薬品に対する値下げ圧力も相当なものがあるようです。
そんな中で今までともすれば聖域的に放置されてきた領域にもようやく改革の手が伸びようとしているのですが、先日報じられていたのがこちらのニュースです。

生活保護でも医療費自己負担 過剰受診抑制へ財務省提言(2016年10月27日共同通信)

 財務省は27日の財政制度等審議会分科会で、公費で全額賄う生活保護受給者の医療費に関し、医療機関への過剰受診が続く場合などに一定の自己負担を導入するよう提言した。自治体全体の収支見通しを示す地方財政計画では歳出が恒常的に過大計上されていると分析し、経費の絞り込みを求めた。ともに2017年度以降の予算編成で歳出膨張を防ぐのが狙いだ。

 生活保護受給者に自己負担のないことが過剰な受診を生みやすいと指摘。行き過ぎた受診だと医師が認めた人が改善指導にも従わない場合は、自己負担や受診回数制限の導入を検討するよう厚生労働省に促した。

この生保受給者の医療費自己負担問題、生活保護を受ける人は病気で働けない人が多いのだから仕方ない式の反対論も根強くある一方で、一部医療機関による金儲け目的の過剰受診誘導などもたびたび報じられていて、国もある程度の規制強化に動いてきた経緯があります。
医療現場における反対論最大の論拠になっているのはやはり実地に生保受給者を見てきた結果の実感がベースなのだと思うのですが、例えば毎月月末になると金がなくなったから入院させてくれと言ってくる生保受給者がいる一方で、取りっぱぐれがなく空床を埋められるからと安易にそれを受け入れてきた医療機関側の態度も反省すべきところでしょうね。
ただ今回の提言で気になったのは何が過剰な受診なのかと言う判断基準が極めて主観的なものとなっていて、下手をしなくても現場の医師個人と生保受給患者との信頼関係に影響しそうに感じるのですが、逆に逆紹介など他施設に誘導するための手段としては主観的な評価基準の方が使いやすいのかも知れませんし、役人などではなく医療の専門家が判断したと言う名分も立つとは言えますね。

この点にも関連して、ちょうど先日は沖縄県立中部病院の高山義浩先生が朝日新聞に「生活保護を医療改革の例外としないこと」なるコラムを掲載していて、地域への逆紹介を進める公立病院で医療費自己負担のない生活保護受給者だけが残りがちであることなどを例に挙げ「医療機能の分化・連携における例外とするべきではない」「生活保護制度の信頼を失いかねない」と主張しています。
常日頃から生活保護受給者の権利拡張に尽力するなど何事にも進歩的な朝日らしからぬ内容と思いつつ拝見したのですが、先日史上初めて40兆円を突破したと報じられた医療費支出とは診療報酬請求の集計速報値であって、自費診療分はもちろんのこと200万人の生保受給者の医療費は含まれていないと言います。
生保であれ何であれ改革の対象外となる聖域を設けることについては国民の理解が得られる時代とも思えないのですが、当然ながら何事にも賛否両論と言うことはあるもので、今回の極めて微妙で実効性にも疑問符がつくほどの軽微な規制に対しても誰がどのような見解を表明してくるのか、その辺りの議論の行方も注目していきたいところです。

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2016年11月 3日 (木)

今日のぐり:「満天香(まんてんしゃん)南蔵王店」

先日こんな記事が話題になっていました。

ドラえもんの「ひみつ道具」がどんどん現実化・・・その偉大さに改めて敬服=中国メディア(2016年10月22日サーチナ)

 1969年に子ども向け雑誌で連載を開始してから今に至るまで、50年近くもの間親しまれ続けてきて日本を代表するマンガ・アニメ作品の「ドラえもん」。作中に登場した数え切れないほどの「ひみつ道具」の中には、発表当初には奇想天外だったが、現代において現実化している物も少なくないようである。
 中国メディア・今日頭条は19日、「ドラえもん」のアニメ作品中に見られる、今や現実化している道具について紹介する記事を掲載した。記事は、作者の天才的な想像力で構築された世界や「ひみつ道具」に「実際にあったらどんなにいいことか」と何度も思ったと同作品の魅了を紹介。そして「年を重ねるにつれ、その中で出てきた多くの不思議な道具が、すでに現実のものに変わっていることに、驚きをもって気づくのである」とした。

 記事が、現実化した「ひみつ道具」として最初に挙げたのは「糸なし糸電話」だ。今でこそ当たり前の携帯電話などなく、家の固定電話しかなかった時代に登場したコードレスな「糸電話」は、現実には想像できなかったものに違いないとした。続いては、「自動そうじ機」だ。黄色くて重そうなデザインは今一つだが、リアルに時代を先取りした道具となったことを紹介している。
 さらに、装着しているとマップ上に居場所が表示されるという、まさにGPSのような機能を持つ「トレーサーバッジ」、3Dプリント技術を彷彿とさせる「インスタントミニチュア製造カメラ」や「ほんものクレヨン」についても紹介した。

 記事は、ドラえもんが生まれたとされる2112年9月3日には、まだ100年近い時間があると紹介。現時点で少なからぬ道具が現実のものとなる中で、この先さらに「世界にどんな天地をひっくり返すほどの変化が起きるだろうか? 誰にも分からない」と結んでいる。
 大いなる夢と空想からなる「ドラえもん」の世界の一部が現実の世界となりつつあるのは、とても感慨深いことである。この作品にはその一方で、「道具に頼り過ぎたり、調子に乗って道具を悪用することでとんでもない結末を迎える」という人間の業を戒める部分があることにも注意しなければならない。便利な道具を次々とカタチにすると同時に、それらを「どう使う」かを真剣に考えなければいけないのだ。

初期のドラえもんなどもはや大昔の時代が背景ですから、確かにこういうことも起こるのでしょうが、しかし言われてみるとそれだけの年月が…と感慨深いですよね。
今日はドラえもん時代が現実になりつつあることを記念して、何気なく流していたが改めて考えるとこれはなかなか…と感じさせるニュースの数々を紹介してみますが、まずはアニメネタをもう一つです。

日本アニメに出てくる中国人はなぜお団子ヘアにチャイナドレスなのか?(2016年10月23日レコードチャイナ)

2016年10月20日、中国のポータルサイト・今日頭条が、日本アニメに出てくる中国人がいつもお団子ヘアにチャイナドレスである理由について分析する記事を掲載した。
記事によると、日本アニメに出てくる中国人は、女性はお団子ヘアにチャイナドレスで、男性は道士服だと指摘。その理由について記事は、1980年代に日本で流行した映画・幽玄道士(キョンシーズ)の影響が大きいと分析した。主人公の女の子・テンテンのお団子ヘアが、日本人のその後の中国人に対するイメージに大きな影響を与えたのだという。チャイナドレスについては、民国時代の正式な服装であったためだとした。
これに対し、中国のネットユーザーからさまざまなコメントが寄せられた。

「チャイナドレスは現代の漢服といえる」
「一目で中国人だと分かるようにするためだろう」
「こうしないと日本人と中国人の区別がつかないからな。俺たちだって日本人といったら和服のイメージなのと同じだ」
「中国の漢服は日本に行って和服に変わっちゃったからな。ほかに思いつかなかったんだろう」
「道教は中国本土の宗教であり、独特の文化だ」
「日本だけではなく、多くの国にとってチャイナドレスは中国を代表する衣装だ」
「中国人はチャイナドレスを着るべきではない。そうでないと日本人が誤解する」
「お団子ヘアって、実際にしている人を見たことがないのだが」

これも言われてみると確かに…と言うものなのですが、漫画アニメでしか見聞することがないだろうあの独特のしゃべり方なども古い歴史があるそうで、幻にしてしまうのも勿体ない気もしますね。
何気なく使っていた人は多いと思うのですが、それは間違っていたと言う衝撃の事実が発覚したそうです。

急須の注ぎ口に付いてるビニールキャップ 「不要なので外して」とお茶屋がツイート、ネット民衝撃受けまくる(2016年10月18日ねとらば)

 Twitter上で、急須の注ぎ口に付いている“ビニールキャップ”について「お茶を淹れる際には不要ですので外してください」という投稿がされ話題になっています。

 ツイートしたのは三重県四日市市のお茶屋さん、お茶の川村園のTwitterアカウントで、「ビニールキャップは、輸送中の破損防止のために付いています」と説明。実際には捨ててもいいぐらいだとし、「付けたままお茶を淹れ続けますと隙間に茶渋や水垢を蓄積させて不衛生ですので、外してください、外してください」と注意を呼びかけています。

 これに対しTwitterでは、「衝撃の事実!!!!!!!!」「子供の頃にモヤモヤしてた疑問が晴れた!」と驚きの声と同時に、「付けっぱだった」と付けて使用していたという人の声が多く上がっています。また、ビニールキャップの形が斜めに切られている点やそのままでも使える点に疑問を感じる声もみられ、注げないよう「塞がってる方が良い」というコメントや、他にも「垂れ防止なのかと思ってた」やこぼれないように「わざわざ買ってきてつけて使ってます」という声も。

 お茶の川村園アカウントでも「困ったことに、ホームセンターなどでビニールキャップだけ売っていたりします」と誤解が広まっていることを指摘。「使用中の破損防止として、熱湯利用を前提に作られていればアリかもしれませんが、その場合でもよく洗うなど衛生面を考えてご利用いただければと思います」ともリプライで答えています。

大事な事だから二度言ったと言うことなのでしょうが、確かにつけたまま使っているケースを見たことがありますよね。
理屈そのものはシンプルで原始的と言ってもいいほどなのですが、これは天才の所行かと話題になっていたのがこちらのニュースです。

これは天才の発想 カプセルに50円玉1枚と10円玉5枚を入れて両替機にしたガチャに感心の声(2016年10月14日ねとらば)

 とても前衛的にしてエコな「両替機」が登場しました。100円のガチャガチャのカプセルに、50円玉1枚と10円玉5枚が入っているというもの。この使い方は思いつかなかった。天才か。

 この写真を撮影したのは、Twitterユーザーのじゅううんさん。熊本県南関町の温泉施設「うから館」で撮影したとのことです。カプセルはかごに返却するようになっているため、維持費はカプセルの詰め替えにかかる手間のみで運用できている様子。

 ネット上では、「電気代がかからないし場所も取らないし経済的」「こんな両替機見たことない」「頭いいwww」「当たりは500円玉かな?」といった声があがっていました。

シンプルながら実に効果的で応用も利きそうなのですが、全国的に各地で同様のものが運用されているようで、アイデアとは同時発生的に思いつくものなのですね。
笑いの世界ではあり得そうなことですが、実際に起こってみるとシャレにならないものなのだなと気づかされるのがこちらのニュースです。

手術中にオナラが発火した!患者大やけど・・・レーザメスから引火(2016年10月31日J-CASTニュース)

   今年4月(2016年)、東京医科大病院で手術中に患者を覆っていた布が燃え出し大やけどを負った事故について、病院の外部調査委員会はレーザー照射が腸内ガスに引火したという報告を出した。オナラのせいだというのだ。

   患者の女性は子宮頸部円錐切除の手術中だった。医師はレーザーメスを使っていたが、突然火が出て布が燃え、医師らが生理食塩水などで消したが、患者は下半身に大やけどを負った。布はレーザーで燃え上がることはなく、当初は原因不明だった。

   発火は腸内ガスにレーザーが照射し、それが布(ドレープ)に燃え広がったわけだが、矢追病院の矢追正幸院長は「聞いたことがない」と話す。「何万例か何十万例のうちの1つかわからないが、たまたまガスの多い食事だったとかもあるかもしれません。ガスがクスコ(膣鏡)の方から膣の中に入ってきて、レーザーが発火の原因になったのではないでしょうか」

ちなみに外部調査委員会による報告書では「スポンジを肛門に挿入、またしめらせたガーゼを挿入するなどの安全対策を取り必要がある」とされたそうで、外科系の先生はご注意いただきたいですね。
最後に取り上げますのは何気なく動いている事自体が実は不思議という、こちらの奇妙な装置のニュースです。

世界最長記録 176年間休まずに作動し続ける電池(2016年9月18日大紀元)

 イギリスのオックスフォード大学には1840年に製造された電池が保管されており、今日に至るまで176年もの間作動し続けている。この電池は世界で最も長く作動している電池としてギネス記録に登録され、いまだにこの記録は破られていない。しかしその内部構造はいまだに解明されておらず、あと何年作動するかは知る由もない。

 オックスフォード電鈴(Oxford Electric Bell)と呼ばれるこの装置は大学のある実験室に設置されている。この装置は二つの電池と二つのベルからなり、電池の下には各々ベルが付けられている。そしてベルの間には直径約4㍉の金属球がつるされている。

 静電気の影響により、金属球は両側にあるベルを相互にたたく。金属球がベルに触れるとベルの上の電池から充電され、帯電した金属球は静電気の作用によりもう一つのベルに吸い寄せられる。このような現象が延々と続くのである。

 記録によると、ごくまれに湿気の影響で装置が止まることがあったが、オックスフォード電鈴は1840年から今日に至るまで約100億回も鳴ったという。

 今日まで、オックスフォード電鈴の内部構造を知る人は誰一人としていない。もし分解して中身を見ようとすると、この長い歴史を持つ文物を破壊することになるからだ。この装置がいつまで動き続けるかは不明だが、当分の間はその世界記録は破られないことは明らかだ。

作働の実際についてはこちらの動画を参照いただきたいと思いますが、この不思議な装置のレプリカも作られているのだそうで、設定の違いなのか動作の速さなど様々であるようです。
もしや噂の永久機関なのではないかと言う声もありますが、身近なおもちゃのようなものでも永久機関めいたものは他にもあるので興味がある方は手元に置かれてみてはとうでしょうか。

今日のぐり:「満天香(まんてんしゃん)南蔵王店」

福山市界隈で何店か展開している中華料理屋がこちらですが、この地域によくあることでこちらもスタッフ皆さん中国系の方ばかりです。
しかしその昔来た時には結構混み合っている人気店だったと記憶するのですが、この日がたまたまだったのか妙にお客が少ないのが気になりますよね。

ごく無難でありきたりにレタスチャーハンと八宝菜を頼んでみたのですが、このチャーハンはまさに飯粒を炒めているという感じでハードな焼き加減ですね。
そのせいかレタスはもうちょっとしゃっきりでもいいかも…とも思うのですが、細かいことですが付け合わせのスープにチャーハンとは別にレンゲがつくのは好印象でした。
八宝菜も全体にもう少ししゃっきり感があればと言うところですが、甘口旨味ベースの悪くない味で、飯のおかずにも単品でも楽しめる味加減だと思います。
普段使うのにちょうどいいうまさと言うのでしょうか、炒め加減と味のベースになるスープがもうちょっと力強ければ文句はないところですけれどもね。

スタッフの皆さんは中国ネィティブな方々ばかりですが、接遇面では特に支障なく元気のいいものですが、トイレなど設備の方は全般に見た目相応に年期が入っていますね。
まずまずの味に値段もずいぶんとお安いのでもっとお客が入ってよさそうに思うんですが、機会があれば他の姉妹店にもお邪魔して味を比べて見たいところです。

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2016年11月 2日 (水)

劣悪な労働環境のトップに立つあの業界で改善が進まない構造的背景

先日の悲劇的な大手広告代理店社員の過労死が社会問題化し、企業による長時間労働の実質的強要をどう対策を講じていくべきかが各方面で盛んに議論されていますが、この方面ではトップランナーとも言える某業界についてこんな話もあるそうです。

「長時間・深夜労働、パワハラ」の典型、電通社員過労死 厚労省協議会で川人弁護士、医療機関「労基法違反」の指摘も(2016年10月25日医療維新)

 「このケースは、長時間労働、深夜労働、パワハラといった特徴が、全て重なって発生している。さらに健診では、医師が面談する機会もあったが、そこでも十分なチェック機能を果たすことができなかった。過労死等防止対策推進法の施行後も、日本の職場の現状が全く変わっていない。そのことを改めて痛感した。残念でならない」
 厚生労働省の「過労死等防止対策推進協議会」(会長:岩村正彦・東京大学大学院法学政治学研究科教授)の10月25日の会議で、こう問題提起したのは、弁護士の川人博氏。「このケース」とは、昨今話題になっている電通の新入社員が2015年12月に過労自殺、労災認定されたケースだ。川人弁護士は、社員の遺族の代理人を務める。
 2014年11月の過労死等防止対策推進法の施行後、初めての「過労死等防止対策白書」がこの10月、まとまった。川人弁護士は、「白書は第一歩」と評価しつつ、法施行後も、職場環境の改善が容易には進まない現状を指摘。さらに、川人弁護士は、電通では2013年6月に死亡した社員も労災認定されたこと、2015年8月には労働基準監督署から、長時間労働の是正勧告を受けていたことを挙げ、「労働行政が職場の状況を察知する機会があったにもかかわらず、事件が起きた。労働行政は十分に反省する必要がある」と問題視した。

 厚労省は、25日の「過労死等防止対策推進協議会」で、「過労死等防止対策白書」の概要のほか、過労死防止についての施策を説明(資料は、(厚労省のホームページ)。
 委員の一人、全国過労死を考える家族の会東京代表の中原のり子氏は、白書に盛り込まれたデータで、業種別の「ストレス状況」で、トップが「医療、福祉」であることを挙げ、医療分野での労働基準法の徹底、医療機関への遵守を求めた。中原氏は、小児科医の夫が1999年に過労死、それを機に、医療機関等の勤務環境改善に向け、過労死等防止対策推進法の制定にも尽力してきた(『最高裁が医師不足や医師の過重労働に警鐘』を参照)。
 「医療現場において、長時間労働が常態化しているにもかかわらず、労働基準監督署も監督せず、医療機関も、当然のように労働基準法を遵守していない」と中原氏は指摘し、医師が過労死した昨今の事例を挙げ、「医療者の労働環境改善は、早急かつ重要な課題」と訴えた。
 中原氏は、(1)医師の宿日直を、時間外労働として認める、(2)常態化している長時間労働が放置されている理由の解明、(3)交代制勤務における深夜労働の過重性についての分析、(4)2015年12月からスタートした、メンタルヘルスチェックにおける産業医の負担増――といった、医療機関における現状や課題を挙げ、厚労省と医療機関が対応する必要性を強調した。
(略)

記事の中にあるところの「白書に盛り込まれたデータで、業種別の「ストレス状況」で、トップが「医療、福祉」」と言う指摘には取り立てて意外性はないものの、やはりこれだけ過労死だ、働かせすぎだと社会全体が大騒ぎしている中で医療だけが取り残されているように感じている人も多いのではないでしょうか。
この点に関しては以前と比べれば多少は改善していると言う話もあって、新臨床研修制度や医局制度崩壊、あるいはいわゆるフリーター医の台頭などで「嫌なら辞めます」と言うスタンスを公言する先生方も増え、また雇用者側としても医師不足が喫緊の課題であることから以前よりも医師の労働環境改善に意を用いるようにはなってきているようです。
とは言え施設や状況によっては相変わらず過酷な労働を強いられていることは確かであり、その根本的な背景にいわゆる応召義務の存在があると指摘する声もあって、要はいくら現場が過労死防止のために労働を抑制しようとしても、患者が来てしまえば診療に応じざるを得ないではないかと言うことですよね。
この点では例えば現在他の患者の診療に従事していて手が離せない場合、事情を伝えて他の医療機関に回ってもらう等は当然に考えられるかとも思うのですが、患者側にも妙なところで自意識の肥大した方々も一定数いらっしゃるようで、「診療拒否とは何事か!」と窓口でゴネてかえって手間がかかると言ったケースもあるように側聞するところです。

医療現場の慢性的な過労状態を解消するためにはリソースを大幅に増大させると言う対策も理屈の上ではあり得るのですが、現行の保険診療における報酬体系では病院は常にフル回転していなければ経営が成り立たないようになっていることから、古来リソース増大は医療費増大を招くと警戒する声が根強いことはご承知の通りですよね。
先日気になったのが厚労省の「医師の働き方ビジョン検討会」において提示された医療の目指すべきビジョンとして「患者の価値中心」が掲げられ、「患者の複合的なニーズ・多様な価値観に応え」ることが求められるとされている点ですが、一般的な客商売においては全く当然とも言えるこうした話も、全国一律公定価格によるワンプライス商売を義務づけられている皆保険制度下での診療に合う話なのかどうかです。
同じく皆保険制度をとっているイギリスでは専門医療機関に受診するにはまずホームドクターを受診し受診を指示してもらわなければならない、しかも紹介されても実際の診療ははるか先まで待たされると言うかなり不自由な制度でコストを抑制する一方で、それが嫌ならお金を出してプライベートの医療機関を受診すると言う逃げ道も用意されており、一見不自由そうでありながら非常に高い国民の満足度を得ていることが知られています。
日本では皆保険制度を絶対視する日医のような勢力も根強く、また多くの場合保険診療の方が医療側にもリスクが少ないと言うメリットも多いのですが、長々と待たされず疲れていない先生にしっかり診てもらえると言うことに余分なお金を出そうと言う需要がどれほどあるものなのか、それこそ特区ででも実証実験をやってみるのも面白いかも知れませんね。

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2016年11月 1日 (火)

大口病院に行政指導、その実効性には疑問符だが

先日発生した横浜での点滴異物混入による殺人事件の余波が未だ続いているところですが、これに関して一方の当事者とも言える横浜市がこんな事後対策を指示していると報じられています。

防犯カメラ増設、看護師増員など13項目の行政指導 大口病院臨時立ち入り検査で横浜市が結果を公表(2016年10月30日産経新聞)

 横浜市は28日、点滴治療中の入院患者2人が中毒死した大口病院(同市神奈川区)の事件を受けて11日に行った臨時立ち入り検査の結果を公表し、看護師の増員や防犯カメラの増設など計13項目について行政指導した。市は、11月18日までに改善報告書の提出を病院に求めている。

 市によると、臨時検査の結果をふまえ、事件が解決し、病院の安全確保のめどがつくまでの間、薬品や点滴などを収容する「救急カート」の施錠管理や、ナースステーションが無人にならないよう常駐看護師を増員するほか、入館者に対する面会証の導入、防犯カメラのさらなる増設などの対策を求めた。

 今回の検査で、病院側から職員間で人間関係のトラブルがあったとの報告に加え、院内で殺人事件が起きたこともあり、職員のストレスチェックをするよう指導した。


患者中毒死の大口病院に改善指導 横浜市(2016年10月29日日本経済新聞)

 横浜市の「大口病院」で入院患者2人が中毒死した事件で、市は29日までに、臨時立ち入り検査の結果を病院側に通知した。計13項目について行政指導した。うち5項目は事件に関連して安全管理体制の改善や対策強化を求める内容

 5項目は「ナースステーションが無人にならないように看護師を増員する」「医薬品や注射器を載せる無施錠式の『救急カート』の管理体制改善」など。いずれも医療法上の問題はないが、事件が解決するまで対策をとるように求めた

 また、カルテの管理方法など、医療法に基づいた3項目についても新たに改善を求めた。

 横浜市は事件前の9月2日に同病院に定期立ち入り検査をしたが、事件を受け、10月11日に臨時の立ち入り検査を実施した。

事件が解決するまでの一時的な対策と言うことですが、事件が仮に解決したとしても対策を中止し元に戻すと言うのも現実的には難しいだろうと考えると、実際のところは恒久的な対応に準じたものと考えるべきなのかとも思うのですが、さてこれらの対策でどれほど効果があるものなのかが注目されますね。
個人的に気になったのが看護師増員を求めるものと報じられていて、スタッフのストレスなどが報じられていたことからそちらへの対策としてのことなのかと思っていましたら、ナースステーションが無人にならないように看護師を増やすと言うのもどうなのかで、そもそも夜間も含めて無人化を阻止すると言うことであれば相当数の看護師を増やさなければ意味がないことでしょうね。
現実的には防犯カメラの設置や点滴管理体制の改善などが中心になるかと思うのですが、これらも言ってみればすでに各方面から指摘されている程度のことであり、これで犯行をあきらめる程度の相手であればいいのですが、悪意をもって侵入してくる相手への本質的な院内の危険対策としてはあまり効果的とも思えないようには感じます。

前回にこの大口病院の話題を取り上げた際にも安全確保に要するコストを誰が負担するのかと言う意見がありましたが、保険診療でやっている限り原則的に収入は限られたものでどこも余裕などないはずですから、よほどに経営のしっかりした施設でなければ諸外国の病院のような本格的なセキュリティー対策も難しいのではないかと感じます。
とは言えハードウェアやシステム面での整備以前に職員各人のセキュリティ意識の面で医療機関はまだまだ未熟に過ぎると言う指摘もあって、未だに患者の個人情報流出などがたびたび報じられる点を見ても耳が痛い話なのですが、少なくとも夜間時間外などは人の出入りをチェックするくらいのことはあって当然でしょうし、現場の利便性もさほどに損なわれないで済みそうです。
例えば今後万一院内で犯罪的な行為が発生した場合、こうした過去の事例に照らし合わせて妥当な対策を取っていなかったと判断されれば病院側に損害賠償が命じられる可能性もありそうですから、全国の施設管理者の方々はこの際自施設のセキュリティー対策についてもう一度検討してみた方がいいかも知れませんね。

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