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2016年11月19日 (土)

30年経って無実が判明したリアル炎上事件の真相

ネットが登場して以来その特異的な現象か何かのように言われることもある炎上と言う現象ですが、もともとマスコミなど既存メディアが得意としてきた手法ですし、現実世界でも日常的に発生する現象で何もネットだから起こり得るものと言うわけでは全くありません。
ただネットで全世界が同時につながっているからこそ炎上しやすくなったのではないかと言う指摘もあって、異文化や異なる価値観の共存するネットだからこそ発生する炎上と言うものも確かにありますが、先日その炎上と言う現象に関してこんな記事が出ていました。

◆炎上に参加するネット民はわずか0.5%、その属性は?『ネット炎上の研究』(2016年11月7日ダイヤモンドオンライン)

 ブログやTwitterなど様々なSNSが普及するのに伴って、ネットにおける「炎上」も広く知られるようになった。著名人のスキャンダルや不適切発言、企業のコンプライアンス、一般人の行動など、炎上の原因は多岐にわたる。ネットの炎上事件がテレビや新聞でも取り上げられ、さらに世間に周知されるようになり、事態が深刻化することも日常茶飯事だ。もし自分や自分の属する組織が炎上の対象になったら、と想像してぞっとしたことがある人も多いのではないだろうか。しかしこれまで、匿名性の高いネットの世界において、どんな人が批判的なコメントを書き込んでいるのかといった実態を、くわしく知る術はなかった。
(略)
 炎上に実際に書き込んでいる人の属性について、約2万人に対するアンケート調査のデータを用いて実証分析し、炎上の実態を掴んだ。
 第1に、炎上を知っている人はインターネットユーザの90%以上いるものの、これまで炎上に参加したことのある人はわずか約1.1%しかいない。このことから、ごく少数の人が、複数回にわたり炎上に参加していることが明らかになった。
 第2に、炎上参加者の代表的な属性として、「男性である」「若い」「子持ちである」「年収が多い」「ラジオ視聴時間が長い」「ソーシャルメディア利用時間が長い」「掲示板に書き込む」「インターネット上でいやな思いをしたことがある」「インターネット上では非難しあって良いと考えている」といったものが得られた。一方、学歴やインターネット利用時間といった属性は、炎上参加行動に有意な影響を与えていなかった

 炎上は、ごく一部の人が書き込んでいるに過ぎない。炎上に書き込んだことがある人は、インターネットユーザ全体から見ても少なく、インターネット上で非難しあってよいと考えている人に限られる。したがって、炎上して多くの罵倒を浴びせられたとしても、別段気に病む必要はないだろう。炎上を過剰に気にしてインターネット上の情報発信を控える必要もない。
(略)

炎上と言う現象がごく一部のアクティブな攻撃的ユーザーによって引き起こされていることは経験的にも知られていた事実ですが、興味深いのはその実態として年収が多いが学歴にはあまり関係ないと言った、今まで漠然とネット上で語られていた人物像とはやや異なる印象もあるように感じられるという点です。
もちろんその気になれば誰が炎上を起こしているのかと言うことはそれなりに調べられる手段はあるし、場合によっては損害賠償請求など一定の対応策も考えられるのですが、先日もネットや実社会で暴力的活動や暴言を繰り返してきた集団の幹部が大手企業幹部であり、職務上の取引先に対しても暴言を吐いていたことが明らかになったケースのように、炎上される側にも一定程度落ち度のある場合もあり難しいところでしょうね。
一方で何ら罪科もないにも関わらず言われ無き騒動に巻き込まれ社会的に大いに不利益を被ると言ったケースは極めて深刻で何とか対策を講じたいところですが、先日長年の言われ無き不名誉な誹謗中傷が間違いであったとようやく立証された人物のニュースが話題になっていました。

「ペイシェント・ゼロ」、米エイズ流行の起源ではないと証明 研究(2016年10月27日AFP)

【10月27日 AFP】米国にAIDS(エイズ、後天性免疫不全症候群)をまん延させた最初の患者「ペイシェント・ゼロ」として同性愛者の男性が不当なレッテルを貼られたのは、患者番号の誤解と1980年代のメディアの過剰な報道が原因だと決定づける研究結果が26日、発表された。
 英科学誌ネイチャー(Nature)に発表されたこの論文は、科学と歴史学の両観点から分析を行った。それによると、エイズの原因であり、米国内で40年ほどの間に65万人以上の命を奪ったHIV(ヒト免疫不全ウイルス)は、1970年頃にカリブ海(Caribbean Sea)地域から米ニューヨーク市(New York City)に持ち込まれたという。
 33年前の血液サンプルを最新技術で分析した結果、米国にHIVを大流行させた張本人として死後に中傷されたこの男性、ガエタン・デュガ(Gaetan Dugas)さんは、エイズに侵された大勢の患者の一人にすぎなかったことが決定的に証明された。
 フランス系カナダ人で航空会社の従業員だったデュガさんは1984年に亡くなるまで、自身の多数の性交渉パートナーを特定し、科学者らがエイズの感染経路を調査する手助けをした。
 論文の主執筆者の一人で公衆衛生史の専門家、リチャード・マッケイ(Richard McKay)氏は「デュガさんは歴史上で最も悪者扱いされている患者の一人だ」と述べた。

「ペイシェント・ゼロ」の発端は1982年、カリフォルニア(California)州南部で珍しい致死性の肺感染症にかかった男性数人が、性的な関係で結び付いていることに米疾病対策センター(CDC)の調査チームが気付いたことだった。
 当時はまだエイズだと分かっていなかったこの感染症について、調査チームは患者同士の関係性を明らかにして感染源を突き止めるため、患者に聞き取り調査を実施。すると、1人の男性が繰り返し浮上した。それがデュガさんだった。
 調査チームは手順に従い、デュガさんに患者番号「057」を割り当てた。
 デュガさんの出身は、調査を行ったロサンゼルス(Los Angeles)ではなくニューヨークだったため、調査チームは「カリフォルニア州外(Outside-of-California)」の頭文字「O(オー)」を、デュガさんの番号に付け加えて記載した。
 だが間もなく、調査チームは「不明瞭な楕円(だえん)形を数字と解釈し、『ペイシェント・オー』を『ペイシェント・ゼロ』と呼び始めた」と、マッケイ氏は説明した。

 一方で保健当局者らは、潜在的な感染ネットワークが広範囲に及んでいる可能性に気づき始めていた。ロサンゼルの感染集団(クラスター)に属する同性愛男性のうち、65%以上が生涯で1000人以上と性的な関係を持ち、75%以上が前年だけで50人と関係を持ったと報告した。
 患者番号057のデュガさんは、過去3年間で関係を持った男性約750人のうち、72人の名前を挙げることができた。この数は調査対象となった患者の大半よりもはるかに多く、それが珍しくて印象に残る名前と相まって、後にデュガさんの悪評を生む一因となった可能性があると、マッケイ氏は推測する。

 1984年にCDCの調査に基づく科学的研究が発表されると、図表の中の「ペイシェント・ゼロ」に注目が集まった。この人物が、東海岸と西海岸でエイズを拡散させているウイルスの根源であることを示唆していた。
 2年後、ある野心的なジャーナリストがデュガさんの名前を嗅ぎつけ、エイズ危機を扱った自身の著書で社会に影響を与えた「そしてエイズは蔓延した(And the Band Played On)」の中に極悪人として登場させた
 米国のHIV流行が不運なデュガさんから始まったのではないことは、専門家の間では以前から明白だったが、生物学的な証拠が不十分だった。

 この件に決着をつけるために、論文のもう一人の主執筆者である米アリゾナ大学(University of Arizona)のマイケル・ウォロビー(Michael Worobey)氏は、数十年前の血液サンプルに含まれるHIVウイルスから遺伝物質を回収するための新技術を開発した。
 研究チームは1978~1979年に米国人男性から採取した血液サンプル2000あまりからHIVのDNAを抽出、HIVが1970年代にすでに高い水準の遺伝的多様性を示していたことを突き止めた。これは、HIVがすでにある程度の期間、米国本土を循環していたことを意味する。
 さらに研究チームはHIVの起源をカリブ海地域と特定、ニューヨーク市経由で米国に持ち込まれたことを明らかにした。
 ウォロビー氏は声明で、「人々が警鐘を鳴らすきっかけとなり、エイズ発見につながったカリフォルニアでのHIV流行は、実際にはそれ以前にニューヨークで発生していた流行から派生したものにすぎなかった」と指摘した。

件の著書は映画化もされ大きな社会的反響を呼んだことから、「この場合実際に炎上すべきだったのは勝手な思い込みとプライバシー侵害の捏造著書で巨大な社会的誤解を招いた「ある野心的なジャーナリスト」だったのではないかと言う指摘もあるのですが、自身もゲイであったジャーナリスト氏はすでにエイズにより死亡しており、亡くなったデュガさんの無実が晴らされたことに対して何らかのコメントを出せる状況ではないようです。
ちなみにこのジャーナリスト氏はゲイであることで就職にも長く苦労していたと言いますが、伝えられるところによれば若い頃からずいぶんと言われなき差別も数多く経験していたようで、まさに「自分自身も嫌な思いをしたことのある人間が他人を炎上させている」と言う類型通りの展開だったとも言えるのかも知れません。
現代の炎上事件がこの時代のそれよりも厄介なのは、一度それが発生し世間に名が出てしまえば事実上それを消去することが出来ないと言う問題が挙げられますが、こうした点については情報の削除を求めても限界がありむしろ隠蔽行為を働いているのだから後ろ暗いことがあるに違いないと勘ぐられ、かえって情報が拡散してしまうと言う危険性も指摘されています。
事実と異なる誹謗中傷に対してはいずれどこかで名誉回復の機会があることを考えると、例えば検索エンジンで事件報道に関連する情報を検索した場合はその後の続報も一緒に提示出来るようにすると言った対策も考えられるかと思うのですが、実社会で炎上させた側の方々もなるべくその後のフォローアップまでも責任をもって行っていただければ印象もずいぶんと良くなるかと思いますね。

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コメント

草の根運動のふりをして特定利益団体が、メディアで、SNSで、炎上を仕掛け、世論を誘導するのを、人工芝運動と言うそうな

アメリカでは、当然のようにマーケッティングの手法として確立されているようです

日本も、世論を誘導するのを使命として、デマもいとわないメディアが氾濫してますね。。。

投稿: 人工芝 | 2016年11月25日 (金) 08時43分

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