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2016年10月28日 (金)

横浜点滴死亡事件の余波続く

先日発生した病院内での点滴異物混入事件では、その後も点滴ボトルの蓋に穴が見つかるなど続報が続いていますが、事件が発生した背景事情や再発防止策などが議論される中で、こんな声も出ているそうです。

横浜点滴殺人「内部犯行説」で浮上した「終末病棟」の闇現場(2016年10月9日アサ芸プラス)

 神奈川県横浜市の大口病院で起こった点滴殺人。現場付近の飲食店店主は、「マスコミのカメラが店の前まで占拠するもんだから、客足が遠のいていますよ」と音を上げているが、何せ人の出入りが少ない病院内での密室犯行。戦慄の犯人像はしぼられつつあるようだ。
(略)
 捜査関係者が語る。
「当初、怨恨の線で被害者の人間関係を洗ったが、それらしき情報は上がってこなかった。点滴袋に界面活性剤が混入されたのは17日以降と見られている。つまり事件当日、犯人は現場に居合わせていなかったかもしれない。ターゲットも無作為。そうなると無差別殺人とも言える鬼畜の所業だ。ナースステーションに出入りできる人物となると、やはり内部犯行を疑う声は強い
 福岡徳洲会病院センター長の長嶺隆二医師は言う。
「たとえ毒性がなくても、点滴薬以外の異物が血管に入れば、2、3分で死亡します。そんなことは、医療従事者であれば誰でも知っています。状況から考えて、注射や点滴の扱いに慣れた医療従事者による犯行の可能性は高い
(略)
 注目すべきは、寝たきりの高齢者が患者の大半を占める「終末病棟」で不審死が発生した点だ。大口病院関係者が重い口を開く。
「患者に大した治療を行っていたわけでありません。病院は病床の回転率を上げていかなければ、診療報酬が稼げない。不謹慎かもしれないが、どんどん死んでもらったほうが、新しい患者を受け入れられるので、病院経営にとっては好都合という考え方もできる」
 事件の“下地”はできていたというのだろうか。
(略)
 事件は「無差別大量殺人」として拡大する様相を帯びてきた。その予兆は以前からあったと前出・病院関係者は言う。
「病院は利益優先で、そのしわ寄せは現場に向いていた。最近は看護師の離職率が高く、人手不足で仕事量が増えていた。こうした中、4月には看護師のエプロンが切り裂かれ、さらに患者のカルテが紛失。ペットボトルへの異物混入など、トラブルが続いていた。そして今回の事件ですよ‥‥」
 この病院関係者は、1カ月ほど前に、4階ナースステーションで、一人の看護師が疲れた表情を浮かべ、このような不満を漏らしているのを耳にしたという。
点滴や注射を打っても、よくなるわけでもない
 前出・長嶺医師は、疲弊する終末期医療の闇現場に警鐘を鳴らす。
「我々が激務に耐えられるのは、患者さんの笑顔があるから。しかし、終末期医療では患者さんがよくなる見込みがありません。希望が見いだせないのです。そのため、たくさんの医療従事者が心を病み、ストレスを抱えている。医療界全体で取り組んでいかなければ、同様の事件はまたどこかで起こりうるでしょう」
(略)

現場となったのが終末期医療専門の病棟と言うことですから、基本的には症状緩和などを行うだけでいわゆるよくなるための医療を行う場所ではなかったと思うのですが、今までの報道などから見る限りそこまでの割り切りはなく漫然と現状維持を行っていただけの可能性もあるようで、現場には徒労感も拡がっていたのかも知れません。
この辺りは高齢者や終末期の対応に関しては昨今各種ガイドラインも出てきており、場合によっては延命的治療の中断もありだと言う時代になっているわけですが、やはりご本人ご家族の希望によってはそうした医療も止めるわけには行かないと言う場合もあるはずですし、深く考えずに前医処方をそのまま踏襲している先生方も少なくないのだろうとは思いますね。
こうした病床のあり方などの議論はひとまず置くとしても、当然急性期の病床と比べればスタッフの数も少ないでしょうから出入りもかなりやりやすいはずで、必ずしも内部関係者の犯行と決めつけるわけにもいかないのかなとも思うのですが、そうなりますと再発防止策としてはどのような手段が考えられるのかです。

この点について医療の内外各方面から様々な指摘が出ていますが、海外の病院に比べると日本の病院は犯罪行為に対する備えが弱すぎる、現に院内での窃盗行為などが多発しているではないかと言う指摘もあってなるほどと思うのですが、医療現場もいつまでも性善説ではいられないと考えると犯罪行為やいわゆるモンスター対策なども含め、要所に監視カメラ等の犯罪対策も必要になるのかも知れません。
ちなみにこう聞くと海外の病院ではセキュリティ対策も万全で安心安全なのかと言えば全くの逆で、特に途上国などでは院内での小児誘拐なども日常的に発生していることから基本的に病院内は安全な場所ではないと言う認識が徹底されていると言い、それだからこそセキュリティゲートなど防犯対策も当たり前に行われていると言うことです。
日本でも反社会的組織関係者が院内で射殺されたと言った事件が報じられたこともあり、考えてみれば病気や怪我で非常に無防備な人々が大勢いる場所なのですから、少なくとも世間一般よりも高いレベルのセキュリティー対策が求められるはずですが、当然ながらこうした対策にお金が出ない現状では誰がそのコストを負担するのかと言う話ですよね。
点滴の管理を厳重にするなどの対策に関しても結局のところそのコストを誰が負担するのかと言うもっともな意見があって、現場が意識を変えていくことと現状を変えられるだけの経済的背景を調えることが対策の両輪として求められることになりそうですが、とりあえずはお金を出してくれる方々向けのサービスとして有料個室の安全環境整備からでも始めて見るべきなのでしょうか。

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コメント

 宇都宮といい、この件といい、煮詰まってきた感があります。
 こういうやり方でしか「混戦さすw」ができてこないのが、議論向きでない、気分でしか動かない国民性の帰結かな。てんでんこ で まず身を守る、から再出発ということになるのかな。

投稿: | 2016年10月28日 (金) 08時33分

まともな警備員もいない病院もまだありますものね。
相模原であんな事件があったのに対策しないとまずいんじゃ。

投稿: ぽん太 | 2016年10月28日 (金) 08時37分

>日本でも反社会的組織関係者が院内で射殺されたと言った事件が報じられたこともあり、

佐賀のアレでしたら人違いで被害者は暴力団関係者じゃないですよ?
http://matome.naver.jp/odai/2140360120855296601

>対策しないとまずいんじゃ。

っつてもそんな金ないですよね。特にこのテの病院とか、このテの施設は…。

投稿: 10年前にドロッポしました。 | 2016年10月28日 (金) 09時15分

ドロッポ先生、東京の大学病院で組幹部が射殺された事件がありましたよ。
https://allabout.co.jp/gm/gc/55633/

対策しようにもそんなお金はないのは激しく同意。

投稿: オメガのくんしょう | 2016年10月28日 (金) 10時34分

悪意をもった武装勢力が施設内に侵入し大量殺戮を行うことが現実の脅威となった以上、抵抗力の弱い弱者が大勢固まっている病院などの施設は今後安全管理上の責任を問われる可能性もありそうです。

投稿: 管理人nobu | 2016年10月28日 (金) 13時12分

>「我々が激務に耐えられるのは、患者さんの笑顔があるから。しかし、終末期医療では患者さんがよくなる見込みがありません。希望が見いだせないのです。そのため、たくさんの医療従事者が心を病み、ストレスを抱えている。医療界全体で取り組んでいかなければ、同様の事件はまたどこかで起こりうるでしょう」

とりあえず、この先生が終末期をまともにやってないし、実情を知らないのだけはよくわかりました。
「緩和ケアなんて大変ですね。精神的にも...」のセリフは、緩和ケアを知らない医療者/一般人の思い込みです。

投稿: おちゃ | 2016年10月28日 (金) 13時47分

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