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2016年10月

2016年10月31日 (月)

医師偏在対策、各方面からの提言が続々と

医師不足だ、いや医師偏在だと様々な議論もあるところですが、このところの医学部定員増加政策で医師総数が順調に増えてきているせいか医師偏在対策こそ急ぐべきだと言う論調が強くなっていて、問題はその方法論をどうすべきかと言うところになってきているようです。

「保険医の定数設定」なども可能に、国・県の権限強化を 財制審・財政制度分科会、医師偏在対策で提言(2016年10月28日医療維新)

 財務省の財政制度等審議会財政制度分科会は10月27日、「経済・財政再生計画 改革工程表」に盛り込まれた社会保障分野の制度改革案を議論、医師の地域・診療科偏在については、特定地域・診療科での診療従事を医療機関の管理者の要件にしたり、保険医の配置・定数の設定などの規制的・実効的な是正策が講じられるよう、国と都道府県の権限を強化すべきと提言した(資料は、財務省のホームページ)。

 医療機関の管理者要件と絡めた医師の偏在対策は、NPO法人「全世代」がこの10月にまとめた提言にも盛り込まれた内容だ(『「医師不足地域での勤務」、保険医療機関の責任者の条件』を参照)。

 社会保障審議会医療部会をはじめ、厚生労働省の審議会・検討会でも、医師不足問題の中心的議題は、偏在対策(『「医学部定員、2020年度以降も増員」をけん制』などを参照)。本分科会は、2008年度以降、増員してきた医学部定員については、「医師需給の見直しを踏まえた精査・見直しを進めていくべき」と指摘しており、医師不足については、絶対数の問題から、地域・診療科偏在の問題に重点がシフトしている。
(略)

「医師不足地域での勤務」、保険医療機関の責任者の条件 NPO法人「全世代」私案、塩崎厚労相にも説明(2016年10月24日医療維新)

 NPO法人「全世代」は10月24日、医師の地理的遍在の対策として、専門研修を終えた後の一定の時期に、保険医療機関の責任者になる条件として、医師不足地域での勤務を一定期間義務付ける私案を公表した。本私案は10月14日に、塩崎恭久厚労相に説明済み(資料は、同NPO法人のホームページ)。
 医師免許取得時には「一種登録証」を、医師不足地域での勤務後に「二種登録証」をそれぞれ付与する。ただし、保険医登録証を現在保持する医師については、経過措置として「二種登録証」を交付する。
 この私案の実現には、「然るべき法律改正が必要」と思われるものの、(1)医師の地理的偏在が短期間に改善、(2)一部の医師だけに地域医療の負担を負わせる状態が改善――などの効果が期待できるという。
 NPO法人「全世代」は、2015年10月に発足。本私案は、地域医療機能推進機構理事長の尾身茂氏をはじめ、計26人の医療者から成る「医療分科会」で検討を重ねてきた。医師の診療科偏在は、日本専門医機構が議論しているとし、今回の私案は医師の地理的遍在に焦点を絞った内容。なお、尾身氏は厚生労働省の「医療従事者の需給に関する検討会」の「医師需給分科会」では、診療科偏在についても提言している(『診療科別の「専攻医研修枠」、JCHO尾身氏が提案』を参照)。

 「医師、社会的責務果たすことを期待」

 私案はまず前提条件して、(1)医療は保険料と税金で大部分が賄われている、(2)医学部教育には、国公私立を問わず、多額の税金が投入されている――ことから、「医療は国民共有の財産として運営されていることは明らか」「医師には、公共の福祉、地域のニーズに貢献する社会的責務を果たすことが期待されている」と指摘。
 その上で、基本的な考え方として、「若手医師のみならず、全ての世代の医師が可能な範囲で協力して行くことが求められている」ことを挙げている。

 地域医療構想圏、3つに区分

 私案は、(1)全国レベルの情報を集約、都道府県地域医療構想圏(2次医療圏)レベルでの医師不足地域を確定、(2)その後、どの医療機関に勤務してもらうか、いかなる支援体制を構築するかなど、具体的な取り組みは各医師不足地域が責任を持って行う――という2つのステージでの実施を提案。
 (1)では、地域医療構想圏をA 、B 、C(Cが最も医師不足が深刻)の3種に区分(都道府県は、これらの加え、島しょや過疎地域に限定した特殊地域Sを設ける)。その上で、保険医登録を全国共通に一本化、「一種登録証」は医師免許取得時に全員授与。「二種登録証」は、臨床研修修了後の医師不足地域での勤務実績(文末を参照)によって授与する。
 (2)の通り、医師不足地域内で、どの医療機関に勤務するかは、当該医師個人の考えを十分に尊重し、決定する。マッチング制の導入、複数医療機関のネットワーク化による受け入れなども想定されるが、都道府県地域医療構想圏の地域医療構想調整会議が、都道府県の地域医療協議会と連携して、責任を持って行う。
 「一種登録証」「二種登録証」の効力・定義については、「選択肢A」(一種登録証のままでも、通常の保険診療を継続的に行うことが可)、「選択肢B」(一種登録証のままで保険診療をできる期間を、例えば10年と規定し、更新を必要とする)という2つの選択肢があるとした。

【勤務実績の例】
地域医療構想圏A 新規の保険医登録の実績にならない
地域医療構想圏B 2年の勤務実績により二種登録証を授与
地域医療構想圏C 1年の勤務実績により二種登録証を授与
特殊地域 S 6カ月の勤務実績により二種登録証を授与

このNPO法人全世代なる組織については失礼ながら存じ上げなかったのですが、医療を中心に幅広い世代による議論を通じ、特に若い世代の生活支援を中心とした政策提言を行っていく方針であるようで、代表理事である尾身茂氏も自治医大一期生として離島診療の経験があり、西太平洋地域からポリオを根絶するなど感染症を中心とした公衆衛生学的領域を専門とされています。
実際のところ政府の政策決定にどの程度の影響力があるかと言えば良く言っても全く未知数と言うしかなさそうですが、この保健医療機関の責任者たる要件として僻地勤務実績を求めると言う考え自体は以前から各方面で提唱されていたものであり、今現在社会的権力のある年配の方々がいたずらに若い世代ばかりを人身御供として送り出すことへの一定の抑止力としても期待されるものです。
現実的には今現在施設管理者等の地位にある人間に僻地診療を強いると言うのも無理がありますから、やはり一定年代以下の世代にそれを強いると言うことにはなるのでしょうが、昨年出された日医の「医師の地域・診療科偏在解消の緊急提言」においても全く同様の提言が盛り込まれていることは注目に値するところでしょう。

この辺りの話が実現すれば開業医や組織のトップを目指す先生方が先を争って僻地勤務に励むことになるのかどうかですが、現実的には将来の進路選択肢を狭めないためにも現在の専門医研修などと同様、若いうちに一定程度の僻地診療経験を積んで基準をクリアしておくと言うスタイルが主流になりそうにも思います。
ただこの医師偏在問題については冒頭の財務省財政制度等審議会財政制度分科会以外にも厚労省内部でも社会保障審議会医療部会や医療従事者の需給に関する検討会、医師・看護師等の働き方ビジョン検討会など様々な部署が議論をしていて、それぞれが打ち出した方針を今後どのようにすりあわせていくものなのか疑問も残るところですよね。
当然ながら現場医師にとっては何かしら新たな制約が追加されると言う話で反発も予想されるのですが、何が最も強い反発を呼びそうかと言えばいわゆる医師強制配置に関わる部分だろうと考えると、何らかのインセンティブなりによる誘導で医師が自主的に僻地勤務を希望するようなやり方が落としどころになりそうには思います。

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2016年10月30日 (日)

今日のぐり:「喰太呂(くうたろう)連島店」

誰しも経験があることだと思うのですが、先日こんな記事が出ていました。

ああ、恥ずかしい!「思い出したくない記憶」を忘れる方法はあるか?(2016年9月12日MAG2ニュース)

「記憶」とともに生きている私たち人間にとって、「記憶」とどうつき合っていくかは重要なことですよね。
楽しかった記憶、よく笑った記憶、とても嬉しかった記憶。あるいは辛かった記憶、よく泣いた記憶、思い出したくもない記憶…。
今回は「 忘れたい記憶 」について考えてみました。
(略)
思い出す暇をつくらない
たとえば、PTSDの人にとって、悪夢のような経験はできれば思い出したくもないのに、自分の意思とは無関係に思い出してしまうということがあります。
これと同じように、実は「悪い記憶」を消したい人も、無意識的に引き出しから出して、思い出してしまっていることがあるかもしれません。そのため、何か別のことに集中して、思い出す暇をつくらないことが奨励されます。そのように思い出すことを止めることで、早く忘れることができます。

ネガティブな経験ほど冷静に記憶
感情、とくに「恐怖」に関連していて強い感情をともなった記憶はなかなか忘れにくいと言われます。
これは、記憶を長期化させる「海馬」と、記憶時の強い感情による「偏桃体」の刺激とを結びつけて、神経回路を設定してしまうからだという説があります。ですから、覚える時に「強い思い入れを込めない」ことは、記憶が残りにくい要因になるでしょう。可能であれば、ネガティブな経験ほど冷静に記憶しましょう。

「悪い記憶」を「良い記憶」に変えられる?
時々思い出さないと生々しい「エピソード記憶」は、辞書のような「意味記憶」に変貌します。
ですが、実はこれ、過去の出来事に現在の解釈を加える「リセット」にも似た作業です。この時、悪く解釈すれば、記憶はどんどん悪いものとして「エピソード化されていきます」。
「悪い記憶」というものは、実はそのたびごとに、自分で悪い解釈を増長している可能性もあるのです。
思い出すたびに悪く解釈するのでなく、“良く解釈する”ことで、より良い記憶になっていくという作業は、心理療法などではよく行われます。

より良い記憶に変える大切なコツ!
そうは言っても、悪い記憶を自分一人の解釈で「良い記憶」に変えることは至難のことです。下手をすると自分自身をごまかすことにもつながります。「作話」と言って、記憶をねじ曲げてしまうようなことにもなりかねません。
そこで、自分の話(記憶)を、他の人に話すことで聞いてもらい、他者の目で解釈してもらう、ということが行われます。自分では「悪い」と思っていたことが、他者にはそうは見えていなくて、それを受け入れると、記憶自体が以前ほどネガティブなものではなくなるということも起こるのです。そうした、記憶の受容作業を心理療法では行うわけです。

良いも悪いも、どちらにしても長期記憶(思い出)があることが人間であることを思うと、悪い記憶も無理をして消す必要はないだろうとも思います。
しかしそれでは辛すぎるという方には、上に述べたような可能性を探ってみてください。

恥ずかしさを乗り越えて見えてくるものがあるかも知れませんが、あまり正面から向き合うのも辛すぎると言う場合は確かにあるのでしょうね。
今日は辛い記憶に悩まされている方々を励ます意味で、世界中から一生残る黒歴史になりかねない経験をした方方のニュースの数々を取り上げてみることにしましょう。

トイレ詰まらせアジトが発覚 特殊詐欺グループ逮捕 警視庁(2016年10月26日産経新聞)

 息子を装って現金をだまし取ろうとしたとして、警視庁捜査2課は、詐欺未遂容疑で、東京都中央区湊の無職、大谷克美(31)と、埼玉県川越市諏訪町の無職、黒崎貴志(27)の両容疑者を逮捕し、東京都板橋区内のアジトを摘発した。捜査2課によると、ともに容疑を否認している。

 8月上旬、足立区内のマンションで、シュレッダーにかけた書類が流されたトイレが詰まり、管理人側が水漏れの疑いで110番通報。詰まった書類を確認したところ、特殊詐欺のメモ類だった疑いが強まり、その後も詐欺グループがアジトを移転して犯行を続けているとみて捜査2課が捜査を進めていた。

 逮捕容疑は10月25日、世田谷区の無職男性(81)に息子を装って「病院で小切手の入ったカバンを盗まれた」などと嘘の電話をして現金100万~200万円をだまし取ろうとしたとしている。

この手の詐欺もなかなか中心メンバーが捕まらず苦労しているそうですが、当の本人達もまさかこんなことで発覚するとは思っていなかったことでしょうね。
こちらもなかなかに手の込んだ詐欺事件なのですが、同様に思いがけない意外な結末を迎えたそうです。

「配達員が屈強でかなわない…」恐喝未遂容疑で組員逮捕(2016年10月28日朝日新聞)

 暴力団組員が屈強な宅配便の配達員に屈した――。

 組事務所に届いた代金引換の宅配物を脅し取ろうとしたとして、警視庁は、いずれも指定暴力団松葉会系の組員古玉雄介(32)=東京都荒川区=、大場一利(35)=愛知県半田市=の両容疑者を恐喝未遂容疑で逮捕し、27日発表した。

 荒川署によると、大場容疑者は6月12日、インターネットで高級腕時計(販売価格約86万円)を注文。翌日、佐川急便の男性配達員(38)が荒川区町屋3丁目の組事務所に品物を届けに来た際、大場容疑者が古玉容疑者にモデルガンを突きつける「ヤクザ同士の内輪もめ」の場面を見せつけ、代金を払わずに商品を脅し取ろうとした疑いがある。

 ところが、この配達員は、同行していた同僚男性(44)とともにモデルガンと商品を取り上げ、110番通報。容疑者2人は慌てて事務所から逃走した。大場容疑者は「配達員が屈強でかなわないと思った」。古玉容疑者は「大場(容疑者)がやったことだ」と容疑を否認しているという。

一体どんだけと言う話なんですが、しかしどこまでも情けないと言うべきか配達員が想像以上だったのかですね。
女性問題は時に男を狂わせると言いますが、こちら幾ら何でもその方向性としてどうなのかと言うニュースです。

バス内で「冷凍鶏肉」使い殴打、口説き無視され(2016年10月20日CNN)

(CNN) 米シカゴ市の警察は20日までに、公共バス内で女性乗客に話し掛けて相手にされなかった後、持参していた冷凍の鶏肉入りのバッグを使って殴打した27歳の男を逮捕、訴追したと発表した。
バスを止めて女性を助けようとした運転手もバッグでの攻撃を受け、鼻やあごの骨を折るけがを負った。歯も失ったという。被害者の女性はCNNの取材に、重傷は負わなかったと述べた。

犯行の現場はシカゴ交通局が運営する公共バス。容疑者は重罪の加重暴行などの罪に問われている。
裁判所記録によると、容疑者は2014年、公共バスの爆破を脅迫した罪で禁錮2年の判決を受けた過去がある。
シカゴ交通局の報道担当者によると、バスなどの運転手が事件に巻き込まれた事例は極めてまれとしている。

手持ちの荷物でもっとも威力があると言うことだったのでしょうが、この記事を見て何故かあの古典的ジョークを思い出してしまいました。
同じくこちらも相手にされなかった男のかなしすぎる?結末を伝えるニュースを紹介してみましょう。

車上で全裸ダンス 誰にも相手にされず逮捕された“イタすぎる男”(2016年10月22日テックインサイト)

「裸になる」と言われたところで、見てみたい体もあれば「決して見たくない、結構」と断りたい体もある。人々をただシラケさせた全裸男のなんともイタイ話題が英ブリストルから飛びこんできた。

ブリストルのセントアグネスという町で、1人の男が警察車両のフォード・フォーカス(Focus)の上に飛び乗り、全裸でダンスやヨガなど活発な動きを繰り広げる騒動が少し前に起きていた。ひげも髪も無造作に伸び放題というむさ苦しさに加え、酒に酔ってハイテンションであることから、お世辞にも鑑賞に堪えるような美しい裸体とは言い難いものであったという。

警察官は男に名前を尋ねるとともに「あなたが公共の場でこんな姿をさらすことを誰も喜んでいないようですよ。皆さん去って行くだけです。まだ続けるんですか? 公然わいせつの現行犯で逮捕しますよ」と警告したが、男が動きを止める気配はなく逮捕が決まった。元気なジャンプを見せて地上に降り立つと、嬉々としてパトカーに乗り込んだという。

実はこの全裸男の話題、『bristolpost.co.uk』によれば今年8月にはあるユーザーにより“Mean time in Bristol”というタイトルでYouTubeにもアップされていた。だが閲覧回数は3000回に満たない。もしも女性の興味や話題をさらうことができていれば、もう少し閲覧者は多かったはずだ。
(略)

単なる愉快犯なのか正統的ブリ的趣味の持ち主だったのかは不明ですが、こんな男を車に乗せるのもあまり良い気持ちはしなかったでしょうね。
こうした境地を乗り越えある種の達観に達したとも言えるのがこちらの御仁ですが、その結末は必ずしも幸せなものでもなかったようです。

孤独が生んだ悲劇 50歳男性 ペットボトルからペニスが抜けなくなり切除(2016年10月22日テックインサイト)

50歳にして恋人も妻もおらず、孤独な人生を送っていた男性にとって、一人で楽しむしかなかった性生活。そんな男性が性的欲求を満たすために相手にしていたのは、プラスチックのボトルだった。しかし、このボトルがとんでもない悲劇を生み出す結果となってしまった。

中米ホンジュラスに住む男性は、自分のペニスをプラスチックのボトルに入れて一人遊びをしていた。ところが、ボトルからペニスが抜けなくなってしまうという事態に陥ってしまった。
こんな姿を人目に晒すのはあまりにも格好が悪すぎる…男性はそのまま4日間病院へも行かずに過ごしていた。しかしこれが致命的な結果を招いてしまうことになる。ボトルに詰まったままの男性のペニスは、血液の循環が悪くなり感染症を起こし、完全に壊死状態になってしまった。
4日目にして、ペニスがボトルに入ったままようやく病院を訪れた男性だが、彼のペニスは壊死で真っ黒になっており、切断するしか選択肢はなかった。

ペニスの切除手術に当たった泌尿器科医のデニス・チリノス医師は、「変わったケースです。しかし、こういったことは過去にもありました」と『HSH Television Digital』に話し、ペニスがボトルから抜けなくなった場合は、ペニスが壊死を起こしてしまうため4時間以内に治療をしなければならないと述べた。
ペニスは完全に切除されてしまった男性だが、尿道を残してあるため尿をすることは可能だという。しかし医師が「彼はもう二度とセックスをすることはないでしょう」というように、今回の悲劇はますますこの男性の孤独を深める結果となってしまった。
チリノス医師は「清潔を保ち感染症を防ぐためにも1日3回、またセックスの後もペニスを洗うようにしてください」とアドバイスしている。

あまりに悲劇的と言える結末に全米が泣いたかどうかは定かではありませんが、しかし何気ないことの積み重ねがこうした結果を招くのですね。
最後に取り上げるのはこちら温かいフロリダから、いささか肌寒さを感じさせるニュースです。

これは辛い。フロリダの性犯罪者は「ラップ」で自己紹介させられる(2016年10月19日MAG2ニュース)

もちろん、日本の話ではありません。
フロリダ州にある、マイアミ・デイド郡司法省作成の、性犯罪者本人出演シャッフルダンス映像です。現在の日本では考えられないことですが、性犯罪者本人が、名前と、前科つきの自己紹介をラップ調で歌っています。個性的な人ばかりで、妙に味のある動画になっています。

オープニングはおまわりさん。「みんな、近くに住んでる性犯罪者を紹介するよ!」
曲が始まると、ぎこちないダンスをがんばって踊る性犯罪者たちが登場。
(略)
親しみやすい自己紹介、でも締めくくりが「・・・そんな私は、性犯罪者です」で終わっていて、すっかり楽しんでしまっていた自分にドキリとさせられます。
おっと、この人は、「反省してるよぉ!」とか言いながら、放送禁止の動作を・・・
(略)
エンディングは、みんなでけだるくやるせなく踊ってから、
仲良く決めポーズ。

マイアミ警察は、地図上に犯罪者をピン表示するマップも公開しています。
日本では考えられませんが、再犯が減る、市民の意識が高まるなどの効果もありそうですね。
(この動画は1988年に制作されたものです)

動画の方は元記事を参照いただくとして、いやしかしこれはどうなんでしょう、間違いなく記憶の中から消去したい黒歴史そのものではないでしょうかね。
日本ではさすがに進歩的な方々の反対が強いでしょうが、例え顔出し名前出しなしでもこれはかなり避けたいペナルティではないかと言う気がします。

今日のぐり:「喰太呂(くうたろう)連島店」

倉敷市南部の水島工業地帯の入り口とも言える旧街道沿いにある、こちら岡山和牛取り扱いをうたうかなり年季の入った老舗の焼き肉屋ですね。
時代の流れもあって、近隣の飲食店はかなり経営的にも厳しそうに見える中で、なかなかうまい店として今も繁盛しているようですから立派なものです。

同行者と適当につまんで見たのですが、まだ凍ったままの塩タンは悪くない味ですし、特上カルビも特上ヒレも普通にうまいと言える水準です。
特にヒレはサシが多い割にあっさりした後口で悪くなかったのですが、ただ個人的にはガス火の焼肉は少し苦手なのでちょっと惜しい感じでした。
サイドメニューでは定番の石焼ピビンバは味よりも卵が奥の方に入っていて、席に届いた時点で白身が固まっているのはちょっと残念な感じでした。
カクテキ(大根)は甘い味でまずまず、オイキムチ(辛くない胡瓜のキムチ)もあっさりしていけるのですが、この地域は朝鮮系の人も多いのでこういうものはお手の物なのでしょう。
一番面白かったのはサラダですが、一見ただのグリーンサラダながらゴマ油がきいていて、野菜の味も及第で脂の多い肉の付け合わせにちょうどいい感じでした。

地域の人気店と言うだけに味だけのことであればまずまずいけるのですが、この日だけなのか7分程度の客入りなのにこの何とも言えない店内の気ぜわしさは快適さを損ないますよね。
常勤スタッフはともかく一部のパートタイマーは単なるお運びさんなのでしょうが、それでもスタッフ教育以前にさすがにそれはと気になる部分が多すぎるようで、顧客満足度を大いに損なっていそうでした。
地域の相場から考えるとそれなりに高価格帯のお店なのにさすがにこれではどうかですが、年期の入りすぎた設備面は我慢するとしても今どきカード不可と言うのも地味に困りものですね。

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2016年10月29日 (土)

自称精神科医の香山リカ氏、またも独創的な見識を開陳する

最近沖縄のいわゆる反基地運動について妙な方面で注目されるケースが増えているのですが、このところ大いに話題になっているのがこちらの映像です。

衝撃映像 沖縄ヘリパッド移設反対派の活動家たちが男性を"リンチ"(2016年10月26日リバティーウェブ)

あるYou Tubeの映像が、話題になっている。
沖縄防衛局の職員と見られる男性を、大勢の人々が取り囲み、頭を小突き、羽交い絞めにして、つけていたマスクやメガネをはぎとり、その顔にスマホやカメラを近づけて撮影、「お前の顔を、さらすぞ」と言わんばかりに威嚇。無理やり座らせ、四方を取り囲み、罵詈雑言を浴びせ続ける――。
映像は約20分。これが本当に日本で行われていることなのか、と目を疑いたくなる情景。リンチの現場を見ているようで、いたたまれない気持ちになる。

この映像を公開しているのは、マスコミが報じない「真実」を伝えるネット・オピニオン番組「THE FACT(ザ・ファクト)」。
沖縄県の米軍北部訓練場(東村、国頭村)内にある、ヘリコプター離着陸帯(ヘリパッド)建設の工事現場近くで撮影されたもので、移設反対派の市民活動家による道路の不法占拠をやめさせようとした防衛局の男性が襲われた映像だ。
「【ノーカット配信】沖縄ヘリパッド移設反対派リーダーが逮捕~これが暴力行為の決定的証拠だ!【ザ・ファクト】」と題した映像は、番組のYou Tubeチャンネル ( https://www.youtube.com/watch?v=8eS4o-CxyjI )で見ることができる。
この映像について、25日に配信された、ネット報道バラエティ番組「真相深入り! 虎ノ門ニュース」にゲスト出演した放送作家・小説家の百田尚樹氏が紹介( https://www.dhctheater.com/movie/100570/ 該当の映像は1:01:10ごろ)。
「ぜひ、みなさん、見てください。もし見たら、周りの人に勧めてください。地上波では絶対流れません。地上波では流れない、おぞましい反対派の映像がいっぱいあります」と憤りを覚えた様子で、興奮気味に話している。
(略)
【ザ・ファクト関連映像】
2016年10月16日公開 ここにもいた!沖縄「プロ市民」~実録・高江ヘリパッド反対派の暴力行為
https://www.youtube.com/watch?v=snc4jV_uGII

基地等の問題に対する考え方は人それぞれのものがあるでしょうから本稿の取り上げるべきところではありませんが、ここで注目いただきたいのはそこで何が行われているのか、そして大手メディアがそれをどう報じているのかと言う点だと思います。
記事にあるように現地の状況がどういうものかは動画を参照いただき各自判断してもらうべきところだと思うのですが、先日は大阪から派遣されていた機動隊員が沖縄で暴言を吐いたと大手マスコミでも大々的に報じられていましたが、この動画を見る限りでは現地の状況は暴言云々と言うのが馬鹿馬鹿しくなるような様子であると言えそうですね。
興味深いのはこうした個人の人格人権を集団で侵害するような乱暴な行為に敏感なはずの進歩的メディアの方々がこうした話題を全く取り上げる様子がないと言うことですが、進歩的メディアにもたびたび登場し過去にも数々の騒動で世間を賑わせたと言うあのお方が今回も大活躍されているそうです。

罵声浴びる機動隊員「心理的影響は皆無」 香山リカ氏のツイートが波紋(2016年10月26日J-CASTニュース)

   沖縄派遣の機動隊員による「土人」発言を巡り、精神科医で立教大教授の香山リカさん(56)が罵声を浴び続ける隊員らの精神状態について説明したツイートが物議を醸している。
   きっかけは、2016年10月22日にツイッター上で専門家としての見解を求められたことだ。その質問は「屈強な隊員らでも、毎日のような罵声なら精神的ダメージが大きいのではないか」というものだった。

「『罵声』で惨事ストレスは発生しません」

   香山リカさんは、職務であり一般の状況とは違うとして、「たとえば精神医療関係者も患者さんからの攻撃的発言をよく受けますが、仕事なら客観視できますよ」と返答した。警察なら、心のケアシステムも充実しているとも指摘した。
   しかし、質問者は、罵声を浴びせ続けられたケースでの精神状態を聞きたかったとさらに尋ねた。すると、香山さんは、隊員らについて「仕事につき心理的影響は皆無」と即答し、次のように説明した。
    「警察や消防はご遺体にかかわったり自分の命が危機にさらされたりする現場があり、その場合は『惨事ストレス』が発生する可能性が知られ、自衛隊病院、警察病院の精神科医などが対応しています。『罵声』で惨事ストレスは発生しません。無影響です」

   この受け答えがネット上で広まると、香山さんの見解について、疑問や批判が相次いだ。
    「我慢するだけで、同じく心を持ち家族もいる人間だぞ」
    「仕事してる人間がロボットか何かだと思ってんの?
    「機動隊に人権はないと言ってるのと同じ」
   基地反対派らを撮った投稿動画などを見ると、機動隊員らは「人殺し!」などと激しく罵られており、顔を叩かれるなどしているケースもあった。それだけに、職務や仕事だと割り切れないのではないかという声が多い。

「繊細すぎる人がいたとしたら...」

   香山リカさんも、異論のいくつかをツイッター上で紹介したが、次のように反論している。
    「心が折れてケアが必要になるほど公私の線引きもできない繊細すぎる人がいたとしたら、機動隊員としては不適応を起こしてるのだから配置がえをした方がよい
   また、「心理的影響は皆無」だと言ったのは、「仕事全般ではなく『警備にあたる警察官の職務』の意味」だったと釈明している。

香山氏の独創的な見解は別に今に始まったことではありませんが、事実人間の心理が香山氏の言うようなものであったとしたら精神医学なるものもずいぶんとシンプルであったかも知れないと言う気もする一方で、当然ながら医療関係者を始め各方面から控えめに言っても自粛を求める声が続々と上がっています。
興味深いのは香山氏は東北被災地自治体職員の支援活動なるものに以前から関与していて、「被災者の支援はいろいろな方がなさっていたので、それなら自治体職員の支援に取り組もう」との考え方から職員のストレスについて啓発活動にも取り組んでいたそうですが、特に「何時間にもわたって住民の方から罵倒され続けたり、なかには暴力沙汰になってしまったりする」職員の大変なストレスにも言及されています。
責任感の強さから「本当に言うのもはばかられるくらいの大変な状況」であっても満足に反論も出来ない職員のストレスについて啓発していた香山氏が、心の中では「仕事なら客観視できますよ」「公私の線引きもできない繊細すぎる人がいたとしたら配置がえをした方がよい」程度に感じていたのだとしたら、被災地の職員の方々も「同じく心を持ち家族もいる人間だぞ」「ロボットか何かだと思ってんの?」とでも言いたくなるでしょうか。

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2016年10月28日 (金)

横浜点滴死亡事件の余波続く

先日発生した病院内での点滴異物混入事件では、その後も点滴ボトルの蓋に穴が見つかるなど続報が続いていますが、事件が発生した背景事情や再発防止策などが議論される中で、こんな声も出ているそうです。

横浜点滴殺人「内部犯行説」で浮上した「終末病棟」の闇現場(2016年10月9日アサ芸プラス)

 神奈川県横浜市の大口病院で起こった点滴殺人。現場付近の飲食店店主は、「マスコミのカメラが店の前まで占拠するもんだから、客足が遠のいていますよ」と音を上げているが、何せ人の出入りが少ない病院内での密室犯行。戦慄の犯人像はしぼられつつあるようだ。
(略)
 捜査関係者が語る。
「当初、怨恨の線で被害者の人間関係を洗ったが、それらしき情報は上がってこなかった。点滴袋に界面活性剤が混入されたのは17日以降と見られている。つまり事件当日、犯人は現場に居合わせていなかったかもしれない。ターゲットも無作為。そうなると無差別殺人とも言える鬼畜の所業だ。ナースステーションに出入りできる人物となると、やはり内部犯行を疑う声は強い
 福岡徳洲会病院センター長の長嶺隆二医師は言う。
「たとえ毒性がなくても、点滴薬以外の異物が血管に入れば、2、3分で死亡します。そんなことは、医療従事者であれば誰でも知っています。状況から考えて、注射や点滴の扱いに慣れた医療従事者による犯行の可能性は高い
(略)
 注目すべきは、寝たきりの高齢者が患者の大半を占める「終末病棟」で不審死が発生した点だ。大口病院関係者が重い口を開く。
「患者に大した治療を行っていたわけでありません。病院は病床の回転率を上げていかなければ、診療報酬が稼げない。不謹慎かもしれないが、どんどん死んでもらったほうが、新しい患者を受け入れられるので、病院経営にとっては好都合という考え方もできる」
 事件の“下地”はできていたというのだろうか。
(略)
 事件は「無差別大量殺人」として拡大する様相を帯びてきた。その予兆は以前からあったと前出・病院関係者は言う。
「病院は利益優先で、そのしわ寄せは現場に向いていた。最近は看護師の離職率が高く、人手不足で仕事量が増えていた。こうした中、4月には看護師のエプロンが切り裂かれ、さらに患者のカルテが紛失。ペットボトルへの異物混入など、トラブルが続いていた。そして今回の事件ですよ‥‥」
 この病院関係者は、1カ月ほど前に、4階ナースステーションで、一人の看護師が疲れた表情を浮かべ、このような不満を漏らしているのを耳にしたという。
点滴や注射を打っても、よくなるわけでもない
 前出・長嶺医師は、疲弊する終末期医療の闇現場に警鐘を鳴らす。
「我々が激務に耐えられるのは、患者さんの笑顔があるから。しかし、終末期医療では患者さんがよくなる見込みがありません。希望が見いだせないのです。そのため、たくさんの医療従事者が心を病み、ストレスを抱えている。医療界全体で取り組んでいかなければ、同様の事件はまたどこかで起こりうるでしょう」
(略)

現場となったのが終末期医療専門の病棟と言うことですから、基本的には症状緩和などを行うだけでいわゆるよくなるための医療を行う場所ではなかったと思うのですが、今までの報道などから見る限りそこまでの割り切りはなく漫然と現状維持を行っていただけの可能性もあるようで、現場には徒労感も拡がっていたのかも知れません。
この辺りは高齢者や終末期の対応に関しては昨今各種ガイドラインも出てきており、場合によっては延命的治療の中断もありだと言う時代になっているわけですが、やはりご本人ご家族の希望によってはそうした医療も止めるわけには行かないと言う場合もあるはずですし、深く考えずに前医処方をそのまま踏襲している先生方も少なくないのだろうとは思いますね。
こうした病床のあり方などの議論はひとまず置くとしても、当然急性期の病床と比べればスタッフの数も少ないでしょうから出入りもかなりやりやすいはずで、必ずしも内部関係者の犯行と決めつけるわけにもいかないのかなとも思うのですが、そうなりますと再発防止策としてはどのような手段が考えられるのかです。

この点について医療の内外各方面から様々な指摘が出ていますが、海外の病院に比べると日本の病院は犯罪行為に対する備えが弱すぎる、現に院内での窃盗行為などが多発しているではないかと言う指摘もあってなるほどと思うのですが、医療現場もいつまでも性善説ではいられないと考えると犯罪行為やいわゆるモンスター対策なども含め、要所に監視カメラ等の犯罪対策も必要になるのかも知れません。
ちなみにこう聞くと海外の病院ではセキュリティ対策も万全で安心安全なのかと言えば全くの逆で、特に途上国などでは院内での小児誘拐なども日常的に発生していることから基本的に病院内は安全な場所ではないと言う認識が徹底されていると言い、それだからこそセキュリティゲートなど防犯対策も当たり前に行われていると言うことです。
日本でも反社会的組織関係者が院内で射殺されたと言った事件が報じられたこともあり、考えてみれば病気や怪我で非常に無防備な人々が大勢いる場所なのですから、少なくとも世間一般よりも高いレベルのセキュリティー対策が求められるはずですが、当然ながらこうした対策にお金が出ない現状では誰がそのコストを負担するのかと言う話ですよね。
点滴の管理を厳重にするなどの対策に関しても結局のところそのコストを誰が負担するのかと言うもっともな意見があって、現場が意識を変えていくことと現状を変えられるだけの経済的背景を調えることが対策の両輪として求められることになりそうですが、とりあえずはお金を出してくれる方々向けのサービスとして有料個室の安全環境整備からでも始めて見るべきなのでしょうか。

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2016年10月27日 (木)

親子鑑定の依頼が増えているそうです

今日はあまり突っ込まずにさらっと記事を紹介するだけにしておくつもりなのですが、個人的にそんなにいるのかとちょっと意外だったのがこちらの記事ですけれども、皆さんはどう感じられたでしょうか。

親に促されてDNA鑑定する“父親”が急増、鑑定現場の人間模様が泣ける(2016年10月19日dot.)

 DNA鑑定によって親子関係を確認したいと希望する人が着実に増えている。その鑑定現場にはさまざまな人間模様が渦巻いていた……。
(略)
 近年、このように親子鑑定をする人が増えている。それも、特に多いのが、「両親に促されて」行うパターンだという。DNA鑑定を専門に行っているNPO法人遺伝子情報解析センターの山田浩史代表理事が話す。
「4年前から親子鑑定を請け負うようになって、毎年10~15%ずつ依頼が増えています。特に依頼が多くなるのが、お盆と正月。帰省したときに、父親の両親が『似てない。一度、鑑定したほうがいい』と息子を説得するケースが多いのです」

●鑑定料金は半額に

 同センターでは毎月150件ほどの鑑定依頼を受けているという。そのうちの40%が父親、40%が母親で、残り20%が祖父母からの依頼だという。
 裁判所や捜査機関からのDNA鑑定依頼も多く受けている法科学鑑定研究所の山崎昭所長も次のように話す。
「父親の両親は将来、遺産が孫に相続される可能性があることから、意外に冷静。『息子が“できちゃった婚”したから』『息子の嫁は夜遊びが激しかったと聞いた』といった理由で、息子と孫のDNA鑑定をしたいと問い合わせてくる人も少なくない」
 鑑定依頼が増えた背景には、鑑定料金の低下と芸能人のスキャンダルがあったという。
「鑑定用の試薬の価格が引き下げられたうえに、鑑定所が増えたことで、鑑定料金はこの10年で半額程度になりました。加えて、2013年には女優の喜多嶋舞さんと俳優の大沢樹生さんの騒動がありました。DNA鑑定の結果、2人の結婚中に生まれた子どもが、大沢さんと親子関係がなかったことが明らかになり、これによりDNA鑑定が注目を浴びるようになったのです」(山崎氏)
(略)
「先日来られた20代の男性は、浮気相手にできた子どもを連れての私的鑑定でした。2週間後に結果を手渡すと、すぐさまガッツポーズ。その場で『ありがとうございます!』と腰を90度に曲げて感謝されました。親子関係はなかったんです。エレベーターの扉が閉まったあとも、『よっしゃー!』という雄叫びが聞こえてきました(笑)」(山崎氏)
 一方で、依頼者の涙に心を打たれることもある。
「先日は、生まれたばかりの子どもを連れた30代のご夫婦が『父子鑑定、母子鑑定、両方やってほしい』と訪れました。聞けば、長い間不妊治療を行い、体外受精で授かった子ども。異なる人の遺伝子が入っていないか? 本当に自分たちの遺伝子を受け継いだ子どもなのか?と不安を感じていたようです。完全にお二人の子どもだとわかって、涙されるのを見たときは私も涙をこらえられませんでした」(山崎氏)

●親子関係ナシは2割

 実は、親子鑑定において、「親子関係がない」と判断されるケースは少ない。
「年間2千件以上の鑑定を行っていますが、80%以上は『親子関係がある』という結果。ほとんどが『自分の子どもなのか?』と疑いを持っての鑑定の割には、親子関係が認められないケースは少ない」(山田氏)
 冒頭のAさんは最終的には鑑定を取りやめたのだが、Bさんは鑑定の結果、自分の子どもであることが確認できたという。「ホッとした」と話すが、逆の結果が出ていたら、大騒動に発展していたことは間違いない。離婚問題などを数多く手掛けるアディーレ法律事務所の吉岡一誠弁護士が話す。
「婚姻期間中に懐胎した子について、生物学上の父子関係が否定されれば、妻の不貞行為が認められ、離婚請求は基本的に認められるでしょう。100万~300万円の慰謝料を請求することも可能。ただし、法律上の父子関係が認められる場合は、DNA鑑定で生物学上の父子関係が否定されても、養育費については支払い義務を負います
 子どもが生まれてから1年以内なら、DNA鑑定で生物学上の父子関係が否定された証拠とともに嫡出否認の訴えを起こすことで、法律上の父子関係がないと認めてもらうことも可能。
 だが、1年を過ぎている場合にはその訴えが認められるケースは少ないという。血が繋がっていなくても、養う義務が発生するのだ。だからこそ、幼いわが子を連れて、鑑定に訪れる人が後を絶たない。不倫騒動がたびたびニュースになる昨今だけに、DNA鑑定の依頼者は当面、減ることはなさそうだ……。(ジャーナリスト・田茂井治)

しかし祖父母が孫の血筋について親の頭越しに親子鑑定云々の話を進めるのも奇妙な感じがするのですが、例えば遺産相続の条件として親子鑑定を必須とする等々、血縁関係を重視する方々であれば言い出してもおかしくなさそうではありますよね。
当然ながら検査を受けに来る人は親子関係が存在するかに疑問を抱いている方々で、そのうち2割は実際に親子ではなかったと言う結果は多いのか少ないのかですが、世間一般で同種の検査を無作為に行った場合にどれくらいの比率になるものなのか、案外高かったりするとなるといたたまれません。
記事を見ていて興味深く思ったのは後段にある離婚時の話で、親子でなければ慰謝料請求は可能だが養育費の支払い義務はある場合があると言うことで、こうした話を聞けば産まれてなるべく早くに官邸をした方がいいのかと言う気にもなるのですが、しかし敢えて平地に乱を起こすようなことでもありますよね。
世の中には養子を取る家庭も少なくないのですから、年月を重ねて親子として過ごしてきたのであれば血縁はどうであれ親子でいいんじゃないかとも思うのですが、そもそもこうした鑑定をしてみようと言う気になるのは家庭内環境が破綻しかかっていると言う現実の方が先にあるのかも知れません。

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2016年10月26日 (水)

我慢は特に必要ではないとは言うのですが

世の中の多くの方々がびっくり仰天したと思いますが、つい先日世界保健機関(WHO)が「子供を作るために性的パートナーを見つけることのできない人は、今後は障害者に区分される」ことにしたと言うニュースが突然流れたことで、世間的に非常に大きな話題となりました。
ところがその後これは誤報であり、報じたロシア系メディアSputnikの誤訳?による事実無根の記事であったとも報じられているのですが、もちろんソースがソースだけに最初から眉に唾をつけて聞いていた人も多かっただろうとは思います。
病人として分類するのはいささかどうよと思いますが、いわゆる性的不能と呼ばれる状態は病気として治療対象にもなることを考えると、パートナーを見つけられない人も静的少数者などと同様何らかの分類を行っていくべきでは、と言う意見もあるようなのですが、まあ世の中大抵の人は機会がないだけでそれがあれば禁欲主義など喜んで放棄すると言うことなのかも知れません。
昨今では草食系だ、肉食系だと言う分類もあるようですが、先日のオリンピックの舞台裏でも膨大な数の避妊具が配布されていたとちょっとした話題になっていたように、超一流のアスリートともなれば身体能力も高いだけに遺伝子保存の本能も強いのでは、などと言う説もあったりもするのですが、一方で特に日本の競技社会などでは昔からこういう話もあるようです。

「試合前は禁欲すべき」というアドバイスに疑問 パフォーマンスに有害である証拠はない(2016年10月21日HealthDay News)

 コーチの意見とは反するかもしれないが、試合前にセックスをしても、アスリートの成績に悪影響は生じないと思われるという研究結果が、「Frontiers in Physiology」6月21日号に掲載された。イタリア、フィレンツェ大学スポーツ医学助教授のLaura Stefani氏らの研究。

 Stefani氏らは、スポーツの成績に対する性活動の影響を調べ、医学誌にその結果が掲載されている9件の研究をレビューした。

 Stefani氏は、「試合前に性活動を控えるべきか否かは、スポーツの世界では意見の分かれる問題である。しかし、性活動が競技結果に悪影響を及ぼすことを示す確固たる科学的エビデンスは認められなかった」と話し、この問題に関する研究はほとんど行われていないことを指摘している。

 「この問題は十分に検証されておらず、個人的な経験談として言われているに過ぎないことは明らかである。実際、2時間以内でなければ、性活動はむしろスポーツ成績に有益な影響をもたらす可能性があることを、今回のエビデンスは示唆している」と述べ、アスリートは大きな試合の前日にセックスをすることに罪の意識をもつ必要はないと結論づけている。

実はこの問題、すでに1995年には運動能力試験の12時間前に行為に及んでも結果には影響がないと言うレポートが出ているのだそうですが、とあるMLB関係者氏によれば「問題はセックスでは無く、それを求めて一晩中起きている事。それが結果的に選手を疲れさせる」のだと言い、確かに心当たりがある人も多かろうと思われますよね。
ただ性行為は心身にそれなりに大きな影響を与えることはいわゆる賢者タイムなどでも実感出来る話で、身体的な疲労などはトップアスリートであれば簡単に回復するのかも知れませんが、脳神経系にもそれなりに大きな負荷をかけると言う説もあり、また各種ホルモンバランスにそれなりの変動を与えると言うことで、結果的に何らかの影響が出るのではないかと言う危惧は根強くあるようです。
実際にスポーツ選手の中でも一発勝負の重要な試合前には禁欲をしていると言う人は思いの外多いそうで、もちろん昔からそうするものだと決まっていると言う思い込み的なものもあるのでしょうが、やはり何かしら快楽娯楽に属する行為を断つと言うことは辛抱強さを養うだとか、精神的な集中力を高める効果があるように感じる人が多いのかも知れません。

スポーツの前の禁欲の習慣はなんとオリンピック発祥の古代ギリシア時代からあったのだそうで、今もプロアマを問わずチームとして選手に禁欲を強いると言う話も時折聞くのですが、そうではなくとも個人競技の世界でも自主的に禁欲していると言う人は案外多いのだそうで、ある種の信仰めいたものもありそうです。
この辺りはどのように試合に向けて集中力を高めていくかは人それぞれのやり方があることだし、減量のため食欲を抑え厳しい食事制限をしている時など別な欲望だけ好き勝手やれではかえって辛抱も続かないと言ったこともあるのかも知れませんし、どんなアスリートでも時には試合でやらかしてしまうことはあるでしょうから、その時「さては昨日のアレが悪かったか」と考えてしまいがちなものなのかも知れません。
日本では験担ぎと言う言葉もあり、上手くいったやり方はつい次も同じようにやってしまいがちなもので、特に不都合なく辛抱できると言うことであれば禁欲も別に悪いことではないのだろうと思いますが、即物的かつ肯定的な評価として禁欲をしている選手は何かしら独特のギラギラしたオーラがあるのだとかで、実は異性にはモテやすく「かえってお得」なのだと言う意見もあるようですね。

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2016年10月25日 (火)

何故かスルーされている空白の一年半と言う謎

芸能人が難病に罹患しているとマスコミにすっぱ抜かれて以来連日大きな注目を浴びていますが、個人情報やプライバシーの保護と言った観点からの議論に加えて、最近妙な方向に舵を切り始めたメディアもあるようです。

小林麻央を「ステージ4」に追い込んだ2人の医師を直撃!(2016年10月21日女性自身)

(略)
最初に診た医師がしっかりしていれば、ここまで深刻にならなかった
 そう語るのは、ガンの専門医だ。
 2014年2月、麻央は夫の市川海老蔵(38)と一緒に人間ドックを受診したとき、乳ガンの疑いを持たれる。すぐに港区にある大病院で再検査。担当したのは、乳腺外科のA部長だ。
「当時、同科には部長が2人いた。もう一人の部長だったX医師は臨床経験が豊富な名医で、現在は赤坂で開業している。X医師が診ていれば、このとき発見できたはずだ」(同前)
 結果、A部長はガンを見落とした

8カ月後、乳房に違和感を持ち、検査を受ける。ここでやっと乳ガンが発見された。告知したのはA部長だ」(同前)
 すでにリンパ腺にガンが転移した状態だった。通常、このようなガンの場合、抗ガン剤によってガンを小さくし、手術で切除するのが「標準治療」だ。
当然、A部長は標準治療を提案した。だが、麻央さんは乳房の温存を望んでおり、提案に難色を示した」(同前)
 東大医学部出身のA部長は「使う用語が難しく、患者への説明がうまいタイプではない」(元患者)という。
「麻央さんの説得には、A部長の部下のB医師も加わった。だが、B医師は『それもひとつの選択肢』と非標準治療に理解を示し、説得を諦める。結局、麻央さんは病院を去った」(前出・ガンの専門医)

 1年半後の今春、中央区の病院を麻央が訪れたとき、ガンは骨と肺に転移したステージ4。ガンが皮膚から飛び出すほど、悪化した状態だったという。
「もし、最初の診察でガンが発見できていたら。標準治療の有用性をもっと真摯に説明していたら、状況は変わっていたはず。悔やまれてならない」(同前)
 A部長とB医師はどう答えるのか。
 本誌の直撃に、A部長は「小林麻央さんの担当だったことについてはお答えしていません」。B医師は「私は関係ない。診ていません」とのことだった。港区の病院は「患者さんのプライバシーに関することはお答えできません」(総務課長)。
(略)

想像力豊かな記事とは異なって一連の経緯は当事者自身が公開しているのですが、人間ドックで乳房のしこりを指摘され精密検査を指示される、そしてその時点で癌ではなさそうだが念のため半年後の再検査をと伝えられた、そしてやや遅れた八ヶ月後に検査を受け乳癌であると診断されたと言うことで、ここまではごく当たり前の経過と言うしかありませんし、普通に考えれば早速治療を始めたのだろうと思いますよね。
ところがここで提案された「標準治療」を断って病院を去る、そして次に病院にかかったと言っているのが一年半も経ってからで、皮膚にも露出するなど素人目にも明らかに悪化しているような状態であったと言うことなんですが、その一年半の間にどこで何をしていたのか少なからずの人が疑問に感じているようで、推測ですが記事で言うところの非標準的治療を受けていたのではないかと言う説が根強いようです。
当事者がこうした経緯をいわば選択的に公表(あるいは非公表)していると言う指摘もあるのですが、その結果なのかどうか言ってみればごく当たり前の経過を辿ったドックから診断までの半年の方が、どう見ても標準的ではない経過を辿っていたように感じられるその後の一年半よりも注目されていると言うのも不思議な話ですよね。

標準的治療と言うのは治療効果の点で現時点で最良と考えられている治療のことであり、それを敢えて外すと言うのは治療効果の点では劣ると言うことを了解した上でと言うのは大前提だと思うのですが、何故そのような判断をしたのか、その結果どうなったのかと言う人々がもっとも興味あるだろう部分については今のところはっきりした言及がなく、世間的にもむしろ診断までの経緯の方が注目され時に問題視されているようです。
こうした経過にどこかで見たような記憶があると言う気がしていたところ、先頃民間療法を転々とされ亡くなった女優さんの一件と何やら話が似ているようにも感じられたのですが、最終的には患者がどのような選択をするかによって患者自身がその結果を受け止めるしかないわけで、それに対して外野が後知恵であれこれ言うのも当事者に対して失礼でもあるでしょうね。
一見非合理に見える選択であっても最終的には本人の意志が優先されるべきだと言うのが今日的な医療の大原則で、その意味で「最初に診た医師がしっかりしていれば」云々と言うのはちょっと今の時代の考え方とはずれているのではないかなと思うのですが、しかしマスコミはよくこうした非標準的なコメントをしてくれる先生を見つけ出してくるものだとは感じます。

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2016年10月24日 (月)

障害学童進学問題、受け入れ体制だけが問題か?

時折定期的に出る類の話なのですが、先日出たこちらの記事が話題になっていました。

たん吸引必要の幼稚園児 一人で行けるよ(2016年10月3日毎日新聞)

 気管を切開し、たんの吸引が必要な横浜市の幼稚園児、前田結大(ゆうだい)くん(5)とその両親が、来春の小学校入学に向け、親の付き添いなしでの普通学級への入学を市に要望している。横浜市は「医療的ケア」が必要となる結大くんが通学を望む普通学級を支援するため、看護師の配置の検討を始めたが、実現には予算面など課題が多い

 結大くんは鼻と口から呼吸ができずに生まれ、声帯まひで気道が狭まる「気道狭さく」と診断された。生後すぐに気管切開し、以後は喉に着けたカニューレと呼ばれる管からたんを吸引する医療的ケアを必要とする。
 現在は、看護師が常駐する川崎市の幼稚園に通園し、母直美さん(43)は付き添わずに園生活を送る。たんの吸引以外に障壁はなく、来春からは自宅近くの小学校に通い、兄昂大(こうだい)さん(10)とミニバスケットボールチームに入ることを楽しみにしているという。
 横浜市は現在、特別支援学校以外に看護師を配置していない。直美さんらが昨年、市に普通学級への付き添いなしの通学の可否を尋ねると、「前例がない」との理由で「親が付き添うか、特別支援学校に入学するか」との選択肢が示された
 付き添いには親の大きな負担が伴ううえ、直美さんは「親が隣にいて、友達と遊ぶことができるだろうか。のびのびと学校生活を送ってほしい」と考える。結大くんと両親らは6月、市教育委員会に要望書を提出した。学校生活に必要な医療的ケアを含む配慮を保障し、親の付き添いなしでの普通学級への入学を実現できるよう求めた。
 障害者差別解消法が施行されたこともあり、市教委は看護師配置の検討を始めた。ただ、市の担当者は「学校数も多く、予算措置は慎重にならざるを得ない。市内の全校に看護師を配置することは不可能に近く、どの程度の症状にケアが必要か、線引きも必要」と話す。【宇多川はるか】

■配置費用ネック

 文部科学省によると、新生児医療の発達を背景に、たん吸引や、管で栄養を送る経管栄養などが必要となる「医療的ケア児」は増える傾向にある。公立特別支援学校では2006年度の5901人から15年度は8143人に増えた。また公立小中学校は15年度、839人が通学する一方、ケアに携わる看護師の配置は350人にとどまっており、東京都でも6人に過ぎない。
 大阪府は、小中学校に看護師を配置する市町村に経費の一部を補助する事業を06年度に始め、15年度には108人の看護師が配置された。また、研修を受けた教員にたん吸引などの医療的ケアを認める国の制度を活用する大阪市は15年度、96人の教員を認定した。
 こうした取り組みの需要はあるとみられ、文科省は今年度、公立特別支援学校に限っていた看護師の配置補助事業の対象に公立小中学校を加え、7億円を計上した。ただ、「国の補助を受けてもかなりの費用がかかる。一度制度を作ると、補助がなくなってもやめられない」(横浜市)と慎重な声もある。
 東京都足立区で医療的ケア児の通園施設を運営する「全国医療的ケア児者支援協議会」役員の矢部弘司さんは、看護師がいないために地元の小中学校への入学をあきらめ、特別支援学校を選んだ児童も見てきた。「立って歩ける医療的ケア児は、濃密な支援が必要だが、体制が整っていない。新生児医療の発達で、日本は赤ちゃんが死なない国になったが、地域で暮らすのは難しい。就学は本人の気持ちが尊重されるべきだ」と話す。

周産期医療の発達でかつてであれば助けられなかった子供が助かるようになったと言い、その結果生まれつきの障害児も増えているのかとも思うかも知れませんが、内閣府の調査によれば障害者総数は年々増えているものの乳幼児世代の障害者の数は横ばいであり、3歳以下の乳幼児期から障害を持っている人の比率も全体の10%ほどに過ぎないのだそうです。
とは言え記事を見る限りでも障害児ケアの需要と供給のバランスが明らかに破綻している一方で、医療現場においても常に不足している看護師を一人二人の学童のためにいわば専属で貼り付けることも難しいでしょうから、大阪市のような有資格者を増やす取り組み方がもっとも現実的だと言えるのかも知れませんね。
医療介護の世界でもこの吸痰問題は昔からあって、特に介護施設入所者に対して看護師のいない夜間の吸痰をどうするかは長年の課題でしたが、近年では制度が改められ一定の研修を受けた介護スタッフが吸痰を行えるようになったのは、現場の深刻なマンパワー不足に国もようやく現実を受け入れたと言う形でしょうか。
ただこうした話が出るたびに様々な意見も当然ながらあって、コストやマンパワーを考えれば現実離れしている、親の見栄に過ぎないのではないか、親が付き添えば済む話だ、そもそも無理に普通学級に進ませたがる必要があるのかと言った意見もあるわけですが、やはり誰しも気になるのは万一のことがあった時にどうするのかと言う問題です。

給食喉につまらせ死亡=特別支援学校の女子生徒―大分(2016年10月12日時事通信)

 大分県教育委員会は12日、同県別府市の県立南石垣支援学校で、高等部生活教養科3年の林郁香さん(17)が給食を喉に詰まらせ、2日に搬送先の病院で死亡したと発表した。

 県教委によると、林さんは9月15日、食堂で担任教諭に見守られながら昼食を取っていたが、担任が食事を終えた別の生徒を教室に連れて行くため食堂を離れた数分後、床にうつぶせに倒れた
 別の教諭が気付いて応急処置したが、林さんは呼び掛けに反応しなかった。病院で、気管支から給食のメニューにあった卵焼きらしき物が取り出されたという。

 林さんはてんかんと重度の知的障害を持ち、林さんを含む同じクラスの生徒4人の食事には、養護教諭ら4人が付き添うことになっていたが、この日は1人が出張で不在だった。
 中園大統校長の話 おわびしてもしきれない。今後は教員の連携を含めた安全体制の強化に努め、事故の未然防止を図る。 

大変に悲劇的な事故であることが間違いないのですが、注目していただきたいのはこの事故が必ずしも障害者であるから起きたと言うわけではないと言うことで、先日も紹介しましたように全国の学校現場で白玉団子を喉に詰めて窒息する事故が頻発し社会問題化していると言った話もあるわけです。
ただそれでも健常児が団子を喉に詰めて亡くなった際に団子を給食で出すことの是非は問われても、現場にいた教師個人のケアが不十分だったと責められることはまずないだろうと思うのですが、障害者児童が同様の事故を起こした場合周囲の教員や介護スタッフの責任が問われないかと言えば微妙なところでしょう。
この辺りは近年たびたび重大事故が発生していることで問題になっている組体操の問題とも通じるところがあって、一定のリスクを許容出来ないのであればそもそもやらないと言う選択肢がある一方で、リスクを許容出来る人間だけでやると言う選択肢もまたあるわけで、学校側に万全の体制整備を求めるばかりではいたずらにハードルを高くするばかりと言うことになるのかも知れませんね。

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2016年10月23日 (日)

今日のぐり:「金龍 倉敷店」

先日発生して世界的に話題になっているのがこちらの事件です。

生放送中に子猫が乱入、トルコのニュース番組(2016年10月20日TBSニュース)

 トルコでは、生放送中の番組に、迷子の子猫が乱入しました。

 生放送のニュース番組。テーブルの下から顔を出したのは、なんと子猫。テーブルに飛び乗ると、スタジオの眺めが気に入ったのか、辺りをキョロキョロ。これ、番組の演出ではないんです。本当の“野良子猫”です。

 今度は司会者のパソコンのもとに近づくと、上に乗ってくつろぎ始めました。これには司会者も苦笑い。

 なんともお騒がせな迷子の子猫。番組終了後にディレクターの元に引き取られたということです。

その状況はこちらの映像を参照頂ければ一目瞭然なのですが、野良にしては人慣れし過ぎた態度だと子猫の身元を詮索する声もあるようです。
今日は必至に何も見ていないかのように放送を続けたスタッフの皆さんに敬意を表して、世界中から動物絡みのびっくりニュースをお伝えしてみましょう。

イノシシ用のおりにかかったクマに襲われ、71歳男性重傷 長野(2016年10月6日FNN)

クマに襲われ大けがを負った。
5日午前10時ごろ、長野・栄村の猟友会員、上倉誠一さん(71)が、イノシシ用のおりにかかったクマを逃がそうと、扉にロープをつけ、軽トラックで引っ張ったが開かず、降りてロープの締め具合などを確かめていたところ、扉が開き、クマに襲われた。
上倉さんは、頭や顔にけがを負い、腕をかまれて骨を折る重傷を負った。

ほかの動物用のおりにかかった「錯誤捕獲」は、法律で原則逃がすことが決まっている。警察によると、クマは体長1.2メートルで、その後、見つかっていない。

それはクマの事情も判るのですが、しかし上倉さんとしてもこの恩返しは何ともやり切れない話だったかも知れませんね。
一方でこちら体を張って恩を返したという話ですが、まずは記事から紹介してみましょう。

チェンマイの川で溺れる男性を救出する子象の感動映像 2016年10月20日タイランドハイパーリンクス)

象の話題を伝える「Elephant News」が公開した、ある子象の映像が話題です。
その映像とは、タイ北部チェンマイにある「エレファントネイチャーパーク」で撮影されたもの。一匹の子象が、パーク内の川で流されていく男性の元に懸命に駆け付けて、これ以上流されないように守る姿が捉えられています。

実はこの男性は「エレファントネイチャーパーク」の象使いで、この5歳になる子象”Kham Lha”の世話係。以前に観光客相手の厳しい労働で傷ついていた”Kham Lha”を救ったのが、この象使いの男性だったのだそうです。
恩人である象使いの男性が溺れたふりをしているのを、本当に溺れていてピンチだと考えた”Kham Lha”が、急いで救出に駆け付けたのだとか。象使いと象は、強い絆で結ばれているのですね。

しかし溺れたふりをすると言うのもどうなのかですが、子象とは言え立派なもので頼りがいがありそうですね。
こちらも同じく頼りになる動物の話題ですが、ニュースを知って全アメリカが泣いたとか泣かないとか。

赤ちゃんに覆いかぶさり、炎から守った犬 自らは犠牲に(2016年8月24日テックインサイト)

深夜に発生した火災。燃え盛る炎の中にとり残されたのは、可愛がっていた飼い犬とまだ歩くことができない生後8か月の娘だった。炎に阻まれ中に入ることができない母親は、家族が無事救出されるのを祈るような気持ちで見守るしかなかった。閉じ込められた部屋の中で、小さな赤ちゃんを懸命に守ったのは…。

今月14日深夜、米メリーランド州ボルチモアの2階建てのアパートで火災が発生した。アパートの駐車場に停めた車に用があったエリカ・ポレムスキィーさんがほんの少し家を離れた隙に、自宅は炎に包まれた。家の中にはエリカさんの生後8か月になる娘ヴィヴィアナちゃん(Viviana)と飼い犬のポロが閉じ込められた。
エリカさんは地元テレビ局のインタビューに「2階から娘ヴィヴィアナの泣く声が聞こえてきました。火事に気づいた近所の住民は窓や戸を叩き壊し、中に入ろうと必死でした。でも炎の勢いが強く娘がいる寝室に行き着くことはできなかったのです」と振り返る。
ボルチモア市の消防隊が駆けつけた時、アパートはすでに猛烈な炎に包まれ濃い煙が立ち込めていたという。火は30分で消し止められたが、消防隊が寝室で発見したのはぐったりしたヴィヴィアナちゃんと、彼女に覆いかぶさるようにして倒れている飼い犬のポロだった。救出されたヴィヴィアナちゃんは地元の病院に緊急搬送されたが、ポロはその場で死亡が確認された。

エリカさんは「ヴィヴィアナは体半分に火傷を負っただけで済みました。ポロは階下に降りて外に出ることもできたはずなのに、寝室に寝ていた娘のそばを離れようとしなかったのです」と述べ、ポロが自らを犠牲にして最愛の娘を救ってくれたことにあふれる涙が止まらない様子であった。
消防隊が到着するまでの間、ヴィヴィアナちゃんを助けようと家の中に入ろうとしたエリカさんも軽い火傷を負い病院で手当を受けた。ヴィヴィアナちゃんはポロがかばいきれなかった顔や手など身体の19%に火傷を負い、現在は子ども病院のICUで治療を受けている。まだ意識が戻らず、一進一退の状況だという。
エリカさんは「ポロはヴィヴィアナが産まれるずっと前から飼っていた犬で、わたしにとっては最初の子どもです。あの子をこんな形で喪うなんて…。今はヴィヴィアナが回復するのを祈るだけです」と言葉を詰まらせている。出火の原因については現在も調査中だという。

出火の原因など色々と不明なところもあるようですが、しかし何とも大したことをしでかしたポロの冥福を祈るばかりです。
動物の世界でも最近はこういうことがあるのでしょうか、ちょっと驚くようなニュースがこちらです。

オス化するメスライオン たてがみ生える 両性愛行動も…アフリカ(2016年09月26日ハザードラボ)

 ライオンといえば、「百獣の王」の称号にふさわしく、オスの猛々しいたてがみがシンボル。しかし、アフリカ南部のボツワナでは、たてがみを持つメス5頭の生存が確認され、しかも群れのメスに対してオスのように振る舞う行動まで観察されている。

 英サセックス大学のジェフリー・D・ギルフィラン氏らの調査チームは、ボツワナ北部のオカバンゴ・デルタにあるモレミ動物保護区で、2014年3月からこの春まで2年にわたって野生のライオンの群れを観察。
 そのうち、「SaF05」と名付けたメスライオンが短いたてがみを持っていることに気づき、行動記録を始めた。SaF05は、通常のメス同様、オスライオンと交尾する場面もあったが、一方で仲間のメスの上にまたがって交尾体勢をとったり、マーキングやオス特有のうなり声をあげたりするなどの変わった行動が見られたという。
 また、せっかく仕留めた餌のシマウマを、よその群れに横取りされたときには、仕返しとして、その群れの子ライオン2匹を殺害。ギルフィラン氏は「オスが、我が子以外の子ライオンを殺すのは一般的ですが、メスでは非常に珍しいです」と話す。

 オカバンゴ・デルタには、たてがみを持ったメスが他にも4頭いることが確認されており、専門家は遺伝的な要素か、ホルモンの異常が関与しているのではないかと推察している。
 かつて、南アフリカの国立動物園で飼育されていた「エマ」というメスライオンにもたてがみがあったが、検査の結果、卵巣異常が見つかり、男性ホルモンの一種のテストステロンが非常に多いことが判明。治療したところ、たてがみが生えなくなったという。
 米バージニア工科大学の研究者キャスリーン・アレクサンダー氏によると、たてがみがあるメスライオンは、生殖能力が低く、不妊である可能性が高いと指摘している。
 しかし一方で、不妊である点を除けば健康上は問題ないというからまずはひと安心。研究グループは、アフリカの野生ライオンで発見したオス化する遺伝子が他のネコ科の動物でも見られるものかどうか研究を掘り下げたいとしている。

写真を見る限りでは確かにオスのような外見なのですが、人間社会と同様彼らの社会でも性の多様化が進んでいると言うことなのでしょうか。
最後に取り上げるのも同じく動物の性にまつわるものですが、まさに種族的救世主とも言える尊い存在と言えそうです。

一代で子孫800匹の絶倫ガメ、種を絶滅から救う ガラパゴス諸島(2016年09月26日AFP)

【9月26日 AFP】南米エクアドル沖ガラパゴス諸島(Galapagos Islands)のサンタクルス島(Santa Cruz Island)にある繁殖センターで飼育されている、100歳を超えるエスパニョーラゾウガメ「ディエゴ(Diego)」の「英雄的行為」が話題となっている。

 ガラパゴス諸島最南端に位置するエスパニョーラ島(Espanola Island)原産のエスパニョーラゾウガメは、およそ50年前には雄2匹と雌12匹まで個体数が減少し、絶滅の危機に陥った。しかしディエゴは6匹の雌との間に800匹もの子孫をつくり、たった一代で自分の種を絶滅から救ったのだという。

まさしく英雄的行為とも種族の救世主とも言うべき存在ですが、一部ではその老いた姿からか最長老と言う言葉も取り沙汰されているようです。
いずれにしても大変な絶倫ぶりと言うものですが、付き合った6匹のメスもまた国母と言うべきものでしょうかね。

今日のぐり:「金龍 倉敷店」

こちら西日本各地に手広く展開しているとんこつラーメンのお店ですが、この倉敷店はつい最近改装して綺麗になったようですね。
以前お邪魔した時にはごくありふれた博多ラーメンの店と言う印象だったのですが、今回メニューを見て見ると何故か餃子チャーハン推しになっていたのが予想外でした。

とりあえずおすすめのままにとんこつラーメン半チャーハンでか餃子セットを注文してみましたが、こちらかなり大きな店ですが特にカウンターの席が広々しているのが改装の成果でしょうか。
麺の硬さは普通で頼んだのですが茹で加減はいいものの味自体は値段相応と言うところでしょうか、スープの方は以前に食べた時よりも濃くなったような気もしました。
特にどうこう言うほどのラーメンではないんですが無難にまとまっていて、かなり安価な値段を考えればこれで十分ではないかとも感じます。
チャーハンは飯自体が柔らかすぎることもあるんですがちょいとベタベタ過ぎで、塩味も妙に強かったりするんですが、これだったら素直に替え玉した方が満足感は高そうです。
でか餃子は確かにでかいのですが、皮の食感がもう少しコシがあってしゃっきりしていればいいかなと思うものの、まあ水準でしょうかね。
全体的には特に印象的な味でもないものの大外れというわけでもなく、値段の安さで勝負するチェーン店のラーメンと言う感じでしょうか。

ところで改装後にそうなったのか、定番の高菜やニンニクが各テーブルではなく店内の一角にまとめて置かれているのですが、福岡以外ではあまり皆さん思い入れがないのでしょうかね。
接遇面もこの種の店舗の水準と言うところですが、この日はラーメンが出てくるまでに結構待ち時間があって、メニューが豊富になるのも博多ラーメン的には善し悪しなんでしょうか。

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2016年10月22日 (土)

世界的に見ても低すぎる日本人の労働生産性が改めて話題に

先日の大手企業新入社員過労死事件で改めて日本人の働き過ぎが注目されていますが、一方でこんな記事が話題になっていることをご存知でしょうか。

日本人、それってオカシイよ 「過労死」を生む日本企業の“常識” (2016年10月18日ITmediaビジネス)

過労死の問題が話題になっている。この問題に対して、海外メディアはどのように報じているのか。「労働時間」「残業」「休暇の取得」などは常識の範囲内で行っているつもりかもしれないが、外国人からは“非常識”に映っているようだ。
(略)
 日本人の仕事に対する意識も、少し心配になるような調査結果が出ている。2016年5月、世界15カ国で行われた「仕事」に対する意識調査の結果が報じられ、当時、広く世界で報じられていた。この調査からは日本人が仕事をどう見ているのが明らかになっている。
 仏企業「Edenred」と調査会社「IPSOS」が世界15カ国で行なったこの調査によると、日本人は世界と比べて、ダントツで仕事にいい印象をもっていないことが分かった。日本人は仕事に対する意識が異様に低い。ちなみにこの調査によると、世界で最も仕事に前向きなイメージを持っているのはインド人だった。
 この調査結果のリポートをもう少し詳しく見ると、日本人は仕事に次のようなイメージをもっていることが指摘されている。「朝、出社するのが苦痛」で、「職場環境は刺激的ではなく」、多くの社員が「上司から尊重されていない」と感じているが、「会社から何を求められているのかは明確に分かっている」。つまり、日本人は会社が自分に求めることははっきりと認識しているが、会社が嫌いなのである。この結果を見ると、日本人は会社から仕事を押し付けられて、いやいや働いている人が多いという印象を受ける。

 そんな意識が原因となっているのかどうかは分からないが、海外メディアから「日本の会社は労働生産性が悪い」といった指摘も出ている。例えば、英エコノミスト紙(10月15日付)は、一連の過労死問題についてこのように書いている。「仕事の成果よりも会社で過ごす時間や仕事への献身さに価値を見出している(日本のような)文化では、仕事のビジネス慣行を根本的に変えるのは容易ではない。あるIT企業の会社員(42、匿名を条件に取材に応じた)は、『会社は大きなチームのようなもの。私が早く帰ったら私の仕事を誰かが引き継いでやる必要が出てきて、かなり罪悪感を感じる』と話す」
 外国や外資系企業で働いたことがある人なら分かるはずだが、多くの外国人にはこういう「責任感」はないと言っていい。筆者は英企業に勤めた経験があるし、米国でもいくつもの企業や大学、研究所を訪問したり、友人などから話を聞いたりするが、勤務終了時間になれば、見事なまでにオフィスから皆いなくなるし、他人の仕事を気遣って残業するなんてことはまずない。特に米国では、上司が帰るのを待ってから、とか、ダラダラとオフィスに残って仕事をするなんてことがない。
 ただそんな米国は、今も世界最大の経済大国である。これについては、なぜなのかと疑問に感じていたが、英エコノミスト紙はその理由を皮肉たっぷりに書いている。「(日本の)超過労働は経済にあまり恩恵をもたらしていない。なぜなら、要領の悪い労働文化と、進まないテクノロジー利用のおかげもあって、日本は富裕国からなるOECD(経済協力開発機構)諸国の中でも、最も生産性の悪い経済のひとつであり、日本が1時間で生み出すGDPはたったの39ドルで、米国は62ドルである。つまり、労働者が燃え尽きたり、時に過労死するのは、悲劇であるのと同時に無意味なのだ」

 日本人の労働生産性は世界的に見て、非常に低く、ほかのOECD諸国より劣る。ちなみに、世界各国は1時間でどれほどのGDPを生み出しているのか。ランキングにするとこうなる(2014年)。
1. ルクセンブルグ 79.3ドル
2. ノルウェー 79ドル
3. アイルランド 64ドル
4. 米国 62.5ドル
5. ベルギー 62.2ドル
6. オランダ 60.9ドル
7. フランス 60.3ドル
8. ドイツ 59.1ドル
(G7の平均は54.5ドル)
 いかに日本の生産性が悪いかが分かるだろう。エコノミストの指摘を見れば、過労死をなくすには、日本の非効率な労働を見直す必要があるということなのだ。どうすれば米国などのように、時間内に帰れるのかを真剣に議論しなければならないのである。
(略)

それはまあ、嫌々やりたくもない長時間労働をやらされていると言うのであれば積極的に仕事を片付けようとする気にもならないだろうし、特に労働の成果よりも労働時間が尊重されるような社会ではわずかばかりの仕事を意図的にダラダラと長引かせる方がお得であると言うことも出来ますよね。
この日本人の独特の時間感覚については仕事の面だけではなく日常生活全般に及んでいると言う指摘もあり、来日外国人の中には「日本人はなんて時間にルーズなのだ」と驚く人もいるそうですが、確かに始まりの時間に関しては厳しくても終わりの時間に関しては全くいい加減と言うしかありません。
そうした時間感覚もまた日本人の労働生産性を低下させる大きな要因になっているのかも知れませんが、人口減少社会で人手不足が顕在化しているのに効率的に働かせようと言う意識が乏しいのですから、世界中が経済成長を続け所得の向上を果たす中で日本人だけが過去20年間で賃金が2割も低下していると言うのも当然かも知れません。

さてこの対策をどうするのかですが、何故長時間労働が発生するのかと言えば労働量に対して人員が不足しているとも言える一方、企業側から見れば新たに人を雇い入れるよりも今いる人員を酷使した方が効率あるいはコスパが良いからだと言えそうです。
日本の企業で残業の6割が給与の支払われないサービス残業だと言う現実もそれを助長していると言えそうですが、残業代をきちんと支払うようにするとダラダラと仕事を長引かせて稼ごうとする人間が出る等々、様々な理由をつけて一向に改善が進んでいないのも現状ですよね。
特に残業代が生活に必要な人々への対策をどうするかには少し工夫が必要だと言えますが、社内ルールを改革して残業時間を大幅に減らした企業の実例と言うものもあって、興味深いことに社員の心身の健康が改善しただけではなく企業としての業績も上向いたと言いますから、労働生産性の追求は企業にとっても悪い話ではないと言えるのかも知れませんね。

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2016年10月21日 (金)

医療費自己負担と受診抑制の関係

現役若年世代のワープア化が問題になる中で、国の進める少子化対策にも大いに関係しそうなこんな記事が出ていました。

子供が医者行けない世帯は1.8% 大阪府調査(2016年10月11日産経新聞)

 経済的な理由で、この1年間に子供を医療機関に受診させることができなかった経験のある大阪府内の世帯が1・8%あることが11日、府が公表した子供の生活に関する実態調査の集計(概要)で分かった。習い事や学習塾に通わすことができなかった世帯は1割を超えた。一方で、放課後を「ひとりでいる」と回答した小学生は16・6%、中学生は17・1%にのぼった。

 7月に実施した調査は、単独で行った大阪市などを除く府内30市町村の小学5年と中学2年がいる計8千世帯が対象。郵送で計5173人分を回収した。

 保護者への質問(複数回答)では、経済的な理由で食費を切り詰めるなどの経験がある世帯が約4割にのぼった。

1.8%が多いのか少ないのかは微妙なところだと思いますが、子供の医療費も倹約せざるを得ない世帯が一定数いるだろうとは想像出来る一方で、今どき子供は医療費無料ではないのか?と素朴な疑問も抱いたのですが、大阪府内の小児医療費自己負担は一医療機関あたり1日最大500円を月二回までが上限なのだそうで、総額月2500円以上の自己負担は返却されるのだそうです。
この金額が医療受診を躊躇する金額として高いのか安いのかは議論のあるところだと思いますが、いずれにしても最大で月に2500円の自己負担が出来ないと言うことであれば他にも様々に日常生活への影響が大きそうですから、ひとまずは貧困対策を優先すべきだと言うことなのでしょうか。
この問題の場合医療費負担を懸念してのいわば自主的な受診抑制が働いていると言えますが、国全体の方針としては医療費増大への対策としてむしろ受診を抑制させる方向に誘導をかけようとしているのは周知の通りで、先日もこんな記事が出ていました。

入院患者の光熱水費負担拡大、賛否分かれる/医療保険部会、「金融資産等の保有状況考慮した負担」は反対(2016年10月12日医療維新)

 社会保障審議会医療保険部会(部会長:遠藤久夫・学習院大学経済学部教授)は10月12日、療養病床の65歳以上の入院患者の光熱水費負担額を1日320円から370円に引き上げるほか、現在徴収していない65歳未満の入院患者から徴収するなど、入院時の光熱水費に関する患者負担の見直しについて議論したが、賛否は分かれ、結論を出すには至らなかった(資料は、厚生労働省のホームページ)。
 一方、介護保険の「補足給付」と同様の考え方で、医療保険でも「金融資産等の保有状況を考慮に入れた負担」を導入する是非について議論したが、医療者や患者の立場だけでなく、保険者の立場の委員からも「時期早尚」との声が相次ぎ、慎重な検討を求める意見が大勢だった。

 入院時の光熱水費に関する患者負担と、金融資産等の保有状況を考慮に入れた負担についての検討は、2015年6月の「骨太の方針2015」で、「負担能力に応じた公平な負担、給付の適正化」の観点から提言された。2016年末までに結論を得て、法改正が必要な見直しを行う場合は、2017年の通常国会に法案提出する予定になっており、引き続き社保審医療保険部会で検討する。
(略)
 今回は、光熱水費の負担を求める対象を拡大するかが論点。具体的には、(1)療養病床の65歳以上の入院患者の負担額を、320円から370円に引き上げ(介護保険では2015年4月から370円)のほか、(2)療養病床の医療区分2と3の入院患者、(3)療養病床の65歳未満の入院患者、(4)一般病床や精神病床等の入院患者――について、新たに光熱水費の負担を求めるか否かが論点。
 健康保険組合連合会副会長の白川修二氏は、(1)については、介護保険と揃える観点から支持。(2)と(3)についても、在宅療養との整合性なども踏まえ、「年齢区分なく、療養病床の入院患者については全て光熱水費を求めるべき」と述べた。(4)の一般病床の入院患者については、短期で退院する患者と長期入院する患者に分かれることから、「一定期間、例えば、90日を超える人には負担を求めるという考え方がある」とし、精神病床については、「療養病床と同様に負担を求めるべきではないか」と提案した。日本商工会議所社会保障専門委員会委員の藤井隆太氏、全国健康保険協会理事長の小林剛氏などが、白川氏の意見を支持。

 医療者など光熱水費負担の対象拡大に反対

 一方、「いずれも慎重な検討が必要ではないか」と述べたのは、連合副事務局長の新谷信幸氏。2006年に「医療区分1」について光熱水費負担が導入された際、「病院での食事・居住サービスは、入院している患者の病状に応じ、医学的管理の下に保障する必要がある」との議論がなされた点を踏まえ、医療区分2と3の入院患者について負担を求めることや、年金支給対象外である年齢層については、「年金給付との調整」は不要であることから、(2)や(3)の導入には反対、(4)についても、一般病床と精神病床には、「住まい」としての機能がないことから導入には異議を唱えた。
 さらに新谷氏は、厚労省が、一般病床等については、「入院期間が長期化しているケースや入院医療の必要性の低いケースもあり、これらの点も含め、どう考えるか」との論点を提示したのに対し、「光熱水費負担と長期入院の問題は、分けて議論すべき」と指摘した。
 日本医師会副会長の松原謙二氏、日本歯科医師会常務理事の遠藤秀樹氏らも、基本的には新谷氏と同意見だった。
(略)
 「医療保険」と「金融資産」、なじまず

 金融資産等の保有状況を考慮に入れた負担は、介護保険で導入されている。施設入所等に係る費用のうち、食費と居住費は本人の自己負担が原則だが、低所得者については、預貯金なども含め、資産を把握し、「補足給付」を支給し、負担を軽減している。同様の考え方で、医療保険でも低所得者への負担軽減の際に、金融資産等の保有状況を考慮に入れた仕組みを導入するか否かが論点。
 ただし、現状では金融資産等を把握するためには、自己申告をベースとせざるを得ない。マイナンバー法等の改正により、2018年度から、銀行等の預金者は、銀行等にマイナンバーを告知することが求められるが、法律上の告知義務は課されないからだ。
 白川氏は、低所得者への配慮がある高額療養費制度のほか、保険料に、金融資産等の保有状況という考え方を入れることは、金融資産を100%把握することができない現実や、把握するための事務手続きのコストに見合う効果が得られないと想定されることから、「慎重に検討すべき」とコメント。「医療保険に、金融資産等の保有状況という考え方を入れるかどうかが本質的な問題だが、私は慎重に考えるべきであると思う。日本ではそこまで議論が深まっているわけではない。今後、審議会等で議論して方向性を決めるべきであり、今の段階では、時期早尚」とも指摘した。
 新谷氏や松原氏も同様の意見。東京大学大学院法学政治学研究科教授の岩村正彦氏も、「社会保険である医療保険において、金融資産の多寡で給付が決まるという考え方を入れることには、原理的な疑問がある」と指摘した。

この光熱費自己負担に関しては、年金患者では入院すればするほど自己負担と年金支給額との格差からお金が貯まっていくと言う現象が発生し得るケースがあり、家族としてもなるべく長く入院させて欲しいと希望しやすいことから不要な長期入院の温床となると言う指摘もあって、以前から食費の自己負担など段階的に是正が図られてきたことは周知の通りだと思います。
今回の対象年齢の拡大に関しては表向きの理由付けは色々とあるところだと思いますが、やはり自己負担を増やすことで少しでも早期退院を促したいと言う気持ちが表れていると言え、その意味で白川委員の言うところの長期入院患者には自己負担をと言う考え方も一理あるように感じられます。
一方で資産による負担額の増加は理念としては理解出来るものの、記事にもあるようにマイナンバーに紐付けて資産情報が保険証からわかるならまだしも、医療現場でその都度資産状況など調べられるわけがないのですから現実味の乏しい話で、この辺りは利用開始時に時間をかけての審査が有り、利用開始後は原則一生ものの介護とは少し話が異なるところですよね。
いずれにしても今後医療の利用に関してはますます自己負担増加による自主的受診抑制が図られていくのだと思いますが、一方では自己負担を懸念して必要な医療も受けていない人も一定数いるわけですから、この辺りのバランスを制度的にどう取っていくのかも課題になりそうです。

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2016年10月20日 (木)

3秒ルール、5秒ルールは正しいか否か

いつの頃からか3秒ルールだとか5秒ルールと言った言葉が当たり前に使われるようになっていて、しかも日本だけではなく世界中に同様のことが言われているそうなのですが、先日こんな興味深い報告が出ていたそうです。

食物を床に落としたときの「5秒ルール」の真実 細菌汚染は一瞬で生じる(2016年10月3日HealthDay News)

 食物を床に落としても、すぐに拾えば大丈夫―そんな「5秒ルール」を使ったことのある人は多いだろう。しかし、その食物が本当に安全かといえばおそらくそうではなく、細菌汚染は1秒未満で発生しうるという調査結果が報告された。

 研究を実施した米ラトガーズ大学(ニュージャージー州)のDonald Schaffner氏らは、スイカ、パン、グミのキャンディなど、性質が異なるさまざまな食物を、セラミックタイル、ステンレススチール、木、絨毯などの面に落下させた。それぞれの面はEnterobacter aerogenesというサルモネラ菌に似た細菌で汚染し、完全に乾燥させた後、食物を落として接触させた。

 接触時間がそれぞれ1秒未満、5秒、30秒、300秒の場合にわけて、面から食物への細菌の移行率を評価した。128種類のシナリオを各20回、計2,560回の測定を行った。

 その結果、細菌の移行率は、細菌に汚染された面への曝露時間の長さと、食物の水分によって上昇していた。ただし、細菌汚染は1秒未満でも起きうることも判明した。

 Schaffner氏は、「細菌の移行リスクは食物の水分に最も影響されるようである。細菌は足があるわけではないので、水分を伝って移行するからだ。また、通常は、食品の接触時間が長いほど細菌汚染も多くなった」と話している。実際に食物を落としたときの汚染リスクは、スイカで最大、グミのキャンディで最小であった。絨毯に落とした場合はタイルやステンレススチールよりも汚染が少なかった。木に落とした場合は汚染レベルにばらつきがあったという。

 本研究は「Applied and Environmental Microbiology」オンライン版に9月2日掲載された。

記事のタイトルから時間の長短で区別するなど無意味であると誤解されそうなのですが、短時間で拾い上げても無意味と言うのではなくやはり落ちていた時間に応じて菌の付着量が増えていくのだと言うことで、一般的に細菌感染が症状として出てくるためには一定程度以上の菌量が必要となりますから、それなりに意味がある行為であったと言うデータだとも言えそうです。
特に水分の多寡によって汚染のリスクが変わってくるなどと言うのは、一般的にアイスクリームなどの落下に対しては3秒ルールが適用されないと言うことからしてもそれなりに実感としても納得出来る話ですが、こうして見ると人類はずいぶんと昔から経験則として一定の知見を得ていたと言うことなんでしょうかね?
いずれにしてもこの3秒ルール、5秒ルールと言うものは実生活での実用性が高いと言うことなのか、古今東西様々な研究者による検証が行われてきたのだそうで、別な記事によればこんな様々な検証結果が報告されてきたそうです。

食べ物を落として「3秒ルール」は誤り、研究者が実証。床に落ちたらすぐ汚染、時間とともにバイ菌付着量も増加(2016年9月20日engadget)

世の中にはどうでもいいと思えることを一生懸命調べる研究者がいます。そんな「どうでもいいこと」の代表格とも言えるのが3秒ルール。3秒ルールといえばお菓子をうっかり地面に落としても3秒以内に拾えばバイ菌がつかないから大丈夫、というアレです。日本では3秒、米国ではおもに5秒ルールが一般的なほか、国によっては10秒や0.5秒というのもあったりします。

これまでの研究
3秒ルールは2007年以降、これまで数度にわたって大学などのチームによって研究がなされては結果が発表されてきました。特に知られている研究には以下があります。

・2003年、米国の高校生が様々な場所の床を調査し、そのほとんどにバクテリア・細菌が存在しないことを確認、数秒間なら安全とする研究結果を発表しました。ただ、よく子どもが友達と手渡しするであろうクッキーやソフトキャンディーを大腸菌のついた床に落とし5秒後に拾い上げたところではほとんどにバイ菌が付着していたとのこと。高校生はこの研究でイグ・ノーベル賞を受賞しました。

・2007年、米国サウスカロライナ州のクレムゾン大学の研究チームは、食べ物が床に落ちて拾い上げるまでの時間経過と付着する菌の数を調査。5秒未満だろうが5秒を過ぎていようが付着するバイ菌の数に違いはなく、むしろ落とした場所の綺麗さ(汚さ)が問題で、日常的な清掃が大事だという結果を示しています。ただし、床の材質で言えばカーペットのほうがタイルや木の床に比べて菌の付着が少なかったとのこと。

・2012年、英マンチェスター・メトロポリタン大学は、ジャムを塗ったパン、茹でたパスタ、生ハム、ビスケット、ドライフルーツなどを3、5、10秒間床に置き、バクテリアの付着量を調査しました。その結果は塩分や砂糖を多く含有する食品ほど汚染度合いが低く、すぐに拾えば食べても有害な影響はないであろうとするもの。一方でパスタやドライフルーツからは敗血症の原因にもなりうるクレブシエラ菌が検出されるなど危険も示しました。要約すると時間にはあまり関係なく、落とした物によっては(とくに子どもがよく食べるものは)拾って食べても大丈夫な可能性が高いとのこと。

・2014年、英アストン大学の研究チームは床に落とした食べ物の床との接触時間と付着するバイ菌の量を計測する実験を実施。そして水分量の異なる幾つかの食べ物を調べたところ、乾燥した食物に比べて水分量の多い食物のほうが約20倍菌の付着量が多く付着するものの、早く拾い上げたほうが菌の付着は少なく無害である可能性が高いとする結果を示しました。
(略)

過去の検証にもある通り何を落としたか、そして何よりもどこに落としたかと言うことが非常に重要で、汚い環境の床にべっとりと付着する類のものが落下した場合誰も拾って口にしようとは思わないだろうし、絨毯の上に落ちたスナック菓子をひょいと拾い上げて食べると言うことは誰しも経験があるところだと思いますから、これまた経験的行動には裏付けがあったのだとも言えそうです。
興味深いのは多くの人が誰に教えられたわけでもなく何となく身につけているこうしたセーフ、アウトの基準について、どのようにそれを体得してきたかと言うことなんですが、人間少々のことでいちいち食中毒になったりはしないと言うことを考えると、経験則として一般化出来るほどの症例数を個人が経験出来るのかは疑問符がつきますよね。
日常的に経験する機会があるだろう類似の命題としてはひとたび口をつけたペットボトルを放置しておくとどれくらい危険なのかと言う問題がありますが、これも水程度であればともかく糖類や乳製品をたっぷり加えられたものを、特に夏場に放置しておくのは常識的にも危険そうですし、やはり開封すればなるべく早く飲みきると言うことが大事なのでしょうね。

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2016年10月19日 (水)

医療事故調、必ずしも件数が少なすぎるわけでもないのですが

医療事故調制度が発足してからかれこれ一年が経過しましたが、事故調の対象となった件数は当初予測されていた数の2~3割なのだそうで、当然ながら何故こんなに少ないのかと言うことが各方面で(しばしば否定的に)取り上げられているところですよね。
実際には届け出るべきかどうかの問い合わせはその数倍の件数があったそうで、これらを含めると十分当初想定されたラインは上回っているとも言えるのですが、興味深いのは400件弱の届け出のうちで遺族が調査を依頼したケースが16件あり、しかも最近の一ヶ月で6件と増加傾向にあると言う点です。
この辺りは色々と解釈の余地はあるところで、当然ながら進歩的なマスコミや患者遺族団体などはこうしたルートがもっと増加していくことを望むと言う論調ですが、他方ではいわゆる東京女子医大事件で逮捕拘留された経験のある心臓外科医の佐藤一樹先生などからはこうした意見も出ているようです。

「遺族がクレーム」で医療事故調査制度を使うな(2016年10月17日日経メディカル)

 2015年10月にスタートし約1年が経過した医療事故調査制度は、順調に機能しているのだろうか。冤罪で逮捕・勾留された経験を持ち、現在は東京都医師会で医療事故調査制度に関する小委員会のメンバーを務めるいつき会ハートクリニック院長の佐藤一樹氏に医療事故調の現状について話を聞いた。
(略)
 我々が相談を受けた事例の中には、医療事故調査制度の「対象外」の事例が混じっていました。「対象外」の事例のパターンは大きく分けて2つありました。その1つは、「遺族が文句を言ってくる」という理由でこの制度を病院が利用しているパターンです。遺族からクレームを受けた際、医療事故調査制度のスキームで院内調査を行えば、調査費用の一部を所属する医師会が負担してくれますし、その調査結果に遺族が納得し、それ以上の補償が不要になれば、患者との話し合いに弁護士を立てる必要もなくなり、弁護士費用も節約できる――。そう考える病院が少なからずあるのです。この制度が、医療安全のためのものであるという大前提を忘れてしまっているようです。
 1年前にスタートした医療事故調査制度は、亡くなった人や遺族のためではなく、同じ死亡事故を起こさないようにするための、いわば次の患者に役立てるための制度といえます。一方で、紛争解決など、遺族への対応は、医療事故調制度とは別に、しっかりと対応していかなくてはいけません。この遺族対応がしっかりとできていないから、医療事故調制度を使って何とかしようとする医療機関が出てきてしまっているのだと思います。

 もう1つのパターンは、報告対象となる「当該医療従事者が提供した医療」以外のものを勘違いして報告しようとしているパターンです。今回の制度では、入院中の転倒・転落事故による死亡など、いわゆる「管理」のものは対象外ですが、こうしたものを報告すべきかどうかの相談が多く寄せられます。
 これら2つのパターンがそれぞれ同じくらいずつ、東京都医師会に相談されている印象です。また、結果的にセンターに報告された事例のうち、必要ないのに警察に届け出ているケースも結構あることが分かってきました。「提供した医療に起因する予期しない死亡」は、医療事故調査制度の報告対象なのであって、警察に届け出るかどうかを判断するための基準ではありません。不必要なケースを警察に届け出て、それが間違って「業務上過失致死」とされてしまったら、医療現場は大変なことになります。福島県立大野病院事件の悲劇が繰り返されてしまう恐れがあります。
(略)
 また、医療事故調査制度に関する相談を受ける側にも課題があります。例えば、東京都医師会では、医療事故調制度に関する相談を受ける人と、医事紛争を担当する人を分けるようにしています。でも全国には、まだ医療事故調と紛争を同じ人が担当することが少なくないようです。「医療事故調と紛争は切り離して考えるべきだし、担当者を分けないといけない」というのが我々の主張です。担当者を分けていないと、すぐに紛争につなげて考えてしまう恐れがあるからです。
(略)
 この医療事故調制度で報告対象になるものの中には、患者に賠償すべき事例もあるでしょう。医療者側に明らかにおかしい部分があり、明らかに患者側がかわいそうなケースは民事で救済しなくてはいけません。
 私は開業してからこれまでに、遺族から20~30件ほどの相談を受けています。そうした事例の中には、「これは医療側がおかしい」と感じるものもありました。そうしたケースでは、患者側に立ち、サポートすることもあります。今年のゴールデンウィークも休診期間を利用して94ページの意見書を書きました。
 なぜ、医療者の私が患者側に立つのか、不思議に思う方もいることでしょう。私が貫いているのは、「医療事故を刑事事件は絶対にしないし、する必要はない」というポリシーです。もちろん殺人事件は別ですが。
 繰り返しになりますが、医療事故調査制度の報告対象の定義に合致しないものは、医療事故調査制度のスキームを適用すべきではありません。あくまで補償など、別のスキームで対応すべきです。医療事故調査制度の目的である「医療安全のために」ということを忘れてはならないのです。

紛争当事者として刑事訴訟の経験もある先生だけになかなか含蓄のある提言だと思うのですが、やはり現状での問題点は医療事故調以外の別ルート、特に先生の言うところの「紛争解決など、遺族への対応は、医療事故調制度とは別に、しっかりと対応していかなくてはいけません」と言う部分が未だ不十分であると言うことでしょうか。
女子医大事件を始めとする数々の医療紛争を知っている医療現場としては、先生の言う「医療事故を刑事事件は絶対にしないし、する必要はない」というポリシーには非常に共感するところが大きいと思うのですが、もともと司法は医療紛争の刑事訴訟化には抑制的になっていると言い、また民事訴訟などは極論すればお金を幾ら支払うかを決めるだけの場と言えます。
しばしば医療紛争の関係者が口にする「ただ真実を知りたいだけ」と言うことに曲がりなりにも対応しているのは事故調だけとも言えるのですから、幾ら遺族補償などを充実させたところで満足度が向上するかどうかは何とも言えませんが、興味深いのはこの医療事故調の報告書が法廷の中でどのように扱われることになるのかと言う実例がすでにある点です。
今春の最高裁で島根大を訴えた原告の上告が退けられた事件では、医師の責任を認めなかった高裁判決が確定したのですが、そもそも患者側が訴えた根拠となったのが大学自身が設置した院内事故調の報告書であり、この事故調が正しく作成されていれば起こっていなかった裁判だったかも知れないと言うことです。

島根大“事故調”、患者と医師の悲劇◆医師の過失否定した高裁判決が確定(2016年9月13日医療維新)

(略)
 「報告書を作成し、病院長自らが記者会見を開いて、医師らの不適切な点を明らかにし、申立人らに謝罪し、7741万円を提示し、医療費も負担するとした。このような病院の対応は、本件事故について、相手方医師らに過失があることを前提にしなければ、あり得ないことである。
 (中略)ところが、本件訴訟後は、その態度を180度転換して、全面的に過失を争い、事実関係そのものについても争い、しかも、事故調査委員会の認定した事実や評価についても全否定。(中略)申立人(編集部注:患者側)からみると、相手方が一転して、何ら理由の説明がなく、態度を豹変させたことによって、長年にわたる訴訟の遂行を余議なくされ、一審敗訴後は、過去の医療費の請求まで受けるに至っており、病院のあまりにも不誠実な態度により裏切られた思いと強い憤りを感じている。(後略)」
 2015年8月21日付けの患者側の最高裁への上告受理申立理由書の抜粋だ。

 上告受理申立理由書が言及した「記者会見」とは、2007年8月31日に島根大学医学部附属病院が開いた会見。同院が設置した「医療事故調査委員会」の報告書について、「新生児仮死の原因特定は難しいが、判断の遅れが重大な結果につながった可能性はある、と説明した」と報じられた(2007年9月1日付けの中国新聞朝刊による)。
 会見では、同病院が患者側に謝罪し、補償交渉を進めていることも明らかになった。報告書は、吸引分娩とクリステレル圧出法による経膣分娩から、緊急帝王切開手術に切り替える判断が遅れたことを示唆する内容だった。
 しかし、その後、補償交渉はうまく行かず、民事裁判に発展。事故から3年弱経った2009年7月24日に患者側は約1億550万円を求めて、島根大を提訴した。裁判では、島根大病院の主張は報告書から一転し、産婦人科医らの対応は適切だったとした。結局、2014年2月24日の島根地裁判決、2015年6月17日の広島高裁松江支部判決ともに島根大が勝訴、患者側は上告したものの、2016年4月28日、最高裁が上告を棄却、高裁判決が確定した。
 事故から上告棄却まで10年近くにわたり、精神的、金銭的負担を一番強いられたのは、患者側だ。さらに、それだけでなく、緊急帝王切開手術を担当した島根大の産婦人科医たちも、事故対応に翻弄された。そのきっかけとなったのは、島根大病院が設置した「医療事故調査委員会」の報告書。本事件は、民事裁判に発展したからこそ、同報告書や産婦人科医らの陳述書をはじめ、各種資料は裁判所で閲覧でき、事の詳細が明るみになった。補償交渉が成立していれば、報告書の内容はそのまま検証されずに終わったところだった。
(略)
 島根大の当時の産婦人科教授は、2014年3月に定年退職した宮崎康二氏。国立大学法人法は、第18条で、「国立大学法人の役員及び職員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする」と守秘義務を課されている。
 この点を踏まえつつ、宮崎氏は、「裁判で我々には過失がないと判断されたが、お子さんに後遺症が残ったことは極めて残念なこと」と断った上で、島根大病院に対しては、「大学が、身内の善良な医師に対して、“冤罪”を作ることは決してあってはならない。大学が記者会見し、報告書を公表した時は、すごく悔しい思いをした。なぜ報告書が裁判で否定されたのか、その原因を究明し、何が問題だったかを明らかにして説明する責任が大学にはある」とコメントしている。
(略)

裁判で「事故調報告書」を否定◆患者側、大学の「不誠実な対応」を問題視(2016年10月12日医療維新)

 「2008年2月6日付書面で、被告病院に対して、損害賠償金を請求した。被告病院は、平成20年3月28日付書面において、原告ら代理人と被告病院の顧問弁護士の話し合いをしたいと述べるものの、その後も、具体的提案はなかった。(中略)これに対して、被告病院代理人は、民事調停を提案したのみであった。原告らとしては、被告病院が過失を認めていると受け止めていたことから、当初、訴訟提起までは及ばなくても示談等による早期解決ができることを望んでいたが、被告病院の回答には具体性もなく、誠意が感じられないことから、やむを得ず、今回の訴訟提起に至った」
 患者側が松江地裁に提訴したのは、2009年7月24日。その訴状には、提訴に至った理由がこう記されており、提訴に至る前に示談交渉が行われたものの、それが決裂したことが分かる。
(略)
 「医療事故調査委員会」には、学外の2人の産婦人科医が関わっている。一方、松江地裁での一審で、鑑定書を書いたのは、この2人とは別の産婦人科医だ。2009年7月24日の提訴から、2014年2月24日の一審判決まで、4年7カ月もかかったのは、鑑定をめぐり時間がかかったことが一因と見られる。原告から鑑定申出書が提出されたのは、2011年10月20日。鑑定申出を採用する決定をしたのは、2012年2月6日。鑑定人を決定したのは9月10日。鑑定書が作成されたのは、2012年12月28日だ。その後もしばらく、鑑定書に対して、追加意見、補足説明を求めるやり取りが続いた。
 「医療事故調査委員会」の報告書と、松江地裁判決と広島高裁判決は、島根大側の過失を認めたか否かで大きく異なる。その相違が生じたのは、調査委員会と鑑定に関わった産婦人科医の間で、医学的見解に相違があったことのほか、島根大側が裁判になり、報告書とは違う主張をしたことが挙げられる。
(略)

被告である大学が自分達で作成した事故調報告書は信用できないと一生懸命否定すると言う、誰が見ても何ともおかしな経過を辿った裁判だと言えますが、自分達の行った事故調の調査内容がいい加減であったと言っているようなものですし、これはさすがに原告ならずとも「極めて特異な事件」と言いたくもなるだろうと思いますね。
一連の記事を見る限り何故裁判の経過で事故調内容がひっくり返ったかは理解出来るのですが、それよりも問題となるのは何故当初の院内事故調で後日容易にひっくり返されるような報告書が作成されたのかで、特に時間経過などに食い違いがあることが後日問題視されたと言いますが、それ以前に調査委員会自体も3回開催されたのみで担当医が5分ほど、講座の教授も15分ほど簡単な聴取を受けたのみだとはどうなのかです。
特に教授が後に「一方的に質問され、それに答えたのみ」「説明しようとしても、遮られ、全く聞いてもらえませんでした」と言い、「私を陥れようとしているのではないかと勘繰りたくなるほど」と感じたくらいですから一体どんな調査委員会だったのかですが、まさしく東京女子医大事件で事故の原因を佐藤先生の初歩的な過失であると断定した院内調査報告と同様の構図と言えます。
ちなみに後に大学側の謝罪を受け入れ和解した佐藤先生は当時「報告書を基に起訴された。全国の医師には、医療事故の『内部報告書』の危険性を検討してもらいたい」とのコメントを出したそうですが、こうした事例が繰り返されると言うことを見ても正しい理解の元に運用されていない事故調なるものが、どれほどの危険をはらんでいるのかと言うことが想像出来ますね。

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2016年10月18日 (火)

中国発の臨床試験はほぼ全部がでっち上げだった?!

当ぐり研でも過去に何度か取り上げて来た通り中国では医療費が極めて高額で支払い不能と言う患者も多く、救急車で運ばれるのも病院で点滴を受けるのもまずは先払いが必要なのだそうですが、それだけにいい加減な治療だと感じると患者達によって病院が焼き討ちされると言うこともあるそうです。
それだけ日本よりもよほどに医療と言うものの存在が切実なものとなっているとも言えますが、その中国からこんなニュースが出ていました。

中国の臨床試験データの80%はでっち上げだったことが判明し大混乱…中国政府の調査(2016年10月5日らばQ)

医学の世界では、検証や実験データの正確性が重要視されますが、中国政府が調査したところ、臨床試験データの80%が「ねつ造」されていたことが明らかになりました。
これらの詐欺行為はほぼ全てのレベルであり、製薬会社のいくつかは不利となる副作用の記録を隠ぺい・削除し、改ざんしていたこともわかっています。

80% of data in Chinese clinical trials have been fabricated

この結果により、大量生産の認可待ちだった新薬のうち、80%の申請がキャンセルされました。
それらの多くは、既存の薬の記録をミックスさせたもので、臨床試験をする前から結果が記述されていました。
さらに一部の製薬会社や医師だけではなく、ほぼ全員が詐欺行為にかかわっていたと報告されており、民間の調査組織までもが共犯という有様だったとのことです。
中国の医薬業界が途方もなく大きな問題を抱えていることが暴露され、これまで「安全」だと認可されてきた薬についても、全く信頼のおけない可能性が高まってきました。
(略)

このところ中国から大量に舞い込む科学論文の質に大いに不安を覚えていると言う雑誌査読者のコメントも紹介されていますが、しかし記事の内容がその通りと言うことであれば大変な問題で、中国発のエヴィデンスには眉に唾をつけてかかる必要があると言うことになりかねません。
中国と言えば他国では実行することに様々なハードルが高すぎる実験的医療も行えると言うことに魅力を感じる方々もいらっしゃるようですが、人体実験紛いの話や死刑囚や政治犯からの強制的な臓器摘出疑惑など数々の問題も報じられていて、もともと倫理面で高い評価を得ていたわけではありませんでした。
ここまでの行為となるとほとんど国中の医療関係者をあげてと言うほどの規模ですが、人口が多いだけに出てくる論文等も数が多いはずで、それらに信憑性がおけないとなると国際的な影響力も少なからずと言うことになるのでしょうか。

日本でも近年論文等に絡んだ学術研究の不正が繰り返し報じられていて、そのたびに大きな騒ぎになるのも当然ですけれども、発覚した大きな不正でなくとも小さな不正などは報じられているものの何倍もあるのだろうし、さらに言えばデータの取り上げ方や解釈の仕方など恣意的な行為のどこまでを不正と言うべきなのか微妙な部分もあります。
以前にES細胞を巡ってノーベル賞候補とまで言われた韓国人研究者の不正が発覚して以来、世界的に韓国からの論文はより厳しい審査を受けるようになったなどと言う噂も聞こえていましたが、日本でも先年のSTAP細胞騒動で似たような話があったと言い、一つの不正が発覚すればそれに関連した広い領域で信頼性が問われるため影響は人大ですよね。
根本的な領域での不正行為は画期的で将来性の見込める分野だと参入してきたフォロワーにとっては何とも迷惑な話と言うしかありませんが、今回報じられた中国での不正なども末端臨床に直接関わってくる新薬の承認に直結する問題だけに、これまた実社会への影響は極めて大きく迷惑を被る人間も甚大な数になりそうですが、日本は他人事だと自信をもって言い切れるものでしょうか。

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2016年10月17日 (月)

海外での移植患者、大学病院での診療を拒否される

そういうこともあるだろうとは思うのですが、なかなか興味深い事例だなと感じさせられたのが先日報じられたこちらのニュースです。

「診療拒否は違法」と提訴 中国で腎移植の男性(2016年10月14日共同通信)

 「海外で臓器移植した患者は受け入れない」との内規に基づき浜松医大病院(浜松市)が診療を拒んだのは、正当な理由がない限り診療を拒んではならないと定めた医師法に違反するとして、中国で腎移植を受けた静岡県掛川市の男性(66)が、大学に慰謝料など約190万円を求める訴えを静岡地裁に起こしていたことが13日、分かった。

 医療関係者によると、海外で移植を受ける患者は年間数十人に上り同様の診療拒否も相次ぐが、訴訟に至ったのは初とみられる。各地での拒否の背景には「こうした患者を診療すると罰せられる」との誤解が一部にあると指摘する専門家もいる。

浜松医大と言えば腎臓移植も手がけているようで、移植患者の術後管理が出来ないと言うわけでもなかっただろうと思いますが、興味深いのは診療拒否をしたと言う背景として医師と患者の個人的な関係などに湯賄するものではなく、病院の内規に基づいて決めたと言う点です。
今回の件に関してちょいと検索をかけておりましたら今から30年近くも前のバブルの時代、浜松医大の医師が株取引絡みで資金をだまし取ろうと知人から腎移植を餌に金を出させた挙げ句殺害したと言う事件のニュースが出ていて、まさかこんな大昔の事件が原因で内規が出来たと言うわけでもないのでしょうが、記事を見ると同様の診療拒否は決して珍しい話ではないと言うことですね。
2007年4月頃から全国各地でフィリピンなどで臓器移植を受けた患者の診療拒否が報じられていて、その理由として当時話題になった臓器売買に絡んで臓器売買をした患者を保険診療すると診療報酬返還を求められる、警察に通報する義務があると言った噂が出回ったことも一因だと言います。
何故2007年4月からなのかと言うはっきりした理由も、診療報酬返還云々も全く根拠はないらしいのですが、中には同年3月以前で移植を受けた患者には保険診療をしても4月以降の移植患者は自費診療と言うケースもあるようで、まあちょっと常識的に考えてもどうなのかですよね。

これまた興味深いと思ったのはこうした経緯の中で、当然ながら応召義務違反ではないかと言う批判の声があったわけですが、当時の移植学会は「学会や医者では、この問題に判断を下せない」と言い、厚労省でさえ「個別事例をみないと判断できない」と言うなど、妙に歯切れが悪かったことです。
事実関係として日本の臓器移植法では国内外を問わず臓器提供の対価をドナーに支払うことは売買であるとして禁止している一方で、海外でこれだけ臓器売買が行われていると言われる中でも実際に患者が逮捕されたと言うケースはないのだそうで、実際上は黙認と言うことになるのでしょうか。
他方で臓器移植法で犯罪行為だとされているのは臓器売買そのものやその斡旋行為であって、移植が終わった時点で犯罪としては終了しているのですから、その後の診療に関与してもいわば逃亡中の犯罪者の怪我を治療しても逮捕されないのと同じようなことだと言えそうですね。
もちろん法的な背景事情がそうしたものであるとすれば組織として診療拒否はさすがにどうなのかですが、違法な臓器売買ともなればきちんとした手術を受けたのかどうかも判らず、まともな診療情報もないだろうとすればハイリスクな患者だとは言え、個人の感情としては面倒には関わり合いたくないと言う気持ちになることは仕方が無いことかなとも思います。

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2016年10月16日 (日)

今日のぐり:「龍野西SA上りフードコート」&「吉備SA下りフードコーナー」

野生動物の行動範囲は時に想像以上に広いものですが、こちら予想外の食害が発生していると報じられています。

離島でイノシシ被害深刻…泳いで来た?島民不安(2016年9月1日読売新聞)

 佐賀県唐津市の馬渡(まだら)島でイノシシによる被害が深刻化している。
 農作物被害に加え、家畜を食べたとみられる事例も発生し、島民らは「人に危害を加えかねない」と警戒を強めている。イノシシが人にけがをさせるケースは各地で発生しており、市は秋以降、離島での対策を強化する方針だ。

 「まさか、生きたヤギが襲われるとは思ってもみなかった」。島北部に住む区長の男性(69)は振り返る。昨年12月、家畜のヤギの鳴き声がしないことを不審に思い、家の裏手に回ると、4匹のうち一番大きなヤギ(体長約1メートル)が腹を食いちぎられて死んでいた。
 周辺の足跡からイノシシによるものとみられ、男性は「死骸を食べると聞いたことはあったが……。人が襲われないか、心配だ」と話す。
 島の馬渡小(15人)は、ヤギが襲われて半年以上たった今も、校舎の玄関口に「イノシシ出没注意」の紙を貼り出している。江川俊之校長は「児童には、できるだけ集団登下校するよう促している」と語る。

 本土から約8キロ離れた島は周囲12・5キロで人口約400人。以前は、野生のヤギによる農作物への被害が多かったが、10年ほど前からイノシシによる被害が増え始めたという。
 元々生息していなかったが、島外から海を泳いで渡ってきたとみられる。農作物の食害以外に、地中の虫を食べるために路肩の斜面を掘り起こし、その土砂が道路に散乱し、車両が通行できないこともある。
(略)
 イノシシの生態に詳しい中央農業総合研究センター(茨城県)の仲谷淳・専門員は「オーストラリアではイノシシが家畜の羊を食べたとの報告が複数ある。馬渡島のケースも、野生のヤギの死骸を食べて味を覚えた可能性がある」と指摘。「身を守るために、人を襲うこともあるので、遭遇したら、近づかないでほしい」と注意を呼びかけている。

瀬戸内海などでは時に海を渡るイノシシが目撃されることがありますが、外洋の孤島にも泳ぎ着くとは大変なものですね。
今日は食害に悩む馬渡島の島民達を励ます意味で、世界中からそんなこともあるのだと改めて驚くようなレアな事件の数々を紹介してみましょう。

ナカイ、落雷で320頭死ぬ ノルウェー(2016年8月30日産経新聞)

 ノルウェー当局者は29日、同国のハルダンゲル高原でトナカイ約320頭が落雷で死んだと明らかにした。ロイター通信などが同日、報じた。

 トナカイは26日の雷雨の後、重なり合うようにして死んでいるのが発見された。トナカイは危険を感じると1カ所にまとまる習性があるが、1度の落雷で死んだのか、数回の雷に遭ったのかは不明という。当局者は「こうした例は見たことがない」と話している。(共同)

記事の写真を見ればまさしく死屍累々と言う状況なのですが、しかし一頭二頭ではなく300頭以上が被害に遭うとはどれほどの落雷だったんでしょうね。
同じく寒い地方からのニュースですが、こちら人間の意外な生存能力を見せ付けたと言う事件です。

3歳児ひとりで生存、シベリアの森で72時間(2016年09月23日BBC)

ロシア・シベリアのトゥバ共和国で、3歳男児がひとりで72時間生き延びて救出された。シベリアの森林はオオカミやクマの生息地として知られる。

地元紙シベリア・タイムズによると、クート村近くでツェリン・ドプチュト君が森の中に迷い込んだとき、小さいチョコレート菓子しか持っていなかった。
報道によると、ツェリン君は曾祖母が面倒を見ていたが、目を離したすきにいなくなった。子犬を追いかけて、森に入ってしまったのかもしれないと言われている。
村の住民や警察がヘリコプターも使いながら、120平方キロの広い面積を捜索した。
野生動物が生息し、急流が走る森の中、寒さにも耐えて72時間生き延びたツェリン君は、おじに発見された。医師たちによると、特にけがはないという。

トゥバ共和国の民間防衛緊急事態担当はシベリア・タイムズに「とても危険な状況だった。ミナス川は急流で冷たい。小さい子供が落ちたら助からない。森にはオオカミもクマもいるし、クマはいま冬に向けて大量に食べている時期だ。動くものはなんでも襲う」と話した。
「加えて、日中は暖かいが夜になると、霜さえ降りる。昼間にいなくなったので、子供はシャツと靴だけで上着を着ていない。寒さがしのげる服装ではなかった」
別の当局筋は地元メディアに対して、ツェリン君は自分を呼ぶおじの声に反応して発見されたと話した。抱きしめられた後の最初の質問は、おもちゃの車は大丈夫かどうかだった。

捜索にあたった人たちは、カラマツの下の乾いた場所を見つけて根の間に眠っていたというツェリン君の機転をほめている。
地域リーダーのショルバン・カラ・オールさんは、「村中が救出を祝ってお祝いしています」と話した。
シベリア・タイムズによると、発見されてからツェリン君は「モウグリ」と愛称で呼ばれている。モウグリは、ラドヤード・キプリング作「ジャングル・ブック」に登場する人間の少年。
同紙は「(ツェリン君は)いずれ自分も救助員になるだろうと言われている。まだ幼いのに、寒い森の中でひとりで長いこと生き延びた、見事なスタミナの持ち主だからだ」と書いている。

いやすでに将来の進路まで決められている辺りがおそロシアですが、しかし子供のくせにこうまで分別があると言うのも天性のものなのでしょうかね。
お隣中国では昨今少々の事では今さら驚きませんが、こちら一体何がどうなったと感じるようなびっくりニュースです。

衝撃!なんでこんなところに?顔の中でさまよう歯が目を圧迫、手術で取り除く―中国(2016年7月16日レコードチャイナ)

7月12日、騰訊網によると、四川省広安市出身の女性がこのほど顎に力が入らなくなり病院で検査を受けたところ、顔の中に埋まっていた歯が眼部周辺を圧迫していることが発覚、除去手術を受けた。

埋もれていた歯が眼部を圧迫していたのは、広東省広州市で働く28歳の女性。1カ月ほど前、硬い物を食べていたところ口に力が入らなくなり、以後柔らかいものしか食べることができなくなった。7月2日に現地の病院でCTを撮影したところ、衝撃の事実が発覚した。右の眼窩のすぐ下に楔形の歯があり、今にも眼部に飛び出してきそうな状況だったのだ。

「これ以上放っておくと危険」と医師に言われた女性は同8日、重慶市の大きな病院を訪れた。検査により、乳歯が抜けるのが遅かったために生える場所がなかった永久歯が顎の骨の間を移動して眼窩の下部に到達。これより上に移動すれば眼部が腫れあがり、眼球が破裂する可能性があると診断された。すぐに除去手術のプランが立てられ、若い女性であることから顔面にメスを入れずに上あごの歯茎を切開して問題の歯を抜きとることに決定。同11日に手術が行われ、長さ約3センチの歯が無事摘出された。

知らぬ間に自分の歯が目を圧迫していたとはなんとも恐ろしい。専門家は「乳歯が思春期になっても抜けないで残っていた場合は、病院に行って歯胚が埋もれていないかを検査して」と呼びかけている。

その不可思議な状況は記事の画像を参照いただきたいと思いますが、しかしまさに逆方向に生えていると言うのは大変不便そうですよね。
これまた人体の脅威系の話題と言えなくもありませんが、まずは記事からその摩訶不思議な事件を紹介してみましょう。

肛門に商品を入れて万引きしようとしたら、肛門内で爆発(2016年10月10日エンパイアヘラルド)

    ラスベガスのウォルマートから食料雑貨品を万引きしようとしたマーティン・クラインと彼のパートナーであるジュリー・ワイスが逮捕された。

    伝えられるところでは、クラインとワイスは午前11時頃にラスベガス・ウォルマートに入って、ピルスベリー・シナモン・ロールズの缶をいくつか取ってトイレに向かった。
    防犯カメラによると、2人は20分もの間、トイレの中にいた。
    (略)
    警備員はこう語る。
    「彼はトイレに持ち込んだ商品を見せることを拒否したんだ。そして店の正面から出ていこうとした。私は彼の後を追ったんだが、彼のパートナーがローションを私の顔にぶっかけてきたんだ。
    私がクラインを捕まえようとして、彼の上に倒れ掛かった。そのとき、クラインの背中からボンッとはじける音がした。クラインは大声で叫んだ。そして液体が彼の肛門から流れ出したんだ」

    目撃者によると、落下の衝撃と肛門内の圧力のためにシナモンロール缶が爆発したとのこと。缶とその中身はクラインから取り除かれた。クラインは怪我の治療を受け、ラスベガス警察に拘留された。
    パートナーのジュリー・ワイスも逮捕された。

そもそもその発想の出発点からしていささかどうよと言う話ですが、まさしく突っ込んだら負けを地でいったと言うべきでしょうかね。
同じくアメリカからこれも下の方に絡んだ奇想天外なニュースですが、これも記事から紹介してみましょう。

米国で強盗事件発生→入った家が凶悪ゲイ宅で泥棒が逆に監禁される(2016年10月12日しらべぇ)

アメリカ・フロリダ州で54歳と36歳の男二人組による強盗事件が発生。新聞やWebメディアで報じられ、近隣の住民たちは恐怖に包まれた。
...かと思いきや、恐怖に包まれたのは強盗に入られた家でも近隣住民でもなく、なぜか押し入った強盗たちだった。

■強盗に入った家は...

なぜならば彼らが強盗に入った家は、男性をレイプしたことで10年間刑務所に入っていた凶悪なゲイの家だったからだ。彼の二つ名は、「ウルフマン」。
強盗に入った二人組へ、ウルフマンはここぞとばかりに襲いかかる。その後5日間のあいだウルフマンは強盗に対し、暴行を加えに加えまくったという。

■近隣住民の通報により事件発覚

その後、強盗の悲鳴を聞いた近隣住民の通報により監禁が発覚。ウルフマンも強盗二人組も、まとめて逮捕された。
近隣住民によりなぜか「強盗が助けられる」というおかしな結果となったが、暴行を加えられた5日間は刑務所よりもキツかったかもれない。これを機に彼らの更生を祈るばかりである。

日本ではちょっと考えにくいような話ですが、これもアメリカと言うことなのでしょうか、正直あまり想像したくはない状況ではありますね。
最後に取り上げますのはご存知ブリからの話題ですが、これまた極めて想像しにくいようなレアな事件だったようです。

天井から降ってきたネズミ 女性客の頭を直撃 高級レストランで(英)(2016年10月5日テックインサイト)

先月29日、英ロンドンの高級レストランで食事をしていた女性客の頭の上に天井から8センチほどのネズミが降ってきた。ネズミはそのまま料理が盛られた皿、ナイフやフォークの上に転がり落ち動かなくなったが、レストランは女性客らの悲鳴で騒然となった。

ロンドン中心部にある「スミス オブ スミスフィールド(Smiths of Smithfield)」は、シティ・オブ・ロンドンすぐ北のファリンドン駅に近い、ロンドン唯一の食肉市場「スミスフィールド・マーケット」から良質の肉を仕入れて調理することで知られる高級レストランだ。“SOS”の略称で親しまれ、ラウンジやカクテルバーも備えた人気の店だが、先月29日夜、同僚ら24人と一緒に食事を楽しんでいた女性客がとんだハプニングに見舞われた。
なんと天井から8センチ弱のネズミが降ってきて女性客の頭を直撃。その後テーブルの上に転げ落ちた。パニックに陥った女性団体客らはレストランスタッフに猛抗議。落ちたショックで動かなくなったネズミは駆けつけたスタッフにより処理されているが、現場は騒然となり客たちの食欲はすっかり失われてしまったようだ。
たまたまその場に居合わせたというロンドン西部ハーロウ出身のポール・スタッブスさん(56)は「それはもうショックでしたよ。ネズミは赤ちゃんだったようですが、それでも8センチくらいありましたからね。通気孔に巣があってそこから落ちてきたようです。もうあのレストランには二度と行きません」と語っている。

同レストランは女性と一緒に食事をしていた24人のグループの食事代から450ポンド(約5万9千円)を割引き謝罪したということだが、今回の事件によって店の集客に影響が出るのは避けられないであろう。レストランのスポークスマンはこの件に関し「我々のレストランは衛生面や食品の衛生管理には自信をもっております。今回の件に関しては現在調査中ですが、今後こういうことがないように更に徹底した指導をしていきたいと思います」とコメントしている。
ちなみに今回騒動になったネズミについて、ネズミ駆除の専門家は「まだ生まれたばかりの赤ちゃんだと思われます」と述べている。

SOSはパブレストラン階、ダイニングルーム階、トップフロアとして3つの階を食事に提供しており、上層階ほど提供される食材も値段も上がっていく。騒動はそのダイニングルーム階で起きたが、もしも「特別な記念日」としてセントポール大聖堂を眺めるトップフロアを予約した客がこの被害にあっていたら、もっと深刻な事態になっていた可能性も高い。

それにしてもよほどにショックだったでしょうが、飲食店とは一歩間違えばこういう環境にもなり得ると言う教訓的な事件でもありますよね。
ブリと言えば首相官邸などあちこちの公的施設でネコを飼うと言う話が伝わっていますが、こうした現実を見ればその必要性も理解出来る気がします。

今日のぐり:「龍野西SA上りフードコート」&「吉備SA下りフードコーナー

兵庫県内を走る山陽道上のSAの一つがこちら龍野西SAですが、いつも大勢の人で賑わっていますよね。
今回は鳥天丼なるものを頼んで見ましたが、今やうどん屋等でも普通に食べられるこのとり天も元を辿れば大分の郷土料理と聞きます。
こちらの鳥天丼はクリスピーなとり天に温泉卵をあわせ、加えてなぜかピーマンのトッピングが添えられているのが面白いですね。
味的には見た目のイメージ通りで特にどうこう言うものではないですが、誰でも好き嫌いのなさそうな味ですし硬めに炊いた飯もいい具合でした。
味噌カツ丼も少しつまんでみたのですがカツは出来合っぽく味気ないものですし、甘い味噌タレの味が少し強すぎる気がして鳥天丼の方がおすすめでしょうか。

岡山県南部の山陽道吉備SA下りフードコーナーもなかなか立派なものですが、しかし呼び出しをしているおじさんの声がちょっと怖いですね。
今回は吉備そばなるオリジナルメニューを食べてみましたが、油揚げと合鴨、天かすが載ったなかなか賑やかなものです。
蕎麦の方はまあこういうものかですが、汁もよく言えばさっぱりしていますが蕎麦つゆと言うよりうどんの味ですね。
トッピングも色々載っていて食べ応えはあるんですが、この味だったら素直にそばよりうどんにしておいた方が合いそうな気がします。
しかし吉備そばなるもののいわれがはっきりしないのですが、姉妹メニューで吉備うどんもあるようで、このトッピングの組み合わせが意味があるのでしょうかね。

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2016年10月15日 (土)

ブラックな職場捨てますか、それとも命捨てますか

世の中に馬鹿発見器と言う言葉がありますが、先日再び自ら発見器のお世話になった方がいると言われているのがこちらの事件です。

「残業100時間で過労死は情けない」=教授が投稿、学長謝罪―武蔵野大(2016年10月12日時事通信)

 武蔵野大(東京)の長谷川秀夫教授がインターネット上のニュースサイトに「月当たり残業時間が100時間を超えたくらいで過労死するのは情けない」などと投稿し、同大の西本照真学長は12日までに「多くの皆様に不快な思いをさせた」とホームページで謝罪した。

 同大によると、長谷川教授は7日、政府の過労死等防止対策白書に関して投稿。「請け負った仕事をプロとして完遂するという強い意識があれば、残業時間など関係ない」などとも記した。

 電通社員が昨年12月に自殺し、労災認定されたことが報じられた日の投稿だったため、関連付けられネット上で拡散。長谷川教授は投稿を削除し、「言葉の選び方が乱暴ですみませんでした」「つらい長時間労働を乗り切らないと、会社が危なくなる自分の過去の経験のみで判断した」などと改めて投稿した。

 同大によると、長谷川教授は東芝やニトリ役員などを経て昨年、教授に就任した。学長は「調査の上でしかるべき対応を取る」としている。 

もともとこの事件、せっかく一流大学を出て大手広告代理店に入社したはずが一年足らずで自殺に追い込まれた女性の悲劇的な事件が背景にあり、その原因として職場上司らによるパワハラ等があったとされていることから炎上騒動に発展していたところに、言ってみれば火に油を注ぐような発言であったのですから騒ぎになったのも当然と言えましょう。
個人の思想信条に関してはどうこうと言うべきところでもないと言う考えももちろんありだと思うのですが、一応この方の場合は教授と名乗るくらいですから組織上は管理職の立場と言うことになるはずで、それがこうした考えのもとに職場の運営に当たっていると言うことに慄然とした方々も少なくはないようです。
同社を始めとして伝統的にブラックとされる企業は決して少なくないのですから、入社を希望するにしてもまず事前の情報収集を行い納得した上で考えるべきかと思いますが、ブラック企業の中にも様々なタイプがあると言うことで、先日はこんなちょっと信じがたいようなケースが報じられていました。

「これはブラック企業だ…」女性社員集団退職にサロン社長ブチ切れ 勤務12日なのに損害金払え!と逆襲提訴(2016年10月12日産経新聞)

 「貴殿の突然の退職により甚大な損害を被ったので、損害賠償を求めます」。突然の通知に女性たちは仰天した。退職も何も、勤めたのはわずか12日間だったからだ。職場は大阪府内で新規オープンを予定していたヘッドスパサロン。しかし社員研修の内容に不安を覚えた4人が同時に退職したのだ。これに怒りを爆発させたのがサロンの社長。4人やその親に損害金の支払いを繰り返し要求し、最終的には一方的な集団退職で損害を被ったとして、計約160万円の支払いを求める訴訟を起こした。4人の側も「不当な賠償請求をされた」として店側を提訴、激烈な法廷闘争に発展している。

退職時に「恐喝」?

 反訴したのは20~30代の女性4人。昨年3月、頭皮マッサージやヘアケアを行うおしゃれなヘッドスパサロンに契約社員として雇われた。同4月にオープンするサロンで施術や受付を担当する予定だった。
(略)
 退職の理由について4人は、研修内容が不親切で丁寧な技術指導がなかったためだと説明した。その後いったん帰宅したが、再度手続きのためにサロンを訪れた際、マネジャーから入館証の返還を求められた。
(略)
 4月1日には勤務日数分の給与が約束通り振り込まれた。そうして安心したのもつかの間、4人のもとに届いたある文書が、平穏な空気を切り裂いた。
 「損害賠償請求書」。サロンの社長名の通知だった。

 《当社は貴殿を誠心誠意教育し、指導させていただいたにもかかわらず、一方的かつ突然の退職の申し出により甚大な損害を被っております》
 《つきましては損害賠償を求めます。期日までにお支払いいただけない場合には、身元保証人にもご請求させていただきます》

 会社側が支払いを求めたのは、教育・指導費や新規採用経費など1人当たり計59万円。振込口座も記されていた。
 4人は代理人の弁護士を通じて「退職届は受理されており、合意による退職で損害賠償義務はない」と回答。すると会社側は4人の身元保証人である親に対しても「支払わない場合は財産や給与を差し押さえる」と追い込みをかけた
 4人が応じないでいると、会社側は「賠償金を払わなければ恐喝罪で被害届を出す」とまで通告していた。9月以降には4人を提訴したうえ、身元保証人にも損害賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こした(保証人への請求は後に取り下げ)。
 「ブラック企業だ…」。4人とて黙ってはいられない。合意のうえの退職なのに、違法な賠償要求を受けて精神的苦痛を受けたとして、会社側に計約480万円の損害賠償を求めて大阪地裁に提訴したのだ。

追い詰められ適応障害に

 そもそもなぜ4人は入社まもなく退職を決意したのか。反訴状によると、当時の新規採用は4人を含めて計10人。サロンのオープンに向けて研修が始まったが、指導員は1人しかいなかった。質問しても「すでにお伝えしました」と取り合ってもらえず、「実演を1回見て覚えろ」と言われるなど、不満の募る内容だった。
 度重なる叱責もあった。その結果、研修初日にいきなり3人が退職し、翌日にさらに1人がサロンを後にした
 次々に脱落者が出る中、4人は研修を続けたが、何度も叱られるうちに不眠や頭痛、吐き気など体調が悪化。それでもマネジャーから「危機感が感じられない」「お客さまからクレームが来ても会社は責任を取りませんよ。自分で責任を取ってください」と厳しく責められ、辞めることを決めたのだという。
 オープン直前の一斉退職に、会社側はよほど怒りが収まらなかったのか、入館証の返却が遅れた女性Dに対しては、電話で「警察に突き出す」「人間として終わってる」となじり、Dの父親の勤務先にも社長名でこんなメールを送った。

 《貴殿の娘が当社を一方的に退職し、入館証を持ち逃げしております》
 《これは窃盗罪、業務上横領となり、被害届を出すことも考えています。父親として至急ご対応いただきたく、よろしくお願いいたします》

 その後、損害金の要求が始まり、4人は精神的に追い詰められた。会社側から「他の3人を扇動した主犯的立場」とされたAに至っては適応障害と診断された。4人は現在も体調不良に悩んでいるという。
 今年5月の第1回口頭弁論でAはこう訴えた。
 「嫌がらせが止まらず、逃げ道がどんどんふさがれた。恐怖で今も定職につけない。もう私のそばに近づかないで」
 地裁で審理が続いている。

当初から会社の対応によほど不信感があったと言うことでしょう、退職した女性達は一切のやりとりを録音し記録にとっていたそうですが、そうとも知らない会社側は全く別なストーリーをでっち上げ損害賠償請求までやってしまったと言うことで、傍から見ている分には笑い話のような経過なのですが、当事者にとってはそれどころではなかったと言うことでしょうね。
今回の事例では早々に脱落者が続出したと言うくらいですから当初からその怪しさは相当なものだったのでしょうが、この種の現場に無理を押しつけて結果だけを求める企業と言うのも少なからずあるのだそうで、それを知った上で雇用環境や待遇と折り合いをつけて勤務すると言うならまだしも、何となく怪しい、危ないと感じながら流されてしまうと大変なことになってしまうかも知れません。
幸いにも昨今では多くの職場で人手不足と言われ労働者にとっては売り手市場になってきていると言い、労働者にとってはある程度働き先も選びやすい状況になってきていると言えそうですから、命を失うほど追い込まれる前に決断すべきところは決断すべきなのだろうし、それ以前にまずは事前の情報収集が必要な時代であると言うことでしょうか。

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2016年10月14日 (金)

急速に進歩する人工知能、医療現場にも普及間近か

先日は将棋連盟が対局室にスマホ持ち込み禁止としたことが報じられ、その背景に大物棋士のカンニング疑惑があると大騒ぎになっていますが、トップ棋士もカンニングに頼るとはまさに現在進行形で人間を超えつつあると言う、人工知能の進歩を示した事例とも言えますね。
他方で医療の世界ではこのような人工知能の排除と言うよりは積極的な導入の方が期待されていて、先日もこんな記事が報じられるなどすっかり人工知能が人智を越えたかのように受け止められつつあるようです。

人工知能が医療で活躍、お手上げの医師を助ける〈AERA〉(2016年10月1日dot.)

 膨大な医療データを瞬時に解析し、診断の手助けをする。人工知能(AI)が医療の現場で活躍しつつある。AIで医療はどう変わるのか。現場を訪ねた。

「ワトソン君に聞いてみよう」──。
 東京大学医科学研究所(医科研)附属病院では、臨床の医師たちの間でこんな言葉が飛び交う。
「ワトソン君」は人ではない。米IBMが開発したAIだ。人間が日常会話で使う言葉を理解し、学習していくクラウド上のソフトウェア。2500万本以上の医学論文や薬の特許情報などをもとに、患者から採取したがんの遺伝子情報から、がんの症状に関連する遺伝子の変異や抗がん剤の候補などを見つけ出す
 白血病などのがんは、遺伝子が変異してがんを引き起こすため、遺伝子を調べてがんのタイプを特定し、治療薬などを決めることができる。ただ、人間がすべてを調べることは無理だ。
 医科研ヒトゲノム解析センター長の宮野悟教授が言う。
「研究が進み、遺伝子や新しい治療法、治療薬に関するデータ量は膨大になっています。医師や専門家がすべてを調べ上げるのは、すでにお手上げ状態なのです」

●AIなしでは不安

 宮野教授らは2015年7月にワトソンを導入し、治療に役立てることにした。人間の能力では不可能なデータ量を読み込んで理解し、最適な答えをはじき出す。これまでに、ワトソンを利用した診療の8割近くで、医師の診断や治療法の精度を高めることに役立ったという。ワトソンの助言を参考に治療を変え、劇的に回復した例もある。
「今後の医療の現場は今とは激変していくでしょう。大きな変化のひとつがテクノロジーです。人工知能を含めて日常の医療のあり方が変わります。テクノロジーを使いこなしていくことも、医師の役割となります」
 医師で、医療政策に詳しい東京大学大学院医学系研究科の渋谷健司教授はそう強調する。
 医師の能力だけでは、患者に合った最善の医療を提供することが難しくなってきているという。最終的に診断をしたり、治療法を決めたりするのは医師とはいえ、医師を支援するAIは、すでに着々と臨床現場に浸透しつつあるのだ。

 放射線診断専門医の北村直幸医師がいま、熱い視線を注ぐのは、CTやMRIで撮った検査画像の診断を支援してくれるAIだ。
これがないと不安でたまらなくなりますね。精度はかなりよくなっていますよ」
 と、北村医師は言う。北村医師は、広島県内を中心に遠隔で画像診断を手がける「エムネス」(広島市)の社長を務める。同社は昨年から、画像診断支援システム「CIRCUS(サーカス)」を使い始めた。
 サーカスは、東京大学医学部附属病院が開発を進める、検査画像から病変(病気の場所)を自動的に見つけ出すシステムだ。AI研究の一分野である「機械学習」という技術によって、過去の症例データにもとづいて病変を学習する。機械学習とは、コンピューターが既存のデータから自動的にパターンを学習してルールを見つけ出し、新しいデータが来たときに予測ができるようになること。
 現在、エムネスを含む16の施設で臨床研究が行われ、肺の結節や脳動脈瘤を見つけるための画像診断の支援に利用されている。
「医師が自分で画像を見て診断をして、確認としてサーカスを使うケースが多いようです。見落としたものを、サーカスで検出されると、『助けてもらった』と感じる先生が増えているようです」(サーカスの開発を進める同病院の野村行弘・特任研究員)
(略)
 AIは精神疾患の診断と治療も大きく変えていきそうだ。うつ病などの精神疾患は、重症度の評価は医師の主観によるため、かなり曖昧だ。血液検査などで症状を客観的に量ることもできない。疾患や重症度を、基準に基づいて分類するのが診断の基本だが、精神疾患の場合はそれが困難だ。
 精神科医の岸本泰士郎医師は昨年、機械学習などのAIを活用して、精神疾患の重症度を客観的に数値で分析する試みを始めた。岸本医師が専任講師を務める慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室などが参加している。
 まずは、うつ病と躁うつ病について、コンピューターが重症度を判定できるようにするのが狙いだ。そもそも精神科医は「表情の変化が乏しい」「体の動きが鈍い」「声が低くハリがない」などの患者の見た目や声で、症状や重症度を判別している。それを、コンピューターで判定できるようにするというのだ。
(略)
「コンピューターが提供する情報を患者さんと共有することで医師と患者さんの間に齟齬が生じにくくなったり、治療の効果が上がったりすると期待しています」
(略)
 医師自身は、AIなどのテクノロジーを、どう見ているのだろうか? 医師専用コミュニティーサイト「MedPeer」が今年5月に医師を対象に実施したアンケートでは、回答した3701人の医師のうち90%が、「人工知能が診療に参画する時代は来る」とした。このうち最も多かったのが「10~20年以内に来る」と回答した医師で、全体の33%を占めた。10年以内を含めると、全体の69%が20年以内に、人工知能が診療に参加すると考えているということだ。
 人工知能が医療をする、というとまるでSFの世界のようだが、実際はすでに医療の現場では活用されつつある。
 前出の宮野教授は言う。
「未来は、もうとっくにはじまっているんですよ」

心電図の機械判定などはずいぶんと前から当たり前に行われていますし、一般人にも知名度が拡がっているAEDなどもまさに機械が勝手に判断する仕組みですが、何にしろこうしたものが普及することで複雑化する一方の医療が少しでも楽に出来るようになれば助かるでしょうね、
人間の場合直感的に高度な推論を行うことも出来る一方で、見落としによる重大なミスも発生し得ることが特に医療現場では問題となりますが、こうした点で網羅的なベタ読みの得意な人工知能とは相互補完的な関係にあると言え相性がいいのだと思いますけれども、さらに現場への導入を図るにはマンマシンインターフェースなども課題になるのでしょうかね。
先日は癌の最適な治療法を人工知能が提示するサービスも2年以内の実用化を目指していると報じられていて、特に患者説明などへの活用も期待されていると言いますから、何をやるにも年々長くなる説明の部分をやってくれるものであれば医療以外でも幾らでも需要がありそうですし、ログさえ記録しておけば後々の言った言わないのトラブルも減らせる可能性がありそうです。
世間的にはこれだけ人工知能が急速に進歩し出来ることが増えて行く中で、いったい将来的にも人工知能に駆逐されない職業とは何だろうかと言った議論も盛んになってきているようですが、PC抜きでの仕事など今や考えられないのと同様に、いずれ人工知能のサポートなど当たり前の前提にして仕事が行われていくようになるのだと思いますね。

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2016年10月13日 (木)

柔整問題、今度こそ本当にメスが入る?

先日大阪でこういう事件があったことをご存知でしょうか。

療養費詐取「市議が不正受給指示」…関係者、大阪府警に説明(2016年10月8日読売新聞)

 大阪府池田市議らが整骨院の療養費をだまし取ったとして逮捕された事件で、整骨院の関係者が府警の調べに対し、同市議の羽田達也容疑者(37)から療養費の不正受給を指示されたと説明していることが捜査関係者への取材でわかった。
 府警は詐欺容疑を裏付ける証言とみている。一方、羽田容疑者は逮捕前の読売新聞の取材に「私は関与していない」と話していた。

 府警によると、逮捕容疑の療養費約70万円の不正受給は、この整骨院が羽田容疑者に2年半で600回以上、健康保険が適用される施術を行ったとして請求したものだった。
 捜査関係者によると、整骨院の関係者は、実際は施術をしていなかったとし「嫌だったが、羽田容疑者に従った」と話したという。当時羽田容疑者が運営に関わっていた他の5か所の整骨院でも、その従業員らの健康保険証で不正受給していたと説明。羽田容疑者は「俺の分はここで請求しておけ」と指示したという。
 府警は7日午後、羽田容疑者を送検した。

2年半で600回以上と言えば営業日はほぼ毎日と言う計算になりそうなので、医科で同様なことをやればまず2年半も放置されると言うことはないだろうと思うところですけれども、こうした不正請求が長期間に渡って成立してしまう土壌があると言う点に注目いただきたいと思います。
整骨院と言えば柔道整復師と言う資格が求められますが、この柔整に関わる不正請求問題と言うのはかねて当「ぐり研」でも何度か取り上げて来たところで、最近も芸能人や暴力団関係者が絡んだ大規模な不正請求問題が話題になったことがありますよね。
柔整と言えば保険が使える安価なマッサージ的な役割を負っている面もあり、しかも医療全体で使われているリハビリ費用が5600億円に対して外傷だけの柔整に3800億円も使われている(2009年時点)と問題視する声があるなど、かねて医療費削減と言う名目で厳しい査定を強いられている医療業界としては柔整へのチェックがあまりに甘すぎるのではないかと言う不満が根強くあるようです。
特に大阪界隈ではあまりにチェックがずさんだとかねて問題視されていて、そもそも医科と全く異なるおかしなシステムで保険者のチェックが行われていることもその根本原因の一つとされていますが、こうした柔整問題に関してようやく多少の是正の動きが出てきているようです。

<柔道整復師>カルテなど提出義務化 不正請求防止へ(2016年10月9日毎日新聞)

 厚生労働省は、柔道整復師(柔整師)の施術に公的医療保険を適用する療養費制度について、不正請求対策を強化する方針を固めた。不正の疑われるケースは接骨院などにカルテなど関連資料の提出を義務付ける。柔整師の急増に伴う接骨院の過当競争で療養費の不正請求が横行しており、厚労省は近く都道府県など関係機関に通知。来年度から開始する。

 柔整師は厚労省が認定する国家資格で、接骨院などで施術する。医療行為はできないが、骨折や脱臼などの施術に対して支払われる療養費は公的医療保険が適用され、利用者は原則3割の自己負担で受けられる。14年度は医療保険から約3800億円が支払われた。

 柔整師は毎年5000人前後が合格し、14年時点で約6万4000人が就業。接骨院などの施術所も約4万5000カ所に上り、1994年の約2万カ所から急増し、過当競争を招いている。その結果、肩や腰など部分を次々と変えて施術し、マッサージ代わりの利用が疑われる「部位転がし」と呼ばれる不正な請求や、白紙の申請書を悪用した架空請求が後を絶たない。

 厚労省はこうした不正請求に早期に対応できるよう、全国健康保険協会(協会けんぽ)などがつくる審査機関「柔道整復審査会」が、「部位転がし」など不正請求が疑われる施術所の診療報酬明細書(レセプト)を抽出して調査し、資料提出や説明を求めることを可能にする

 架空請求対策としては、施術所に領収書の発行履歴や、通院歴の分かる来院簿やカルテなどの提示を求めることができるようにもする。

 療養費を巡っては、昨年11月には暴力団組員や接骨院経営者らが架空請求し、療養費を1億円近く詐取したとみられる事件が発生するなど、不正請求対策の強化が課題となっていた。【阿部亮介】

毎月厳しいチェックにさらされている医科の目線で見れば今までこの程度のこともやってなかったの?と逆に驚くような話ばかりですが、この柔整問題を是正しようとすると何故か各方面から強力な圧力がかかってくるとか来ないとかで、これだけ保険財政が逼迫した状態になって初めてメスが入れられるようになったとも言えそうですね。
根本原因としては記事にもあるように柔整師の養成数自体が急増し、過当競争になってきていると言う背景事情にあって、この辺りは歯科や法科においても過去に起こったことと全く同様の過剰養成による弊害とも言えるし、その結果モラルハザードが起きていることに加えて元々制度的にチェック機能が乏しく好き放題やれる環境だったのですから、相乗効果で大きな不正が続発しているとも言えます。
もちろん悪徳なことなどやらず真面目に地域に貢献している柔整師の方々も幾らでもいるわけですが、制度を厳密に解釈すれば今多くの柔整師が行っている行為の多くが保険診療外になるはずなのに、安い施術を求める利用車側の要求に応えて何とか保険扱いにしてしまっていると言う点も大きな原因と言え、制度的な厳格さを追及するだけでなく利用車への教育と言うことも必要になりそうには思いますね。

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2016年10月12日 (水)

医療費削減の方法論としてかかりつけ医権限強化が議論される

先日も皮膚癌に対して新規の抗癌剤が承認されたと報じられており、非常に高額な治療薬が続々と登場することで医療費高騰が懸念されていますが、こうした抗癌剤が予想よりも多く使用されていることに対して財務省が財政を圧迫するとして、通常の薬価改定サイクルを待たずに値下げを断行するよう求めていると報じられています。
薬剤コストの高騰はこのところ医療費増大の主要要因の一つとも目されるようになってきただけあって、今後も継続的に何らかの対策が講じられることは確実でしょうが、先日も紹介しましたように医療費高騰が続く背景には薬価の高騰だけではなく、高齢化の進展など医療の本体部分も大きな影響を与えていると言うことで、薬価と同時進行でこちらの対策も進められています。

財政審、薬価の期中改定や高齢者の負担増を求める「スモールリスクは自助努力の余地を拡大」(2016年10月5日医療維新)

 財務省の財政制度等審議会財政制度分科会は10月4日、2017年度予算編成への建議に盛り込む社会保障分野の「改革の方向性」を大筋で合意した。医療分野では高額薬剤の速やかな薬価改定やかかりつけ医以外を受診した場合の定額負担、「高額療養費制度」の高齢者優遇措置の見直しなどを求めた(資料は、財務省のホームページ)。改革項目の多くは、中央社会保険医療協議会や社会保障審議会で既に議論が始まっている内容だ。
 政府は社会保障費の自然増分を2016年度からの3年間で1兆5000億円(年5000億円)程度に抑える方針で、2017年度予算でも、厚生労働省の概算要求での6400億円から1400億円の削減を目指している。分科会後に会見した審議会長の吉川洋氏(立正大学経済学部教授)は「ビッグリスクは共助で支える、スモールリスクはある程度以上の経済力を持つ人の自助努力の余地を広げるべきというのが財政審の基本的な考え方」と説明。スモールリスクの例示として風邪や軽度者向けの介護サービスを挙げた。
(略)
 かかりつけ医の普及については、「かかりつけ医の普及や外来の機能分化は十分に進展していない。諸外国と比較して、我が国の外来受診頻度は高く、多くは少額受診。限られた医療資源の中で医療保険制度を維持していく観点からも、比較的軽微な受診について一定の追加負担は必要なのではないか」と提案した。

「かかりつけ医の」イメージ
◆他の医療機関を含めた受診状況等の把握、必要に応じた専門医療機関の紹介・連携、継続的かつ全人的な医療の提供(1)など、一定の要件を満たす診療所等(2)について、患者が「かかりつけ医」として指定(保険者に登録)。

 (1)については、総合診療医の養成・定着が進むまでの経過措置として、耳鼻科や眼科など特定の診療科については、あらかじめ「かかりつけ医」と相談の上、指定する他の医療機関での診療を可能とする(定額負担も免除)。 (2)では、特定疾病の有無・年齢要件は問わず、24時間対応等も求めないなど、診療報酬で評価される地域包括診療料等とは異なり、「かかりつけ医の要件は緩やかに設定」と提案している。
 かかりつけ以外を受診した場合の定額負担の金額についても、他の診療所を受診した場合は低額、病院はより高額で、規模に応じて金額を増やすことを求めている。
(略)
 吉川氏は委員からの意見として「かかりつけ医制度の定着には質の向上が望まれ、そのためには健全な競争が必要。自由に選択する権利を担保する必要がある」「かかりつけ医を持たない場合はフランスのように自己負担割合を3割から4割に増やすなどの方法も考えられる」「国民全体で健康を保つためには、スポーツ医学も有効である。オリンピック選手はドーピングの関係もあり、薬を使わず健康を維持している。スポーツ医学の医師は3万人ぐらいいるので、こうした方にも地域医療に貢献していただくのがいいのでは」などと紹介した。
(略)

注目頂きたいのは「スモールリスクは」云々の部分かなと感じるのですが、こうした考え方が基本として据えられているとなると今までの日医等が主張してきた日本の医療のあるべき姿とはかなり異なったもの言うしかなく、さて厚労省などはどのように考えているのかも気になりますよね。
このかかりつけ医制度なるものの代表的なものとして同じ国民皆保険制度を採用するイギリスのNHSがありますが、この制度においては病院など専門医療機関を受診するためにはかかりつけ医を受診しなければならないと言う、かなり強いアクセス面での縛りがあり、日医などが断固としてフリーアクセス堅持を主張する日本とはかなり異なった趣がありますよね。
ただ興味深いのは専門医に紹介されても実際に手術を受けられるのは何週間、下手すれば何ヶ月も待たされるだとか、それが嫌なら公費負担外の私立医療機関をお金を払って受診しなければならないと言った面があるにも関わらず、このNHSへの国民満足度は極めて高いことが知られており、各種調査によればおよろ9割の国民が制度に満足していると答えていると言います。
こうしたかかりつけ医の機能強化と言うことに関しては様々な意見もあって、特にフリーアクセスと言う現行の大原則との絡みから今のところ受診規制としての役割導入には否定的な意見も多いようですが、大病院の外来を指して3時間待ちの3分診療などと揶揄するならアクセス制限は避けられないのは当然であり、そのゲートキーパーとして何かしら医療専門家による選別が必要と言う考え自体は妥当なものだと思います。

一方で当然ながらかかりつけ医以外を勝手に受診すれば自己負担が発生するとなれば、特に眼科や耳鼻科などマイナー診療科の開業医の方々にとっては死活問題にもなりかねないと言う話なんですが、しかし一般的な大方針としては今後は総合診療など様々な名目で全人的な医療を推進する過程で、軽微なマイナー科領域の疾患はかかりつけ医なら誰でも診られるようになっていくはずですよね。
逆に今までは言ってみれば専門○○だったマイナー科の先生であっても、今後はローテート研修で風邪など一般的な疾患については一通り診られると言う建前になっているわけですから、要するに大きな問題となるのはこうした今風の研修を受けていない世代の先生方の既得権益をどうするのかと言うことであり、そうであるからこその緩和措置が議論されているということなのでしょう。
将来的には自由開業制や標榜診療科など今とは制度的にもかなり異なった医療となっていく可能性も否定出来ず、かかりつけ医と言うものの捉え方も今とは違ったものになっていく可能性もありますが、専門医資格の更新厳格化などを考えてみても、今後は特にマイナー診療科では単科での開業と言うやり方は次第に難しいものになっていくのかも知れませんね。

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2016年10月11日 (火)

厚労省がついに強力な医師偏在対策を打ち出す、が

かねて総論賛成各論反対的に話がまとまらなかった問題として、いわゆる医師偏在対策と言うものをどう行っていくのかと言う問題がありますけれども、先日こんな驚くような記事が出ていました。

保険医の条件に「医師不足地域の経験」 偏在解消へ提案(2016年10月7日朝日新聞)

 地方や一部の診療科で医師が不足している問題について、厚生労働省の分科会で6日、医師不足地域での勤務経験を公的医療保険による診療ができる保険医として登録するための条件にすることを、専門家が提案した。目立った反対意見はなく、厚労省は今後、この提案を盛り込んだ医師偏在対策案を示す

 「地方の医師不足を助長しかねない」と導入が来春に延期された専門医制度に関連し、地域医療機能推進機構の尾身茂理事長が提案した。

 尾身氏はまず、将来の人口や主要な病気の変化も考え、都道府県などごとに一定の幅がある各診療科別の専門医の「研修枠」を設けることを提案。その上で、保険医の登録や保険医療機関の責任者になる条件に、医師不足地域での一定期間の勤務を求めた。具体的な勤務期間として、医師の「不足」地域は1年、「極めて不足」「離島など」は半年と例示し、「地域偏在の解消に最も実効性がある対策の一つ」と訴えた。

 委員からは「考え方は賛成」などと目立った反対意見はなかったが、実現には「法改正や関係者間のきめ細かい協議が必要と思われる」(尾身氏)。医師不足地域での勤務経験がなくても全額患者負担の自由診療はできるが、国民皆保険の日本では医療費の大部分は保険診療なだけに、論議を呼びそうだ。(寺崎省子)

振り返ればすでに今春の段階で公的な強制力を伴う医師偏在対策の実施が確認されていたと言う事ですが、実際にどのようなものになるのかについては各方面でそれぞれの意見や見解も異なるだけに、そう簡単にまとまることもないだろうと思っていたのですけれども、わざわざ目立った反対意見もなくと書かれるほどスムーズに話がまとまってしまったと言う点に少しばかり驚いています。
医師不足地域での診療実績を何かしらの管理手段として使ってくることはある程度予想出来ていたこととして、今回見ていて気になるのは単なる保健医療機関の責任者になる条件と言うだけに留まらず、保険医登録の条件と言う非常にベーシックな資格要件として話を打ち出してきた点です。
現実的にこれを実施するとなると僻地勤務経験のない開業医の先生方がどれだけ引っかかってくるのかで、まさか診療所をたたんで僻地研修をやり直すと言うわけにもいかないのだと思うのですが、想像するにこの辺りは今後制度実施に当たって制度対象者は今後の医師免許取得者に限る等々、現場医師の既得権益を侵害しない様々な注釈が加わってくるものと想像できますね。

具体的にどの程度の期間をと言うことに関しては今後改めて議論することになるのですが、記事だけから考えても1年と言うのは相当に長い期間であると言え、現在短期間の僻地勤務も行われている初期研修のスケジュールに組み込むのも他領域の研修に差し支えかねないだけにいつどこで僻地勤務を行うのかと言うことが問題になりそうです。
それ以上に事実保険医登録を出来なくなると言うのであれば僻地勤務の終了までの先生方は保険診療が出来ないと言うことになってしまいますが、そもそも医師不足地域と言うことですから来る医者は誰であれ重要な戦力となることが期待されているはずで、そこに保険診療も出来ない半人前以下の医者が来たところでどれほど役に立つのかと言う話ですよね。
この辺りも今後例えば医師免許取得後○年間は仮の保険医登録を認めるだとか、様々な制度的抜け穴が用意されてくることになるのでしょうが、しかし目立った反対意見は出なかったと言っても文字通りこれを実行に移すとなればあまりに諸々の問題が大きすぎる印象で、さてどういった制度設計をすればいいのかと言う実行面での課題が大きいように感じますがどうでしょうか。

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2016年10月10日 (月)

今日のぐり:「さぬきうどん天霧 道上店」

先日発売され「それは反則だろう」と大いに話題を集めていると言うのがこちらの商品です。

カプリコの「上の部分」がまさかの商品化!(2016年8月23日ねとらば)

 江崎グリコは、「カプリコ」の上の部分だけを集めた「カプリコのあたま いちご味」を8月23日に発売します(12粒入り、オープン価格)。

 「カプリコ」は、1970年に発売されたソフトクリームのような形のチョコスナック。コーンの中に、ふわふわのエアインチョコが入っています。

 このカプリコのチョコの部分だけ食べたい! という意見に応えて誕生した「カプリコのあたま いちご味」は、エアインチョコの部分だけをハート型にしたもの。ひとくちサイズのチョコがトレーに並んでおり、「ちょっとだけ間食したい」という時にもぴったりです。

決して新しい商品と言うわけでもないのですが、しかしこれは顧客心理を突いた何とも阿漕なとも反則的とも言えるものでしょうか。
本日は全国のカプリコの上の部分ファンにならって、世界中からそれがまさに欲しかったと言う画期的かつニッチな新商売の数々を取り上げてみましょう。

ポテチつまめるロボット開発(2016年10月6日朝日新聞)

 ロボットが苦手だった「力加減」を、人間と同じように制御できる技術を慶応義塾大理工学部システムデザイン工学科の野崎貴裕助教(29)らのグループが開発、発表した。義手やロボットアームなど様々な形に応用が可能で、すでに製品化の計画も進んでいるという。

 本物の手に似せた5本指の義手グローブを装着したアームが物をつかみ、操作はもう一方のアームで行う。アームの指は二つとも親指と人さし指、中指の3本だけ。グローブを装着したアームが物をつかんだ時の指先の感触を瞬時に数値化し、操作側のアームに伝えるため、操作する人の指に、物をつかんでいないにもかかわらず硬いか軟らかいかなどの感覚が伝わる。
 この技術を可能にしたのは、「リアルハプティクス」と呼ばれる仕組み。野崎助教の師に当たる慶大の大西公平教授らが2011年に特許を取得した。新たに開発された基盤により、物をつかんだ時などのデータを超高速で変換できるようになった。クラウドや記憶媒体にデータを保存すれば、チップを通じていつでもどこでも同じように再現出来るため、自動車の組み立て工場などで同じ動作を求められる時などに役立つ。

 野崎助教によれば、リアルハプティクスの技術開発は、戦後間もなく米国の研究者が取り組み始めたが、長年実現出来なかったという。2000年代になり、慶大医学部から手術時に遠隔操作で治療が可能なロボットの開発要請があったことも、研究が進んだ大きな要因だった。手足が欠損している人の動きを補う「義肢」にも応用出来ないかと、昨年8月からは義手の研究も始めていた。
 従来のロボット制御では、操作側に直接の触覚が伝わらず、力を少し入れただけでも対象物を力強く握りすぎて壊してしまうことが多かったという。

 野崎助教は「データとして記録すれば、高速化や切り貼りなどの編集も出来る。人手不足や手間がかかる現場での作業はこの技術が人間の代わりをしてくれるので、意義は大きいのではないか」と話す。
 産業機器や自動車、建設機械、医療や介護などの分野で企業と共同研究開発が進み、一部は製品化も見据えているほか、ベンチャー企業を立ち上げる準備も進めているという。

それがどれほど画期的な技術であるかは言うまでもなく商品化が待たれるところですが、しかしプレゼンと言うのはやはりビジュアルももう少し重視したいところでしょうかね。
都会暮らしに疲れた方々には特にと言うことなのでしょうか、こういうものが登場したと話題になっています。

部屋面積は5万6000坪! 北海道にオープンした「天井も壁もないホテル」が大自然すぎる(2016年8月25日ねとらば)

 北海道・十勝で、5万6000坪の広大な牧草地にある「天井も壁もないホテル」が登場し、話題となっています。

 北海道帯広にある環境技術研究施設「メムメドウズ」内に、2016年8月~10月までの週末限定で“地球に泊まり 風土を味わう”がコンセプトの大自然一体型宿泊施設「MEMU EARTH HOTEL」がオープンしました。
 中でも目玉なのが、1棟限定の「天井のないホテルプラン」で、草原の真ん中で「壁も天井も一切ない部屋」に泊まれるというもの。

 大自然にベッドだけという、想像を超えるレイアウト。「雨が降ってきたら?」など心配されるかもしれませんが、寝具にはプールサイドなどでも利用できる耐水性に優れたアウトドアベッドが使われ、いざというときのための代替施設も用意されているなど、しっかり対策は講じられているようです。
 料金は1泊2日2食付きで、大人1人4万3200円(税込)。既に夫婦やカップルを中心に予約が集まっていると言い、2人で流れ星の数を数えるのも一興かも知れません。
(略)

画像を見る限り正直あまり快適な夜を過ごせそうだと言う予想が立たないのですが、何事も経験してみると言うことは大切なんでしょうね。
こちら多くの人々に望まれていたものがやっと実用化されたと言う画期的なニュースです。

バキュームカーの臭いをチョコの香りに 4社が共同開発(2016年9月29日朝日新聞)

 紡績大手シキボウ(大阪市)や山本香料(同)など4社は29日、便を回収する衛生車(バキュームカー)から出る不快な臭いをチョコレートのような甘い香りに変える技術を共同開発したと発表した。

 シキボウと山本香料は2011年、悪臭を活用していい香りに変える香料の技術「デオマジック」を開発。おむつやペット用商品などの消臭剤に使われてきたが、ニーズのあった衛生車でも真空ポンプを動かす潤滑油に配合できるようにした。

 潤滑油は、共同開発にも関わった衛生車製造の東邦車輛(横浜市)が10月から販売し、1缶(20リットル)3万5千円の予定。小・中型衛生車で回収作業が約5回できる量だという。全国で回収作業をする事業者に売り込み、16年度は売上高約3億円をめざす。シキボウの担当者は「下水道など、ほかにも悪臭で困っている人は多い。今後も環境改善に貢献したい」と話す。

しかし効果が事実期待出来ると言うことであればこれは大変な技術ですが、そもそも都市部の方々はバキュームカーとは何かを知らないのかも知れませんね。
決して社会的多数派と言うわけではないものの一定の市民権を得ているものとして、その活用範囲が拡がりつつあると言うニュースです。

自動車学校にアイドル「痛車」 若者狙いで企画 佐賀(2016年10月5日朝日新聞)

 佐賀県内で活動するローカルアイドルの写真を、車体いっぱいに描いた「痛車(いたしゃ)」の教習車が、大町(おおまち)町の大町自動車学校に登場した。学校では、人気キャラクターのラッピング車も同時に導入。地域に若者を呼び込む狙いだ。

 「痛車」とは車体に大きくアニメや漫画のキャラクターなどを描き、見ていて気恥ずかしい(痛々しい)ことから呼ばれるようになった俗語。
 導入した痛車は佐賀県内で活動する「ピンキースカイ」や「佐賀乙女みゅー☆スター」をはじめ、九州のローカルアイドルの写真をあしらった教習用の1台。もう1台は、人気キャラクター、初音ミクGTプロジェクトの「SUPER GT 2016」参戦車両である「グッドスマイル初音ミクAMG」を再現。路上教習用として走らせる。

 アニメ「機動戦士ガンダム」を見て育ち、サブカルチャーに興味があった鶴田英司(つるだえいじ)常務取締役(42)が「地域を盛り上げたい」と考え、今春、佐賀市のアニメ制作会社「神風プロダクション」の承山海里(しょうやまかいり)代表取締役(34)に相談。承山さんが「痛車の教習車はどうだろうか」と提案した。インターネット上で資金を募るクラウドファンディングでお金を集めた。

しかし昨今キャラクター画像を使用した教習車も珍しくはありませんから、これくらいであれば意外と違和感はないものなのかと言う気もしますでしょうか。
海外からの話題ですが、一体それは誰得?と言いたくなるような画期的計画が進められているそうです。

尿からビール醸造! ベルギーの科学者が大胆プロジェクト (2016年7月31日ニュースイッチ)

 おしっこからビールを作ろうー。かつてはやった健康法ではなく、ベルギーのゲント大学の科学者らがこんな研究テーマに真面目に取り組んでいる。これまでより小さなエネルギーで尿や排水をろ過できる新開発の浄水装置を使うもので、尿から回収した飲料水でビールを醸造することから、「スーワー・トゥー・ブルワー(sewer to brewer=下水道からビール醸造所へ)」プロジェクトと呼んでいる。

 ロイターの報道によれば、この装置は膜蒸留という手法を使い、タンクに貯めた尿を太陽電池による電力で加熱し、膜を通過させて浄水する。海水から飲料水を作る脱塩浄水装置などはかなりのエネルギーを必要とするが、新開発の膜を採用したこの浄水装置は省エネなのが特徴という。

 しかも飲料水のほか、尿に含まれるカリウム、窒素、リンを分離・回収し、化学肥料の原料に再利用できるとしている。太陽電池を使っているため、電力網も水源もない途上国の辺鄙な場所で飲料水と肥料の原料まで作り出すことが可能になる。先進国でも、スポーツ会場や空港などに大型の装置を設置し、長期間使えるものと科学者らは考えている。

 実際、ゲント市内で7月に開かれた10日間の音楽フェスティバルにこの装置を持ち込み、仮設トイレから尿を直接回収することで約1000リットルの飲料水を作ることに成功。次はこの水を使っておいしいベルギービールを作ることになるという。

技術的にはまさに宇宙ででも使えそうな大変重要なものだと思うのですが、しかしその発想の出発点と終着点がどこに由来するものなのかは興味深いですね。
最後に取り上げますのはご存知ブリからのニュースですが、今後ますます発展するだろう技術的進歩を検証するものだと言うことです。

セックス用ロボットの是非を科学者らが議論 英国でカンファレンスが開幕(2016年9月12日ITmedia ニュース)

[AP通信] セックスロボットは是か非か――。英国で開催中のカンファレンスでは、科学者や学者がまさにそうしたテーマについて議論している。このカンファレンスでは他にも、デジタルな愛情行為やFacebookユーザーの高年齢化など、現代ならではのさまざまな問題が取り上げられる。

 マンチェスターで9月7日に開幕した「Human Choice & Computers」カンファレンスのテーマは、人間とテクノロジーとの「進化の一途をたどる親密な関係」だ。

 ノルウェーのオスロ大学のチャールズ・エス教授は、いずれ機械人形などのソーシャルロボットが「要望に応じて良質なセックスを提供できるようになる」と指摘する。ただし、「人間に尽くす機械と同一の存在にならないためには、私たち人間は人間としての徳を養う必要がある」という。

 セックスロボットに反対するキャンペーンを主導する英デモントフォート大学上席研究員のキャスリーン・リチャードソン博士は、ニュース専門局Sky Newsのインタビューに応じ、セックスロボットを使うことで人々が「複雑な要求」を無生物で満たそうとするようになれば「人間の孤独を増大させることになる」と警告している。

何がどのようなものを複雑な要求だと主張しているのかが判らないところですが、しかし中世もそうであったようにキリスト教文化圏ではこの種の議論が好きな土壌があるのでしょうかね。
日本社会などはこうした面ではいささか自由過ぎるきらいもありますが、彼らの考えるところの正しい機能を備えたロボットなるものも一度見て見たい気はします。

今日のぐり:「さぬきうどん天霧 道上店」

こちら中国地方を中心に手広く展開されているうどんチェーンで、同グループではラーメン店などもされているようです。
かなり以前に他の店舗を利用させてもらったことがあると記憶しますが、こちらの店舗は今回初めて来てみました。

セットメニューが主体で讃岐うどんをうたう店とは思えないきらびやかなメニューですが、それでも単品メニューとしてはかけが300円からですからまあ妥当でしょうか。
今回は珍しそうなタコかき揚げ丼セットを冷たいぶっかけうどんに変更して頼んで見たのですが、備後地区はタコが名物と言う地域でもありますよね。
タコかき揚げ丼は近隣の瀬戸田地区名物のいわゆるタコ天丼ではなく、タコも入ったかき揚げ天丼と言うものですが、これが何とも油ぎっていて正直食べるのがつらいほどでした。
肝心のうどんの方はちょっとさみしい内容と言うのでしょうか、色艶はまずまずですが過剰に硬くガミーな食感で、それなりに辛口の汁とはうまく絡んでくれません。
今回はちょっと残念な内容と言うしかないのですが、それでも意外とお客さんが入っているのを見るとメニューの選択次第と言うことなんでしょうかね?

接遇面ではこの種のチェーン店の標準と言ったところですが、トイレなども設備は並ですが全体に薄汚れた感じが気になるなど、少し店舗の老朽化も見え隠れしていますね。
しかし昨今はセルフ方式の安いうどん店が主流で、この種の昔ながらのうどんチェーンはあまり見かけなくなった気がします。

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2016年10月 9日 (日)

今日のぐり:「稲美 岡山青江店」

数々の伝説を残してきたあの国で、先日こんなびっくりするようなニュースが報じられていました。

ジンバブエ:米ドルと等価の新銀行券を発行(2016年09月16日毎日新聞)

アフリカ南部ジンバブエの中央銀行総裁は15日、国内の外貨不足を解消するため、10月から米ドルと等価の銀行券を発行すると明らかにした。AFP通信などが伝えた。

 同国では2008年に年2億%もの超インフレを経験し、翌年から米ドルなどの外貨流通を解禁。無価値となった自国通貨を昨年、正式に廃止した。

 慢性的な貿易赤字から米ドル不足に陥り、ここ数カ月は公務員の給料が払えないほど政府財政が悪化していた。埋め合わせに銀行券を刷ることで、超インフレの再来を招くことが懸念されている。

ああなるほど、ドル不足だから等価交換の紙幣を刷ってしまえばいいのだと、何とも素晴らしすぎる画期的アイデアですよね…
今日は米ドル相当品には今後不自由しなくなるだろうジンバブエ国民に哀悼の意を表して、世界中からそれは少し無理筋だったので…はと思えるニュースを紹介してみましょう。

遺体遺棄の女に有罪判決 相模原の事件で東京地裁(2016年9月6日日本経済新聞)

 相模原市で昨年6月、阿部由香利さん(当時25)の遺体が見つかった事件で、死体遺棄罪に問われた農業、秋山智咲被告(24)の判決公判が6日、東京地裁で開かれた。鈴木巧裁判長は懲役1年、執行猶予3年(求刑懲役1年)を言い渡した。被告は「犬だと思った」と無罪を主張したが、「不可解な弁解で、到底信用できない」と退けた。被告は即日控訴した。

 鈴木裁判長は判決理由で、秋山被告が警察に虚偽の説明をして遺体を隠そうとした点や、約1カ月間自宅に保管していた点を検討。「少なくとも人の遺体であるかもしれないと認識していた」と指摘した。
 秋山被告は、当時交際していた佐藤一麿被告(30)の指示でシートに包まれたものを運んで捨てたことを認める一方、「中身は犬の死骸だと思っており、人の遺体とは全く思わなかった」と主張していた。

 判決によると、秋山被告は2013年7月、佐藤被告と共謀し、阿部さんの遺体を相模原市緑区の墓地に埋めた。佐藤被告は死体遺棄罪で有罪確定後、殺人罪でも起訴された。
 事件では今年8月、行方不明になっている阿部さんの長男のものとみられる骨や歯などが川崎市内の畑から見つかったことが判明。警視庁が捜査を続けている。
 秋山被告は阿部さんに対する殺人ほう助容疑でも逮捕されたが、東京地検は嫌疑不十分で不起訴処分とした。

ネット上では涙ながらに語ったと言うこの「犬だと思った」なる弁解が何故か大受けだったようですが、そうですか犬だと思ったのであれば仕方ないですよね(棒
昨今ではふるさと納税制度でびっくりするようなお返しが各地で話題ですが、こちらまさかそんな返礼がと話題になっていました。

佐那河内村ふるさと納税 返礼に出前阿波踊り(2016年10月6日徳島新聞)

 佐那河内村は、ふるさと納税制度を使った寄付の返礼品に、地元の「佐那河内すだち連」による阿波踊りを加えた。寄付してくれた人の元に連員35人が出向いて踊りを披露するとともに、村や特産のスダチの魅力を直接伝える。県内外の自治体がふるさと納税の寄付金獲得に知恵を絞る中、ユニークな取り組みとして注目を集めそうだ。

 阿波踊りが返礼の対象になる寄付額は、寄付者の住居地によって異なり、県内は20万円、中国・近畿は250万円、関東は450万円などとなっている。連員が出向くための交通費は村が負担する。
 村への2015年度のふるさと納税制度による寄付は18件、247万5千円。村は寄付を増やすため、16年度から民間が運営するインターネットのふるさと納税サイトに参加したり返礼品の充実を図ったりと、取り組みの強化に乗り出した。

 村は、スダチや季節の農産物といった返礼品を充実させるため、村内の事業者らから商品を公募。佐那河内すだち連が阿波踊りを提案し、採用された。
 佐那河内すだち連は1985年に結成され、現在、村在住者や出身者ら4~78歳の約70人が所属。納涼夏まつり、あじさいまつりなどの村の行事や、徳島市の阿波踊りに踊り込んでいる。2015年8月には村の魅力や特産のスダチをPRする「佐那河内村・すだち宣伝隊」に任命された。
 山田真也連長(43)=同村下、建築業=は「スダチや阿波踊りをもっと広めたい。有名連とは一味違う、和気あいあいとした佐那河内らしい雰囲気も楽しんでもらいたい」と、返礼できるのを心待ちにしている。

いやもう、どこから突っ込んで良いものやら迷うような画期的アイデアなんですが、しかしせっかくですからすだち連の方々の出番があると良いですよね…
インスタントラーメンを開発した某食品メーカー創業者は毎日昼食にインスタントラーメンを食べ生涯現役だったそうですが、こちら幾ら何でも限度があるだろうと言うニュースです。

10年間毎日ラーメン30杯食べ続けた男 動けなくなり20人がかりで救出(2016年09月28日東京スポーツ)

 10年間、毎日ラーメンを30杯食べていたというマレーシアの男性が、太りすぎて動けなくなり、20人がかりで大型トラックに乗せられて、病院に搬送されたという珍事が起きた。

 マレーシアのシブに住むシア・チエ・ハーンさん(33)は毎日ラーメン30杯のほか、ミルクシェークやアイスクリームを食べまくり、体重がおよそ320キロに増えてしまった。そのためここ最近、動けない状態となり、胸の痛みを訴えて4日間寝たきりになっていた。
 9月20日に救急隊員が駆け付けたが、シアさんがあまりにデブで救急車にはとても乗れないために、20人がかりで5トントラックに乗せることになった。

 サラワク州当局は「緊急要請を受けてから1時間後に現場に到着したが、男性は居間で横たわり身動きできない状況だった。救急車には収まりきらないため、急きょ5トン車を要請し、分厚い布と木の板を利用して彼をトラックに乗せた。作業には30分以上かかった。こういったケースは非常にまれ。重い人を動かすのは難しく、我々は最善を尽くすだけだった」と明かした。
 トラックは20日の午後1時に病院に到着。シアさんは腫れ上がった脚の治療を受け、現在は医師の監視下で療養中だ。

 シアさんの母は「デブでも以前は歩行器を使いながらゆっくりと動き回れた。でもこの3、4日で体調が崩れて寝たきりになってしまった」と話した。
 また、シアさんの友人アフィク・マヤンさんは「彼はいいヤツだ。テレビでスポーツ観戦するのが趣味だ。だが食べ物になると彼は弱い。みんな彼の早期回復を願っているよ」と語った。

 

しかし幾ら好物だったにしても毎日30杯はむしろ苦行ではないかと思うのですが、さすがにここまでやれば体には悪かったと言うことなんですかね。
世の中大抵のものには使用期限と言うものが設定されていますが、こちらその理由がよく判ったと話題になっていたニュースです。

使用期限切れの防弾チョッキで試し撃ちした男性が死亡(米)(2016年09月16日テックインサイト)

防弾チョッキには使用期限があるというのをご存知だろうか。水、光、熱により性能が落ちるため、使用期限が切れた防弾チョッキを着る場合は命のリスクを伴い、あくまでも自己責任となる。このほど、古い防弾チョッキが銃弾に耐えられるかどうかを愚かな方法で試してしまった男性が死亡するという事故が、米フロリダ州のタンパ市で起こった。

撃たれて亡くなったのは、ホアキン・メンデスさん(Joaquin Mendez)という男性だ。彼は今月10日、古くなった防弾チョッキを着て、24歳のいとこであるアレクサンドロ・ガリバルディ(Alexandro Garibaldi)に「どうなるか見てみよう」と言い銃の引き金を引かせた。
警察によると、胸を撃たれたメンデスさんは家の外に倒れていたという。メンデスさんは病院へ搬送されたが死亡した。彼が着ていた防弾チョッキは家の中にあり、ガリバルディは「銃声がして来てみたら、メンデスが傷つき倒れていた」と最初は警察に説明したが、目撃者によりガリバルディがメンデスさんを撃ったことが発覚し逮捕となった。

長年着ていない服でもクローゼットにしまっているだけで、生地が傷んだり色あせしたりするものだ。通常、「命を守る」防弾チョッキには使用期限のラベルが貼りつけられている。そして使用期限が過ぎたものに関しては、それがきちんと機能するかどうかの保障はない。直射日光下で保管されると耐用年数はぐっと短くなるという。
11日、ガリバルディは保釈金無しの殺人罪で起訴された。命のリスクを冒してまで、試してみたいと思った理由は何だったのだろうか。故人となってしまったメンデスさんにそれを尋ねることはもはやできない。

日本で防弾チョッキを使うこともさほど多くはなかろうでしょうが、家庭の防火金庫なども耐用年数があるそうなのでお気をつけいただくべきかと思いますね。
最後に取り上げましたのは幾ら何でもそれは…と話題になっていたこちらのレポートですが、まずは記事から紹介してみましょう。

腎臓結石はジェットコースターで排出できる? 米研究(2016年9月29日CNN)

(CNN) 腎臓結石は小さいものならジェットコースターに乗って排出できるかもしれない――。米ミシガン州立大学の研究者らがこのほど、そんな研究結果を米整骨医学会誌に発表した。
ジェットコースターに乗って身体を揺さぶられると腎臓も揺さぶられ、結石が器官を通過できることがあるという。

論文を発表したのは同大のデービッド・ウォーティンジャー教授。きっかけはある患者の証言だった。この患者はフロリダ州のウォルト・ディズニー・ワールドにあるジェットコースター「ビッグサンダー・マウンテン」に乗ったところ、3個の結石が出たという。
「どれほどの皮肉屋でもこの手の話は無視しがたい」というウォーティンジャー教授は、早速実験に乗り出す。
人の腎臓を精巧に再現したシリコンモデルを作成して尿と結石を詰め、バックパックに入れて同僚と2人でディズニー・ワールドを訪問。2人の間に腎臓の高さでバックパックをはさんでビッグサンダー・マウンテンに繰り返し乗車した。
その結果、乗車中に結石が移動する様子が確認された。コースターの後部車両に乗った方が結果は良く、約64%の確率で結石が出たという。なお、ディズニーには事前に許可を得た。
もちろん効果はディズニーのコースターにとどまらず、「休暇で遊園地に出かけたら結石が出たという人は何人もいる」と同教授。

最初の論文は20回の乗車経験をもとにまとめたが、その後230回以上も同じ実験を繰り返し、70%近い確率で結石が出ることを確認したとしている。
結石に適度な振動や揺さぶりを与えることで腎臓から膀胱(ぼうこう)への通過が促されると教授らは見ている。
この「ローラーコースター療法」は、結石が小さい場合に効果があるといい、「4ミリ以下の結石であれば手術をしなくても、それほど苦もなく出すことができるはず」と同教授は話している。
これに対し専門家の見解は賛否両論あるようだ。ジョージア州の泌尿器科医師、ジョン・パッタラス氏は、「結石は腎臓の下極にあることが多く、通過するには集合管の真ん中まで上がってこなければいけない」と語り、急激な動きが結石の通過を助けるとの考えに理解を示す。
一方で、ニューヨーク市の泌尿器科医師、エリザベス・カバラー氏は、概念的には理解できるものの、どの程度治療に役立つかわからず、またやや極端な療法に思えるため、実際に患者に勧めることはないと語った。

確かにそういうことも起こるのかとも思うのですが、こうなるとジェットコースターの搭乗頻度と結石の保有率との関係を調べて見たくなりますよね。
同教授の画期的な研究成果は今後の検証が必要ですが、実用化には未だ大きな困難が伴っているのではないかと言う意見も少なからずあるようです。

今日のぐり:「稲美 岡山青江店」

岡山市街地の一画に位置するこちらのお店、国産牛しゃぶしゃぶと鶏料理の看板を掲げていますが、メインはしゃぶしゃぶを中心とする食べ放題のコースです。
しかしひと頃数が多かった焼肉食べ放題と入れ替わりのように昨今しゃぶしゃぶや鍋の食べ放題が増えているのですが、こういうところに日本人の草食化が反映されているのですかね?

ひとまずメインのしゃぶしゃぶはスープが二種類選べるようになっていて、今回は鶏白湯と昆布だしを選んでみました。
なんちゃって和牛などと偽らず国産牛と銘打っている点は好感が持てますが、牛肉など種類は豊富な具材の方はまあそれなりと言うところで、あっさり目の出汁でくったりと煮えたネギが一番だった気がします。
こちらの場合比較的サイドメニューの種類が多いことも売りになっているのですが、秋刀魚竜田揚げ南蛮仕立てなるものは妙に生臭くてこれでは揚げてる意味がないのではとも感じました。
一方でメインメニューの一画とも言える鶏唐はまあ普通、揚げ茄子も茄子に香ばしさはないんですがが味自体はあっさりで悪くありません。
総じてどの料理ももう二つか三つと言う感じで正直食べ放題でなければご遠慮したいものですが、締めに頼んだ杏仁豆腐もちょっと硬めで思ったほど胃には優しくはなさそうです。

接遇麺ではさほどのことはないのですが、この種の店にしては比較的レスポンスは早いのは良いところでしょうか、やはり時間制限を設けている以上待ち時間の方が長いようだと気になりますよね。
もっともレスポンスがいいと言うのも全体にお客の入りが今ひとつだからと言うこともあるのかも知れませんが、広いお店だけに多少賑やかにしても周囲の迷惑にならないのは助かります。

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2016年10月 8日 (土)

秋の運動会シーズンに発生した斜め上な事件

本日の話題に入る前に、ちょうど秋の運動会シーズンですが、このところ悪い話題になることが多かったあれが少しばかり様変わりしているようだと言うニュースが出ていました。

組み体操、難易度より見栄え 小学校運動会に変化(2016年9月30日神戸新聞)

 相次ぐけがや事故が問題となった運動会の組み体操。今春からピラミッドやタワーに段数制限が設けられた神戸市内では、高さや技の難易度に挑むより見栄えの美しさにこだわる小学校が増えつつある。神戸では1日に運動会を予定している小学校が集中。各校は音楽に合わせたり、隊形を工夫したりしながら“花形演技”に取り組んでいる。

 「指先っ。待ちの姿勢!」。9月下旬、御影小(東灘区)の運動場に教員の声が響くと、6年生約120人の動きが、きれいにそろった。本番は目前。練習に熱がこもる。
 7月、どんな内容にするかを児童で話し合った。折しも、リオデジャネイロ五輪の開幕直前。体操男子の内村航平選手が難易度だけでなく「美しい体操」を目指していることを知った子どもたちは、目標を「ビシッとかっこよく、美しい組み体操」に決めた。
 同校は昨年、3段のピラミッドやタワーを行ったが、今年はタワーをなくした。ピラミッドは、正面から見れば同じ3段だが、積み重ならない形に変更。瞬時に組み上げることができるため「クイックピラミッド」と呼ばれる。
 2人技の「倒立」や「サボテン」もやめた。代わりに放射状に広がって座り、音楽に合わせて倒れたり起き上がったりする「ドミノ」や、円を描き手をつないで順にうねりを出す「ウエーブ」を取り入れ、全員で作り上げることにこだわった。田中秀典校長は「大技でなくとも、全員の動きがそろえば美しい。これも組み体操の良さの一つ」と話す。
 難しい技に挑戦した先輩の姿に憧れる児童もおり、難易度を落とすと、意欲の低下へとつながりかねず、学校現場では模索が続く。若草小(須磨区)は立体ピラミッドをやめ、放射状に並ぶことで奥行きを表すなど、見た目にこだわり「今までの組み体操を超えよう」と一致団結。神出小(西区)では、教師が「心を一つに、指先など細かいところに気を遣おう。簡単になったわけじゃないよ」と呼び掛けている。

 神戸市以外でも同様の傾向は広がっている。豊岡市教委は5月、「高さや大きさより、技の美しさや協調など、子どもが意識して取り組むことで達成感を味わえることを重視するように」との方針を示した。姫路市内でも高さより四方から見た時のボリューム感や腕の上げ方などにこだわる学校が増えているという。

このクイックピラミッド別名ポップアップピラミッドなるもの、どういうものかはこちらの図こちらの動画を参照頂ければと思うのですが、従来の積み上げる静的なピラミッドよりも動きを重視したもので「ビシッとかっこよく」形は整いやすいのではないかと言う気がしますし、当然ながら安全性は比較にならないですよね。
以前にも当「ぐり研」で取り上げたようにこのところ組体操の事故が全国的に問題視され対策が急がれている一方で、人体を用いて高層建築を組み上げると言う行為に未だ根強い執着を抱いている方々も一定数いらっしゃるようで、各地で行政による規制導入が図られていると言うこと自体がその執着の強さを物語っているとも言えます。
ただこうした執着心はいたずらに高難易度の技を追求していると批判を受けた教師の側のみが抱いているものではなく、運動会と言うものに対する地域住民からの根強い期待が背景にあると言いますが、実際運動会というイベントが一部の方々にとってはどれほど重要な位置づけなのかと改めて思い知ったと話題になっているのが先日発生したこちらのびっくり事件です。

「もう1回運動会やれ」校長に包丁突き付ける 容疑の夫婦を逮捕 子供が運動会に出られず?(2016年10月5日産経新聞)

 茨城県警日立署は4日、暴力行為等処罰法違反の容疑で、茨城県日立市南高野町の無職、生天目(なばため)利明容疑者(50)と妻で無職の由貴子容疑者(49)を逮捕した。

 逮捕容疑は2日、自宅を訪れた、子供が通う同市内の学校の校長と教員2人に、包丁を突き付けて「運動会をもう1回やれ」などと脅迫したとしている。利明容疑者は「やっていない」と容疑を否認、由貴子容疑者は「間違いありません」と容疑を認めている。

 同署によると、両容疑者は子供が通う学校に対し、2日に行われた運動会を「延期しろ」と複数回にわたって要求していたという。

 同署は動機を調べているが、何らかの理由で子供が2日の運動会に出られないため、「延期しろ」と要求したが、聞き入れられなかったことから、「もう1回やれ」と脅迫した可能性があるという。

それはまあ普通は聞き入れられることのないだろう要求だとは思うのですが、運動会に参加できないことを当事者である子供が残念に思うと言うことまでは判るにしても、親が刃物まで持ち出して無理難題を要求すると言うのはよほど運動会と言うものが重要なイベントだったと言うことでしょうね。
一体どのような背景事情があったのか様々な憶測が飛び交っていますが、小学校であれば卒業までに最低6回は運動会に参加することになるのですから一回くらい参加できなくともいいじゃないかと言う声がある一方で、近年ではカメラを回す保護者のマナーがたびたび問題になったり、観覧席に一面テントが立ち並んでいることが話題になるなど、運動会そのものの位置づけや楽しみ方も変わってきているようです。
こうした変化に対して組体操くらいは昔ながらの伝統を守って欲しいと言う考え方もあれば、運動会の内容も時代の変化に応じて変わっていくべきだと言う考え方もあるだろうと思うのですが、過激化していった結果社会問題化してしまった組体操などもそうですが、子供のイベントに大人があまり前に出すぎるのも大人げないと言うことなのかなとも感じます。

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2016年10月 7日 (金)

今どきの若い者だから起こる現象ではなかったかも知れない変化

大学医局の支配から離れ研修医の権利を重視する新臨床研修制度導入からなのか、それともいわゆるゆとり世代の進出の影響なのかは諸説あるところだと思いますが、このところ若手医師の気質の変化を指摘する先輩医師の声がすっかり定着した感があります。
はるか昔から繰り返されてきた「俺達の若い頃は」式の年長者の繰り言が今の時代の医療業界にも厳然として存在しているだけだと言う可能性ももちろんあるのですが、先日は医学部学生の意識変化に関するこんな興味深い記事が出ていたことを紹介してみましょう。

滅私奉公なんてクールじゃない 効率最優先のイマドキ医学生(2016年9月29日AERA)

(略)
 では、医学生が勉強一辺倒かというと違うようだ。部活やサークルの所属者が9割近く、アルバイトをする学生も5割超いる。医学部に入る勉強を始めたのは、8割超が高校生以降だ。前出のAさんも、高校時代は野球部の部活や文化祭を思う存分楽しんだ。大学でも野球部に入り、現在は研究室での活動に熱中している。
 そうした背景からか、将来は仕事と私生活のバランスを重視する層も多い。今回の調査でも私生活重視型がやや勝り、希望する診療科を聞くと、人気、不人気にくっきり表れた
 1番人気は小児科。現役医師アンケートで将来性が低いとされた科だけに意外だが、「子どもを助けたい」といった、熱い思いが目立った。人を包括的に診るとして、国が進める総合診療医の人気も高かった
 最も敬遠されたのは外科。「体力的にハード」(宮崎大6年)、「腰痛持ちには立ちっぱなしはつらい」(埼玉医科大6年)などの声があがった。

 そんな彼らは、人生設計でも現実的だ。ある都内私大に通う5年生の女性Bさん(23)は、周囲の医学生カップルが別れのラッシュを迎えている。
「付き合っていれば結婚が視野に入るし、先がないなら別れる。卒業や初期研修を待たず、5、6年生で結婚して、出産する人もいます」
 別れるのも、早々に結婚や出産を選ぶのも、これからのキャリアを見据えるがゆえだ。
 地方私大の5年生女性Cさん(23)は、温かい家庭を築きたいから、安定した職業として医師を選択した。卒業後はまず結婚し、子育てをしてから、3、4年後に初期研修をと考えている。
バリバリ働きたい人は、私のまわりではまれ。結婚して子どもがほしいという人が多い」
 医学生の多くは目標に対し、合理的に考える傾向があるようだ。
(略)
 医学生の将来を大きく左右するのが、卒業後の研修をどこで受けるか。その選び方にも、今どきの医学生像が透けて見える。
 神戸大学医学部6年生の永江真也さん(23)はこの夏、研修先に仙台厚生病院を選んだ。地方の拠点病院とはいえ、地元でもない東北をなぜ選んだのか。
 永江さんは実は当初、東京での研修を考えていた。診療科がそろう都内の総合病院を2、3カ所ピックアップしていたという。患者も多く、バランスよく研修を受けられると思っていたからだ。
 しかし、先輩医師に相談すると、「有名病院だから、経験を積めるとは限らないよ」。

 そこで、日本内科学会の「教育病院・大学病院年報」を使い、内科医1人当たりの年間受け持ち患者数と、年間救急入院患者受け入れ数を自分で計算してみた。
「驚きました。研修先として人気の有名病院が、必ずしも受け持ち患者数や救急患者数が多いわけではなかったからです」
 例えば、東京の国立国際医療研究センター病院は受け持ち患者数は150人足らず、救急患者数が二十数人。一方、仙台厚生病院や千葉県の民間総合病院などは受け持ち患者数がともに300人以上、救急患者も数倍、受け入れていた。
 できるだけ経験を積みたいと考えていた永江さんは結局、仙台の地を選んだ。「将来は消化器内科に進み、胃カメラの技術を身につけたい」と話す。

 以前は、学んだ大学の病院や系列病院での研修が一般的だったが、2004年に制度が変わり、医学生は希望する研修先を病院側とマッチングして選べるようになっている。
 アンケート結果では、研修先の病院を選ぶ基準は、「研修に力を入れている」が39%を占め、「忙しく、経験を積める」(20%)、「忙しくなく、ゆとりがある」(15%)と続いた。
 病院により専門分野や得意分野は異なる。学生間での研修先の人気は、研修医らの口コミによるところも大きかったが、「積める経験」の根拠を精査して進路を決める医学生が増えそうだ。

しかし永江さんなどのケースもそうですが、今どきの学生や若手の先生は自分の将来に関して実に真剣に情報を集め検討していると感心するばかりで、とりあえず先輩後輩の伝手を頼りに適当な医局に所属し、「先生来月から○○病院行って」式の研修生活と言うのは完全に過去の遺物になったと言うことでしょうかね。
希望する進路として総合診療科が2位と言うのが何とも時代を反映している一方で、やはり外科系が忌避されていると言う現実も見えてくると言うのが面白いと思うのですが、記事を読んでいて非常に興味深く思ったのが末尾にあるように多忙であるからこそ選択すると言う声もあれば、多忙でアルカラこそ忌避すると言う声も決して少なくないと言う、言わば両極端の意見が混在している点です。
この辺りは一昔前までであれば医局に所属し同学年横並びで研修を受け、順次経験を積んで専門医等の資格を取得していく中では、やはりどうしても同期や先輩後輩と我が身を比べての競争意識が自然発生しやすかったのだと思いますが、今は臨床研修のスタイルも変わって卒後何年ならこれくらいと言うことがなかなか単純に言い切れなくなっているように思いますね。
もちろん末は大学教授を目指すと言った明確な目標があれば別でしょうが、総合診療科がこれだけ支持される状況を見ても幅広く様々な経験を積んでいきたいと言う需要が相当あるのだろうと思われ、以前のように卒後何年目ならこの辺りの仕事をと言う単純な一次元的話ではなくなってきているのかも知れません。

ただこうした学生や若手の意識変化が彼らの世代だけの特性なのかと言えば実のところ必ずしもそうではないだろうとも思うのですが、より年長の世代であっても急性期の病院を転々とし専門的技能や資格を取得していくと言った「ごく普通」のコースを辿らず、全く別の道に転じていく人と言うのは以前から少なからずいたわけです。
ただ昔は急性期を辞めて慢性期に転じたとなればドロップアウトなどと言われ、医師としてのキャリアを捨てて楽をする道に走ったように言われていたものですが、激務の急性期で勤務していてもしんどい、もう辞めたいとこぼしていたり、場合によっては過労死や体調を崩すと言った先生方も決して珍しくはなかったのですから、潜在的な需要としては決して少数派に留まるものではなかったんだろうと思いますね。
勤務医は忙しいから開業しましたと言えば何か情けないことをしたようにも聞こえますが、市中のかかりつけ医として活躍するとか総合診療医として全人的医療を行うと言えば需要もあれば時代の流れにも乗っていると言うもので、人それぞれの希望や適正に応じた医療人としての生き方がより自由に選べるようになったと考えると悪くない時代だと言えるのではないでしょうかね。

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2016年10月 6日 (木)

増え続ける高齢者をいつどこで誰が看取るのか

本日まずは先日こんな記事が出ていたことを紹介してみましょう。

2030年には47万人が「死に場所難民」に! 病院でも家でも死ねない人が続出〈2016年9月20日dot.〉

2025年問題」という言葉を知っているだろうか。団塊世代がすべて75歳以上になり、医療・介護の提供体制が追いつかなくなる問題だ。遠い未来のように感じるかもしれないが、2020年の東京五輪から、たった5年後のことなのだ。
(略)
「2025年問題」には、社会保障費のさらなる膨張と、医療・介護の人材不足という大きな2つの問題が横たわる。今は75%の人が病院で亡くなっているが、これだけ高齢者が増えると、病院のベッドだけでは圧倒的に足りなくなる。ならば「自宅で最期を迎えたい」と望んだとしても、今のままでは在宅医や訪問看護師、訪問介護ヘルパーの数は、足りない
 だが、行政や医療関係者の動きは鈍い。対策をとろうと国や自治体、医師会などが本格的に動き出したのは、わずか数年前だ。国は、「住み慣れた地域で最期まで」をスローガンに、在宅医療・介護の充実を軸にした「地域包括ケアシステム」の構築を急いでいる。

 神奈川県横須賀市は、その中でも比較的早い、2011年度から市や医師会が中心になり「在宅療養連携会議」を立ち上げ、対策を議論してきた。地域を4ブロックに分け、拠点病院を中心に在宅医を増やすための取り組みをしたり、市民に在宅医療に関する「出前講座」を開いたりしてきた。厚生労働省の担当者も「行政、医師会、病院が一体となり在宅医療の対策を進めるのは珍しく、今後のモデルケースになる」と評価する。
 ただ、こうした「先進的な自治体」は、どちらかというと少数派だ。関東のある地方都市のベテラン在宅医は、こう愚痴をこぼす。「地方都市では、いまだに高齢化問題への対応より、ハコモノ開発のほうに予算がかけられてしまう。役所幹部や議員、医師会の意識は、低い」。こうした自治体間、地域間の意識の差をどう縮めていくかが大きな課題といえる。

 一方で、「希望の光」も見えている。こうした超高齢社会の近未来図に危機感を抱き、行動をする「熱い人たち」の存在だ。横浜市では、在宅医と介護施設のケアマネが協力し、施設での看取りを実現させた。他にも、口から食べられなくなった高齢者にとろみをつけたお酒やおつまみを提供する「介護スナック」を始めた「三鷹の嚥下と栄養を考える会」、地域のキーパーソンや医師・看護師を中心に、様々なイベントや勉強会でゆるくつながっている埼玉県幸手市、認知症の高齢者を地域ぐるみで見守る福岡県大牟田市……。各地域で、2025年問題に立ち向かおうとする「芽」が出始めている。
(略)

介護スナックと言うのはまたびっくりするようなアイデアですが、ひと頃話題になった身障者の性欲処理の問題などと同様に嚥下機能が落ちたからと言って飲酒への欲求も落ちると言うわけでは必ずしもないはずですから、言われてみればこうした需要も掘り起こせば幾らでもあるのかも知れませんね。
先日は在宅医療サービス提供の中で自宅看取りを推進している川越厚先生の「「おひとりさま」は自宅で死ぬことが可能なのか?」と言う記事を興味深く拝見したのですが、各種スタッフが入れ替わり立ち替わり毎日訪問することで在宅看取りは可能であると言われればその通りなのですが、逆に言えばその程度でいいと言うコンセンサスがあるからこそ出来ることだとも言えると思います。
独居高齢者が増えてくる今後の日本で昔ながらの家族親族一同に看取られながらと言うスタイルも非現実的ですが、誰にも看取られることなく亡くなり翌朝発見されると言うことで構わないのか?と言われると、国民の中でどれだけの人々がそれでも構わない、最後は静かに自宅で死にたいと言えるのかと言う点には興味がありますね。
いずれにせよ国としては在宅看取り推進をうたい、ともかく病院から外に出そうと様々な手段を尽くしている中で、今さら亡くなりそうになったら救急車を呼ぶと言うスタイルは財政上の制約のみならず医療リソース逼迫と言う観点からも推奨されないのは確かでしょうが、こうした諸点を勘案してか先日こんなニュースが出ていました。

特養のみとり充実を後押し 厚労省、介護報酬改定で(2016年10月3日共同通信)

 厚生労働省は30日、終末期のみとりに備えた態勢を充実させた特別養護老人ホーム(特養)の事業者に介護報酬の加算を手厚くする検討を始めた。2018年度の報酬改定に向け、議論を進める。同日の社会保障審議会の部会で提案した。

 厚労省はみとりに力を入れる特養に報酬を加算する仕組みを既に設けており、15年度の報酬改定でも内容を充実させた。だが、昨年4月から特養の新規入所を原則、要介護3以上の人に限定したことから、重度者の増加に備えて態勢を強化する必要があると判断した。

 人手が手薄な夜間・緊急時の医療など、報酬加算の具体的な条件は今後検討する。
(略)

高齢化がますます進行する中で、特養に限らず各種介護施設での看取りが今まで以上に推進されるべきだろうし、自宅は無理だが病院にまではと言う多くの高齢者やその家族にとっても妥当な落としどころではないかと思うのですが、さて実際の現場における問題点として何が予想されるのかです。
入所中の末期高齢者がしんどそうだから救急車を呼んだと言う話であれば予めきちんと関係者間のコンセンサスを形成し投薬等を工夫するなりして対応可能かも知れませんが、もう一つの問題点として日本では人が死んだと言う宣告が出来るのは医師だけであり、多くの介護施設では24時間365日いつでも急に医師を呼べるかと言えば呼べないだろうと言う点が問題ですよね。
入所者の状態が悪く家族を呼んだ、皆が揃ったところで夜中に亡くなったと言う場合、どこからか医師を呼んで確認してもらうことが出来なければ翌朝までそのまま放置しておくと言うのもいささか間の抜けた話で、この辺りは単に看取り確認目的の医師呼び出しに手厚い報酬を用意すると言うだけではなく、何かしら抜本的な制度面での工夫も必要になってくる気がします。
ちょうどこの夏には国が医師による対面での診察がなくても死亡診断書交付が出来るようにする方針だと報じられていて、これは法医学的教育を受けた看護師が報告するなど一定の条件が必要となりそうですが、明らかに犯罪性のないような場合に関してはもう少し現場の実情に応じた緩和も進めていいのではないかとも感じます。

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2016年10月 5日 (水)

院内での予期しない死亡の結末

昨今は病院内での物騒な事件が報じられていますが、本日まずは事件とも事故とも言えるこんなニュースが出ていたことを紹介してみましょう。

患者転倒し死亡 別の患者逮捕(2016年9月20日NHK)

19日秋田市の精神科の病院で、入院患者の男性を転倒させて大けがを負わせたとして別の入院中の男が傷害の疑いで逮捕されました。
男性はその後死亡し、警察が詳しいいきさつを調べています。

19日午前5時半すぎ、秋田市内の精神科の病院で、入院中の50代の男性が転倒して頭を強く打ち、意識不明の重体となりました。
病院からの通報を受け、警察が調べたところ、入院中の20代の男が男性に足をかけて転ばせた疑いがあることがわかり、警察はこの男を傷害の疑いで逮捕しました。
重体となった男性は、別の病院で手当てを受けましたが、夜になって死亡しました。

警察によりますと、逮捕された男は調べに対し、男性を転倒させたと認めているということです。
警察は、詳しいいきさつを調べるとともに、男に刑事責任の能力があるかどうかについても調べています。

警察が絡んでいるとなると当然ながら刑事事件となる可能性もあるのだと思いますが、病状についてははっきりしていないものの精神科病院内での事件と言う点がひっかかるところで、仮に措置入院などであったなら社会的責任を問えないから入院させているのではと考えると、起訴して刑事責任を問えるものなのかです。
仮に刑事責任が問われないと言う場合民事訴訟に発展する可能性も高そうですが、この場合は相手患者に支払い能力もさほどに期待出来ないとなれば病院に対して賠償請求が行われることになりそうで、さてこの場合今後にどのような教訓を得るべきなのか、医療上の有益性や患者の権利との兼ね合いもあってなかなか難しい事件となりそうですね。
先日の院内異物混入事件などもそうですが、事件性があるものの扱いは医療現場としては未だ戸惑いが大きいところであり、そうではなくとも後日紛争化し刑事責任を問われることになるのではと言う懸念は常に念頭にあるかと思いますが、そうした現場の感覚を反映しているように見えるのがちょうど一年前に始まった医療事故調制度の現状です。

現場に戸惑い、届け出低調 責任追及に警戒感も 「医療事故調査制度1年」(2016年9月26日共同通信)

 診療に関連した患者の予期せぬ死亡を対象とする医療事故調査制度の開始から10月1日で1年となる。医療機関が自ら第三者機関へ届け出て、事故原因を究明する取り組み。患者側との信頼構築につながると期待されるが、届け出件数は想定の半分にも満たない。医療側からは「予期せぬ」の判断を巡る戸惑いや、責任追及への警戒感も。狙い通りに機能するには時間を要しそうだ。

 ▽判断に苦慮

 「病院では患者が突然亡くなることもあるが、届け出が必要なケースかどうかの判断が難しい事案が少なくない」。これまで、制度上の院内調査の対象となる事案はないという埼玉県の総合病院。それでも院長は運用に神経をとがらせる。
 制度は、患者の予期せぬ死亡や死産に関し、第三者機関「日本医療安全調査機構」への届け出とともに院内調査の実施を規定。その対象とするかどうかは、当該医療機関の管理者が、死亡リスクなどに関する患者側への事前説明や診療録への記録を確認して判断することになっている。
 機構は制度開始前、年間の届け出は千~2千件とみていたが、今年8月までの11カ月間で356件。当初から懸念された通り「『予期せぬ』の範囲の捉え方に現場が戸惑っている」との見方があり、遺族関係者からは複数の医療団体が別々に指針を示している状況を問題視する声も出ている。
 この総合病院は現在、院内に検討チームを設置。医療事故があった場合の対応に関し、調査委員会の発足や外部委員の招集方法などを定めたマニュアルを作成中という。

 ▽訴訟リスク

 一方で、院長は「もともと医療には不確実性が伴うが、その点の理解がなかなか広がらない」と嘆く。院内調査が遺族側による責任追及のきっかけになるのではないかとの意識が拭えないと本音を明かし、「判断に迷う事案ならば、そもそも届け出はしないという医療機関はあるかもしれない」と話す。
 こうした状況を踏まえ、厚生労働省や機構は、制度の趣旨はあくまで再発防止にある点を周知するため医療機関向けの説明会などで啓発を図っているが、訴訟リスクへの警戒感は根強く、機構の関係者からは「理解が浸透するにはまだ時間がかかる」との声が上がる。

 ▽見直し

 厚労省は6月、制度を定めた医療法の関係省令を改正。医師会などで構成する連絡協議会を各都道府県に一つずつ設置すると決めた。現場の相談窓口を統一し、死亡事案に関する情報を共有することで届け出判断のばらつきを防ぐ狙いだ。
 ただ機構によると、制度に基づく協議会が既につくられているのは全都道府県の半数程度とみられる。設置時期や運用は各地域に任されているため進捗(しんちょく)状況は地域ごとに異なり、本格的に機能するのはこれからだ。
 厚労省の検討部会で委員を務めた認定NPO法人ささえあい医療人権センターCOMLの山口育子(やまぐち・いくこ)理事長は「届け出が必要なのに医療機関が独自に『必要ない』とし、患者側も制度の内容を深く知らずに声を上げないケースがある。国民全体の理解を深めていく必要がある」。調査結果に関する報告書の交付義務がない点などに遺族らは不満を示しており「1年たって何が足りないか見えてきた。今後も状況に合わせて見直していくべきだ」と話す。

この医療事故調査制度、患者や国民の感覚からは後々紛争化しそうな可能性のある症例こそ届け出て調査をすべきではないかと言う感覚があるかと思うのですが、今回記事を読んで注目すべきところとして現場の感覚ではむしろ逆で、面倒なことになりそうな症例はなるべく届け出しない方向で対応しているらしいと言うことです。
その最大の理由としてはやはり調査に届け出ること自体が通常ではないことが起こっていたのだと受け止められ、本来起こらなかったはずの紛争化に至るリスクがあると言う点もありますし、何よりも事故調の調査結果を基にして後々刑事や民事での責任を問われるのではないかと言うことへの不安が大きいと言うことでしょうね。
訴訟リスクに関しては患者側は従来から調査結果の公開を望んでいるわけですから、何かしら有責めいた文言があれば訴えると言うのは当然あり得ることでしょうが、現時点でそれを防ぐ方法が用意されていない以上現場が自己防衛に走るのは当然で、結果的に患者の不信が高まり余計な緊張をもたらしていると言う側面も否定出来ません。
制度的に考えると届け出するかどうかの判断を当事者である医療機関側ではなく、第三者によって行われるべきではないかと言う声も根強くありますが、いきなりやってきた部外者に当事者がありのままに事実関係を語ると言う保証がない上に、膨大な数に上るだろう文字通りの意味での予期しない死亡症例を調べるとなると、どれだけのマンパワーが必要になるのかと言う話ですよね。

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2016年10月 4日 (火)

日本の医療費支出が本当に世界最高水準であるとしたら

先日OECDが発表した2015年の医療費国際比較で、安さが売りだったはずの日本の順位が3位に急上昇していることをお伝えしましたが、これは統計の取り方が変更になった結果であって、新たな基準に従って再計算すると2011~2013年はなんとアメリカについで2位だったと言うことになるのだそうです。
何故こうしたことになったかと言えば長期医療サービスの定義が変更になったことが大きく、具体的には介護領域における「通所介護」「訪問入浴介護」「認知症向けの生活介護」など38サービスが医療費統計に含まれるようになったことが原因だと言いますが、これについて先日こんな記事が出ていました。

日本の保健医療支出は先進国で最高水準の可能性 医療・介護の抜本改革が急務(2016年9月29日日経ビジネス)

 財務省が2016年8月末に取りまとめた概算要求の総額(国の一般会計)は約101兆円で、100兆円の大台を3年連続で突破した。2016年12月に閣議決定する2017年度予算案に向けて、これから本格的な予算編成が始まる。その際、歳出抑制の主な対象となるのは、医療・介護を含む社会保障費である。
 このような状況の中、OECDが衝撃的なデータを公表した。保健医療支出(対GDP)など保健医療関係の最新データだ。このデータが衝撃的である理由は、2015年の日本の保健医療支出(対GDP)が、OECD加盟35か国中3位(米国とスイスに次ぐ)に急上昇したからである(図表1)。
 厚生労働省は、財務省との予算折衝などにおいて医療予算の増額を要求するとき、高齢化が進展しているにもかかわらず、日本の医療費が先進国の中で低水準かつ効率的である根拠として、保健医療支出(対GDP)の国際比較を利用してきた。しかし日本の保健医療支出が3位であることが事実であれば、その根拠が弱まる可能性がある。

 OECDの「保健医療支出」は、(1)「国民医療費」に、(2)介護保険に係る費用のほか、(3)健康診査や(4)市販薬の売上などの費用を加えた概念。急上昇した主な原因は、保健医療関係データの基準をOECDが変更したことである。
 旧基準(A System of Health Accounts 1.0)に基づけば、近年の日本のランキングは10位前後。例えば2014年の日本の保健医療支出(対GDP)は10.1%で、OECD加盟35か国中10位(米国、オランダ、スイス、スウェーデン、ドイツ、フランス、デンマーク、ベルギー、カナダに次ぐ)であった。
 だが、新基準(A System of Health Accounts 2011)を適用すると11.2%になり、その順位は(微妙な差で)3位だが、2位のスイスと同水準に急上昇する。「高福祉国家」の象徴であるオランダ、スウェーデン、デンマークなどよりも上位となる。
(略)
 これは一体、何を意味するのか。日本の保健医療システムは、1961 年に掲げた「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ」という理念の下、最近まで、比較的少ない負担で質の高い保健医療サービスを提供してきた。これは事実だが、高齢化により医療費が伸びる事態は避けがたくなりつつあるということだ。
 例えば、厚労省の推計(「社会保障に係る費用の将来推計について《改定後(平成24年3月)》」)では、2015年度に約50兆円であった医療・介護費は、2025年度には約74兆円に膨らむ見通しである。団塊の世代が全て75歳以上になるからだ。この10年間で、医療費は約40兆円から約54兆円に、介護費は約10兆円から約20兆円に増加するという試算だ(合計24兆円)。これは2025年度に向けて、医療・介護に関する抜本的な改革が急務であることを示唆する。
(略)
 今回の基準変更に伴い、日本以外に、保健医療支出(対GDP)が大幅に変化した国はどこか。2013年のデータに基づき、比較したのが以下の図表2である。図表では、「変化幅」を「新基準の保健医療支出(対GDP)から旧基準のものを引いた値」と定め、変化幅の大きい順に左側から並べた。
 変化幅はアイルランド(2.37%ポイント)、英国(1.47%ポイント)、日本(1.09%ポイント)、フィンランド(0.87%ポイント)、スペイン(0.23%ポイント)の順で大きく変化した。

 新基準に基づく公表は今回が初めて。対象となった国々の医療・介護制度は極めて複雑かつ多様であり、新基準で加算すべき他の国の介護関係コストなどに見落としがあれば、今後順位が変わる可能性も十分にあり得る。各国の数値は慎重に評価する必要があることはいうまでもない。
 ただし、日本の保健医療支出(対GDP)が今後も上位を占める場合、それは我々に重い宿題を突きつけることになるはずだ。財政赤字が恒常化して債務残高が対GDPで200%を超える中、社会保障の給付と負担のバランスを含めて再検討する必要が生じる。
(略)

介護保険制度と言うものが出来て医療と介護が切り離された結果、こうした統計的な区分によって議論の元となるデータをどう取り扱うべきなのか曖昧になっていたところがありますが、ひとまずOECDが一つの基準を示したと言うことで今後はこの数字をベースにした議論が始まるのでしょうが、こうなりますと日本の医療費は決して安くはないと言うことになってしまいますよね。
各国の医療制度によって順位変動に大きな差が出るのが当然なのですが、興味深いのは筆者自作のグラフを見る限りでは新旧基準で大きな変動があったのはアイルランドからフィンランドまでの上位4カ国くらいで、その他の国々では目立った変化はないと言うことですから、日本にとっては額面医療費が安く見えるありがたい基準が使われてきていたと言う言い方も出来るでしょうか。
もちろん基準がどうあれ実態は一つであり、国内的には個々の領域の数字や統計に基づいて対応を決めていく必要があるはずですが、近年その抑制が言われることの多い医療介護コストに関して、「まだ国際比較で見れば安く済んでいるから」と言う理由で増大傾向を容認すると言うことは今後やりにくくなってきたと言えそうです。

この点で先日も紹介しましたが日本の医療費対GDP比は実に2005年頃から毎年5%と急速に伸びていると言う話があって、もちろん長期的に低迷する不景気の中でGDPが伸び悩む中で、いわば固定経費である社会保障コストの比率が高まってくるのは当然と言えば当然なのですが、この2005年頃と言えば医療の世界では様々なニュースが連日報じられていた時期とも重なりますよね。
2004年には新臨床研修制度も開始され、これに伴い各地の医療機関から医師が引き上げられ医師不足問題が一気に顕在化する一方で、医療現場に大きな影響を与えた大野病院事件が2004年、大淀病院事件が2006年であり、2006年には小松先生の「医療崩壊」が出版されており、このままでは日本の医療は一体どうなってしまうのかと業界内部だけでなく社会的関心をも集めていた時期でもありました。
当時は全国各地で様々な医療崩壊対策が講じられ制度的にもいわゆる医療費抑制政策が見直されるなど一定の配慮や手当がなされたわけですが、その結果いわば先送りされてきたとも言える諸問題の解決が今後抜本的に行われることを迫られるようになるのかどうかで、医療を巡る本当の激震はむしろこれからが本番になってくるのかも知れませんね。

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2016年10月 3日 (月)

医療費40兆円突破の責任の所在

2015年の医療費が史上初めて40兆円を突破し記録を更新したと報じられていましたが、その医療費増大の原因についてこんな記事がd亭真下。

ソバルディとハーボニー、2015年度の医療費増の主要因(2016年9月28日医療維新)

 厚生労働省は9月28日の中央社会保険医療協議会総会(会長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授)に、2015年度の「医療費の動向」を公表、同年の医療費は41.5兆円で初めて40兆円を突破、2014年度と比べ、3.8%増となったと説明した(資料は、厚労省のホームページ)。
 過去数年に比べて高い医療費の伸びになったのは、調剤医療費の増加が要因だ。中でもC型肝炎治療薬である、ソバルディ(一般名ソホスブビル)とハーボニー配合錠(レジパスビル/ソホスブビルの配合錠)の薬剤料の伸びの影響が大きい。
 同省によると「約40兆円の概算医療費に対して、おおむね0.7~0.8%が、昨年秋以降に使用が増えた、C型肝炎治療薬を含む抗ウイルス薬の薬剤料の増加が要因」(保険局調査課長の山内孝一郎氏)。ただし、「0.7~0.8%」は院外処方分であり、「院内処方される場合も含めると、もう少し大きいのではないか」と山内課長は説明した。2016年度薬価改定で、両剤とも「特例拡大再算定」の対象になり、31.7%の大幅な薬価引き下げとなったため、「2016年度以降、どのように推移していくかを見て行くことが必要」(山内課長)。

 これらの医療費の分析に対し、さまざまな視点から問題提起したのが、日本医師会副会長の中川俊男氏。まず3.8%の医療費増について、診療報酬改定がなかった2011年度(対前年度比3.1%増)や2013年度(同2.2%増)と比較しても高いと指摘。その上で、山内課長が言及したように、薬剤料の分析は院外処方に限った場合であり、日医が分析中のデータでは、院内処方を含めると、抗ウイルス薬の増加は1%程度になると述べ、薬剤料の伸びを問題視した。
 その上で中川氏は、ソバルディとハーボニー配合錠の売上を質問。厚労省は、IMSのデータを説明。薬価ベースで四半期ごとに、ソバルディ(2015年5月薬価収載)は、433億円(2015年7-9月)、643億円(同10-12月)、391億円(2016年1-3月)、246億円(同4-6月)、ハーボニー配合錠(2015年9月薬価収載)は、1101億円(2015年10-12月)、1517億円(2016年1-3月)、698億円(同4-6月)とそれぞれ推移している。
 「(売上の)ピークは過ぎたと考えていいのか」との中川氏の質問に対し、厚労省保険局医療課薬剤管理官の中山 智紀氏は、ソバルディとハーボニー配合錠の薬剤料は、2016年度薬価改定の31.7%の引き下げを上回るペースで減少、つまり薬価だけでなく数量も減少しているとし、引き続き2016年7月以降のデータを見て行くとした。

 中川氏は、「高額薬剤が、公的医療保険制度を翻弄していると以前言っていたが、こうしたデータをリアルタイムに把握、公表して、拙速な議論に走らないようにやっていくことが必要ではないか」と厚労省に求めた。さらに現在、中医協で議論が進む抗PD-1抗体製剤のオプジーボ(一般名ニボルブマブ)についても、年間医療費が「1兆7500億円」に達するとの推計もある中、「この金額がいまだに独り歩きをしている。この数字は過大であるという明確なメッセージを発するべきではないか。これにより議論がおかしな方向に行っている」と中川氏はコメントした(『オプジーボ、「緊急的な対応」で薬価引き下げか』を参照)。
 中山薬剤管理官は、「重大な問題だと思っている」とし、オプジーボの販売元である小野薬品工業の公表データなども踏まえ、分析していくと答えた。
 さらに中川氏は、「医療費の伸びの大半は、薬剤費であることが明らかになったのではないか。今の中医協の最大の懸案は、薬価の在り方であり、原価計算方式と類似薬効比較方式などの見直しを早急にやる根拠が明らかになった」とも指摘し、政府の方針として社会保障費の自然増が年5000億円に抑制される中、薬剤料の問題が中医協の重点課題であると提起した。
(略)
 厚労省が9月15日の経済財政諮問会議の経済・財政一体改革推進委員会 「社会保障ワーキング・グループ」に提出した資料「医療費の伸びの要因分析」では、2015年度の医療費の伸び3.8%について、「人口増の影響」がマイナス0.1%、「高齢化の影響」が1.2%増、「その他」が2.7%と説明。2.7%のうち、薬剤料が1.4%、「抗ウイルス薬を含む化学療法剤」が0.77%となっている。

抗ウイルス薬に関してはすでにピークを過ぎた印象もあり、もともと一生に一回使用するだけのものですから今後はむしろ肝硬変や肝癌患者の減少で医療費削減への好影響も期待出来るかも知れませんが、短期的にとは言え特定薬剤がこれだけ大きな影響を与えると言うことは非常に大きな教訓であり、今後の新薬承認の過程に何らかの影響を与えそうな気もします。
しかし記事の最後に付け足しのように書かれている通り、高額な新薬に負けず劣らず高齢化の影響が医療費増への影響は大きいだろうと言う推計が出ているのですが、日医としてはまさか高齢者医療費削減を云々するわけにもいかないと言うことなのでしょう、せっかく医薬分業を薬科が推進してくれている以上は安心して薬価絡みの報酬に切り込めると言う心境なのでしょうかね。
そうしたしがらみのない世間の方では当然ながら、史上空前の医療費高騰の原因は高齢者医療費の増大であると報じられているわけですが、医療費もさることながらかねて高齢者の特権として認められている諸制度についてもようやく是正が実現しそうだと言う、こんなニュースも出ていました。

75歳以上、保険料上げ検討 後期高齢者医療の特例廃止(2016年9月28日共同通信)

 厚生労働省は27日、75歳以上の後期高齢者医療制度で、低所得者ら916万人の保険料を最大9割軽減している特例を廃止し、2017年度から段階的に保険料を引き上げる方向で検討に入った。法令で定める軽減幅は最大7割で、現在は税金を使ってさらに安くしているが、本来の規定通りにする。増え続ける医療費を賄うため高齢者にも負担を求め、世代間での公平性を高めるのが狙い。
 政府は17年度から特例軽減を原則的に廃止すると15年にいったん決定していたが、消費税増税の再延期のあおりで扱いが宙に浮いていた。厚労省は年末の予算編成に向け、詰めの議論に入りたい考えだ。ただ保険料負担が約5倍に増える人もいることから、高齢者の反発を懸念する与党から異論が出る可能性もあり、調整は難航しそうだ。

 厚労省は29日に開く審議会で「激変緩和措置を設けつつ、原則的に(法令上の)本則に戻していくべきではないか」と提案し、議論を求める。
 特例軽減の対象は75歳以上の約1600万人のうち所得が低い747万人と、74歳まで会社員らに扶養されていた169万人。国費945億円と地方負担159億円を投じ負担を軽くしている。
 扶養家族だった人の場合、現在月380円の保険料が特例廃止により最大で1890円と5倍増となる。ただ、所得に関係なく特例が適用される上、1人暮らしを続けてきた人らは対象外で不公平との指摘もある。
 特例廃止は、消費税増税に伴い実施予定だった介護保険料の軽減拡充や年金生活者支援給付金とセットで実現することになっていた。しかし、これらの低所得者対策は実施の見通しが立っておらず、負担を和らげる代替策も検討する。
 厚労省はこのほか、毎月の患者負担に上限を設ける「高額療養費制度」についても、高齢者の優遇措置を見直したい考えだ。70歳以上の大半が現役世代より負担が軽く、高所得者を中心に負担上限引き上げを議論する。

 ※後期高齢者医療の特例軽減

 75歳以上の医療保険料は現在、全国平均で月5659円(見込み)。低所得者については保険料の定額部分を2~7割軽減すると法令で規定されているが、予算措置で最大9割引きにする特例がある。また、74歳まで会社員や公務員の扶養家族だった人は75歳から2年間だけ5割軽減のはずが、特例により無期限で9割軽減されている。2008年度に後期高齢者医療制度がスタートした際、高齢者の反発をかわそうと自公政権が特例軽減を導入した。特例に充てた国費は16年度までの累計で7243億円

この高齢者特権の是正ははるか以前から言われながら一向に進む気配もなく放置されてきた問題でもあり、今回も近く総選挙もありそうだと言う話もありますからまたぞろ先送りにされる気配も濃厚なのですが、一方では低所得者に対する年金保険料強制徴収をさらに拡大すると言った話も出ているわけですから、バランス良く国民に負担を求めると言う意味もあるのでしょう。
基本的には本来あるべきところに戻すと言うだけで特別の話でもないのですが、保険料負担引き上げもさることながら高額療養費の優遇是正の方が現場への影響も大きいのかも知れずで、場合によっては長期入院高齢者の行動に影響を与える可能性もありそうですね。
日本の医療介護制度の問題点として高齢者は病院に入れておくことが一番安上がりで手厚く面倒を見てもらえることから、ともなく何かあれば入院したがる、させたがると言う傾向があることは否定出来ませんが、将来的にはこと慢性期に関しては受けられるサービスの程度によって料金に妥当な格差を設け、患者や家族が自ら選択すると言うことになっていくのかも知れません。

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2016年10月 2日 (日)

今日のぐり:「瑞穂」

多くの人がびっくりしたと言うのが、先日流れたこちらのニュースです。

新幹線のぞみ内にヘビ 座席のひじ掛けに巻き付く(2016年9月26日朝日新聞)

 26日午前9時40分ごろ、東京発広島行きの東海道新幹線のぞみ103号の車内で、座席のひじ掛けにヘビが巻き付いているのが見つかり、通常なら通過する浜松駅(浜松市)に臨時停車した。ヘビは静岡県警の警察官に捕獲され、のぞみは約5分遅れで出発した。

 JR東海や浜松中央署によると、ヘビは全長30センチほど。県内を走行中、12号車の窓側の席のひじ掛けに巻き付いているのを後ろの座席の女性が発見。JRが110番通報した。
 周囲の乗客に避難してもらい、浜松駅で乗り込んだ警察官がヘビをポリ袋の中に入れた。県内の動物園が写真を見て確認し、シマヘビとみられるという。シマヘビは北海道から九州までに生息する在来種。

 JR東海によると、ヘビの新幹線への持ち込みは、旅客営業規則で禁止されている。前日夜の整備の際は異常はなかったという。野生の可能性もあるが、署は市内のペットショップに保管を委託し、持ち主を捜している。

それは持ち込みも禁止になっていたことでしょうが、しかし持ち込みであれ野生であれこんなところにこんなものがと言うびっくりニュースであることには変わりありませんね。
今日はさぞや驚いただろう新幹線の乗客を励ます気持ちを込めて、世界中からそれは考えていなかったという本来結びつかないはずの組み合わせについて取り上げてみましょう。

【衝撃実験】井村屋『あずきバー』の硬さをガチ測定したらこうなった(2016年3月31日ロケットニュース24)

世界一硬い天然鉱物はダイヤモンド。では、世界一硬いアイスとなれば、間違いなく井村屋『あずきバー』であろう。その硬さは釘をも打てるレベル。優しい甘さとは裏腹に、鋼のボディをもつアイスだ。
そんなあずきバーの硬さをめぐって新事実が判明したようだぞ。その硬度をガチ測定したところ……あずきバーが、一瞬、サファイアを越える硬さに到達したというのである。サファイアってダイヤの次に硬い宝石でしょ! マジかよ!?

・あずきバーの硬さを測ったらこうなった
衝撃の実験を行ったのは、「モネの池」で有名な岐阜県関市のナイフメーカー『ジー・サカイ』だ。どうやって測ったのかというと、金属材料の硬度を測る機器「デジタルロックウェル硬度計」で計測したという。……これはガチなヤツだ。
実験に使用された硬度計では、「HRC(ロックウェル硬さCスケール)」という尺度でものの硬さが表される。数字が大きければ大きいほど硬い。ジー・サカイによると、ダイヤモンドで「HRC711相当」、一般的なナイフのブレードで使われる鋼材だと「HRC56~61」くらいだという。

・一瞬サファイアの硬さを越える!!
さて、あずきバーの硬さはというと……こ、これは!? 詳しくは実験動画「あずきバーの硬度をデジタルロックウェル硬度計で測定してみた」でご確認いただけるが、一瞬……一瞬だが、あずきバーが「HRC300」を突破したのだ!
サファイアの「HRC 227」を余裕で越えているではないか! 数値の上では、ダイヤモンドに次ぐ硬さの宝石・サファイアを越えたのである。

・あずきバーは硬度を自在に操れる?
しかし、それも一瞬のこと。結論から言うと、あずきバーは硬度が一定せず測定不能であったそうだ。常にサファイア以上の硬さだったら、とても食べられる代物ではないので、人類にとっては幸せな結果だったかもしれない。
そんな実験結果を、ジー・サカイでは「あずきバーは硬度を自在に操るアイスの可能性」と結論づけている。硬さを自在に操れる……だと!? どんなファンタジーな物質だよ! あずきバー、ウマいだけでなく、まったく恐ろしいアイスである。

まさかアイスとサファイヤを結びつけようとは誰も考えなかったでしょうが、このような恐ろしいモノを食品として流通させている責任に関して、メーカー側担当者の説明が求められる事態なのではないかと言う声もあるようです。
こちらもかなり意表を突いた取り合わせですが、記事の画像を是非見ていただきたいところだと思います。

バカにできない!駄菓子で「会席料理」を作ってみた動画が凄いと話題(2016年6月16日MAG2ニュース)

駄菓子を使って会席料理を作ってみた動画がniconicoに投稿されている。
投稿者は元高級クラブのホステスだそうで、さまざまな料亭に行った経験を活かし「駄菓子」を巧みに使い、お酒を楽しむための料理「会席料理」を作っている。
先付から焼き物、煮物、甘味まですべてに、カットよっちゃんで出汁をとったり、麩菓子を炊いたり、うまい棒を揚げ物の衣にしたりと「駄菓子」を用いている。
(略)
動画をみたユーザーからは、
「おもしろい!」
「すげえええええ」
「うまい棒有能」
「すげえw」
「駄菓子に無限の可能性をみた」
「やっぱ高級クラブのホステスさんは経験値高いな」
「これは駄菓子料理って感じする」
「うまそ」
「いいなこれ!」
「器のレベルが本場すぎるw」
といったコメントが寄せられている。

その発想は正直なかったと言うところですが、しかし何やら興味深いテクニックを使っていますよね。
ロボットと言えば金属製で硬いものだと言う常識がとうとう覆されそうだと言うニュースが出ていました。

世界初、どこをとっても軟らかいタコ型ロボを開発 米大学(2016年8月18日CNN)

(CNN) 米ハーバード大学はこのほど、軟らかな素材だけで作られた小さなタコ型ロボット「オクトボット」を開発したと発表した。硬い部品を一切使わず内部の化学反応だけで動く世界初のロボットで、サイズはSDメモリーカードよりやや大きい程度しかない。
科学誌ネイチャーで24日、発表された論文によればオクトボットが自ら動く仕組みはこうだ。オクトボットの内部には過酸化水素が少量入れられており、これが化学反応によって気体となる。気体はオクトボットの腕の内部を流れ、腕を小刻みに動かすという。過酸化水素が気体になるタイミングを制御しているのは、体内の小さな回路だ。
現時点で開発チームは、オクトボットによってコンセプトの実現可能性を実証したにすぎない。だが将来的には、人間が入れないようなところに入り込んで捜索・救助活動に携わるロボットといった、より複雑な軟体ロボットの開発につなげたいという。

だが完成度の高い軟体ロボットを作るのは容易なことではない。
通常のロボットであれば、充電池や電子制御装置といった硬い部品を用いて効率的な動きを実現している。
ハーバード大学のロバート・ウッド教授によれば、軟体ロボットではこうした硬い部品を同じような機能を持つ軟らかいシステムに置き換えなければならない。
論文の共著者であるマイケル・ウェーナー氏は「過酸化水素の素晴らしいところは、触媒となる白金との単純な反応により、硬い動力源の代替となるところだ」と説明する。
オクトボットには本物のタコのようなアクロバティックな動きはできない。だが次の段階では、泳いだり周囲の状況に反応できるような軟体ロボットを作ることを開発チームは目指している。

その何とも不思議な動きについてはこちらの動画を見ていただきたいと思うのですが、今のところ何の役に立つのだろう?と謎めいたものとも言えますね。
落とし物と言えば色々とびっくりするようなものがありますが、こちら何故そこにそんなものが?と多くの人を驚愕させたニュースです。

米国、ガソリンスタンドで心臓が見つかる(2016年9月19日スプートニク)

米国の警察との法医学者らはこの3週間、オハイオ州の駐車場でビニール袋に入った常態で見つかった心臓の持ち主を探している。ニューヨーク・タイムズ紙が報じた。

​ノーウォークのガソリンスタンドで軽食をとろうとした2人の救急医が8月25日に発見したもの。草の上に横たわっている小さなジップロックに気づき、中を見ると、そこには心臓があった。 心臓は科学者らに送られ、現在その所有者の特定が行なわれている。

病理学者によれば形や大きさは人間のそれに似ているが、正確な答えを出すためには詳細な調査が必要。動物の心臓、特に豚のそれは、人間の心臓に形状及び大きさが似ているのだ。

「心臓がジップロックに見つかるということはそうない。稀なケースだ」と調査を担当するフルトン軍曹。

それは確かに稀なケースだろうと思うのですが、しかし何とも謎めいて予想外すぎる事件としか言い様がありませんね。
最後に取り上げますのはかのブリの国民的行事が、画期的な手法によって劇的に変化してしまうかも知れないと言うニュースです。

イギリスでスプレー噴射の紅茶が発売「もうティーバッグは不要」(2016年09月11日テックインサイト)

日本では自販機で売られている缶入り紅茶飲料は珍しくないが、イギリスでは缶の紅茶というものはこれまで存在していない。というのもイギリス人にとって、ビクトリア時代から紅茶とリラックスした時間は切っても切り離せないものであったため、「手軽に飲む」という概念がこの国にはなかったのだ。ところが最近、そんなイギリスに紅茶革命が起こっているという。

日本人の観光客にも馴染み深いイギリスのアフタヌーンティーは今でこそ観光客メインの催しとなっているが、その昔は貴族のティータイムのひとときには欠かせないものであった。熱いお湯をティーポットに注いでその香りと旨味がしっかり抽出されるまでの間、貴族たちはビスケットやケーキをつまみながらお喋りに興じる。紅茶が煮出されるまでの「待つ」時間もイギリス人にとっては貴重なものだったのだ。
ところが忙しい現代人が増え、イギリスではリーフティーよりも手軽にすぐ飲めるティーバッグを重宝し、スーパーに何種類ものティーバッグが並ぶようになった。紅茶を飲むという伝統を重んじる文化は残っているものの、多忙な人々には“時短”という合理さに叶わないといったところだろうか。
それでも紅茶を愛する英国民は、たとえティーバッグであっても紅茶を飲む時間を尊重してきた。何か問題が発生した時、またパートナーや家族と喧嘩した時など「まぁ紅茶でも飲んで一息つこう」というケースが多い。言い換えれば、紅茶を飲まないことには落ち着かない。そしてその「紅茶の時間」のなかには、ティーバッグをいれたマグカップに熱いお湯を注ぎ、スプーンでグイグイと押して煮出す時間も含まれる。

ところが、そんな英国民の概念を覆すような紅茶がこのほど発売になったと英紙『Metro』が報じた。缶は缶でもスプレー缶に入った紅茶には「もうティーバッグは不要」と書かれてある。
この斬新なスプレー紅茶はYumChaカンパニーから発売されており、発明したのはガイ・ウッドウォール氏という人物だ。彼は「通常、ティーバッグだと紅茶を煮出すのに約13秒かかります。これがあればそんな時間もかからず、熱くて美味しい紅茶を手早く飲むことができるのです」と話す。
「手っ取り早く美味しい紅茶を飲める」というのが最大のセールスポイントだが、店頭でこのスプレー紅茶を見かけた人は「なんだこれは!?」と驚きのツイートをしている。ツイッター上によると、一部のコンビニで販売されており価格は3.99ポンド(約540円)、ジャスミンやアールグレーになると4.99ポンド(約680円)とのことだ。
20杯分の紅茶ができるというこのスプレー缶は、1杯分に換算すると確かに廉価ではある。ウッドウォール氏は「ティーバッグというゴミの無駄も防ぐことができる」とエコな点も強調しているようだが、たった「13秒」というティーバッグの煮出し時間までもイギリス人が長いと感じてしまうようならば、それはそれで問題だ。果たして、この斬新な紅茶革命はイギリスの伝統的紅茶文化にどのような変化をもたらすのだろうか。

どうも濃縮紅茶液のようなものなのだとすれば何故スプレーなのか疑問を感じざるを得ないのですが、それにしてもティータイムにスプレーと言う言葉は似つかわしくありませんね。
ただ日本でもスプレー式の醤油が話題になったことがありましたが、ああしたものも外国人の目から見れば「日本人って…」と謎めいて見えるものなのかも知れません。

今日のぐり:「瑞穂」

昼は定食、夜は飲み中心と言うよくあるスタイルのお店なのですが、以前はおばちゃん達が元気にやっていたのにこの日入って見ますとお兄さんとバイトっぽい人達がやっています。
そのせいか何か雰囲気が違うかなと感じたのですが、ホワイトボードのその日の定食から選ぶと言うスタイルには変わりはないようですね。

この日は鯖の煮付け定食を頼んでみましたが、メインの鯖はノルウェー鯖らしいんですが、甘辛濃いめの味付けでしっかり煮付けてあります。
味としては飯のおかずには具合がいいんですが、昔こちらで非常に美味いサンマをいただいて魚料理への期待値が高かったせいか、鯖の味自体は格別どうとも感じませんでした。
こちらの場合副菜の小鉢が充実しているのは相変わらずなのですが、飯や汁の味なども含めて今回は心なしかどれも少し寂しい味と思ったのですがどうでしょうね。

その目で見ると以前よりお客の入りも落ちているようにも見え、店内も今ひとつ前ほど活気がないようにも見えてくるのですが、たまたまこの日この時間帯だけの事だったのかも知れません。
色眼鏡抜きで見ると割安感はまだあるにせよ、味的にはわざわざ食べに来るほどではないかと思うのですが、ひとまず次回来店するまで判断は保留しておきましょう。

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2016年10月 1日 (土)

食べ物を残すなんてとんでもない、と言う昔ながらの考えが一周して主流派に?

当「ぐり研」はお食事会系ブログを称しているだけに食べ物関連のニュースにはどうしても目が行くのですが、先日こんな記事がちょっとした話題になっていました。

「給食で喉に詰まる物は危険というなら給食のない私立へ行け」は暴論か?(2016年9月8日MAG2ニュース)

(略)
小学校の給食に「白玉だんご」が出たのですが、これを食べて喉につまらせて、小学1年生が亡くなってしまった事故があったのです。(事故発生から3年ほど意識不明で、先日お亡くなりになったそうです)
被害に遭われたお子さん、親御さんは気の毒としか言いようがないのですが、今回は「市」に責任を問い訴えておられました。結果は「市に責任はない」ということで判決が出ていたのですが、更に控訴するという記事だったのです。

僕は、こういう事故で相手を訴えるのは、つくづく違うと思うのです。
皆さんは、どう思われますでしょうか……?

団子の直径は2cmだったそうで、僕の親指の先よりも小さいです。
親御さんは「考えたら、詰まらせて窒息することは予測できた」と。
「僕は、そんなこと言ってたら給食なんか作れない」と思いますし、そこまで言うなら、はじめから給食のない私立に行かせるべきだと思うのです。
2cmの団子が喉に詰まることを予測できるというならば、給食には喉につまる可能性があるものがたくさん出る、と予想する方が簡単だからです。

こういった事故の経験を社会が将来に生かすことは、とても大事だと思います。
ただ、やるせない気持ちを「訴える」という行動にするのはおかしいのでは……
というのが、僕の意見なのです。
(略)

まあ民事訴訟と言うのはお金がより多く期待出来る相手を訴えると言うのが基本だそうですから、メニューを決めた栄養士を訴えるより市を訴えるべきだろうと思うのですが、この白玉団子と言うものによる小児の窒息事故は全国的に見て決して少なくないのだそうで、予見可能性があったと判断されれば賠償請求が通る可能性はそれなりにありそうですよね。
それでは事故対策として誤嚥窒息のリスクがあるものは一切出さないようにしよう、ではおよそそうした事故の起こらない食べ物はないわけで、結局のところ給食など全廃して全部弁当にしようになるわけですが、全国的にアレルギー絡みの給食事故が頻発し紛争化したりもしている中で、給食費未納問題とも絡めてそうした声も全国的に高まってきていると聞きます。
後で大騒ぎするくらいなら最初から食べるなと言うのは一面の真理であるのは確かなのでしょうが、一方でそれでは最初から食べないと言う選択もまた必ずしも世間の支持を得られるわけではないと言うことなのでしょうか、先日はこんな記事が話題になっていました。

寿司屋で「シャリ」だけを残す女性客が迷惑だ!とネットで話題に(2016年9月20日MAG2ニュース)

様々なダイエット方法が溢れる昨今、その中でもポピュラーなものが炭水化物をカットした『糖質制限ダイエット』だろう。
自宅での食事では最初から作らなければ良いし、お店などでは最初からライスやパンを注文しなければ、誰にも迷惑をかけずにミッションを遂行できるかもしれない。
しかし、これを無理やりお寿司屋さんでやってしまう人がいるというのだ・・・・。

そもそも寿司とは、江戸時代からある酢飯に具材を乗せて握った料理で、『すし』の「す」は、酢飯から来ていると言われる程、シャリの部分は重要なのだ。
そんな酢飯と具材、二つが合わさった料理である寿司を注文しシャリの部分だけを残す人たちが急増しているらしい。
まさにお刺身を食べましょうといった印象を受ける話題だ。
これらの行為は『追いはぎ』と呼ばれる行為だそうで、滅多に居ないとは思うが、あんまり褒められた行為ではないだろう・・・
(略)
シャリをどうしても食べたくないという人は、注文する前にお店の人に聞いてみるのがベストだろう・・・。

ちなみに単品メニューとして刺身を受け付けている一般の寿司屋はもちろん、回転寿司でもシャリ抜きのネタだけ注文と言うのは可能なのだそうで、食べないと判っているのであれば最初から注文するなと言われればもっともなのですが、そもそもシャリを食べないと決めているのであれば最初から寿司屋に行くなと言う意見ももっともには聞こえます。
ただ回転寿司などは昨今寿司ネタ以外にも色々なものがあるようで、好みも人それぞれ名大勢で行く場合にとりあえず無難な選択肢として選ばれる場合もあるのでしょうし、ああした安価な価格帯で刺身だけ提供する店と言うのもさほど多くはありませんから、こうした目的外利用?も出てくると言うことなのかも知れませんね。
お金を出せば何をしてもいいと言うわけではない等々かなり厳しい批判も出ているようで、バブリーな時代であれば食べ物を残すと言う行為は別に何と言うことはなかったのでしょうが、今の時代食費を切り詰めている人も少なくないせいかこうした行為に対する風当たりはかなり強くなっているようですし、確かに想像する限りでは傍目にあまり格好良い食べ方でもないようにも思いますね。
こうなると女性の方々で昔から風の噂に聞く話ですが、男性の前では小食を演じる一方で女友達同士ではがっつり食べると言うやり方も、今の時代にはかえって男性受けが悪くなる可能性もあると言うことでしょうか。

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