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2016年9月27日 (火)

横浜病院内点滴殺人事件の余波

横浜の病院で点滴に異物が混入され患者が亡くなった事件では故意の犯罪であったとして捜査が進められているそうですが、その過程でこんな記事が出てきています。

患者中毒死:17日以降、点滴に混入か 無施錠で保管(2016年9月25日毎日新聞)

 横浜市神奈川区の大口病院で入院患者の八巻信雄さん(88)が点滴に異物を混入され殺害された事件で、八巻さんに投与された点滴は使用の2日前の17日午前から4階のナースステーションに保管されていたことが捜査関係者への取材で分かった。点滴は他の患者に使用するものと一緒に無施錠の状態で保管されていた。神奈川県警は、17日以降にナースステーションで異物が混入された可能性があるとみて調べている。

 捜査関係者によると、同病院は通常、1日の使用分の点滴をナースステーションの机の上や洗面台の横で保管している。病院の薬剤部が、患者の氏名や使用予定の日時などを書いたラベルを貼り、午前中に翌日朝までの使用分が薬剤部からナースステーションに運ばれる。
 だが、19日午後10時ごろから八巻さんに投与された点滴は、17~19日が連休だったことから3日分がまとめて用意され、17日午前に4階ナースステーションに運び込まれた。17日夜以降、4階は日勤と当直の看護師2人ずつが交代で勤務していたという。

 八巻さんは20日午前4時ごろ、心拍数が低下してアラームが作動し、4時55分ごろ死亡が確認された。死因は中毒死で、体内や点滴の袋から、洗剤などに含まれる界面活性剤の成分が検出された。県警は、界面活性剤の成分が死亡の原因になったとみている。
 点滴の袋には目立った破れなどはなく、捜査関係者によると、何者かが注射器などを使い、点滴袋のゴム栓から異物を混入させた可能性があるという。

 ナースステーションには鍵がなく、注射器や、界面活性剤を含む製品も置かれていた。また、八巻さんが死亡した4階では、18日にも入院患者の男性2人が死亡。いずれも17日午前にナースステーションに運ばれた点滴を投与されたとみられ、県警は袋に残留した内容物の鑑定を進めている。【国本愛、村上尊一】


横浜の入院患者殺害事件 病院の点滴保管状況捜査(2016年9月25日共同通信)

 横浜市神奈川区の大口病院で点滴に界面活性剤(界面剤)が混入され入院患者の八巻信雄さん(88)が殺害された事件で、神奈川署特別捜査本部は院内での点滴の保管状況を調べるため、25日以降、薬剤を取り扱う部署の関係者などから事情を聴き、界面剤が混入された経緯を調べる。

 特捜本部によると、点滴は病院の薬剤部に納入される。その日に必要な分が振り分けられ、各階の担当者が取りに来ることになっている。

 八巻さんが入院していた4階のナースステーションでは、机の上や洗面台の横に点滴袋が誰でも触れられる状態で置かれていた


点滴異物混入に「普通は気付く」大口病院殺害事件(2016年9月26日日刊スポーツ)

 横浜市神奈川区の大口病院で点滴に界面活性剤(界面剤)が混入され入院患者の八巻信雄さん(88)が殺害された事件で、近くにある同じ系列の病院に勤務する看護師が25日取材に応じ、点滴が泡立つなどの異常があれば「普通は気付く」などと管理体制を明かした。八巻さんに投与された点滴は17日午前に1階の薬剤部から、入院する4階のナースステーションに運び込まれたことも同日、捜査関係者への取材で分かった。

 事件が起きた大口病院と同じ慈啓会の病院に勤める30代女性看護師は、点滴にあらかじめ異物が混入されていれば「普通は気付く」と語った。
 界面活性剤が入り、点滴が泡立っていたとの一部報道を聞き「そう異常が見られれば、普通は使わない」と説明。未使用の場合、点滴袋とチューブをつなぐゴム栓は通常、ラベルが貼ってあり、それをはがさないと注射針などで異物を混入することはできないという。もし、はがれるなど少しでも異常があれば、点検したり、報告するという。
 30代看護師の病院では、薬剤部から運ばれた点滴などはナースステーションに保管されるが、施錠などはされていない。しかし「看護師以外がナースステーションに入れば簡単に気がつく」と話し、一般人が点滴に異物を入れるまでできるのかには疑問を呈した。
 医師の指示で点滴に別の薬剤を混ぜる際も含め、点滴を扱う際は必ず「看護師2人でダブルチェックをしています」と語った。一方で同病院に勤める20代女性看護師は「薬剤を混ぜる際に使う注射器に、あらかじめ異物が仕込まれていたら…」と指摘した。男性看護師は「看護師経験者なら病室で点滴をセットした後でも、異物を混入することはできるだろう」と話した。さらに閉鎖式三方活栓と呼ばれるプラスチック製の接続部分から注射器を刺せば「痕跡なく異物を混ぜることは可能」とした。

 20日に死亡した八巻さんが入院していた大口病院の4階では、4月に看護師のエプロンが切り裂かれ、6月にはカルテが紛失し、8月にスタッフの飲料に異物が混入するなど不審なトラブルが続いていたことが分かっている。4階に、過去に家族が入院していた男性は「ナースステーションは入ろうと思えば、何のチェックもなく入れたと思う」と語った。【三須一紀】

記事にもあるようにこの病院では以前から様々な不可解な事件が発生していたそうで、何かしらのトラブルがあったことを想像させるのですが、一方で誰しも気になるのはこうした犯罪行為はいつでも誰でも、そしてどこの施設でも行えるものなのかどうかと言うことですよね。
点滴に異常があれば使わない云々と言うコメントもありますが、そもそも全てのスタッフが施行する点滴にどのような成分が入っているのか、それを混入することでどんな色調や性状の変化が生じるのかを熟知しているわけでもありませんし、そうであるからこそ全国的に点滴取り違えと言ったケースが見られるとも言えます。
当然ながらナースステーションにしても日勤帯であれば常時誰かが詰めているでしょうが、夜間ともなればほとんどの場合数少ないスタッフが病棟内を回っており不在と言う状況は全く珍しくないわけですから、特に専門的な知識がなくともその気になればいつでも誰でも侵入して異物を混入することは容易だろうと思われますね。

今回一連の記事を見ていて気になったのが冒頭の記事にもあるように「点滴は他の患者に使用するものと一緒に無施錠の状態で保管されていた」云々と保管状態を問題するような報道が見られることで、全国的に見てもごく普通の点滴を施錠管理している施設もそう多くはないでしょうが、再発防止のため対策を講じろなどと言われ始めるとこれは大変なことになりそうだと言うことです。
点滴を始め管理を厳重にすると言うことの意味はこれまでは主に取り違えなどのミス防止が目的でしたが、今回のように犯罪行為に関わってくると言うことになれば段階を幾つも引き上げたレベルでの管理が必要になってくるでしょうから、何も考えずに再発防止策を講じようとすると臨床現場が大混乱しかねない対策が登場してきかねません。
いやそんなことはない、麻薬などは現在でも施錠して厳重に管理していると言われるかも知れませんが、これらはごく限定的な機会に用いられるものだからこうした管理が成り立つとも言え、点滴を取り出すたびにキャビネットの鍵を開け閉めすると言うのでは正直仕事にならないと言う施設の方が多数派でしょうから、全くもって頭が痛いところですね。
今回の事件では基本的に性善説で成り立っている医療現場に警鐘を鳴らすと言う意味では非常に教訓的な事件となったように思うのですが、さてそれによって得られた教訓をどう現場に還元すべきかと考えた場合、なかなか扱いの難しい問題を突きつけられているとも言えそうですね。

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コメント

 豊洲の盛り土にしてもそうだが、事情のわかってないやつが騒きたてて、(仕掛けた奴の意図に沿ってるかどうかわからんが)とんでもないほうに捻じ曲げられる。ナースステーションでの管理は十分だろう。
 ナースステーションで混入なら、証言通り気付かないはずがない。点滴開始後、巡回の合間に実行したんだろう。側管ワンショットでなく、あえて証拠が残るボトルに入れたのは、現場を離れた後にモニターがなるようにするため~示威行為だろう。
 医療側は理詰めでいうべきことを言うべし。http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/blog/massie/201609/548348.html 日本人は論理性を急速に失っているなぁ。
 (豊洲は建物の下に十分な強度の空洞を作っておくべきなんです。沸いてくるかもしれない水の水質をモニターするために)

投稿: | 2016年9月27日 (火) 10時14分

要するに院内殺人ですよね
こういうのの対策って誰が金出すんだろ?

投稿: | 2016年9月27日 (火) 10時15分

素人が余計な口出しすると、現場が混乱するからやめてほしいですね。

投稿: ふぉれすと | 2016年9月27日 (火) 10時20分

外野の素人さんもそうですが、この場合院内事故調なり医療安全対策チームなりがどう総括するのかが気になります。

投稿: 管理人nobu | 2016年9月27日 (火) 11時16分

点滴はすべて鍵つき金庫に入れ一本取り出すごとにトリプルチェック
これくらいやらないと人が死んでんねんで

投稿: | 2016年9月27日 (火) 11時46分

内部通報者と称するツイートがあるね

投稿: | 2016年9月27日 (火) 11時47分

ほんとに50人殺されたとしたら空前の大量殺人事件だな

投稿: | 2016年9月27日 (火) 13時30分

普通、簡単ねぇ。。。

そんな看護師の普通、簡単にできる危機察知能力の裏をとったり、見過ごすことも、普通、簡単なのにねぇ。。。

このコメントした看護師も怪しいものだ

危機感を訴えるために危機を起こして、危機察知能力給を殊更アピールしたい異常な人もいるからね

投稿: Med_Law | 2016年9月28日 (水) 08時03分

以前から何回もやられてたみたいだし誰も気づかなかったってことなんでしょうね。
ふだんこういうことされるって発想がないから気にしてないものなあ。
とりあえず要所に防犯カメラしかけるくらいの対策しか思いつきません。

投稿: ぽん太 | 2016年9月28日 (水) 08時41分

>ほんとに50人殺されたとしたら空前の大量殺人事件だな

…世界は広い…。
http://www5b.biglobe.ne.jp/madison/murder/text3/angels_of_death.html
http://matome.naver.jp/odai/2141715471341037301

投稿: 10年前にドロッポしました。 | 2016年9月28日 (水) 12時08分

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