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2016年9月

2016年9月30日 (金)

医療機関未収金問題を解消する?新サービスが登場

当「ぐり研」でも以前から何度も取り上げて来た医療機関の未収金問題ですけれども、先日この未収金対策としてこんな新サービスが登場したと言います。

病院未収金問題と患者の支払い不安解消へ- MDVが新サービス(2016年9月27日CBニュース)

医療情報のネットワーク化を推進するメディカル・データ・ビジョン株式会社(MDV、岩崎博之社長)は10月から、病院の未収金問題と患者の医療費支払い時の不安を解消するサービスを開始する。患者は、診察後にカード決済で、会計の待ち時間がほとんどなくなるほか、経済状況に合わせて支払い日や支払い回数などを自由に設定できる。【君塚靖】

これは、「CADA決済」という医療費後払いサービスで、MDVが10月から本格的に稼働させる、医療機関と患者の信頼関係の構築を目指すデジタルソリューション「CADA-BOX」のサービスの一つだ。MDVでは、2020年までに「CADA-BOX」を二次医療圏に一病院ずつ導入する目標を掲げている。

「CADA決済」は、MDVの100%子会社のCADA株式会社が提供するサービス。同社は、「包括信用購入あっせん業」登録の認可を受けている。「CADA決済」により、病院は未収金のリスクがなくなる。患者には審査があるが、保証人や保証金が一切不要で、定期収入がなくても利用できる。遠方の高齢の親の支払いを肩代わりすることも可能だ。

この病院未収金なるもの、四病協加盟病院だけでも年間370億円も発生していると言いますから、薄利多売の公定価格を強いられている全国の医療機関にとっては決して小さな問題ではないのですが、こうしたサービスが実効性を発揮するには診察券に組み込むなりして、この種サービスあるいはクレカによる支払いを診療契約締結の条件とするといった工夫も必要になりそうですね。
ちなみにMDVのプレスリリースを見て興味深いと思ったのは、病院側から見れば未収金対策としての意味合いが大きく感じられる同制度ですが、売り文句としては会計の待ち時間がなくなる、保証人がなくとも支払いの不安がないと言う患者側へのアピールが大きく為されていると言う点で、それは確かに世間一般に対して未収金対策と公言してしまっても受けが悪いのでしょう。
新サービスでなければならないのか、既存のクレジットカードサービスで何が悪いのかと言う話なんですが、やはり独居高齢者など社会的信用の低い顧客も少なくないだろうと考えると、こうした専門のサービスが必要になってくるのかも知れませんけれども、クレカ同様病院側の手数料負担がどれほど必要になるのかと言う点が普及の鍵になりそうな気がします。

未収金問題で気になるのは会計検査院の調査で2013年度末の未収金残高が独法186病院、国立大45病院で180億円以上あったと言うのですが、放置すれば3年で時効が成立し債権が消滅してしまうにも関わらず、国立大病院のうち何らかの保全措置を取っていた施設は半数にも満たなかったとされている点です。
未収金は一件毎で見れば少額であり下手をすれば回収コストの方が高くつくと言う場合が少なくなく、そうであるからこそ放置されているケースも少なくないのではとも考えられるだけに、そもそも未収金が発生しないような予防策が必要となる理屈なのですが、それを阻んでいる最大の要因がいわゆる応召義務なるものの存在であるともされています。
この辺りはそもそも窓口で患者負担分を受け取っているのは保険者の行うべき業務を代行しているのに過ぎず、全額保険者から支払ってもらっても何ら問題ないはずだと言う議論もありますが、法的には医療機関が「善良なる管理者と同一の注意をもって」支払いを促したにも関わらず未払いとなった場合は保険者が医療機関に支払うと言うルールになっています。
現実的には医療機関が自治体など保険者に保険者徴収を依頼しても努力不足である云々と拒否されると言うのですが、応召義務なるものを強要し医療費不払いがあっても直ちに診療を拒むことは出来ない(1949年厚生省医務局長通知)と言うのであれば、国としても何らかのルールを定めるなど制度的にも配慮していただく必要があるでしょうね。

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2016年9月29日 (木)

そうしたものにハマりやすい方々への対処法

先日は週刊現代が「ダマされるな! 医者に出されても飲み続けてはいけない薬」なる記事を掲載し、ごく当たり前に日常臨床に使用されている薬を決して飲むなとネガキャンを張っていたことを紹介しましたが、この記事に関して臨床現場では影響がかなり大きかったようです。

医師3587人に聞く「週刊誌報道による日常診療への影響」 週刊誌のネガティブキャンペーンをどう思う?(2016年9月27日日経メディカル)

 今年上半期、一部週刊誌が「医者に言われても受けてはいけない手術・飲み続けてはいけない薬」といった大きなネガティブキャンペーンを張った。今回の「医師1000人に聞きました」では、そのキャンペーンで日常診療にどのような影響があったかを聞いた。日経メディカルOnlineの会員医師3587人が回答した(アンケート期間:8月19日~29日)。

問1●一部週刊誌で「医者に言われても受けてはいけない手術・飲み続けてはいけない薬」といったキャンペーンが続き、話題となっています。先生の診療では、この一連の報道による影響がありますか

 まず、日常診療でこのキャンペーンによる影響があるかを尋ねたところ、「大いにある」が7.2%(254人)、「若干はある」が29.3%(1037人)と、計3分の1以上(36.4%)を占めた(右図)。その一方、「ない」との回答も42.5%(1506人)に上り、影響があるとした回答の合計と拮抗した。「どちらともいえない」は21.0%(745人)だった。なお、百分率は「現在、診療はしていない」と回答した45人を除外して算出した。
 次に、具体的にどのような影響があったか、自由記述方式で尋ねた。書き込まれた内容は多岐にわたり一般化は難しいが、「説明すれば患者は納得し、実際に薬を中断した患者は少なかったが、そのためにかなりの時間を要し、ただでさえ多忙な日常診療がさらに圧迫された」というのが多数意見と感じた。
 実際に自己判断で薬をやめた患者がいて検査値が悪化したとか、手術を勧めても拒否されたとの回答は、数は少ないもののいくつか寄せられた。これに対して、「自己判断で患者が降圧薬を中止したが、その後も血圧は安定していて、本当に薬は不要だったのかもしれないケースを経験した」との回答も1件あった。
 このような自己判断による休薬に対して、「最後は患者が自分で判断すること」と半ば突き放す意見が散見されたが、「自分に相談してくれず、偏った情報から自己判断して治療を放棄してしまった患者がいるはず」と、去ってしまった患者の存在を心配する指摘も多かった。
(略)
 最後に、今回のキャンペーンに対して、どのような印象を持っているかを聞いた。偏った情報を一方的に流す週刊誌に対する憤りが圧倒的だったが、アンジオテンシン2受容体拮抗薬を使った大規模臨床試験で指摘された一連の不正や腹腔鏡手術での事故などを例に、医療側としても襟を正すところがあり、反面教師として捉えるべきという意見も多かった。また、今回の騒動をきっかけに、患者が自分の治療にもっと関心を持ってくれるとありがたいという意見もあった。
(略)

個別の経験や意見に関しては元記事を参照いただければと思うのですが、一読した印象ではもちろん迷惑、ケシカランと言ったネガティブな反応も多いものの、説明しても判らないなら仕方ない、最終的には自己責任であると言うコメントも決して少なくないようだと言う印象でしょうか。
医療とは必ずしも受けなければならないものではなく、本人希望を前提に利用される任意のサービスと考えれば、むしろ本人が希望してもいないものを無理に説得し「正しい道」に導こうとする考えこそ傲慢だとも言えるかも知れませんが、今の時代ある程度は説得しましたと言う事実を残しておかなければ後でトラブルに巻き込まれるかも知れませんし、それが故にヒートアップしてしまった先生方も多かったのでしょう。
他方ではこうした記事で容易に扇動され、専門家の意見よりも素人の見解を優先するような方々は言ってみればハイリスクであるわけで、定期的にこうした記事を出していただくことでむしろ選別となっていいのではないかと言う考え方もあるようですが、先日少し興味深い記事がアメリカから発信されていたことも併せて紹介しておきましょう。

予防接種拒否の親「放置」医師2倍に AAPの学会員向け調査で判明(2016年9月26日米国学会短信)

 米国小児科学会(AAP)が例年行っている調査で子供への予防接種を遅らせたり、接種を拒否したりする親が増えていることが分かった。一方、予防接種を拒否する保護者を放置すると答えた小児科医の割合も前回調査から約2倍に増えているとの結果も示されている。同研究は「ワクチン接種の遅れ、拒否、および患者放置:小児科医への調査(Vaccine Delays, Refusals, and Patient Dismissals: A Survey of Pediatricians)」というタイトルで、Pediatrics誌の9月号(8月29日オンライン版公開)に掲載。

 研究グループは、2006年と2013年にAAPが実施した学会員の定期調査のデータを比較。この調査は、ランダムに抽出した会員に調査書を送付し、日常診療でワクチン接種を行っている小児科医(2006年は計629人、2013年は計627人)から回答を得た。

 調査の結果、「保護者による子供の予防接種を拒否する場面を経験したことがある」と回答した割合は2006年の75%から2013年には87%に増加していた。

 回答した小児科医らは、保護者が子供の予防接種を遅らせる理由と、予防接種を拒否する理由は異なると認識していることも分かった。2013年の調査では、保護者が予防接種を遅らせるのは子供が接種を嫌がることや免疫系への負担への懸念が多いと考えているのに対し、予防接種を拒否する保護者は主にワクチンを不要と考えていることが理由だろうと回答。「“保護者が予防接種は不要と判断している”との理由で接種を拒否している」と考える割合は、2006年から2013年の間に10%増加していた。ただし、予防接種拒否の主な理由の6項目のうち、自閉症やチメロサールへの懸念を含む3項目を選んだ割合は2006年の74%から13年には64%と有意に低下していた。
(略)

日本のみならずアメリカでもこうした傾向があると言うことは興味深いことですが、こちらでも拒否する相手に無理強いすることはないと回答している医師が次第に増えてきていると言うのは近年の日本におけるものと同様の傾向と言え、医学的な妥当性とはまた別に自己決定権と言うものが尊重される時代になっていると言うことでしょうか。
臨床現場ではワクチンを思想信条として拒否していると言う親が一定数存在していると認識されていて、そうした方々に対して説得等の余計な労力を払うことが次第に減ってきているとも言えますが、これに関連して興味深いのが2年ほど前に出ていた同じくAAPからの報告で、新生児へのビタミンK投与を拒否した親は拒否しなかった親の約15倍もの高確率でワクチン接種も拒否したそうです。
このビタミンKを巡っては日本でも数年前に大きな騒動になったことは記憶に新しいところで、これまた専門家の意見よりも素人の見解を優先する方々に発生した事例と言え、もちろん最終的には自己責任であると言う言い方は出来るのですが、投薬拒否とは違ってビタミンKにせよワクチンにせよ不利益を被るのは拒否した親ではなく、何の罪もない子供である点が少しばかり引っかかりますよね。

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2016年9月28日 (水)

久しぶりに見たと言う懐かしさあふれる記事

昨今すっかり少なくなった系統の話なのですが、先日こんな記事が話題になっていました。

「医者がサボってんじゃねーよ」→寝落ちもするわ! 36時間シフトなどの激務に同情の声も…(2016年9月25日grape)

メキシコ在住のブロガーが、ある日「職場で疲れ切って寝ている研修医」の写真と共に、こんな文章を公開しました。

「医者が激務だということは分かっているが、きちんと職務を果たしてもらいたいものだ」
「医者を必要としている患者はたくさんいるのだから」

午前3時」という注釈が付けられた投稿。ブロガーとしては「医者は裕福なのだから研修医が激務をこなすのは当然」という意図があったようです。
しかし、「研修医の36時間シフト」なども存在するメキシコでは、この考えは受け入れてもらえなかったようです…

このブログの存在を知ったメキシコ人医師のカルロスさんは、こんなハッシュタグを作り、Twitterに投稿しました。

#YoTambienMeDormi(私も寝落ちした)

そして、医師が置かれている現状をこうツイートしました。

「私も通常シフトの間に、2・3人、いや4人の患者の手術を執刀して、終わった瞬間、寝落ちしたことがあるよ」

この投稿は多くの共感を呼びます。「私も寝落ちしたことあるよ」という医師たちが写真と共に、医師の厳しい現状を公にしたのです。
また、こういったツイートに対し、医師以外の人からもさまざまな意見が寄せられました。

    医師が悪いんじゃない。労働環境そのものの問題
    ヨーロッパでは研修医の労働時間に上限が設けられた。中南米でも取り入れるべき
    さまざまなものを犠牲にして奮闘する医師に敬意を表するよ
    36時間シフト!?とても真似できない…

36時間、不眠不休で患者のケアをする若き医師たち。週に80時間以上も働くことだってザラにあると言います(1週間は168時間)。
そんな疲れ切った状況でも、万が一ミスがあれば、それが命を危険にさらすことになるだけに決して気を緩めることはできません。

「どんなに劣悪な環境下にあっても、『患者の命を救う』という使命を忘れたことはない」

そうコメントする医師たちの投稿を見ていると、彼らのプライドを感じます。
もちろん、中には怠惰な医師もいるでしょう。「病院内で写真を撮ること自体が問題だ」という指摘もありました。
しかし、激務を言い訳にせず、高い志を持って、患者と真摯に向き合っている医師も大勢いるはず。そんな彼らを「疲れ切って寝落ちしてしまった瞬間だけを切り取った写真」で批判することなどできるのでしょうか。

日本ではなくメキシコでの話だと言うのですが、記事に取り上げられている写真を見る限りでは正直サボっているような状況にはとても見えないものばかりで、むしろ昨今の日本では研修医の権利が保護された結果こうした光景は減っているかも知れませんね(その一方でレジデントクラスが苦労しているだけと言う話もありますが)。
一連の経緯を見ればまさに十数年前に日本で起きた光景そのものなので、日本でも一昔前まではいわゆる医療バッシング記事が割合に見かけられたものですが、昨今では逆に医療は大変だ、苦労しているのだと報じた方が売れるのだそうです。
それだけ世間の見る目もずいぶんと変わってきているのではないかとも感じる一方で、報道の流行も一周回ってきたと言うことなのか何やら懐かしさすら覚えるこんな記事が出てきていましたが、ニュアンスとしてはかなり変わってきている印象もあります。

スパゲティ症候群 医療行為が引き起こす「最悪な死に方」(2016年9月25日NEWSポストセブン)

「がん」「脳卒中」「心疾患」などによる死の中には、苦しみや痛みを伴うものもあれば、比較的「ポックリ」と死ねるものも存在する。一方で、様々な「死に方」の中で、どれが一番辛いかを見極めるのは難しい。
 脳神経外科が専門の眞鍋雄太・横浜新都市脳神経外科病院内科認知症診断センター部長は重度のアルツハイマー型認知症患者が直面する深刻な現実を解説する。

「ある老人ホームで私が主治医を務めた元大学教授が重度のアルツハイマー型認知症でした。英字新聞を読むのが習慣の方だったのですが、理解できなくて癇癪を起こすようになった。
 失禁すると便の付いた下着を部屋の箪笥に隠す。症状が進行してかつての聡明さは消えても、プライドは残っているのでとても辛そうでした。最期は体力が衰えて、身動きもとれぬまま誤嚥性肺炎で亡くなりました」
 患者本人にとっても、看護する家族にとっても負担は大きい。

 具体的な疾患ではなく、医療行為が引き起こす「最悪な死に方」を挙げる医師もいた。国際全人医療研究所理事長の永田勝太郎医師(心療内科)が挙げたスパゲティ症候群だ。
「事故や脳梗塞などで脳機能が損なわれて朦朧とした患者を管だらけにして栄養を送り込めば、生きられても人間らしさは奪われる。自分の意思と関係なく医療を行なわれ、ある日突然管を外され死に至る。最悪だと考えます」

 帯津三敬病院名誉院長の帯津良一医師(外科)は、抗がん剤の副作用に苦しめられるのが最も不幸だと話す。
「忘れられない患者に50代の高校教師がいました。溌剌として生徒の信頼も厚い方でしたが、抗がん剤の副作用で髪は抜け落ち、皮膚はカサカサ、食欲も落ちて生気を失っていました
 見舞いに来た生徒たちも言葉を失くすほど痩せ細った状態を経て多臓器不全で亡くなられました。抗がん剤も外科手術もその処置によってもう一度社会に戻してあげられるなら必要ですが、ただ単に命を長らえるだけならかえって残酷です」

記事中にも最悪の死に方の一例として出てくるスパゲッティ症候群なる言葉、特に注釈もなく使用されていますけれども、昨今ではあまり見かけないだけに何のことやら意味が判らないと言う人も多いのではないかと思うのですが、点滴や各種コードが多数取り付けられた様子を示す言葉として往時は流行した言葉で、実際の医療現場ではあまり聞かないマスコミ専用の医学用語の一つと言えそうですね。
こんな言葉が使われていたのはすでに20年以上も昔の話ではなかったかと思うのですが、当時は医療バッシングの一環としてこうした言葉が盛んに週刊誌等も登場したもので、まあ適切なモニタリングを行わないで患者が急変なりすればそれこそマスコミから総バッシングされるのですから、防衛医療的には必要な局面もあったかとは思います。
ただ時代も変わってこうした行為を行う対象も相応に選別すべきだと言う考え方が広まってきたとは言えそうですが、結果的にあまり見目麗しくない亡くなり方と言うものが存在するのは事実だとしれも、それを始めた段階で結果を予見するのは困難なことも多く、ひとたび始めてしまった医療行為を途中で止めると言うのは始める以上に勇気が要るもので、誰がそれを決めるのかが問題です。
文字通り何もせず看取るだけの末期高齢者なども当たり前のようにモニターのケーブルなどはつながっているものですが、看取るに当たって最低限これは必要だろうと言う閾値をどこまで引き下げることが出来るかについては、医療を行う側よりも社会の側の認識変化が必要であるようには感じます。

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2016年9月27日 (火)

横浜病院内点滴殺人事件の余波

横浜の病院で点滴に異物が混入され患者が亡くなった事件では故意の犯罪であったとして捜査が進められているそうですが、その過程でこんな記事が出てきています。

患者中毒死:17日以降、点滴に混入か 無施錠で保管(2016年9月25日毎日新聞)

 横浜市神奈川区の大口病院で入院患者の八巻信雄さん(88)が点滴に異物を混入され殺害された事件で、八巻さんに投与された点滴は使用の2日前の17日午前から4階のナースステーションに保管されていたことが捜査関係者への取材で分かった。点滴は他の患者に使用するものと一緒に無施錠の状態で保管されていた。神奈川県警は、17日以降にナースステーションで異物が混入された可能性があるとみて調べている。

 捜査関係者によると、同病院は通常、1日の使用分の点滴をナースステーションの机の上や洗面台の横で保管している。病院の薬剤部が、患者の氏名や使用予定の日時などを書いたラベルを貼り、午前中に翌日朝までの使用分が薬剤部からナースステーションに運ばれる。
 だが、19日午後10時ごろから八巻さんに投与された点滴は、17~19日が連休だったことから3日分がまとめて用意され、17日午前に4階ナースステーションに運び込まれた。17日夜以降、4階は日勤と当直の看護師2人ずつが交代で勤務していたという。

 八巻さんは20日午前4時ごろ、心拍数が低下してアラームが作動し、4時55分ごろ死亡が確認された。死因は中毒死で、体内や点滴の袋から、洗剤などに含まれる界面活性剤の成分が検出された。県警は、界面活性剤の成分が死亡の原因になったとみている。
 点滴の袋には目立った破れなどはなく、捜査関係者によると、何者かが注射器などを使い、点滴袋のゴム栓から異物を混入させた可能性があるという。

 ナースステーションには鍵がなく、注射器や、界面活性剤を含む製品も置かれていた。また、八巻さんが死亡した4階では、18日にも入院患者の男性2人が死亡。いずれも17日午前にナースステーションに運ばれた点滴を投与されたとみられ、県警は袋に残留した内容物の鑑定を進めている。【国本愛、村上尊一】


横浜の入院患者殺害事件 病院の点滴保管状況捜査(2016年9月25日共同通信)

 横浜市神奈川区の大口病院で点滴に界面活性剤(界面剤)が混入され入院患者の八巻信雄さん(88)が殺害された事件で、神奈川署特別捜査本部は院内での点滴の保管状況を調べるため、25日以降、薬剤を取り扱う部署の関係者などから事情を聴き、界面剤が混入された経緯を調べる。

 特捜本部によると、点滴は病院の薬剤部に納入される。その日に必要な分が振り分けられ、各階の担当者が取りに来ることになっている。

 八巻さんが入院していた4階のナースステーションでは、机の上や洗面台の横に点滴袋が誰でも触れられる状態で置かれていた


点滴異物混入に「普通は気付く」大口病院殺害事件(2016年9月26日日刊スポーツ)

 横浜市神奈川区の大口病院で点滴に界面活性剤(界面剤)が混入され入院患者の八巻信雄さん(88)が殺害された事件で、近くにある同じ系列の病院に勤務する看護師が25日取材に応じ、点滴が泡立つなどの異常があれば「普通は気付く」などと管理体制を明かした。八巻さんに投与された点滴は17日午前に1階の薬剤部から、入院する4階のナースステーションに運び込まれたことも同日、捜査関係者への取材で分かった。

 事件が起きた大口病院と同じ慈啓会の病院に勤める30代女性看護師は、点滴にあらかじめ異物が混入されていれば「普通は気付く」と語った。
 界面活性剤が入り、点滴が泡立っていたとの一部報道を聞き「そう異常が見られれば、普通は使わない」と説明。未使用の場合、点滴袋とチューブをつなぐゴム栓は通常、ラベルが貼ってあり、それをはがさないと注射針などで異物を混入することはできないという。もし、はがれるなど少しでも異常があれば、点検したり、報告するという。
 30代看護師の病院では、薬剤部から運ばれた点滴などはナースステーションに保管されるが、施錠などはされていない。しかし「看護師以外がナースステーションに入れば簡単に気がつく」と話し、一般人が点滴に異物を入れるまでできるのかには疑問を呈した。
 医師の指示で点滴に別の薬剤を混ぜる際も含め、点滴を扱う際は必ず「看護師2人でダブルチェックをしています」と語った。一方で同病院に勤める20代女性看護師は「薬剤を混ぜる際に使う注射器に、あらかじめ異物が仕込まれていたら…」と指摘した。男性看護師は「看護師経験者なら病室で点滴をセットした後でも、異物を混入することはできるだろう」と話した。さらに閉鎖式三方活栓と呼ばれるプラスチック製の接続部分から注射器を刺せば「痕跡なく異物を混ぜることは可能」とした。

 20日に死亡した八巻さんが入院していた大口病院の4階では、4月に看護師のエプロンが切り裂かれ、6月にはカルテが紛失し、8月にスタッフの飲料に異物が混入するなど不審なトラブルが続いていたことが分かっている。4階に、過去に家族が入院していた男性は「ナースステーションは入ろうと思えば、何のチェックもなく入れたと思う」と語った。【三須一紀】

記事にもあるようにこの病院では以前から様々な不可解な事件が発生していたそうで、何かしらのトラブルがあったことを想像させるのですが、一方で誰しも気になるのはこうした犯罪行為はいつでも誰でも、そしてどこの施設でも行えるものなのかどうかと言うことですよね。
点滴に異常があれば使わない云々と言うコメントもありますが、そもそも全てのスタッフが施行する点滴にどのような成分が入っているのか、それを混入することでどんな色調や性状の変化が生じるのかを熟知しているわけでもありませんし、そうであるからこそ全国的に点滴取り違えと言ったケースが見られるとも言えます。
当然ながらナースステーションにしても日勤帯であれば常時誰かが詰めているでしょうが、夜間ともなればほとんどの場合数少ないスタッフが病棟内を回っており不在と言う状況は全く珍しくないわけですから、特に専門的な知識がなくともその気になればいつでも誰でも侵入して異物を混入することは容易だろうと思われますね。

今回一連の記事を見ていて気になったのが冒頭の記事にもあるように「点滴は他の患者に使用するものと一緒に無施錠の状態で保管されていた」云々と保管状態を問題するような報道が見られることで、全国的に見てもごく普通の点滴を施錠管理している施設もそう多くはないでしょうが、再発防止のため対策を講じろなどと言われ始めるとこれは大変なことになりそうだと言うことです。
点滴を始め管理を厳重にすると言うことの意味はこれまでは主に取り違えなどのミス防止が目的でしたが、今回のように犯罪行為に関わってくると言うことになれば段階を幾つも引き上げたレベルでの管理が必要になってくるでしょうから、何も考えずに再発防止策を講じようとすると臨床現場が大混乱しかねない対策が登場してきかねません。
いやそんなことはない、麻薬などは現在でも施錠して厳重に管理していると言われるかも知れませんが、これらはごく限定的な機会に用いられるものだからこうした管理が成り立つとも言え、点滴を取り出すたびにキャビネットの鍵を開け閉めすると言うのでは正直仕事にならないと言う施設の方が多数派でしょうから、全くもって頭が痛いところですね。
今回の事件では基本的に性善説で成り立っている医療現場に警鐘を鳴らすと言う意味では非常に教訓的な事件となったように思うのですが、さてそれによって得られた教訓をどう現場に還元すべきかと考えた場合、なかなか扱いの難しい問題を突きつけられているとも言えそうですね。

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2016年9月26日 (月)

元フジテレビアナが「透析患者は殺せ」と主張したとして炎上騒動に

ちょうどつい先日は週刊誌が透析医療を巡る批判的記事を掲載したところですが、今度はフリーアナウンサーがこんなことを言い出したと話題になっています。

もはや炎上確信犯!?長谷川豊アナが腎臓病患者に大暴言で非難轟々!(2016年9月23日アサ芸プラス)

 長谷川豊アナの発言がまたしても炎上している。問題になっているのは長谷川アナの9月19日・20日のブログの内容だ。
 19日のブログタイトルの一部は「自業自得の人工透析患者なんて、全員実費負担にさせよ! 無理だと泣くならそのまま殺せ!」という物騒なもの。
 20日のブログでは「自堕落な生活で人工透析患者になったハナクソ同然のバカ患者」とまで言い放っている。
 人工透析を受けている腎臓病患者は、ほとんどが自業自得で病気を悪化させたのだから、そんな患者に自分たちの払っている保険料が食いつぶされるのは我慢ならないという主張だ。

 これらの記事に対しては「胸糞が悪い」「ヘイトクライムだ!」といった非難が殺到している。
「長谷川アナは遺伝以外では人工透析患者の8~9割が自堕落な生活で糖尿病になり、糖尿病が腎臓病を誘発したと主張しています。その根拠となったのは“あるお医者さん”との会話のみ。裏付けるデータも説得力もありませんが、鵜呑みにしてしまう読者もいるようです」(週刊誌記者)
 腎臓病の原因は糖尿病以外にも高血圧や膠原病、妊娠中毒症、薬の副作用などいろいろとある。どこまでが自己責任なのかは誰にもわかるものではなく、たとえ自堕落な生活が原因であったとしても、それを「殺せ」と言える厚顔ぶりには驚くばかりだ。
 他人とは違う切り口で世間の注目を集めたいのかもしれないが、確かなソースと思い込みで病気で苦しむ人たちを傷つける言動は決して許されるものではない。

「自堕落な生活で人工透析やってる連中なんか全員殺せ」 長谷川豊ブログ・発言が物議(2016年9月21日J-CASTニュース)

   元フジテレビアナウンサーの長谷川豊さんのブログ記事が「炎上」している。きっかけは2016年9月19日に公開した、人工透析患者にまつわる記事だ。長谷川さんによると、人工透析患者のほとんどは「自業自得」の生活習慣が発病の原因なのだという。
   これに「怒りで手が震えている」「ヘイトクライム思想」とネットで非難が殺到。しかし、長谷川さんはその後もブログ等で同様の主張を繰り返し、批判するネットユーザーを「頭スカスカのコメントも届いています」などと挑発している。

   問題視されたのは、「自業自得の人工透析患者なんて、全員実費負担にさせよ!無理だと泣くならそのまま殺せ!今のシステムは日本を亡ぼすだけだ!!」と題するブログ記事だ。
   「『人工透析』を担当しているお医者さん」に聞いた人工透析患者の分析をもとに、現行の健康保険制度を「解体すべき」と提言している。
   記事によると、人工透析患者の「8~9割」は「『自業自得』の食生活と生活習慣が原因」。「バカみたいに暴飲暴食を繰り返す」「腹は出る、腰は痛める」などした結果、糖尿病を発症し、人工透析患者になるというパターンが「かなりの割合に上る」という。
   また、人工透析患者の多くは「身体障害者1級」に認定されることから、「公共交通機関の利用料の半額」「タクシーの初乗運賃の無料チケットが貰える」「高速道路の利用料金の半額」といった優遇措置も受けられるそうだ。さらに、透析治療を通じて医療機関に流れ込む障害者年金は「金の成る木」であり、透析を中心にやっている病院は「大変なもうけを毎月出しています」という。
   長谷川さんはこうした指摘を一通り行った後、批判を見越してか、
    「本コラムは記事内にもありますように『先天的な遺伝的理由』で人工透析をしている患者さんを罵倒するものでは全くありません。誤解無きようにお願い申し上げます」
と断っている。
(略)
   しかし、長谷川さんの「問題提起」はこれで終わらなかった。20日にも「繰り返す!日本の保険システムと年金システムは官僚から取り上げ民間に落とせ!」という記事をブログに公開。
   19日の記事に多くの「医療従事者」から「賛同」の声があったとしつつ、「『優しい自分』が大好きなだけの取材一つしないバカ」から「頭スカスカのコメント」が届いたとも明かした。
   そして、「自堕落な生活を送り、暴飲暴食を繰り返し、身体検査でも引っかかり、医師から繰り返し注意されているにもかかわらず、何一つ改善せずに、何一つ真剣に聞き入れずに、繰り返し更なる暴飲暴食を繰り返し、さらに医師たちから厳重に注意されても、運動一つほとんどせずに...挙句に、人工透析患者になったハナクソ同然のバカ患者」に「税金なんて使うな!」と前日同様の主張を繰り返した。
   また、同日放送の情報番組「バラいろダンディ」(TOKYO MX)でもこのブログに言及。
    「日本の保険料の払い方がずさんでしょっていうことで、自堕落な生活で人工透析やってる連中なんか全員殺せ、って言ったら燃えた
と振り返り、出演者でヒップホップグループ「RHYMSTER」の宇多丸さんに「当たり前でしょ、言い方言い方!」といさめられた。

   長谷川さんの主張はどれほど事実に沿ったものなのか。日本透析医学会の公開データ「わが国の慢性透析療法の現況」によると、14年末時点での原因疾患の割合は糖尿病性腎症が43.5%、慢性糸球体腎炎が17.8%、腎硬化症が14.2%となっている。

この長谷川何某氏、ざっと見ただけでも過去にも様々なトラブルで世間を騒がせてきたなかなか愉快な方であるようなんですが、今回の記事に関しては後日談を見る限り計算してやった部分が半分、計算外だった部分が半分であったようで、まあ今の時代自分でネット世論をコントロールしようと思ってもなかなか思った通りにはいかないと言うものですよね。
本人は宣伝目的で意図的に激しい言葉を使ったと言うことなんですが、言葉を専門に扱う商売としてはさすがに表現に至らぬ部分があることは確かで、その部分は本人としても反省しているとのことですが、冒頭の記事のように敢えて長谷川氏の発言を曲解して炎上させようとしている方々もいらっしゃるのは確かであるようです。
長谷川氏の主張は要するに以前からある自己責任論の延長で、自ら何ら生活改善の努力をせず医師の指示にも従わなかった結果病期を進行させてしまった方々も、仕方のない事情で病期を抱え込んでしまった方々も同じに扱うのはおかしいのではないか、保険診療上の差をつけるべきだと言う主張であるようですね。
透析患者のかなり多くの部分が自己責任と言いたくなるような生活態度の方々で占められていることも確かなのでしょうが、それが多いか少ないかと言った議論はあまり今回の本論には関わりのないことで、要するにいわゆる自己責任論を認めるべきか否かと言う部分が焦点になるかと思いますが、これには理念的な部分と実行上の問題とが含まれているように思います。

そもそも皆保険制度自体が国民等しく全国何処でも同じ価格で同じ医療を受けられると言う、ひどいフィクションを前提にやっている制度である以上、今さら自己責任論的なところだけ取り上げておかしいのおかしくないのと言っても仕方がないと言う考えもあり、それを言うならろくな病院もない僻地住民は保険料半額でいいのかと言う話にもなりかねません。
一方で自己責任論を肯定し保険診療上の格差を設けるとして、そもそもどうやって患者の病態悪化が自己責任の範疇か否かを認定するのかが問題で、長谷川氏自体は点数制や民間会社による調査を導入すべきだと言っていますが、長谷川氏の言うようにグレーゾーンは全部保護する考え方でいいとなると調査コストに見合うだけのコスト削減が出来るのかどうかですね。
救急医療においては最近受け入れた医師が本当の急患であったかどうか判断するようになっていて、軽症であった場合余計な支払いが発生すると言う仕組みになってきていますが、同様に維持透析を行う時点で担当医が一筆書くようにするとなると、何しろ一時の支払いでもなければ命も掛かってくることだけに担当医の抱え込むことになるストレスやプレッシャーは大変なものになりそうです。
結局のところ同氏の主張に関しては少なくとも理念的には理解出来ると言う人も決して少なくないようですが、実際にそれを行うとなるとさてどうするべきなのかと言う問題も山積で、お金のことを言うなら一部諸国のように何も考えずに年齢で一律透析の保険適用を外すと言ったシンプルなやり方の方がまだしも実現性は高いのかも知れません。

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2016年9月25日 (日)

今日のぐり:「山陽自動車道小谷SA上りフードコーナー」

先日発売されたばかりの新型スマホについて、早くも全損にも直結しかねない重大な脆弱性が発覚したと報じられています。

iPhone 7に早くも脆弱性が見つかる 「油圧プレス機でプレスすると壊れる」(2016年09月17日ねとらば) 

 発売されたばかりのiPhone 7に、「油圧プレス機でプレスすると壊れる」という、深刻な脆弱性が早くも発見されました。YouTubeの「Hydraulic Press Channel」の実験で明らかになったもの。マジかー耐えられなかったか~(棒読み)。

 日ごろから「何でもかんでも油圧プレス機で押しつぶしてみる」という動画ばかり投稿している同チャンネル。今回はまだ発売されて1日もたっていないiPhone 7がその餌食になりました。果たしてiPhone 7は油圧プレス機の圧力に耐えられるのか……って耐えられるわけないだろ! いい加減にしろ!
 さすがのiPhone 7も、油圧プレス機のパワーにかかっては溶けたアメも同然。シリンダーが降りてくると、まず正面のガラスが粉々に吹っ飛び、あとは「く」の字に折りたたまれるようにしてアッと言う間に押しつぶされてしまいました。あああ、せっかくのiPhone 7が……。後に残ったのは、無残にも粉々になった残骸だけでした。
(略)
 今回から待望の防水機能が追加されたiPhone 7でしたが、さすがに油圧プレス機には勝てなかったようです。動画の説明文では、「自宅やその他の場所でマネしないように」と注意しています。

詳細は元記事の動画を参照いただきたいと思いますが、その後の調査では日本刀で斬り付けても壊れると言う新たな脆弱性も発覚しているそうで、メーカーの対応が注目されます。
今日は前途多難なスタートを切った新型スマホ発売を記念して、世界中からまあそれは…と思わずため息をつきたくなるようなニュースを紹介してみましょう。

近鉄社員、高架の駅から飛び降り 列車遅延の対応中、東大阪(2016年9月21日共同通信)

 21日午前11時ごろ、大阪府東大阪市の近鉄奈良線東花園駅で、列車の遅延について乗客に対応中だった男性社員(26)が制帽と制服を脱ぎ捨てて高架の駅から約7.5メートル下の地面に飛び降り、救急搬送された。大阪府警によると、命に別条はない。

 近鉄奈良線では午前10時半ごろ、同市の河内小阪駅で70代とみられる女性が近鉄奈良発神戸三宮行き快速急行にはねられ死亡。この影響で上下線に遅れが出ていた。近鉄によると、社員は乗客から詰め寄られて逆上したとの情報もあり、経緯を確認している。

 近鉄は「不適切な行動で大変遺憾。ご迷惑をお掛けし、心よりおわびします」としている。

それはまあ相当にストレスのかかる状況であったことは想像に難くないのですが、出来るならば今少しの冷静な判断力が欲しかったところですね。
市民大会などではしばしばご当地名産が商品として登場することは珍しくありませんが、こちら時と場合によっては当惑する結果になりかねないと言うニュースです。

持ち帰れない!モンゴルマラソン優勝の日本人選手、賞品はなんとラクダ!―中国メディア(2016年9月21日レコードチャイナ)

このほど開催された第20回モンゴル国際草原マラソンで日本から参加した兵庫県加西市職員の大道さんが優勝した。大道さんが参加したのは走る距離が最長となる100キロ種目で、9時間57分をかけてゴールまでたどり着いた。長いレースの果てに勝ち取った賞品は、モンゴルならではのラクダ1頭!ラクダは大道さんによって「Go」と名付けられた。人民網が伝えた。

ラクダは数日間水を飲まなくても砂漠を移動することができるので、この過酷なマラソン大会にうってつけの賞品と言えるだろう。しかし残念なことにモンゴルの家畜は日本に輸入することができないということだ。そこで大道さんはラクダの「Go」の世話を遊牧民に頼み、毎年モンゴルに会いに来ることを約束した。大道さんは「是非ともGoを日本に連れて帰りたいと思ったが、モンゴルに残る方がGoにとっては一番いいだろう」と語った。

記事の写真を見る限りでも非常に豪華でまさに優勝賞品にふさわしいものなのですが、しかしまあこれは仕方ないですかね…
救急外来で腹痛患者はありふれていますが、こちらその理由があまりに納得出来るものだったと話題になったニュースです。

インドで男性の胃袋からナイフ40本 「飲む癖がついちゃって」と手術で摘出(2016年8月29日J-CASTニュース)

   インドで、見るだけでお腹が痛くなるようなニュースが、お茶の間に流れて国中の話題になっている。

   40本ものナイフを飲みこんだ男の手術が病院で行なわれ、胃の中から取り出された黒くさびたナイフが、報道陣のテレビカメラの前にずらりと並べられたのだ。2016年8月21日、ロイター通信など複数の海外メディアが報道した。

   この男性は、インド北部パンジャブ州最大の都市アムリトサルで警察官をしているサージート・シンさん。ロイター通信によると、激しい腹痛を訴え、病院で検査したところ、胃に大きな影が映った。シンさんは医師に「ナイフを28本飲んだ」と話したが、実際に手術してみると、取り出されたのは合計40本ものナイフ。シンさんは、交通事故に遭って歩行困難になり、屋内で過ごす時間が多くなって以来、することがなく、ナイフを飲む癖がついてしまったという。「ナイフを飲みこむ衝動が抑えられなくなった」と語っているそうだ。

   すべてのナイフを取り出すまでに5時間かかったが、シンさんの容体は安定している。当初は、「胃の悪性腫瘍か」を疑ったという担当医師は「過去20年で、かつてない手術だった」と驚きを隠さなかった。

これなら痛んでも仕方がないと誰しも納得せざるを得ない話ですが、ちなみによくナイフ40本も入ったなと写真を探してみますと肥○守とかそんな系統のものだったようですね。
最後に取り上げますのはジャワ島から報じられた驚くべきニュースですが、まずは記事から紹介してみましょう。

衝撃】インドネシアで世界最高齢145歳のじーちゃんが発見される。今の望みは「ただ死ぬこと」(2016年08月28日ユルクヤル)

1870年12月31日生まれ。御年145歳。このたびインドネシアで世界最高齢の男性が発見されたとして話題になっている。英各紙が報じた。

現在ジャワ島中部スラゲンに住むムバさん。ギネス記録ではフランス人女性ジャンヌ・カルマンさん(122歳164日)が世界最高齢として認定されているが、1870年生まれが本当ならば、大きく記録を更新することとなる。
孫のサーヤントさんは、おじいちゃんが122歳になった時点で墓石を用意したのだが、それからすでに24年経った今でも「使う予定がない」と話してくれた。

テレビ局の取材に応じたムバさんは「長寿の秘訣は忍耐、しかし今の望みはただ死ぬこと」と述べた。

記事の写真を見る限りではまだお元気そうなので、ネット上では親か祖父の出生証明書なのではないかと言う声もあるようですが、それにしても超高齢者なのは間違いなさそうですよね。
かつて長寿で知られた泉重千代氏が好きな女性のタイプを問われ「やっぱり、年上の女かのぉ」と答えたことが話題になったことがありましたが、高齢者には高齢者なりのもっともな悩みがあると言うことでしょうか。

今日のぐり:「山陽自動車道小谷SA上りフードコーナー」

昨今の高速道路ではSAの充実が目を見張りますが、旅の途中に手軽に立ち寄って土地の名産を楽しめるのはありがたいことです。
こちらのSAでも広島県の食品を数多く扱っているのですが、今回は広島名物だと言う汁なし坦々麺を頼んで見ました。

ちなみに日本では担々麺と言えば汁の入っているものが一般的ですが、元々中国四川省で誕生したものは汁なしの料理だったそうです。
広島界隈ではこの汁なし担々麺の店がどんどん増えているのだそうで、元々は広島市内の「きさく」が発祥らしいのですが、何故流行しているのかは謎ですね。
ちなみに広島独自の食べ方として最後に丼に飯を入れるのだそうですが、さすがに今回は白飯追加はパスさせていただきました。

この広島風担々麺、山椒とラー油の効いた味が基本だそうで、挽き肉のそぼろに加えて温泉卵が乗っているのが珍しいですが、刻み葱と白髪葱のミックスと言うのは彩りがいいですね。
作法として最低10回は混ぜてから食え、だそうなのでとりあえず混ぜてみますと、ピリ辛味が卵でマイルドになりこれはいいアイデアだと感じたのですが、卵はオプション扱いの店もあるそうです。
ただこの中途半端にぬるい麺に冷えたトッピングの組み合わせは食べていてどっちつかずで何とも微妙な気もしたのですが、この点はきちんと冷やしたものを出す店もあるらしいですね。

これはこれで悪くないのですが、油そば同様スープがない分少し物足りない気もするのも事実で、逆説的ですが日本ではスープも楽しめる汁あり担々麺が一般的になったのも分かる気がしました。
ところで汁もないのに妙に大きなこの丼、ネットで見てもこういう大きな器のお店が多いのは混ぜる都合なのでしょうか、こういうところも地域の食文化として興味深いですね。

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2016年9月24日 (土)

小学生が掘り起こす親世代の黒歴史

今の時代に多くの人が自分の名前をネット検索してみた経験があるかと思うのですが、先日こんなちょっと怖いニュースが出て話題になっています。

「親のフルネームを検索して黒歴史を掘り起こす」小学生の怖すぎる遊び(2016年9月20日エキサイトニュース)

この十数年で急速にインターネットが普及。さらにここ数年ではSNSが大流行し、個人がネットにさまざまなものを投稿する時代になった。だが、そんな時代が子供たちに“とんでもない遊び”をする機会を与えてしまったようだ。今小学生の間では「親のフルネームを検索して出てきた画像を見せ合う遊び」が行われているというツイートが拡散されている。

親世代が恐怖で震える子供の遊び

Twitterユーザーの@yulily100さんが「こないだ小学5年生の子5人くらいと話してて戦慄したことといえば、『親のフルネームを検索して出てきた画像を見せ合う遊び』ですね……」とツイート。このツイートが広がると「こんなん怖すぎるわ」「ネット時代こわ」「こりゃ下手な事できんな」「黒歴史掘り出される」と、現在の親世代だけに関わらず、これから親になる若者たちと思われる人も恐怖の声を上げているようだ。
現在の小学生の親世代は、まだSNSが爆発的に普及する一歩前くらいの世代かもしれない。だが、フェイスブックなど実名でネットをやることが流行している今の時代の若者たちは、将来子供に「自分のアカウントを絶対見られたくない」と感じているようだ。「この遊びが親世代のシャレにならないものを呼び起こす時代に今はなっているので、早めに手を打ったほうがいいなこれ。全国で悲劇を生む遊びだ」と注意を喚起するひとも現れている。

実際に検索をした結果……

この恐怖の遊びが小学生の間で行われているとのことだが、さまざまなTwitterユーザーが実際に親の名前で検索してみたり、自分の名前で検索してみたりと、試した結果をツイートしている。
すると多くの人が「同姓同名の別人が大量に引っかかるだけだった」「ありふれた苗字と氏名だから検索しても同姓同名が大量に引っ掛かるだけ」「慶応卒のイケメン弁護士が出てきた。なにこの完璧超人」と声をあげているように、思い描いた本人の元に辿り着かないというケースがほとんどという結果になっているのだそう。
だが「キラキラネームだったら一発だな」といった声も上がっているように、珍しい名前なら一発で本人の元に辿り着いてしまいそうとの指摘が。となると今後親になる現在の若者世代は、やはり注意が必要かも。

しかし子どもと言うものは何をするにも大人が思いもつかないことをやりがちなものですが、こうしたことが流行ってくると言うのも一昔前であれば少し考えられないことでそれ自体は興味深いのですが、下手をすると子ども経由で個人情報が流出しかねないと言うリスクもあるわけですね。
不肖管理人の中の人も試しに検索してみましたところ、今のところ黒歴史となるようなものは引っかかってこない様子なので安心したのですが、ネット時代となりオンラインでの情報集積がますます加速化するにつれて、こうした検索で引っかかってくる情報量は増えてくる理屈です。
もちろん自分自身のことに関しては自分で責任を取るしかないのですが、親の黒歴史を子どもが掘り起こすとなれば子どもの教育上どのような影響を与えるものかで、下手をすると厨二病前回の卒業文集を発掘されるどころでは済まない悲劇が全国各家庭に発生し得る可能性もありそうですね。

当然ながら大人の側としても後ろ暗いものが全く無い人生を送ってきた人ばかりではないでしょうから、こうした状況になればそれなりに自己防衛を図らなければならないところですが、ひとまずは当たり前の常識としてネット上でみだりに実名など個人情報を公開しないと言ったことは心がけておいた方がよさそうですよね。
昨今しばしば裁判沙汰になるようにネット検索に引っかかるような情報を削除依頼すると言うことも不可能ではありませんが、手続きの煩雑さは置くとしても実際一度出た情報を完全に削除することは難しいですし、下手をすれば騒ぎ立てたことでさらに情報が拡散してしまうと言うリスクもあるわけです。
今のところはネット上の人格と言えども後々に恥ずかしくなるようなことは止めておこうと言うしかないのかも知れませんが、子どもの側にもキラキラネームなどつけられた日には一生その傷がついて回ると言った言い分もあるようで、要らぬところでネットの普及が思わぬ世代間闘争の火種になりかねないと言う話ですね。

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2016年9月23日 (金)

著名人の闘病生活を巡って意外な展開に

先日以来著名人の重大疾病に関わる個人情報が突然全国配信された事例を巡って各方面で反響を呼んでいましたが、ここに来て状況が予想しない方向に急展開しているようです。

乳がん闘病中の小林麻央、肺と骨にがん転移告白(2016年9月21日日刊スポーツ)

 乳がんで闘病中の小林麻央(34)が20日、がんは現在、肺や骨などに転移していることを明かした

 この日更新したブログで、14年10月に受けた生検(生体検査)の結果を告知されるまでを「生検の結果を聞くまでの10日間は、ひとりだけ違う時間軸に生きて、ゆっくりゆっくり皆とは違う暗闇に追いていかれるような感覚だった」と振り返った。そして、告知された当日については「診察室に入った時の先生の表情で、『陽性だったんだな、がんなんだな』と分かった。心の準備は意外とできており、冷静に先生のお話を伺った」とつづった。
 この時点では脇のリンパ節転移のみだったが、その後、肺や骨などに転移していることが分かったという。今年6月に夫の市川海老蔵(38)が会見で進行性の乳がんと明かしたが、転移について触れたのは今回が初めて。また、10年に海老蔵と結婚したころに母親も乳がんを患っていたことを明かし、「治療に関する知識はある程度あった」という。

 麻央は今月1日にブログを開設。「がんの陰に隠れない」と、金髪のかつら姿を公開したり、左の乳房にパチンコ玉大のしこりに気づいた時の驚きを明かすなど、がんと判明するまでの経緯や闘病の様子を克明に報告し、反響を呼んでいた。この日も転移を明かした後、病院食のご飯が「小」になっていたことに、「『大』を希望しよう。私の取りえは食欲です。皆様、安心してください」と前向きにつづった。

小林麻耶 妹・麻央の転移告白に「時が一瞬止まりました」(2016年9月20日スポニチアネックス)

 6月に体調を崩して休養中のフリーアナウンサー・小林麻耶(37)が20日、自身のブログを更新。この日、乳がんで闘病中の妹・小林麻央(34)が自身のブログで転移について語ったことを受け、「時が一瞬止まりました...」とつづった。

 麻耶は「“15告知日” ...」とエントリーし、「こんにちは。たくさんのいいね!コメントありがとうございます。とても励まされました。ゆっくりですね」と、あたたかいメッセージを送るフォロワーに感謝した。
 そして、台風の経過に注意喚起を促してから、「私は相変わらずドンヨリ。なかなか起きれず お昼過ぎに起きて Yahoo!ニュースを見たら... えっ 転移を公表したの? 急いで妹のブログを見に行くと...」。

 麻耶は麻央のブログの「その後、現在肺や骨などに転移あり」という言葉を転載して、「サラリと言ってた 時が一瞬止まりました... ブログの経過報告の中で公表すると思っていましたが、まさか、まさか!」と驚いた上で、「まおちゃんらしい」とした。
 そして、「今を全力で生きている彼女は、本当に強い。迷いがない。すべてを受けとめ、前を向いている。明るいんです」とつづり、「今、私たち家族は、妹にひっぱってもらっています。いつの日か、妹が辛くなった時... また私たちがひっぱれるように心も体も整えたいと思っています」と締めくくった。

小林麻央、3人目出産の願い「高望みだと一気にかき消した」(2016年9月21日サンケイスポーツ)

 歌舞伎俳優、市川海老蔵(38)の妻で、乳がん闘病中のフリーアナウンサー、小林麻央(34)が21日、自身のブログを更新。3人目の出産は「高望み」だと諦めざるを得なかったとを明かした。

 麻央は「妊娠や出産について」と題したブログで、治療を受ける上での妊娠と出産へのリスクについて医師から受けた説明を振り返った。
 内容としては、抗がん剤治療に排卵機能が停止してしまうこと。20代、30代であれば機能が戻る可能性は十分あるということ。卵子を凍結しておくことも可能だが排卵誘発剤を使用するために乳がんを促進してしまう可能性もあるということを知ったという。
 また、治療法の一つであるホルモン療法は5年間に及ぶため、妊娠出産を望む場合は「抗がん剤治療→手術→放射線治療の後、ホルモン療法の前に、タイミングを考えることができるかもしれない」などの説明を受けたという。

 麻央はそれを受け「『子供は2人いますので、3人目は考えていません』と何の強がりなのか言ってしまった」というが、本当は「ふたり姉妹で育ってきたので、麗禾に妹ができたらな、とか 勸玄にも分かり合える弟ができたらな、と思ってきた」と明かし、しかしそんな願いさえ「高望みだと一気にかき消した」と、苦悩をつづった。

市川夫妻の平素をあまり存じ上げないのでどのようなお考えからこうした発表に至ったかは何とも言いがたいのですが、身内は元より個人的に思い入れもあるだろうファンや関係者にとってはずいぶんと重い告白になっただろうことは想像に難くありませんね。
会員限定のブログだとは言え当然こうして全国に配信されることが前提の公表であり、実のお姉さんが報道で知って驚くほどだったと言いますから余程に強い決意があったのだろうと思いますが、正直「ここまで言ってしまうのか」と感じた人も少なからずいたのだろうし、病状の深刻さもさることながらこうした告白をしたことに驚いたと言う声が多いようです。
著名人の闘病に関わる報道と言えば過去何人かの総理経験者などもそうですし、少し古い話になりますと先代の昭和天皇の晩年なども日本中を巻き込んでの騒ぎになりましたが、当時は今ほどオープンではなかった皇室報道のあり方も手探りの状態である中で、公人とは言え個人の重大な情報をどこまでオープンに語っていいものかと言う議論もあったと記憶しています。
今回の一連の経緯に関しても初期には市川氏自身が報道陣を前に取材報道活動の自粛を呼びかけるなどの騒動もあったわけですが、ここにきてこうまで厳しい状況を公開してしまったと言うことで、マスコミの報道的にはむしろある種の戸惑いめいたものも感じられます。

乳がん闘病中の小林麻央が明かした「骨に転移」の意味(2016年9月21日日刊ゲンダイ)

 乳がんで闘病中のフリーアナウンサー、小林麻央(34)が自身のブログで「肺や骨にも転移」していることを明かして、芸能界ばかりか社会全体が騒然となっている。
 特に注目されているのは「骨」の部分で、一般的に「骨に転移したら、かなり危ない状況」などと言われているだけに、ネットなどでは「もう助からないのか」「末期に近いのか」といった書き込みが相次いでいる。実際のところはどうなのか。医学博士の米山公啓氏に聞いた。

「骨に転移したとなると、『ステージⅣ』ということでしょう。常識的に見れば手術はもはや難しい段階です。転移した骨として考えられるのは脊椎や肋骨辺りでしょうか。これによって痛みが伴いますが、転移した骨周辺ばかりでなく、全身にも広がりますので、つらいところですね」
 今後は手術よりも痛み止めや、がん細胞の増殖を抑える放射線治療が中心になるとみられる。

■今年3月から新しい療法も

 もっとも、暗い話一辺倒ではない。今年3月、新たな放射線療法が認められたのだ。
「『ゾーフィゴ』と呼ばれる放射線医薬品を体内に投与するもので、これまでの放射線とは比べものにならない破壊力です。現在はまだ前立腺がんへの投与が中心ですが、他のがんにも効果的かどうか研究の真っ最中なのです」(前出の米山氏)
 そういえば、小林は「骨転移」を告白してから2時間後、同じブログに「気づいたこと」と題して、入院食の米飯が「小」にされていたことや、今後は「大」を希望すること、さらに「私の取り柄は食欲です。皆様、安心してください(*^.^*)」などを明るくつづっている。
 この前向きさこそが、がん患者には最良の薬だ。

乳癌の場合は手術不能症例においても各種抗癌剤による化学療法、放射線療法と言った治療選択肢が豊富で、StageⅣであっても10年生存率が15%程度あると言いますから呼吸器癌や消化器癌とは少し事情が違うと言えそうですが、そうは言っても極めて厳しい状況であると言う事実には変わりなく、世間からは奇跡を願う応援の声が続々と届いているようです。
報道と言う側面から考えると当事者がここまで公表してしまった以上、さらに根掘り葉掘り個人情報を掘り起こして状況の深刻さを世間に知らしめる必要性は乏しく、むしろ視聴者読者視点で見れば余計なことをせずそっとしておいてやれよと叱責を受けかねないとも言えるかも知れませんね。
本人家族の心情がいかばかりであるかは想像するしかありませんが、今の時代情報をコントロールするためには情報を隠すよりも適宜適切に公開する方が確実だとは以前から指摘されているところで、報道を巡る一種の社会実験的な面からも今後の成り行きを注目していきたいと感じるところです。

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2016年9月22日 (木)

今日のぐり:「えびす」

先日はマラソン大会中に参加者がハチに襲撃されると言う事件が報じられていましたが、その経緯としてこんな事情があったそうです。

ランナー襲った凶暴ハチ、被害者に共通点(2016年9月12日日テレニュース)

岐阜県飛騨市で行われたマラソン大会で、参加した115人のランナーがスズメバチに刺された。ある地点にさしかかったところで一斉に攻撃されたという。なぜこのような事態になったのだろうか?
消防などによると、11日午前10時過ぎ、岐阜県飛騨市で開かれたマラソン大会に参加したランナー115人が、橋の近くでスズメバチに刺されたと次々に訴えた。
現地林道の橋の下で見つかったのは、約50センチのキイロスズメバチの巣。この巣にいたスズメバチがマラソンランナーを次々に襲ったと見られている。
(略)
大会事務局によると、ランナーの男女115人が被害にあったのは、周りを林に囲まれた14メートルほどの橋の近く。この橋はマラソンコースの折り返し地点近くにあり、多くのランナーが行き来していたという。
スズメバチ研究家・山内博美さん「大人数で行事があって走るだとか、集団で通行する、そういう条件が重なると、巣の中に1000匹ぐらいいますので、それが一斉に飛び出してくるということで、大人数の方が刺されるということになります」
専門家によると、大勢のランナーが走った振動や足音などがハチを刺激して攻撃した可能性があるという。

さらに、刺されたランナーには、ある共通点があった。多くの人が“頭”を刺されたという。
ハチ駆除8940・小川世紀代表「ハチは黒いものをより多く攻撃します。黒くて毛が生えているものは敵だという認識を本能的にします」
専門家によると、ハチがいる可能性がある場所では黒い服装をさけること。また、白い帽子をかぶることなどが、身を守るポイントだという。
飛騨市は、12日に蜂の巣を駆除する予定だったが、攻撃性が高まった状態が続いているため断念。13日、様子を見て駆除をする予定だという。

色々と解釈のしようはある記事だと思うのですが、世間では黒くもなければ毛が生えてもいない方々には大いにメリットがあると感じられるニュースだと認識されたようです。
今日は不幸にしてハチ被害にあった方々をハゲます意味で、帽子と頭の間にあるものについて最近のニュースを取り上げてみましょう。

ツル多はげます会 光っている「ハゲ川柳」出版(2016年8月15日毎日新聞)

 「ハゲっぷり いつも社長と間違われ」−−。薄い頭髪を明るい笑いのネタにする青森県鶴田町の「ツル多はげます会」が16日、会員らの句を集めた「ハゲ川柳」(河出書房新社)を出版する。

 同会は1989年に結成。昨年11月にはハゲ頭に吸盤で付けたひもを引っ張り合う「吸盤綱引き全国大会」も開催。タレントのモト冬樹さんも参加して盛り上がり、大きな話題になった。

 同会の成田晃生幹事長(79)は「コンプレックスを抱える人が明るくなれる本です」とアピール。「新天地 今がチャンスだカツラ脱ぐ」。多くの句に前向きな言葉の数々が光っている。【佐藤裕太】

同会ではつい先日も例会を開催するなど地道に活動を続けていらっしゃるそうですが、しかしいずれの写真を見ても少々のナニでは見劣りするほど見事なものですね。
世間の方々のこの種の問題に関する偏見は時に厳しいものがありますが、先日もその実例が報じられたと話題になっていました。

声かけ事案発生(2016年9月16日ひょうご防犯ネット)

9月16日(金)午後7時20分頃、小野市王子町917番地付近に所在するスポーツ施設で、声かけ事案が発生しました。

女子生徒が父親とバスケットをしていて、父親が車の方に行くため離れたところ、女子生徒に近づきボールを取り上げて、「一緒にバスケットしよう」と声をかけたもので、戻って来た父親が注意したところ、いずれかに立ち去りました。

声をかけたのは、30歳位、170センチ位、細身、白色半袖Tシャツ、黒か紺色の短パン、髪の毛が薄い男です。

これで調髪イケメンででもあれば声かけ事案などと報じられることもなかっただろうにと、世間では悲嘆に暮れる方々が多かったとも側聞します。
最近密かにこの方面で注目されているのがアメリカ大統領候補となったあの人物ですが、先日世界中から拍手喝采を浴びたのがこちらのシーンです。

トランプ氏が“かつら疑惑”一掃 人気番組で髪触らせる(2016年9月16日共同通信)

【ワシントン共同】米大統領選の共和党候補トランプ氏が15日、NBCテレビの人気深夜トーク番組「トゥナイトショー」に出演し、司会者に頭髪をいじらせるパフォーマンスを見せた。不自然な髪形でかつらをかぶっているとの“疑惑”がつきまとうトランプ氏は、これまでも支持者らに髪を触らせたことがある。

 「髪をむちゃくちゃにしてもいいですか」。司会を務めるコメディアンのジミー・ファロン氏の頼みに、トランプ氏は苦笑いしながら「答えはイエスだ」と快諾した。

 ファロン氏が身を乗り出しながらトランプ氏の頭を何度も強くなでるようにして髪を乱すと、会場の観客は大興奮。

さすがに大富豪の太っ腹を見せつけたと言うことでしょうか、全世界に勇気を与えたと大いに話題になっているそうです。
同じアメリカと言えば訴訟大国としても知られていますが、これは仕方ないだろうと共感を呼んでいるのがこちらの訴訟です。

ロレアルの縮毛矯正剤で脱毛、米国で10万人が集団訴訟(2016年9月16日AFP)

【AFP=時事】仏化粧品大手「ロレアル(L'Oreal)」がアフリカ系米国人の女性たちを対象に発売した縮毛矯正剤が、「ふんわりと絹のように滑らかな髪」とのうたい文句とは裏腹に脱毛を引き起こしたとして、利用者らが14日、米カリフォルニア(California)州連邦裁判所に集団訴訟を起こした。
 問題の縮毛矯正剤は、ロレアルが「ソフトシーン・カーソン(Soft Sheen-Carson)」ブランドから発売した製品。ファッションモデルのシンシア・ベイリー(Cynthia Bailey)さんや、ミシェル・オバマ(Michelle Obama)米大統領夫人のヘアスタイリストとして知られるジョニー・ライト(Johnny Wright)氏など、セレブを宣伝に起用していたとされる。

 訴状によると原告団は、この縮毛矯正剤が原因で「脱毛や切れ毛、頭皮の炎症や水膨れ、火傷などの苦痛を伴う不快な症状」が現れたと主張している。原告側代理人のベン・マイセラス(Ben Meiselas)弁護士によると、原告の人数は既に10万人に達している。
 過去にマイケル・ジャクソン(Michael Jackson)さんなど有名人の代理人を務めてきたマイセラス弁護士は、AFPの取材に、賠償額は数億ドルに上る可能性があると指摘した上で、和解交渉には「喜んで」応じる方針を表明。「裁判を回避できるか否かは、ロレアル次第だ」と述べた。
 一方のロレアル側は、商品に問題はないと主張している。同社の広報担当者は、「縮毛矯正剤は工業製品だ。説明書に従えば安全に使用できる」と説明した。【翻訳編集】 AFPBB News

髪の問題であるだけに非常にデリケートな訴訟になりそうですが、ヘアケア製品で脱毛はアウトだろうと言う声が根強くあるようですね。
最後に取り上げるのは自ら望んで髪との決別を果たした少年の話題ですが、その理由が多くの人々の感動を呼んでいるようです。

アフロヘアを伸ばし続けて2年 10歳少年がウィッグ3つ分の髪を寄付/米(2016年09月18日テックインサイト)

他人のために何かできることをしようと思い、それを実行に移すのは思っているほど容易ではない。しかし、米メリーランド州に暮らす10歳少年は違った。確固たる意志を持ち2年間それをやり続けたのだ。今回、少年のおばにあたる女性がツイッターに投稿したことで、少年のしたことが拡散された。

今月11日、10歳少年のおばであるアンバー・リンさんは自身のツイッターに、「甥っ子が、がんで髪を失くした子供たちに寄付するため、2年間も髪を伸ばしていたの」とツイートした。
当時8歳だったトーマス・ムーア君は、母親がFacebookを見ていた時に自分ものぞいてみると、がんで髪を失った少女の動画であることがわかった。その時、トーマス君はある考えを思いついた。それは「自分の髪を伸ばして、がんで髪を失った友達に寄付しよう」というものだった。
それから2年間、トーマス君は髪を伸ばし続けた。アフロヘアを持つトーマス君のフワフワでゴージャスな髪はぐんぐん伸びていった。そして髪の長さが約40センチを超えた時に切る決心をしたトーマス君。バッサリと切ったアフロヘアは、ウィッグ3つが作れるほど十分な量だったという。

長く伸びた髪が暑くて切ってしまいたいと思った時もあったに違いない。それでも意志を貫き伸ばし続けたトーマス君は立派だ。アンバーさんへのリツイートは6万にも上り、トーマス君の行為を称賛するコメントも相次いでいる。
欧米では、抗がん剤治療の副作用で髪を失ってしまった子供たちに、子供自身が髪を伸ばして寄付するというチャリティー精神が存在する。大人たちも、互いを助け合い思いやる精神を子供から学ぶことができるといえるのではないだろうか。

考えてみれば全世界で日々散髪されていく髪の量も相当なものなのですから、これが有効活用出来るならこれに越したことはないように思います。
すでに「全世界が泣いた」「映画化決定」など様々な称讚の声が出ているそうですが、なかなか出来ることではありませんよね。

今日のぐり:「えびす」

福山市北部の住宅地の間にあるのがこちらのお店ですが、見た目は割合におしゃれな店構えで入りやすそうなお店ですね。
入って見ますと良くある昼は定食、夜は飲み屋と言うスタイルのようなのですが、失礼ながらこんなお店で…と思うほど混み合っているのが少し意外でした。

ひとまず皆が食べているらしい日替わりの昼定食を頼んで見たのですが、これがなかなかバラエティー豊かで盛りだくさんな内容なのですね。
かぼちゃの煮物もそうですが、イカソーメンもソーメンと言うよりもきしめんと言う感じで、よく言えば妙に家庭的な雰囲気が出ていますよね。
メインとなるのが鶏の照り焼きで、このタレはちょっとくどいかなと思ったのですが、しっかり効かせた生姜風味で中和されていて、鶏自体の焼き加減も及第でしょう。
ご飯も味噌汁もごく標準的な家庭のお総菜レベルなのですが、しかしこの界隈の味噌は甘口が標準なのでしょうか、人によっては少し慣れがいるかも知れません。
これでアイスコーヒーもついて680円ですからコスパはかなりいいと思うのですが、この種の店一般の原則として飯と汁がしっかりしていればそれだけでかなり印象が違うでしょうね。

良くも悪くも特に印象に残らない味なのですが、勤め人風や家族連れなど客層は多彩で、こういう店はご近所からちょっと夕食がてら飲みに来るのに安くていい店なのでしょうね。
壁に貼ってあるメニューを見ると概ねはごく標準的なものなのですが、揚げ物メニューが少し独特で、れんこん餃子やなす餃子とはどんなものなのかと興味をひかれました。

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2016年9月21日 (水)

医師偏在対策に必須の強制力のあり方とその主体

先日の社保審医療部会では医師不足解消のための医師養成数増員をいつまで継続するかと言う議論があり、その前提として医師偏在対策をまず強力に推進すべきだと言う声が上がったことをお伝えしましたが、その具体的な内容についても様々に議論されているようです。

専門医制度、都道府県の権限の法規定検討へ- 厚労省が分科会に論点提示(2016年9月16日CBニュース)

厚生労働省は15日、医療従事者の需給に関する検討会医師需給分科会に対し、医師偏在対策の論点を提示した。新たな専門医制度と医師の地域・診療科の偏在対策を一体的に取り扱い、専門研修プログラムなどに関する都道府県や日本専門医機構(機構)の権限を法律で明確に規定することについて議論を促した。都道府県の医師確保策の検討事項に関しては、医師不足・過剰な地域における医療機関の開設や管理なども論点に含めた。【新井哉】

医師の需給をめぐっては、同分科会が6月に中間とりまとめを公表しており、医師偏在の解消を図るため、専門医の募集定員で地域枠の設定を行うことや、都道府県が策定する医療計画で、医師不足の診療科や地域の医師数の目標値を設定する必要性などを挙げていた。
この日の会合で、厚労省は、医師の偏在対策のとりまとめに向けたスケジュール案と分科会で検討すべき論点を提示。10月から12月にかけて計5回の会合を開き、分科会がとりまとめたものを社会保障審議会医療部会で検討する見通しを示した。

厚労省は、2018年度から始まる新たな専門医制度に関して日本医師会と四病院団体協議会が研修プログラム作成や病院群の設定で都道府県などの関与を求めたことや、全国知事会が都道府県や関係機関、機構の役割や権限を法令などで明確に規定することを要望していたことなどを説明。その上で、委員に対し、「法律に明確に規定することをどう考えるか」といった論点を示した。
都道府県の医師確保対策についても、厚労省は、▽医療計画と地域医療対策の関係▽医師数の指標を定める際の留意点▽医療機関の開設・管理などの関連付け▽地域医療支援センターの強化―などの論点を提示。医学部(地域枠)に関しても、卒業後の地域定着に必要な方策を考えるよう求めた。
厚労省の論点の提案に対し、委員からは、「(地域ごとの専門医の数は)国の方で関与し設定してもらう必要がある」といった意見が出たほか、分科会での議論を深める観点から、機構関係者のヒアリングを求める声も上がった。委員の意見を踏まえ、厚労省は、次回会合で機構の関係者を参考人として招く見通し。

「専攻医の定員、専門医機構や県の権限法制化」を検討(2016年9月16日医療維新)

 厚生労働省の「医師需給分科会」(座長:片峰茂・長崎大学学長)は9月15日に第7回会議を開催、専攻医の地域別・診療科別の定員を設定したり、日本専門医機構や都道府県の専門医の偏在対策に関する役割・権限を法律上、明記するなどの「医師養成過程を通じた医師偏在対策」と、「都道府県における医師確保対策」を今年末にかけて優先的に議論する方針を了承した(資料は、厚労省のホームページ)。

 「医師養成過程を通じた医師偏在対策」では、医学部定員の「地域枠」の卒業生が地域に確実に定着する方策の検討、臨床研修における研修医の募集定員の倍率設定なども検討課題。都道府県における医師確保対策については、医療計画における医師確保の目標を必ず定め、目標達成に実効性のある施策を講じることが課題。そのために医師数の指標を定め、医師の不足あるいは過剰な区域が分かるようにしたり、医師に関する全国的なデータベースを構築する。地域医療支援センターの役割強化なども検討する。

 もっとも、医師偏在対策の一つとして、専攻医の定員などを設定することには、やや賛否が分かれた。臨床研修制度は、医師法で定められた制度であり、国の関与は可能。一方、新専門医制度はそれと異なり、日本専門医機構と各学会が、プロフェッショナルオートノミーとして運営する制度であり、どの程度、国や都道府県が関与できるかという問題が残る。今後の在り方について、まさに日本専門医機構が議論している最中という事情もある。

 「医師需給分科会」は今年6月に、医学部定員を2019年度までは現行の9262人を最低でも維持するほか、医師の偏在対策を今年末に向けて検討することを骨子とした「中間取りまとめ」を了承した(『偏在対策「強力」に、「医師の働き方ビジョン」も策定』を参照)。その中で、「自主性を尊重した対策だけではなく、一定の規制を含めた対策を行っていく観点から、さらに強力な医師偏在対策について議論し、年内の取りまとめを目指す」と明記、「医師の配置に係る対策」(直接的な対策)が計10、「医師の就労環境改善等に関する対策」(間接的な対策)が計4、合計で14の医師偏在対策を検討項目として掲げた。
(略)
 日本医師会副会長の今村聡氏は、「規制的な手法」の取り扱いについて質問。「規制という言葉が独り歩きするのは非常に危険。規制という言葉があまりに広く使われている」と指摘し、まず何らかの対策を実施してそれでも駄目な場合に規制するのか、あるいは最初から規制するのかなど、整理が必要だとした。全日本病協会副会長の神野正博氏も、「医師偏在対策を検討した上で、医師養成数の話になるのだろう」と述べた上で、次のようにコメント。「規制が強ければ医師養成数は少なくて済み、規制が弱ければ医師養成数の増加は必要。ただし、どんな規制なのか、医療法、あるいは健康保険法の規制なのか、あるいはインセンティブを付けるのかなどについて整理が必要」。

 片峰座長は、「規制の在り方についても、議論が必要」と回答。慶應義塾大学商学部教授の権丈善一氏からは、「医師偏在対策については、研究レベルではもう結論が出ている。その方法を規制と呼ぶのかどうかという議論はあまり建設的ではない」との指摘も出た。その上で、権丈氏は、医師偏在が生じた要因にも触れ、バブル経済の崩壊以降、不安定になった日本の社会において、日本のエリート層の子供たちが医学部を目指すようになったことが挙げられるとした。都市部の進学校の高学生が地方大学の医学部に行き、卒業後はまた都市部に戻ってくる図式があり、その結果、地方の高校生の地元医学部への進学が難しくなっていることが、地方の医師不足を招いているという論理だ。

 そのほか、今村氏は、「フリーランス医師への対応」についても質問。厚労省医政局医事課は、同課のみで議論が完結する問題ではなく、他部署と調整中であり、報告すべき事項があれば報告すると答えた。
(略)

偏在対策と言えば聞こえはいいですが要するに以前から言われているところの医師強制配置そのものであり、医師の意に反してその勤務先を規制しようと言うのですから反発も出そうなのですが、偏在対策における強制力をどう発揮するのかと言うことも問題で与党内で発足した研究会では大学医局の権限を復活させればいいと言う声が数多く出たと言いますから、先祖返りのような話ですよね。
注目されるところとして一つには記事にもある新専門医制度との絡みで、専門医の取得、維持の方法に関して関与することで結果的に医師偏在対策になるのではないかと言う意見があることですが、これも新専門医制度は独立した新組織が手がけることであって、国を始めとする外部の公権力が表立って介入したのでは独立性が保てないと言う反対意見も根強いようです。
そうなると唯一公的に関与可能なものが臨床研修システムと言うことになりますが、さすがに初期研修医をどうこうするのも実用性が低いとは言え、例えば研修の拘束期間を5年なり10年なりに設定しておけばその間は定数配分等々の形で公的に介入しやすくはなる理屈ですが、他方でやはり地方では若手医師よりは専門医をと望む声が根強いようですよね。

どのように行うのかと言うこともさることながら、どんな目標を目指して誰がそれを行うのかと言うことも問題で、具体的に偏在していない理想的な医師分布と言うものはどのようなものなのかと言うビジョンを示してもらわないことには議論の叩き台にもなりませんが、こうした目標設定の部分が一番異論が多そうなところでもあります。
首都圏に関して言うだけでも東京は日本一の医師数を誇ることに対して、千葉や埼玉は医師不足が顕著ですが、では東京からこれら医師不足の周辺県に医師を移動させるのがいいのかと言えば、いざと言う時に東京都内の病院に搬送することも出来なくなったと言うのであればかえって医療面での弊害の方が大きそうにも思えます。
地方などは基本的に一県一大学ですが、自分達の地元で養成した医師達を何故隣の県に送らなければならないのかと感情的反発も出ることは必至でしょうし、少なくとも医師を引き抜かれる側にすれば今まで以上に医療に悪い影響が出そうなのも確かですから、かえって状況を悪くすることにどの程度納得が得られるのかは今後の国民への説明次第なのかも知れません。
いずれにしてもこんなことは誰にせよ話を進めた人間は後々まで恨まれたり文句を言われるだろうことは容易に想像出来ることで、それだけにまずは国に定数なりを決めて欲しいと言うのが関係者一同の本音でしょうが、その結果妙な定数なり目標値なりが設定されてしまえば皆が困ることにはなりそうですよね。

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2016年9月20日 (火)

医師数はいつまで増やし続けるべきなのか

先日の社保審医療部会でこんな興味深いやり取りがあったと報じられています。

医師増やすべき? 医療部会で委員が応酬(2016年9月15日CBニュース)

 医師の養成数を増やすべきか否か―。14日に開催された社会保障審議会医療部会の会合で、その在り方をめぐって委員が応酬する場面があった。将来の医学部定員の在り方は今後、医師の診療科や勤務地の偏在対策を強化させた上で検討される予定だが、意見の相違が表面化したことから、医療界での早期の意見集約が求められそうだ。【佐藤貴彦】

 医師不足が深刻な地域があるため、国は医学部定員を増やすさまざまな施策を講じてきた。ただ、施策はいずれも期間が限定され、約300人分の増員を認める措置が来年度に終了することから、厚生労働省の「医療従事者の需給に関する検討会」の下にある分科会が、今後の医学部定員の在り方を議論。今年6月に中間取りまとめを行い、約300人分の増員を当面延長するといった方針を示した。
 一方、都道府県ごとに毎年10人まで定員を増やすことを認める施策については、増員の要望があった場合に「慎重に精査」するとしたほか、2020年度以降の定員については、今後、医師の偏在対策を講じて効果を検証した上で結論を得ることとした。
 同分科会は、14項目の偏在対策について検討し、年末にも取りまとめを行う。14日の医療部会の会合で厚労省は、同部会でも偏在対策について、来年1月ごろまで議論することになると説明した。

 これを受けて委員から、医師の養成数などをめぐってさまざまな意見が出た。全日本病院協会の西澤寛俊会長は、養成数をめぐり「医療界においては両論がある」と指摘。その上で、病院で働く医師の労働時間が長いという問題があり、「私たちが減らそうと頑張っても、医師が足りないから減らせない」と述べ、養成数を増やすべきだと主張した。
 また、日本医療法人協会の加納繁照会長も、急性期病院などで働く医師の勤務時間を短くする必要性を指摘した。
 これに対し、日本医師会の中川俊男副会長は、養成数を増やした場合に「医師が頑張って医療をやっていくインセンティブになるような人件費が確保できるか」と問題提起。「数だけ増やせばいくらでも楽になる。しかし、それは現実的ではない」と断じた。その上で、「偏在対策が、すべてに近いくらい大事だ」と主張した。
 日本精神科病院協会の山崎學会長も、偏在対策が必要だと指摘。「病院の勤務医師が足りない。開業医は、私の周りは飽和状態だ」と述べた上で、「自由開業制を含めて、どうするかという検証が喫緊の課題だ」と訴えた。

医師養成数を増やすべきか否かと言われても、すでに医師養成数は増えているしまだ増えることになっていると言うしかないのですが、要するに望ましい医師の数とはどれくらいであるかと言う古くからある議論の延長線上にある話と考えていいのでしょう、国に呼ばれる方々の中でも意見の相違が大きいと言うことですね。
増やした定員を現状で削減すると言う空気にはないし、当面は現状維持で続けていくしかないのですが、先行する歯学部や法科大学院の状況を見てもいずれ養成数が過剰になってくる未来絵図は見えているわけですから、それではどのタイミングで減らして行くべきかと言う基準がなければ困る理屈です。
この点で記事にもある通り業界内外に様々な意見があり、外部における代表的な意見としては日本全国どこでも同じ医療を受けられるくらい医師を増やすべきだと言う主張に対して、医師は存在したいが医療需要を喚起するため増やしすぎると医療費増につながると言う根強い反対意見もあります。
この辺りは国民皆保険制度では日本全国どこでも受けられる医療は同じ内容であると言う建前になっていることがそもそも問題であり、近隣にろくな医療機関のない地方や僻地では専門機関の充実した都市部よりも保険料や支払いを安くすべきだと言う考えもありそうなのですが、医師一人の招致コストから考えると実は僻地の方が都市部より何倍も高いと言う現実もあり厄介ですよね。

業界内部の立場としては雇用する側とされる側とで立場に違いもあり、当然ながら雇用する側としてはより安くより多くの医師を抱えたいと言う点で相場が値崩れするほど医師数が増えて欲しいのでしょうが、昨今多いフリーター医師などの立場に立って見ればこうした状況になれば生活そのものが成り立たなくなる可能性もあるわけです。
勤務医にしても激務を何とかするために少しでも医師数を増やしてくれと言う立場もあれば、自分の取り分が減るなら増やして欲しくはないと言う立場もありで一定しませんが、今回興味深いのは総数よりも偏在対策を優先すべきだと言う総論が示されていること、特に記事の最後にあるように不足しているのは病院勤務医であり開業医はむしろ飽和状態であると言う現状認識が示されている点でしょう。
日本では開業の自由や標榜診療科の自由が担保されていて、特に勤務医としての激務に耐えられなくなった先生方にとっての逃散先として開業が機能してきた側面もありますが、今後都道府県が主導して地域医療の大枠を決めていく中でこの開業医と言うものをどう扱うべきなのかと言うことは非常に注目されますよね。
この点では未だに開業医と強いつながりを持つ医師会が主導権を発揮出来る可能性もあると言えそうなんですが、医師会が地域の開業医総枠を決めるなどと言い出したところで「それじゃ医師会入りませんから」と言う先生が多いのが今の時代で、本当の競争状態になったとき誰が生き残るかを決めるにあたって、開業医の先生も相応に頑張っていかなければならない時代がやってくるのかも知れません。

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2016年9月19日 (月)

今日のぐり:「岡山ラーメン 玉松」

先日は国内外の多くの愛好家が悲しんだと言うこんな悲劇が発生したそうです。

イルカ同士ジャンプで衝突、死ぬ(2016年9月14日共同通信)

プール外に落下して死んだバンドウイルカの赤ちゃん=6月、山口県下関市(しものせき水族館海響館提供) 山口県下関市の「しものせき水族館海響館」は14日、飼育していたバンドウイルカの雄の赤ちゃん(生後4カ月)がジャンプした際、母親など2頭のイルカと衝突、プール外に落下して死んだと発表した。担当者は「落下時の打ちどころが悪かったと思われ、非常に残念」としている。

 水族館によると、ショーの合間の13日午前11時ごろ、赤ちゃん、母親の「ティアラ」、別の1頭の計3頭が一緒に空中にジャンプ。その際に互いにぶつかり、赤ちゃんは衝撃でプールの外にはじき飛ばされて床に落下、数分後に死んだ。

 赤ちゃんは5月12日に誕生し、体長約180センチ、体重76.5キロに成長。

よほどに当たり所が悪かったのかは判りませんが、これから水族館のイルカが不足すると言う時代に何とも残念としか言い様がありませんね。
今日は不幸にして亡くなったイルカの冥福を祈る意味で、世界中からそれは運が悪かったとしか言いようが無いニュースを取り上げてみましょう。

踏切内で転倒の男性、飛ばされた自転車に当たり死亡(2016年9月5日テレ朝ニュース)

 東京・豊島区の西武池袋線の踏切内で、自転車に乗って転倒したとみられる男性が電車にぶつかって飛ばされた自転車に当たり、死亡しました。

 4日午後5時半ごろ、豊島区長崎の西武池袋線の踏切で「事故で電車が止まっている」と目撃者の男性から110番通報がありました。警察が駆け付けると、60代の男性が胸などから血を流して倒れているのが見つかって病院に運ばれましたが、約2時間後に死亡しました。警視庁によりますと、男性は踏切内で倒れていて、警笛を聞いて電車をよけましたが、近くにあった自転車が電車にぶつかり、飛ばされて男性に当たったとみられています。男性は事故の約1時間前に酒に酔っている様子が目撃されていて、警視庁は男性が誤って踏切内で転倒したとみて事故の状況を詳しく調べています。

これもよほどに運が悪かったと言うことなのでしょうが、しかし踏切はやはり危険な場所であると言う認識をきちんと持って行動いただきたいですね。
先日発生したこちらの重大事故も一体何がどうなっているのかと話題になっていたものです。

女性従業員転倒、頭に棒刺さる(2016年9月15日共同通信)

転倒した女性従業員の頭部に棒状の突起が刺さる事故があったホームセンター=15日午後0時50分、東京都足立区 15日午前11時ごろ、東京都足立区小台1丁目のホームセンター「島忠ホームズ足立小台店」で、30代ぐらいの女性従業員が転倒し、近くにあったラックのようなものに付いていた直径約1センチの棒状の突起が側頭部に1~2センチ刺さる事故があった。女性に意識はあり、警視庁西新井署が状況を調べている。

 同署などによると、女性は1階事務室でいすに座ろうとしてバランスを崩し転倒したという。

怖いと言うしかない事故なのですが、こちらは幸いにも重大な状況にはなっていなかったようで良かったですよね。
先日のオリンピックでは様々な悲喜劇が繰り広げられたのも記憶に新しいところですが、こちら歓喜の裏に発生したとんだ悲劇と言うものです。

孫のメダル獲得に歓喜し死去、タイ重量挙げ選手の祖母 リオ五輪(2016年08月08日AFP)

【8月8日 AFP】リオデジャネイロ五輪の重量挙げ男子56キロ級で銅メダルを獲得したタイ代表のシンペット・クルアイトーン(Sinphet Kruaithong)選手(20)の祖母が、8日の試合の生中継を観戦し、孫のメダル獲得に歓喜しているさなかに倒れ、亡くなった。

 インターネット上で拡散した動画によると、祖母のスビン・コンサップ(Subin Khongthap)さん(84)はクルアイトーン選手の地元、タイのスリン(Surin)県で行われた観戦イベントで試合の生中継を見ていた。だがスビン・コンサップさんが倒れると、ファンらの歓喜で沸いていた会場はたちまち悲劇の舞台と化した。

 現地の警察関係者は「第一に考えられる死因は心臓発作だが、病院の検査結果を待たなければならない。興奮しすぎたのか、何らかの病気にかかっていたのかは分からない」と述べた。

 試合前、地元メディアの取材を受けたスビン・コンサップさんは、孫がいないことは寂しいが五輪出場に大喜びしていると答え「応援してるわ、ファイト!ファイト!って。孫には会いたいけれど成功してほしい。この国のために金メダルを持ち帰ってほしい」と語っていた。

孫にとっては何とも悲しむべきことなのでしょうが、歓喜の絶頂で幸せに包まれたまま亡くなったと肯定的に捉えておくべきなのでしょうか。
こちら滅多にあって欲しいことではありませんが、いったい何故こうなったと疑問符がつくようなニュースです。

ホッキョクグマが包囲、気象観測要員動けず ロシアの島(2016年9月15日CNN)

(CNN) ロシアの国営メディアは15日までに、同国の北極圏にあるトロイノイ島で気象観測に当たっていた専門家5人の活動拠点が約10頭のホッキョクグマや子どものクマに包囲され、立ち往生を強いられていると伝えた。

タス通信によると、この小島にある気象観測所を運営している研究機関の責任者はこれらクマは同島に集まり、専門家たちの居場所に危険な距離で近づいているという。
同観測所の所長によると、クマたちの接近は今年8月31日に始まり、これまで犬2匹が殺された。特に雌の1頭が夕方になると観測所の窓の下に居つくようになり、所員が外に自由に出られない状況となっている。

タス通信によると、ロシアのセルゲイ・ドンスコイ天然資源相は連邦政府の気象監視機関にトロイノイ島にいる気象観測要員の安全を確保するよう指示。同通信はまた、ロシア北極南極研究所の探査船を出発したヘリコプターがクマを追い払う犬3匹や信号弾を14日に観測所に運んだとも伝えた。
犬3匹らは当初、海路で輸送される計画で到着まで約1カ月要するとされていた。

何ともはた迷惑な行為と言うしかありませんが、よりにもよってクマに包囲されるとはよほどに運が悪かったと言えましょう。
最後に取り上げるのはいわば極めつけの運の悪さを誇る方のニュースですが、その結論にははいささかどうなのよです。

1年間で5回も隕石が落下した男!6度目の命中に「宇宙人に狙われている」=ボスニア(2016年9月7日トカナ)

 天体の衝突から地球環境を護ることを目的とするNPO法人「日本スペースガード協会」の試算だと1913〜2013年の100年間に、確認されているだけで605個、日本には20個の隕石が落下したと推測されている。
(略)
 しかし信じがたい不運に見舞われる人もいるものだ。ボスニア北部Gornji Lajici在住の男性Radivoke Lajic氏(50)の自宅には2007〜2008年のたった1年間に、なんと、5個もの隕石が落下したというのだ。そして、2010年には6個目が見事命中した。
 それにしても、これほど低確率の出来事がそうそう連続して起こるとは怪しい。イタズラではないだろうか? 
 その後、自宅に落ちた隕石はセルビアのベオグラード大学で詳細に検査されたが、やはり正真正銘の隕石だと判明。これには、Lajic氏も頭を抱えたという。

 ただ単に運が悪いだけだと言うこともできるが、当事者のLajic氏は5回目の隕石落下時、この不思議な出来事の裏には何かしらの意図があるのではないかと考えた。
「明らかに宇宙人に狙われている。彼らになにかをした覚えはないが、合理的な説明はこれしかない。隕石が衝突することなんて滅多にないのに、5回も当たるなんていくらなんでもおかしい」(Lajic氏)
 確かにLajic氏の言い分も分からなくもない。というのも、6回もの隕石連続落下に加え、さらに不思議なことに、隕石が落下するのは決まって豪雨の日だったそうだ。これほどの偶然があるだろうか?
 宇宙人から攻撃を受けていると確信したLajic氏はさっそく行動を起こした。自宅の屋根を鉄製のケタで補強したのだ。そのための資金は、これまでに落ちてきた隕石をオランダの大学に売って得たという。

 この隕石連続落下が自然現象か、宇宙人の仕業かはいまだ不明だが、1つ明らかになっているのは、1人の男性を不安のどん底に陥れたということだ。
「間違いなく宇宙人に狙われてる」(Lajic氏)
「あいつらは、私が困る姿を見て楽しんでるんだ。なんでそんなことをするのかは分からない。今でも雨の日は不安で不安で眠れないよ」(同)
 一刻も早くLajic氏の不安が解消されることを願うばかりだが、もし宇宙人だとしたら一体何が目的なのか、気になるところではある。
 小型隕石をコントロールして超高高度の高精度爆撃ができるほどの科学力を持ってすれば、今すぐ人類を滅ぼしてしまうことも容易くできそうだが……。もしかしたら、宇宙人にとって人類は本気で相手にするほどの脅威ではないということかもしれない。

広い世の中にはとんでもない偶然が発生することもあるはずなんですが、幾ら何でも偶然が過ぎる運の悪さですね。
同氏の結論部分に対してはいささかどうよですが、隕石を売って屋根を補強すると言うのは現実的で妥当な判断だったと言えるのでしょうか。

今日のぐり:「岡山ラーメン 玉松」

岡山市街地北部の国道沿いの峠に位置するこちらのお店、岡山県内に広く分布する松系と呼ばれるラーメン店の総本家なのだそうです。
メニューはラーメンの各種トッピング違いとジャンボ餃子、焼売くらいですが、しかし地元特産黄ニラはともかく山エノキ天ラーメンと言うのも珍しいですね。

今回はネギラーメンを頼んで見ましたが、豚骨ベースのスープは独特の甘みが特徴で、久しぶりに食べましたがなかなかうまいと思います。
麺はデフォルトの茹で加減は気持ち柔らかめですが悪くないですし、ネギは付属の穴あきレンゲよりもテーブル備え付けの普通のレンゲでスープと一緒に口いに運ぶといい具合ですね。
さすがにかつて初めて食べた頃のような濃厚さやインパクトは感じないですが、こんな辺鄙な立地でなくとも今だに競争力のあるラーメンだと思いますね。
ちなみにジャンボ揚げギョウザとシューマイは松系各店共通ですが、こちらには他店では大抵用意されているデミカツ丼はない点は注意が必要ですね。

松系と言えば木の内装を持つ店舗が多いですが、天然木のカウンターは広広していて気分がいいんですが、こうしてみると本家は案外普通の作りで特別木の内装が目立たないんですね。
しかし店員さんが今風の若い人ばかりになったのですが、近隣にはろくに民家もないようなところで遠くから通っていらっしゃるのでしょうか?

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2016年9月18日 (日)

今日のぐり:「東北(とんぺい)」

このところ全国各地で大雨による被害が続いていますが、その思いがけない副産物として話題になっていたのがこちらのニュースです。

金魚:岩手・宮古湾で「漁獲」 大量の雨で塩分下がった?(2016年09月09日毎日新聞)

 岩手県宮古市の宮古湾で5日、淡水魚の金魚が網で「漁獲」され、市内の県立水産科学館に持ち込まれた。どこかの庭の池などで飼育されていた金魚が、台風10号による豪雨で海に流されたらしい。同館は「大量の雨で海水の塩分濃度が下がり、生き延びたのでは」と推測している。

 金魚の体長は約20センチで、赤いこけらの部分は漁網でこすれたせいか、多くがはげ落ちている。台風が過ぎた後、閉伊(へい)川など2本の大きな川が注ぎ込む宮古湾の白浜漁港近くに仕掛けた網に、サバやアジなどと共に入った。

 同館の伊藤隆司館長は「あの時の雨は海水を真水近くまで薄めるほどの雨量だったということ。災難をくぐり抜けた生命力もすごい」と驚きを隠せないでいる。

金魚は今、他の金魚と一緒に真水の飼育槽に入れられ「水を得た魚」のように元気に泳ぎ回っている。

海で金魚が捕れればそれは誰でもびっくりするでしょうが、自然界でもこうした不思議な偶然が起こると言うことなんですね。
今日は無事生還した金魚に幸い多かれと願って、世界中から思わず二度見するようなびっくりニュースの数々を紹介してみましょう。

旭川刑務所完成 全室個室に(2016年9月10日北海道新聞)

 【旭川】施設の老朽化のため2011年から建て替えを進めてきた旭川刑務所の新施設が完成し、9日、報道陣に内部が公開された。高齢化が進む受刑者の健康などに配慮し、定員500人の居室は道内の刑務所では初めて、すべて個室となっている。

 鉄筋コンクリート3階建てで、延べ面積は3万1535平方メートル。個室の広さは約7平方メートル。それぞれベッドと机、イス、洗面台、トイレが設けられている。ベッドの設置により、従来の畳と布団の生活に比べ、高齢者にとって体の負担が減るという。

記事の写真を見る限りでも到底刑務所とは思えない様子ですが、同刑務所はむしろ重罪で長期入所の収容者が多い施設であると言うことで、結果的に高齢者が増えていると言うことのようですね。
先日国が突然トンデモナイことを言い出したと多いに話題になっていたのがこちらのニュースです。

メロンパンは人体に超危険?栄養なく危険成分まみれ、糖尿病等の恐れ(2016年9月10日ビジネスジャーナル)

「好きなパン」ランキングで常に上位にランクインし、今やコンビニエンスストアの定番商品のひとつとなっているメロンパン。行列ができる「メロンパン専門店」も少なくない。
 しかし、実はメロンパンには健康に悪影響を及ぼす材料が使用されている可能性があるという。

 メロンパンに含まれるもので、まず問題なのは「アルミニウム」である。「アルミニウムそのものは、空気中のちりや水、土、その土壌から栽培された野菜や穀物などにも微量に含まれていて、普通に生活していてもとってしまうものです」と語るのは、管理栄養士のAさんだ。
 しかし、アルミニウムは「体内に蓄積されると、健康に悪影響を与える可能性があります」(Aさん)という。実際、厚生労働省は2013年に「食品中のアルミニウムに関する情報」という調査結果を発表している。そこには、ラットに多量のアルミニウムを投与した実験において「腎臓や膀胱への影響や握力の低下」などの結果が得られたという記述がある。
 そして、厚労省がアルミニウムの使用対象食品として名指ししているのが、メロンパンなどなのである。
「多くのパンや菓子パンは『パン酵母』を使用していて、パン生地を膨張させるために膨張剤を使わないものがほとんどです。ところが、メロンパンのクッキー生地に使用されるベーキングパウダー(膨張剤)にはカリウムミョウバン(硫酸アルミニウムカリウム)が含まれているため、厚労省がスポンジケーキやドーナツ、蒸しパンなどとともに、メロンパンを『アルミニウムを含有する食品添加物が使われている主な対象食品』として例に挙げたのです」(同)
(略)
 さらに、栄養バランスという面でも、メロンパンは最悪の食べ物だという。
「メロンパンひとつに含まれるエネルギー量は、約450キロカロリー程度。しかし、その成分は糖質と脂質ばかりなので、ビタミンとミネラルをほとんどとることができません。そのため、どんな食べ物でもそうですが、毎日のように食べていると栄養が偏るだけでなく、糖尿病や高脂血症などの生活習慣病につながる危険があります。確かに、焼きたてのメロンパンはとてもおいしいです。とはいえ、添加物や栄養面から見ると、とてもじゃないが『食事』と呼べるものではありません。あくまで間食として、2週に1個程度に抑えることをおすすめします」(同)
 個人店などでは、アルミニウムを含むベーキングパウダー不使用のメロンパンもあるが、それでも栄養バランスが悪い食べ物であることには変わりがない。行列に並んでまでメロンパンを食べるのは、ほどほどにしておいたほうがよさそうだ。

まあそういうことを言い出せばケーキにしろハンバーガーにしろ規制すべきと言う話になるのですが、殊更メロンパンだけを取り上げて悪者にする意味合いがはっきりしませんね。
かつて日本でもそれなりに発生していた事故だそうですが、この21世紀にもなって!と驚かれているのがこちらの事故です。

ギリシャ旅行中の英国人女性 カクテル飲んで失明(2016年9月6日スプートニク)

英国からの女性旅行者が、ギリシャのザキントス島で休暇をとっている際に低品質のアルコール入りのカクテルを飲んで失明した。英紙デイリーメールが報じた。

ハンナ・パウエルさん(20)は人気のリゾート地ラガナスでのパーティで飲んだ低品質のアルコールで中毒を起こしたと報じられている。おそらくカクテルには、部分的な失明を引き起こす毒であるメタノールが含まれてたという。夜パウエルさんの体調は普通だったが、48時間も眠り続け、起きたときには失明したとわかったという。 パウエルさんはすぐにペロポネソス病院に搬送された。医者は、失明と腎不全との診断を下した。現時点では、完全に視力が回復するかどうかは明らかでない。

デイリーメールによると、低品質のアルコールによって割られた飲料は、ギリシャの一連のバーやクラブでは珍しいものではないという。これは費用削減のため行われている。

日本でもその昔は「目散るアルコール」などと言われて危険視されていたとも言いますが、今どきせめて工業用のエタノールくらいにしておけよと言うものですけれどもね。
時折びっくりするような光景に出会うことがあるものですが、こちらかなりレアな光景であったと思われます。

速っ!ダチョウ全力疾走 そこは車行き交う高速道路(2016年6月18日テレ朝ニュース)

 自動車に紛れてある動物が高速道路を全力疾走です。

 マレーシアの首都クアラルンプールの高速道路。快調に車を追い抜いていくと右手に突如現れたのは、なんとダチョウです。自動車に負けない速さで全力疾走しています。このダチョウ、大きくなりすぎて飼えなくなってしまったために飼い主がダチョウ園に連れて行く途中、車から逃げ出してしまったということです。ダチョウはこの後、新たな飼い主のもと、元気に暮らしているということです。この動画ですが、インターネット上に掲載されてから40万回も再生されたということです。

こんなものと遭遇すれば誰でもびっくりするでしょうが、重大な事故につながらずに済んだようで良かったですよね。
最後に取り上げますのは最近話題に上ることも増えているインドから、ちょっと不気味なニュースです。

インドの病院、遺体の骨折りつるして搬送に批判殺到(2016年08月27日AFP)

【8月27日 AFP】インド東部オリッサ州(Orissa)で病院職員らが、救急車が不足しているために高齢女性の遺体の骨を折って小さく折り曲げシーツにくるみ、棒につるして運ぶ様子を捉えた映像が公開され、国内で激しい怒りの声が上がっている。こうした事例は今週2度目。
 映像の中で病院職員らは、腰骨あたりを折ったとみられる女性の遺体をシーツにくるんで運んでいる。遺体は、列車にはねられて死亡した80歳前後の女性のものだった。

 オリッサ州では数日前にも、結核で死亡した妻の遺体を抱えて病院から10キロ離れた自宅まで徒歩で帰ることを余儀なくされた男性の映像が公開されていた。同州で相次いで起きた2件の事例を捉えた映像は、ソーシャルメディアやテレビ番組で次々に取り上げられ、貧しい患者らに対する当局の扱いをめぐってネットユーザーや視聴者から批判の声が殺到した。
 オリッサ州のナビーン・パトナイク(Naveen Patnaik)州首相は報道陣に対し、非常に痛ましい出来事だと述べ、現在調査を進めており、遺体を搬送する救急車の配備へ向けた策も講じていくことを明らかにした。また州政府は、州内で霊きゅう車を無料で利用できるサービスも導入したと述べた。

 インドの公立病院では、家族の遺体を自宅まで運ぶ際に救急車の利用を認めるケースは少なく、遺族は高額の自己負担で民間の霊きゅう車を手配せざるを得ない。
 世界銀行(World Bank)によれば、インドでは保健制度に対する政府予算が国内総生産(GDP)の5%未満で、インフラと人的資源の深刻な不足に悩まされている。

古代日本でも死者が再び動き出さないよう体を縛って埋葬したと言いますが、これはいささか異なった事情からこうなっているようです。
現地関係者も別に好きでやっていることでもないのでしょうが、人口も多いだけにこの種の事例は必ずしも珍しいものでもないのでしょうかね。

今日のぐり:「東北(とんぺい)」

岡山県南西部の笠岡地区には鶏のスープに煮鶏スライスをトッピングした「笠岡ラーメン」がありますが、こちらその笠岡地区の有名繁盛店です。
とは言えスープは鶏ベースであるものの普通に豚チャーシューですので、厳密な意味での笠岡ラーメンとは言えないのかも知れませんね。

今回は野菜ラーメンを頼んで見たのですが、とにかく作っている最中からごま油の匂いが漂ってきてなかなか強烈ですよね。
自慢の鶏ダシ白湯スープは今も競争力ある味ですし、硬めの中細麺も塩梅がいいのですが、ネギやモヤシはしゃっきりなのにキャベツだけ焦げるまでクタクタに火を通してるのは何故なんでしょう?
サイドメニューで焼き餃子も頼んだのですが、どうでもいいことですがわざわざ焼き餃子と書いてありますが別に水餃子や蒸し餃子と言うものはないらしいですね。
こちらパリパリ薄皮タイプで食感や味自体はいいのですがニンニク風味が他を圧倒していて、少なくとも仕事の合間に食べるにはちょっと勇気が要りそうなものでした。

味よりも気になったのが今も人気店であるはずですが店内は妙に活気がない様子で、挨拶も出来ないのか結構人数はいるのに全く店員の声のない店内と言うのも正直ちょっとどうなのかです。
水がセルフなのは今どき珍しくないですが、それでもさすがに目の前に黙ってラーメン差し出された時には失礼云々を通り越して、ちょっと気味が悪い感じでしたね。
ちなみに設備面は見た目通りと言うのでしょうか、何故か笠岡界隈のラーメン屋は大体がこんな感じで正直B級感満載ですが、暑い季節にはここの店外で並ぶのはきつそうですね。

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2016年9月17日 (土)

日本の運転手とスペインの運転手

先日非常に怖い事故があったと報じられていたのですが、まずはこちらの記事から紹介してみましょう。

高速バス運転手が脳出血 乗客がブレーキかけ停止(2016年9月15日NHK)

13日、千葉県木更津市の東京湾アクアラインで、高速バスの運転手が脳出血を起こして意識がもうろうとなり、中央分離帯やほかの車と衝突していたことがわかりました。乗客がブレーキをかけてバスを停止させ、乗客およそ30人にけがはありませんでした。

13日午後6時20分ごろ、千葉県木更津市の東京湾アクアラインの下り線で、羽田空港から木更津駅に向かっていた高速バスが中央分離帯やほかの車にぶつかる事故を起こしました。
警察やバスを運行する小湊鐵道によりますと、バスの運転手の64歳の男性が意識がもうろうとなっていたために、最前列の座席にいた乗客の男性がブレーキをかけてバスを停止させたということです。
運転手の男性は脳出血を起こしていたということで、その後、病院で治療を受けたということです。乗客およそ30人にけがはありませんでした。
会社側によりますと、運転手の男性は当日は午後3時すぎに出勤し、運行管理を行っている上司には体調不良はないと報告していたということです。バスを運行していた小湊鐵道は「運転手の健康管理を徹底し、再発防止に努めたい」と話しています。

とっさに乗客が機転を利かせて最悪の事態だけは避けられたと言うことですが、中央分離帯やほかの車にもぶつかっていたと言いますから当事者となった乗客の方々にとってはまさに生きた心地もしないような状況でしょうね。
このバス運転手の突然の発病による事故と言うものがちょっと検索しただけでも毎年のように報じられていて、高血圧など危険なリスクを放置したまま乗車を続けている運転手も多いと言う背景事情があるそうなのですが、国もこうした事故の恐ろしさを知っていると言うことなのでしょう、ちょうど今春には運転手が意識を失った場合自動停止するシステムの開発をメーカー各社に促したと報じられています。
そもそも過労など健康管理状態の悪化がその背景にあることで、さらに元を辿れば慢性的な運転手不足による不規則かつ過重な労働環境が背景にあることは言うまでもなく、乗客の立場からすれば無理をしないで安全運転を願いたいところなのですが、その観点から非常に興味深い事例が海外から報じられていました。

スペイン 労働時間が終了したため運転手が途中で列車を止める(2016年9月15日スプートニク)

スペインのサンタンデールからマドリードへ向かっていた列車の運転手が、労働時間が終了したため列車から降りた

治安警察の代表者は、「運転手は自分の労働時間は終わったと言うが、交代要員はいない」と述べた。 列車の扉は治安警察が到着するまで閉まったままだった。その後、乗客を目的地へ届けるため、駅にバスが到着した。結果、マドリードへ向かっていた人々は、当初の予定より5時間遅れで目的地に到着した。

鉄道会社Renfeは調査を開始し、運転手に説明を求めた。 なお労働組合は、運転手が「安全上の理由から」列車を停止させたとし、「(列車の)運転手も、バスの運転手あるいは飛行機のパイロットと同じように定められている労働時間を超えることはできない」と発表した。

この一件、別な報道によれば法律に定められた労働時間の上限を超えたことで運転を中止したと言うことなのですが、同国では過労による事故を防ぐため列車の運転士が連続6時間を超えて勤務してはならないと定められていて、かつ本来途中停車駅で交代するはずの運転手が不在だったため、そのまま発車することなく停車し続けたと言う事情だったそうです。
こうした事情が知れた結果ネット上の反応も「これは仕方ない」と言う声が多い様子なのが意外と言うべきなのか、今の時代リアルな生活でブラック企業の恐ろしさが身に染みている人が増えている結果と受け止めるべきかですが、こうした場合責められるべきは運転手ではなく代替運転手をきちんと確保出来なかった会社側であると言う認識が当たり前に通用するようになったと言うことでしょうかね。
「日本なら運転手はそのまま運転を続けて事故を起こしていたかも知れない」と言う指摘があるように、こうした安全上のルールはそれなりの理由があって設けられていることは言うまでもありませんが、何が顧客サービスなのかと言うことを考える上でなかなか興味深い議論のテーマを与えられた事例であったように思います。

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2016年9月16日 (金)

労働環境改善の抵抗勢力

先日も取り上げました残業時間上限の導入問題につき、こんな続報が出ていました。

残業上限規制を議論=働き過ぎ是正へ-厚労省検討会(2016年9月9日時事ドットコム)

 厚生労働省は9日、残業時間の上限規制導入について議論する有識者検討会(座長・今野浩一郎学習院大教授)の初会合を開いた。安倍政権が掲げる「働き方改革」の一環として、長時間労働の是正を通じ仕事と家庭の両立を支援するほか、企業の生産性向上を促すのが狙い。欧米など海外の残業実態も調査し、月内にも政府が設置する「働き方改革実現会議」(議長・安倍晋三首相)に検討結果を報告する。

 今野氏は会合で「問題は単純ではなく、いろんな観点から意見をぶつけて良い方向を考えたい」と述べた。他の委員は、長時間労働の背景について「依頼されると断れない下請け構造や、24時間営業など過剰なサービスがある」「残業代が減ると困るという労働者の声もある」などと発言。上限規制の効果に関しては「サービス残業が増えるだけかもしれない」との意見が出た。

この残業代上限導入と言うことに関しても色々と言いたいことはあるのですが、予想通り出てきたのが「残業代が減ると困るという労働者の声もある」等々の現状肯定論的意見で、恐らくその労働者にきちんと問い直せば「過労死レベルまで残業代を稼がなくても生活出来るくらいの給料を出してくれ」と言った声も聞けるのではないかと言う気がします。
働かせる側としては最低限のスタッフを過労死寸前まで酷使するのが一番効率がいいのだろうし、法律上の上限を盾にサービス残業を強いることが出来るならこれに越したことはないのでしょうが、一方でそうした事情があるからこその公的規制が必要なのであり、現状ではその規制が有名無実化していると言うのが出発点になっているはずです。
この点で残業時間に限らずこの種の問題では当事者がどれだけ問題意識を共有し、その解決解消を切実に願っているかと言うことが非常に大きな要素を占めてくるわけですが、かねて依頼されると断れないだとか、24時間営業などの過剰なサービスを法的に強いられていると言う某業界ではこんな当事者の声が出ているそうです。

「労働基準無視、失敗すれば責任負う」「医師は長時間労働も仕方ない」(2016年9月11日医療維新)

Q:医師の時間外労働について、問題点はどこにあるとお考えですか? 問題点と、対応策についてご意見をお寄せください

・能力と技能を切り売りしている上に、時間外についてはほぼ無視。当直開けには休みなしが当たり前。労働基準なんてくそくらえ的な労働環境で今まで生活してきました。周りも給料が高いのだから当たり前だと、全く同情すらしてもらえない有様。失敗すれば全責任は負わされるし、同情されれば良い方で、働きが足りなかったとか、努力が足りなかったとか、手を抜いた的な指摘を受けるのみ。ますます条件は厳しくなります。これではなり手は減少すると思いきや、比較的拘束時間の負担のちいさい科に進まれるんですなあ。この頃は。【開業医】
(略)
雇用側の大学病院が、医師を労働者として適切に扱っていない。教員でもあるから労働基準法は当てはまらないと言って、時間外労働をしてないことにされている。日報として出勤時間は書かせるが、退勤時間の記載項目がなく、皆17時に帰宅していることにされている。患者に対する責任感だけで何とか頑張っている。【勤務医】

・[医は仁術]で、自己犠牲が当たり前との通念が浸透しきっているところ。医師も人間であれば家庭もあることを理解してもらうことと、コンビニ受診をなくすことが重要。【開業医】
(略)
・時間外労働が当然という慣習。そして、自分が研修医の時はもっと働いたといった武勇伝を語る上級医が後を経たない。定期の外来診療や手術が、当直明けにあることはなかなか避けられない。また自分が執刀した患者の術後管理は、特に手術当日夜間など自分でみたいという外科医は多い。  心情でいくとなかなか解決できない問題なので、法的にオーバーワークに規制をかけることも解決策だと思う。【勤務医】
(略)
・医療者の献身的な取り組みを、行政も患者•家族も、当たり前だと思っていることに、最大の問題がある。病院の管理側が、十分にその取り組みを行っていない場合もある。行政は、医療者の献身的な取り組みの上に胡坐をかいていてはいけない。医療者の献身的な取り組みを、正当に評価できる社会の仕組みづくりが急務である。直接的には、給与を上げることと休暇を確保することであるが、医師の場合、チーム医療であっても個人にかかる責任を逃れられない局面も多く、そのような労務には正当な対価が支払われなくてはならない。医療者側も、不満に思うことを自ら声に出して主張しなくてはならないし、それを受け止められる社会の仕組みを作ることが必要である。
(略)
・診療の質(患者満足)を高めることを考えると、可能なことは多々あり、それらを追求するためには知識,技術は常に未熟であり、習得するためにはいくら時間があっても足りない。医学の知見は膨大であり、診療に必要と考えられるものだけを選択したとしても,その学習には多くの時間を要する.時間外労働を含めた長時間労働は,医師という職業に求められるものであり,ある意味仕方がないと思う。個々の医師が、どこまで努力をするかあるいはできるかという問題だろう。【勤務医】

まあ何と言うのでしょう、こうした方々ばかりを雇用する職場はさぞや雇用主にとってもいい環境なのでしょうが、しかし以前からも指摘されている通り医師の労働環境改善を阻んでいる最大の抵抗勢力は一体誰なのかと言うことが、おぼろげながら浮かび上がってくるようには思います。
別に人それぞれ人生についてのの考え方があることであり、労基法の上限を超えてまだまだ働きたいと考える人は無給で居残りをやっても別に構わないと言えば構わないのですが、これからの時代そうした考え方はおかしいんじゃないかと世間並みの常識を身につけた若い先生方がますます増えてくると予想される中で、さすがにいつまでも昔の武勇伝を語るばかりの老人の時代ではないはずですよね。
医療現場では未だに過労死なども発生していると伝えられているし、そもそもろくに休養も取っておらず疲れ果てた担当医に患者も命を預けたくないだろうと思うのですが、過労や睡眠不足がパフォーマンスに大きく影響すると言うエヴィデンスが数多くあるのに未だに奴隷自慢をしているような先生は、自ら進んでわざわざ質の低い医療を目指しているのかと言われる可能性もありそうですね。

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2016年9月15日 (木)

珍しく自治体病院の診察拒否が報じられていると思ったら

ひと頃大いに話題になった話題として診療拒否なるものがあり、当時は診療拒否ではなく受け入れ不可能と言うべきケースが多いと言われていたものですが、先日報道されていたこちらのケースはいささか事情が異なっている様子です。

富士吉田市立病院 診察拒否か市が調査(2016年9月2日山梨日日新聞)

 富士吉田市立病院(同市上吉田、樫本温院長)の歯科口腔外科が、特定の歯科開業医からの紹介で来院した患者の診察を拒否した可能性があるとして、同市が調査を始めたことが1日、分かった。富士吉田歯科医師会は同日までに、改善を求める要望書を堀内茂市長に提出した。
 要望書は、口腔外科が開設された2013年3月前後に、同歯科医師会に加盟する開業医と市立病院側の間でトラブルがあったと指摘。「開業医の紹介で市立病院を訪れた患者の診察が拒否されている」としている。

 同市によると、要望書の提出を受け、病院職員や同歯科医師会の関係者らから事情を聴いた。これまでの調査で、口腔外科の開設直後から一部の患者が診察を断られたケースがあったと確認。紹介した患者が診察を断られた開業医は複数いるという。
 樫本院長は取材に対し、「担当医師から(口腔外科)開設当初はトラブルのあった歯科医師から紹介を受けた患者を断ったことがあると聞いたが、現状では診察している」と説明。「今は同歯科医師会とも良好な関係と認識している」と述べた。

 山梨日日新聞の取材に対し、昨年9月に診察を断られたという同市上吉田の男性(65)は「『(紹介状を書いた)先生とは連携していないので診ることはできない』と言われた」と説明。山梨市内の病院で受診することになり、「市民が市立病院で診察してもらえないのはおかしい」と訴えた。
 関係者によると、歯科口腔外科の開設時に同歯科医師会と病院側で、開設の経緯や診察方法などについてトラブルがあったという。
 堀内市長は取材に対し「診療拒否があった可能性はある」とした上で、「事実ならば患者に謝罪しないとならない。調査をして実態を把握したい」と話した。

「診療拒否があった可能性はある」とはずいぶんと持って回った言い方だなと不思議に思ったのですが、どうやら地元開業医との間のトラブルの結果そちらからの紹介患者は受け入れないと言う、これは確かに診療拒否と言う言葉を使いたくなるような話には聞こえます。
少し後になって調査結果が出たと言うことなのですが、どうやら実際に報じられているようなケースがあったようで、形式上の責任者となる市長が陳謝する自体に追い込まれてしまったようです。

【山梨】「診療拒否あった」富士吉田市長が陳謝(2016年9月12日山梨日日新聞)

 富士吉田市立病院の歯科口腔外科が、特定の歯科開業医からの紹介で来院した患者の診察を正当な理由なく拒否していた可能性があるとして、市が調査している問題で、同市の堀内茂市長は9日の会見で「診療拒否があったと認識している」と述べて陳謝した。市は10月末までに詳しい経緯を調べ、関係者の処分を含め検討するとしている。

 堀内市長は会見で、2013年3月の歯科口腔外科開設などを巡り、市立病院側と市内の開業医の間にトラブルがあったと指摘。その上で、トラブルになった開業医の紹介で来院した患者の診察を、市立病院が拒否することがあったとの認識を示し「市民の税金を使い、地域のための病院であるにもかかわらず、一部で診療拒否があった。申し訳ない」と陳謝した。

 市によると、7月下旬に富士吉田歯科医師会から「特定の歯科医師から紹介を受けた患者が、市立病院での診察を拒否されている」として改善を求める要望書が提出され、市が調査に乗り出した。

 一方、市立病院の武藤賢三事務長は9日の取材に「歯科口腔外科の担当医師から、診察を断ったのには正当な理由があると聞いている」と話した。

歯科口腔外科開設を巡ってのトラブルがそもそもの発端と言うことで、例えば私立病院に歯科口腔外科を開設すると患者の奪い合いになる等々の懸念から「市立病院に歯科口腔外科はいらない」などと開設に反対した開業医がいたとすれば、そちらから患者が紹介されてきた場合「いやいらないって言ってたでしょ?」とおもしろくは感じないでしょうね。
ただどんな事情があって不満を抱いたにせよやはり患者とは直接関わり合いのない話なので、仮に意趣返しをするにしてももう少し大人げある対応をすればよかったかと思うのですが、どうもこの市立病院の先生と言うのが以前にも大学でトラブルを起こし解雇処分となった先生なのだそうで、この際にもかなり大人げない行為を働いた挙げ句に「一連の行為には理由があった」と今回と同様の申し開きをしていたそうです。
そうした事情を考慮すると実際のところどんな状況だったのかですが、本件で興味深く感じたのは少なくとも表立っては市長も事務長も平謝りでひと言も歯科口腔外科医の責任を問う様子が見られないと言うことで、自治体病院などと言えば一昔前は何かあれば現場に責任をかぶせて終わりと言うイメージも色濃くあっただけに、時代も変わったものだなと感じ入った次第でした。

いささかレアケースだった気配のある今回の場合はともかくとして、無茶苦茶な治療で患者の状態を悪くしてから尻ぬぐいを押しつけてくると言った困った先生も各地にいらっしゃるのは事実で、特に自治体病院などは基本的に地域住民であれば原則受け入れと言うことになっている施設が多いですから、断れるものならあの先生の患者だけでも断りたいと考えている先生は他にもいらっしゃるのではないかと思います。
こうした場合の対処法としては様々な手法が考えられますし、個人レベルで善処した結果個人レベルでの防衛に成功していると言う先生は少なからずいらっしゃると思うのですが、そのノウハウを共有するなり組織として対策を講じるなりに昇華していかないと、いつまでたっても同じことの繰り返しが続き患者さんの為にもならないと言う話ですよね。
市長にしろ事務長にしろ現場医師にきちんと気を遣って大人の対応をされているようですので、せっかくですから当事者だけではなく院内各診療科医師にも聞き取り調査なりをして、何とかして断りたくなるような紹介元が他にもいないかどうかと言ったところまで対策を講じてみれば、ますます仕事がしやすい病院としてスタッフから好評を博するかも知れませんね。

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2016年9月14日 (水)

社会保障費の伸びが上限突破

ちょっとびっくりするようなタイトルですが、先日こんな記事が出ていました。

社会保障「上限」超す、17年度予算、厚労省概算要求(2016年9月4日毎日新聞)

 ◇増加5000億円まで 1400億円要削減

 厚生労働省の2017年度予算の概算要求は、過去最大規模の31兆1217億円と、30兆円台の要求は5年連続となった。高齢化が進むことによる社会保障費の自然増は6400億円と見込むが、財務省からは最終的な増加額を5000億円程度に抑えることが求められている。今後の予算編成での調整に注目が集まる。【野田武、阿部亮介】

 主要分野別にみると、待機児童の解消に向けた取り組みに1169億円、介護サービスの確保に2兆9907億円、年金制度の運営に11兆4067億円、医療・介護連携の推進に3兆482億円、医療保険制度の運営に11兆5795億円などを要求した。
 年末の予算編成に向けて焦点となるのが、少子高齢化の進展に伴って増加を続ける社会保障費の抑制だ。昨年6月に閣議決定した「骨太の方針」は、社会保障費の伸びを16~18年度で計1・5兆円に抑える「目安」が盛り込まれた。
 「目安ではなく実質的な上限だ」(与党厚労族議員)との指摘もあり、単純に割り算すると、各年度5000億円ずつに抑える必要がある。財務省が減額を求める根拠になっている。昨年の概算要求では約6700億円だった自然増の見込みが、最終的に4997億円に絞り込まれた。医療の公定価格である診療報酬改定率が、年末の塩崎恭久厚労相と麻生太郎財務相の交渉で、マイナス1・03%で決着したことが大きく寄与した結果だ。

 来年度予算では診療報酬改定など大きな制度改正がない。「目安」を超える1400億円を、どのように削減するのか。現在、社会保障審議会で介護保険法改正に向けた議論が進む。買い物などの生活援助サービスを保険対象から外すことや収入が高い大企業のサラリーマンなどの保険料負担を増やす「総報酬割り」の導入など、介護サービス抑制や負担増などで財源を捻出する可能性もある。
 ただし、厚労省幹部は「削減できなかった額が18年度に持ち越されることも想定している」と話す。その場合、18年度に予定されている診療報酬と介護報酬の同時改定や生活保護法改正などで、報酬切り下げや生活保護基準の見直しが選択肢として浮上し、いずれも国民へのしわ寄せが不可避となる。
(略)

色々と削るべきところはまだまだ多いだろうに一向に手をつけないままでは困ると言った前向きな削減論も聞こえてきますけれども、しかし削減すると言っても現場では必要だから使っているお金のはずですから、国がルールを決めてトップダウンでやってもらうしかないところですね。
もっとも支出額の断然多い医療に関して言えば、皆保険制度下では保険の査定と言う極めて恣意的な行程が必ず入ってくるわけですから、この辺りのさじ加減を少しばかり厳しめに調節するだけでも相当な効果がありそうですが、何をどう調節するのかと言うさじ加減によっては診療報酬改定以上に大きな影響を与えかねないですよね。
医療分野で具体的にどのような内容でコストが増加したのかですが、記事の後段の概略から拾い上げてみますと出産施設の少ない地域での改善策だとか、産科開設・再開のための費用補助だとか言った少子化対策などは国の大方針にも関わることですから、コスト削減と言ってもそうそう削れないのではないかと言う気がします。
となると問題になってくるのが僻地医療対策になってくるのかですが、僻地患者の航空輸送に対して補助金を出すなどと言う話は確かに住民サービスとして有用ではあるのでしょうが、今後地域医療整備の主体が地方自治体に委ねられてくることを考えると、国としては多少なりとも先送りしてもいい類の話ではあるのかも知れませんね。

医療費が何故伸び続けるのかと言う2大要因として以前から言われてきたのが高齢化社会進展に伴う自然増であり、また昨今注目されているのが薬剤費の高騰ですけれども、後者に関しては医薬分業が奏功してか昨今診療報酬改定においても冷遇されるようになってきたばかりか、国と各学会も巻き込んで高額な新薬はなるべく使わせないようにしようと言う計画が進んでいます。
製薬会社がこれだけ大儲けしているなどと世間のニュース種に取り上げられる時代ですから、薬価の削減自体は国民世論の後押しも受けやすいのかも知れませんが、医薬分業で各地に林立した存在価値の怪しい薬局の経営をどう考えるべきなのか、あるいは一部で言われているように再び門前薬局を病院内に吸収してしまうような時代が来るのかも知れませんん。
高齢者医療コストに関してはそもそも後期高齢者医療制度が出来た時点からの長い課題の歴史もあって、本来であれば別会計とすることで高齢者が身の丈にあった医療に自然収束していくことを期待していたはずですが、これまた政治的配慮で長くタブー視されてきた議論ながら、さすがにいつまでも先送りには出来ないのかも知れませんね。
単純に高齢者に対しては保険医療点数の配分を変えるだとか、保険適応の範囲を絞ってみるだとか様々な対案は考えられるのですけれども、現在医療機関に受診している患者の年代別比率を考えてみる限り、少々診療報酬を上げ下げするよりもよほどに巨大な影響を医療現場に及ぼしかねないだけに、理念だけではなく現実的な側面からも反対の声は根強かろうと思います。

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2016年9月13日 (火)

2025年に予想される「WORLD WAR D」

人それぞれに解釈のしようはあるのでしょうが、先日こうした判決が出たと報じられていました。

徘徊し女性死亡 通所先施設に賠償命令 福岡地裁(2016年9月9日毎日新聞)

 徘徊(はいかい)癖があった認知症の女性(当時76歳)が通所先のデイサービスセンターから抜け出し、そのまま死亡したのは施設側の責任として、女性の夫ら遺族3人が施設を運営する社会福祉法人「新宮偕同(かいどう)園」(福岡県新宮町)を相手取って計約2964万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、福岡地裁(平田直人裁判長)は9日、施設側の過失を認めて計約2870万円の支払いを命じた

何とも不幸な事故で関係者の誰に取ってもお気の毒と言うしかないのですが、認知症高齢者は例え入所していないデイサービス通所者であってもこうした徘徊リスクがあり、時としてそれが巨大な責任問題として降りかかってくるものであると言うことを知る上で、医療介護関係者にとっても大きな教訓となった事例ではないかと思いますね。
民事訴訟とはあくまでも金銭的損害に対する賠償額の多寡を決める場所ですから金銭的な面に絞って考察しますと、76歳の現代日本女性の平均余命はおよそ15年だと言いますから、この女性が毎月15万円強の年金を受け取っていたとすればちょうど2800万円相当を稼ぎ出していた計算になりますが、ちなみに女性の年金受給月額15万円以上と言う方々の割合は全体のおよそ9%ほどなのだそうです。
金銭的な面はともかくとしても、国が高齢者を自宅に帰し地域で見守りましょう云々と言っている以上こうしたケースは増えこそすれ減ることは考えにくいですし、先頃遺族の逆転勝訴が確定した愛知県でのJR絡みの事故のように社会の中では誰が責任を取るのかと言う話にもなりかねませんが、そうした未来絵図をますます暗いものにしかねないこんな記事が出ていました。

2025年に認知症パンデミック 700万人の高齢者が徘徊か(2016年9月7日NEWSポストセブン)

 団塊世代が全員75歳以上になる2025年には、病院、介護施設、医師、火葬場など、すべての供給が追いつかなくなる。かつてない「多死社会」が到来、国は在宅介護などを進め自宅で最後を迎えられるようにしようとしている
 専門施設で手厚くケアされることを理想と考える人もいるかもしれないが、自宅で死ねればそれだけでも御の字なのかもしれない。国際医療福祉大学大学院教授で医師の武藤正樹氏はこう語る。
「我々医師が死亡診断書を書くとき、亡くなった場所を記入しなければなりません。病院や介護施設、自宅以外で亡くなった場合は『その他』に分類されます。マニュアルを見ますと、その他とは『山、川、路上』となっている。
 徘徊中に事故に遭ったり、川に落ちたり、路上で転んだりといったケースです。そうした『その他』で亡くなる老人も増えていくとみられています」
(略)
 交通事故や災害、自殺などで亡くなった場合や、自宅で医師の立ち会いがなく死亡し、死因が特定できない場合などは「異状死」として警察に届け出なければならない。
「700万人といわれる団塊世代の多くは関東、中部、関西の都市圏に住んでいます。つまり2025年に起きる、介護士、看護師不足などの介護資源の枯渇は大都市でより顕著に起きます。ケアが行き届かないために、都市部での『異状死』が特に多くなると考えられます。都会に住み続けたい人は『異状死』を覚悟しなければならないのです」(前出・武藤氏)
 そうした中で、家以外の死に場所となり得るのはどこか。介護サービス情報などを掲載する『月刊 あいらいふ』編集長の佐藤恒伯氏はこういう。
「国は各種病床を減らそうとしていますが、手をつけていないのが精神科の病床です。2014年のOECD(経済協力開発機構)の調査で、日本はその他の加盟国の4倍近くの精神病床数でした。約34万の病床があって、32万人が入院しています。
 入院の必要性が低くても、行く場所がないからとどまっている人も多い。その中でも増えているのが、認知症が悪化して自傷や他傷行為などが出てきたという人たちで、精神病院の中の認知症病棟に入院し、長くとどまっている。その他の病床・施設が減らされる中で、2025年には認知症が悪化し、行き場は精神病院しかないというケースが増えてくる」
 2015年1月、厚生労働省は2025年の認知症患者数が現在の1.5倍、700万人を超えるとの推計を発表した。
「700万人が行き場を失い、都市を徘徊する。私はこれを認知症パンデミックといっています」(前出・武藤氏)

国が老人を自宅に帰して金のかかる病床を削減したい腹であれば当然ながらこうしたことは予想された事態ですが、数百万レベルの認知症患者を全て家族やご近所が24時間365日見守ると言うことはいささか非現実的であり、そうである以上全国どこかで日常的に徘徊老人に絡んだ事故が多発する理屈です。
それでも電車に轢かれて亡くなるなどと言った事故は言葉は悪いですがまだしも害が少ない方なのかも知れずで、すでに各地でたびたび起こっているような高速道路逆走などが日常的に頻発したり、各地の道路で当たり前のように飛び出し事故が発生したりする事態にでもなれば、それに伴う二次災害、三次災害の発生するリスクも高くなってくるはずですよね。
そうであるからと言って認知症高齢者を全員精神病院なり閉鎖された介護施設なりに閉じ込めておけでは進歩的な方々のお叱りを受けること必至ですから、こうなりますとあらかじめ事故や事件が頻発する事態に備えて、認知症高齢者など自己責任能力のない方々の引き起こした事態における免責条件なりを考えておいた方がよいのかも知れませんね。

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2016年9月12日 (月)

透析は医療費の金食い虫だと現代が指摘

先日こんな記事が出ていたそうですが、御覧になりましたでしょうか。

透析大国ニッポン!一度始めたら一生やめられない人工透析の「真実」 いまや市場は2兆円規模(2016年9月10日現代ビジネス)

■透析患者は病院の「ドル箱」

「人工透析をしたい人にとって、日本は『幸せな国』といえるかもしれません。透析には月40万円ほど費用がかかりますが、患者負担は1万~2万円で済む。国が1人あたり年間500万円近く負担してくれるわけです。腎臓病の患者のなかでも透析をやっている人の割合は極めて高く、95%もいます。アメリカや韓国では40%、ヨーロッパでは50%です」
こう語るのは、透析や腎移植に詳しい大塚台クリニック院長の高橋公太医師。透析は、糖尿病が悪化するなどして腎臓が機能しなくなる腎不全になった人に行う医療行為。腎臓は血液の老廃物を除去したり、電解質を維持したりする作用があるが、それを人工的に行うのが透析だ。
高橋氏の言うとおり、日本は透析大国で、現在約32万人もの透析患者がおり、年間5000人のペースで増加中だ。患者数の伸びは高齢化のスピードとほぼ一致しており、2025年まで伸び続けると予測されている。
透析患者1人に対して年間約500万円の医療費を国庫が負担していると考えると、単純計算で約1兆6000億円。透析患者は合併症も起こすことが多いので、その分も含めればざっと2兆円もの医療費が32万人の患者のために使われている計算になる。日本の医療費は全体で40兆円なので、この額は医療費の5%にあたる。

ときわ会常磐病院院長の新村浩明医師が語る。
「日本の医療費全体のなかで透析医療費が占める割合は異常に高い。こうした構造がおかしいことは誰もが気付いていますが、もはや止められなくなっているのです。医療費をなんとか抑えようとすれば、患者さんの負担を増やすしかありませんが、そもそも腎不全で体が弱り、経済力のない人たちにその負担を強いることは難しい。結局、日本の透析医療は袋小路にはまりこんでしまっているのです」
なぜ、日本の透析医療はこれほど巨大化してしまったのか。その主たる理由は、透析が「儲かるビジネス」になってしまっているからだ。都内の糖尿病専門医が語る。
「病院にしてみれば、一度透析を始めた患者は、定期的な『収入源』になります。少し前までは、透析の保険点数は今よりも高く、患者を1人つかまえればベンツが1台買えると言われたほどです。
私の病院でも透析の患者さんは大切にしますよ。患者は週に3回、各4時間の治療を受ける必要があるので、無料送迎サービスを提供したり、いろいろと気を配っています。逆にいえば、それだけ儲かる『ドル箱』なのです」

■腎移植のほうがQOLが高い

人工透析を始めると途中でやめることができない。自分の経済負担は少ないかもしれないが、それは死ぬまで国庫から病院にカネが落ち続けるということだ。
(略)
袋小路にはまってしまった透析医療問題を解決する道がないわけではない。腎移植をより普及させることができれば、透析患者を減らすことができるのだ。前出の高橋氏が解説する。
「日本では移植のことを知らない人が多く、腎移植の数がなかなか伸びてこなかった。しかし、そもそも腎不全の患者にとって透析よりも腎移植のほうがQOL(生活の質)が高いのです。週3回透析治療を受けるのは、とくに働いている若い人にとっては大きな負担になるでしょう。また透析をしながらでも長く生きられると信じられていますが、実際はそうでもありません。例えば若くして20代で透析を始めた人はたいてい50~60歳で亡くなる。24時間動いている腎臓の機能を週3回の透析で代替しようとしても無理があるわけです。また、長期間の透析を続けるとさまざまな合併症も出てきます。腎移植が成功すればそのような身体の負担は小さくなります。さらに経済的な負担を考えても腎移植のほうが小さい」
手術後の患者のための税金や保険の負担は100万~150万円。移植手術の費用を考えても、長期的に見れば透析より移植のほうが国庫にかかる負担は小さくなる

■「利権」が代替医療を妨害する

現在、日本で行われている腎移植の件数は年間で1600例。20年前は500例だったので、かなり増えたともいえるが、アメリカの1万8000例と比べるとまだまだ少ない。前出の新村氏も、移植医療の遅れが現在の透析依存を深刻化させたと述べる。
「腎移植が普及していればこうした状況にならずに済んだと思います。臓器移植法案がスムーズに通り、日本で腎移植がもっと早い段階で普及していれば、透析に頼り切る医療にはならなかった。日本は移植へのアレルギーがあり、非常に厳密な移植の基準、臓器提供の基準ができあがってしまった。少しずつ緩和されてはいるものの、臓器提供できる病院が限られています。指定されていない病院で脳死患者が出ても、そこからは臓器提供ができないのです」
現在、日本で行われている腎移植の9割は身内がドナーとなっている生体腎移植だ。'97年に脳死移植が認められたものの、なかなか増えていないのが現実である。ちなみにアメリカでは脳死移植が全体の半分以上(年間1万例)もある。
(略)
「腎臓が悪くなったからすぐに透析、という考え方は間違っています。ドナーがすぐに見つかるかわかりませんが、その後の人生のことを考えれば移植の可能性はないのか、検討してみる価値はあるはずです」(前出の高橋氏)
医者の勧めるまま透析を始めたら、二度と健常な生活に戻れない。治療法とその後の人生は自分自身で選ぶしかないのだ。

昨今90歳以上の超高齢者に新規で透析導入をしているような施設が日本にどれくらいあるものかは知りませんし、今どき透析がそうまで儲かるのかどうかも存じ上げませんが、日本の透析患者数はアメリカについで世界2位なんだそうで、しかも三倍ほどの人口を持つアメリカに対して患者数はその7割ほどもいるそうですから、やはり相当透析患者数が多いと言うことは事実でしょう。
日本における透析医療の導入ハードルが諸外国よりもかなり低かった一因として、死ぬまでかかる巨額の医療費の大部分を国が負担してくれると言う患者に優しい制度面にあったことは否めないところで、世界的に見ればそもそも高価な医療を延々と続けられる経済力がある人だけが透析を受けられると言う側面もあるわけです。
加えて制度的な面でも保険診療で行える透析の新規導入に年齢制限を設けるなど、その対象を制限している国も決して少なからずだと言いますから、その気になればそれこそ90歳の無職無収入の老人にでも公費で透析が出来てしまう国と言うのは世界的に見てもかなり珍しいと言えるかも知れません。

日本で透析医療が非常に盛んであると言うのは客観的事実であり、その背景に制度的に透析導入が非常に容易く、かつ年齢等による制約が設けられていないと言うことが問題であると記事は指摘しているのですから、それを解消するために諸外国同様年寄りに透析をさせるなどもってのほか、高齢者には公的負担も保険給付も打ち切ってしまえと言うのであればそれなりに筋が通っていると言えます。
ところがそうではなく何故か途中から話の方向が変わっていて、当初挙げられていた制度的問題は全くスルーされてしまっていると言うのが誰の圧力なのかは知りませんが、さすがに超高齢者に喜んで透析導入しようと考える医療関係者も少なくないはずですから、透析に限らずこうした問題提起を機会に医療費の公的負担の範疇について議論が拡がるのであれば悪い話ではないですよね。
ちなみに記事によればこの問題の根本的解決策は腎移植であるかのように書かれているのですが、まあドナーがどこから現れるのかと言う問題を抜きにしても客観的に見れば透析導入の最大要因は糖尿病など基礎疾患の悪化による合併症としての腎不全なのですから、「医者の勧めるまま」「健常な生活」を送っていればかなりの部分が予防できたと言う可能性はありますよね。

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2016年9月11日 (日)

今日のぐり:「ボナン」

一部諸外国では日本=変態大国的な認識が深く静かに広まっているやにも側聞するのですが、そんな日本の風評をさらに強化固定するこんなニュースが出ていました。

神出鬼没「全裸マン」ついに御用、防犯カメラ前であの行為 兵庫“変態列伝”に新たな一ページ(2016年9月4日産経新聞)

 頭隠して尻隠さず、とはこのことか。兵庫県西宮市の甲子園球場近くの住宅街で、前代未聞の露出狂が御用となった。通称「全裸マン」。実に5カ月間、顔面をネックウオーマーなどで覆っただけの全裸で街角に出没しては女性に自慰行為を見せ続けた。神出鬼没の変態として警察の捜査を攪乱(かくらん)したが、8月初旬、公然わいせつ容疑で現行犯逮捕された。正体は有名私大を中退した26歳の無職男。屋外での自慰行為に快感を覚え、「風俗店では満足できない」と50回以上も同様の行為を繰り返していたという。男を大胆不敵な犯行に駆り立てたものは一体何だったのか。
(略)
 住宅街で全裸マンが最初に目撃されたのは今年3月末の夜だった。
 会社帰りに市道を歩いていた女性が視線を感じて暗がりに目を向けたところ、2棟のマンションの隙間に不審な男が立っていた。マフラーで顔面をグルグル巻きにし、黒いジャンパーを羽織った男は、白く浮かび上がった裸の下半身を女性に見せつけた。女性はすぐに「下半身を露出させた男がいる」と110番した。
 捜査を始めた県警は、連日のようにパトロールや張り込みを実施。ところが男は一向に現れず、「全裸の男を見た」という通報だけが増えていった。
 目撃時刻はおおむね午後7~11時ごろ。甲子園球場でナイターの試合が行われる日は、人目を避けて遅い時刻に出没することも分かった。それでも男は捜査員の前には姿を見せず、捜査網をかいくぐるように街角で全裸になり続けた。

 県警は6月、男が現れるマンションの隙間を監視できる場所に許可を得て防犯カメラを設置し、後日映像を確認する捜査に乗り出した。すると数日後、カメラは想像を絶するような卑わいな男の行為を捉えた。
 顔を隠した男は、市道に向けて下半身を突き出しながら、自慰行為に夢中になっていた。公然わいせつ容疑は明らかだったが、顔を布きれで覆っていたため、県警が犯人を特定するには至らなかった。
 「警察をバカにしているのか。絶対捕まえてやる」
 捜査員らは張り込み日数を増やし、最初の通報から約5カ月後に男をようやく逮捕した。しかしその後の調べで、男が張り込みに全く気づいていなかったことが判明。捜査員らは「これほど苦労させるとは、かなりの強運の持ち主だ」と絶句したという。
(略)
 全裸マン逮捕のニュースはインターネットをかけめぐり、「頭隠して尻隠さずを地でいっている」などと大きな反響を呼んだ。
 兵庫県内では昨年から、強烈な個性を放つ“変態男”の逮捕が頻発している。側溝に潜んでスカートの中をのぞき込む「側溝男」、頭から女性もののパンツをかぶってママチャリで疾走する「パンツ仮面」、そして今回の「全裸マン」…。2ちゃんねるなどの掲示板では、「また兵庫か」「兵庫はレベルが高いな」などと揶揄(やゆ)するコメントが相次いだ。
 県警幹部も「偶然なのだろうが、県内で次から次へと変態事件が起きるのは頭が痛い」と嘆く。
 遅ればせながら、全裸マンは今頃になって「女性に悪いことをした」などと反省と後悔を募らせているという。8月23日には、公然わいせつ罪で罰金20万円の略式命令も受けた。どんなにネックウオーマーで顔を隠しても、自ら顔に泥を塗ったことは隠しようがないだろう。(8月29日掲載)

まあ性癖というものは人それぞれであることは確かなのでしょうが、ひとたびこちら方面にはまってしまうとなかなか抜け出せないものなのでしょうね。
本日は兵庫県警栄光の歴史に新たな一ページが刻まれたことを記念して、世界中からお国柄を示すニュースを紹介してみましょう。

そんな所に便器!?韓国で話題の“ヘル朝鮮式”ワンルームとは?(2016年9月3日レコードチャイナ)

2016年8月31日、韓国・YTNは、刑務所の独房を思わせるような狭過ぎるワンルームマンションが韓国の賃貸情報サイトなどで数多く紹介されていると報じた。

記事がまず「いわゆるスリムなワンルーム」として紹介した部屋は、月の家賃38万ウォン(約3万5000円)と、韓国の相場からして必ずしも格安とは言えない。しかし、細長い空間の左側にマットレス、薄い仕切りを挟んだ右側に口を開けた便器が見えるさまは独房を連想させる。ネットでこの写真を目にした人たちは、「広角レンズで撮ったからまだいいが、実際ははるかに狭いはず」とコメントしている。

「高いのに狭いワンルーム」の問題は今に始まったことではないが、最近は「ビルトイン」「家具完備」「ロフト付き」といった売り文句で、無理やり感の否めないワンルームが増えている。確かに記事が例示した写真には思わず首をかしげてしまう。「ソウル大前の改装済みワンルーム」は、キッチンシンクとシャワー・便器が向かい合い、電気こんろの下に洗濯機が。また別の部屋は、調理台の上に2ドアの巨大な冷蔵庫が鎮座。そして、なぜかキッチンの流し台前に便器が設置された部屋もある。

こうした不思議なワンルームはネット上などでたびたび話題になり、「食べて寝て用を足すまで1つの空間で解決できる、極めて便利な“ヘル朝鮮式”の家」と皮肉られている。
(略)

日本であれば自宅魔改…もとい、改築番組の格好のネタにもなりそうな独創的な構造なのですが、しかし韓国とはよほどに土地が狭いのでしょうかね。
お隣中国と言えばもはや少々のことでは驚きませんが、これは共産主義的モラルに照らし合わせていささか如何なものかと言う流行が広まっているそうです。

ヌード画像と引き換えに金を貸す「裸ローン」ビジネスが中国で興隆中(2016年9月2日サイゾー)

以前、本サイトでも報じたように(参照記事)、中国では「裸ローン」という新語が誕生している。

 これは今、中国の若い女性たちの間で広まっている新しい形態の借金で、金貸し業者が女性に金を貸す際に、担保として女性のヌード写真を撮り、返済しなかったり、滞らせたりすると、その写真をインターネットに流出させるというもの。完全に脅迫行為だが、業者側は「社会的・精神的制裁を加えることが目的」と開き直り、堂々と営業を続けている。香港紙「太陽報」(8月27日付)などによると、ある業者は身分証のみの場合は金利が週30%だが、ヌード写真があれば週22%まで下げる。ただし、金を返せなかった場合には、ヌード写真を親元や職場などに送りつけて脅迫するのだという。業者によっては、このような写真をネットで販売するケースも少なくないとか。

 実際に中国チャットアプリ「QQ」上などでは、裸ローンによって流出した若い女性たちの写真を売買するグループも暗躍しているという。こうした写真は売買されて拡散、“人肉検索”が行われ、ヌード写真に、学校名や勤務先、自宅の住所・電話番号などの個人情報が書き加えられ、さらに拡散・売買されているのだ。筆者が確認したものでは、ある女子大生のヌード写真数枚に携帯電話の番号と学校名が記されたものが、約300円で販売されていた。
(略)
 裸ローンは、主に女子大生の利用者が多いといわれているが、果たしてその見た目や体形に条件はあるのだろうか? いずれにしても、写真はネット上から完全に消し去ることができない。その代償は、あまりにも大きいといえるだろう。

さすがに今どきこれは無防備に過ぎると言う気もしますが、しかしそうでもして金を借りたいと言う人も大勢いると言うことなのでしょうか。
アメリカと言えばご存知銃社会ですが、その現状がよく判ると話題なのがこちらのニュースです。

「携帯電話と間違えた」72歳男性 歯の治療中に銃を誤射(2016年09月04日テックインサイト)

銃社会、アメリカ。現在この国では、10歳以下の子供にまで護身用に銃を持たせる親がいるほどだ。銃を持っていることが安全に繋がると確信する人も多いが、その銃によって多くの人が犠牲になるという悪循環を生んでいる。肌身離さず銃を携帯する者も少なくはないのであろう。このほど、72歳の男性が歯科医院で治療中に銃を誤射するというとんでもない事故が起こった。

米オハイオ州のニューカーライルに暮らすジェームズ・ホワイトさん(72)は、地元の歯科医院で麻酔を打っての治療中に携帯電話が鳴っているような音を聞いたと思い鞄を探った。ところが、誤って手に取ったのはなんと銃。ホワイトさんはその銃を誤射してしまった。
銃弾は、ホワイトさんの手を貫通し腹部をかすめた。幸いにも他の怪我人は出なかったが、歯科医院のスタッフはすぐに「歯の治療中に、男性が誤って銃を撃ち怪我をした」と通報した。それを聞いた911のオペレーターも「あら!」と驚きの声をあげたことが通報記録に残されている。
ホワイトさんは銃所持の証明書を所持していた。また歯科医院は「銃器の持ち込み禁止」という規制を設けていなかったために、ホワイトさんは銃を携帯していたのだろうとみられている。だがクラーク郡保安官事務所のクリスチャン・エヴァンズ・フィッシャー氏は、「病院など治療を受けるような場所へ行く場合は、銃を携帯しないことが望ましい。自分の安全と周りの安全も考慮すべきです」とコロンバスのメディア『WCMH-TV』にコメントした。

今回の事故に歯科医院スタッフはあくまでもアクシデントだったと知ったが、やはりこうした医療施設内での誤射に不安を隠し切れない様子だ。その後この歯科医院では、銃器の持ち込みは禁止するというサインが設けられているという。
なお負傷したホワイトさんは命に別状はなく、回復に向かっているそうだ。

ちょっと何を言っているのか判らない系のニュースなのですが、しかし安全装置もかけずに銃を携帯していたのでしょうかね。
ある意味今現在世界一突っ走っていると話題のあの大統領が、とうとう一線を越えた宣言をしたと話題になっています。

ドゥテルテ比大統領、全土に「無法状態」宣言(2016年09月04日読売新聞)

 【台北=向井ゆう子】フィリピン南部ミンダナオ島ダバオの夜市で2日夜、爆発があり、14人が死亡し約70人が負傷した。

 地元テレビは3日、比南部を拠点とするイスラム過激派「アブ・サヤフ」が犯行を認める声明を出したと伝えた。

 アブ・サヤフは「数日内に同様の攻撃を行う」と警告し、ドゥテルテ大統領は全土に「無法状態」を宣言した。これにより既存の法律の枠を超え、強権的な手法でテロ対策にあたる権限を治安当局に認めるものとみられる。

 ドゥテルテ氏はダバオ市長を20年以上務め、犯罪の取り締まりと治安回復で実績をあげた。その結果、支持を広げ大統領に当選した。

 爆発の発生時、ドゥテルテ氏はダバオにいたが無事だった。大統領の地元で爆発事件を引き起こしたことは、政権が進める強硬なテロ、犯罪対策へのアブ・サヤフからの報復といえる。

もともとフィリピンと言えばかなり無法地帯的イメージがありますが、とうとうリアル北○の○世界に突入したと大いに注目されているようですね。
最後に取り上げたのは最近何かと話題になることの多いあの新聞社の新たなニュースです。

仏紙シャルリーが地震風刺画、被災者を「ラザニア」扱い 伊激怒(2016年09月03日AFP)

【9月3日 AFP】仏風刺週刊紙シャルリー・エブド(Charlie Hebdo)が、先月下旬にイタリアで発生し300人近くが死亡した地震の被災者をラザニアなどのパスタ料理に見立てた風刺画を掲載し、イタリアで怒りの声を巻き起こしている。

「イタリア風地震」との題で同紙最新号に掲載されたこの風刺画では、血だらけで包帯を巻いた男性を「トマトソースのペンネ」、やけどを負った女性を「ペンネ・グラタン」、がれきの間に挟まれた被災者たちの様子を「ラザニア」と形容している。

 8月24日に起きた地震では、パスタ料理「アマトリチャーナ」の発祥地であるアマトリーチェ(Amatrice)が甚大な被害を受けた。

 ソーシャルメディア上ではこの風刺画に対する怒りの投稿が相次いでおり、アンドレア・オルランド(Andrea Orlando)伊法相も「非常に不快だ」と批判。ピエトロ・グラッソ(Pietro Grasso)伊上院議長は、「風刺や皮肉を表現する自由」は尊重するものの、「私にはこの風刺画が最低だと言う自由がある」と述べた。

 イスラム教の預言者ムハンマド(Prophet Mohammed)の風刺画で世界のイスラム教徒らの怒りを買っていたシャルリー・エブド紙は昨年1月、パリ(Paris)の本社がイスラム過激派に襲撃される被害に遭い、従業員8人を含む12人が殺害された。

 在イタリア仏大使館は声明を出し、同紙の地震風刺画について「フランスの立場を代表するものではない」と表明している。(c)AFP/Douglas DALBY

しかし同社に限らずフランス系メディアのこの種の話題はたびたび報じられますが、どうもフランス人的な笑いのツボと言うのはいささか理解に困難を覚えますね。
この辺りがフランス流エスプリと言うべきなのかも知れませんが、その意味では文化的独自性、独立性を重んじるお国柄が現れているニュースと言えるでしょうか。

今日のぐり:「ボナン」

広島市街地中心部、繁華街の一角にあるこちらのお店、おしゃれな見た目にふさわしくワインとビストロの看板が掲げられています。
その名の通りアルコール類も充実しているようなのですが、看板などを見る限りでは肉料理が一方のメインであるようですね。

この日はお任せのコースメニューで頼んで見たのですが、まずは前菜に穴子や鯛など和の食材が出てくるのが意外でしたが、彩りもいいし味も悪くなく期待が高まります。
焼き物に香草で焼いたスズキに冷たいトマトソースを合わせたものが来ましたが、あっさりしたソースに皮目が香ばしいスズキの取り合わせは夏らしくていいメニューですね。
メインは広島と北海道産の牛の食べ比べだそうですが、この店もそうですが広島県では赤身肉を出す店が多い印象があり、これもシンプルに焼いただけですが焼き具合も含めなかなか好みですね。
スパゲッティは珍しくカジキを漬かっていて、味自体はまあこんなものですがもうちょっとカジキの存在感が欲しかったかなと思いますが、いずれにしても何故広島でカジキ料理なのか理由でもあるのでしょうか。
デザートのチーズケーキが妙にうまくて、正直これが今日一番よかったと言う気もするのですが、全体的にこれが外れと言うものがなかったし割安感もあっていいですよね。

おしゃれな雰囲気でトイレなども設備は並みの水準ですがスペースや清潔感はいい感じで、ただ手洗い場が妙に小さくて盛大に水をまき散らしそうになったのはちょっと困りました。
ちなみにこちらは熟成肉が売りだそうで、こんなちょぴりではなくこの肉だけがっつりいきたいと言う人も多いのではないかと感じましたが、こうしてコースにした方が割安感が出るし女性受けもいいのでしょうね。
そんなこんなで女性にも男性にもそれぞれ受けそうな要素あり、アルコール類も当然ながら充実していて飲む方にも対応と、こういうのは大勢でいくにも良さそうなお店ですよね。

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2016年9月10日 (土)

ワンセグ携帯を持っている人は受信料を支払えbyNHK

先日出たこちらの判決が話題になっていますが、まずは記事から紹介してみましょう。

NHK受信料契約義務なし ワンセグ携帯所有でさいたま地裁(2016年8月26日高知新聞)

 埼玉県朝霞市議の男性(40)が、ワンセグ付きの携帯電話を所有する人はNHK受信料の契約を結ぶ義務があるかどうかを争った訴訟で、さいたま地裁(大野和明裁判長)は26日、契約義務がないとの判断を示し、市議側の訴えを認めた。受信料の支払い義務がないことを認めた。

 大野裁判長は判決理由で、携帯電話の所持は放送法上、受信契約を締結する義務があると定める受信設備の設置には当たらない、とした。

 NHK広報局は「判決は受信設備の設置についての解釈を誤ったものと理解しており、ただちに控訴します」とのコメントを出した。

NHK会長、ワンセグ受信料は「徴収を主張していく」(2016年9月8日デイリースポーツ)

 NHKの定例会長会見が8日、同局内で行われた。8月26日にさいたま地裁でワンセグ付きの携帯電話を所有する人はNHK受信料の契約を結ぶ義務があるかどうかが争われた訴訟で、支払い義務がないことを認めた判決が下されたことを受け、籾井勝人会長が発言した。

 籾井会長は「本件につきましては、我々は控訴した通り、ワンセグについても受像機だということで受信料の徴収を主張していきたいというのがそもそもの考え方でありますし、現在控訴中であります」と見解を述べた。

 「すべての契約形態もテレビと同じでやっております。ワンセグだからといって区別した形態でやっておりません。何の区別もしていないわけですから」と、ワンセグのみを所有している人からもテレビ受像機を所有している人と同じ扱いをしたい、という考えを明らかにした。

 法解釈を除いても、画質が劣ること、室内で受信が難しいことから同じ料金にすることに無理があるという議論があると指摘されたが、「東京高裁でどういう判決が出るのか、今の段階で予断をしたくないと思います」と述べるにとどめた。

 さいたま地裁は判決理由として、携帯電話の所持は放送法上、受信契約を締結する義務があると定める受信設備の設置には当たらない、としていた。

このNHK受信料問題に関しては以前から各方面で議論のあるところで、個人的には公共放送と言うことであれば税金なりで運営するのが筋であろうし、そうでないなら契約するしないの自由を選択させるスクランブラー方式の方がよほど面倒が少ないだろうと思うのですが、あの無駄な労力の極みのようにも見える受信料集めの作業にもそれなりの意味があると言うことなのですかね。
携帯電話でテレビが見られると言うことはひと頃ワンセグ放送開始直後には盛んに喧伝されたものですが、最近あまり言われなくなったのはスマホ時代になって最大手メーカーの製品が視聴に対応していない等の理由もあるのかとも思っていたのですが、この種の問題が関わっているのだとすれば携帯各社にとっても決して小さな問題ではないでしょう。
購入者からすればテレビはテレビを目的として買うわけですが、携帯をテレビを見る目的で買う人間はまあそう多くはないでしょうから、余計な出費がかかるならと視聴機能付き端末の買い控えも起こりかねずで、これで各社がNHK受信機能を構造的に持てない端末でも売り出せば案外話題になるんじゃないかと言う気もします。

この一連の騒動について面白いと思ったのが、判決を受けて高市総務相が「NHKは『受信設備を設置する』ということの意味を『使用できる状況に置くこと』と規定しており、総務省もそれを認可している」と受信義務の存在を肯定したのに対して、総務省からはNHKに対してワンセグ受信可能な携帯のみの世帯に対しては受信料を免除するよう要請が出たということです。
省庁のトップが言うことを省庁側がいわば否定したような形ですけれども、NHK側は総務省のワンセグ受信契約の実態調査の要請を難しいと蹴ったとも報じられていますから何かしら軋轢があっての結果なのかも知れませんが、総務相自らがいわば司法介入のようなコメントを出したことで批判も相当集まっているそうで、世間の注目はNHKよりもむしろ総務省の側に集まっている様子もあります。
携帯を買えば勝手についてくる機能で余計な課金がされると言うことに対しては反発も強く、それなら見ない機能を保障せよと言う声が出ているのも当然なのですが、あまり総務省にばかり批判が集まるようでは国にとっても痛いところでしょうから、いずれどこかでNHKを悪者にする方向での動きが出てくるのかも知れませんね。

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2016年9月 9日 (金)

ジェンダーフリーな世の中はパラダイスに近くなるのか?

少し前のことですが、こうした事件がちょっとした話題になっていたのをご存知でしょうか。

JR池袋駅の助役、女性専用車両に協力しない男を晒し者に!疑問の声が続出(2016年6月28日探偵ウォッチ)

JR東日本の池袋駅でのトラブルを撮影した動画がYouTubeにて公開され、話題になっている。「いつもの来てるんで?」というタイトルで、2016年6月23日に公開された。動画を公開したのは「ドクター差別」と名乗る男性であり、女性専用車両に反対する活動を展開している人物である。

動画の冒頭には、「女性専用車ですよ」と声をかけたという女性ならびに駅員とのやりとりが収録されている。駅員が「ご協力をお願いします」と言うと、「協力」とは具体的にどのようなことを指すのかと、男性は繰り返し尋ねた。この駅員は助役であり(動画では「H助役」と書かれている)、4月28日にも男性と口論になった模様だ。
(略)
その後、駅員が「いつもの来てるんで」と言って、連絡をとる場面があった。男性は、「いつもの」呼ばわりされたことに激怒。やがて、女性専用車両に乗るという意思を、男性は改めて表明した。すると、「こちらのお客様、お声がけさせていただきましたが、ご協力いただけないということですので」と、駅員は周囲に向けて大声で叫んだ
叫び続ける駅員に対し、男性も大声を出して批判を展開した。この動画の内容がネット上で話題になると、駅員を称賛する意見がある一方、その対応を疑問視する声も相次いだ。女性専用車両に男性が乗ることや一連の抗議活動に関しては、以前から賛否が分かれている。しかし、その是非とは別に、駅員が男性を晒し者にする行為はいかがなものかと物議を醸した。

動画の説明文によると、「この後、新宿駅南口のJR東本社に出向き、H助役の不適切な対応を止めさせるように要望いたしました。本社社員(の態度)は、いたって紳士的で、H助役の不適切な対応を謝罪しました」という。6月28日、当サイトではJR東日本の広報部に連絡を取った。応対した担当者によると、本件は把握していなかったという。そこで、騒動の概要と経緯ならびに現状を伝えた。これから事実関係の確認がなされる模様だ。

女性専用車両と言えば一部の男性諸氏にとって一度は紛れ込んでみたい禁断の花園的ポジションにあるとかないとか側聞する一方で、その実態は香水の匂いがきつすぎるだとか女ばかりだからとマナー違反な行為も多いだとか必ずしも素晴らしい環境と言うわけでもないとも言うのですが、興味深いのは一定確率で性別不明な方々も乗車していらっしゃると言う証言です。
こういう時代ですからうっかり「あなた本当は女じゃないんでしょ」などと声かけしようものなら、進歩的な方々から旧来のジェンダーにどっぷり漬かった差別主義者云々と集中砲火も浴びかねないのではと危惧するのですが、心の世界ではともかく身体的には明らかに男性であろうと思われる方々が仮に乗車されていたとしても、今のところ法的に明確に規制されていると言うものではないのだそうです。
女性専用車両などはむしろ男性乗客を守るためにあるものと言う側面もあると思いますから必ずしも男性側が否定すべきものだとも思っていないのですが、今の時代男だ女だと区分けするのはケシカランと言う声も多く、昨年はアメリカで学校の男女別トイレが廃止されそうだと大いに議論を呼んでいましたが、ジェンダーフリー推進の観点から素晴らしいことだと先日話題になっていたのがこちらの記事です。

女性も徴兵のノルウェー軍、部屋も「男女混合」(2016年09月06日AFP)

【9月6日 AFP】ジェンダーの平等の名の下に共に汗をかき、共に眠る――ノルウェーは女性に徴兵を義務付けただけでなく、戦友の男性たちと共用の男女混合部屋を提供してきた。
 同国軍の男女のバランスはまだ完全に均等ではないが、1997年生まれで、この夏に徴集された兵士の約3分の1が女性だった。
(略)
 いま北大西洋条約機構(NATO)事務総長を務めるイエンス・ストルテンベルグ(Jens Stoltenberg)氏が首相だった2013年、両性に徴兵を適用する法案がほぼ全会一致で議会を通過した。
 ノルウェーは現在までの5代の国防相のうち4人が女性で、NATO加盟国かつ欧州の国として初めて男女両方の徴兵を開始した。男女両方を徴兵しているのは世界でもイスラエルなど少数の国だけだ。
(略)
「兵役に就くことで自立することができます。少女も少年も同じ機会を得ることは良いことです」と新兵のマリアンヌ・ウェスタム(Marianne Westum)さん(18)は語る。「チームの一員として働くことを学び、ほかの分野の人々と友達になってもっと自立できるようになりたいです。要するにもっと成長したいです」
 マリアンヌさんは兵舎の部屋をもう1人の女性、そして4人の男性とシェアしている。迷彩服や軍が支給した水筒が金属製のロッカーにきちんと入れられており、女性の存在をうかがわせるものはブラジャーとハンドバッグだけだ。

■問題は起きないのか?

 若い男女を一つの部屋に入れても問題は起きないのだろうか?
 ノルウェー国防研究機構(Norwegian Defence Research Establishment)のニーナ・ヘルム(Nina Hellum)研究員は「お互いをさらけ出しあうことで忍耐力、寛容さが高まり相互理解も深まると考えています」と主張している。
「自分の寝床で排便をしないでしょう。たとえば自室や小隊内で誰かとセックスしたり親しく交わったりしたくはないでしょう。そんなことをしたら極めて居心地が悪くなりますからね」
 2014年の研究によると、男女共用部屋はジェンダーを希薄化させるためにセクハラ対策に有効とされる。生活エリアを共有することで、男女双方が自分たちの行動に気を付けるようになり、きょうだいであるかのような仲間意識を育むことができるという。
「最初のうちはみんなが少し恥ずかしがっていました。女の子たちの周りでどう振る舞えばいいかよく分からなかったので。でも最初の居心地の悪さが過ぎると、みんなリラックスしました。女の子たちもすぐ私たちと同じようになりました」と若い男性新兵のカスペル・シャバグ(Kasper Sjavag)さんは語る。
 シャバグさんのルームメートの女性新兵ギーネ・グリムスブ(Gine Grimsbu)さんは、男性と一緒にされることについて「任務遂行能力に関して言えば、間違いなく自分の限界を押し上げることができましたし、遅れを取らないように過酷な訓練を積むことにも慣れました」と語り、「社会的な側面から見ると、男性たちは私たちをきちんと扱ってくれますし、礼儀正しいです。女性と一緒に過ごすことに慣れない人も少しはいますが、それはそれでいいと思います」と付け加えた。
 ノルウェー軍が最近実施した調査によると、女性兵士の圧倒的多数が男女共用部屋に賛成しているものの、18%が不適切な言動やふるまいを受けたと回答した。

意外とトラブルはないものなのだなと言うのが率直な印象なのですが、むしろ女性比率が非常に高まり当たり前の存在になってきたノルウェー軍だからこその話なのかも知れずで、大多数の軍隊では未だ男社会的認識が優位で有り、またそれが故に少数派の女性兵士に絡んだトラブルも目立つと言うことなのかも知れません。
自衛隊なども部署を選んでと言うことのようですが女性兵や将校が増えてきているそうで、護衛艦などは基本的に機械を扱う技術職ですから性別は特に問題ないでしょうし、今後人材確保の観点から女性兵の登用も次第に注目されていくことになりそうですが、やはり男だから女だからと職種の面でも無闇に区別したがるのは旧来の悪しき価値観に囚われている証拠と言うことでしょうかね。
二年ほど前にとある受験生が男であることを理由に女子大に入学出来ないのは憲法違反だと訴えた事例が大いに議論になったのも記憶に新しいところですが、性別と言う垣根を完全撤去する方向を目指すのがいいのか、それとも男女の生物学的差異は確かにあるものと認めるべきなのかは議論のあるところで、差別反対と言いながら都合のいい局面でだけ男女別にしたがるのは問題だと言う声も確かにあります。
ただスポーツなどが男女別で行われるのは条件を近づけることでよりエキサイティングな試合展開を期待出来ると言う効果もあって、格闘技などが体重別で細かく階級が別れているのと同じようなもんだとも言えるかと思うのですが、そうした配慮もジェンダーフリー推進の立場からは撤廃されるべき旧時代の遺物と言う扱いになるのでしょうかね。

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2016年9月 8日 (木)

不妊治療保険がついに登場!?

裁判としての妥当性はともかく、人の命や健康に関わるケースが多いだけに医療訴訟と言えばそれはお気の毒だったとしか言いようのない事例も多いものですが、本日まずはこちらも当事者としてはかなりがっかりな結果だったろうことは想像に難くない裁判を紹介してみましょう。

「減数手術」で夫婦が提訴 医院側争う姿勢(2016年9月5日毎日新聞)

 三つ子以上を妊娠した際に子宮内で一部の胎児を減らす「減数手術」の失敗により、不妊治療で妊娠した五つ子を一人も出産できなかったとして、大阪府内の30代の夫婦が、大阪市内で産婦人科医院を運営する医療法人と主治医だった院長に約2300万円の損害賠償を求める訴えを大阪地裁に起こした。5日に第1回口頭弁論があり、医院側は争う姿勢を示した。
 訴状によると、妻は医院で不妊治療を受け、五つ子を妊娠した。昨年6月、院長の勧めで双子まで減らす手術を行ったが、失敗して四つ子の状態になった。3日後の再手術で2人まで胎児は減ったが、妻は2カ月半後にいずれも流産した。
 妻が流産の前に体調を崩して別のクリニックを受診した際、超音波検査などから妊娠時に2組の一卵性の双子が含まれていた可能性が高いことが分かったという。
 減数手術は多胎妊娠のリスクから母子を守ることが目的で、カリウムの注入などで一部の胎児を減らす。
 一卵性の双子の片方を減らすともう一方も亡くす危険があるとされ、夫婦は「主治医の院長が術前の超音波検査で見落として減らす対象を誤った」と主張。その対象を区別できないまま再手術を行うなどした注意義務違反があるとしている。
 妻は毎日新聞の取材に、「院長から『五つ子は産めない』と言われ、尊い命を減らすことに同意した自責の念は消えない」と語った。今も流産した子供の遺骨を納骨できず、自宅で毎日手を合わせているという。

ルール整備遅れ

 減数手術は母体保護法で定められた一般の中絶と異なり、法律やガイドラインの整備が進んでいない。夫婦の代理人は「排卵誘発剤を使った不妊治療では多胎妊娠が多いとみられ、減数手術の必要性は高い。訴訟で手術のあり方を問いたい」と訴える。
 厚生労働省の生殖補助医療部会は2003年の報告書で、母子の生命健康保護の観点から、多胎妊娠を回避する十分な予防措置を取った上で三つ子以上になった状況を「やむを得ない場合」として容認する見解を示した。
 一方で「性別診断などで減らす胎児の選別を行ってはならない」などの条件を付け、早急なルール作りの必要性も指摘されたが、議論は進んでいない。厚労省母子保健課は「医学界などの検討状況を見極め、必要に応じて検討していく」と説明している。

子供の減少が社会問題化している時代に五人も一度に持てるなら大変良いことのように聞こえるのですが、例えば早産率は胎児一人の場合の10%に対して双子では60%、三つ子では90%と急上昇するそうですし、脳性麻痺の発症率もそれぞれ5倍、16倍と高まるそうですから、産科学会からもなるべく多胎妊娠を避けるべく対策を取るようにと推奨されています。
ただ記事にもあるように減数手術と言うものもそれなりに議論のあるものですから、「訴訟で手術のあり方を問いたい」と言われればまことにごもっともと言うしかないのですが、一方で減数手術のリスクを取らないと言うことは同時に多胎妊娠のリスクも取れないと言うことでもありますから、手術のあり方の行方によっては生殖医療と言う観点においては非常に大きな後退となる可能性もありそうですよね。
昨今話題になっている健康な未婚女性が将来に備えて卵子を凍結保存することに対して、倫理的に問題がないと考える「肯定派」医療機関が2012年の6割から4年間で2割にまで急降下したと言うニュースが報じられていましたが、社会的には非常に需要が高まっているこの種の行為に対して学会にしろ現場医療機関にしろどんどん及び腰になってきているようにも見えるのも、こうしたトラブルも関係しているのかも知れません。
かくも不妊治療と言えば何かと大変なものなのですが、先日国が不妊治療保険を解禁したものの各保険会社が及び腰であると言う当然とも言えるニュースをご紹介したばかりのところ、先日日本初の不妊治療保険が登場したと言うニュースが出ていました。

不妊治療保険、来月2日発売 国内で初(2016年9月6日毎日新聞)

 日本生命保険は5日、不妊治療費の一部を保障する女性向け医療保険「シュシュ」を10月2日に発売すると発表した。不妊治療が必要な女性でも加入可能で、加入2年後から不妊治療費を保障し、1回当たり5万〜10万円の給付金を最大で12回まで支払う。不妊治療費を保障する民間保険は4月に解禁され、国内での発売は初めて。

 日本生命の新商品は、がん、急性心筋梗塞(こうそく)、脳卒中の3大疾病にかかるか死亡した際に一時金300万円を給付。出産時や不妊治療を受けた場合にも所定の給付金が出る。加入対象は16〜40歳の女性で保険期間は10〜20年。毎月の保険料は1万円前後で、契約満了時に加入者は最大200万円の一時金を得る。

 不妊治療費の保障対象は、体外受精と、卵子に精子を直接注入する「顕微授精」。いずれも健康保険の対象外で、治療費は1回約30万〜40万円かかる。公的助成制度で治療1回当たり15万円(初回のみ30万円)が支給されるが、治療回数が増えると患者負担が重くなるため、民間保険の登場が期待されていた

 新商品は、採卵か授精1回につき、6回目までは5万円、12回目までは10万円を支払う。契約者は最大90万円の給付金を受けられる。出産と不妊治療の給付金を受け取った場合、満期一時金から差し引かれるため、契約者は3大疾病や死亡のリスクに備えながら、不妊治療を受ける場合の費用の一部を積み立てる形となる。【中井正裕】

さすがに不妊治療単独で取り扱うのは無謀と判断したのかどうかは判りませんが、保険会社の売り文句にも「3大疾病(がん(悪性新生物)・急性心筋梗塞・脳卒中)や死亡の保障に加え、出産時の給付や特定不妊治療の保障、満期まで継続された場合の一時金を組込んだ商品」とあるように、女性向けニーズを満たす総合的な保険商品としての扱いであるように見えます。
不妊治療の給付金を受け取れば満期時の一時金から差し引かれると言うことですから、単純に考えて不妊治療対策としてはあまりお得な気分にはなりそうにありませんが、どうせ生命保険をかけるならこうした付加価値のあるものを選んだ方がお得だと考える需要は一定程度あるのだろうし、今後この種の付加サービスが女性向けの特約として広まってくるのかも知れませんね。
国としてもこうした保険商品を解禁したと言うことは不妊治療に対する支援と言う意味合いがあるはずですが、一方で産まれてくる子供の障害リスクなども含めて考えると特に高齢出産希望者の不妊治療に高いコストをかけることは国にとっては持ち出しだと言う厳しい意見もあり、本音としては少子化対策の一環として手厚く支援しましょうとも言いたくないのではないかと言う考えも出来ます。
その点で学会が医学的な見地や各種リスクから不妊治療のいわばリミッターを決めることは国としては渡りに船なのかも知れずですが、将来技術面で進歩し医学的リスクが解消した場合生命倫理だけを根拠に制限を続けるのも難しいはずで、産めよ増やせよのかけ声をかけている国としてはどこかで全面支援に転じることを余儀なくされるのかも知れないですね。

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2016年9月 7日 (水)

日本の子宮頚癌ワクチン問題が世界的注目を集める

先日こういう記事が出ていたのですが、あまりこうした話も聞かないだけになかなか異例の事態と言うべきかなと感じられますよね。

子宮頸がんワクチン、勧奨再開を求める…世界の研究者341人が厚労省に(2016年8月30日読売新聞)

 子宮頸(けい)がんワクチンの接種後に体の痛みなどの症状が出て、国が定期接種の積極勧奨を中止している問題で、高久史麿・日本医学会会長や木下勝之・日本産婦人科医会会長ら医学会有志は29日、世界の研究者341人が署名した勧奨再開を求めるメッセージを、厚生労働省に提出した。

 同ワクチンについて「日本で問題になっている諸症状との因果関係は認められていない。接種勧奨が再開されないことは、日本のみならず、世界中に悲劇をもたらすことが懸念される」などとしている。

 今年6月にオーストリアで開かれた「欧州生殖器感染、腫瘍に関する専門家研究会議」に参加した研究者が署名した。

一連の子宮頚癌ワクチン問題に関しては過去にも当「ぐり研」で何度か取り上げて来たところですが、何故か日本では予防接種の類となると熱心な反対論者の方々がいらっしゃっていて、時折海外に行くと言った際に日本がいかに特殊な状況に置かれているか思い知らされるケースも散見されますよね。
それはともかく、基本的に子宮頚癌に限らず予防医療の目的が個人の生命健康の維持と言うことであればほっとけ個人の自由だろと言う話なんですが、この場合国がわざわざ推進しようとしているのは喫煙問題などと同様トータルでの医療費削減効果が期待出来るからと言う側面が色濃いことは認識しておかなければならないでしょう。
そんなことを言えば「命の問題と金の問題を同列に語るな!」とまたぞろ進歩的な方々のお怒りを買いそうなのですが、そもそも医療政策などと言うものはその大部分がまさしく命の沙汰も金次第と言う話なので、今さら予防接種だけを特別視しても仕方がないかなと思うのですが、一方ではやはり素朴に防げたはずの病気を防げなかった未来の悲劇を懸念する声も少なくないようです。

【子宮頸がんワクチン特集】ワクチンで防げる悲劇を見過ごしていいの?(2016年8月31日読売新聞)

     日本で毎年新たに子宮頸がんになる女性は約1万人で、約3000人が亡くなっています。そのほとんどは、性行為でうつるヒトパピローマウイルス(HPV)が原因とされ、このうち、特にがんに進展する危険性が高い型への感染を防ぐのが「HPVワクチン」です。国は2013年4月から、小6から高1の女子を対象とする定期接種としましたが、接種後に痛みなどの体調不良を訴える人が相次ぎ、同年6月、積極的に接種を勧めることを中止しました。それから3年以上、事実上、接種はストップしています。

     この間、ワクチンを打った後に体調不良を訴えている女性たちが国や製薬会社に損害賠償を求める訴訟を起こす一方、世界保健機関(WHO)や日本の関連学会は、日本の若い女性が、がんを予防できるチャンスを失わせているとして、積極勧奨の再開を求めています。国内の大学からは、接種勧奨の再開が遅れれば遅れるほど、ワクチンを受けられなかった年代の女子の感染率がほかの年代に比べて極めて高くなるという研究も報告されています。もう判断を先送りにはできません。

     読者の方も、結局、子宮頸がんワクチンは受けた方がいいのか、受けない方がいいのか、混乱していることでしょう。ヨミドクターでは、この問題について科学的に適切な判断ができるように、妊産婦や子宮頸がんを診る産婦人科医、予防接種の専門家である小児科医、そして痛み治療を専門とする医師に、現状の分析とご意見をお書きいただきました。接種後の体調不良はもちろん十分に対処する必要がありますが、それだけを配慮するあまり、私たちは、ワクチンで防げる死を放置していいのでしょうか? これから、日本はHPVワクチンにどう向き合うべきなのか、考える材料にしてください。

考える材料は各人で参照いただくとして、大勢を対象にした話としては接種を受けた方が健康面でも経済面でも利益は大きいと言う結論になろうかと思いますが、もちろん個人個人においては余計なトラブルが発生して不利益の方が大きくなると言うケースもあるわけですから、大原則として利益不利益を勘案し自分で決めていただくしかないと言うことでしょうね。
癌に限らず自分の選択によって自分の人生が左右されると言うのはごく当たり前で、自由主義社会を標榜するからにはむしろ真っ当な世の中のあり方ではないかと思うのですが、ただこの場合問題なのは接種対象者の多くが未成年であり、受ける受けないの判断が直接的な利害関係のある当の本人ではなく親によってなされていると言うことです。
親の判断で接種を受けなかった子供が成長して癌になった場合、親が責任を取ってくれるわけではありませんから本人としては誰を恨めばいいのかですが、この辺りの問題は直接的な因果関係の大小によっては社会的介入を必要とする場合もあって、有名な話としては親の宗教的思想信条から子の輸血拒否をしたことが児童虐待だとされ、親権停止により子の救命を得たケースなどが知られていますよね。
子供には正しく判断する能力がないと認められているからこそ親による代理判断が認められているわけですが、その親が正しい判断をしているのかどうかを誰が判断すべきなのかと言うことを考えると、この種の問題に関しては親のバイアスを介さないで当事者である子供への客観的な情報提供を行っていく道筋も用意すべきなのかなと言う来はします。

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2016年9月 6日 (火)

本来残業時間には上限があるのですが

朝一番早いのはパン屋のおじさんと昔から決まっているそうですが、朝早いだけではなく夜も遅かったと言う事実が発覚したそうです。

残業180時間「事故死原因」遺族がパン店提訴へ(2016年9月4日神戸新聞)

 兵庫県明石市の男性=当時(28)=が勤務後に車で帰宅中、居眠りで交通事故死したのは、長時間労働を放置し安全配慮義務を怠ったためだとして、家族が近く、勤務先のパン製造販売店の経営会社「NAGASAWA」(姫路市)などに対し、約1億1700万円の損害賠償を求めて神戸地裁姫路支部に提訴する。
 NAGASAWAは兵庫県内を中心にパン製造販売店「ヤキタテイ」を展開している。

 訴状によると、男性は2015年2月2日深夜、勤務を終えて単身赴任先の宝塚市から車で帰宅中、稲美町内で居眠りをしてガードレールに衝突する事故を起こし、死亡した。
 男性は、宝塚市内の店舗でパンの製造や材料の発注、売上管理など幅広く担当し、タイムカード上の就業時間は1日当たり11~16時間。亡くなる前の1年間の時間外労働は毎月130時間を超え、最も多い月で180時間に達し、疲労の蓄積が顕著だったとする。
 店長に次ぐ役割を担い、売り上げのノルマにも苦悩。「忙しすぎる」「疲れた」と周囲に漏らし、約70キロあった体重は事故直前には53キロだったという。

 家族側は「一家の大黒柱を失い、残された幼い娘にとっても精神的な動揺は極めて甚大」とし、「会社は勤務状況を把握し、社員を守る義務がある」と訴える。妻(26)は「娘に会うため赴任先から帰宅中だった。命と引き換えにしていい仕事なんてない」と話す。
 会社側は「タイムカード上の時間全てが労働時間とは言えず、長時間労働を強制したこともない。事故との因果関係はない」としている。(宮本万里子)

さすがにこのご時世で「タイムカード上の時間全てが労働時間とは言えず、長時間労働を強制したこともない」は通用しない言い訳と言うのでしょうか、客商売としては世間的な印象が一気に悪化しそうなコメントですけれども、パン屋と言うどちらかと言えばのんびりしたイメージのある商売においてもこうした過酷な労働が行われている実態に驚いた人も少なくないのではないでしょうか。
先日は安倍総理自らが働き方改革実現推進室開所式で「『モーレツ社員』の考え方が否定される日本にしていきたい」「長時間労働を自慢する社会を変えていく」と訓示したと報じられていて、ごもっともなのですが世間の多くの労働者が自ら望んでモーレツ社員をやっていると思っているのか、感覚がずれているのではないかと言う批判も少なからずあったようです。
その働き方改革なる政策に関して、先日加藤担当相が残業時間の上限制を導入したいと発言したことが話題になっていましたが、冒頭の記事のように現状でも別に無制限に残業が認められているわけでもないにも関わらず無視する事案が頻発している状況を考えると、雇用者側にどのようにルールを遵守させるかが問題なのは誰にでも判りますよね。

加藤働き方改革相 残業時間の上限規制導入検討(2016年8月28日毎日新聞)

 加藤勝信働き方改革担当相は28日のNHK番組で、9月にも発足する「働き方改革実現会議」(座長・安倍晋三首相)で、長時間労働を是正するため残業時間の上限規制導入を検討する考えを示した。

 現行の労働基準法は労使協定を結べば、法定時間を超える残業を認めている。これについて加藤氏は、「(労働時間の)上限は実質的にないような状況だ」と指摘。そのうえで「時間外の労働規制のあり方について検討していきたい。各業種で違いがあるが来年3月までには方向性を出したい」と語った。

 また、正社員と非正規労働者の賃金差を縮める「同一労働同一賃金」の実現について、「欧州では仕事の中身だけでなく、キャリアなどを加味して賃金差が合理的か判断している。どのような賃金差が合理的ではないのかコンセンサスを図っていくことが大事だ」と指摘した。【田中裕之】

小泉政権時代に非資格労働者にも非正規雇用を拡大した弊害が出ている云々の指摘は今さらな話で、現状では一回りして非正規雇用拡大による購買力低下が社会問題化している時代ですからいずれ制度的見直しは必須になりそうなのですが、渡り職人などの歴史を見ても日本でも手に職のある人間は非正規雇用で高い給料を取っていたのですから、やはり資格職と非資格職では事情が違うのは事実なのでしょうね。
医療の世界などはまさにその資格職の世界であり、正規雇用のスタッフよりも非正規雇用のスタッフの方が時給が高いのがむしろ当たり前なのが逆差別だと問題視されかねない勢いですが、今回の残業時間上限制ではその正規雇用スタッフの労働環境改善には結びつきそうな話ではあるものの、その実効性がどうなのかと言うことにはやはり疑問符がつきます。
先日以来各地で労基署の認可もないまま医師に宿直をさせると言う、労基法違反の状態が長年続いていたことが報じられていましたが、明確な法律違反であることを知っていながら平然と行っており、発覚したところで「早急な解決は難しい(千葉県医療局)」「許可がないのは好ましい状況ではないが、医療サービスの質は低下させない(埼玉県病院局)」で済むと言うのでは何の為の法律かでしょう。
国がどの程度本気で労働改革に取り組むつもりなのかは今後の議論の進み方を見ていきながら判断していくことになりますが、雇用者側から見て低賃金労働者を死ぬまで使い倒すのが一番人件費が安上がりであると言うことを考えると、ルールに基づいて実効性のある規制を行わなければ問題の自然な解消は難しいように思えます。

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2016年9月 5日 (月)

地域医療構想、病床過剰地域でさらなる増床が可能に?

都道府県が主体となって地域医療のあり方を整備していく地域医療構想は兵制30年3月が策定期限ですが、国は今年半ばまでを実質的な期限として設定していて、すでに各地で構想が発表されている場合も多いかと思いますが、見ていますとなかなか興味深いことを言っているようですね。

病床過剰地域でも「病床の必要量」の整備可能に(2016年9月1日医療維新)

 厚生労働省の「医療計画の見直し等に関する検討会」の「地域医療構想に関するワーキンググループ」(座長:尾形裕也・東京大学政策ビジョン研究センター特任教授)の第2回会議が8月31日に開催され、第7次医療計画における基準病床数と、地域医療構想における「病床の必要量」の関係について議論した(資料は、厚労省のホームページ)。

 大阪府などの病床過剰地域で、2025年の「病床の必要量」が基準病床数を上回る場合、(1)2018年度から始まる第7次医療計画において、基準病床数を毎年確認、(2)医療法の特例措置を活用し、病床過剰地域でも増床を可能とする――という対応案を厚労省は提示、ほぼ了承された。既存病床数が、基準病床数を上回る場合、増床は原則認められず、「病床の必要量」を考慮した医療提供体制の整備が困難になるため、対応が求められていた(『2025年の「病床の必要量」、基準病床数超す場合は?』を参照)。
(略)
 第7次医療計画の策定においては、地域医療構想との関係を整理する必要がある。「病床の必要量」は2025年を見据えたものであるのに対し、第7次医療計画の基準病床数は、2015年もしくは2016年の人口データを基に算定するため、タイムラグがある。第1回会議では、地域医療構想の策定が進む中、医療計画の基準病床数と既存病床数、「病床の必要量」という3つの関係性の整理が求められていた。

 厚労省は、3つの病床数の多寡で、A~Fの6パターンに分類。(1)「病床の必要量」が最も多い(A、B)、(2)基準病床数が最も多い(C、D)、(3)既存病床数が最も多い(E、F)――だ。

 (1)のうち、Aは「病床の必要量>基準病床数>既存病床数」、Bは「病床の必要量>既存病床数>基準病床数」という関係にあり、いずれも「病床の必要量」を考慮した整備に際して、基準病床数を超えた医療需要が生じることになる。AやBは、今後、急速に高齢化が進む都市部に多く、その代表例が大阪府。東京都を含む首都圏、愛知県、福岡県のほか、政令指定都市を含む2次医療圏などでも該当地域があるという。大阪府では、8つある2次医療圏のいずれも、Bに該当。厚労省によると、大阪府では、「地域医療構想の4つの病床区分、将来の高齢者人口のピークアウト、他府県との流出入なども考え、総合的に検討することが必要」との考えを持っていることを紹介。

 (2)は現時点で地域医療構想の策定を終えている地域では該当例がない。(3)の該当例は、青森県と岡山県。

 厚労省は、大阪府のように、病床過剰地域で「病床の必要量」が将来においても既存病床数を大きく上回ると見込まれる場合、(1)高齢化の進展等に伴う医療需要の増加を毎年評価するなど、基準病床数を確認、(2)医療法30条の4第7項の基準病床数算定時の特例措置で対応(急激な人口増加が見込まれる場合などは、病床過剰地域であっても、増床が可能)――で対応する方針を提示。

 中川氏は、大阪府の2025年の人口が2010年との比較で5%減にとどまるのに対し、75歳以上人口が180%増えるデータを踏まえ、「大阪のような地域をどうするかが、今日の最大の論点。増床することもできず、このままで行けば2025年には悲惨なことになる」「基準病床数は、(既存病床数が)病床の必要量に収斂していくことを妨げない数字と解釈すべき」などと指摘、厚労省の対応案を支持した。ただし、地域医療に混乱を来さないためにも、基準病床数を毎年確認することが必要だとした。医療計画終了間際になり、「病床過剰地域」から「病床不足地域」に転換しても、すぐに医療現場が対応できない恐れがあるからだ。

 奈良県立医科大学医学教授の今村知明氏も、大阪府の隣県の立場から、「長い目で見れば、医療ニーズは減っていくかもしれないが、都市部では病床が不足するので、増やせる環境を作るべき。大阪府の患者の1割でも奈良県に来たら、奈良の医療は崩壊しかねない。都市部がしっかりしないと、周囲の県が大変になる」とコメントした。

 その一方で、健康保険組合連合会理事の本多伸行氏からは、「2025年を過ぎると、いずれは都市部でも人口は減少していくことを考えると、増床については慎重に対応していくべきではないか」との声も上がった。「近隣の都道府県との連携でカバーできるのかをまずは検討してもらうことが必要」(本多氏)。

 「既存病床数が最も多い」地域への対応、意見相違

 前述の(3)のパターンで、既存病床数が最も多い場合については、やや意見が分かれた。中川氏は、都道府県の地域医療構想調整会議での話し合い、各医療機関の自主的な取り組みを通じて、既存病床数が「病床の必要量」に自然と収斂していくと指摘。AやBの地域と同様に、基準病床数を毎年確認することには慎重な対応が必要だとした。過剰病床数が毎年明示されることにより、「都道府県が変な削減圧力をかけることは目に見えている」(中川氏)からだ。

 一方、本多氏は、「既存病床数が多いのであれば、地域医療構想調整会議での合意の形成が必要。もっとも、調整も難航が予想されるので、都道府県知事の権限も踏まえて取り組むことが、住民や医療機関にとって、結果的にいいことではないか」と述べ、一定の強制力を持って病床削減に取り組む必要性を示唆した。
(略)

記事の中では都道府県単位での病床数の過剰や不足を元に議論されていて、もちろん都道府県単位で策定される計画なのですから当然ではあるのですが、実際には都道府県内でも病床過剰地域もあれば不足地域もあるのは当然ですし、多くの場合周辺地域から患者が流入する大病院を多く抱えた都市部で不足感があるのは目に見えていますよね。
その都市部においても全病院が均等に不足していると言うのでもなく、東京や大阪のような大都市においても空床が目立ち、病院長理事長が自ら地域の消防救急を回って「どうか救急搬送は当病院に」と頭を下げて回らないとならない病院もあるのですから、本当のところはこうした需要のない病院の病床を削減していくのが先決であるとも言えるでしょう。
逆に言えば急ぎ増床したいのは今現在多くの患者から需要がある、流行っている病院と言うことになりますが、当然こうした病院をさらに増床すれば同一地域内の流行っていない病院はますます経営が苦しくなり、結果として地域内での医療機関の整理や統廃合が進むと言う副次的な効果も期待出来る可能性があります。

しかし流行っている病院は基本的に多忙な急性期の医療機関で忙しい施設でしょうから、増床した分は医師らスタッフ増員がなければ奴隷労働を強いられた挙げ句集団での逃散から破綻と言うおきまりのコースを辿る可能性もあるわけで、ただでさえ人員数に比べて病床数過剰と言われる日本の医療現場で病床だけ増やす議論を先行させるのもどうなのかですよね。
理想的なことを言えば先日紹介した地域量連携推進法人のような形で、医療機関相互に病床から人員までも融通し合って自主的に需給バランスの平衡を図ると言うやり方が出来ればいいのでしょうが、経営母体も違えばスタッフの待遇も違う医療機関同士で病床はともかく人材流動化を図るとなれば、現場で様々なトラブルも発生しそうなのは目に見えています。
今回の議論は地域医療構想を定める自治体側の論理に基づいたものであって、記事にもあるように今後自治体が強制力を発揮してこの辺りの医療リソースの地域内再配分を推し進めると言うことになれば自治体が憎まれ役となってかえってうまく話が進むのかも知れませんが、問題は国と違ってろくな医療専門家のいない自治体レベルで正しいリソース再配分の構図が描けるものなのかどうかだと思いますね。

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2016年9月 4日 (日)

今日のぐり:「カフェレストランそらら」

先日こんなびっくりな事件があったと話題になっています。

「やるかやられるか」空手有段者がクマを撃退 群馬(2016年9月2日NHK)

1日、群馬県長野原町で釣りをしていた男性がクマに襲われましたが、男性は空手の有段者で、反撃したところクマは逃げたということです。男性は頭などに軽いけがをしたということで、警察が周辺をパトロールして警戒を続けています。

警察などによりますと、1日午後2時前、長野原町応桑を流れる川で、近くに住む青木篤さん(63)が渓流釣りをしていたところ、クマが現れ、目があった直後に青木さんに襲いかかりました。
クマは立ったときの大きさが1メートル90センチほどあったということですが、青木さんは空手の有段者で、クマの目を狙って反撃したところ、山に逃げたということです。
青木さんは頭などをかまれたり、顔を引っかかれたりしましたが、けがの程度は軽いということです。
青木さんは「目の前で音がしたと思ったら、急にクマが仁王立ちしたので、考える時間もなく必死に戦いました。やるかやられるかしかないと思いました。命が助かってよかったです」と話していました。
(略)

ツキノワグマでこのサイズだとかなり大きな個体だったろうと思うのですが、野生動物の場合人間と同程度のサイズにしても十分難敵ですよね。
今日は無事生還した青木さんの奮闘努力に敬意を表して、誰がどう見てもこれはとんでもない事になったと感じるだろうびっくり仰天ニュースを紹介してみましょう。

ついに! 鳥取と島根に初の「自動改札」導入へ...歓喜する県民たち(2016年08月27日Jタウンネット)

2016年8月24日、ICカード乗車券「ICOCA (イコカ)」がJR山陰線などで利用できるようになるというニュースが、山陰の地元テレビ各局で報じられた。
同日夕方、次のような写真付きのツイートが投稿され、話題となっている。

やべえええええええ!!!!!!!鳥取でも自動改札導入や!!!!!!!!!!! pic.twitter.com/n5WYIWCh6r
- るみな (@HB_zephyrP) 2016年8月24日
(略)
冒頭の投稿者のコメントに付けられた感嘆符の数でも分かるように、このニュースは多くの人々にとって、最大級の驚きで受け止められた。
多くの地域ではすっかり「当たり前」の存在となった自動改札であるが、実は今もない「空白県」はいくつも存在する。鳥取と島根もそうだ。過去には鳥取県内での鉄道に関する展覧会で、「自動改札体験コーナー」が設けられ、それが呼び物になったこともある。
まさに両県民渇望の自動改札。ツイッターにはこんな声が寄せられている。

やっっとっっっやああああああああっと自動改札導入だ!!!! pic.twitter.com/QBDgFWu0BO
- るみな (@HB_zephyrP) 2016年8月24日

こちらは、他局のニュース画面のようだ。「やっっとっっっやああああああああっと自動改札導入だ!!!!」というコメントでお分かりのように、驚きのレベルはMAXである。
(略)
「大事件ですよ」と言う人もいれば、「簡易ICだけじゃないんだw」とまだ半信半疑の人もいた。
(略)
さて実際に「ICOCA」が利用できる時期はというと、2016年12月(予定)とのこと。まだ3カ月以上も先だ。
それでも、ツイッターには全国から声援が届いている。
(略)
徳島、愛媛、福井などなど、ICカード乗車券未対応の各地から、さまざまな恨み節が聞こえてきた。

自動改札がない都道府県がまだそんなに多数あることに驚くのですが、一県に一つだけ自動改札があると言うのも利便性的にどうなのでしょうね。
昨今飲食業界はどこも人手不足で大変だそうですが、こちらそれが限界を超えるとどうなるかと言う恐ろしいニュースです。

【緊急事態】ラーメン二郎の府中店がヤバイ状況との情報(2016年8月31日バズプラスニュース)

日本のみならず、海外にも多くの支持者がいるラーメン二郎。とあるファンは「ラーメンの美味しさもさることながら、食の楽しさを教えてくれたのが二郎だった」とも語っている。それほど、グルメ業界に影響を与えている存在が、ラーメン二郎なのである。

・衝撃的な出来事が多発
そのラーメン二郎には複数の店舗が存在するが、なかでも美味しいと定評のある府中店で、衝撃的な出来事が多発。来店客から、店主を不安視する声が多数出ているのである。
(略)
・みんなが心配する優しい店主
多くの来店客の情報を踏まえれば、店主が一人で長期間(長時間)働いており、さらに衰弱している状態でラーメンを作っているとのこと。府中店は「行くとホッとするラーメン二郎ランキングトップ3」にもランクインしている優良店だけに、しっかりと休んで、健康な状態になってから再オープンしたほうが良いかもしれない。
みんな、店主が元気になることを一番望んでいる。美味しい府中店のラーメンが食べられるのは、その次に嬉しい。まずは作る人が「健康で楽しくあること」が、なによりも大切なのだから。ネット情報では「店主が限界で臨時休業に入った」との情報もあるが、この点は追って取材したいと考えている。

どれほど恐ろしい状況になっているのかは元記事の書き込みを参照いただきたいと思いますが、しかし事実こんな状況であるとすれば一刻も早く休養すべきですよね。
地下鉄車内と言えば逃げ場のない閉鎖空間でもありますが、そんな環境でこんな状況に追い込まれればどうなるかと戦慄するニュースです。

NY地下鉄大パニック、自称「女優」が車内でコオロギばらまく(2016年8月29日ロイター)

[ニューヨーク 26日 ロイター] - 米ニューヨークの地下鉄で24日夜、混雑する車内で女がコオロギやミミズをばらまく事件があった。乗客が緊急停止レバーを引いたため、車内は30分近くもコオロギ地獄となり、乗客はパニックに陥った。

交流サイト(SNS)や現地報道によれば、女はコオロギやミミズを車内で売っていたが、若者数人にからまれ、容器を空中で開けて虫たちを放したという。再び動き出した地下鉄は、次の駅で警官が待ち構えていた。けが人などはいなかった。

その後、26日に身元が明らかになった自称「女優」の女は、この出来事は事前に仕組まれた「悪ふざけ」だったと明らかにした。若者らの行動も「演技」で、ホームレスへの対応について関心を高めてもらうことが目的だったと主張している。

いい迷惑だったのは、たまたま乗り合わせた乗客だ。ある客はツイッターで「車内はあっという間にパニック状態になった。誰もが車内の反対側に走って逃げた。閉ざされた空間での集団ヒステリーだった」と投稿した。

この場合緊急停止レバーを引いたのが良かったのか悪かったのかですが、ともかくも車内の阿鼻叫喚な状況は想像するに余りありますね。
中国と言えばもはや少々のことでは驚きませんが、こちら爆発芸に続く新たな芸風獲得か?と話題になっていた驚くべきニュースです。

【事故】スライスチーズかよ!中国のビル壁が突如「ペラっ」とめくれる事故が発生(2016年4月30日秒刊サンデー)

日本では「橋げた」が突如崩壊するという決して他人事ではないような事故が起きておりますが、お隣中国ではなんとも信じがたい事故が起きているとのことです。しかしなぜか我々は中国と聞きますと、何かが突如爆発したり、崩れたり・・・というイメージが強いわけですが、今回の問題はなんと壁がめくれたとのこと。

こちらは中国の遼寧省にあるとあるビル。写真にあるように、なんと壁がまるで「紙」でできているかのごとく、突如めくれてしまうという信じられない事故が発生!その瞬間をカメラが偶然とらえていた。偶然なのか、以前から怪しいということでこの時を待っていたのかは定かではないのですが、このようなビルの崩落があるとは驚きです。

原因は不明ですが、建築業者は地域住民の命を危険にさらすために非常に罰金を受ける可能性があるとのことです。罰金だけで済んでしまうのが恐ろしいわけですが、もしこれ下に人がいたらたとえ薄いとはいえ、ビルの壁ですので命はないでしょうね。

一体何が起きているのか理解に困難を覚える状況は是非元記事の動画を参照いただきたいのですが、しかしビルの壁とはこんな風にもなってしまえるものなのだと勉強させていただいた気分です。
最後に取り上げるのは誰しも終末期の予感を感じずにはいられない衝撃的な映像なのですが、まずはこちらの記事から紹介してみましょう。

大型ハドロン衝突型加速器の上に現れた「異次元への出入り口」が欧州を驚かせる(2016年07月03日スプートニク)

 欧州原子核研究機構(CERN)の物理学・高エネルギー研究所にある大型ハドロン衝突型加速器(LHC)が、学者や一般市民を再び驚かせ、心配させた。ザ・サン紙が伝えた。

? 実験中に、研究所上空の空の色が紫に変わり、雲から強い渦が立ちのぼった。 超常現象の愛好家たちは、スイス上空に異次元へつながる出入り口が開かれたと考えた。

 なお学者たちは、これは微粒子を集める試みが行われた実験によるものだと説明し、市民を落ち着かせた。 ?

その恐ろしい光景は元記事の写真を参照いただきたいのですが、どうも過去にも類似の「異次元へつながる出入り口」事件が発生していると言う噂もあるようです。
いずれにしても地球上でこんな現象が起きていれば誰しも驚きますが、そのびっくりな実験の行く末に不安を感じた方はこちらのサイトなどを参照いただければと考えます。

今日のぐり:「カフェレストランそらら」

一昔前の高速道路SAの食事と言えばとりあえずの腹ふさぎ的なもので、正直あまり味に期待するような場所ではなかったのですが、昨今はかなり変わってきているようですね。
広島県北部の「道の駅高野」は松江自動車道のSA的役割も果たしていて、そのレストラン部門になるこちらは地元食材を使ったオリジナル料理が売りだそうです。
ところでこの道の駅、インターから降りてくる接続道の途中にあって、施設と駐車場の間を道が通っている構造なんですが、横断歩道一つなくてよく事故が起きないなと思いますね。

比婆牛にも少し惹かれたんですが今更感もあって、今回は一番バラエティ豊富そうな高野御膳を頼んで見ましたが、こちら主に季節の地元野菜を使った和風中心の組み立てです。
野菜天から山菜まであらゆる地元食材が一口づつ盛りつけてあって、何故?と思ったトンカツも一応ブランド豚なのだそうですね。
しかし天ぷらや茶碗蒸しなど定番料理も意外とどれも調理がしっかりしているし、一味控えた味付けと言いちゃんとした和食の味に仕上がっていますよね。
調理自体はどれもシンプルで、単なる加熱した食材が料理と言うに足る最低限の味付けをしたと言う感じですが、特記する美味ではないものの妙に安心感のある味と言うのでしょうか。
品数こそ多いものの一口ずつですから軽く小腹がふくれたというボリュームですが、ドライブの合間にはちょうどいい具合で、意外とよかったなと好印象でした。
料理もちゃんとしたものだし建物もおしゃれなだけに100均で買ったような食器の安っぽさが気になったんですが、地元の間伐材でも使ってお椀でも出来れば一石二鳥でしょうけれどもね。

ちなみに箸も某牛丼チェーンにでも置いていそうなありきたりなプラスチックの箸なんですが、この箸は箸置きがセットになっていてちょっと欲しくなりましたね。
またお冷がやたらでかいグラスで出て来たんですが、この水がちょっとない独特な味で、正直これはあまり口に合いませんでした。
接遇面は確かにSAの飯屋っぽいと言うのでしょうか、街の飯屋と具体的に何が違うのか判りませんがちょっとおっとりのんびりした感じがあるのが面白いですね。

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2016年9月 3日 (土)

ヒット中の怪獣映画が意外なところで反響を呼ぶ

このところ新作怪獣映画が好評を博しているそうですが、それを巡って思わぬ騒動も勃発しています。

「なぜ、自衛隊に防衛出動が下されるのか」 石破茂・元防衛相が「シン・ゴジラ」シナリオに物申す(2016年8月20日J-CASTニュース)

   自民党の石破茂前地方創生担当相は2016年8月19日、現在上映中の人気映画「シン・ゴジラ」のシナリオについて、ブログで「注文」をつけた。

   石破氏は、ゴジラの襲来にあたって、劇中の日本政府が自衛隊に防衛出動を下すシーンを疑問視。ゴジラを「天変地異的な現象」と見なし、あくまで「災害派遣」で対処するのが妥当だと指摘した。石破氏は第1次小泉第1次改造内閣~第2次小泉内閣(02年9月~04年9月)で防衛庁長官、福田内閣(07年9月~08年8月)で防衛相を務めている。

   石破氏は「お勧め下さる方があって、『シン・ゴジラ』も映画館で観る機会があった」と報告。そのうえで、「何故ゴジラの襲来に対して自衛隊に防衛出動が下令されるのか、どうにも理解が出来ませんでした」と指摘した。

   「シン・ゴジラ」の大筋のシナリオはこうだ。ある日、東京湾アクアトンネルの崩落事故が発生する。事故をうけて設けられた首相官邸の緊急会議で、俳優・長谷川博己さん演じる内閣官房副長官・矢口蘭堂は海中にいる謎の生物が事故を起こした可能性を指摘する。その後、矢口の指摘通り、海中から出現したゴジラが関東地方に上陸し、破壊の限りを尽くす。ゴジラを迎え撃つべく、政府の緊急対策本部は自衛隊に防衛出動命令を下した。

   現行の自衛隊法によると、防衛出動にあたっては武力攻撃事態法9条に基づき国会の承認を得なければならない。国会承認を経て、内閣総理大臣に命令された場合、自衛隊は「わが国を防衛するため、必要な武力」を行使できる。自衛隊法の中で自衛隊に「武力の行使」が認められるパターンは、この防衛出動に限られる。

   防衛出動は、日本に対する外部からの武力攻撃があったり、武力攻撃が発生する明白な危険があることが前提だ。そういったこともあって、石破氏は

    「いくらゴジラが圧倒的な破壊力を有していても、あくまで天変地異的な現象なのであって、『国または国に準ずる組織による我が国に対する急迫不正の武力攻撃』ではないのですから、害獣駆除として災害派遣で対処するのが法的には妥当」

などと防衛出動の判断に疑問符をつけた。

   ただ、ブログの中では「災害派遣では武器の使用も武力の行使も出来ない」という反論があることも指摘。「(ゴジラ襲来への対応は)『警察力をもってしては対応困難な場合』に適用される『治安出動』ではどうなのか」と別の可能性も示している。


ゴジラへの防衛出動を否定=枝野民進幹事長(2016年8月30日時事ドットコム)

 「鳥獣駆除だ。防衛出動ではない」。民進党の枝野幸男幹事長は30日の記者会見で、映画「シン・ゴジラ」の中で首相が自衛隊に「防衛出動」を命じたことは適切でないとの認識を示した。枝野氏は同映画の制作に協力し、29日に鑑賞した。

 これに関し、石破茂元防衛相も19日付のブログで「なぜ自衛隊に防衛出動が下令されるのか理解できない。害獣駆除として災害派遣で対処するのが法的には妥当」と指摘している。
 枝野氏らの発言は、旧防衛庁の見解を踏まえたものだ。過去に行われた机上研究では、ゴジラは動物と見なされ、ネズミが大量発生した場合などと同様に災害派遣として自衛隊の出動が可能。有害鳥獣駆除の目的で、武器・弾薬も使用できる。

こうしたフィクションを元に国政の場で議論になったと言えばその昔秘密裏に建造された日本初の原子力潜水艦の反乱をテーマにした漫画などが有名ですが、与野党の大物議員がそろって言及するくらいですからよほどに映画の影響力があったと言うことなのでしょうか。
こうした著名人のコメントももちろんネタ的な部分も少なからずあるのでしょうが、石破氏は防衛出動では国会の承認が必要だが災害派遣なら迅速に対応出来ることなどを挙げた上で、「政府全体としてどう行動すべきかをシミュレートするいいきっかけとなれば」「できる限り「想定外」をなくすためには、極限事例について議論しなければなりません」と発言の意図を語っており、これはこれでもっともですよね。
害獣駆除でゴジラに対応出来るのかですが、かつて北海道沿岸ではトドによる漁業被害に対して自衛隊の戦闘機が出撃して機関銃で撃退していたと言う歴史もあり、法的には特に使用できる武器等の制約もないと言うことですので、確かに見た目のイメージを気にしないと言うのであればこちらで対応するのが妥当なのかなと言う気もします。

先日は現役自衛官の方々が「実際に巨大怪獣が上陸した場合にどう対処するか」を検討したと言う記事が出ていて興味深く拝見したのですが、興味深い指摘として「軍時行動やテロ目的で放った巨大生物なら、防衛出動の可能性も出て」くると言う意見があり、映画においてもテロ組織が犯行声明を出すなりのシーンを盛り込んでいればもっと説得力があったのかも知れません。
しかし面白いなと思ったのは陸海空いずれの自衛隊でも怪獣駆除にはかなり自信満々の様子だったと言うことですが、歴代映画の中では失礼ながらあまり有効な活躍ぶりが示されているようではなかったように見えても、やはり現場で実際に武器を使用している方々はそれに信頼を置いていると言うことなのでしょうかね。
石破氏と言えば10年ほど前の福田内閣時代に、当時の内閣が野党の質問に対する答えとして閣議決定したいわゆるUFO論議についても法政上の問題点を指摘していたそうで、確かに日本のように何事も話し合いから入ってなかなか議論が進まないことの多いお国柄では、普段からありとあらゆる状況を想定してシミュレーションを行っておかないといざと言う時困ることになるのでしょうね。

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2016年9月 2日 (金)

個人情報保護の流れが医療現場にさらに大きな影響を及ぼす可能性

以前からその懸念が言われていたところですが、先日こんな記事が出ていました。

症例報告にも「本人同意必須」の懸念(2016年8月24日臨床ニュース)

 日本医学会連合(会長:高久史麿氏)は8月17日、文部科学省、厚生労働省、経済産業省が合同で設置した「医学研究等における個人情報の取扱い等に関する合同会議」への要望書提出を発表した。昨年9月に改正された個人情報保護法に関連して見直しが進む医学研究等に関わる行政指針案に、懸念を示している。改正指針案の内容がこのまま確定した場合、従来は匿名化などで対応できていた症例報告などにも本人同意の手続きが必須となるなどの影響が懸念されると述べている。

 同学会が改正指針案で懸念しているのは(1)学術目的での個人情報利用・提供等が個人情報保護法の適用外と所管事務局の言明があったにもかかわらず、合同会議では同法を取り込んだ形、さらに法の規定がない上乗せの規制までもが検討されている(2)改正指針では改正法の規定に則り一部例外を除き、すべての医学研究で病歴を含む臨床情報の収集・利用・提供を行う場合には本人の同意を得るよう求めている(3)改正法で個人情報の定義に含まれる「照合容易性」が、改正指針では排除されている(4)改正法ならびに改正指針の規定が、既存の研究すべてに遡及して即時適用される見通しである(5)症例報告や専門医試験等のためのケースレポートへの診療録や病歴を含む臨床情報の利用は、本人の同意が得られなくても情報の匿名化などで利用が可能となっている。しかし、改正法がそのまま指針にも適用された場合、臨床情報は本人の同意を得なければ利用できなくなる―の5点。

 同学会は5つの項目が決定した場合には医学研究、特にレジストリ研究の停滞が危惧されると指摘する。学術目的での個人情報保護の在り方についてはそもそも法の適用除外にあたる事項で、来年4月を予定している改正法施行までの性急な取りまとめの必要はなく、医学研究の健全な発展・促進のためにも慎重な検討をすすめてほしいと述べている。

つい先日も患者に無断でネット上に症例画像を提示したとして医師が訓告処分を受けたことが報じられていましたが、ちなみにこうした匿名化された症例の写真などの公開に関しては個人を特定出来ない、学術目的に限るなどいくつかの条件を前提にして、米国などでは患者の所有権を放棄すると言う方向で話がまとまりつつあるようです。
ただ先日のケースでもまさに患者本人が自分の画像であると申告して発覚したそうですから、厳密に言えば症例として提示したくなるような希少なものであればあるほど個人の特定が完全に出来ないようにすることは難しいと言うことになりますし、それなら事前に本人から同意を得ていくべきだと言う考えになるのもまあ、理解は出来る話ですよね。
一般論としてはそうですが、個人と紐付けされていない全ての画像やデータについて、いちいち同意を得る必要があると言うのであれば仕事にならないと言う医学研究者の先生方も多いかと思うのですが、まさにそうした方向でいこうではないかと外部の方々が指針を定めようとしていることが問題視されているわけです。

あなたはASTがいくらなどと言われてもそれだけなら単に数字に過ぎないと言う考え方もある一方で、そうした検査数値が幾つも並んで時系列として提示された場合にはどのような患者のデータか見えてくるわけですから、単なる数字の羅列ですら個人情報の塊であると言う言い方は出来るかも知れませんし、実際に世間ではそうした何でもなさそうなものでさえ徹底的に保護する方向で話が進んでいるように見えますよね。
すでに一部では喀痰中の最近の写真ですら個人情報になってしまうなどと揶揄する人もいるようですが、少なくともそれが病理組織などであればかなり個人情報として認められる確率は高そうですし、特に医療や科学の世界にうとい人々ほどそうした考え方を当然のものとしそうに思いますが、それが現場に与える影響がどれほど大きなものになるのかです。
もちろん病院の玄関に「当院の診療行為によって得られた情報は匿名化した上で学術目的に利用させていただきます」云々の掲示で十分だと言う考え方もあり、実際すでにこうした対応を始めている施設もあるようですが、この調子で日本人お得意の事なかれ主義が押し広げられていくと、医療の世界も大変に面倒臭いものになってしまいそうです。
ともなくもまたぞろ医者が患者をモルモットのように扱おうとしているとどこぞの進歩的メディアが取り上げそうな話題なのですが、むしろそうしたセンセーショナルな話題になった方が議論が進んでいくものなのかも知れませんね。

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2016年9月 1日 (木)

医療訴訟に見る病院に求められる社会的責任の境界線

最近またこの種の記事が増えた気もするのですが、先日こんな訴えがあったそうです。

入院中食事詰まらせ死亡 遺族が病院機構提訴(2016年8月24日河北新報)

 国立病院機構盛岡病院(盛岡市)に入院していた女性=当時(69)=が死亡したのは、病院側が食事を喉に詰まらせないようにする注意義務を怠ったためとして、盛岡、滝沢両市の遺族が23日までに、病院を運営する独立行政法人国立病院機構(東京)に2200万円の損害賠償を求める訴えを盛岡地裁に起こした。

 訴えによると、女性は2014年1月22日、肺炎のため入院。同26日に病院が用意した昼食を喉に詰まらせて心肺停止状態に陥り、同2月2日、低酸素脳症で死亡したとされる。

 遺族は「アルツハイマー型認知症で早食いする癖があったにもかかわらず、病院は食事の介助や付き添いを怠った上、食材を細かく刻むなど誤嚥(ごえん)を防止する配慮をしなかった」と主張している。

 機構側は「係争中のためコメントは差し控えたい」としている。

お亡くなりになった患者さんにはご冥福をお祈りするしかありませんが、この種の誤嚥自体は高齢者には日常的に見られることで、病院側も対応に不十分なところがあれば検討し今後の診療に生かしていただきたいものだと思いますね。
事故が一定確率で起こるのと同様この種の医療訴訟は一定確率で発生しているもので、病院内で何か起これば全て病院側に責任があると言われればさすがにそれはどうよ?と反発を覚える人も少なからずだと思いますが、こうした場合少なくとも現在であれば医療事故調への届け出対象にはなるはずで、今後こうした事例において事故調と訴訟との関係性がどうなるのかと言うことが気になる方も多いかと思います。
一方でまだしも病院内の事であれば責任論も判らないではないのですが、病院外で発生した事例において病院の責任が問われたと言うことで話題になった事件で、先日その判決が確定したと報じられていました。

病院の責任否定、判決確定 入院患者が男性刺殺、香川(2016年8月26日共同通信)

 香川県で2005年、統合失調症の男(47)に高知市の会社役員の男性=当時(28)=が刺殺された事件を巡り、男が入院していた病院側を相手に遺族が損害賠償を求めた訴訟で、最高裁第3小法廷(木内道祥(きうち・みちよし)裁判長)は23日付で、遺族の上告を退ける決定をした。病院の責任を認めなかった二審判決が確定した。

 確定判決によると、男は05年12月、入院先から外出し、香川県香川町(現高松市)の駐車場で男性の胸を包丁で刺して殺害。殺人罪などで懲役25年の判決が確定した。

 遺族は、病院が適切な治療をせず、外出を許可した過失があると訴えたが、一審高松地裁判決は「患者の管理体制に不備はなかった」と退け、二審高松高裁も支持した。

 遺族は男に対しても賠償を求め、すでに約1億2千万円の支払い命令が確定している。

この事件に関しては以前から何度か当「ぐり研」でも取り上げて来たところですが、興味深いのは殺人事件の被害者側はともかく加害者側も病院を訴えていると言うことで、精神科医療を手がけている施設にとっては何とも困った時代になってきているのではないかと感じるのですが、これで一つは安心出来る材料が増えたと考えるべきなのでしょうか。
司法判断の観点から考えてみると、精神疾患の加療歴がある男が退院後に殺人事件を犯し懲役25年が確定したと言うことは、その時点で犯行は精神疾患の故ではなく責任能力があったのだと認めた形ですから、別件の裁判とは言えここで精神病は治っていなかった、まだ退院させるべきではなかったと言ってしまうと司法判断の整合性が取れなくなってしまうでしょうね。
ともかくこの種の裁判は精神科領域だけの問題ではなく、例えば急性期の病院で感染症治療後に他施設に転院した高齢者が一ヶ月半後に感染症で亡くなったのは急性期の病院が早期退院をさせたからだと言った訴訟も実際にあるわけで、医療費削減が推進される医療現場においてもJBM的対応はある程度念頭に置いておかなければならないと言うことになるのでしょうか。

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