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2016年8月25日 (木)

不妊治療向け保険、予想通り成立せず

規制緩和と言えばさすがに昨今ひと頃のような絶讚と言う風潮でもなく、規制も必要なものはあるのだと言う話もあちらこちらから聞こえてくるところですが、こちら規制緩和があまり意味がないのでは?と言われ実際その通りだったと言うニュースが出ていました。

<不妊治療保険>各社及び腰 保険金高く設計困難(2016年8月18日毎日新聞)

 金融庁が今年4月、不妊治療にかかる費用を補償する民間の医療保険を解禁したものの、生命保険各社が販売に二の足を踏み、保険が発売されない状況が続いている。当初から商品設計の難しさが指摘されてきたが、金融庁が見切り発車で解禁に踏み切っており、保険発売を期待していた人たちは肩すかしを食った形となっている。

 体外受精と顕微授精の「特定不妊治療」は公的な健康保険の対象にならず、治療1回あたりの患者負担は30万円以上と高額になる。厚生労働省は不妊に悩む夫婦に助成しているが、日本産科婦人科学会の統計では治療1回あたりの妊娠率は全年齢平均で16.3%にとどまる。
 厚労省は、安倍政権が掲げる「1億総活躍社会」の柱である出生率向上策として、今年1月から助成金を引き上げるなどした。金融庁も足並みをそろえる形で4月1日に保険業法施行規則を改正し、不妊治療保険の販売を解禁した。

 しかし、生保各社にとって壁になるのが商品設計の難しさだ。保険に加入するのは、不妊に悩んでいるなどして不妊治療を受ける意思がある人に限られるとみられ、通常の医療保険などに比べて保険金支払いの可能性が高くなる。また、どんな治療を何回受けるかも加入者の意思に任されるため、保険金が高額に上ることが予想され、生保各社は「採算が見込めない」(大手)とみている。
 さらに、保険料などを積算するための不妊に関するデータが不足していることもあって、生保各社は「研究はしているものの、乗り越える壁は高い」と様子見の姿勢で、現時点では保険発売の見通しは立っていないのが実情だ。

 こうした不妊治療保険の課題は、金融庁の審議会などでも議論されたが、具体的な商品の検討は保険会社に任せる形で解禁に踏み切った。金融庁からは「社会的なニーズがある中で、門戸を開く意味で解禁を判断しており、商品が出ないという可能性は織り込み済み」との声も出ている。
 不妊症に悩むカップルを支援するNPO法人「Fine」の松本亜樹子理事長は「社会的に必要性が認められたと民間保険に期待していた当事者も多かった。このまま話が流れてしまったら残念だ」と述べ、早期の保険発売を望んでいる。【中島和哉】

 【キーワード】特定不妊治療

 不妊治療のうち、体外に取り出した卵子を培養液中で精子と受精させる「体外受精」と、取り出した卵子にガラス管で精子を注入する「顕微授精」を特定不妊治療という。日本産科婦人科学会によると、2013年に特定不妊治療で生まれた子どもは国内で4万2554人に上る。ただ、回を重ねるごとに自己負担も重くなるため、途中で治療を諦める患者も少なくない
 厚生労働省は04年から特定不妊治療費の助成制度を始め、晩婚化などを背景に助成件数は増加している。制度を随時見直しており、現在は最大6回目(40~43歳未満は3回目)まで助成金を支給。今年1月からは初回のみ従来の15万円から30万円に倍増したが「43歳以上の女性」「世帯所得730万円以上」の場合は助成の対象外となるなど制限も多い。

まあそれはそうだろうと思う話で、そもそも保険と言うものは万一何かあった場合のリスク分散の意味でかけておくと言う性質のものですが、この保険の場合それを利用する気満々な人々しか加入しないわけですから、
強いて存在価値を探るとすれば本来の意味からは外れますが、初期費用いくらの掛け捨てで○年間はコスト負担しますがその後は再加入禁止ですと言ったやり方であれば、保険の期間が切れるからそろそろ治療をあきらめようかと言うリミッターとしての機能は果たせるかも知れませんが、これも費用を幾らに設定すべきかと言う点に加え、何歳まで加入させるかと言ったことも難しそうですね。
そう言った難しそうであることは承知の上でとりあえず解禁だけしてみました、後は勝手にやってくださいではさすがに無責任だろうと言う声も出てきそうなものですが、この場合もともと不妊医療なるものは保険外の自費診療ですから、国が余計な口出しをすべきではないのだと言われればそれはそれで筋が通っているとも言えるのかも知れません。

国が少子化対策のために云々と言うのであれば、不妊治療も保険診療扱いで行えばいいのではないかと言う声もあり、保険診療のあり方として日常生活に支障を来すような各種の機能的、器質的障害に対して治療を行うと言うことは大きな部分を占めているのですから、何故不妊治療だけが認められないのか?と言う疑問を抱くのは理解できます。
ただ昨今医療にもコストパフォーマンスと言うことの必要性が盛んに言われていますが、高いコストを要求する高度な不妊医療を受ける方々のコスパは控えめに言ってもあまり良いものではないでしょうから、人間一人を得るのにどの程度までのコストをかけることが社会的に許容されるのかと言う冷静な議論に向かうとあまり分が良さそうにはありません。
当然ながらお金を出す保険者の側にしても今さらこんな不採算分野を保険診療に繰り入れて欲しくはないだろうと思うので、今のところは公費による助成金と言う現状のやり方で自治体に判断を丸投げするのが現実的なのかも知れませんが、条件が悪化した高年齢者の場合結局自己負担が高くなるしそろそろあきらめては…と言いたい部分もあるわけです。
その意味では妊娠可能性が極めて低い方々がいつまでも不妊医療を受けられる体制と言うものはいずれにせよ期待出来そうにはないですし、むしろ遠回りなようでも高年齢での妊娠可能性を劇的に引き上げる技術的ブレークスルーに投資した方が有用性は高いと言うこともあるのでしょうかね。

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心と体」カテゴリの記事

コメント

保険ってよりも積み立てじゃないんですかねこれ?

投稿: ぽん太 | 2016年8月25日 (木) 08時59分

癌保険とも違って一生使う可能性があるものでもないので、保険会社としてどういうプランなら商売として成り立つのか見てみたい気がします。

投稿: 管理人nobu | 2016年8月25日 (木) 11時17分

システムを作るのであれば、加入と同時にまとまった金額(百万円単位?)を保険料として治め、子供が産まれるか一定年齢に達するまで医師が必用と認めた不妊治療をいくらでも受けられるようにすれば、不妊治療の支出が青天井にならなくて個人的にはいいかなと思います。

投稿: クマ | 2016年8月25日 (木) 22時43分

つかなんでお産は保険つかえないの?
本気で少子化対策する気あるの?
バカなの?

投稿: 素朴な疑問 | 2016年8月25日 (木) 22時50分

↑出産育児一時金て知ってる?
そもそも健康保険が使えないのは「正常」出産だけだし。

投稿: | 2016年8月26日 (金) 07時44分

↑正常出産すれば一時金もらえるのかもしれんけど
それまでの長い期間、
検診のたびに100%自己負担で支払うんだけどね

投稿: | 2016年8月26日 (金) 08時58分

↑昨今大部分の自治体では、補助券をつけて自己負担なしか格安で妊婦健診を受けられますがご存知ありませんか?

投稿: 山口(産婦人科) | 2016年8月26日 (金) 15時33分

一部は補助が使えるけどね

投稿: | 2016年8月26日 (金) 15時42分

健康保険使えちゃったら、「いまどきの素敵な産院」は存続無理になるんだけど、いいのかな。

健康保険制度では、どうして看護師や医師をたくさん揃えて施設もゴージャスな病院がオプション設定としても存在できないのか、を知らないんでしょうね。

投稿: おちゃ | 2016年8月26日 (金) 18時13分

そこは特室料金なりで対応可能かと

投稿: | 2016年8月26日 (金) 19時04分

むりではないでしょ。
たとえ 混合診療の禁止 を振りかざしてみても、
貧乏人は保険、金持ちは完全に自由診療 が まかり通るでしょ。 
自由診療産科施設から保険医療機関への転送は禁止 にでもしない限り。
で、↑のような非人道的な規則は緊急避難的になし崩しになる、と。

投稿: | 2016年8月27日 (土) 19時42分

不妊治療はお金がある人が自費ですべき。人工受精や体外受精のような不妊治療まで補助したり保険で払ったりするのはおかしいし不公平香菜子

投稿: 香菜子 | 2016年8月27日 (土) 19時51分

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