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2016年8月10日 (水)

ドリルの高周波音は確かに脳に来ました

不肖管理人も今年初めて歯科受診の機会がありまして、なるほど世間の噂に聞く歯科治療の実際とはこんなものかと経験した次第ですが、日常的に歯科にお世話になっている方々にとって今やコンビニよりも多いと言われる歯科選びもなかなかの難題なのでしょう、先日はこんな記事が出ていました。

「いい歯科医」の条件 スタッフ定着率が高く待ち時間短いこと(2016年8月3日NEWSポストセブン)

 多くの人が一度はお世話になったことがあるのが歯科医だ。虫歯がたくさんあるという人、歯周病だという人、すでに入れ歯だという人など、いろいろなケースがあるだろうが、歯の健康がいろいろな病気に関係しているとも言われており、しっかりとした歯の治療を受けたいところだ。
 そこで、歯科医に「いい歯医者の見分け方は?」と聞いてみると、ほぼすべての先生が「いちばんよく聞かれ、いちばん困る質問」と言う。

 しかし、ほとんどの歯科医に共通していたのが「スタッフの定着率が高く、待ち時間が短い医院」という回答。みんなの歯科ネットワーク・副理事長で歯科医の大塚勇二さんはこう話す。
「スタッフはずっと治療を見ていますから、ずさんなところではまともなスタッフは耐えかねて離れていきます。また、予約しているのに毎回待ち時間の長い歯医者は、患者のことを考えていない傾向があります。治療内容を説明するのは当然ですが、“どんな疑問にも答えてくれる”ことと“治療の選択肢を与えてくれる”ことも大事です。法律的には最初に問診票を書いた時点で患者との間に委任契約が成立します。歯科医師に説明義務はありますが、1つ1つ患者に同意を求める必要はないんです」

 岩田有弘歯科医院院長の岩田有弘さんも「“患者のことを大事にしている”という観点から、新しくできた医院は患者を大事にしようという意識が高い」と話す。
 どの治療にも危険がつきもの。医師がスキルを磨き、説明責任を果たすことはもちろんだが、患者にも知識を持つことが求められている

どちらかと言えば接遇面の話に近いのかと思うのですが、特に歯科医療の場合保険外診療が多いだけに金銭的なトラブルも含めて言った、言わないの問題は医科以上に多いのだそうで、確かにろくな説明もないまま高い治療をされたのでは不満を抱く人も多いのでしょう。
歯科経験値の浅い管理人などは別として多くの方々は日常的に歯科治療の経験があり、恐らくこういう治療は高い、これは安上がりと言った感覚がある程度身についているのだと思いますが、施術する側が顧客のそうした知識を前提にうっかり説明を省いてしまうとトラブル云々以前に、一体スタッフが何を言っているのか判らないと言うコミュニケーションギャップも起こりやすいのかと感じるのですが、その意味で患者の知識も重要なのは確かでしょうね。
いずれにしてもこうした話はどこの業界でも昨今ありふれた問題であり、治療技術以前に世間的水準でのコミュニケーション技術も求められるのは医科も同様だと思うのですが、世間ではあまり問題視されない医療業界特有の問題点として、こうしたことを指摘する記事もあるようです。

歯科治療の感染症リスク 杜撰な実態を現場スタッフが告発(2016年8月1日NEWSポストセブン)

(略)
 B型やC型肝炎、HIV(エイズウイルス)などは血液を介して感染するため、出血が起きやすい歯科治療での感染リスクが指摘されてきた。C型肝炎ウイルスに汚染された器具による感染事例は、大学病院、歯科口腔外科において報告されている(『歯科診療におけるC型肝炎の感染リスク低減に関する研究』、2002年、古屋英毅)。
 特に抜歯は出血量が多く、一般的な外科手術と同等の感染リスクがある。

 歯科医が治療で使用する器具は種類が多い。基本セットのミラー、ピンセット、唾液等を吸い出すバキュームチップ。歯を削るハンドピース、その先端に装着するチップ(またはバー)、根管治療に使うリーマー、切開用メスなど。
 歯科衛生士は歯石除去用のキュレット、超音波スケーラーを主に使う。そうした患者の口腔内に触れる器具は感染リスクがあるので、患者ごとに交換するのが当然である。しかし、現場では驚くべき対応をしていた──。
「私が働いているクリニックではハンドピースをアルコール綿で拭いて、次の患者に使用しています。血液がべったりついたり、肝炎の患者さんに使用した時はその都度交換しますが、ハンドピースを沢山揃えていないので、患者さんごとに交換するのは無理です」
 証言したのは、これまで5軒のクリニックで勤務経験を持つ歯科助手の女性(30代)だ。
患者ごとに交換していたのは1軒だけでした。グローブを患者ごとに交換しない歯科医も2人いました」
 厚生労働省は、一般歯科の院内感染対策ガイドライン(平成26年度)で、使用したハンドピースは患者ごとに交換し、「オートクレーブ滅菌」することを強く勧めている。
(略)
 しかし、現役の歯科衛生士(50代)は、赤裸々に実態をこう語った。
「ハンドピースは、午前と午後の診療後、各一回だけ交換します。患者ごとにアルコール綿で拭きますが、歯科医は感染予防なんて全く気にしていません
──感染予防について聞く患者は?
「誰もいません。不思議と。ただ、私の家族は他の歯科医院で(病気を)うつされたら困るので、自分の勤務先に来させます。正直いうと、その時は滅菌したハンドピースに変えますね……」

まあしかし患者には間違っていると知っている対応を続けるのに、自分の家族だけ対応を変えると言うのもどうなのかですが、歯科業界も過当競争で利幅が狭くなっていると言いますから過剰投資は即経営破綻につながりかねないのは理解できるとしても、アルコールで拭いて使い回しとは懐かしの昭和の時代でもあるまいし、今どきの医学常識に反することをされているのであれば問題ですね。
ただこの種のトラブルはかつて美容整形や矯正眼科などでも指摘されてきたことでもあり、また一般医療においてもカテーテル使い回しなどが報じられたことがありますから、結局医療の世界に経済的利益を追求させるとろくなことにならないと言う実例だと言う意見も根強くあるようですが、さすがにお金のことを全く気にしない医療も許容される時代ではなくなってきているのも事実でしょう。
ちなみにこうした歯科医療の感染予防の実態を調査し公表した結果感染予防の必要性に対する現場の認識が高まった一方で、研究者の所属する大学の学部長まで歯科医師会から抗議が出たと言いますから面白い話だと思いますが、器具の数が足りない場合には患者さんを断るべきなのかどうかなど興味深いテーマも多くありそうですので、是非歯科業界でもそうした議論を深めてみていただきたいですね。

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コメント

歯科医ってバカなの?

投稿: | 2016年8月10日 (水) 08時43分

市中歯科医は医師に比較すると科学者と言うより技術者寄りのポジションなのではないかなと言う気がしますが、歯科と言っても口腔外科などは医師と変わらないですしね。

投稿: 管理人nobu | 2016年8月10日 (水) 13時50分

海外では外科医と理髪師とが一緒だった時代があるそうです理容と美容の最大の区別は剃刀がつかえるかどうか、らしいのも、そのあたりの歴史が関係するのかも知れませんが、
剃刀はHCV、HBV、HIVあたりの対策は講じられているのでしょうかね。甚だ心もとないようにも思いますが。もう数年来、剃刀ナシ、シャンプーなしの1,000円理容にしていますが。

投稿: | 2016年8月10日 (水) 21時43分

うちの近所の店は感染対策やってます的なポスターがあったような
でもB肝なんてしぶといからほんとに大丈夫なのか不安は残るかな

投稿: | 2016年8月10日 (水) 23時58分

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