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2016年8月22日 (月)

救急車を呼ぶ件数自体も増えているのですが

救急搬送の増大傾向が続き抑制策が各種検討、実施されている中で、先日こんなニュースが出ていました。

救急出動で不搬送、10年で1.5倍 本人拒否が最多(2016年8月17日朝日新聞)

 119番通報で出動した救急隊が、誰も運ばずに引き返す「不搬送」が、2014年までの10年間に約5割増えたことが、総務省消防庁への取材でわかった。高齢化などで緊急性の低い通報が増えていることが一因と見られる。「空振り」の出動が増え続けると、重症者の搬送に影響する恐れがある。

 朝日新聞が消防庁に情報公開請求して得たデータによると、14年の不搬送は63万4千件。05年(43万3千件)と比べて46%増えていた。一方、救急車の出動総数は598万件で、同じ期間では13%増にとどまっていた。出動に占める不搬送の割合は、大阪府(14・4%)や兵庫県(12・9%)、東京都、埼玉県(どちらも12・8%)など大都市圏で高かった
 不搬送の理由は、家族らが通報したが搬送を拒む「拒否」(32%)が最も多く、隊員が応急処置をして医療機関に搬送しない「現場処置」(18%)が次いだ。けが人や病人がいなかった例や、誤報・いたずらは計11%だった。
 具体的には▽体調が心配で救急車を呼んだが、隊員に血圧などを測ってもらい安心した▽家族が救急車を呼んだが、本人は病院に行く意思がない▽到着時に明らかに死亡していた――など。高齢化や携帯電話の普及で、結果的に緊急性が低くても、119番する人が増えているとみられる。

 救急隊は現在、どんな通報でもほぼ出動している。山形市で11年、一人暮らしの大学生が自宅から通報したが、市消防本部が「意識や呼吸がしっかりしている」として救急隊が出動せず、死亡した事件が起き、この傾向が強まっている。
 地域によっては、全ての救急隊が出動している事態が散発している。出動の増加に歯止めがかからないと、現場への到着に時間がかかり、一刻を争う重症者の搬送に影響しかねない。
 消防庁は、どんな理由で不搬送が起きているか把握するため、自治体が担っているデータの集め方を見直す検討を始めた。
 救急業務に詳しい杏林大の橋本雄太郎教授(医事法)は「救急隊の現状が市民や医療者に理解されているとは言いがたい。行政は困っていることをきちんと伝え、議論を深めるべきだ」と話している。(阿部彰芳)

高齢者のケースなどは本来救急車を呼ぶ前にまずかかりつけ医に連絡を取るべきだろうし、それで来院を指示されたのであれば何の問題もなくスムーズに搬送が進むのですから、救急隊の危機的状況云々よりも先に行政は正しい医療の利用の仕方を周知徹底すべきかと考えるのですがどうでしょうね。
ともあれ救急搬送以来増加と受け入れ側医療機関のいわゆる救急崩壊と言われる現象を反映してか、搬送時間は年々延び続けているのだそうですが、当然ながら一刻も早く搬送すべき症例もあればそうではない場合もあるはずですから、実際に緊急性がある重症例でどの程度搬送時間が延びているのかと言うデータが気になりますよね。
救急隊にしても救急依頼は全て最短時間で搬送すべしと言われれば迷いがないのですが、搬送症例をトリアージしろと言う話になればかえって余計な時間もかかると言うもので、特に記事にもあるように本人拒否など現場で揉めるケースが搬送時間を大いに長引かせている可能性があるかと思うのですが、そのほかにもこんな事例も報告されています。

救急車内で応急処置中、救急隊員に暴行 容疑の男逮捕/蕨署(2016年8月14日埼玉新聞)

 埼玉県の蕨署は13日、公務執行妨害の疑いで、住所職業不詳の男(39)を現行犯逮捕した。

 逮捕容疑は13日午後3時45分ごろ、蕨市錦町1丁目のドラッグストア駐車場に駐車中の救急車内で、男性救急隊員(30)の胸ぐらをつかむ暴行を加えた疑い。隊員にけがはなかった。

 蕨署によると、男は気分が悪くなったためドラッグストアに駆け込み、救急車を呼んでほしいと店員に依頼。救急車内で応急処置を受けていた際、「酒を買いに行く」などと言って救急車から降り、止めに入った隊員に暴行したという。

記事を読む限りではどれだけどうしようもない酔っ払いだよと言う話なんですが、この種の医学的と言うより他の理由で大いに問題がある方々もとりあえず救急車を呼んでしまうと言う状況が救急搬送件数の際限ない増加を来している側面もありそうですね。
この場合現場でトリアージをしようだとか、搬送せずに何かしらの対応をしてすませようとか考えると余計な手間がかかるのではないかと思うのですが、結果的に何も考えずに搬送するよりもかえって時間も手間も長くかかってしまい、その間ずっと救急隊が拘束されると言う問題もありそうなのですが、他方でこうした方々はもともと医療側の受け入れにも手間取りそうなだけにトータルでの損得勘定は難しいですね。
以前からタクシー代わりにとりあえず救急車を呼んだような事例が絶えないのは救急車が無料だからだと言う声は根強くあり、各種調査の結果を見ても金額など制度的な意見は分かれるものの概ね7~8割の方々が有料化を支持していると言いますが、それこそ大阪辺りから試しにお試しで有料化をやってみて結果を見てみたい気もします。

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コメント

誰が有料化に反対してんの?医師会?

投稿: | 2016年8月22日 (月) 08時39分

有料化する場合、「誰がお金を徴収するか」「誰のポケットにお金が入るか」を決めるのが結構面倒ではないかと思います。
救急車を受け入れた病院が徴収しろって言われたら多分病院は反対します。

投稿: クマ | 2016年8月22日 (月) 09時08分

有料化は有料化で、「金払ってんだからwww」と、さらなるモンペ化を促進しかねないところがなんとも…。

投稿: 10年前にドロッポしました。 | 2016年8月22日 (月) 09時10分

搬送依頼の抑制には有効なのでしょうが、今回のような現場の付加的サービスに関してはむしろ有料化で要求が促進されるかも知れませんね。

投稿: 管理人nobu | 2016年8月22日 (月) 10時26分

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