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2016年8月30日 (火)

医師のわいせつ事件を病院側が全力で擁護

昨今少々のことでは驚きませんが、先日出たこちらの記事を見た際には少しばかり驚いたものでした。

術後、女性患者にわいせつ容疑 医師を逮捕(2016年8月25日日本経済新聞)

 手術後で麻酔が残る女性患者にわいせつな行為をしたとして、警視庁千住署は25日、柳原病院(東京都足立区)の非常勤外科医、関根進容疑者(40)=文京区本駒込2=を準強制わいせつ容疑で逮捕した。同署によると、関根容疑者は「やっていない」と容疑を否認している。

 逮捕容疑は5月10日、30代の女性会社員を手術した後、全身麻酔の影響で身動きが取れないことにつけ込み、病室で診察を装ってわいせつな行為をした疑い。女性から相談を受けた会社の上司が同署に通報した。

手術後の女性患者の胸なめる 医師の男逮捕(2016年8月26日日テレニュース)

 東京・足立区の病院で30代の女性患者の胸の手術をした医師の男が、手術後に診察を装ってわいせつな行為をしたとして警視庁に逮捕された。

 準強制わいせつの疑いで逮捕されたのは、足立区の「柳原病院」の非常勤の医師・関根進容疑者(40)。警視庁によると関根容疑者は今年5月、30代の女性患者の胸のしこりの摘出手術後に「傷口を確認する」などと診察を装って女性の胸をなめたり、胸を見ながら自慰行為をするなどわいせつな行為をした疑いが持たれている。当時女性は全身麻酔から覚めたばかりで抵抗できない状態だったという。

 関根容疑者は6年程前から女性の担当医で、警察の調べに対し「やっていません」と容疑を否認しているという。

何が驚いたと言って実名入りでここまで詳細なわいせつ行為の内容が一般ニュースに流れたと言うのにも驚きですけれども、手術は乳腺の腫瘍だったと聞きますが一般論として手術前ならともかく手術後の胸をわざわざ性的対象にするものだろうかと言う疑問を抱いたところです。
昨今はどこの業界でもこの種の変態的行為に及ぶ人は決して珍しくありませんから、同医師が実際にこういう特殊な性癖を持っているならいるでいいのですけれども、興味深いことに事件報道の直後から病院側があまり例を見ないほど強力な同医師擁護の論陣を張っていることが報じられています。

「医師がわいせつ」は麻酔後の「せん妄」 病院が逮捕の警視庁に抗議の異例事態(2016年8月29日J-CASTニュース)

   わいせつな行為をしたとして非常勤の男性外科医(40)を逮捕した警視庁に対し、病院側が不当逮捕だとホームページ上に異例の抗議文を載せた。30代女性患者の訴えだけを根拠にしていると批判しているが、警視庁は、J-CASTニュースの取材に対し、捜査中だとして回答を控えている。
   「警視庁による当院非常勤医師逮捕の不当性について抗議する」。東京都足立区の柳原病院が2016年8月25日付で出したこんなタイトルの声明は、医療機関としては異例ともいえる断固たるものだ。

病院がホームページ上で異例の声明 逮捕された医師「やっていません」

   報道などによると、女性患者は5月10日昼過ぎに柳原病院で男性外科医による右乳腺腫瘍の摘出手術を受けた。しかし、手術後に全身麻酔で体の動かない女性に対し、外科医は診察を装って病室で着衣を脱がせ、左胸をなめるなどした疑いが持たれている。
   女性の胸を見ながら自慰行為をしたり、再び病室に来てわいせつな行為をしたりしたと一部で報じられている。女性の体から外科医の唾液が検出されたともいう。女性は、外科医が6年ほど前から別のクリニックで担当医をしており、手術のため柳原病院に入院していた。
   女性が相談した会社の上司が110番通報し、その後、女性が被害届を出していた。警視庁千住署では8月25日になって、外科医を準強制わいせつの疑いで逮捕した。メディアの中には、実名で報じているところもある。調べに対し、外科医は、「やっていません」と容疑を否認しているという。
   これに対し、外科医が勤める柳原病院は、ホームページ上の声明で、職員らへの聞き取り調査や現場検証をした結果、わいせつ行為はなかったと結論づけた。

警視庁「捜査中なので、回答は控えたい」

   声明では、女性患者は、4人部屋にいて、看護婦が頻繁に経過観察に来ており、多くの目があるため、知られずにわいせつ行為はできないと指摘した。行為があったとする手術後35分以内は、「手術前の恐怖や不安と全身麻酔で行った手術後せん妄状態での幻覚や錯覚が織り交ざったもの」と考えられるとしている。
   「せん妄」とは、意識障害が起き、幻覚を見ることもある状態を指す。
   病院では、被害届が出た後、こうした調査結果をもとに、7月7日に警察に捜査を中止するよう求める申入書を顧問弁護士名で出していた。今回の逮捕についても、警視庁に対し、謝罪や速やかな捜査中止、外科医の釈放を求め、「この様なことが許されれば、今後、施術医師が術後診察に病室を訪れることを躊躇う要因ともなり、正当な医療行為に制約を付すことになりかねない」と怒りを露わにしている。

   ツイッター上などでは、医師らが今回の逮捕について議論を交わしており、麻酔薬では性的悪夢を見ることがあるとの指摘も多い。また、麻酔が切れた数日後もせん妄の症状が現れることがあるという。海外の研究論文なども紹介されており、本当にわいせつ行為だったのか疑問の声が続出している。
   柳原病院では8月29日、女性はせん妄状態だったとしたことについて、「これまでの経験に基づき、論文を調べたうえで結論を出しています」とJ-CASTニュースの取材に説明した。警視庁からの回答はまだないという。
   厚労省の安全対策課は、「麻酔薬すべてではないですが、種類によってはせん妄の副作用が報告されています」と取材に答えている。
   警視庁の広報課では、「捜査に関する事項ですので、回答は控えさせていただきます」とだけコメントしている。

この麻酔薬による譫妄と言うもの、あちらこちらの施設からあれやこれやの症例報告が漏れ聞こえてきますから実際に少なからずあるのでしょうけれども、胸を舐めた云々はともかく病室で自慰行為云々と言う話に関しては当該時間帯には4人部屋にいたと言うことで、さすがにその状況下でそうした行為に及ぶと言うのは一般常識的にはいささか考えにくいですよね。
興味深いのは一部報道で唾液という物証があると言われている点ですけれども、そもそも本人が一体いつどうやって唾液を採取出来たのかが問題で、事実検体があるのだとすれば術直後の麻酔も覚めず身動きも声出しも出来ない時期に採取を行ったことになりますが、患者本人がどういう手段で回収し保存していたのかと考えると、何やら薄ら寒いものを感じるという声も少なくないようです。
こうした諸事情を考慮した結果病院側もこれは冤罪であると確信したからこそのこうした声明の公表だったのでしょうが、ただ今回の一連の経緯が何故起こったのかと言うことを考えた場合に、今後どうやったら再発防止が出来るのかと言うことに関して多くの課題が浮かび上がってきます。

そもそも以前から医師に限らず検査技師がわいせつ行為に及んだ等々の訴えもしばしばあり、今や異性患者と密室で二人きりにならないよう予防措置が講じられるのが一般的ですが、今回のように4人部屋と言う密室とほど遠い環境にあっても訴えられると言うことになれば、今後どのように対応したらいいのかです。
前述の唾液の件などもそもそもいつ誰がそれを本人のものと確認したのかもそうですが、警察も患者の訴えだけでいきなり逮捕と言うはずもないでしょうし、恐らく唯一の物的証拠として逮捕に至るかなり重要な鍵となったでしょうから、この辺りは今後の裁判の進行に伴い客観的事実関係が判明していくことを期待したいですね。
この医師と患者本人はかなり以前から診療上の関係があったと言うことで、今回の経緯に至るまでに何かしらトラブルなりはなかったのかと言った想像もしていたのですが、正直あまりに突飛な証言内容であったからこそこうして大騒ぎになり検証もされているのであって、患者から胸を触られた等々のありがちな訴えであれば身に覚えがなくとも医師の側が病院当局から謝罪に追い込まれていたかも知れないですよね。

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心と体」カテゴリの記事

コメント

証拠があるから警察が動いたんでしょ?
想像で語っても仕方ないよ

投稿: | 2016年8月30日 (火) 08時07分

その「証拠」が確たるものでないとしたら・・・一方的なフライングのリークだったとしたら、
また別の話になりますわな・・・

投稿: | 2016年8月30日 (火) 08時16分

証拠があるから警察が動いたんでしょ?

ヒント:福島県警

投稿: | 2016年8月30日 (火) 08時32分

真実がどこにあるのかは分かりませんが、このような形で病院側が「患者がせん妄であった」と公表してしまうのは守秘義務の観点から相当に問題があると思われます。

投稿: クマ | 2016年8月30日 (火) 08時52分

>守秘義務の観点から相当に問題があると思われます。
かと言って身の潔白の証を立てるには何らかの証拠を出さざるを得ませんし、
その行為に違法性が有るというなら、黙って石もて打たれるしかないのかって事です。
それでは患者からの言いたい放題の無法地帯になってしまうことは
火を見るより明らかです。
これを切っ掛けに、法の適正化がなされることを期待したいところです。

投稿: | 2016年8月30日 (火) 10時13分

御指摘のように病院側が個人情報を公開しての反論を行ったと言う点でも、今回の事件はかなり異例だと思いますが、このレベルまでは今後の標準となって欲しい気もします。

投稿: 管理人nobu | 2016年8月30日 (火) 10時49分

「せん妄だった」が守秘義務違反だったら、よく報道されている「心身喪失状態だった」とかもアウトなのでは。その線引きはどこにあるのでしょうか?

投稿: ふぉれすと | 2016年8月31日 (水) 11時25分

↑医療関係者が言うか弁護士が言うか…かなあ?

投稿: 10年前にドロッポしました。 | 2016年8月31日 (水) 16時55分

詳報。どうやら冤罪っぽい。
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/201609/548182.html

投稿: | 2016年9月 6日 (火) 12時53分

日本の検察が起訴したからには有罪ほぼ確定www
ヘンタイエロ医者残念でしたwww

投稿: | 2016年9月15日 (木) 23時36分

決定的な証拠でもあったのかな?ちょっと興味でてきた

投稿: | 2016年9月16日 (金) 08時44分

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