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2016年8月20日 (土)

子供への絶対菜食主義強要は虐待か否か

先日は環境保護団体を称するグリーンピースが100人以上のノーベル賞受賞者達から批判を受けたと言うニュースが出ていて、どこの国でも過激な方々の迷惑行為には苦労しているのだなと改めて実感するのですが、そうした方々の振るまいとも関連してこんな興味深い記事が出ていました。

子どもへの「菜食主義」強制は虐待か? 禁止法案が提出された国も…(2016年8月15日MAG2ニュース)

イタリアで、親による子どもへのヴィーガニズム(絶対菜食主義)強制を禁止する法案が提出された。違反すると、親に刑事罰を課すとしている。欧米では、近年“厳格な菜食主義者”であるヴィーガンが急増している。英国では、過去10年の間にヴィーガン人口が約3倍に増加したことが業界団体『Vegan Society』と『Vegan Life』誌の最新報告で明らかになっている。
(略)
法案を提出したのは、保守政党フォルツァ・イタリアのエルヴィーラ・サヴィーノ議員。今多くの有名人も実践しているというヴィーガニズムだが、体の完成した成人とは異なり、発達過程の子どもにとっては「健康的な成長に必要不可欠な栄養素が不足する食事」は有害だというのが理由だ。具体的には、16歳以下の子どもへのヴィーガニズム強制を禁止する。
伊ラ・レプッブリカ紙は、サヴィーノ議員が「発育途中の子どもがヴィーガンになると、鉄・亜鉛・B12不足を招き、その結果神経系の病気や貧血症になるおそれがある」とフォルツァ・イタリア党のウェブサイトに掲載したことを伝えた。

英テレグラフ紙によると、イタリアでは既に、ヴィーガン食により深刻な健康状態に陥った子どもの事例が多数報告されているという。「きちんと組み立てられていないヴィーガン食を親から強制されたために子どもが栄養失調に陥った(3歳以下の例もある)数多くの有名事件を受けて」今回の法案提出に至ったと同紙は伝えている。
米ニューヨーク・デイリー・ニュースは、現在39歳のサヴィーノ議員自身も1児の母であり、「十分な飽和脂肪、タンパク質、ビタミン(亜鉛、鉄、オメガ3脂肪酸なども)が含まれていないヴィーガン食またはベジタリアン食を厳しく批判している」と伝えた。サヴィーノ議員は、ヴィーガンの親は「宗教、倫理、動物愛護の観点から」動物性食品を避け、子どもの生命を危険に晒していると考えているそうだ。
しかし、英インデペンデント紙によると、現在イタリア人口に占めるヴィーガンの割合は1%、ベジタリアンは7%と考えられており、批評家らは、イタリアでは(ヴィーガン規制よりもむしろ)子どもの肥満問題の方に重点的に取り組むべきでないかと主張しているという。

米・英の栄養士協会は“適切に計画を立てれば”問題ないとしているが…

アイリッシュ・タイムズ紙は、このニュースを報じる記事で、自国の食品安全局のスタンスを紹介。アイルランド食品安全局は、乳幼児期には「基本的に栄養の偏った食事は勧められない」として子どものヴィーガンに否定的だと伝えた。
一方で、同紙によると、米栄養士協会は“適切に計画を立てた”ヴィーガン食は妊婦、乳幼児期含むすべてのライフステージに適していると述べている。
今回のイタリア法案とは関係ない記事だが、英インデペンデント紙に寄稿した、「The Vegan」誌の編集者Elena Orde氏も、『子どもにヴィーガン食を与えるのは虐待ではない』というタイトルの記事の中で、「英栄養士協会も、ベジタリアン食およびヴィーガン食が子どもにも適していると認めている」としてヴィーガン食の素晴らしさを強調した。
同記事では、子どもの体の発育や栄養面よりも“動物愛護”や“環境破壊”など倫理的な影響について主に言及していた。子どもにヴィーガン食を与えることで、動物や自然を愛する心を育むことができるのだそうだ。
 “専門的な知識”をもって“適切に”食事プランを立てれば”ヴィーガンは問題ないというものの、一歩間違えれば栄養失調になるリスクを子どもに負わせてまで親の思想を強制する意味はあるのか、イタリアの法案の行く方を見守りたい。

まあ何であれ適切な行動が出来ないから社会問題化する方々と言うものはいるものですが、興味深いのはこの絶対菜食主義なるものが動物愛護はともかく自然を愛する心を育む云々と肯定的に捉えられていると言う点で、輪廻転生の概念を持ち動物と植物との間に本質的な境界線を引くことのない日本文化的価値観からすると彼らの文化的価値観の根幹には違和感を感じるところもありそうですね。
栄養学的な見地から言えば今のところ多種多様な食材をバランス良くと言うのが一般的に認められた適切な食生活のコンセンサスとしてよさそうですから、動物であれ植物であれ一方的に偏った食生活と言うものが肯定的に評価出来るものではなさそうですが、その辺りも含めて栄養学的に非常に厳密にコントロールされたものであれば純植物食でもさほどの有害性はないだろうとは思います。
もちろんその結果何をどのように食べるかと言うことに関して味覚や嗜好以外の要素を極めて強く反映させなければ適切なものとはならないでしょうが、栄養学的見地もさることながら記事にもあるように子供への強制は虐待であると言う考え方には注目すべきでしょうね。

日本においても子供時代に野菜であれ何であれ、好きでもないものを栄養学的見地から必要だと無理矢理大人に食べさせられた経験のない人はまずいないだろうと思うのですが、個人的な経験の範囲でも学校等で弁当や給食に入っていた好きでもない食材を食べ終わるまで居残りを命じられたことが幾度となくあり、今日的視点で言えば確かに虐待なり体罰なりに相当するものであったように思います。
そもそも子供の教育全般に言えることですが、当事者が嫌がることを強制してはならないと言う原則を貫いてしまうとおよそきちんとした教育効果が期待出来ないと言う意見は根強くあって、宿題をやりなさいだとか夜更かししないで寝なさいだとかを全て虐待だと言い切ってしまうと、子供をとうやってしつけていいものか迷わしいですよね。
類似の論争で以前から続くのが輸血拒否を貫く宗教の信者による子供の輸血拒否事例で、この場合は時に一時的に親の親権を停止してでも救命のために必要な措置を行うべきだと言う考えが次第に定着してきた感がありますが、同級生に不本意な絶対菜食主義を強いられている人がいた場合に弁当の肉を分けてやるくらいならともかく、児相に通報すべきかと言われるとなかなか判断も難しいでしょうね。

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コメント

肉を食わずに動物の命を奪わないから「動物愛護」か。。。
なら菜食主義者の食卓を彩るベジは完全無農薬で
いわゆる「害虫」を一切退治してないのでしょうか?
それともそのへんは毛唐得意のダブスタ?

投稿: | 2016年8月20日 (土) 07時38分

はたから見てたら滑稽としか。
極端な偏食って性格にも影響するんですかねえ?

投稿: ぽん太 | 2016年8月20日 (土) 08時14分

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