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2016年8月 5日 (金)

ウエストサイズに一喜一憂する方々への悲報

世の多くの方々にとってかなり切実な話題なのかと思うのですが、先日こういうニュースが出ていたことを御覧になったでしょうか。

「やせ形」でも生活習慣病のリスク異常、財政負担増でメタボ指導見送り(2016年8月1日読売新聞)

 特定健診(メタボ健診)の制度改定について議論する厚生労働省の検討会は29日、保健指導の対象は腹囲が基準(男性で85センチ、女性で90センチ)以上の人を前提に選定する従来のルールを維持することを決めた。

 別の検討会が、腹囲が基準未満でも、血圧や脂質、血糖に異常がある人は生活習慣病のリスクがあるとして、指導対象にするよう求めた。だが、健康保険の財政負担が増えることなどから、ルールの見直しは見送った

メタボ判定、腹囲優先変えず 厚労省検討会(2016年7月30日日本経済新聞)

 内臓脂肪がたまり生活習慣病をまねきやすいメタボリック症候群の判定について、厚生労働省の検討会は30日までに、腹囲を最初の判断基準とする現行の特定健診を続けると決めた。

 別の有識者会合から、高血圧や脂質異常など腹囲以外の危険因子を重視する方法に改定を求められていたが、変更は見送った。腹囲が基準内でも血圧や血糖値などが高い「隠れメタボ」にまで保健指導の対象を広げると、健康保険事業の負担が増えることなどが理由。検討会は「健診はそもそも内臓脂肪による生活習慣病を抑えるのが目的だ」と強調した。

 現行の特定健診は腹囲が男性85センチ、女性90センチの基準値以上の人のうち、危険因子が1つある人をメタボ予備軍、2つ以上の人をメタボとして減量に向けた保健指導の対象としている。

 健診の見直しを議論した医師や研究者らで構成する有識者会合は、まず腹囲を測る現行の方法では隠れメタボが見落とされ、心筋梗塞や脳卒中などの危険性を警告できないと指摘。5月には、検査で危険因子を持つと判明した人を指導の対象とし、その上で腹囲の基準を超える人に減量を指導すべきだと結論付けた。

 だが健康保険事業者などで構成する今回の検討会は、費用増大への懸念も背景に、指導の対象を拡大するより、メタボの人たちに対する指導の実施率を上げる方が優先度は高いとした。今の指導は減量が中心で、隠れメタボに対応するためには新たに指導内容を検討する必要も出てくる。

 隠れメタボに関しては、危険因子を1つ以上持つ人は、持たない人より循環器疾患を発症する危険性が2倍程度高いことが門脇孝東京大教授の調査で判明している。

ご存知のようにこのメタボリック症候群の判定と言うもの、どれほど血圧やコレステロールが高かろうが腹囲が一定以上なければメタボではないと判断されてしまうと言う基準になっていて、さすがにそれは素人目にもいささかどうよ?と思われる方も多いと思いますし、実際に過去にも繰り返し議論されてきたところではあります。
実はこの5月に当の厚労省から、肥満ではない人でも生活習慣病になると言う科学的データが揃ったと言う理由で現行の制度を見直し、腹囲が基準以内でも他の項目がオーバーしていれば指導対象とする方針と決めたと言うニュースが出たばかりだったのですが、わずか3ヶ月を経ずして180度ひっくり返ったような内容になっていることに驚いた方もいるでしょう。
その理由として5月に結論を出したのが医師ら有識者による会合であり、今回結論を出したのが健康保険事業者らの検討会であると言うことが挙げられますが、要するにまず真っ先に腹囲と言う安上がりな基準でふるい分けをしないと金が掛かって仕方がないからと言う、まことにごもっともな?理由でこうした結論が出されたと言うことですよね。

実際に今の時代メタボ判定で何かしら引っかからない人の方が少ないと言うくらいで、基準を厳しくすればするほど指導対象者も増え治療に回される人も増加し、国の医療費負担がますます増えていくと言う結果になるのですから国としても短期的には歓迎でしょうが、しかし長期的に見れば損得勘定がどうなのかと言うことは未だ何とも言いがたいものがありますよね。
ただメタボ健診で引っかかった人に対する保健指導と言うことに関して言えば、正直企業健診として義務的に行われているものに対してどれほど真剣に向き合うのか疑問符がつくところで、現状では何ら生活を改善する意志も意欲もない人々に義務的に指導してお茶を濁すと言う、あまり実効性のない段階で終わってしまっている場合も多いのではないかと思います。
現状で約半数に留まるメタボ健診受診率を国は7割まで引き上げると言っていますが、引き上げて引っかかる人が増えてもそれがきちんとコントロールされないまま放置されるのであれば意味のないことで、本当に問題にされるべきなのは単なる健診受診率ではないんじゃないかと思うのですけれどもね。

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コメント

これウエストサイズの男女差のほうが気になってるんですが。

投稿: ぽん太 | 2016年8月 5日 (金) 08時02分

まさしく戦力の逐次投入ですね。全力投入できないのに、撤退もしない。健診屋が、細く長く商売し続ける構図変わらず、です。

投稿: 麻酔フリーター | 2016年8月 5日 (金) 10時17分

メタボに関しては全く改善する意志のない人にリソースを集中投入するのも効率が悪いのかなという印象を抱いていますが、そういう人の方がハイリスクなんでしょうね。

投稿: 管理人nobu | 2016年8月 5日 (金) 12時43分

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