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2016年8月27日 (土)

相手を選べば何をやってもいいと言う思想

先日のオリンピック閉会式を巡って、妙なところで炎上騒動に波及していると言うニュースが出ていました。

安倍マリオを「原発事故」呼ばわり 東京新聞記者が「メルトスルーを想起」(2016年8月23日J-CASTニュース)

 安倍晋三首相がマリオに扮して現れたリオ五輪での演出について、東京新聞の男性記者が原発事故のある現象を想起したとツイートし、物議を醸している

■「リオ・シンドローム!」

 2020年の東京五輪に向けて16年8月21日(現地時間)の閉会式で行われたサプライズ演出は、ネット上で話題を呼び、好意的な声も多かった。日本のポップカルチャーを代表する人気キャラを次々に紹介したことも、海外のファンらの注目を集めた。
 そんな中、東京新聞の男性記者は、22日のツイートで一風変わった見方を披露した。「東京からリオへワープ」というシナリオについて、この記者は、「メルトスルーを想起した」というのだ。メルトスルーとは、核燃料がメルトダウンして原子炉の底を突き破ってしまう現象を指す。
 そして、記者は、次のようにツイートを続けた。
  「原発事故で高温の核燃料が地中にのめりこみ、地球の裏側へ...リオ・シンドローム!
 リオ・シンドロームとは、1979年に公開されて話題になった米映画「チャイナ・シンドローム」をかけた表現のようだ。映画では、メルトスルーした核燃料が地中にめり込んで、アメリカから地球の裏側にある中国にまで到達してしまうというブラックジョーク的な意味で題名の言葉が使われていた。
 東京新聞の記者は、政府の原発政策をツイッターで度々批判しており、ネット上では、今回も安倍マリオを揶揄してつぶやいていると受け止められた。1000件以上もリツイートされ、疑問や批判が次々に寄せられて炎上している。
(略)

今どきの若手社員と思っておりましたらこの佐藤圭記者、東京本社特別報道部デスクと言うくらいですから同社内ではバリバリの主流派なのでしょうが、東京新聞と言えばかねてユニークな論調で日本にこの一紙ありと知る人ぞ知る良心的な報道機関であるだけに、同社の社風を知らしめるものとしてネット上でも「さもありなん」と生暖かく受け止められているようです。
安倍総理に関しては以前にも新潟日報報道部長の坂本秀樹氏がネット上で中傷発言を繰り返していたことが問題となり、過去の様々なヘイト発言が掘り起こされ解職されるまでになったことが思い出されるのですが、一部の進歩的な方々にとっては何を言っても許容されると言う免罪符的存在なのでしょうか、公の場でさえいささか節度を欠いた差別的言動をされる方々も少なくないようですね。
特定の相手であれば他では許されない行為でも許されると言う考えは自覚的に用いないでいるとかなり危ないものだと思うのですが、この種の攻撃対象としてもう一つ、進歩的な方々から格好の攻撃対象として取り上げられる機会が多いのがご存知在日米軍で、先日天下の朝日新聞がこんな声を取り上げたと言うことが思わぬ波紋を呼んでいます。

辛坊治郎氏が激怒。米軍への「ヘイト」にしか見えぬ朝日新聞の投書欄(2016年8月12日MAG2ニュース)

6月に施工された「ヘイトスピーチ防止法」。特定の人種や民族への差別を煽るための「ヘイトスピーチ」を制限するために制定されたこの法律について、キャスター・ジャーナリストの辛坊治郎さんは自身のメルマガ『辛坊治郎メールマガジン』で、朝日新聞に掲載された読者投稿の内容を例に挙げ、「危うい法律」だと指摘。「ヘイトスピーチ」防止法が将来的には権力による言論統制の出発点になる可能性があると、強い危惧を抱いているようです。

米軍関係者への「ヘイト」としか思えない朝日新聞の投書

終戦記念日の直前の8月11日、朝日新聞の読者投稿欄である「声」欄を読んでいて、戦慄しました。こんな投稿の掲載が、全国紙、それも日本を代表する日刊紙に許されていいんでしょうか?
投稿者は京都府に住む82歳の男性で、以下のような内容でした。

    「緑と入日の美しい京都府最北端、京丹後市経ヶ岬に米軍の移動式早期警戒レーダー『Xバンドレーダー』が配備されることが私たちの地元に伝えられて3年半になる。日本国内2基目、近畿で唯一の日米地位協定に基づく基地。2014年からレーダーの本格運用が始まり、米軍関係者らも地元で暮らしている。
    (中略)弾道ミサイルを探知するXバンドレーダーは稼働しているが少し前には沖縄県で、元米海兵隊員の米軍属の男による女性殺害・遺棄事件が起きた。私達住民は自分の事として憂慮している。私たちは日常的に、街中でもスーパーでも米軍関係者と出会っている。沖縄の事件の事を思うと怖い
    (中略)地域住民全体が安心して生活する権利を、確保するか否かの瀬戸際である。私も憂慮する市民の一人である。憂うべき現在の問題に、敢然と対処して行かねばならないと切実に思う。」

これって明らかに米軍関係者に対するヘイトスピーチでしょう。
アメリカで元軍属が凶悪事件を起こした事を引き合いに出して、米軍関係者を「怖い」って言うのは、誰がどう言いつくろっても間違いなく唾棄すべき差別です。例えば在日外国人が凶悪犯罪を起こしたからと言って、その外国人と同じ国籍の人に対して「身近にいるのが怖い」というのは間違いなくヘイトスピーチですよね。
だって、アメリカ元軍属の沖縄での強姦殺人(犯人は強姦については認めていないようですが、たぶんそうでしょう)と米軍の活動との間に直接的な因果関係はなく、「米軍関係者=凶悪な犯罪の恐れのある人々」と、百歩譲って個々の人間が思うのは個人の勝手ですが、その差別意識を新聞の投書欄に掲載するのは間違ってます。
これ程明らかな差別投稿を紙面に掲載する朝日新聞って、いったいどうなってるんでしょうか。

例えば、「北朝鮮が拉致という凶悪事件を起こした。近所に在日朝鮮人が住んでいるのが怖い」と投書したら誰でもこれがヘイトスピーチだと分かりますよね。でもこっちの方がさっきの投稿よりはまだ大分マシです。
なぜなら、北朝鮮の拉致は、北朝鮮政府自体がかかわっていたことが明らかになっていて、実際に朝鮮籍の在日の人が犯行に加担していたことが判明しています。つまり、この意味で「在日朝鮮人が怖い」という指摘については、全く根拠がない訳ではありません。
(略)
話を元に戻すと、「拉致があったから朝鮮籍を持つ在日の人が怖い」と公然と口にするのはヘイトスピーチではあるものの、論理的に完全な間違いとは言えません。しかし、「元米軍属が強姦殺人事件を起こしたから在日米軍関係者が怖い」というのは、「一分の理」も無いヘイトスピーチです。

高齢男性がそう思い、それを新聞に投稿するのは言論の自由です。しかし、これを活字にして紙面に載せるのは全く次元の違う話です。朝日新聞には猛省を求めたいです。
(略)
私はさっきの朝日新聞の投稿は、6月に施行された「ヘイトスピーチ防止法」に引っかかると確信しています。しかし朝日の担当者はそう思わなかったってことですよね。
ここがこの法律の恐ろしい所で、何がヘイトかはとても難しく、これを法律で規制出来るとすると、将来この法律が出発点になって、権力に都合の悪い言論が「ヘイトだ」と規制される可能性が生まれるんじゃないかと私は強く危惧しています。

朝日新聞と言えばかねてヘイトスピーチ反対の立場から論陣を張ってきた日本の代表的な進歩的メディアで、2014年にはヘイトスピーチに関する最高裁判決を社説で取り上げ、「これを機に、ヘイトスピーチを繰り返している団体は、人権侵害を伴うような街宣行為をきっぱりとやめるべきだ」と断言しています。
他方でまさに現在進行形で沖縄県内で行われている活動などがこれに相当するのだと言う指摘は以前から根強くありますが、興味深いことに一部の方々は米軍に対する反対活動は国民の基本的権利でヘイトスピーチではないだとか、甚だしきは「在日外国人が日本人は誰でも殺せと言っても差別発言ではない」等々、相当に対象限定的あるいは恣意的とも言えるヘイトスピーチの定義をされているようですね。
ちなみに長い議論の末に今年成立したヘイトスピーチ対策法ではその保護すべき対象を「本邦の域外にある国若しくは地域の出身である者又はその子孫であって適法に居住するもの」と定義していて、それこそ「日本人は殺せ」が規制されないことへの懸念の声も少なからずあるものの、少なくとも在日米軍や元軍属の米国人に対してヘイトが許されると言う解釈は成立しそうにはないように思います。
昔から差別と言うものの本質を示して足を踏まれた痛みは踏んだ者には判らないと言う言葉がありますが、誰かに対してはやってはいけないことを別の誰かに対してなら幾らやっても構わないと考えること自体が差別の第一歩だとするならば、ヘイト行為とはその行為が誰に向けられたかではなく、何が行われたかと言う点で判断されるべきものではないかと言う気がします。

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東京地裁 429号法廷
第一回口頭弁論

原告 桜井誠
原告側代理人弁護士 尾崎幸廣、同弁護士 高池勝彦

被告 有田芳生

訴訟内容

「自称桜井誠=高田誠の存在がヘイトスピーチ=差別煽動そのものです。差別に寄生して生活を営んでいるのですから論外です。」など他一件のツイッターでの発言事実を受けて、著しく原告側の名誉が傷つけられたとして被告に対し500万円の賠償を求める。

本裁判は訴訟自体を優先させたため、有田芳生のツイッターから直近の発言二件のみですが、確実に名誉毀損にあたるものを東京地裁に提訴しました。ヘイトスピーチ反対を訴える公人としての国会議員が、一私人に過ぎない桜井に対してヘイトスピーチを撒き散らすことが許されるのか?を司法に問いたいと思います。有田芳生による桜井の人格権、生存権そのものを否定するヘイトスピーチに対し、司法の判断が下されます。

ヘイトスピーチ反対の国会議員がヘイトスピーチで訴えられる前代未聞の裁判です。皆さま是非22日は傍聴にお越し下さい。

http://ameblo.jp/doronpa01/entry-12191590114.html

投稿: | 2016年8月27日 (土) 08時57分

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