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2016年8月

2016年8月31日 (水)

日本の医療は安くて良質は嘘!?

先日出たこちらの話が一部方面で大きな反響を呼んでいることをご存知でしょうか。

日本の医療費、世界でも高額 対GDP 新基準で順位急上昇 「安く上質」の根拠崩れる?(2016年8月22日日本経済新聞)

 日本の医療や介護は諸外国と比べて安いのか。経済協力開発機構(OECD)がまとめた2015年の国内総生産(GDP)比の保健医療支出の推計値では、日本が順位を一気に上げて3位となった。厚生労働省や医療関係者は「低費用で上質なサービスを提供している」と主張してきたが、少なくともコストの面では疑ってみる必要がある。(中島裕介)


我が国の保健医療支出は米国、スイスに次ぐ第3位、「日本は低医療費」に疑問符―医療経済研究機構(2016年8月9日|目ディウォッチ)

 各国の保健医療支出を比較するに当たり、OECD(経済協力開発機構)は訪問介護や特別養護老人ホームなどの費用を含めるとする「新基準」(SHA2011:A System of Health Accounts)を定めました。
 これに基づくと、2014年度における日本の保健医療支出は55兆3511億円で、対GDP比は11.4%。これは、米国、スイスに次ぐ第3位となることが、医療経済研究機構の調べで明らかになりました。
 これまで我が国は「低費用で高い質の保健医療サービスを受けている」とされてきましたが、この認識を改める必要もありそうです(関連記事はこちら)。

OECDの保健医療支出の新基準では、多くの「介護費用」も含めることに

 OECDは、これまで各国の保健医療支出をSHA1.0という基準(旧基準)で比較してきました。この基準には、我が国の介護サービスのうち訪問看護や介護療養型医療施設などの費用は含まれていましたが、訪問介護や特養ホーム、多くの地域密着型サービスの費用などは除外されていました。
 この点、新基準であるSHA2011では、これまで除外されていた介護サービス費も保健医療支出に含むことになりました。医療経済研究機構は、新基準では長期医療(保健)サービスに「医療の有資格者が提供するサービス」(これまで含まれていた訪問看護や介護療養病床など)に加えて、「ADLに関するサービス」が含まれることになった、と説明しています。
 旧基準によると、2014年度の保健医療支出は49兆2059億円と推計され、対GDP比で10.1%となっています。OECD加盟35か国中10位(米国、オランダ、スイス、スウェーデン、ドイツ、フランス、デンマーク、ベルギー、カナダに次ぐ)となります(諸外国は2012または13年度)。
 また1人当たり保健医療支出は、同じく旧基準によると38万6542円で、35か国中14位(米国、スイス、ノルウェー、オランダ、ドイツ、スウェーデン、アイルランド、オーストリア、デンマーク、ベルギー、カナダ、ルクセンブルグ、フラス、オーストラリアに次ぐ)となっています。
 これらは先進諸国に比べて低い水準となっており、「我が国は低い費用で、質の高い保健医療サービス提供を実現している」とされてきました。

 しかし、公的介護保険給付の多くを加えた新基準によると、2014年度の保健医療支出は55兆3511億円と推計され、対GDP比で11.4%となります。これは、米国、スイスに次ぐ第3位の数字なのです。(ただし1人当たりで見ると43万4816億円で、35か国中15位
 このため、我が国の「低費用で高品質の保健医療サービス提供を実現する」という認識を改めなければならない可能性もあります(関連記事はこちらとこちら)。もっとも医療経済研究機構では、「SHA2011の新基準に対し、諸外国がどのような対応をとったのかは明確になっていない」と慎重な姿勢をとっています。諸外国でも介護サービス費用の計上がなされていない可能性もあり、今後のOECDデータに注目する必要があります。

ちなみにこの安くて良質な医療と言う言葉、良質の方もそうですが安い高いに関しては特に、言う人によって国民総支出の多寡を問題にしているのか、それとも患者の立場での窓口負担を言っているのかが混乱していますから、話を聞く際にもその点には留意いただきたいと思います。
もともと医療と介護を始めとして各種社会保障の間に明確な線引きは出来ず、各国ごとの制度のあり方やデータの取り方も違うのですから同列に比較すること自体が困難ですが、今回新たに打ち出された新しい国際比較の指標においては日本の支出がずいぶんと多いことになってしまったと言う話で、これだけ社会保障コスト抑制が叫ばれている中でまあそうなのだろうなと納得は出来る話ですよね。
注目いただきたいのは一人当たりの支出で見れば決してそこまで高いわけではないと言う点で、やはり低成長による国家経済自体の縮小も影響している可能性もあるのですが、それよりも注目したいのは日本の医療費支出において公的支出の割合が非常に高いと言う点で、全体的なコストは増大を続ける一方で未だ自己負担は少ないと言う感覚とも一致する話かと思います。
当然ながらこの公費負担なるものも元を正せば国民から集めた税金なのですから、目先の自己負担のみでなく増大する一方の総支出を抑制しなければ大変なことになると言うのが昨今の社会保障抑制議論の出発点であり、これはこれで財政面のみならず国民負担を考える上でも根拠のある話であろうと思えます。

ただこの日本の医療費が急増していると言う話自体はかなり以前から断続的に出ていることで、ちょうど一年前に2015年のOECD統計を解析して「日本の医療費は過小推計。実際は米国に次ぐ2位」と言う記事が出ていましたし、2005年にはOECD平均並みだった支出がその後急速に伸びていることを問題視する記事も出ていました。
この原因として相変わらず諸外国よりも圧倒的に長い入院期間など日本医療独自の問題に加えて、年5%の高率で増加を続ける薬剤費の問題がこのところクローズアップされているのは周知の通りで、今後国としても更なる後発医薬品の推進あるいは半強制化に加えて、医師の処方内容そのものに対しても干渉を強めてくる可能性が十分にありそうです。
先日は皮膚疾患に用いられる高価な新薬を巡って、まず薬価が安い薬を先に使い、どうしても新薬を使う場合レセプトに理由を記載せよとの厚労省通知が出されたことが報じられ、また市場規模が当初予測の10倍超、かつ1000億円超の薬剤を対象に同様の使用に関する通知と共に「薬価に係る緊急的な対応」を行う方針だと報じられていました。
この薬効など医学的評価ではなく、純粋に経済的側面からの評価のみで医療のあり方を規制すると言うことは少なくとも公式には今まであまりなかったことですから、これ以上の介入を阻止したいと言うことであれば医療の側からの各種ガイドライン等で医療経済学的な視点を今まで以上に取り込んでいく必要がありそうですよね。

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2016年8月30日 (火)

医師のわいせつ事件を病院側が全力で擁護

昨今少々のことでは驚きませんが、先日出たこちらの記事を見た際には少しばかり驚いたものでした。

術後、女性患者にわいせつ容疑 医師を逮捕(2016年8月25日日本経済新聞)

 手術後で麻酔が残る女性患者にわいせつな行為をしたとして、警視庁千住署は25日、柳原病院(東京都足立区)の非常勤外科医、関根進容疑者(40)=文京区本駒込2=を準強制わいせつ容疑で逮捕した。同署によると、関根容疑者は「やっていない」と容疑を否認している。

 逮捕容疑は5月10日、30代の女性会社員を手術した後、全身麻酔の影響で身動きが取れないことにつけ込み、病室で診察を装ってわいせつな行為をした疑い。女性から相談を受けた会社の上司が同署に通報した。

手術後の女性患者の胸なめる 医師の男逮捕(2016年8月26日日テレニュース)

 東京・足立区の病院で30代の女性患者の胸の手術をした医師の男が、手術後に診察を装ってわいせつな行為をしたとして警視庁に逮捕された。

 準強制わいせつの疑いで逮捕されたのは、足立区の「柳原病院」の非常勤の医師・関根進容疑者(40)。警視庁によると関根容疑者は今年5月、30代の女性患者の胸のしこりの摘出手術後に「傷口を確認する」などと診察を装って女性の胸をなめたり、胸を見ながら自慰行為をするなどわいせつな行為をした疑いが持たれている。当時女性は全身麻酔から覚めたばかりで抵抗できない状態だったという。

 関根容疑者は6年程前から女性の担当医で、警察の調べに対し「やっていません」と容疑を否認しているという。

何が驚いたと言って実名入りでここまで詳細なわいせつ行為の内容が一般ニュースに流れたと言うのにも驚きですけれども、手術は乳腺の腫瘍だったと聞きますが一般論として手術前ならともかく手術後の胸をわざわざ性的対象にするものだろうかと言う疑問を抱いたところです。
昨今はどこの業界でもこの種の変態的行為に及ぶ人は決して珍しくありませんから、同医師が実際にこういう特殊な性癖を持っているならいるでいいのですけれども、興味深いことに事件報道の直後から病院側があまり例を見ないほど強力な同医師擁護の論陣を張っていることが報じられています。

「医師がわいせつ」は麻酔後の「せん妄」 病院が逮捕の警視庁に抗議の異例事態(2016年8月29日J-CASTニュース)

   わいせつな行為をしたとして非常勤の男性外科医(40)を逮捕した警視庁に対し、病院側が不当逮捕だとホームページ上に異例の抗議文を載せた。30代女性患者の訴えだけを根拠にしていると批判しているが、警視庁は、J-CASTニュースの取材に対し、捜査中だとして回答を控えている。
   「警視庁による当院非常勤医師逮捕の不当性について抗議する」。東京都足立区の柳原病院が2016年8月25日付で出したこんなタイトルの声明は、医療機関としては異例ともいえる断固たるものだ。

病院がホームページ上で異例の声明 逮捕された医師「やっていません」

   報道などによると、女性患者は5月10日昼過ぎに柳原病院で男性外科医による右乳腺腫瘍の摘出手術を受けた。しかし、手術後に全身麻酔で体の動かない女性に対し、外科医は診察を装って病室で着衣を脱がせ、左胸をなめるなどした疑いが持たれている。
   女性の胸を見ながら自慰行為をしたり、再び病室に来てわいせつな行為をしたりしたと一部で報じられている。女性の体から外科医の唾液が検出されたともいう。女性は、外科医が6年ほど前から別のクリニックで担当医をしており、手術のため柳原病院に入院していた。
   女性が相談した会社の上司が110番通報し、その後、女性が被害届を出していた。警視庁千住署では8月25日になって、外科医を準強制わいせつの疑いで逮捕した。メディアの中には、実名で報じているところもある。調べに対し、外科医は、「やっていません」と容疑を否認しているという。
   これに対し、外科医が勤める柳原病院は、ホームページ上の声明で、職員らへの聞き取り調査や現場検証をした結果、わいせつ行為はなかったと結論づけた。

警視庁「捜査中なので、回答は控えたい」

   声明では、女性患者は、4人部屋にいて、看護婦が頻繁に経過観察に来ており、多くの目があるため、知られずにわいせつ行為はできないと指摘した。行為があったとする手術後35分以内は、「手術前の恐怖や不安と全身麻酔で行った手術後せん妄状態での幻覚や錯覚が織り交ざったもの」と考えられるとしている。
   「せん妄」とは、意識障害が起き、幻覚を見ることもある状態を指す。
   病院では、被害届が出た後、こうした調査結果をもとに、7月7日に警察に捜査を中止するよう求める申入書を顧問弁護士名で出していた。今回の逮捕についても、警視庁に対し、謝罪や速やかな捜査中止、外科医の釈放を求め、「この様なことが許されれば、今後、施術医師が術後診察に病室を訪れることを躊躇う要因ともなり、正当な医療行為に制約を付すことになりかねない」と怒りを露わにしている。

   ツイッター上などでは、医師らが今回の逮捕について議論を交わしており、麻酔薬では性的悪夢を見ることがあるとの指摘も多い。また、麻酔が切れた数日後もせん妄の症状が現れることがあるという。海外の研究論文なども紹介されており、本当にわいせつ行為だったのか疑問の声が続出している。
   柳原病院では8月29日、女性はせん妄状態だったとしたことについて、「これまでの経験に基づき、論文を調べたうえで結論を出しています」とJ-CASTニュースの取材に説明した。警視庁からの回答はまだないという。
   厚労省の安全対策課は、「麻酔薬すべてではないですが、種類によってはせん妄の副作用が報告されています」と取材に答えている。
   警視庁の広報課では、「捜査に関する事項ですので、回答は控えさせていただきます」とだけコメントしている。

この麻酔薬による譫妄と言うもの、あちらこちらの施設からあれやこれやの症例報告が漏れ聞こえてきますから実際に少なからずあるのでしょうけれども、胸を舐めた云々はともかく病室で自慰行為云々と言う話に関しては当該時間帯には4人部屋にいたと言うことで、さすがにその状況下でそうした行為に及ぶと言うのは一般常識的にはいささか考えにくいですよね。
興味深いのは一部報道で唾液という物証があると言われている点ですけれども、そもそも本人が一体いつどうやって唾液を採取出来たのかが問題で、事実検体があるのだとすれば術直後の麻酔も覚めず身動きも声出しも出来ない時期に採取を行ったことになりますが、患者本人がどういう手段で回収し保存していたのかと考えると、何やら薄ら寒いものを感じるという声も少なくないようです。
こうした諸事情を考慮した結果病院側もこれは冤罪であると確信したからこそのこうした声明の公表だったのでしょうが、ただ今回の一連の経緯が何故起こったのかと言うことを考えた場合に、今後どうやったら再発防止が出来るのかと言うことに関して多くの課題が浮かび上がってきます。

そもそも以前から医師に限らず検査技師がわいせつ行為に及んだ等々の訴えもしばしばあり、今や異性患者と密室で二人きりにならないよう予防措置が講じられるのが一般的ですが、今回のように4人部屋と言う密室とほど遠い環境にあっても訴えられると言うことになれば、今後どのように対応したらいいのかです。
前述の唾液の件などもそもそもいつ誰がそれを本人のものと確認したのかもそうですが、警察も患者の訴えだけでいきなり逮捕と言うはずもないでしょうし、恐らく唯一の物的証拠として逮捕に至るかなり重要な鍵となったでしょうから、この辺りは今後の裁判の進行に伴い客観的事実関係が判明していくことを期待したいですね。
この医師と患者本人はかなり以前から診療上の関係があったと言うことで、今回の経緯に至るまでに何かしらトラブルなりはなかったのかと言った想像もしていたのですが、正直あまりに突飛な証言内容であったからこそこうして大騒ぎになり検証もされているのであって、患者から胸を触られた等々のありがちな訴えであれば身に覚えがなくとも医師の側が病院当局から謝罪に追い込まれていたかも知れないですよね。

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2016年8月29日 (月)

千葉県に医学部新設、その先に見えてくるもの

いよいよと言うのでしょうか、千葉県に新たな医学部が開設されそうだと言うニュースが出ていました。

2017年4月に医学部新設へ、国際医療福祉大学(2016年8月26日医療維新)

 文部科学省の大学設置・学校法人審査会は8月26日、2017年度からの千葉県成田市にける国際医療福祉大学の医学部新設を、7つの留意事項を付して答申した(資料は、文科省のホームページ)。答申を受け、8月31日に文科相が設置認可する予定。医学部入学定員は140人、うち20人は留学生枠。2016年4月の東北医科薬科大学に続き、2年連続で医学部が新設されることになる(『東北医科薬科大学、一期生100人が入学』を参照)。
 国際医療福祉大学は26日、「広く門戸を開き、これまでにない新しい世界水準の医学教育を行う」との声明を公表している。2020年には医学部校舎のある成田キャンパス近くに640床規模の医学部附属病院「国際医療福祉大学成田病院」を新設し、「感染症国際研究センター」なども設置予定だ。「医学部生の臨床実習で活用するほか、2020年後の東京オリンピックも見据え、国際都市・成田における質の高い医療とサービスの提供を目指す」(同大)。

 千葉県成田市は、国家戦略特区に指定され、2015年11月27日の国家戦略特区諮問会議で、同特区での医学部新設が了承された(『国際医療福祉大学、「明治以来の医学教育を変える」』などを参照)。これに対し、日本医師会、日本医学会、全国医学部長病院長会議などはこれまで再三にわたり、医学部新設には異議を唱えており、この7月にも3者の連名で、大学設置審に対し、慎重な検討を求める文書を提出していた(『成田医学部、「将来に禍根を残さないよう判断を」』を参照)。
 国際医療福祉大学は、既に成田キャンパスに、2016年4月から看護学部などを開設、2016年1月には医学部校舎の起工式を行った(『『世界的な医学部』新設へ、成田で起工式』を参照)。同起工式の席上で、学校法人理事長の高木邦格氏は、「医学部では地域医療に貢献し、また海外の医療教育でも貢献できる総合診療力を持った医師の育成を目指す。教員のレベルも日本で最高水準にしたい」との抱負を述べていた。2016年3月に、文科省に対し、医学部の設置認可申請を行った。

 答申に当たっての留意事項として、まず同大医学部が特徴とする海外での臨床実習について、その質を確保するほか、実習先はアジア諸国だけでなく、欧米諸国も確保することが求められた。そのほかの留意事項は、(1)人体の生理機能を理解するためにシミュレーターを利用するだけでなく、生理学、生化学、分子生物学など、基礎医学に関する実習を充実、(2)全ての留学生が将来母国のリーダーとして活躍できるよう、母国の政府機関等の推薦を受けていない私費留学生を含め、卒後の進路の支援体制を充実、(3)附属病院の財政における不測事態への対応など、リスク管理の一層の強化、(4)認可後に収納予定である補助金(千葉県、成田市)が収納されたら、その旨を報告――などだ。
 同大によると、医学部の特徴は、以下の通り。

(1) 国際標準を上回る医学教育を通じて、高い総合診療能力を身に付けた医療人材の養成
(2) 1年次から医学に関する大多数の科目で英語による講義を実施
(3) 定員140人のうち20人は東南アジアを中心とした留学生を受け入れ、将来母国の医療分野のリーダーとなり得る人材を育成
(4) 学術協定を締結している世界16の国・地域、約30の大学・機関・病院のうち、12の機関での海外臨床実習をする
(5) 4つの附属病院や多くの大学関連施設で臨床実習を実施
(6) キャンパス内に設置する5000m2を超える世界最大級の「医学教育シミュレーションセンター」における充実した実践教育を実施
(7) 私立大学の医学部で最も安い6年間で1850万円の学費設定に加え、さまざまな奨学金や学士ローンを用意

かねて人口比率で医学部定員が過少な代表的地域とされてきたのが千葉と埼玉ですから、過疎化が進む東北に新設医学部を開くならよほどこちらの方が緊急性が高いだろうとは言われてきたところで、このニュース自体にはそこまでの驚きはないと思うのですが、いささか疑問符がつくのがその内容ですよね。
新大学は以前から国際的に活躍する医師養成を目指すと言うことを言っていて、医学部の特徴としてあげられた各事項を見てもまさしくそうした人材養成に特化した大学になるのだろうなと思うのですが、こうしたことが全て達成された場合には千葉県の地域医療に人材が還元されると言う効果には乏しく、さらに言えば別に千葉県で開設される必要性もなさそうに思います。
この辺りは単に医師不足、医学部不足だから新設しますでは余計な反発がさらに大きくなると言う大人の事情も絡んでのことで、大学側としてもこうしたお題目を掲げるしかなかったのでしょうが、こうした国際的な人材養成からドロップアウト?していく先生方も決して少なくはないのでしょうから、結局地域にも環流はされていくはずですよね。
もちろんかつて医療崩壊先進地の一つと言われた千葉県東部地区に600床クラスの医大が新設されるだけでも、即効性の効果として地域の医療需給バランスは改善するのでしょうが、こうなると今度は同様に医師不足が言われる埼玉に噂通り早稲田が悲願の医学部を設立するのか、その次はどこかと考えてしまいますよね。

医師配置が全国均等ではないことは当然で、厚労相直々に医師余り地域に指定された徳島を始め西日本各地では東日本に比べてややリソースが豊富であるとも言われてきましたが、都道府県単位で考えずともそもそも医師不足だ、過剰だと言うことはどう判断するのかと言った場合に、県土の広さや交通網、医療機関の分布など様々な因子によって一概に判断は出来ないと言う声は根強くあります。
地域医療圏の中での医師配置についてもどうあるべきかと言う議論もあり、今後都道府県が主導する地域両構想の中で各県の実情に応じた医療のあり方が決まってくるはずですが、その前提として医師配置をどうやってコントロールすべきなのか、そもそもコントロールしていいものなのかどうかと言うことが常に議論されてきたところですよね。
ちょうど先日は厚労省が医師の卒後の経歴をデータベース化し偏在解消に活用すると言うことを言い出したと報じられていましたが、当然ながら偏在解消に活用するためにはどのようにと言う方法論が必須であるわけですから、今後集積した情報を元に下医師強制配置なり地域誘導なりの具体策がどこかで出てくるのだと思います。
今現在勤務なり開業なりしている地域を離れて強制的に転勤転居をさせると言えば話が大きくなりますから、恐らくは新卒医師や若手を中心に配置先を決めていくと言う方法が主体になるかと思うのですが、当然ながらこうした若手医師がいなければ基幹病院などは回りませんから、下手すると永久勤務先を見つけたとベテランの先生方が安心していられるのも今のうちと言うことになるかも知れませんにょね。

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2016年8月28日 (日)

今日のぐり:「又来軒(ゆうらいけん)本店」

ロボット掃除機と言えば昨今ではペットとの取り合わせなどが定番化しているそうですが、時と場合によってはそれが大変悲惨な結果につながると言うケースが報告されていました。

「ルンバがペットのうんこを床に塗りつけていく」 ロボット掃除機の「大惨事」が...(2016年8月18日J-CASTニュース)

   家に帰ってドアを開けたら、床一面にペットの「うんこ」が塗りつけられていた――。こんな悪夢のような出来事が、「ルンバ」に代表されるロボット掃除機の利用者から実際に報告されている。
   ロボット掃除機がペットのフンを「掃除」する際に、タイヤや底面のブラシに「それ」がべったりと付着してしまうケースがある。こうした状態のルンバが、いつも通り部屋中を掃除して回ることで、床一面が「うんこだらけ」になってしまうというのだ。

   ロボット掃除機の「悲劇」が話題を集めることになったのは、英紙「ガーディアン」電子版が日本時間2016年8月16日に公開した記事がきっかけだ。「Poop(うんち)」と「Apocalypse(黙示)」をあわせた「Poopocalypse」という造語を見出しに用いて、この衝撃的な出来事を伝えている。
   記事では、ロボット掃除機による「大惨事」の被害に遭ってしまったアメリカ在住の男性がフェイスブックに寄せた投稿を紹介している。タイマー機能で毎日深夜に「ルンバ」を掃除させていたというこの男性。だがある晩、うっかり飼い犬を小屋へ移すのを忘れて寝てしまったという。
   「ウン」が悪いことに、この飼い犬はルンバが起動する前にリビングでフンをしてしまった。その後、いつも通り掃除をはじめたルンバは、途中で犬のフンをべったりとタイヤに付着させてしまう。翌朝、男性が目を覚ましたときには、リビングの床は一面「うんこだらけ」になっていたそうだ。
   ルンバを製造する米アイロボット社はガーディアン紙の取材に対し、「はっきりいって、こうした悲劇は数多く報告されています」とコメント。その上で、「弊社のエンジニアはお客様が抱える問題の解決方法を常に研究しており、このトラブルも対応すべき問題と考えている」などと話したという。

   こうしたニュースが日本で紹介されると、国内のネットユーザーの間では「地獄すぎる」「これはまさに糞慨」と大きな衝撃が走った。さらには、「うちの家でもありました」などと被害に遭ったことを暴露する人も現れ出した。
(略)
   なお、ルンバとペットのフンをめぐる騒動について、ネット上では「部屋の中にうんこさせる飼い主のしつけが悪いだけ」「屋内の床に糞してる時点でおかしい」といった意見も数多く出ていた。

比較的起こりそうな事態であるだけに実数はさらに多いのかも知れませんが、このような状況に遭遇すればただただ天を仰ぎたくなるのでしょうか。
今日は思いがけない悲劇に遭遇してしまった不幸なユーザーに哀悼の意を表して、世界中からただ嘆息するしかないと言うニュースを紹介してみましょう。

職務質問にいきなり「かばん盗んでない」→“自供”と同じ…窃盗容疑で男を逮捕(2016年7月4日産経新聞)

 軽乗用車から現金などが入ったかばんを盗んだとして、滋賀県警大津署は3日、窃盗の疑いで自称大津市瀬田の派遣工員の男(51)を逮捕した。調べに対し、「他人からかばんを渡されただけ」と話し、容疑を否認している。
 逮捕容疑は3日午前0時半ごろ、大津市内の路上に止めてあった同市のスナック店員の女性(27)の軽乗用車から、現金約2万円などが入った手提げかばん(計16万円相当)を盗んだとしている。

 同署によると、女性は軽乗用車を駐車して離れたが、施錠し忘れたことに気付いて戻ると、ドアが閉まる音と男がかばんを持って逃げるのを見つけた。女性は男を追いかけてかばんを奪い返したが、男は持っていた自分のかばんを落としたまま逃げたという。
 女性の110番を受け、駆けつけた同署員が女性の目撃証言と似た男を見つけ、職務質問したところ、いきなり「車のドアは開けていない。かばんは盗んでいない」と話し出すなどしたため、緊急逮捕した。男は酒を飲んでいたという。

ああもう…と嘆息するしかないような逮捕劇ですが、しかしいい歳をして子供かよ!と思わず突っ込みたくなった人も少なからずだったようですね。
今の時代ちょっとした時間に思わずスマホに手が伸びると言うことは珍しくありませんが、こちら時と場合とその内容をわきまえろと言うニュースです。

試験監督中にアダルト動画、教室全体に音声 教諭を処分(2016年8月24日朝日新聞)

鹿児島県霧島市教委は24日、市立国分中央高の男性教諭(50代)が6月、教室での試験監督中にスマートフォンでアダルト動画を見ようとし、わいせつな音声を周囲に誤って流したとして、今月19日付で減給2カ月の懲戒処分にしたと発表した。

市教委や同校によると、男性教諭は6月21日午前、2年生の教室で期末試験の試験監督中に、スマホに保存していたアダルト動画を見ようとした。音声を消していたつもりだったが、ほぼ教室全体に聞こえる音量で、わいせつな音声が数秒間流れたという。
教諭は急いで電源を切ろうとしたが、あわててスマホを落としてしまい、消すのが遅れたらしい。試験はそのまま続けられたという。

ツイッターへの書き込みが拡散し、翌22日に生徒の保護者が学校に問い合わせて発覚。数日後に全校生徒や保護者に謝罪したという。市教委などの調べに対し、教諭は事実関係を認め、「同僚や生徒に計り知れない影響を与えてしまった。誠に申し訳ない」と話しているという。

市教委によると、校長が各教諭に、試験監督中は教室にスマホを持ち込まないよう指導していたが、今後は持ち込みを禁止する方針。会見した市教委の高田肥文教育長は「あらゆる機会を通じて、不祥事の根絶にねばり強く取り組んでいきたい」と述べた。

もうここまでやらかしてしまうと漫画の世界ですが、処分は減給二ヶ月でも社会的制裁と言うものはさぞや重いものになったのでしょうね。
決して真似をしてはいけないことと言うものはあるものですが、こちら幾ら何でも悪い手本過ぎると言う事故が発生したそうです。

幼い息子のためボールを追いかけた父親 高速道路ではねられ死亡(2016年08月25日テックインサイト)

川遊びの最中に子供の大切にしている物が川に流され、それを追った父親が溺死。そんな悲しい話題が頻発するこの時期だが、もうひとつ、子供とボール遊びをする場所にも十分な注意が必要であることを私たちは忘れてはならない。このほど米ニューヨーク市で…。

マンハッタンから90km近く北西に位置するニューヨーク州のワワヤンダという町で20日夜8時ごろ、35歳のニコラス・バルバさんという男性が車にはねられて死亡した。現場は州間高速道路I-84のExit 3付近。ニコラスさんは家族で湖に遊びに行く途中に車が故障し、レッカー車を待っている間に息子とキャッチボールをしていた。ところが投球が大きく逸れて道路に入り込み、それを追う中での事故であった。

ボールは道路を横切り、中央分離帯にはねかえった。息子には決して道路に入ってはならないと忠告し、安全を確認すると道路に侵入してボールを手にしたニコラスさんであったが、戻ってくる際に1台の車にはねられた。警察は「この運転手に責任はない」と判断したことを『nydailynews.com』が伝えている。

ニコラスさんの妻は高校時代から交際していたジャネットさん。ニックJr.くん、アレクサンダーくん、デリラちゃんのよき父親であり、息子たちとのキャッチボールが何よりの楽しみであったという。ひどくうちひしがれ、おまけに一家の大黒柱を失ってしまった妻子のためにと立ち上がったのは、ニコラスさんのいとこのアンドリュー・バルバさん。インターネット募金サイト『GoFundMe』を通じて人々に善意の寄付を呼び掛けており、150万円ほどの目標額に対してすでに100万円を突破しているもようだ。

どこから突っ込んで良いものか判断しかねるような事故なのですが、人間時にはこうまで愚かになれてしまうと言う現実にただ嘆息するばかりでしょうか。
こちらも突っ込みどころが多すぎて迷う類のニュースですが、ある意味笑い話の範疇で済んだのは幸いだったと言えるでしょうか。

怒って切り倒した隣家の樹木、自宅に直撃の憂き目(2016年8月25日CNN)

(CNN) 米東部ペンシルベニア州ピッツトンでこのほど、隣家の樹木の落葉に腹を立てた男性が勝手にこの木を切り倒したところ、倒れた木に自分の自宅を直撃される憂き目に遭った。

ピッツトンの捜査当局によると、レイモンド・マツァレラ容疑者は、隣家の木の葉が自分の車の上に落ちることに腹を立てていた。そこで隣家には相談しないままチェーンソーを持ち出してこの木を伐採。自分の住む集合住宅の上に木が倒れてくるとは思っていなかったらしい。
捜査員はマツァレラ容疑者の行動について、「木を伐採するのが一番だと考えた。倒れた木がどうなると思っていたのかは分からない」と話している。

木の重みで建物の土台が動いたために集合住宅は使用できなくなり、ほかの5世帯も退去する羽目になった。
騒ぎはそこで終わらなかった。マツァレラ容疑者は木を切り倒した際にけがをして病院で手当てを受け、戻ったところで近所に住む男性に警察を呼ばれてけんかになった。

警察によると、男性はマツァレラ容疑者に殴られて自衛のためにスタンガンを抜いた。マツァレラ容疑者はこの男性を野球のバットで殴り、暴行などの容疑で逮捕された。

いやもうね、ここまで好き放題やってくれればいっそ清々しいくらいですが、巻き込まれた周りの人間はたまらないでしょうねえ…
最後に取り上げますのはインドからのニュースですが、まずは黙って記事を紹介してみましょう。

妻子を捨てた22歳夫、42歳義母と再婚 不倫も“男”なら許されるインド(2016年08月25日テックインサイト)

理不尽な理由で伴侶との離婚を申請する、親族が認めない相手との結婚に走る。インドやパキスタンで女性がこれをすれば、待っているのは親族による“名誉殺人”だ。しかし男性がそれをやってもロクに裁かれることはないようだ。インドのある家庭で起きた不倫トラブルがちょっとした話題になっている。

「ほかの女性に恋をしてしまった。お前とはもう別れたい。」
こう言って若い妻に離婚を突き付けたのは、ネパールとの国境にも近いインド北東部ビハール州のプライーニという村に暮らすスラジ・マハトさんという22歳の男性。そして、子までなした妻のラリタさんを捨てた彼が一心に求めた相手は驚くことにラリタさんの母親、42歳の義母アシャ・デヴィさんであった。

『ガルフ・タイムズ』紙によれば、アシャさんは子育てを手伝うために昨年から娘夫婦と一緒に暮らすようになり、スラジさんが義母に恋心を抱くようになったのは病気をした時に親切に看病してくれたことがきっかけであったという。夫と母親のひどい裏切りに気づいたラリタさんは激怒。村の長老などにも介入してもらったが2人はついに駆け落ちし、6月1日に結婚式を挙げてダムダハという町の郊外でひっそりと暮らすようになっていた。

しかし燃えるような新たな恋もそのわずか2か月後に破局。ともに元の伴侶に謝罪し、「この結婚は愚かな過ち。私たちはあくまでも義理の母と娘婿でしかないことに気づき、深く反省しています。もう二度と同じことは繰り返しません」と訴えたという。アシャさんは長年連れ添った夫と、そしてスラジさんはラリタさんや幼い息子との暮らしに戻りたいと哀願しているが、スラジさんは『ガルフ・タイムズ』紙に「残念ながら良い返事を受け取るには至っていない」と漏らしているようだ。

何がどのような経緯でこうなったのかですが、しかし恋路を完遂するならまだしもわずか二ヶ月で破局とは幾ら何でもどうなのかですね。
周囲の人々がこの二人をどのような態度で迎えたのかはっきりしませんが、まあそれは激怒する奥さんが正しいと言うしかないでしょう。

今日のぐり:「又来軒(ゆうらいけん)本店」

こちら福山から岡山方面にかけて広く分布している中華料理のチェーン店ですが、ホテルに入っていたりそこそこ本格的なお店と言う印象があります。
その発祥の地である本店が福山市北部の辺鄙なところ(失礼)にあり、支店とはずいぶん味が違うと聞きお邪魔したのですが、確かにちょっと判りにくい場所ですよね。

こちらの本店ではレバーとニラ炒めがオススメと聞いていたので頼んで見たのですが、味はお惣菜向けの庶民的な味と言うのでしょうか、悪い味ではないのですが単品ではちょっと濃すぎる感じです。
とは言え個人的にはちょっと苦手なレバーの臭みもうまく抑えられているし、火の遠し加減の難しいニラもしゃっきり炒まっているし、これはこれでよくできてますよね。
こちらレバニラも大皿料理のボリュームですが野菜中心だけに何とか食べられたのですが、思わず主食として種類の多い焼き飯の中から玉子焼き飯なるものを頼んでしまいました。
玉子多めの普通の炒飯と言う見た目でしょうか、いわゆる黄金ではなく炒り卵がたっぷりと言うスタイルですが味も炒め加減も十分及第の水準ですよね。
この玉子焼き飯の場合ふんわり玉子がたっぷりと言う点が売りなのでしょう、確かにうまいし普通の炒飯の卵と違って具材として存在感もあるのは楽しいものでした。
ちなみにこの焼き飯の付け合わせが真っ赤な福神漬けなのは田舎の中華料理屋っぽいのですが、この不自然に濃い味が玉子たっぷりな焼き飯には確かに意外と合うようにも感じました。
つけあわせのスープも特にどうこうと言う特徴もありませんがちゃんとした味ですから、これなら確かにどの料理でも大きな外れはなさそうですね。

しかしこれだけのボリュームがあって二皿あわせて税別1000円と言う価格にもびっくりですが、味は抜きで考えても近所に立地している安い中華チェーン店よりさらに安上がりかも知れません。
各地の支店と違い、こちらは田舎の昔ながらの中華料理屋という感じで敷居は高くないですし、かなり年季は入っていそうなのに厨房が脂ぎっておらずピカピカなのは好印象でした。
ネイティブ感ある接遇はまあ見た目相応と言うところなのですが、基本的に庶民的な価格のお店ながら本格的なメニューもあるようで、ちゃんとコストをかけた料理も一度食べて見たいですね。

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2016年8月27日 (土)

相手を選べば何をやってもいいと言う思想

先日のオリンピック閉会式を巡って、妙なところで炎上騒動に波及していると言うニュースが出ていました。

安倍マリオを「原発事故」呼ばわり 東京新聞記者が「メルトスルーを想起」(2016年8月23日J-CASTニュース)

 安倍晋三首相がマリオに扮して現れたリオ五輪での演出について、東京新聞の男性記者が原発事故のある現象を想起したとツイートし、物議を醸している

■「リオ・シンドローム!」

 2020年の東京五輪に向けて16年8月21日(現地時間)の閉会式で行われたサプライズ演出は、ネット上で話題を呼び、好意的な声も多かった。日本のポップカルチャーを代表する人気キャラを次々に紹介したことも、海外のファンらの注目を集めた。
 そんな中、東京新聞の男性記者は、22日のツイートで一風変わった見方を披露した。「東京からリオへワープ」というシナリオについて、この記者は、「メルトスルーを想起した」というのだ。メルトスルーとは、核燃料がメルトダウンして原子炉の底を突き破ってしまう現象を指す。
 そして、記者は、次のようにツイートを続けた。
  「原発事故で高温の核燃料が地中にのめりこみ、地球の裏側へ...リオ・シンドローム!
 リオ・シンドロームとは、1979年に公開されて話題になった米映画「チャイナ・シンドローム」をかけた表現のようだ。映画では、メルトスルーした核燃料が地中にめり込んで、アメリカから地球の裏側にある中国にまで到達してしまうというブラックジョーク的な意味で題名の言葉が使われていた。
 東京新聞の記者は、政府の原発政策をツイッターで度々批判しており、ネット上では、今回も安倍マリオを揶揄してつぶやいていると受け止められた。1000件以上もリツイートされ、疑問や批判が次々に寄せられて炎上している。
(略)

今どきの若手社員と思っておりましたらこの佐藤圭記者、東京本社特別報道部デスクと言うくらいですから同社内ではバリバリの主流派なのでしょうが、東京新聞と言えばかねてユニークな論調で日本にこの一紙ありと知る人ぞ知る良心的な報道機関であるだけに、同社の社風を知らしめるものとしてネット上でも「さもありなん」と生暖かく受け止められているようです。
安倍総理に関しては以前にも新潟日報報道部長の坂本秀樹氏がネット上で中傷発言を繰り返していたことが問題となり、過去の様々なヘイト発言が掘り起こされ解職されるまでになったことが思い出されるのですが、一部の進歩的な方々にとっては何を言っても許容されると言う免罪符的存在なのでしょうか、公の場でさえいささか節度を欠いた差別的言動をされる方々も少なくないようですね。
特定の相手であれば他では許されない行為でも許されると言う考えは自覚的に用いないでいるとかなり危ないものだと思うのですが、この種の攻撃対象としてもう一つ、進歩的な方々から格好の攻撃対象として取り上げられる機会が多いのがご存知在日米軍で、先日天下の朝日新聞がこんな声を取り上げたと言うことが思わぬ波紋を呼んでいます。

辛坊治郎氏が激怒。米軍への「ヘイト」にしか見えぬ朝日新聞の投書欄(2016年8月12日MAG2ニュース)

6月に施工された「ヘイトスピーチ防止法」。特定の人種や民族への差別を煽るための「ヘイトスピーチ」を制限するために制定されたこの法律について、キャスター・ジャーナリストの辛坊治郎さんは自身のメルマガ『辛坊治郎メールマガジン』で、朝日新聞に掲載された読者投稿の内容を例に挙げ、「危うい法律」だと指摘。「ヘイトスピーチ」防止法が将来的には権力による言論統制の出発点になる可能性があると、強い危惧を抱いているようです。

米軍関係者への「ヘイト」としか思えない朝日新聞の投書

終戦記念日の直前の8月11日、朝日新聞の読者投稿欄である「声」欄を読んでいて、戦慄しました。こんな投稿の掲載が、全国紙、それも日本を代表する日刊紙に許されていいんでしょうか?
投稿者は京都府に住む82歳の男性で、以下のような内容でした。

    「緑と入日の美しい京都府最北端、京丹後市経ヶ岬に米軍の移動式早期警戒レーダー『Xバンドレーダー』が配備されることが私たちの地元に伝えられて3年半になる。日本国内2基目、近畿で唯一の日米地位協定に基づく基地。2014年からレーダーの本格運用が始まり、米軍関係者らも地元で暮らしている。
    (中略)弾道ミサイルを探知するXバンドレーダーは稼働しているが少し前には沖縄県で、元米海兵隊員の米軍属の男による女性殺害・遺棄事件が起きた。私達住民は自分の事として憂慮している。私たちは日常的に、街中でもスーパーでも米軍関係者と出会っている。沖縄の事件の事を思うと怖い
    (中略)地域住民全体が安心して生活する権利を、確保するか否かの瀬戸際である。私も憂慮する市民の一人である。憂うべき現在の問題に、敢然と対処して行かねばならないと切実に思う。」

これって明らかに米軍関係者に対するヘイトスピーチでしょう。
アメリカで元軍属が凶悪事件を起こした事を引き合いに出して、米軍関係者を「怖い」って言うのは、誰がどう言いつくろっても間違いなく唾棄すべき差別です。例えば在日外国人が凶悪犯罪を起こしたからと言って、その外国人と同じ国籍の人に対して「身近にいるのが怖い」というのは間違いなくヘイトスピーチですよね。
だって、アメリカ元軍属の沖縄での強姦殺人(犯人は強姦については認めていないようですが、たぶんそうでしょう)と米軍の活動との間に直接的な因果関係はなく、「米軍関係者=凶悪な犯罪の恐れのある人々」と、百歩譲って個々の人間が思うのは個人の勝手ですが、その差別意識を新聞の投書欄に掲載するのは間違ってます。
これ程明らかな差別投稿を紙面に掲載する朝日新聞って、いったいどうなってるんでしょうか。

例えば、「北朝鮮が拉致という凶悪事件を起こした。近所に在日朝鮮人が住んでいるのが怖い」と投書したら誰でもこれがヘイトスピーチだと分かりますよね。でもこっちの方がさっきの投稿よりはまだ大分マシです。
なぜなら、北朝鮮の拉致は、北朝鮮政府自体がかかわっていたことが明らかになっていて、実際に朝鮮籍の在日の人が犯行に加担していたことが判明しています。つまり、この意味で「在日朝鮮人が怖い」という指摘については、全く根拠がない訳ではありません。
(略)
話を元に戻すと、「拉致があったから朝鮮籍を持つ在日の人が怖い」と公然と口にするのはヘイトスピーチではあるものの、論理的に完全な間違いとは言えません。しかし、「元米軍属が強姦殺人事件を起こしたから在日米軍関係者が怖い」というのは、「一分の理」も無いヘイトスピーチです。

高齢男性がそう思い、それを新聞に投稿するのは言論の自由です。しかし、これを活字にして紙面に載せるのは全く次元の違う話です。朝日新聞には猛省を求めたいです。
(略)
私はさっきの朝日新聞の投稿は、6月に施行された「ヘイトスピーチ防止法」に引っかかると確信しています。しかし朝日の担当者はそう思わなかったってことですよね。
ここがこの法律の恐ろしい所で、何がヘイトかはとても難しく、これを法律で規制出来るとすると、将来この法律が出発点になって、権力に都合の悪い言論が「ヘイトだ」と規制される可能性が生まれるんじゃないかと私は強く危惧しています。

朝日新聞と言えばかねてヘイトスピーチ反対の立場から論陣を張ってきた日本の代表的な進歩的メディアで、2014年にはヘイトスピーチに関する最高裁判決を社説で取り上げ、「これを機に、ヘイトスピーチを繰り返している団体は、人権侵害を伴うような街宣行為をきっぱりとやめるべきだ」と断言しています。
他方でまさに現在進行形で沖縄県内で行われている活動などがこれに相当するのだと言う指摘は以前から根強くありますが、興味深いことに一部の方々は米軍に対する反対活動は国民の基本的権利でヘイトスピーチではないだとか、甚だしきは「在日外国人が日本人は誰でも殺せと言っても差別発言ではない」等々、相当に対象限定的あるいは恣意的とも言えるヘイトスピーチの定義をされているようですね。
ちなみに長い議論の末に今年成立したヘイトスピーチ対策法ではその保護すべき対象を「本邦の域外にある国若しくは地域の出身である者又はその子孫であって適法に居住するもの」と定義していて、それこそ「日本人は殺せ」が規制されないことへの懸念の声も少なからずあるものの、少なくとも在日米軍や元軍属の米国人に対してヘイトが許されると言う解釈は成立しそうにはないように思います。
昔から差別と言うものの本質を示して足を踏まれた痛みは踏んだ者には判らないと言う言葉がありますが、誰かに対してはやってはいけないことを別の誰かに対してなら幾らやっても構わないと考えること自体が差別の第一歩だとするならば、ヘイト行為とはその行為が誰に向けられたかではなく、何が行われたかと言う点で判断されるべきものではないかと言う気がします。

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2016年8月26日 (金)

正解は「儲かるから」でしょう

医師であり経済学博士であると言う珍しい経歴を持つ多摩大学医療・介護ソリューション研究所教授の真野俊樹氏が、先日こんな記事を書いていました。

週刊誌の「医療叩き」はなぜ起こるのか(2016年8月22日ダイヤモンドオンライン)

(略)
 最近、週刊誌も含め医療不信の話題がかしましい。実際に日本の医療レベルはそこまで低いのであろうか。
(略)
 決してそんなことはなく、むしろ、高いのである。例えば、「大腸がん」にかかり、医師の治療を受けたとする。OECDデータにおける5年生存率は、主要先進国の中では日本が世界一なのである。
 であるがゆえに、日本経済の再生を目的とする「日本再興戦略」などでも日本の医療を海外に輸出しようという話になるし、アジアにおいての日本医療への関心は高く、病気の人がわざわざ日本に治療を受けにくるという、「医療ツーリズム」が起きている。
 つまり、「うまい、安い、早い」に照らして考えれば、「うまい」が保障されていることになる。また、国民皆保険制度下にある日本医療では、患者の自己負担は廉価である(もちろん、皆保険の財源をどうやって維持していくのかという問題はあり、非常に重要な問題であることは百も承知であるが、今回は、自分が重い病気にかかり、いい医療を何が何でも受けたいという立場で考えてみた)。
 さらに、「早い」に相当する医療機関へのアクセスも、日本は優れている。例えば、英国などでは、日本の「義務教育」のように、公費で賄われる医療は「学区制」のようになっており、いきなり病院の専門医を受診することはできない。
 まとめて言えば、個別の医療レベルも高く、医療制度も優れているということになる。

 それでは、なぜ、医療バッシングが起き、今のように週刊誌で、それが大ブームになるのであろうか。やはり、自分が受けている医療サービスや接している医療関係者に対し、少なからず、何らかの不満や不安を抱えているからであろう。
 その背景の一つには、データの集積により、国際的な医療比較だけではなく、国内の医療の比較も可能になった点があろう。例えば、手術数の病院ごとの差、のデータが紹介され、様々なサイトで、病院ごとの医療レベルに差があるのではないか、ということが如実に示されている。自分の受けている医療や医師について、「大丈夫なのか」という不安が生まれるのは当たり前であろう。
 しかし、一方で医療サービスに対する評価は難しい。特に、医療の場合には、医療サービスを提供している医療者であっても、その提供しているサービスの結果に100%保証をすることができない。「最善を尽くす」ことしかできない特殊なサービスなのである。
 昨今のバッシングが薬剤についてのものが多いのも、医療サービス評価が難しいことを裏付ける。消滅してしまう医療サービスや、通常、人生に1度か、2度しか経験しない手術に比べれば、薬剤は形があり定期的に服用するものなので評価しやすいのである。
(略)
 医療不信については、医療関係者だけでなく、患者も意識して避けるように努力した方がいい。理由は簡単で、「病気」という敵を倒すには、医師などの医療者の力だけでなく、患者自身の協力が不可欠であるからだ。医療不信が広がることは、患者側にとっても結果的に不幸でしかない。
(略)
 つまり、繰り返しになるが、医療は患者の協力がなくては完結しないものであるという点だ。例えば、薬剤である。薬剤に副作用があるとしても効果があるから承認されているわけだ。一方の民間療法は効果が不明確であるがゆえに承認されていない。
 しかし、医師だからといって強制的に薬剤を飲ませるわけにはいかない。患者が医師や日本の医療を信じ、薬剤を服用することで医療が完結する。注射にしたって同様である。患者が暴れて注射をすることができなければ、医療は完結しない。
 このように、特殊なサービスである医療サービスにおいては、医療者と患者の信頼関係と患者側の協力が不可欠である。旧来の日本の医療に見られた、この「良き伝統」を失わないようにするためには、医療者と患者、両方の努力が必要なのではなかろうか。

長い記事なので興味のある方は元記事を参照いただければと思いますが、要するに客観的指標に基づいて評価するならば日本の医療のレベルは決して低いものではない、一方で客観的事実はどうあれ主観的印象に従って評価するなら他のあらゆる業界と同様、患者にとって医療は未だ完全に満足のいくものではないのも事実であると言うことでしょうか。
それに対して真野氏は不信不満ばかりではなく最大の当事者である患者自身も医療に参加すべしと主張していて、これはこれでいやその通りと言うしかないのですが、ただ記事を読んでも結局マスコミが何故医療バッシング記事ばかり取り上げている(ように見える)のかと言うことは結局判りませんよね。
営利を目的としない刊行物の類ではこうした傾向はあまり見られないことから、結局のところ最大の理由はそれを書けば売れるからだと言うことになるかと思いますが、真野氏自身も指摘しているように客観的データに基づいて日本の医療を批判することは難しい一方で主観的にであれば幾らでもケチはつけられると言うところがポイントなのだと思います。

医療の世界でも一例きりの症例報告はさほどエヴィデンスとしてレベルの高いものと見られませんが、マスコミの場合は一例きりの特殊なケースを取り上げてそれがさも全てであるかのように語ると言うことは日常茶飯事ですし、逆に一般的な状況と反していればいるほど一般事例における知識を知らずとも好きに語ることが出来るのですから、記事にするには楽なのだろうと思いますね。
例えばせいぜい三回に一回くらいしかヒットを打たないイチロー選手が凄い選手であると言うことを野球の実際を知らない人に伝えるには、平均的な打者の成績はこれこれ、通算成績上位者との比較ではこれこれと多くのデータを並べ立てなければなりませんが、仮に100打数無安打の選手がいたとすればどんなに野球のルールを知らない人でも「何かすごく下手くそっぽい」と感じることでしょう。
多くの人間はゴシップ好きですし、未だに医者は何かと言えば上から目線で…と素朴な反発を抱いている人もいらっしゃるでしょうから、そんな医者が実は…と言われるとつい読みたくなるのは理解出来るものがありますが、とりあえず最低限の常識的知識を備えているだけで馬鹿馬鹿しさを覚えるしかないレベルの記事も多いことは知っておくべきかと思いますね。

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2016年8月25日 (木)

不妊治療向け保険、予想通り成立せず

規制緩和と言えばさすがに昨今ひと頃のような絶讚と言う風潮でもなく、規制も必要なものはあるのだと言う話もあちらこちらから聞こえてくるところですが、こちら規制緩和があまり意味がないのでは?と言われ実際その通りだったと言うニュースが出ていました。

<不妊治療保険>各社及び腰 保険金高く設計困難(2016年8月18日毎日新聞)

 金融庁が今年4月、不妊治療にかかる費用を補償する民間の医療保険を解禁したものの、生命保険各社が販売に二の足を踏み、保険が発売されない状況が続いている。当初から商品設計の難しさが指摘されてきたが、金融庁が見切り発車で解禁に踏み切っており、保険発売を期待していた人たちは肩すかしを食った形となっている。

 体外受精と顕微授精の「特定不妊治療」は公的な健康保険の対象にならず、治療1回あたりの患者負担は30万円以上と高額になる。厚生労働省は不妊に悩む夫婦に助成しているが、日本産科婦人科学会の統計では治療1回あたりの妊娠率は全年齢平均で16.3%にとどまる。
 厚労省は、安倍政権が掲げる「1億総活躍社会」の柱である出生率向上策として、今年1月から助成金を引き上げるなどした。金融庁も足並みをそろえる形で4月1日に保険業法施行規則を改正し、不妊治療保険の販売を解禁した。

 しかし、生保各社にとって壁になるのが商品設計の難しさだ。保険に加入するのは、不妊に悩んでいるなどして不妊治療を受ける意思がある人に限られるとみられ、通常の医療保険などに比べて保険金支払いの可能性が高くなる。また、どんな治療を何回受けるかも加入者の意思に任されるため、保険金が高額に上ることが予想され、生保各社は「採算が見込めない」(大手)とみている。
 さらに、保険料などを積算するための不妊に関するデータが不足していることもあって、生保各社は「研究はしているものの、乗り越える壁は高い」と様子見の姿勢で、現時点では保険発売の見通しは立っていないのが実情だ。

 こうした不妊治療保険の課題は、金融庁の審議会などでも議論されたが、具体的な商品の検討は保険会社に任せる形で解禁に踏み切った。金融庁からは「社会的なニーズがある中で、門戸を開く意味で解禁を判断しており、商品が出ないという可能性は織り込み済み」との声も出ている。
 不妊症に悩むカップルを支援するNPO法人「Fine」の松本亜樹子理事長は「社会的に必要性が認められたと民間保険に期待していた当事者も多かった。このまま話が流れてしまったら残念だ」と述べ、早期の保険発売を望んでいる。【中島和哉】

 【キーワード】特定不妊治療

 不妊治療のうち、体外に取り出した卵子を培養液中で精子と受精させる「体外受精」と、取り出した卵子にガラス管で精子を注入する「顕微授精」を特定不妊治療という。日本産科婦人科学会によると、2013年に特定不妊治療で生まれた子どもは国内で4万2554人に上る。ただ、回を重ねるごとに自己負担も重くなるため、途中で治療を諦める患者も少なくない
 厚生労働省は04年から特定不妊治療費の助成制度を始め、晩婚化などを背景に助成件数は増加している。制度を随時見直しており、現在は最大6回目(40~43歳未満は3回目)まで助成金を支給。今年1月からは初回のみ従来の15万円から30万円に倍増したが「43歳以上の女性」「世帯所得730万円以上」の場合は助成の対象外となるなど制限も多い。

まあそれはそうだろうと思う話で、そもそも保険と言うものは万一何かあった場合のリスク分散の意味でかけておくと言う性質のものですが、この保険の場合それを利用する気満々な人々しか加入しないわけですから、
強いて存在価値を探るとすれば本来の意味からは外れますが、初期費用いくらの掛け捨てで○年間はコスト負担しますがその後は再加入禁止ですと言ったやり方であれば、保険の期間が切れるからそろそろ治療をあきらめようかと言うリミッターとしての機能は果たせるかも知れませんが、これも費用を幾らに設定すべきかと言う点に加え、何歳まで加入させるかと言ったことも難しそうですね。
そう言った難しそうであることは承知の上でとりあえず解禁だけしてみました、後は勝手にやってくださいではさすがに無責任だろうと言う声も出てきそうなものですが、この場合もともと不妊医療なるものは保険外の自費診療ですから、国が余計な口出しをすべきではないのだと言われればそれはそれで筋が通っているとも言えるのかも知れません。

国が少子化対策のために云々と言うのであれば、不妊治療も保険診療扱いで行えばいいのではないかと言う声もあり、保険診療のあり方として日常生活に支障を来すような各種の機能的、器質的障害に対して治療を行うと言うことは大きな部分を占めているのですから、何故不妊治療だけが認められないのか?と言う疑問を抱くのは理解できます。
ただ昨今医療にもコストパフォーマンスと言うことの必要性が盛んに言われていますが、高いコストを要求する高度な不妊医療を受ける方々のコスパは控えめに言ってもあまり良いものではないでしょうから、人間一人を得るのにどの程度までのコストをかけることが社会的に許容されるのかと言う冷静な議論に向かうとあまり分が良さそうにはありません。
当然ながらお金を出す保険者の側にしても今さらこんな不採算分野を保険診療に繰り入れて欲しくはないだろうと思うので、今のところは公費による助成金と言う現状のやり方で自治体に判断を丸投げするのが現実的なのかも知れませんが、条件が悪化した高年齢者の場合結局自己負担が高くなるしそろそろあきらめては…と言いたい部分もあるわけです。
その意味では妊娠可能性が極めて低い方々がいつまでも不妊医療を受けられる体制と言うものはいずれにせよ期待出来そうにはないですし、むしろ遠回りなようでも高年齢での妊娠可能性を劇的に引き上げる技術的ブレークスルーに投資した方が有用性は高いと言うこともあるのでしょうかね。

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2016年8月24日 (水)

速報)SSは捕鯨への妨害行為を永久に行わない

世の中妙なニュースと言うものはあるものですが、先日こんなニュースが出てきたことに驚いた人も少なくないのではないでしょうか。

日本の調査捕鯨への妨害行為「永久に行わない」(2016年8月23日産経新聞)

 南極海で調査捕鯨を実施している日本鯨類研究所(東京都中央区)は23日、米国の反捕鯨団体「シー・シェパード(SS)」とSS創始者のポール・ワトソン容疑者(国際手配)との間で、日本側の調査船に対する妨害行為を永久に行わないことなどを柱とする米連邦地裁での調停で合意に達したことを明らかにした。

 鯨研は妨害行為の中止を求めて2011年に米ワシントン州の連邦地裁に訴訟を起こしており、これが決着した形となる。

 鯨研によると、シー・シェパードとワトソン容疑者は合意に基づき、調査船への攻撃や安全を脅かす航行のほか、公海上で調査船の約450メートル以内に接近することなどが禁止される。

捕鯨妨害、永久に禁止=米シー・シェパードと合意(2016年8月23日時事通信)

 南極海での調査捕鯨を行う日本鯨類研究所(東京)と共同船舶(同)は23日、米国の反捕鯨団体シー・シェパード(SS)との間で、日本の調査捕鯨船に対する妨害行為を永久に行わないことで合意したと発表した。これにより、妨害行為の禁止をめぐる米国での訴訟合戦は双方が訴えを取り下げることで決着する見通しだ。
(略)
 鯨類研などによると、SSとその協力者は、調査船・乗員への攻撃と安全な航海を脅かすような船舶航行を禁止される。公海上で500ヤード(約450メートル)以内に近づくことや、SSのグループ団体への資金提供も行えなくなる

 一方、日本側は合意に基づく和解金として、SSが過去に支払った賠償金約3億円の一部を返すが、他団体の支援に流用できない条件が付いている。2012年に米連邦地裁は妨害行為を禁ずる暫定命令を出したが、SSは従わず、法廷侮辱に当たるとして賠償金の支払いを命じられていた

 シー・シェパード・オーストラリアはSSとは別の団体だと主張している。水産庁は他団体への資金供与禁止を含む合意について「一定の抑止効果が見込める」とみている。 

ご存知の通りこの環境テロ団体シーシェパード(SS)を巡っては、日本の捕鯨船団への接近を禁じる米裁判所の仮処分命令に全く従う素振りも見せなかったことから、昨年には255万ドルの賠償金を支払うハメになっていましたが、結果的にはこうした経済的側面からの締め上げが最も有効であったと言う形になったのでしょうか。
その賠償金の一部を返却する形になるなど合意には理解が難しい点もあり、今後の詳細な続報などを待ちたいところなのですが、問題はこの合意がどの程度の実効性があるのかで、すでに現地実行部隊とも言えるSSオーストラリアは今後も変わらずテロ行為を継続すると宣言しているようです。

シーシェパードの豪団体「妨害続ける」(2016年8月23日TBS)

 日本の調査捕鯨を行う日本鯨類研究所は、アメリカの反捕鯨団体「シー・シェパード」と妨害行為を永久に行わないという内容で合意したと発表しました。ただ、シーシェパードのオーストラリアの団体は、依然、「妨害を続ける」と話しています。

 「シー・シェパード」による調査捕鯨船への妨害行為は2005年に始まり、船を衝突させるなど攻撃がエスカレートしたため、調査船側が2011年、アメリカ・ワシントン州の連邦地裁に訴えを起こしていました。

 この問題で23日、日本鯨類研究所は、裁判の調停手続きの中で、日本側がアメリカの団体に和解金を支払うことを条件に、調査船への攻撃などを永久に行わないとする内容で合意したと発表しました。

 ただ、実際に妨害活動を行ってきたオーストラリアのシー・シェパードは、JNNの取材に対し「アメリカの裁判所の合意は我々に適用されない」として、妨害を続ける考えを示しています。

理屈の上ではSSがシーチワワなりと名前を変え別団体として活動を再開する等々、幾らでも抜け道は考えられると言う指摘もすでに出ていますが、当然ながらこうした行為を繰り返せば繰り返すほど司法関係者からの心証は悪くなるのだろうし、ますます多額の賠償金を支払い結局は経済的に活動の継続が難しくなると言うことも考えられます。
アメリカはSSの資金源として非常に大きな部分を占めており、そのルートがかなり抑制されることで相応の効果が期待出来ますが、当然ながらオーストラリアやヨーロッパなど他の関連団体ルートからの支援が継続するなら意味が乏しいところで、今後こうした方面への対策をどうしていくのかは課題ですね。
折しも和歌山県太地町では捕鯨シーズン突入目前だと言い、世界各国からSSやそのシンパによるテロ行為やヘイトスピーチの激化が懸念されていますが、和歌山県警や海保はこの種の犯罪者に対して訓練を繰り返し体制を強化しているのだそうで、いずれにしても今回の件を受けて現場での実態がどう変わっていくのかと言うことは見守っていきたいところです。

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2016年8月23日 (火)

古くて新しい医療サービス

また新たな医療サービスが登場したと言うニュースが出ていたのですが、まずはこちらの記事から紹介してみましょう。

電話1本で…夜も自宅に来てくれる!?新医療サービス(2016年8月09日テレビ東京)

 東京・世田谷区のアパートの一室にみなとホームクリニックがあり、医師である名倉義人さんは救命救急、菊池亮さんは整形外科を専門とする。2人は全国初の医療サービスを立ち上げ、コールセンターから連絡を受けるとセンターに電話した患者宅を訪い、診察、薬の処方まで行う

 夜8時過ぎに診察依頼の連絡を受けた菊池さんは約40分で谷口佳央理さん宅に到着。警察から許可証を得ているため、路上に駐車できる。谷口さんによると生後9か月の娘の体調が芳しくないといい、菊池さんは心音、喉を確認し、軽度の風邪と診察、交通費のみの1400円を請求した。サービス料は東京23区の場合、中学3年まで医療費は無料で、高校生以上の医療費は交通費+診察料の保険適用3割負担となっている。

 総務省の調べで救急車の出動件数は年々増加し、昨年は過去最高を記録。出動にかかるコストは1台4万円以上で、地方財政を圧迫している。新たなサービスはコスト削減に繋がると期待されているが、医師の数は5人しかいないため依頼が重複すれば往診を断らざるをえない。菊池さんは、今後は人材を増やし、往診文化を根付かせれば、軽症患者は往診を選択してくれると思うと期待を寄せている。

 飯田展久氏は、電話1本による往診システムが根付くことで軽症患者に対応できるようになることについて、患者側としてもニーズがあり、23区内には入院を必要としない程度の人のための医療機関が19ヶ所しかなく、22時までだと指摘。このシステムは夜間に体調を崩した人には必要なサービスだと思うと語った。

実は昔ながらの往診と言うシステムそのものではないかと言うことなんですが、こうした需要が一定数あることは当然理解出来るのですが、興味深いのはどうやらクリニックとしての実態を持たず往診専門にやっていると言うことで、今の時代に大きな設備投資を伴う新規開業ではなかなか経営を黒字化させることが難しいと言いますが、この方法であれば初期投資は最小限で済みそうですよね。
気になるのはサービスにかかる費用が非常に安いと言うことですが、もちろん保険や公的な補助から収入としてはそれなりにあるのでしょうが、交通費程度のコストで済むとなれば幾らでも需要はありそうですし、実際に記事を見る限りでは依頼が重複し断らざるを得ないほど繁盛しているようです。
夜8時に出動と言うことはおそらく交替勤務制なのでしょうが、医師5人と言えば相当なマンパワーのように見えても法定の週40時間労働ですと平均1.5人が勤務していると言う程度にしか過ぎず、往復の移動時間などで無駄も出ることを考えると実のところクリニックを構えるよりは効率は悪いのかも知れませんね。

こうしたサービスでどの程度の医療が提供出来るのかですが、昨今では持ち運んで使えるスマホスタイルのエコーなど様々な小型軽量の医療機器がありますし、そもそも診察してこれは状態が悪いと判れば病院に行けと指示すればいいわけですから、昔ながらの聴診器一本で案外ほとんど事足りているのかも知れません。
往診ですから検査や治療にしろ過剰に行うと言うことはなかなか考えにくいもので、お金を出す保険者や行政の立場としてもこうした安上がりな医療サービスが充実することで従来の救急隊出動から救急病院搬送と言うフルコースの医療が抑制出来ると言うことであれば、相当な補助金を出してでもコスト的には安く上がると言う計算も成り立ちそうですね。
問題はこうした医療を全国展開するにあたってそこまで従事する医師が確保出来るものなのかですが、これも道具の進歩で例えば手が空いていて応需可能な医師がその都度スマホのアプリを立ち上げておけば、その時間だけコールが来ると言ったシステムは可能でしょうから、案外古くて新しい往診と言うスタイルにも大きな将来性があるのかも知れません。

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2016年8月22日 (月)

救急車を呼ぶ件数自体も増えているのですが

救急搬送の増大傾向が続き抑制策が各種検討、実施されている中で、先日こんなニュースが出ていました。

救急出動で不搬送、10年で1.5倍 本人拒否が最多(2016年8月17日朝日新聞)

 119番通報で出動した救急隊が、誰も運ばずに引き返す「不搬送」が、2014年までの10年間に約5割増えたことが、総務省消防庁への取材でわかった。高齢化などで緊急性の低い通報が増えていることが一因と見られる。「空振り」の出動が増え続けると、重症者の搬送に影響する恐れがある。

 朝日新聞が消防庁に情報公開請求して得たデータによると、14年の不搬送は63万4千件。05年(43万3千件)と比べて46%増えていた。一方、救急車の出動総数は598万件で、同じ期間では13%増にとどまっていた。出動に占める不搬送の割合は、大阪府(14・4%)や兵庫県(12・9%)、東京都、埼玉県(どちらも12・8%)など大都市圏で高かった
 不搬送の理由は、家族らが通報したが搬送を拒む「拒否」(32%)が最も多く、隊員が応急処置をして医療機関に搬送しない「現場処置」(18%)が次いだ。けが人や病人がいなかった例や、誤報・いたずらは計11%だった。
 具体的には▽体調が心配で救急車を呼んだが、隊員に血圧などを測ってもらい安心した▽家族が救急車を呼んだが、本人は病院に行く意思がない▽到着時に明らかに死亡していた――など。高齢化や携帯電話の普及で、結果的に緊急性が低くても、119番する人が増えているとみられる。

 救急隊は現在、どんな通報でもほぼ出動している。山形市で11年、一人暮らしの大学生が自宅から通報したが、市消防本部が「意識や呼吸がしっかりしている」として救急隊が出動せず、死亡した事件が起き、この傾向が強まっている。
 地域によっては、全ての救急隊が出動している事態が散発している。出動の増加に歯止めがかからないと、現場への到着に時間がかかり、一刻を争う重症者の搬送に影響しかねない。
 消防庁は、どんな理由で不搬送が起きているか把握するため、自治体が担っているデータの集め方を見直す検討を始めた。
 救急業務に詳しい杏林大の橋本雄太郎教授(医事法)は「救急隊の現状が市民や医療者に理解されているとは言いがたい。行政は困っていることをきちんと伝え、議論を深めるべきだ」と話している。(阿部彰芳)

高齢者のケースなどは本来救急車を呼ぶ前にまずかかりつけ医に連絡を取るべきだろうし、それで来院を指示されたのであれば何の問題もなくスムーズに搬送が進むのですから、救急隊の危機的状況云々よりも先に行政は正しい医療の利用の仕方を周知徹底すべきかと考えるのですがどうでしょうね。
ともあれ救急搬送以来増加と受け入れ側医療機関のいわゆる救急崩壊と言われる現象を反映してか、搬送時間は年々延び続けているのだそうですが、当然ながら一刻も早く搬送すべき症例もあればそうではない場合もあるはずですから、実際に緊急性がある重症例でどの程度搬送時間が延びているのかと言うデータが気になりますよね。
救急隊にしても救急依頼は全て最短時間で搬送すべしと言われれば迷いがないのですが、搬送症例をトリアージしろと言う話になればかえって余計な時間もかかると言うもので、特に記事にもあるように本人拒否など現場で揉めるケースが搬送時間を大いに長引かせている可能性があるかと思うのですが、そのほかにもこんな事例も報告されています。

救急車内で応急処置中、救急隊員に暴行 容疑の男逮捕/蕨署(2016年8月14日埼玉新聞)

 埼玉県の蕨署は13日、公務執行妨害の疑いで、住所職業不詳の男(39)を現行犯逮捕した。

 逮捕容疑は13日午後3時45分ごろ、蕨市錦町1丁目のドラッグストア駐車場に駐車中の救急車内で、男性救急隊員(30)の胸ぐらをつかむ暴行を加えた疑い。隊員にけがはなかった。

 蕨署によると、男は気分が悪くなったためドラッグストアに駆け込み、救急車を呼んでほしいと店員に依頼。救急車内で応急処置を受けていた際、「酒を買いに行く」などと言って救急車から降り、止めに入った隊員に暴行したという。

記事を読む限りではどれだけどうしようもない酔っ払いだよと言う話なんですが、この種の医学的と言うより他の理由で大いに問題がある方々もとりあえず救急車を呼んでしまうと言う状況が救急搬送件数の際限ない増加を来している側面もありそうですね。
この場合現場でトリアージをしようだとか、搬送せずに何かしらの対応をしてすませようとか考えると余計な手間がかかるのではないかと思うのですが、結果的に何も考えずに搬送するよりもかえって時間も手間も長くかかってしまい、その間ずっと救急隊が拘束されると言う問題もありそうなのですが、他方でこうした方々はもともと医療側の受け入れにも手間取りそうなだけにトータルでの損得勘定は難しいですね。
以前からタクシー代わりにとりあえず救急車を呼んだような事例が絶えないのは救急車が無料だからだと言う声は根強くあり、各種調査の結果を見ても金額など制度的な意見は分かれるものの概ね7~8割の方々が有料化を支持していると言いますが、それこそ大阪辺りから試しにお試しで有料化をやってみて結果を見てみたい気もします。

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2016年8月21日 (日)

今日のぐり:「ゆで太郎 三田三丁目店」

多くの方々にとってはそうでもないのでしょうが、先日一部の方々からは大変なことになったと言われているのがこちらのニュースです。

VHSのビデオデッキ、ついに生産終了…「続けて」とファンの声殺到、大切に撮りためた思い出ビデオはどうする?(2016年8月17日産経新聞)

 VHS方式の家庭用ビデオデッキの生産が終了し、ビデオテープに録画した大切な映像を、DVDやブルーレイディスクにダビングするサービスが注目されている。今後は、交換部品の不足により、デッキが故障しても修理できなくなると見込まれるためだ。

 VHS方式のビデオデッキは、国内企業で唯一生産を続けていた船井電機(大阪府大東市)が7月末で生産を終了。担当者は「生産を続けたいが、部品の調達が難しく断念せざるを得なかった」と説明する。同社には、「まだ買える場所はないか」「生産を続けて」といったVHSファンの声が殺到しているという。

 VHS方式のビデオデッキは昭和51年、日本ビクター(現JVCケンウッド)が発売。ソニーが発売したベータ方式とシェアを争った。最終的に、長時間録画できる点などが評価されVHS方式が勝利し、ベータ方式は平成14年に生産を終えた。しかし、VHS方式も、DVDレコーダーの普及に押されメーカーが続々撤退した経緯がある。

 船井電機によると、最盛期の12年ごろには世界で年間1500万台以上を販売していたが、27年には約75万台まで減少。下請けメーカーから納入していた部品も製造中止となり、同社は「今後はデッキが故障しても修理が難しいケースが出てくるだろう」とする。
(略)

むしろつい15年ほど前に生産量の最盛期を迎えていたと言うことに驚いたのですが、時代の流れは本当にあっと言う間なんですね。
本日は去りゆく老兵ならぬビデオデッキに哀悼の意を表して、世間的にはだから何?的なニュースだが人によっては一大事と言うニュースを取り上げてみましょう。

病院向かいに葬祭会館 平安の建設計画に慈広会、住民反発―伊豆の国(2016年07月15日伊豆新聞) 

 県東部で冠婚葬祭事業を展開する平安(沼津市)が、伊豆の国市長岡の慈広会記念病院の道路向かいに新たな葬祭会館の建設を計画していることが14日、分かった。病院側は「入院患者の療養環境に重大な影響を与える可能性があり、地元でも納得していない住民が多い」と反発。同社は取材に対し、「現実的に住民全員の同意を得ることは難しい。反対意見は真摯(しんし)に受け止めるが、基本的な建設の方針に変わりはない」と説明した。

 建設計画地は移転が予定されている生コン工場の跡地。病院によると、2年前に生コン工場側から移転に関する説明があった際に平安の関係者も同席し、葬祭会館の建設計画が示された。住民からは「旅館やホテル、商店の客足減少が予想される」「地価が下がり資産価値が減少する」などの反対意見が相次いで紛糾したという。
 説明会では昨年秋に着工、今春に完成というスケジュールも明かされたが、これまで大きな動きがなかったため「立ち消えになったと思っていた」(病院関係者)。しかし、6月に地元の坪ノ内地区に対して建設に関する通知があったという。

 病院側は「懸命に生きようとする患者の方たちの気持ちにどれほどのダメージを与えるかは明らか」と訴えている。市は「計画地は市街化区域で、法律上問題がなければ行政としては静観するしかない」という立場だ。
 平安は近く住民説明会を開く方針。「これまでの葬祭会館も住民全員が建設に同意していたわけではないが、なるべく理解を得られるように努力を続けていく」としている。

まあ昨今では何であれ住民全員が合意すると言うことはあり得ない時代なので仕方ない話ですが、そんなに反対する声が強いのであれば住民総出で利用をボイコットすればいいような気もします。
こちらもマニアの方にとっては大変重大な話題なのでしょうが、恐らく多くの方々にとっては誰それ?と言う話ではないでしょうか。

『スター・ウォーズ』R2-D2の“中の人”が死去(2016年8月14日シネマトゥデイ)

 『スター・ウォーズ』シリーズで、R2-D2の中に入っていた俳優として有名なイギリスのケニー・ベイカーさんが81歳で亡くなった(1934年8月24日生)。13日(現地時間)の朝、亡くなっているのを世話をしていたおいによって見つけられたという。

 身長が112センチのケニー・ベイカーさんは1977年に公開された『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』よりR2-D2の中に入り、旧三部作と新三部作に出演、“R2-D2の中の人”としてファンから慕われていた。2015年に公開されたシリーズ新作『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』にもアドバイザーとして参加している。

 ガーディアン誌にケニーさんの身内が語ったところによるとケニーさんは、長い間肺の病気を患っており、最近は車いすで生活していたという。昨年『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』が公開したときもロサンゼルスのプレミアに招かれていたが、体調がすぐれず参加できなかった。ただ、ジョージ・ルーカスとは、彼がイギリスを訪れた際に再会することができたという。

 ケニーさんは思春期に小人症と診断され、医師にあまり長くは生きられないだろうと言われていた。しかし、肺を患らいここ2、3年で体調が急激に悪化するまでは元気に過ごし、妻と二人子供もいた。妻は20年前に亡くなっている。『スター・ウォーズ』シリーズのほかに『バンデットQ』『アマデウス』『エレファント・マン』にも出演している。(BANG Showbiz)

そもそも中の人などいないものとばかり思っていたのですが、それにしてもスターウォーズの公開もすでに何十年も昔の話になってしまったのですね。
このところ何かと話題に上ることも多い自動運転技術ですが、こちら意外なところからの反対論が登場していると言うニュースです。

「車内での性行為、確実に増える」自動運転の実用化に科学者が警鐘(2016年5月18日tocana)

 自動車の自動運転技術が、破竹の勢いで進化。すでに「テスト走行での結果が良好」「実用化も近い」といった話が聞かれ始めているのだが、同時にあらゆる懸念事項も示唆され始めてきた。

■自動運転が主流になれば運転中の性行為は大幅に増える

 5月2日にイギリス「Daily Mail」紙に掲載された、カナダの自動運転車研究センター(Canadian Automated Vehicles Centre of Excellence)のレポートによれば、「人間に代わってコンピュータが運転をした場合、手の空いたドライバーは性行為を始める可能性が高く、一度始めてしまえば、道路状況に注意を払わず、危険な状況陥る可能性がある」とのこと。
 同センターのバリー・カーク氏は以下のように危惧し、カナダの運輸大臣にもレポートを送ったそうだ。
「自動運転技術が進めば、運転中の性行為は大幅に増加するでしょう。そして、それは人間の対応能力を阻害する大きな要因のひとつとなります」
「また、ドライバーは自動運転の性能を過大評価する傾向があり、一度自動運転のスイッチをオンにしたら、道路への注意を怠るようになるでしょう」
 現状のカナダの法律によれば、自動運転は禁止されていない(もともと想定されていない)のだが、新たな法整備のための予算が先月話し合われ、新しい法律として「ドライバーが自動車の操作を完全にできなくなった時の安全性についての項目」などについての議論が盛り込まれるそうだ。
(略)
 安全問題や法整備の問題など、自動運転についてさまざまな議論が行われてきたが、ドライバーが性行為に没頭して注意力が低下するという視点で問題が提起されたことは初めてのケースではないだろうか。確かに、移動中にやることがなければ、食べたり、飲んだり、眠ったりするだろうが、完全な個室の中で大人がすることといえば、性的なこともあるかもしれない。

それはまあ初めての指摘だろうとは思うのですが、別に自動運転でなくともやりたい人はやると言うことはあるのではないですかねえ?
多くの人々は何気なく見過ごしてしまうような出来事でも、こちらの方にとっては大変な事件だったようです。

<動画>負傷させてしまったカエルを飛行機で病院まで オーストラリア(2016年06月13日人民網)

オーストラリアのある女性が芝生を刈っている時、誤ってカエルに怪我を負わせてしまった。罪の意識に苛まれた彼女はカエルを連れて1000キロ以上離れた動物病院まで飛行機に乗って連れて行き、治療を受けさせ、命を救うことに成功した。

今年4月初め、クイーンズランド州マウントアイザに住むティムズさんは、「芝生を刈っていたら誤ってカエルの頭を傷つけてしまった」と、慌てふためいた声で彼女の姪に電話をかけ助けを求めた。姪はカエルの傷口を洗い、ガーゼで包むよう指示、またティムズさんのために1000キロ離れたケアンズにカエル専門治療機関「カエルセイフティホスピタル」があることを調べてくれた。ティムズさんと姪の2人は次の日、飛行機でカエルをこの病院に連れて行った。同病院での治療を経て生命の危機を脱したカエルは、回復を待って自然に返される予定だ。カエルの病院責任者は「傷を負ったカエルは希少種なので、保護されるべきだ」とティムズさんの処置を褒めた。(編集JK)

確かに画像を見る限りでは痛そうな傷なのですが、それにしてもあるところにはちゃんとこうした専門機関があるものなのですね。
最後に取り上げますのはご存知ブリからのニュースですが、割合とありがちに行われそうな行為が禁止されそうだと言うニュースです。

卒業式で角帽投げないで!英大、けが人続出で「ふりだけ」提案(2016年05月19日AFP)

【5月19日 AFP】危ないから卒業式では角帽を宙に投げ上げないで――英国の大学が18日、学生たちにこんな要請を出した。代わりに、デジタル処理で卒業写真に角帽を追加するサービスを無料提供するという。

 英イーストアングリア大学(University of East Anglia)は声明で、ここ数年の卒業式で「落ちてきた角帽に当たってけがをする卒業生が続出しているため」と説明。「回避できるけがで卒業の日を台無しにしてしまう学生が出ないようにしたい」と述べている。

 大学公認の写真業者からは、学生たちに対し、卒業写真撮影の際には角帽を放り上げる「ふり」だけしてもらい、後からデジタル処理で角帽の画像を写真に加える無料サービスを提供するとの案内があった。

 卒業式に角帽を放り上げる慣習は、米国で始まり、今では世界各国に広まっている。学生たちにとっても卒業式は、角帽とガウンを着用できる唯一の機会である場合が少なくない。

 イーストアングリア大の学生紙「タブ(Tab)」によれば、今回の要請のきっかけは、昨年の卒業式で学生1人が角帽に当たって病院に搬送される重傷を負ったことだという。

確かに堅くて尖っているものが降ってくれば痛そうなのですが、しかし全世界で割合と広汎に行われてきた習慣ですよね?
ブリの学生達が特別頭部の強靱さに問題を抱えていると言うことであれば、投げる角帽とかぶっておく角帽を別に用意してみれば安全かも知れませんね。

今日のぐり:「ゆで太郎 三田三丁目店」

セルフスタイルのうどん店はすっかり定着しましたが、こちら東京都内だけあって言わばその蕎麦屋版とでも言うべきお店なのでしょうか、この種のお店が成立するのは面白いですね。
とりあえずとり舞茸天もりを頼んでみましたが、券売機で食券を買い待つことしばし、狭い店内は立ち食いのようになっているようで、この辺りは地方とはちょっと違いますね。

さして期待していなかった盛り蕎麦ですが、細打ちの蕎麦をしゃっきりと茹で上げているし、辛口の蕎麦つゆとも合っていて普通に食べられるのは正直意外でした。
ちなみに薬味のワサビは練りですがネギもほぐしてあるし、香川のうどんと同様蕎麦文化圏だけにこういうのもそれなりに食べられる水準でないとお客が入らないのでしょうかね。
舞茸天ぷらはまあこんなものかですが、面白いのは卓上に蕎麦湯が常備されているのですが、何なんでしょうあまり経験のない風味がしてちょっと馴染めなかったですね。

さすが東京と言うべきか、店員さんが外人さんばかりで最初ちょっとわからなかったのですが、まあ食券制のセルフ店ですし現実的にはさほど問題はないですかね。
安いと言うだけでなく遅くまでやってるのがありがたいところで、この点でうどん店は比較的朝は早いが早じまいの店が多いだけにちょっとうらやましいですね。

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2016年8月20日 (土)

子供への絶対菜食主義強要は虐待か否か

先日は環境保護団体を称するグリーンピースが100人以上のノーベル賞受賞者達から批判を受けたと言うニュースが出ていて、どこの国でも過激な方々の迷惑行為には苦労しているのだなと改めて実感するのですが、そうした方々の振るまいとも関連してこんな興味深い記事が出ていました。

子どもへの「菜食主義」強制は虐待か? 禁止法案が提出された国も…(2016年8月15日MAG2ニュース)

イタリアで、親による子どもへのヴィーガニズム(絶対菜食主義)強制を禁止する法案が提出された。違反すると、親に刑事罰を課すとしている。欧米では、近年“厳格な菜食主義者”であるヴィーガンが急増している。英国では、過去10年の間にヴィーガン人口が約3倍に増加したことが業界団体『Vegan Society』と『Vegan Life』誌の最新報告で明らかになっている。
(略)
法案を提出したのは、保守政党フォルツァ・イタリアのエルヴィーラ・サヴィーノ議員。今多くの有名人も実践しているというヴィーガニズムだが、体の完成した成人とは異なり、発達過程の子どもにとっては「健康的な成長に必要不可欠な栄養素が不足する食事」は有害だというのが理由だ。具体的には、16歳以下の子どもへのヴィーガニズム強制を禁止する。
伊ラ・レプッブリカ紙は、サヴィーノ議員が「発育途中の子どもがヴィーガンになると、鉄・亜鉛・B12不足を招き、その結果神経系の病気や貧血症になるおそれがある」とフォルツァ・イタリア党のウェブサイトに掲載したことを伝えた。

英テレグラフ紙によると、イタリアでは既に、ヴィーガン食により深刻な健康状態に陥った子どもの事例が多数報告されているという。「きちんと組み立てられていないヴィーガン食を親から強制されたために子どもが栄養失調に陥った(3歳以下の例もある)数多くの有名事件を受けて」今回の法案提出に至ったと同紙は伝えている。
米ニューヨーク・デイリー・ニュースは、現在39歳のサヴィーノ議員自身も1児の母であり、「十分な飽和脂肪、タンパク質、ビタミン(亜鉛、鉄、オメガ3脂肪酸なども)が含まれていないヴィーガン食またはベジタリアン食を厳しく批判している」と伝えた。サヴィーノ議員は、ヴィーガンの親は「宗教、倫理、動物愛護の観点から」動物性食品を避け、子どもの生命を危険に晒していると考えているそうだ。
しかし、英インデペンデント紙によると、現在イタリア人口に占めるヴィーガンの割合は1%、ベジタリアンは7%と考えられており、批評家らは、イタリアでは(ヴィーガン規制よりもむしろ)子どもの肥満問題の方に重点的に取り組むべきでないかと主張しているという。

米・英の栄養士協会は“適切に計画を立てれば”問題ないとしているが…

アイリッシュ・タイムズ紙は、このニュースを報じる記事で、自国の食品安全局のスタンスを紹介。アイルランド食品安全局は、乳幼児期には「基本的に栄養の偏った食事は勧められない」として子どものヴィーガンに否定的だと伝えた。
一方で、同紙によると、米栄養士協会は“適切に計画を立てた”ヴィーガン食は妊婦、乳幼児期含むすべてのライフステージに適していると述べている。
今回のイタリア法案とは関係ない記事だが、英インデペンデント紙に寄稿した、「The Vegan」誌の編集者Elena Orde氏も、『子どもにヴィーガン食を与えるのは虐待ではない』というタイトルの記事の中で、「英栄養士協会も、ベジタリアン食およびヴィーガン食が子どもにも適していると認めている」としてヴィーガン食の素晴らしさを強調した。
同記事では、子どもの体の発育や栄養面よりも“動物愛護”や“環境破壊”など倫理的な影響について主に言及していた。子どもにヴィーガン食を与えることで、動物や自然を愛する心を育むことができるのだそうだ。
 “専門的な知識”をもって“適切に”食事プランを立てれば”ヴィーガンは問題ないというものの、一歩間違えれば栄養失調になるリスクを子どもに負わせてまで親の思想を強制する意味はあるのか、イタリアの法案の行く方を見守りたい。

まあ何であれ適切な行動が出来ないから社会問題化する方々と言うものはいるものですが、興味深いのはこの絶対菜食主義なるものが動物愛護はともかく自然を愛する心を育む云々と肯定的に捉えられていると言う点で、輪廻転生の概念を持ち動物と植物との間に本質的な境界線を引くことのない日本文化的価値観からすると彼らの文化的価値観の根幹には違和感を感じるところもありそうですね。
栄養学的な見地から言えば今のところ多種多様な食材をバランス良くと言うのが一般的に認められた適切な食生活のコンセンサスとしてよさそうですから、動物であれ植物であれ一方的に偏った食生活と言うものが肯定的に評価出来るものではなさそうですが、その辺りも含めて栄養学的に非常に厳密にコントロールされたものであれば純植物食でもさほどの有害性はないだろうとは思います。
もちろんその結果何をどのように食べるかと言うことに関して味覚や嗜好以外の要素を極めて強く反映させなければ適切なものとはならないでしょうが、栄養学的見地もさることながら記事にもあるように子供への強制は虐待であると言う考え方には注目すべきでしょうね。

日本においても子供時代に野菜であれ何であれ、好きでもないものを栄養学的見地から必要だと無理矢理大人に食べさせられた経験のない人はまずいないだろうと思うのですが、個人的な経験の範囲でも学校等で弁当や給食に入っていた好きでもない食材を食べ終わるまで居残りを命じられたことが幾度となくあり、今日的視点で言えば確かに虐待なり体罰なりに相当するものであったように思います。
そもそも子供の教育全般に言えることですが、当事者が嫌がることを強制してはならないと言う原則を貫いてしまうとおよそきちんとした教育効果が期待出来ないと言う意見は根強くあって、宿題をやりなさいだとか夜更かししないで寝なさいだとかを全て虐待だと言い切ってしまうと、子供をとうやってしつけていいものか迷わしいですよね。
類似の論争で以前から続くのが輸血拒否を貫く宗教の信者による子供の輸血拒否事例で、この場合は時に一時的に親の親権を停止してでも救命のために必要な措置を行うべきだと言う考えが次第に定着してきた感がありますが、同級生に不本意な絶対菜食主義を強いられている人がいた場合に弁当の肉を分けてやるくらいならともかく、児相に通報すべきかと言われるとなかなか判断も難しいでしょうね。

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2016年8月19日 (金)

業績好調だったPC量販店が絶讚炎上中の理由

最近業績好調と伝えられていた上場企業が、ネット上で発覚した醜聞で絶讚炎上中であると話題になっています。

PCデポ、解約受け付け 解約金巡り顧客トラブル(2016年8月18日産経ニュース)

 パソコンやスマートフォンといった電子機器の販売・サポート事業を展開するピーシーデポコーポレーション(横浜市)は17日、実態にそぐわない契約を結んでいたケースがあったとして、契約の変更・解除を無償で受け付けると発表した。

 同社は高額の解約金を巡って80代の顧客とトラブルになっていることが発覚していた。

 同社によると、契約当時から機器の台数や家族構成などが変わり、当時の契約プランが現状と合っていない可能性があるという。顧客と相談の上、契約内容が使用状況に合わないと判断すれば、解約金なしでの解除に応じる。

 今後、70歳以上の新規顧客と契約を結ぶ際には家族らの同意を求め、75歳以上については契約の変更・解除を常時無償で受け付けるとしている。

PCショップ「PCデポ」高齢者相手の高額サポートで批判 月々1万5000円、契約解除に20万円(2016年8月17日ねとらば)

 PCの修理・販売などを行うショップ“PC DEPOT”(以下PCデポ)について、Twitterユーザーのケンヂさん(@kenzysince1972)が「80過ぎの独居老人である父が、PCデポに毎月1万5千円の高額サポート契約を結ばされてました。解約に行ったら契約解除料10万円を支払わされました」とレシートの画像付きで投稿。このツイートは1万5000RTを超えるなど広く拡散され、ネット上にはPCデポに関する批判が相次ぐなど、炎上状態となっています。

 ケンヂさんはその後も契約書の画像を次々とツイート。月額5000円の「ファミリーワイドプラン」というサポートサービスを軸に、さまざまなオプションサービスを付けることで、月々の支払い料金は約1万5000円にまで達していたようです。また、各サービスはいずれも36カ月単位での申し込みになっており、途中解約すると利用期間に応じた契約解除料金が発生する仕組み。このためファミリーワイドプランで6万2081円、オプションのコンテンツとして契約していた日経ビジネス(月額1200円)は3万4800円、東洋経済(月額1000円)は2万9000円など、合計で約20万円にも及ぶ契約解除料金が発生していました(その後ケンヂさんが法外な金額に激怒したため、最終的には半分を店側が負担し、ケンヂさんが10万円を支払う形に)。

 ケンヂさんにTwitterで問い合わせたところ、父親は高齢で、契約内容について十分に理解していなかったそう。その後PCデポ本社から連絡があり、現在は契約内容の詳細や、解約料20万円の明細などをあらためて確認してもらっている段階とのことでした。

 このことに関し、Twitterには「消費者センターに相談するべき」「やり口が詐欺紛い」などPCデポに対する批判が続々と投稿される事態となり、PCデポはサイト上に「弊社サービスに対するインターネット上のご指摘について」と題する謝罪文も発表。「ご理解・ご納得いただけるように働きかけをしてまいる所存です」など契約者と家族に対して何らかの対応を行うことを示唆しています。

 PCデポ側にも問い合わせを行ったところ、今回の契約内容や今後の契約者への対応について「ネット上をお騒がせして申し訳ないと思っている」と謝罪。契約内容については「個人の契約になるため、公表は差し控える」としながらも、「今回は高齢の方との契約だったため、最大限配慮するべきだった」とコメントしています。

 PCデポは今回の炎上により、東証一部の株価値下がり率で1位になるなど株価が急落(17日11時30分時点)。PCデポの今後の対応には、大きな注目が集まっています。

どのようなトラブルであったかの詳細はこちらを参照頂ければおわかり頂けるかと思うのですが、表向きのシナリオとしてはPCについて理解が乏しい高齢者に毎月高額の固定支払いが生じるようなサポート契約を結ばせた、解約しようと連絡すると非常に高額の解約金を求められたと言った話になっています。
ただ請求書などを子細に検討してみると明らかに辻褄が合わない内容も散見されているようで、他にも様々な手口で高齢者に意図的に不当な請求を行っていたのではないかと言う疑惑が発覚したことなどから盛大に炎上しているところなのですが、すでに実社会においても同社株価が急落するなど大きな影響が出ているようですから怖いものですよね。
同社に関しては過去にも店員が顧客クレジットカード情報を悪用していたと言った噂が飛び出したりと当分炎上騒動が収まる気配がないのですが、基本的に薄利多売を強いられているPC小売り業界で業績を伸ばしてきた背景に手厚い顧客サービスを売りにしていたと言う点に注目したいところです。

高齢者に限らずPC初心者がPCの操作に困ると言うことは日常的にあることで、ネットなどしかるべき場所で質問すると言ったやり方もあるにせよ本当の初心者であればなかなかそうした分別も働かないもので、一般家電等にならってまずは販売店に相談すると言うことはありがちなものですが、その場合相談を受け必要な対応も取ることに対してどの程度の料金が妥当なのかです。
家電製品のように初期不良の時期を超えると基本的にはメンテナンスのいらないものと違い、PCの場合日常的な細々とした不具合が多発するもので、特に用語など基礎的知識の欠如した初心者には説明したところで自力で改善出来ることの方が少ないでしょうし、当然ながら多くのマンパワーを要する作業に対して全く何の対価も得られないのでは経営が成り立ちませんよね。
小売金額にこうしたサポート料金を一律上乗せすれば価格競争力で不利になりますし、慣れた顧客であればその分安くしてくれと言う話ですから、別途サポートの必要な人にはそれ相応の契約を結んで頂くと言うこと自体は妥当な商売のやり方だと思いますけれども、今どき安くなったPCのサポートに毎月毎月1万5千円の支払いと言われるとさすがに金額的にいささかどうよ?と考える人もいるはずです。
料金体系に関しては携帯各社が当たり前にやっていることと類似ではないかと言う意見もあり、業界内外でもう少し議論の必要なところだと思いますけれども、ともすれば価格競争力でPC量販店に劣勢を強いられがちな既存家電販売店なとにとっては、コストは多少割高でも一般家電並みの対応を売りにしていくやり方の方がビジネスチャンスがありそうには思いますね。

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2016年8月18日 (木)

地域医療構想、各地で策定が進む

都道府県が主体となって圏内の医療機関の再編を行っていく地域医療構想について、国は今年半ば頃までの策定が望ましいと言っていることからすでに各地で計画が具体化していなければならないはずですが、実際に全国各地の自治体から独自の医療構想が出てきているようです。
地域毎の計画内容にどのような差異があるものなのか、その結果今後地域の医療体制がどのように変わり住民の健康にどんな影響を及ぼすのかと言ったことも経過を見ていくべきところですが、先日こんな記事が出ていたことを紹介してみましょう。

地方の病院を壊滅から救う“特効薬”(2016年8月3日日経メディカル)

 目まぐるしく変化し、複雑化する医療・介護制度。全国の医療機関の経営者は今、地域医療構想や地域包括ケアシステムへの対応に頭を悩ませていることだろう。しかし、制度よりももっと深刻な現実が、既に各地を襲い始めている。人口減少だ。人口減少はそのまま、医療マーケットの縮小(患者減少)を意味する。地方では、「患者減少→収益減→医師・看護師確保難」という負のスパイラルに陥り、病院が病院として成立し得ない状況も生じ始めている。

 地域医療構想は、まさにそうした状況に備えるための制度と言うことができる。策定に向けては、構想区域内において、個々の病院の病床の医療機能の分担をしなければならないが、その調整はどこも難航しているようだ。構想区域ごとに設けられる、いわゆる協議の場(地域医療構想調整会議)で話し合いによって行うのが基本だ。しかし、実際問題として、話し合いで決めるのはなかなか難しい。1つには急性期機能を手放したくないと考える病院がまだまだ多いことが挙げられる。一方、その在り方が根本的に見直される予定の療養病床は、見直し次第では「病院でなくなる」可能性があることも経営者たちの決断を迷わせる。

共倒れしないで生き残るためには
 そんな中、「地域医療構想を達成するための1つの選択肢」という触れ込みで、新しい制度が来年4月にスタートする。「地域医療連携推進法人」だ。聞き慣れない制度だが、「人口減や患者減にあえぐ地方で、医療機関が共倒れせず生き残るための最終手段」と語る病院経営者もいる。

 地域医療連携推進法人は、経営母体が違う医療機関や介護施設が、機能分化や連携を一体的に推進するための新しい仕組みだ。参加法人の間で診療科・病床の再編、医師の配置換え、医療機器共同利用、医薬品等共同購入などを一体的に進めると同時に、病床の融通もできるようにする。
(略)
 地域医療構想区域内の法人が参加することが基本で、構想区域や都道府県を基本的にはまたがないとしている。主な業務内容は、「統一的な医療連携推進方針の決定」「医療連携推進業務等の実施」「参加法人の統括」だ。「統一的な医療連携推進方針」とは、複数の医療機関で、診療内容や病床機能、在宅復帰への流れなどについて統一した方針を定めるということだ。

 「医療連携推進業務」は、診療科・病床の再編、医師等の共同研修、医師の配置換え、医療機器共同利用、医薬品等共同購入、社員間での資金貸与、関連事業者への出資等が想定されている。

 病床については、「都道府県知事は、病院等の機能の分担・業務に必要と認めるときは、地域医療構想の推進に必要である病院間の病床の融通を許可することができる」として、病床過剰の圏域であっても、病院間での移転が可能となる。
(略)
 従来の“連携”よりも強く、“合併”よりも緩い制度、それが地域医療連携推進法人ということができるだろう。人口減少、患者減少、医師・看護師不足にあえぐ地方では、個々の病院が単独で存続できる余地は急速に狭まっている。診療科の再編や、病床の機能分担を、経営母体の異なる病院・診療所が、自発的かつ一体的に取り組んで行くには、有効なツールになるはずだ。

地域医療構想によって病院機能毎の病床再配分が行われる可能性がありますが、地域内でバランス良く医療機関の機能分担が図られるならいいのですが、恐らくほとんどの地域では何かしら病床数の不均衡や不足と言った不具合が出てくるはずで、そこを行政が強制的に再編することで回っていたはずの地域医療がかえってバランスを崩してしまうと言うことはありそうなことです。
この病床数と言うものはご存知の通り法律で地域内での総数が幾らと定められていて、多くの地域で上限にまで達していることから病床を幾ら持っているかが言わば医療機関の既得権益化していて、今現在及び将来の各施設へのニーズや医療サービス提供能力と合っていないと言うことがままあるわけです。
こうした場合ひとたび病床を手放してしまえば再度増やすことは難しい以上、各医療機関は現在持っている病床を何とか維持しようと無理をしている可能性もありますが、医療機関の間で病床がもっと簡単に融通出来れば将来的な需給動向の変化にももっと柔軟に対応出来ると言うことになりますよね。

この地域医療連携推進法人なるもの、少なくとも医療法人が二つ含まれていれば介護なども加わることが出来るのだそうで、判りやすい例として地域内の急性期から慢性期、介護までの医療コンプレックスが形成できれば医療提供体制が一元化され、理屈の上では効率的な医療が行えるようになると言うことです。
ただ問題なのは融通出来るのが病床だけではなく診療科や医師の配置、医療機器の利用など多岐にわたると言うことで、同じグループ内で医療を行っているのに一方は連日夜遅くまで汗だくになって働いている、他方では昼間からどうやって時間を潰そうかと暇そうにしているとなれば、もうちょっとちょっと人員の融通でもしてくれないと困ると言う話にもなりそうですよね。
業務の多忙さや労働量だけではなく給料の面でも施設間の格差は大きいもので、しかも暇な慢性期の方が給料が高いとなれば急性期の側のスタッフも心穏やかではいられないでしょうが、ただこうした待遇面での違いが個性の幅が大きい医師の有効活用にも一定程度役立っていることを考えると、必ずしも平均化するのがいいのかどうかと言う懸念もあるでしょう。
いずれにしても都道府県毎に異なった医療構想の下に医療を整備しておくと言うことは、全国各地の医療のあり方にそれだけバリエーションが生じると言うことでもありますから、場合によっては都道府県間での人材移動に関しても今までよりも激しい動きが生じてくる可能性もありそうですね。

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2016年8月17日 (水)

教育へのこれ以上の投資は無意味か

先日作家の橘玲氏がこんなことを言っていたそうですが、長い記事ですのでごく一部だけを引用させていただきます。

知識社会の「格差」が生む 言ってはいけない「日本の内戦」(2016年8月13日NEWSポストセブン)

(略)
 戦後の高度成長期は、工場で真面目に働けば、住宅ローンでマイホームを買い、家族を養うことができた。だがグローバル経済では、そうした産業は人件費の安い中国などの新興国に移ってしまい、先進国の労働者は新しい仕事を探さなくてはならない。
 このことに最初に気づいたのはアメリカのクリントン政権で労働長官を務めたロバート・ライシュで、いまから20年以上前に、21世紀のアメリカ人はスペシャリスト(知識労働)とマックジョブ(単純労働)に二極化すると予言した。
 ライシュはアメリカの中流層がマックジョブへと転落していく未来を危惧したが、リベラリストとして移民排斥や自由貿易批判をとなえることはなかった。その代わり、中流層が知識社会に適応できるよう、教育にちからを入れなければならないと力説した。
(略)
 多くの若者が知識社会から脱落していくのは、教育のやり方が間違っているからだと、誰もが最初は考えた。貧困層の幼児教育に効果がないとわかると、乳児までさかのぼって教育すべきだという話になった。ITの仕事に就くために、失業者にプログラミングの基礎を教える試みもあった。だがなにをやっても状況は改善せず、経済格差は拡大するばかりだ。
 こうして、「これ以上の教育投資は効果がなく、税金の無駄遣いだ」と主張する論者が現われた。彼らは最初、「差別主義者」として徹底的に批判されたが、その声は徐々に大きくなっていった。なぜなら彼らの主張には科学的な証拠(エビデンス)があったからだ。

 知能や学力が遺伝なのか、環境(子育て)なのかという論争は、科学的には行動遺伝学によって決着がつけられた。一卵性双生児や二卵性双生児を多数調べることで、知能や性格、精神疾患や犯罪傾向にどの程度、遺伝の影響があるのかが正確に計測できるようになったからだ。
 詳しくは拙著『言ってはいけない』をお読みいただきたいが、そのなかでも知能の遺伝率はきわだって高く、論理的推論能力は68%、一般知能(IQ)は77%とされている。知能の7割から8割は、遺伝によって説明できるのだ。

 この科学的知見をもとにして、政治的にきわめて不穏な主張が現われた。彼らは次のようにいう。
 知識社会における経済格差は知能の格差だ。知識社会とは、定義上、知能の高いひとが経済的に成功できる社会のことだ。だからこそ、「教育によってすべての国民の知能を高める」という理想論が唱えられるのだが、いまやその前提は崩壊しかけている。
 先進国で社会が二極化するのは、知識社会が、知能の高いひととそうでないひとを分断するからだ。知能のちがいは、環境ではなく遺伝によってほぼ説明できる。だからこそ、どれほど教育にちからを注いでも経済格差は拡大するのだ。
 これはリベラルの立場からはとうてい受け入れることのできない主張だが、だからといってそれが科学によって裏づけられている以上、「差別」のひと言で否定することもできない。
(略)
 高齢化社会では、若者に対して老人の数が圧倒的に多くなる。民主政は多数決だから、政治家が高齢者の顔色ばかり窺うようになるのも間違いとはいえない。
 だが需要と供給の法則では、数少ない若者は、いくらでもいる高齢者より希少性が高いはずだ。実際、大手企業は若手社員を引き止めるために涙ぐましい努力をしている。これまでのように雑巾がけをさせようとすると、彼らはさっさと転職してしまうのだ。
 もっとも、ここにはひとつ条件がある。希少性を持つのは「知能の高い」若者だけなのだ。

 企業の本音は、優秀な若手社員を厚遇して人件費だけ高く不要な中高年をリストラすることだ。しかしその一方で、希少性を持たない若者は「非正規」という身分で差別され、高校中退などで学校教育からドロップアウトした若者(先進国に共通するが、その多くは男性だ)は貧困層に落ちていく。
 日本では幸いなことに、こうした社会の分断がテロや暴動として噴出することはない。だが欧米社会と同じように、知能の格差による「見えない内戦」は確実に始まっているのだ。

全文を読んでみると割合と面白い話も載っていて、個別の反証は幾らでも挙げられるかとは思うものの一つの意見として拝聴したのですが、資本主義社会では効率よく働けば収入が増える建前ですから経済格差で社会を語るのはあまり意味のあることではなく、満足に食っていけない貧困層が増えているのか減っているのかの方が社会評価の指標として有効な気がするのですけれどもね。
それはさておき世間で大きな話題になっているのがこの「これ以上の教育投資は効果がなく、税金の無駄遣い」と言う一説なんですが、その前提条件として語られている知能と言うものに関して遺伝的素因が大きな要因を占めているとは実感としてもあるのではないかと言う気がしますし、特にいわゆる地頭の良さと言うものは持って生まれた遺伝的要因が大きいようにも感じますがどうでしょうね。
ちなみに有名大学学生の親には高収入の人が多く経済格差が学力格差につながる例だと批判的に取り上げられますが、一方でそうした親もまた多くが高学歴であると言うことはあまり取り上げられる機会がないようで、少なくとも日本社会においては遺伝的素因によって頭の良さが決まると言う学説はあまり社会的に認められていない、あるいは認めたくないと考える人が相応に多いのではないかと言う印象を持ちます。
やはり誰しも事実に対する解釈と言うものはこうあるべきだと言う願望が入り込みやすいもので、子供の頭が悪い理由の大半は親のせいだと言う考えは世の多くの親にはあまり喜ばれないものなのでしょうがが、もう一つ受け入れられにくい事実として東大生の親の多くは子供にあまり勉強しろと言わなかったと言う話もあって、これまた学齢期の子供を持つ親世代には耳の痛い話ですよね。

いささか脱線しましたが、先進国における仕事が少数の知的エリートと多数の単純労働者に二分化されると言う考え方が必ずしも正しいのかどうかで、日本においては飲食店などに代表されるサービス業の従事者が今や最も多くなっていますが、これらは知的エリートでもないけれども専門的知識を備えた非単純労働者であり、年収においても非常にバラエティに富んでいますよね。
こうした産業の従事者に必要な教育と言えばまずはその職業における専門知識と技能であり、次いで一般的な広い社会常識、教養だろうと思うのですが、こうした需要に対して日本の高等教育がさほど役に立つかと言えば必ずしもそうではなく、むしろ大成するためにはなるべく早く業界に飛び込んで修行を積むべきだなどと未だに言われることがあるようです。
要するに教育と言うものはただ漠然と学校に通う年数を長くすればいいと言うものではなく、その中身がどれほど後々のキャリア形成に有用であるのかと言う観点が必要なのだろうと思うのですが、この点で日本でも例外的に職業的技能に直結する高等教育として知られているのが法学部と医学部であり、それぞれ文系と理系のトップエリートとして学歴上もその後の収入等においても上位を占めていると言うのは示唆的ですよね。
不景気だと言われていますが工業高校などの卒業生は引く手数多で一般大卒よりよほど就職率がいいだとか、大学の中でも理工系技術職は就職に有利だとか言う話は当事者からもしばしば聞く話ですが、教育にお金を使うことの是非を議論するなら学部毎の投資効率なりコストパフォーマンスなりを叩き台にして議論した方が、より実際的な改善点も見つかりやすいのではないかと言う気がします。

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2016年8月16日 (火)

注)医療機関のウェブサイトは広告ではありません

基本的に医療機関は広告禁止だと考えていましたら最近は必ずしもそう簡単でもないようで、先日はこんなニュースが出ていました。

医療機関のサイト広告、規制違反に罰則も(2016年8月3日CBニュース)

厚生労働省は3日、医療情報の提供内容等のあり方に関する検討会に対し、医療機関のウェブサイトの取り扱いについて、新たな規制の内容をガイドラインで明確化するとともに、ネットパトロールによる監視体制を構築することを提案した。また、ガイドラインの規制順守を図るため、医療法を改正して違反に対する罰則を設ける考えも示した。【新井哉】

医療機関のサイトの表示をめぐっては、特に美容医療の分野で、自院のサービスなどを誇大にPRするケースが少なくなく、その情報をきっかけとして消費者トラブルが相次いで発生。都道府県や保健所設置市などに寄せられる相談や苦情なども後を絶たないという。

医療機関に関する広告は医療法上の制限があり、それに抵触した場合は罰則規定も設けられている。ただ、医療機関のサイトを医療法上の広告として扱うと、患者が知りたいと考えられる情報が得られなくなるといったデメリットを懸念する声が出ており、検討会で規制の範囲などを議論してきた。

この日の会合で厚労省は、これまでの議論を踏まえた方向性を提示。虚偽・誇大な表示が規制されない状態は適切ではないとの考えを示し、「不適切な表示を禁止する規制を新たに設けることとしてはどうか」と提案し、検討会の委員に議論を促した。

旧来のやり方としてのいわゆる広告に関してはきちんとルールもあり、今現在もそれなりに守られているのだと思うのですが、一方で新しいメディアとも言えるネットやSNSなどの世界においては必ずしも有効な規制が行われていないと言うことなのでしょうか、その背景には平成18年に行われた「ウェブサイトは広告ではなく情報提供」等とした医療法等の改正も影響しているようです。
これによってインターネット上での情報提供が認められたばかりか、都道府県などはむしろ積極的に医療機関の情報公開を進めなさいと言うことになったのは、医療機関選びに一苦労と言う国民目線で言えば当然の制度改定だとも言えるのですが、では何を乗せるかと言えばやはり実績や得意分野の話でしょうから、世間的な意味での広告と何がどう違うのかは微妙なところも多いのでしょうね。
実際に美容整形などを中心にして誇大広告めいた話でトラブルが相次いでいるのだそうで、こうしたことから今度は規制強化に舵を切るのもやむなしと言う一面もあるのですが、今や何の業界であれデータを挙げてアピールしなければ何も始まらないと言う時代に、さて医療機関だけは全くそうしたことをやってはならないと言う話が通用するのかどうかです。
そもそも組織としてのウエブサイトで何をどう規制しても、例えば院長が個人でやっているブログなどまで規制出来るのかどうかで、今の時代これらは簡単に相互に関連づけられるものですから、実際の方法論として規制の実を挙げようと考えるとこれはなかなか難しそうな話でもありますね。

厚労省も手をこまねいていたわけではなく平成24年にウェブサイトに関するガイドラインも作成していて、画像の修正加工や病気への不安を煽るような内容のものは規制されたと言いますが、他と比較して自らの優位性を示してはならないと言われても治療実績などを数字で出せばどうしても比較にはなるでしょうし、逆に何が施設としての売りなのか患者にも判らない話でしょうね。
世間で盛んに医療機関のランキング情報などが飛び交っているのもこうした相互比較の情報に対する国民のニーズを示していると言えますが、ただ数や成績だけでは技術的優劣は判らないと言うことは過去にも繰り返し指摘されてきたところで、誰でも出来る簡単な手術ばかり手がける施設よりは他では出来ない難手術を行う施設の方が、見かけの成績や症例数は下でも実際は格上だと言う考え方もあるわけです。
もちろん身近な医療機関として普段着の医療をしっかり確実にやっている施設の方がずっと需要が多いと言うことも事実で、要は医療機関は全てが同じではなくそれぞれが違うものなのだと言う大前提をどこまで認めてしまうかなのですが、全国どこで誰がやっても同じ報酬と言う皆保険制度の仕組みの中で、制度的にどの程度格差をつけていくべきかについてはこれまた議論も多いところでしょうね。

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2016年8月15日 (月)

NIH指針公表で動物による臓器生産の時代へ?

先日こんなニュースが出ていたのですが、意外に国内では大きな話題になっていない気がします。

動物の受精卵操作して人間の臓器作製、米が研究容認へ(2016年8月10日読売新聞)

【シカゴ=三井誠】米国立衛生研究所(NIH)は4日、動物の受精卵を操作して動物の体内で人間の臓器を作製する研究を認める指針案を発表した。

 NIHは昨年9月、こうした研究への助成を一時的に停止し、倫理問題などの検討を進めてきた。来月4日まで一般から意見を募ったうえで、最終決定する。

 動物の受精卵に人間の細胞を入れて、動物の体内で人間の臓器や組織を作る研究は将来、移植用臓器の確保や作製した臓器を使った毒性試験などに役立つと期待されている。

 指針案では、NIHに内部委員会を設けて研究の妥当性を審査し、助成を行うかどうかを決めるとしている。

 一方、動物内で人間の精子や卵子を作り出すことや、人間に近い霊長類の受精卵に人間の細胞を入れることは禁止した。

記事にもあるように技術的進歩に対してルール作りが追いつかないと言う状況であったため、昨年にはひとまず研究助成を打ち切り議論を進めてきたものですが、このたび公式に指針が出たと言うことで今後はこれに基づいた研究が求められると言うことですね。
アメリカの一研究所が何を言っても知ったことかと言うわけにもいかないのは、NIHと言う組織は単なるアメリカの一研究所に留まらず、言ってみれば科学研究のあり方を規定しているほどの権威ある組織で、100年以上の歴史を持ち年間予算が300億ドル、6000人以上の科学者が所属し歴代ノーベル賞受賞者だけでも100人以上と言えばその壮大な規模がうかがわれるかと思います。
要するにNIHがルールをこう決めたと言えばそれに明らかに反するやり方での研究は難しいし、仮に独自の研究を行い何かしら結果を出したとしても一般的な学術の世界で受け入れられるところとならない可能性が高いと言うことですが、それでも世界的に見ればルールを逸脱しても独自の道を進みたい科学者もいれば、そうした科学者を受け入れる国もあることは言うまでもありません。

研究と言うものに関しては新たな素粒子が見つかったとか時折ニュースにはなりますけれども、我々の日常生活にそれがどう影響してくるのか?と思うような話ももちろんありますが、一方でこの種の生命医科学領域の場合はむしろ実社会からの需要と期待が非常に大きいと言うことがあって、言ってみればその成果に対してお金を出すと言う方々には不自由しないとも言えるわけです。
特に直接的な影響として臓器移植のドナー探しに大騒ぎする必要がなくなるのではないかと言う期待が非常に大きいのですが、海外渡航移植で一億円も二億円もお金がかかる現状を考えると少々の割高なコストもカバー出来るのでしょうし、病気でなくともお金持ちのご老人が若い臓器への取り替えのために大金を出すと言ったケースも十二分に想像できますよね。
他方では常に問題になるのが生命倫理との関わり合いですが、こと日本に関して言えばロボットやサイボーグと言ったものに対して例外的に肯定的なイメージを持っている国であることが知られる一方で、脳死移植などに対しては未だに拒否感が強いと言う少し特殊な感覚を持った国民性でもあって、案外こうした人工的な臓器の方が受け入れられやすい土壌はあるのかも知れません。
もちろんこうした技術をいち早く実用化すればそれだけ大きな経済的利益もあることですし、様々な臨床的な応用も期待されることから医療経済学的な主導権争いと言う点からも大いに注目されるところですが、ひとたび実用化され臨床応用され始めれば歯止めの利かない需要拡大も見込めるだけに、今後も繰り返し何度も指針の見直しが必要になるのではないかと言う気がします。

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2016年8月14日 (日)

今日のぐり:「ばくだん屋 広島駅新幹線口店」

その昔ゾウが乗っても壊れないだとか、百人乗っても大丈夫だとか言った宣伝文句がありましたが、こちらその道の世界最強がさらにアップグレードを遂げたと言うニュースです。

戦車が乗っても壊れない「世界最強の腕時計」が、さらに進化(2016年6月14日WIREDニュース)

ビクトリノックス・スイスアーミーは2014年、最も頑丈な腕時計の製造を目指し、「I.N.O.X.」コレクションを発表した。
戦車の下敷きにする、ビルから落とす、洗濯機に入れて2時間回すといった過酷なテストに耐え抜いた腕時計だ。その強度は冒頭の動画でご覧いただきたい。
日本での販売価格は72,000円。サイトによると、「高さ10メートルから落下しても、総重量64トンの戦車の下敷きになっても耐える強度。耐水深度は200メートル。90℃のお湯をつかった洗濯機に投入して2時間(洗濯機を)作動しても機能に支障をきたさない耐久性」を誇っている。

ブレモン(Bremont)はさらにその上を行く。同社の腕時計は、世界の93の空軍に射出座席を供給している英国のマーチンベーカー社の射出座席の上でもテストされたのだ。座席に座る人形に腕時計を取り付け、爆発するコックピットから座席を射出したあとでも、時計はちゃんと動作することが確認されている。
ブレモンの共同創業者ニック・イングリッシュは、「当社の新作『MBII』(3,595ポンド、約54万円)は、ほとんどすべてのことに耐える」と語っている。
「マーチンベーカー社では、ステルス戦闘機『F35』用のシートのテストプログラムが実施されることになった。射出座席のテストは非常にお金がかかるので、われわれはその多くに便乗させてもらった」とのことだ。

腕時計がいくら頑丈でも腕の方が先に壊れると思うのですが、しかしこうしたものに付加価値を感じる人がいるからこそ高い金額で売れると言うものなのでしょうね。
今日は戦車が乗っても大丈夫と言う腕時計に敬意を表して、世界中からそれが一体どんな意味が…とついつい感じてしまうニュースの数々を紹介してみましょう。

愛知・豊橋市 博物館で1億5000万年前の化石盗難か(2016年7月7日スポニチ)

愛知県豊橋市の市自然史博物館で、展示されていた1億5000万年前の化石がなくなっていることが6日、同博物館への取材で分かった。被害届を受けた豊橋署は盗まれた疑いがあるとみて調べている。

博物館によると、なくなったのはゴカイのような生き物のふんの化石。金具で固定され、来館者が触れるようにしていたが、5日朝、開館前の見回りをしていた職員がなくなっているのに気付いた。

それはまあ大変に貴重なものではあるのでしょうけれども、何もよりにもよってゴカイの糞を盗んでいかなくてもね…
事実は小説よりも奇なりと申しますが、こちら一体何が何やら判らないと言うニュースです。

「ロシア副領事」名乗る男が強盗射殺 リオ、身分を偽称(2016年8月5日朝日新聞)

 五輪開幕を翌日に控えたブラジル・リオデジャネイロ市内で4日、「ロシアの副領事」と名乗る男が車を運転中に、拳銃を持った2人組の強盗に襲われた。男は相手の拳銃を奪い取り、その場で強盗の1人を射殺し、残りの1人を撃退した。地元メディアは当初、男を「副領事」と報じたが、その後、身分証明書が偽物だったことがわかった。

 報道によると、現場は五輪のメイン会場となる五輪公園から直線距離で約3キロの大通り。事件が起きた午前中は渋滞していたという。男が運転する車が停車したところに、強盗が2台のオートバイで近づき、1人が窓ガラスを破壊。銃で脅して車を奪おうとした。

 撃たれた強盗は即死。別の1人は逃走した。当時、車内には男の妻と娘が同乗していたという。男は警察にロシアの副領事であることを示す身分証明書を示したが、後になって偽物とわかったという。

事件を報じたマスコミも態度を決めかねたのではないかと思うのですが、しかし一体何がどうなっているのでしょうかね。
こちら新たに公開された映画の話題ですが、敵役は誰もが身近なものとして知っているはずのあれだそうです。

牙を持った凶暴な人喰いドーナツ VS 人類の全面戦争勃発!『アタック・オブ・ザ・キラー・ドーナツ』7月公開(2016年06月17日Aolニュース)

凶暴な"人喰い"ドーナツが襲ってくる衝撃のホラー・コメディ『アタック・オブ・ザ・キラー・ドーナツ』が、7月17日(日)より、シネマカリテ(「カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション 2016」)他全国順次公開される。

ホラー映画史に燦然と輝く映画『アタック・オブ・ザ・キラー・トマト』(78)。殺人トマトが人を襲うというとんでもない内容で現在も多くのカルト的ファンを擁する。時が経ち2016年、今回人間を襲うのは「トマト」ではなく「ドーナツ」だ。青春ムービーとファニーなホラー要素が見事なドッキングを果たし、21世紀の"キラー"映画が完成した!

ドーナツ屋の厨房で聞こえる奇妙な音...何かの息遣いともとれるような不気味な音に気付いた女性店員が、その音が聞こえる戸棚を開けようとすると...!?不吉な予感をたっぷりと匂わせたオープニングで始まる今回の予告、次のショットに映るのは、まさかの牙を持った"凶悪な"ドーナツだ!そこからは魂を宿したドーナツたちが、フライヤー機から飛び出し街へ突撃、遂に人間たちを次々と襲撃するという信じられない展開に。色鮮やかなドーナツたちが牙を武器に人間たちを喰いまくる、まさに「人喰いドーナツ」へと変貌したのだ。最初はバカにしていた地元の警察官も、あっと言う間にドーナツたちの餌食に。人間とドーナツたちとの全面戦争が遂に始まった!

ドジで純粋なジョニーと美人で優しいミシェルはロサンゼルスにある冴えないドーナツ屋「ダンディ・ドーナツ」の店員仲間。ある日、ジョニーの叔父で自称サイエンティストのルーサーは、実験の結果完成させた"人間を襲う凶暴な遺伝子"を、誤ってドーナツ店の厨房でばら撒いてしまう...。フライヤーの中まで大量に入ってしまった殺人遺伝子により、ぞくぞくと凶暴な"キラー・ドーナツ"が量産され、ドーナツを食べようとする客に次から次へと群れになって襲い掛かる!事態に気付いたジョニーとミシェルはキラ ー・ドーナツたちを迎え撃つが...。果たして、彼らだけでこの地球壊滅的危機から人類を救えるのか?

この予告編を見るだけでもB級感にくらくらきますが、それにしてもよりにもよって何故?と言う疑問が浮かぶのは自分だけでしょうか。
同じく歴史と伝統を考えれば妥当な考えなのかも知れませんが、現代社会においてあまりにも似つかわしくないと言う話題です。

韓国の保険会社、社員のボーナスをキムチで支給し物議(2016年8月10日レコードチャイナ)

2016年8月9日、韓国の生命保険会社・興国生命が社員へのボーナスをキムチなどの食料品で支給していたとして騒ぎになっている。韓国・ヘラルド経済が伝えた。

韓国の金融投資業界によると、興国生命はこの間、キムチ、ワイン、コーヒーなど、同じ泰光グループ系列の企業が製造・販売する食品を役員・社員への成果給として支給していた。今年1〜6月期に支給されたのは、10キロ19万5000ウォン(約1万8000円)のかぶら大根キムチ、1本10万ウォン(約9200円)のワイン、6本15万ウォン(約1万4000円)の水出しコーヒーなどだ。

業界では同社のこうした行為が公正取引法違反に当たるのではとの指摘が上がり、金融監督院が「提供業者の選定や契約を進める過程で価格の適正性が検証されていないか、予定価格が作成されていなかった」として、今年初め、同社に警告を出していた。しかし今年に入っても「現物支給」は行われ、社員の間でも「この秋にもキムチが配られる」とのうわさが広まっていた。また、社が支給した食品の金額を給与に参入していたことから社員は現物支給分も課税されており、社員からは不満の声も高まっていた。
(略)

出ないよりはましと言われればその通りなのかも知れませんが、しかしボーナスにキムチとは何とも夢がなさ過ぎる気がします。
お隣中国と言えばしばしば意味不明のニュースが出てくるお国柄ですが、こちらもかなり意味不明だと話題になっているようです。

意味不明だよ!唐辛子水に浸かりながら唐辛子を早食いするイベント=涙と鼻水と汗を噴き出す参加者たち―中国(2016年7月7日人民網)

雲南省麗江のある観光エリアで7月2日、四川観光客1万人による唐辛子早食い大会が開催された。中国新聞網が伝えた。

予選での激しい戦いを突破して決勝に進んだ9人の「辛さの達人」たちがそれぞれ唐辛子がいっぱい浮かんだ直径1メートル10センチの大かめに浸かりながら両手で唐辛子を掴み口に中へ押し込んでおり、身体の内と外からスパイシーな体験をした。

大会では非常に辛い種類の小米椒と野山椒を使用。参加者たちはその辛さに涙と鼻水がとめどなく流れ、額からは汗を噴き出しながら戦い挑んだ。たった1つの小米椒を食べただけでギブアップを宣言する人もいれば、水をガブ飲みして辛さをしのごうとする人もいた。

最後は四川省成都市から来た観光客の鎖さんが辛さ対決を制し、2分間で47個の小米椒を食べ切るという驚異的な記録で優勝した。

そもそもこの意味不明なイベントに1万人も参加する辞典でどうなのかですが、画像を見る限りでも何故水に漬かる必要があるのかが謎ですね。
最後に取り上げますのはこれも意味不明なニュースなのですが、まずは記事から紹介してみましょう。

アイルランドに出現したUFOをパトカーが追跡(2016年8月6日IRORIO)

サイレンを鳴らしてUFOを追跡するパトカー。
Facebookに投稿された動画が、すでに119万回以上も再生されている。

アイルランド南東ウェックスフォード州ゴーリーのメインストリートを走るUFOを、地元警察が追跡し停止を命令。
ドアを開けさせて職務質問する様子も、Facebookに投稿されている。
(略)

その状況は元記事の画像を見なければ判りにくいかと思うのですが、しかしそもそも空を飛んでいないものをUFOと言っていいのでしょうか。
件のUFOがどのような罪状で停止を命じられたのかは不明ですが、こうしてみると地上の乗り物としてはスペース効率の悪いものなんですね。

今日のぐり:「ばくだん屋 広島駅新幹線口店」

広島県内のみならず全国展開で広島つけ麺を販売しているのがこちらのグループだそうですが、そもそも広島つけ麺とは何なのかですよね。
中華麺ベースでチャーシューや茹でキャベツがつき、そして辛口のタレが基本なのだそうですが、最近出来たと言うわけではなく半世紀以上の歴史があるそうです。

今回はその広島つけめんを醤油ダレ、辛さ普通で頼んで見たのですが、こちらの場合タレは醤油とゴマの二種類が用意されていて、定番は醤油ダレだそうですね。
辛さと麺の量は選べるシステムで、まずは辛味ダレが出てきたのですがそのままでもかなりピリ辛で、ちょいと酢の気が効いています。
本体のつけ麺の方は細めの麺は硬めの茹で加減で、まさにシコシコと言う感じの食感が特徴的ですが、しかし食べていると紙エプロンが出てくる理由がわかりますね。
付け合わせがチャーシューと思ったらハムだったり、茹でキャベツにネギ、胡瓜細切りのボリュームは薬味と言うより具材と言う感じで、これも文化なのでしょう。
辛さを調節する辛味ダレも気持ちばかり試して見ましたが、冷麺についてくるコチュジャンなどと違って純粋に唐辛子の辛味だけを足すもののようでした。

全体にラーメンはもちろん冷やし中華よりも旨味の関与は少ない点でスープと言うより確かにタレなんですが、韓国風の冷麺が好きな人には合うのかなと感じますね。
ちなみにこちらのお店には中華そばもあるらしいのですが、この店がどういう味のスープを出すのか興味深いところです。
店内は駅ビルらしくバリアフリーで通路も広いですし、重要度が高いお冷やはピッチャーとグラスが卓上に常備してあって、ちょいとレモンなども浮かせてあるので助かります。

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2016年8月13日 (土)

テレビゲーム有害論はまだ続いていた

かつては始終騒がれていた一方で最近はむしろ沈静化してきた印象もあったのですが、先日こんな講演会が開かれたと報じられています。

テレビゲームやスマホ 子どもの脳、発達阻害(2016年7月14日毎日新聞)

 テレビゲームやスマートフォンなどの映像メディアが子どもの発育に及ぼす影響を伝える勉強会「子どもたちのメディアワクチン−本の世界−」が、近江八幡市文化会館(同市出町)で開かれた。仙台医療センター小児科の田澤雄作医師(68)が講演し、テレビゲームなどの依存症が脳の健全な発達を阻害する事例を報告。約200人が聴き入った。

 市民グループ「子ども・本・文化を考える会」が主催し、「テレビ画面の幻想と弊害」などの著書がある田澤さんが招かれた。

 田澤さんはまず、テレビゲーム依存症で学力が低下した小学生の多くが、ライオンになったら、サバンナを駆け巡るより、餌と安全が確保された動物園で暮らす方がいいと思うと指摘した。

 田澤さんによると、テレビゲームによる刺激は、言語や感性などをつかさどる前頭葉を活性させず、後頭葉で興奮や恍惚(こうこつ)感を覚えさせるという。また、正常な発育を妨げる要因として、行きすぎた受験競争や過度な部活動なども挙げた。反対に、親子が目を合わせ、絵本の読み聞かせなど会話をすることが、子どもの成長にとって大切だと訴えた。

 また、田澤さんは「スマホやテレビを見ながらの育児もコミュニケーションを阻害する。親子や家族の絆が子どもの自尊心を養う上で重要」と話した。【金子裕次郎】

まあ何事につけ生きていると言うことは健康に悪いと言いますから、スマホやテレビゲームが悪いと言われても日本人の多数が眼鏡をかけざるを得ないほど現代の生活は体に悪いと言われるのと同じように感じるのですが、しかし管理人個人の記憶を辿ってみても十代の頃に一日数時間も遊んでいたゲーム上でやっていた作業と、今現在日常的に業務としてやっているPC上での作業は基本的に同じものなんだなと言う気がします。
むろんそこに娯楽姓を感じるかどうかはまた別問題で、ゲーム上のデータであれば幾らでも覚えよう、効率よく処理してやろうと言う気になっても、仕事上のデータに同じことを求められれば面倒臭いと言う感情が先に立つもので、将来的には仕事をいかに仕事と感じさせないで行わせるかと言う方向にアプリケーションも進化していけば効率が高まるのではないかと言う気がします。
いささか脱線しましたが、近年むしろこの種の話題が少なくなったのは当の大人がスマホにどっぷりの生活を送っていることと無関係ではないのだろうと思うのですが、一般的に親世代と言うものは自分達も経験してきた遊びに関しては寛容な傾向があるものですから、今後テレビゲーム世代が社会の多数派を占めるにつれてゲーム悪玉論と言うものも、21世紀における漫画悪玉論程度には落ち着いてくるものなのかも知れませんね。
いずれにせよゲームの類は多くの人が程度の差はあれさほど有益な効果もないが必要悪的なもののように受け止めているのではないかと思うのですが、一方でより肯定的な結果を示す調査結果もあるのだそうで、先日はこんな調査結果が報じられていました。

子どものゲーム禁止・許可で「成績の違いなし」 朝日学生新聞社がアンケート調査(2016年7月26日ITmedia ニュース)

 親から見て「ゲーム禁止」と「許可」の子どもで、成績に違いはない――朝日学生新聞社がそんなアンケート調査の結果を発表した。

 小学生1~6年生の男女に、家庭内のゲームに対するルールを聞いたところ、「ゲームを遊んでよいが、ルールや決まりがある」が88.5%、「ゲームで遊んでもよいし、ルールや決まりもない」が5.9%、「ゲームで遊んではいけない」が4.4%を占めた。

 1日の勉強時間は、ゲームを遊ぶ子が平均80.3分、禁止の子が平均92.2分と回答した。一方、「子どもの成績がよい」と回答した保護者は、ゲームを許可している場合で92.5%、禁止の場合で92.6%と「ほぼ変わらない結果になった」(同社)という。

 また、全体の44.0%の子どもが「ゲームが勉強の役に立つことがあった」と答えた。具体的な内容としては「いろんな知識が身に着いた」(65.1%)が最も多く、「集中力が上がった」(23.0%)、「計算問題が早くなった」(22.0%)が続いた。

 調査は6月16~27日、同社が発行する「朝日小学生新聞」の読者、小学1~6年生の男女723人とその保護者723人を対象に行った。

この種の調査の常としてバイアスが掛かっている可能性もあって、それは成績不良な子供が始終勉強もせずゲームばかりやっているとなれば禁止したくなる親も多いでしょうから、ゲームを許可されている家庭の子はもともと成績が良かったと言う可能性もあるのでしょうが、少なくともゲームに対しても肯定的な効果を実感している声も相応にあるのだとは言えるでしょうね。
一方で東北大の研究では長時間のゲームプレイによって高次認知機能や記憶、意欲に関わる前頭前皮質や海馬などの領域で発達の遅れが見られたと言いますが、これも別にゲームではなくとも何かしらの趣味に長時間没頭して周囲と没交渉になっていれば起こり得るのではないかと感じる話で、要するに子供の頃から一つのことにばかり没頭するのはあまりよろしくないのではと示唆する話に思えます。
この点に関しては実は別方面で以前から話題になっていることとして、子供の時代から一つのスポーツをずっと続けさせ、特に成長期にハードなトレーニングを課す日本式のスポーツのあり方と言うものは若い時期からの深刻な胡椒を招いたり、競技者人生を短縮してしまうのではないかと言う懸念が以前から言われているのですが、面白いことに世間やマスコミがこうしたことにあまり深刻な危機感や大きな関心を寄せている気配はありませんよね。
これも社会的に地位もある方々の多くが学生スポーツの経験者でもあったのだろうと考えると、自分達も通ってきた道については寛容になりがちな法則の一つの発露とも思えるのですが、考えてみますと「俺達も炎天下で連日ぶっ倒れるまで練習したのだからお前達もやれ」と言うのは、かつて一世を風靡したおしん的な考え方にも通じるものがありますね。

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2016年8月12日 (金)

著名人の個人情報、医療関係者が漏らす?

先日取り上げた著名人夫妻の個人情報無断報道の問題ですが、その後にこんな続報が出ていました。

海老蔵 週刊誌報道に怒り「真剣にやめてください!」…再度の自粛要請も(2016年8月7日デイリー)

 歌舞伎俳優の市川海老蔵が7日、自身のブログを更新し、乳がん治療中の妻・小林麻央の周辺や家族に対するマスコミ取材について、再度、報道自粛を呼びかけた
 海老蔵は6月に会見を開き、妻の乳がん闘病を公表。自身が会見し病状などを詳細に語る代わりに、マスコミには家族に対する報道自粛を強く求めていた。しかし、その後も自宅周辺などへの張り込みが続いたことから、海老蔵はブログで再三にわたり、取材自粛を呼びかけてきた経緯がある。

 7日朝、「ちーん くどいですが 再度」と題し、ブログを更新。麻央が転院したことや治療方針を巡って病院で意見が分かれた--などと報じた4日発売の女性週刊誌の記事を引用。仮に病院から情報が漏れているとしたら、との想定で「本当こまる、もし話してたとしたら その、病院はあかんよね…」と困惑した。
 そして「真剣にやめてください!」と週刊誌の名前を記述して報道を控えるよう訴え、「真剣なお医者様にも迷惑です。向き合ってくださる病院の方々にも迷惑ですよ、そして、1番迷惑と私感じます。」と抑え切れない怒りをにじませていた。

 7月21日は麻央の34歳の誕生日だったが、当日、海老蔵は会うことはできなかったという。その理由を8月4日付のブログで「家の周りにマスコミがいるから会えなかったのよ…」とつづっていた。


海老蔵 麻央の「病院で“内紛”」伝える記事に苦言(2016年8月7日東スポ)

 歌舞伎俳優の市川海老蔵(38)が7日、自身のブログを更新し、乳がん治療中の妻・小林麻央(34)周辺へのメディアの取材を再度けん制した。
「ちーん くどいですが 再度」と題したエントリーで、週刊誌「女性セブン」のWEB版の記事を引用。病院関係者の話として「彼女の治療方針を巡って院内で“内紛騒動”が起きたのです」など、麻央と病院側の対立、それに伴う転院の模様などが明かされている

 この記事に対し海老蔵は「病院関係者」の談話に苦言を呈す。「だから、どちらの病院なのかしらね…本当こまる、もし話してたとしたら その、病院はあかんよね…」と、守秘義務があるはずの病院から情報が漏れたことに疑問を表明し、「本当、真剣にやめてください! セブンさん」と取材自粛を要請した。
「真剣なお医者様にも迷惑です。向き合ってくださる病院の方々にも迷惑ですよ、そして、1番迷惑と私感じます」

 これまでも、闘病中の妻周辺の取材に対してき然と拒否反応を示してきた海老蔵だけに、内部情報を含む今回の記事には、ひと言述べなければ気が済まなかったようだ。

マスコミの取材ぶりとはもとからこのようなものですし、市川夫妻にしても言ってみれば半分以上はその世界に漬かって生きてきたのだから今さら文句を言うのは筋違いだと言う意見もありますが、そうは言ってもやはり他人の嫌がることは徹底してやると言うのがマスコミらしいと言うことなのだろうなとは感じますでしょうか。
この種の報道のあり方に関してはつねに個人情報との絡みで議論になるところで、特にマスコミと報じられる側、そして受け取る側である国民との間にそれぞれファウルラインの引き方が違うと言うこともややこしい理由ですが、ただ今回気になったのはそれよりも個人情報を誰がどう漏らしているのかと言うことです。
問題になっている週刊誌の記事からざっと関係者談なる部分を引用してみますが、実際に病院関係者であり事実このように語ったのだとすれば医療関係者としても非常識であると言う気がしますがどうでしょうね。

小林麻央の治療方針を巡り病院内で「内紛」発生し転院(2016年8月6日NEWSポストセブン)

(略)
 実は、麻央の闘病生活には紆余曲折があった。ある病院関係者が明かす。
「乳がん発覚当初、麻央さんは別のC病院に通院していたのですが、彼女の治療方針を巡って院内で“内紛騒動”が起きたのです」
 C病院は都心の一等地にある全国有数の医療機関。同院の医師らは麻央の病状を診て、真っ先に抗がん剤と外科手術を提案した。
「でも、麻央さんは海老蔵さんや家族と何度となく相談を重ね、“切らないで治す”方法を考えていたそうです。彼女はまだ34才。乳房を残したいという思いもあったのでしょう」(前出・病院関係者)

 現代医学の常識では、乳がんが見つかった場合、第一に外科手術が検討される。放射線やホルモン療法はその次の段階である。手術には、患部のみを切除して乳房そのものは温存する「部分切除」か、乳房全体を切除する「全摘出」がある。
「どちらを選ぶかは患部の場所やがんの進行具合で違いますが、いずれにせよC病院の判断は“早く切るべき”というものでした。しかし、中には麻央さんの考えに寄り添う医師もいた。“患者の意向を優先させるべきではないか”と」(前出・病院関係者)
 病院と一部の医師は対立。結果的に、C病院を辞めた医師もいたという。
「麻央さんもまた、この一件の後、転院することになりました。のちにC病院では、彼女側に立った医師の責任を問う事態にまで発展したそうです。“本来、切るように患者を説得するべき立場にもかかわらずそれを怠った”と」(前出・病院関係者)
(略)

医療関係者の個人情報流出に絡んだ事件と言えばかつて総理経験者の終末期の様子がネット上に流れ、全国関連病院で誰が漏らしたかと大きな騒ぎになったことがありますが、医療関係者が家族に漏らした情報が回り回って本人の耳に入り損害賠償につながるようなケースもあるなど、訴えられれば大きな問題にもなりかねない話ではありますよね。
一方で医療人としての秘密の保持に関する別なトラブルも知られていて、例えば病院と患者側が対立した場合患者側は一方的に情報発信を出来ることに対して病院側が出来ないため、いつの間にか世間的に病院が悪かったのだと言う心証を決定づけられてしまうと言ったケースがありますが、特にネット時代になってからこの種の問題は頻発しているようです。
著名人の場合どこまで個人情報を明かして良いものなのかどうか迷う場合もあるのかも知れませんが、一般論としてマスコミに取材されてこうしてぺらぺらと関係者がしゃべってしまう病院と言うのもあまり上等には見えないことは確かですので、組織のイメージ戦略としても情報発信のあり方には注意が必要だろうとは思いますね。

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2016年8月11日 (木)

今日のぐり:「中華そば マル龍」

先日こんな衝撃的なニュースが報じられていたことをご存知でしょうか。

地球の全人口が一斉に飛び跳ねたらどうなる?(2016年07月02日スプートニク)

米国オハイオ州立大学の研究者らがもし世界の全人口の73億人が一斉に飛び跳ねたら何が起きるかを明らかにした。研究の結果は「ビジネス・インサイダー」誌に公表された。

研究によればもし地球上の全人口が一箇所に集まった場合、ニューヨーク市内に収まってしまう。ニューヨークに集まる事が出来た場合、これは環境に多大な影響力を及ぼしうるという。

たとえば彼らが一斉に飛び跳ねた場合、マグニチュード4から8の地震発生時に類似した莫大なエネルギーの発散がなりたつ。また沿岸部に集結して飛び跳ねた場合、高さ30メートルの津波が引き起こされてしまう。

実際には同時にはあり得ないのでかなりが相殺されそうなんですが、しかしこれを見ればパニック映画制作者はもはや隕石や異星人など宇宙からの脅威を持ち出す必要はないわけですね。
本日は恐るべき試算を打ち出してきたオハイオ州立大に敬意を表して、世界中からまさしく衝撃を受けずにはいられないようなニュースを取り上げてみましょう。

除毛クリームをシャンプーと勘違い ごっそり髪の毛が抜けた少女(2016年07月31日ブレーキングニュース)

シャンプー&トリートメントから育毛&脱毛まで、店の「ヘアケア・スキンケア」コーナーには大変な数の商品が並んでおり、購入する際はとにかく手に取って商品名と用途をしっかりと読む必要がある。米国の若い女の子たちの間で今、とんだ失敗を犯してしまった少女のあり得ない顔写真が大きな話題になっているのだ。

マサチューセッツ州在住のカイラ・コナーズさん。彼女がその日、妹に手渡したピンクのチューブは有名な“Nair”社の除毛クリームであった。そうとも知らずに妹はそれをシャンプーとして使用し、そのせいで頭髪がごっそりと抜けてしまったという。

残酷にも姉は妹のつるつる頭を自身のTwitterに公開し、「“Nair”といえば除毛クリームよね。それをシャンプーと勘違いする女の子なんて、世界を見渡してもうちの妹くらいなものだわ」とつぶやいた。

ところがこの写真には「フォトショップね。ハゲは作りものよ」「今時はいろいろな面白いアプリがあるし」「塗ってすぐに毛が抜けるものではないわ。ヘンだと気づいてすぐに洗い流せばこんなことにはならなかったはず」などとクールなコメントが相次いだ。すがすがしいシャンプーの香りと異なり、確かに除毛クリームには独特の臭いがあり、妹が何の疑問も抱かないまま5分以上も放置したというのはどこか不思議だ。さて、事の真実はいかに…!?

事の真実がどのようであったかはともかくとして、この映像的な衝撃度はなかなかなものがあると思うのですが、さてこれを見て皆さんはどう感じられたでしょうか。
同じくアメリカからのニュースですが、こんなことが起こった日には幾ら寛大な愛犬家でもいささかどうよ?と思える出来事です。

犬が車を運転?、飼い主が買い物中の店に突っ込む 米南部(2016年8月3日CNN)

(CNN) 米南部ウエストバージニア州でこのほど、車の中に取り残された犬たちが車を「運転」して建物の壁に突っ込む騒ぎがあった。

飼い主の女性は7月29日、同州ウェインのスーパーマーケットの駐車場に車を止め、飼い犬2匹を車の中に残したまま買い物に出かけた。車中が暑くなりすぎないようにと、犬たちのためにエンジンは付けたままにしておいた。
ところが女性がまだ店内にいる間に犬が何らかの操作をしたため、ギアが入って車が発進。店舗入り口付近のコンクリートの柱に衝突して止まった。周りにいた人たちがすぐに助けに駆け付けたが、運転席に座っていたのは1匹の犬だった。

目撃者によると、助手席にいたもう1匹の犬は、中から自分で操作して車の窓を開けたという。
この様子を映した防犯カメラの映像が1日に公開されている。

車にも建物にもそれほどの損傷はなく、女性も罪には問われなかった。犬たちはシートベルトを締めていなかったが、2匹ともけがはなく、人間の運転する車で無事帰宅したという。

車の運転よりも猛暑の社内で自分で窓を開けたと言う方に注目してしまうのですが、やはり店内に突入したのは飼い主を探しての事だったのでしょうか。
中国と言えば衝撃的なニュースには昨今事欠きませんが、愛猫家にとってこれは相当な衝撃となりそうなニュースです。

衝撃!20代女性のベッドの下からぺしゃんこのネコ、半年間気付かず―中国(2016年8月1日レコードチャイナ)

2016年7月31日、中国網によると、中国湖北省武漢市のマンションに暮らす23歳の女性の部屋からネコの死骸が見つかった。発見場所はベッドのマットレスの下。ネコの体はぺしゃんこに押しつぶされた状態だった。

女性が今年2月に入居したのはマンションの27階にある1室。家賃はおよそ1500元(約2万3000円)で、半年間の賃貸契約を結んだ。住み始めて2カ月たった頃に女性はマットレスが放つ異臭に気付き、業者に交換を依頼。「新品がない」という理由で先延ばしになっていた交換作業を30日に行ったところ、持ち上げたマットレスの下からネコの死骸が発見された。

「最初に見たときは吐きそうになった」と話す女性は、「4月まで気温が低かったせいか臭いに気付かなかった」と振り返り、「他の住民とトラブルになったことはなく、誰が死骸を放置したのか見当もつかない」とコメントする。マンション側は施工業者や家具業者に連絡を取って調査を進めており、女性の通報を受けた警察も捜査している。(翻訳・編集/野谷)

心ならずも二次元世界の住人となったネコに合掌するところなんですが、しかしお隣の島国ではむしろ二次元の方が萌えると言う方々も多いようですしね。
北欧の方々の日光浴好きは知られるところですが、こちらその最中にとんでもない騒動に巻き込まれた女性のニュースです。

スリを現行犯逮捕したビキニ姿のセクシー女性警官!(2016年08月02日AOL)

先日、スウェーデン人の警官は、ある加害者の男に対してはっきりと次のような言葉を浴びせた。「ビキニ姿の女の子に手を出すもんじゃない!」

鍛えあげられた体を持つ警官のミカエラ・ケルナーさんは、ストックホルム公園で休日を友人と日光浴をして過ごしていたところ、1人の男が近づいてきた。その男はホームレスに雑誌を売っているかのように見せかけていたという。
男が長く居座るので、ケルナーさんは不審に思った。彼女がこの男の事を不審者だと確信したのは、友人が携帯電話が無くなった事に気付いた時に、男がその場を去ろうとしたからだ。
このビキニ姿の警官は15メートルほど走り、男を捕らえ、勤務中の仲間の警官が現れ逮捕するまでその男を地面に押さえつけていたという。彼女らを傍から見たら、ビキニ姿の女性分隊のようだったに違いない。

「裸だったとしても、同じ行動をとっていたと思う」とコメントするケルナーさん。警官として勤務した11年間、ビキニ姿で容疑者を逮捕したのは初めてとのことだが、彼女にとってはたやすい仕事だったようだ。
いずれにしても、これは仕事に真剣に取り組んでいる証拠だろう。常に魅力的な姿でいて、その上悪い奴を捕まえたりしたら、ボーナスは発生するのだろうか?

記事を読んでいれば特にどうということのないニュースなのですが、まずは黙って画像を参照頂ければどのような恐ろしい状況だったかがご理解いただけるかと思います。
最後に取り上げますのは少しばかり意外性のあるニュースなのですが、まずはこちらの記事を参照頂きましょう。

豊かな家ほど虫も豊富、虫にも“ぜいたく効果”(2016年8月5日ナショナル ジオグラフィック)

 家で一人きり、ということは本当はありえない。優雅に一人きりの時間を楽しんでいると思っていても、実際には小さなルームメイトたちが思わぬほどたくさんいる。米カリフォルニア科学アカデミーの博士研究員で昆虫学者のミーシャ・レオン氏はそう話す。
「生態学者は研究時間のほとんどを遠く離れた見知らぬ場所で過ごします。家の中の野生について考えることはめったにありませんけれど、私たちは家の中にいるとき、野生生物、特に多くの虫たちに囲まれているのです」
 8月2日付けの科学誌「バイオロジー・レターズ」で発表されたレオン氏らの研究によって、裕福な家にはそうでない家よりもたくさんの種類の節足動物、すなわち昆虫やクモなどがいることが明らかになった。家の大きさを考慮しても、裕福な家では平均100種類、あまり裕福でない家では50種類の節足動物が見つかるという。
(略)
 人間は自分たちのために住居を作り出したが、家の中の生態系はほとんどわかっていない。2003年のある研究で、高収入地域の植生は低収入地域の植生よりも多様性に富んでいることが明らかになった。生態学者のアン・キンツィヒ氏は、この現象を“ぜいたく効果(luxury effect)”と呼んだ。
 以来、研究者たちはぜいたく効果について詳しく調べ、家庭や地域の収入が生物多様性にどう影響するかを研究してきた。

 今回、レオン氏のグループが解明しようとしたのは屋内のぜいたく効果だ。ある大きな研究プロジェクトの一環として、彼らは米国ノースカロライナ州ローリーで地域の経済状況を反映するように50軒の家を無作為に選び、屋内にいる節足動物のサンプル調査を行った。
「引き出しやクローゼットの中まで虫を探すようなことはしませんよ」とレオン氏は笑う。「でも、多くの時間を費やして、あちこち這い回りながらサンプルをかき集めました」
 調査にかけた時間は1部屋あたり30分ほど。研究者たちが数えたのは、家の中にいた節足動物の合計数ではなく、その種類の数だけだ。平均的な家庭にいた節足動物は、生物の分類における「科」のレベルで61。中には、一生屋内で過ごせる虫もいた。
 豊かな家ほど節足動物の種類が多い厳密な理由はわかっていないが、裕福な家は庭が広く、植物の種類も豊富なことが多いため、家の中で暮らす節足動物の種類も増えるのかもしれない。
(略)
 ところで、掃除機をかけて見えない不法侵入者たちを家から排除したいという衝動にかられた方もいるかもしれない。しかし、レオン氏の話を聞けば安心できるだろう。
「こういった節足動物の多くはまったく無害です。それに、完璧にきれいに見える家にも、実はたくさんの虫たちがいるものですよ」

家の中にいる節足動物と言えばやはり黒光りするあの虫を想像してしまうのですが、お金持ちの家ほど多いと言うのはかなり意外な気も、当然のような気もしてしまいます。
ちなみに家の中のあの連中を一掃するにはその天敵を飼っていれば済むことらしいのですが、人によりどちらが苦手かと言う点で意見が分かれるかも知れませんね。

今日のぐり:「中華そば マル龍」

先日たまたま根来寺のある岩出市に訪れたのですが、和歌山と来れば真っ先に思いつく名物の一つがラーメンではないでしょうか。
幹線道路脇に立地するこちらのお店、まさに昔ながらの田舎のラーメン屋と言う感じですが、メニューもラーメンに焼き飯、餃子とシンプルで潔いですね。

比較的色々とトッピングが選べる中からひとまずねぎ中華を選んでみたのですが、山盛りネギはともかくその上にたっぷり振られた胡椒が際だって特徴的です。
この胡椒があらかじめ振りかけられていると言うのもオーソドックスな和歌山ラーメンの特徴だと聞くのですが、豚骨醤油系のスープは見た目ほどには濃くないですが結構いけますね。
麺はごく一般的な見た目の中細麺で、食べて見ればまあ老舗で良くある歯の弱い人には向いた茹で加減かなと思うのですが、その分スープとはよく絡む気がします。
同行者の焼き飯も多少つまんで見たのですが、見た目も味もまさに家庭料理の焼き飯風ですが、これもずいぶんと胡椒が効いてるのが和歌山の特徴なんですかね。

見たところおばちゃんだけが一人だけでやっているようで、正直手際もあまり良くないのですが、それよりも看板には出前ありと書いてあるのですが本当なのか?と思います。
設備なども全て見た目相応に年季が入ったもので、一応エアコンが入っているのは暑い季節には助かると言うものですが、ラーメン屋は小汚い方が妙に雰囲気が出ますよね。

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2016年8月10日 (水)

ドリルの高周波音は確かに脳に来ました

不肖管理人も今年初めて歯科受診の機会がありまして、なるほど世間の噂に聞く歯科治療の実際とはこんなものかと経験した次第ですが、日常的に歯科にお世話になっている方々にとって今やコンビニよりも多いと言われる歯科選びもなかなかの難題なのでしょう、先日はこんな記事が出ていました。

「いい歯科医」の条件 スタッフ定着率が高く待ち時間短いこと(2016年8月3日NEWSポストセブン)

 多くの人が一度はお世話になったことがあるのが歯科医だ。虫歯がたくさんあるという人、歯周病だという人、すでに入れ歯だという人など、いろいろなケースがあるだろうが、歯の健康がいろいろな病気に関係しているとも言われており、しっかりとした歯の治療を受けたいところだ。
 そこで、歯科医に「いい歯医者の見分け方は?」と聞いてみると、ほぼすべての先生が「いちばんよく聞かれ、いちばん困る質問」と言う。

 しかし、ほとんどの歯科医に共通していたのが「スタッフの定着率が高く、待ち時間が短い医院」という回答。みんなの歯科ネットワーク・副理事長で歯科医の大塚勇二さんはこう話す。
「スタッフはずっと治療を見ていますから、ずさんなところではまともなスタッフは耐えかねて離れていきます。また、予約しているのに毎回待ち時間の長い歯医者は、患者のことを考えていない傾向があります。治療内容を説明するのは当然ですが、“どんな疑問にも答えてくれる”ことと“治療の選択肢を与えてくれる”ことも大事です。法律的には最初に問診票を書いた時点で患者との間に委任契約が成立します。歯科医師に説明義務はありますが、1つ1つ患者に同意を求める必要はないんです」

 岩田有弘歯科医院院長の岩田有弘さんも「“患者のことを大事にしている”という観点から、新しくできた医院は患者を大事にしようという意識が高い」と話す。
 どの治療にも危険がつきもの。医師がスキルを磨き、説明責任を果たすことはもちろんだが、患者にも知識を持つことが求められている

どちらかと言えば接遇面の話に近いのかと思うのですが、特に歯科医療の場合保険外診療が多いだけに金銭的なトラブルも含めて言った、言わないの問題は医科以上に多いのだそうで、確かにろくな説明もないまま高い治療をされたのでは不満を抱く人も多いのでしょう。
歯科経験値の浅い管理人などは別として多くの方々は日常的に歯科治療の経験があり、恐らくこういう治療は高い、これは安上がりと言った感覚がある程度身についているのだと思いますが、施術する側が顧客のそうした知識を前提にうっかり説明を省いてしまうとトラブル云々以前に、一体スタッフが何を言っているのか判らないと言うコミュニケーションギャップも起こりやすいのかと感じるのですが、その意味で患者の知識も重要なのは確かでしょうね。
いずれにしてもこうした話はどこの業界でも昨今ありふれた問題であり、治療技術以前に世間的水準でのコミュニケーション技術も求められるのは医科も同様だと思うのですが、世間ではあまり問題視されない医療業界特有の問題点として、こうしたことを指摘する記事もあるようです。

歯科治療の感染症リスク 杜撰な実態を現場スタッフが告発(2016年8月1日NEWSポストセブン)

(略)
 B型やC型肝炎、HIV(エイズウイルス)などは血液を介して感染するため、出血が起きやすい歯科治療での感染リスクが指摘されてきた。C型肝炎ウイルスに汚染された器具による感染事例は、大学病院、歯科口腔外科において報告されている(『歯科診療におけるC型肝炎の感染リスク低減に関する研究』、2002年、古屋英毅)。
 特に抜歯は出血量が多く、一般的な外科手術と同等の感染リスクがある。

 歯科医が治療で使用する器具は種類が多い。基本セットのミラー、ピンセット、唾液等を吸い出すバキュームチップ。歯を削るハンドピース、その先端に装着するチップ(またはバー)、根管治療に使うリーマー、切開用メスなど。
 歯科衛生士は歯石除去用のキュレット、超音波スケーラーを主に使う。そうした患者の口腔内に触れる器具は感染リスクがあるので、患者ごとに交換するのが当然である。しかし、現場では驚くべき対応をしていた──。
「私が働いているクリニックではハンドピースをアルコール綿で拭いて、次の患者に使用しています。血液がべったりついたり、肝炎の患者さんに使用した時はその都度交換しますが、ハンドピースを沢山揃えていないので、患者さんごとに交換するのは無理です」
 証言したのは、これまで5軒のクリニックで勤務経験を持つ歯科助手の女性(30代)だ。
患者ごとに交換していたのは1軒だけでした。グローブを患者ごとに交換しない歯科医も2人いました」
 厚生労働省は、一般歯科の院内感染対策ガイドライン(平成26年度)で、使用したハンドピースは患者ごとに交換し、「オートクレーブ滅菌」することを強く勧めている。
(略)
 しかし、現役の歯科衛生士(50代)は、赤裸々に実態をこう語った。
「ハンドピースは、午前と午後の診療後、各一回だけ交換します。患者ごとにアルコール綿で拭きますが、歯科医は感染予防なんて全く気にしていません
──感染予防について聞く患者は?
「誰もいません。不思議と。ただ、私の家族は他の歯科医院で(病気を)うつされたら困るので、自分の勤務先に来させます。正直いうと、その時は滅菌したハンドピースに変えますね……」

まあしかし患者には間違っていると知っている対応を続けるのに、自分の家族だけ対応を変えると言うのもどうなのかですが、歯科業界も過当競争で利幅が狭くなっていると言いますから過剰投資は即経営破綻につながりかねないのは理解できるとしても、アルコールで拭いて使い回しとは懐かしの昭和の時代でもあるまいし、今どきの医学常識に反することをされているのであれば問題ですね。
ただこの種のトラブルはかつて美容整形や矯正眼科などでも指摘されてきたことでもあり、また一般医療においてもカテーテル使い回しなどが報じられたことがありますから、結局医療の世界に経済的利益を追求させるとろくなことにならないと言う実例だと言う意見も根強くあるようですが、さすがにお金のことを全く気にしない医療も許容される時代ではなくなってきているのも事実でしょう。
ちなみにこうした歯科医療の感染予防の実態を調査し公表した結果感染予防の必要性に対する現場の認識が高まった一方で、研究者の所属する大学の学部長まで歯科医師会から抗議が出たと言いますから面白い話だと思いますが、器具の数が足りない場合には患者さんを断るべきなのかどうかなど興味深いテーマも多くありそうですので、是非歯科業界でもそうした議論を深めてみていただきたいですね。

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2016年8月 9日 (火)

経済的貧困であっても高等教育への道があると言えばいい話なんですが

すでに歯学部や法科大学院など、かつて知的エリートとされてきた最高学府においても学生の定員割れが起こる時代ですが、医学の世界においても先日こんな記事が出ていました。

貧困につけ込み自衛官募集 米国流の「経済的徴兵制」(2016年7月23日人民の星)

 貧困に苦しむ若者を自衛隊にひきこむ動きが強まっている。三月末の安保法(戦争法)施行により、アメリカ主導の戦争の肉弾として、安倍政府が日本の青年を動員する枠組みをつくろうとしている。
 防衛医科大学校はさいきん「苦学生求む!」という学校案内のビラをつくった。「医師、看護師になりたいけどおカネはない!……こんな人を捜しています」というビラを、川崎市内の高校生らに自衛隊の募集案内とともにおくりつけた。
 防衛医大は、幹部自衛官を養成する防衛大学校同様、入学後は公務員扱いとなり、学費は無料で給与もでる。そのかわり、卒業後九年間は自衛隊に入隊する義務を課せられ、その間に途中退職すれば期間に応じて学費返還をせまられる。その額は、最高で四六〇〇万円にものぼる。
(略)
 いまどきの大学は学費などふくめて自己負担がきわめて重い。将来の就職を考えて進学しようとする青年たちは奨学金に頼らざるをえない。三四歳以下の五三%の青年が奨学金を利用し、その借入額は平均三一二万九〇〇〇円、返還期間は平均一四・一年にのぼるという調査結果もある。一四年度には、三カ月以上返済を滞納してブラックリストに入れられたケースが一万七〇〇〇件以上あった。
 そこまでして進学しても、まともな就職ができる保証もなく、奨学金の返済に苦しむ青年も多い。そうした若者たちを自衛隊へとひきこむのである。

学生対象に予備役将校課程
 防衛省の「国防を担う優秀な人材を確保するための検討委員会」は一三年六月付けの内部文書で、「学生時代からの入隊希望者の取り込みをはかるため、あらたな募集種目をもうけ、日本版のROTC(予備役将校訓練課程)設立を検討する」と明記した。
 ROTCは米軍が大学向けに設置した幹部養成制度で、受講生に学費や生活費を支給するかわりに軍事訓練への参加や軍事講義受講を義務づけ、卒業後は一定期間の軍勤務を義務づけている。受講生の大半は貧困層だ。
 防衛省はまた「自衛隊貸費学生」制度を強化することも検討している。貸費学生は理系の大学生や大学院生を対象に月五万四〇〇〇円を同省が貸しつけ、卒業後に一定期間、自衛官として勤務すれば返還を免除するという制度である。安倍政府は、一五年度予算に同制度採用枠を拡大する予算を計上している。
(略)

この募集広告もすでに一年前の段階で一部で話題になっていたと言いますから防衛医大も募集が大変なのか?と思うのですが、もともと大学生の半数が奨学金と言う名の学生ローン漬けにされ返済に四苦八苦していると言う時代に、経済的な優位性を学生募集のポイントに挙げることはごく当たり前の考え方なのだろうとは思いますけれどもね。
ちなみに他業界のことはいざ知らず、医療の世界ではお金で進路を縛ることは昔から当たり前に行われてきたことで、しかも国民多数の支持を得て現在進行形で絶讚拡大中であるのですから防衛医大だけ問題視するのも筋違いだろうと思うのですが、興味深いことに進歩的な革新政党の方々は「地域枠・奨学金などで地域への定着をはかるようにします」などと、学生の将来を金で縛り付けることに熱心でもあります。
「医師、看護師になりたいけどおカネはない!……こんな人を捜しています」とは何とも即物的と言う感じがしますが、自治体が共同でお金を出し合ってやっている自治医大なども同様に9年間の御礼奉公を義務づけているわけで、今後こうしたルートが単に特定地域の医師確保と言う目的だけではなく貧困層の進学路としても今まで以上に注目されていく可能性はありそうですね。

バブル崩壊から20年以上も経った近年では親世代のワープア化が問題化してきていて、学生ローン利用率の高さなどもそうですが仕送りが出来ない家庭では長時間のアルバイトを強いられ、その結果本来の学業にも悪影響が出てくると言うことで、生まれ育った家庭環境の格差がその後の人生に大きな影響を及ぼすと言う人もいるようです。
ただ一億総中流と言われ、大学進学に際して少なくとも金銭的な問題は今ほど多くはなかった二昔ほど前の時代であっても、生まれ育った家庭環境によってその後の人生に大きな差が出るのはむしろ当然のように捉えられていて、その理由として金銭的な余裕以外にも一流大学の学生は親も一流大学卒業生が多いと言ったことも影響している可能性は少なからずありそうです。
この辺りは人間の資質を決めるのは遺伝なのか環境なのかと言う古くからの議論にも関わってくるところですが、そもそも奨学金と言うのは優秀な資質を持ちながら経済的理由で進学を断念せざるを得ない方々の救済措置であり、やっとFラン大学に入れるかどうかの学生が借金を背負って進学するくらいならさっさと就職して稼いだ方がいいと言う意見も根強くあるのもまんざら理由がないことでもないのでしょうね。

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2016年8月 8日 (月)

人工知能が人間に正しい診断と治療を教える時代に

すでに一般紙面でも報じられご存知の方も多いかと思いますが、先日こんなニュースが出ていました。

人工知能ががん治療法助言 国内初か 白血病10分で見抜く(2016年8月5日産経新聞)

 膨大な医学論文を学習した人工知能(AI)が、60代の女性患者の白血病が治療などが難しい特殊なタイプだと10分で見抜き、適切な治療法の助言で回復に貢献していたことが4日、分かった。治療した東京大医科学研究所は「医療へのAI応用に大きな手応えを感じた」としている。
 同研究所が使ったのは、米国のクイズ番組で人間のチャンピオンを破った米IBMのAI「ワトソン」。同研究所はAIが患者の救命に役立ったケースは日本初ではないかとしている。
 治療に関わった東條有伸教授は「AIが医療分野への応用に非常に大きな可能性を持っていることが実感できた。将来は診断や治療の方針づくりに役立つだろう」と話す。
 膨大なデータの学習で的確な判断を行うAIは、多様な分野で応用が模索されているが、今後は医療への応用が本格化しそうだ。

 女性患者は昨年、血液がんの一種である「急性骨髄性白血病」と診断され同研究所に入院。当初の半年間は2種類の抗がん剤で治療したが回復が遅く、敗血症などの恐れも出てきた。
 東大は、昨年からIBMと共同で、がんに関連する約2千万件の論文をワトソンに学習させ、診療に役立てる臨床研究を行っていた。
 そこで、女性患者のがんに関係する遺伝子情報をワトソンに入力したところ、急性骨髄性白血病のうち、診断や治療が難しい「二次性白血病」という特殊なタイプだとの分析結果がわずか10分で出た
 ワトソンは治療法の変更を提案し、臨床チームが別の抗がん剤を採用。その結果、女性は数カ月で回復して退院し、現在は通院治療を続けているという。

この種のデータを整理して分類する作業はコンピュータの得意とするところなのでしょうが、すでに一部大学でも患者の訴えや症状から適切な検査や鑑別診断などまで挙げられるような診療補助AIが使用されているところですし、後はどれだけ臨床現場がそれを受け入れるかですね。
以前にアメリカで麻酔ロボットが医師らから反対続出でさっぱり売れず、メーカーは大幅なリストラを余儀なくされたと言うニュースが流れていましたが、ナースプラクティショナー導入議論の際にも言われたような結局誰が責任を取るのか?と言う論点が整理されておらず、いざ何かしらトラブルがあったとしてもすぐ動ける人間がいるなら最初から人間が対応していればいいじゃないかと言う声が多かったようです。
責任論に関しては組織として取ることになるのだろうと思いますが、患者目線で考えても病院が責任を取りますと言われても何となく実態がないように感じられるでしょうから、目で見える形で人間が表に出てくると言うのは未だしばらくは必要なのだろうし、むしろその点で病院外でのセルフメディケーションの方から導入が進んでいく可能性もありそうに思いますね。

先日トップ棋士を破ったAlphaGoが囲碁ランキングで人工知能初の世界一になったと報じられていましたが、高い技能と専門知識を必要とする領域ですらAIの進出が進んできていて、養育費6億円とも言う米軍パイロットが学生の作ったわずか35ドルの基盤上で動作するAIに模擬空戦で圧倒され、もはや人間では並ぶことができないと述懐したとも報じられていました。
ロボット掃除機や自動運転技術などすでに市販化されているものも数多くあり、人間の性質として身近にこうしたものがあふれてくれば急速に拒否感も薄らいでくるのだろうと思いますが、生理的な反発が抜けてもそれによって仕事を奪われる側にとっては必ずしも面白くない話であることは、かつて産業用ロボットの導入期にも広く見られた現象ですよね。
今まで高い教育水準によって専門的技能を維持し、将来安泰な仕事であるように思われていた領域でも人間を上回るAIが続々と登場していることが今後どれほどの影響を与えてくるものなのかですが、すでにAIによる取引が広まりつつある株取引の世界では時に予想外の値動きが見られた際にAIの関与が疑われる場合もあるそうで、人間がどこまでコントロール出来るものなのかと言う課題は残るのだろうと思います。

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2016年8月 7日 (日)

今日のぐり:「うなぎ料理 くりはら」

必要は発明の母と言うのでしょうか、ついにやっちゃった感の強いこんな新製品が出たそうです。

ラトック、RS-232をBluetooth化するキットを発売(2016年07月22日アスキー)

 ラトックシステムは7月22日、RS-232CをBluetooth化するキット「REX-BT60CR」を発売した。

 既存のRS-232C機器をBluetoothで接続するためのアダプター。同社のRS-232C接続キット「REX-BT60」をベースに、新たにマスター側を設計、2のアダプターはペアリング設定済みなので設定なしで利用できる。電源はACアダプター(付属)のほか、接続デバイスから電源を受け取ることも可能(D-sub 9ピンを電源ピンとして使用し、接続デバイスの仕様・設定に依存)。

 アダプターには通信状態が分かるLEDを装備。専用ソフト(Windows版)でシリアル通信のパラメーターやペアリング先を指定することができる。価格は5万1840円。

従来品は機器側のアダプターだけだったものを、今回PC側のアダプターも開発したと言うことなのですが、そういう環境がまだ残っていると言うことなのでしょうね。
本日は果敢にニッチマーケットに攻め込んだ同社の偉業に敬意を表して、世界中からついにそれをやっちゃったかと言う新サービスの数々を紹介してみましょう。

「あなたの犬のうんち拾います」サービス、ネタのつもりが大人気に…(2016年8月1日GIZMODO)

風刺アートよりも現実社会が上回ってました。
ライドシェア、食品配達と数えればキリがないですが、生活を楽にしてくれるサービスがシリコンバレーからはどんどんと生まれています。自分がしたくないことはお金を払って他の人にやってもらう、そんな考えが行き着く先にはどんな社会が待ってるんだろう...ふと疑問に思う人は少なくないようです。
そんな社会を風刺するアート作品を公開したのが広告会社のクリエイティブ・ディレクターであるBen Beckerさんとクリエイティブ・スタジオ経営者であるElliot Glassさん。バカバカしいアプリをいかにもシリコンバレーが作りそうなサービスとしてCMを作って公開したのがこちらのビデオです。散歩中に犬が糞をしたら、それを処理してくれるというサービス。名前は「Pooper App」。

犬が道端で糞をしたらその場で写真に撮り、地図上でタグ付けをするだけ。
まるでUberのごとくアプリのロゴを付けた車がやって来て、糞を拾ってくれます。
これで煩わしい犬の糞拾いから解放される...!というコンセプト。ビデオはよくできていてユーモアもありながら、「これってジョーク? それとも本当のアプリ?」と考えてしまう絶妙なラインで演出されています。その結果、多くのメディアにも注目され、The Next Web、the Washington Postが「ついにアメリカ人の怠惰レベルはここまで来たか」と取り上げたのですが、クリエイター2人はFast Companyの取材で「社会風刺のアート作品でした」と告白しています。

しかし面白いのは彼らのもとに集まったこの偽アプリに対する反応です。ウェブサイトには3〜4万人が訪れ、複数の投資家たちから出資したいと申し入れがあったそうです。パートナーとして関わりたいという企業もいくつか連絡があったとか。シリコンバレーのバカバカしさを風刺したつもりが、現実の反応に怖くなった、とインタビューで述べています。
このサービスで生活がさらに便利になる、と人々がこんなにあっさりと受け入れてしまうのはちょっと恐ろしかったです。私たちのメーリングリストには何百人も登録してきました。
犬の糞を拾って欲しいサービス希望者と、仕事として犬の糞を拾いたい人、両方がEメール登録することができたそうですが登録者の70パーセントは犬の糞を拾う仕事の希望者だったそうです。これも現代社会を表わしていますね。
(略)

未だ実用化には至っていないと言うより当人達はそんなつもりはなかったらしいですが、しかしこうまで世の中が動き出してしまうとすぐに実用化されてしまいそうですよね。
こちらもありそうでなかったサービスなのですが、ついに実用化されてしまったと言うニュースです。

ショッピングセンターに「ご主人預かりサービス」、無料WiFiも(2016年7月27日人民網)

  ショッピング好きの妻に、夫が仕方なく付き合わされる。そんな男性の悩みの解決に福建省福州市の一部の複合商業施設が乗り出した。このほど、福州市のあるショッピングセンターが「ご主人預かりサービス」を始め、ショッピング嫌いな男性たちが休憩できる場所を提供している。福州晩報が報じた。

  福州市のある複合商業施設を訪れると、2階に「ご主人預かりサービス」の案内板が人目を引いていた。案内板が示す方向へ行くと、静かなエリアに広さ約20平方メートルの「ご主人預かりサービス」があった。インテリアも凝っており、並べられている各イスの下には携帯電話用の充電コネクタが設けられているほか、本棚もあり、小説や雑誌など数十冊が並べられていた。

  夫や彼氏がショッピング嫌いという夫婦やカップルのために設置された「ご主人預かりサービス」では、女性がショッピングをしている間、男性が休憩し、本を読んだり、無料でインターネットが使えるようになっている。

  ただ、取材中、男女問わず多くの客が好奇心からこのサービスを見にやってきて、写真撮影したりしていたものの、ここで休憩している男性は少なかった。

しかし男性向けサービスと言うことのようですが、案外女性にとってもサービスになっているのでしょうかね。
同じく中国からかねて噂だけは広まっていた企画ですが、ついに実際に始まったらしいと言うニュースが届いていました。

「空中バス」中国で試験運行 疑問の声も(2016年8月6日NNN)

 中国で、画期的なバスが試験運行をした。

 上海の新聞「東方早報」に載ったトンネルのような乗り物。今週から中国北部で試験運行が始まった「空中バス」。2車線をまたぐ専用レールを走り、乗車部分を上げ底にすることで、下を車が通れる仕組み。

 交通渋滞の多い中国で注目される一方、現在の交通ルールを大幅に変える必要があるなどの理由で、実現を疑問視する声もあがっている。

動画を見るだけでもどれだけ画期的なものなのかがよく判ると言うものですが、しかし肝心のバスとしての利便性がどうなのかが最大の課題になりそうですね。
かねて様々な新機軸導入に熱心であったあの会社が、ついにこんなことまでやってしまったと報じられています。

Amazonがついに自社専用の貨物機を導入して運用を開始(2016年08月05日GigaZiNE)

Amazonは、膨大な量の商品の輸送のために自社専用の輸送機20機のリース契約を結んだことが報じられていましたが、実際にその運用が開始され、特別塗装機がメディア向けに公開されています。

2016年8月4日、アメリカ・シアトルにあるボーイングの工場でプレス向けに公開された、Amazon特別塗装機がコレ。中型機のボーイング767型旅客機を貨物用に改修した機体が使われており、機体には大きく「Prime Air」の文字と、垂直尾翼にはおなじみのスマイルマークが描かれています。
Amazonは専用輸送機の導入のために、「Atlas Air」と「Air Transport Services Group」の2社のリース会社と契約を交わしており、2016年内にも最大で40機規模にまで増強して自社貨物の輸送に運用する計画です。
そのうち、すでに11機は運用は開始されており、アメリカでは年間99ドル(約1万円)の料金で提供されている「2日以内の配達」を実現するためにアメリカ中を飛び回って貨物を輸送しているとのこと。
特別塗装の一部始終を収めたタイムラプス動画も公開されていました。

自社専用の輸送機を運用する狙いについて、Amazonで輸送を担当するDave Clark副社長は「いわば、航空会社の路線便とプライベートジェットの違いのようなものです。Amazonでは、自社の荷物だけで飛行機を飛ばせるだけの取扱量があります。自社専用の路線を持つことで、Amazonのサービスに特化したサービスが構築できるため、輸送量の面でも、物流の柔軟性の面でもメリットがあるのです」と語っています。
国土の広いアメリカならではの取り組みと言うことができそうですが、普通は専門業者に任せることがほとんどである貨物の空輸を自社で賄えるほどの物流があるとことからも、Amazonの巨大さが伝わってくるようです。

それはメリットも確かにあるのでしょうが、しかしこうした企業がここまで成長するとはほんの少し前までは思わなかったですけれどもね。
最後に取り上げるのはこれまた各方面で様々なチャレンジを繰り返しては時に物議も醸しているあの企業の、最新最先端の新事業を伝えるニュースです。

「ストリートビュー」ならぬ「シープ(羊)ビュー」!フェロー諸島で展開(2016年7月20日AFP)

【ストックホルムAFP=時事】米グーグルの地図サービス「グーグルマップ」が提供する「ストリートビュー」機能を活用して、自宅に居ながら世界中を旅する探検家に朗報だ。ストリートビューが網羅していないフェロー諸島でも、ネット散歩が楽しめるようになった。これを実現できたのは、何とヒツジたちのおかげだという。(写真は資料写真)

 フェロー諸島はノルウェーとアイスランドの間に位置する群島で、デンマークの自治領。デュリタ・ダール・アンドレアセンさんは、島々の中でもこれまで人があまり足を踏み入れたことのない場所まで遠方のファンに探索してもらいたいという発想から、辺境の5か所に暮らすヒツジたちにカメラを取り付けて「ストリートビュー」ならぬ「シープビュー360」を提供している。
 アンドレアセンさんは、動物写真家と教師と協力してプロジェクトを立ち上げた。3人で地元の羊飼いらの元を訪れ、ヒツジの群れにカメラを付けてもらえるよう依頼した。
 ヒツジカメラが捉えた大パノラマと断崖絶壁の目を見張る画像を携帯電話で受信し、シープビュー360のウェブサイト(VisitFaroeIslands.com/SheepView360)にアップロードしている。

 アンドレアセンさんは、「ヨーロッパの他の多くの地域と違って、フェロー諸島はストリートビュー上に存在しません。ここは荒涼とした辺地かもしれませんが、大西洋北部の18の島から成る群島は世界で最も神秘的な景色が堪能できる場所であり、今こそこの北欧の秘境を世界に紹介する時が来たのです」と話している。

なるほどその手があったかと言うものなのですが、しかし車と違って動物であるだけに思わぬ光景が映り込んでしまう危険性?もあるのでしょうね。
他の地域でも応用が利くものなのかですが、広大な未開地域も動物の手助けで景色が見られるようになれば楽しみだろうと思います。

今日のぐり:「うなぎ料理 くりはら」

夏と言えばうなぎのシーズンと言うことになっていますが、うなぎも本来夏場には味が落ちるそうですから、寒い時期の方が混まずにうまいうなぎを食べられると言うことですかね。
それはさておき岡山県南部でうなぎと言えばここだと言うほどの名店がこちらだそうですが、この日も大変な行列ぶりで店内に入るまでに1時間以上もかかってしまいました。
ちなみに特上の類はどれも提供中止、持ち帰りも一家族3尾分までと制限がきついのは時節柄なのでしょうが、店内も細々した掲示が多いあたり日常的に混雑しているのでしょうね。

特うなぎ丼をメインに、とりあえずすぐに出そうなものと言うことで鉢物を頼んでみたのですが、この鉢物なるものは冷やした白焼きを切って芥子酢味噌をかけたものです。
このタレの味の組み合わせは意外に悪くないし面白いんですが、うなぎ料理として見ると冷やしているせいもあり香りも味も全くらしさが感じられず、普通の白焼きもあればなあと思いました。
うなぎ丼は特がうなぎ1尾分でちょうどいいサイズ感だと思いますが、肝心のうなぎは見た目はいい具合に焼けているんですが食べてみるとどうなんでしょう、正直口に合うものとは言えませんでした。
焼きは好みが別れるところでしょうが、焼き立てなのに香ばしさがまるでないことに加えて、うなぎ自体が何ともさみしい味と言う感じですが、この行列ぶりを見るとたまたまこの日が外れだったのでしょうか。
つけあわせの昆布巻きもうなぎ以上に味が強すぎてうざくでもつけてくれていれば…ですし、肝吸いはもともとさほどに思い入れがないのですがずいぶんと濃いお味で一口でもう結構な感じです。

この日の料理については好みに合わなかったとしか言いようが無いのですが、それなりに顧客単価も高いお店なのですから業務用味の○の箱が見えたりするのはちょっとどうよです。
これだけ人が来る割にトイレは広さや設備はいいものの男女共用が一つきりなのが気になったのと、配慮はしているもののやはり夏の時期の暑さ対策はもう少し何とかならないかなと思います。
行列店ながら電話呼び出しをしないのはお店としては色々と理由があるのは判りますが、夏の盛りが稼ぎ時だけに何かしらやり方を工夫いただければ特に年配の方々にはありがたいでしょう。

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2016年8月 6日 (土)

その昔「クロスゲーム」と言う漫画がありました

この時期は高校野球に注目が集まるところですが、先日出ていた短い記事が思わぬ世間の反響を呼んでいます。

大分の女子マネが甲子園のグラウンドに 大会関係者慌てて制止(2016年8月2日デイリー)

 第98回全国高校野球選手権大会の甲子園練習が2日、甲子園球場で行われ、大分の女子マネジャーがユニホームを着てグラウンドに立ち、大会関係者から制止される一幕があった。

 大会規定では危険防止のため、グラウンドに立つのは男子のみと明記されている。甲子園練習も準じる形になるが、手引きには男女の明記がなく、ジャージーでの参加は禁止、ユニホーム着用とだけ書かれていた。そのため廣瀬茂部長は「私が勘違いしていました。彼女は一生懸命頑張ってきたので、グラウンドに立たせてあげようと思って…。本当に申し訳ありません」と女子マネジャー・首藤桃奈さん(3年)のユニホームを新調し、甲子園練習に練習補助員として参加させた。

 守備練習では慣れた手つきでノッカーへボールを渡し、約10分が経過した頃、大会関係者が気づいて制止。首藤さんは「やっぱりダメなんだと思いました。いつもやってるんですけど、甲子園ということで緊張して手が震えました」と言う。

 大分は中高一貫教育で、首藤さんはクラシックバレエを専門としてきたが、中学校の卒業式で答辞を読んだ際、「私がマネジャーになって甲子園に連れて行きます!」と宣言した。クラシックバレエの道を断念し、野球部のマネジャーに就任。1年夏に初出場を果たし、3年生になった今年、再び聖地へ戻ってきた。

 「1年生と3年生では違いますね。私的には両方とも連れてきてもらっているんですが、みんな同級生で家族みたいなものなので。プレーを見ていると心配になります」と語った首藤さん。ベストセラーとなった「もしドラ」の主人公・川島みなみをほうふつとさせる敏腕マネジャーは、ベンチから選手の動きに目を配っていた。

女子マネ制止にネット炎上 為末氏も「世の中と最もずれている競技になりつつある」(2016年8月2日デイリー)

 全国高校野球選手権大会の甲子園練習で2日、大分の女子マネジャーがユニホームを着てグラウンドに立ち、大会関係者から制止されたアクシデントに、ネットでは「いつの時代のルール?」「時代錯誤」「男子なら危険でも構わないのか」など、その対応に非難が殺到している。
(略)
 これにネット上では大会運営側に非難が殺到。口からトランプを出すマジックが有名なマジシャンのふじいあきらは「これってなにがいけないの?危険って性別関係無いじゃん。即刻見直すべき」とツイート。元五輪アスリートの為末大氏も「世の中と最もずれている競技になりつつある」、脳科学者の茂木健一郎氏もツイッターで「『丸刈り』を含め、謎の様式美、禁則が多すぎますね」と、首を傾げた。

 そのほかにも「始球式に女性が何度も立っているのになんでだ」「おにぎりだけ握ってろってか」「もし彼女が『私は男子だ』と言い張ったら身体検査でもする気か」「危険防止のためということだが、だったら尚更、規定通りユニフォーム&ヘルメットを着用していれば問題ないのでは?」「相撲か」など、批判ツイートが殺到していた。

記事を見ますと日常的に練習の手伝いを行っていたようで、その意味ではこうしたことに慣れていると言えなくもないのでしょうが、もちろん練習中の事故と言うものはいつ起こるか判らないと言う点で無闇に立ち入るべきではないのは当然でしょうが、気になるのは部外者でも素人非経験者でもなく女性であるから立ち入り禁止だとされている点ですよね。
当然ながらこれは時代錯誤の男女差別ではないかと言う声が出てくるわけですが、仮に事故でも起ころうものなら男性よりも女性の方が損害賠償金が高くなるのではないかと言う穿った見方もある一方で、これは男であればどんなドシロウトだろうが立ち入りを許されるのは男なら怪我をしても構わないと言う男性差別であると言う声もあるようです。
強いて言えば高校野球は男子限定で女子の参加は認められていないことから、男の大会に女が立ち入ってはならないと言うことは言えるかと思いますが、そもそも女子の参加を認めないと言う事自体が時代錯誤ではないかと言う意見もあるように、投手の連投問題などかねて指摘されてきた高校野球の諸問題とあわせて一斉に批判の声が上がっているようです。

別な学生スポーツの例ですが、試合中の危険を防止するため一定程度の経験がない者は試合参加させないと言うルールを設けている場合もあって、事故防止対策はどのスポーツにおいても重要なことであるのは言うまでもなく、熱心にマネージャーをやってくれたのだからと言ったご褒美的な感覚で素人が立ち入ると言うのは制限されてもやむを得ない場合があるかも知れません。
ただ一部の方々に見られるように硬球の危険性を理由に規制が必要であると主張するのはそれなりに理解出来るのですが、不慮の事故の危険性を訴えるなら男なら事故が起きてもいいのかと言う反論も成り立ちますし、事実学生スポーツでの事故が訴訟沙汰につながることも今や少なくないのですから、規制をするには誰が対象になるのか、その根拠は何なのかと言うことが問われているのだと言うことです。
試合には出なくても女子の野球経験者など素人ではない人もいるわけで、そうした方々も一律に性別を理由にして立ち入りを規制されるのはやはり釈然としないものがありますが、あくまでも事故防止対策であると言うことであれば野球の場合も一定の経験の有無による制限やヘルメット着用などの安全防止対策の義務付けなど、より合理的と思われるルールを用意した方が世間の理解は得られるのでしょうね。

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2016年8月 5日 (金)

ウエストサイズに一喜一憂する方々への悲報

世の多くの方々にとってかなり切実な話題なのかと思うのですが、先日こういうニュースが出ていたことを御覧になったでしょうか。

「やせ形」でも生活習慣病のリスク異常、財政負担増でメタボ指導見送り(2016年8月1日読売新聞)

 特定健診(メタボ健診)の制度改定について議論する厚生労働省の検討会は29日、保健指導の対象は腹囲が基準(男性で85センチ、女性で90センチ)以上の人を前提に選定する従来のルールを維持することを決めた。

 別の検討会が、腹囲が基準未満でも、血圧や脂質、血糖に異常がある人は生活習慣病のリスクがあるとして、指導対象にするよう求めた。だが、健康保険の財政負担が増えることなどから、ルールの見直しは見送った

メタボ判定、腹囲優先変えず 厚労省検討会(2016年7月30日日本経済新聞)

 内臓脂肪がたまり生活習慣病をまねきやすいメタボリック症候群の判定について、厚生労働省の検討会は30日までに、腹囲を最初の判断基準とする現行の特定健診を続けると決めた。

 別の有識者会合から、高血圧や脂質異常など腹囲以外の危険因子を重視する方法に改定を求められていたが、変更は見送った。腹囲が基準内でも血圧や血糖値などが高い「隠れメタボ」にまで保健指導の対象を広げると、健康保険事業の負担が増えることなどが理由。検討会は「健診はそもそも内臓脂肪による生活習慣病を抑えるのが目的だ」と強調した。

 現行の特定健診は腹囲が男性85センチ、女性90センチの基準値以上の人のうち、危険因子が1つある人をメタボ予備軍、2つ以上の人をメタボとして減量に向けた保健指導の対象としている。

 健診の見直しを議論した医師や研究者らで構成する有識者会合は、まず腹囲を測る現行の方法では隠れメタボが見落とされ、心筋梗塞や脳卒中などの危険性を警告できないと指摘。5月には、検査で危険因子を持つと判明した人を指導の対象とし、その上で腹囲の基準を超える人に減量を指導すべきだと結論付けた。

 だが健康保険事業者などで構成する今回の検討会は、費用増大への懸念も背景に、指導の対象を拡大するより、メタボの人たちに対する指導の実施率を上げる方が優先度は高いとした。今の指導は減量が中心で、隠れメタボに対応するためには新たに指導内容を検討する必要も出てくる。

 隠れメタボに関しては、危険因子を1つ以上持つ人は、持たない人より循環器疾患を発症する危険性が2倍程度高いことが門脇孝東京大教授の調査で判明している。

ご存知のようにこのメタボリック症候群の判定と言うもの、どれほど血圧やコレステロールが高かろうが腹囲が一定以上なければメタボではないと判断されてしまうと言う基準になっていて、さすがにそれは素人目にもいささかどうよ?と思われる方も多いと思いますし、実際に過去にも繰り返し議論されてきたところではあります。
実はこの5月に当の厚労省から、肥満ではない人でも生活習慣病になると言う科学的データが揃ったと言う理由で現行の制度を見直し、腹囲が基準以内でも他の項目がオーバーしていれば指導対象とする方針と決めたと言うニュースが出たばかりだったのですが、わずか3ヶ月を経ずして180度ひっくり返ったような内容になっていることに驚いた方もいるでしょう。
その理由として5月に結論を出したのが医師ら有識者による会合であり、今回結論を出したのが健康保険事業者らの検討会であると言うことが挙げられますが、要するにまず真っ先に腹囲と言う安上がりな基準でふるい分けをしないと金が掛かって仕方がないからと言う、まことにごもっともな?理由でこうした結論が出されたと言うことですよね。

実際に今の時代メタボ判定で何かしら引っかからない人の方が少ないと言うくらいで、基準を厳しくすればするほど指導対象者も増え治療に回される人も増加し、国の医療費負担がますます増えていくと言う結果になるのですから国としても短期的には歓迎でしょうが、しかし長期的に見れば損得勘定がどうなのかと言うことは未だ何とも言いがたいものがありますよね。
ただメタボ健診で引っかかった人に対する保健指導と言うことに関して言えば、正直企業健診として義務的に行われているものに対してどれほど真剣に向き合うのか疑問符がつくところで、現状では何ら生活を改善する意志も意欲もない人々に義務的に指導してお茶を濁すと言う、あまり実効性のない段階で終わってしまっている場合も多いのではないかと思います。
現状で約半数に留まるメタボ健診受診率を国は7割まで引き上げると言っていますが、引き上げて引っかかる人が増えてもそれがきちんとコントロールされないまま放置されるのであれば意味のないことで、本当に問題にされるべきなのは単なる健診受診率ではないんじゃないかと思うのですけれどもね。

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2016年8月 4日 (木)

医療の現物給付は次第に必要最低限なものに限られていきそうな気配

医療介護を始めとする社会保障のコストが増大を続ける中でその抑制策が議論されて久しいのですが、いよいよ負担増と給付の抑制が本格的に始まろうとしていると報じられていました。

医療費負担増、すぐそこ 国が議論本格化 進む高齢化、サービス縮小も(2016年8月1日毎日新聞)

 厚生労働省は医療と介護の負担増の議論を本格化させている。社会保障審議会医療保険部会は今月14日、高齢者の医療費負担増の議論をスタート。20日には介護保険部会が掃除などの生活援助のサービス縮小に向けた具体的な議論を始めた。【細川貴代、鈴木直】

 ◇70歳以上の高額療養費

 医療の負担増では、病院の窓口で支払う自己負担に上限額を設ける「高額療養費制度」のうち70歳以上の高齢者の負担増が焦点だ。
 高額療養費制度は、家計の医療費負担が過重にならないよう患者が1カ月に病院の窓口で支払う自己負担に限度額を設ける仕組みだ。限度額は年齢や所得に応じて設定されており、70歳未満よりも70歳以上の方が負担が軽い
 例えば、1カ月の医療費が100万円の場合、70歳未満は3万5400円~約25万4000円だが、70歳以上なら入院で最高8万7430円で、外来は4万4400円で済む。これをどの程度引き上げるのか、年内に結論を出す。
 高齢者医療では、75歳以上の後期高齢者の窓口負担の見直しも検討している。医療費の自己負担割合は年齢で異なり、75歳以上は1割(年収約370万円以上の現役並み所得者は3割)。これは2018年度までに結論を出す予定だ。
 このほか、高齢者に限らず入院時の患者の光熱水費の自己負担引き上げや、かかりつけ医以外の医療機関を受診した場合に新たに負担を導入することなども検討し、今年末までに結論を出すことにしている。
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 ◇増え続ける財政負担

 高齢化によって医療・介護ともに財政負担は増えている。13年度の国の医療費総額は40兆610億円で、このうち後期高齢者医療費の割合は32・7%を占める。また、医療技術の進歩で高度な医薬品が増えたことなどから高額療養費制度の利用も伸びており、13年度の支給件数は5406万件、支給額は2兆2200億円となっている。
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色々と考え方はあると思うのですが、自己負担増加によって医療の受診抑制を起こせるかどうかもさることながら、そもそも起こさせるべきなのかどうかと言うことが問題で、医療は求めた分だけ際限なく与えられるべきだと無邪気に信じ込んでいる方々も未だに少なからずいらっしゃるようなのですが、財源もリソースも限られている以上それをどこに使うかと言う考え方は必要ですし、その結果一定の制限が加わることも必然ですよね。
病院外来が高齢者の社交場と化しているなどと一般マスコミも批判的に取り上げるような状況ですから、安い自己負担が過剰受診を招いていると言う見方はかなり広く滲透しているのだろうと思えますが、一方で医療費抑制の方法論として考えた場合、やはり高額なコストを必要とするのは外来よりも入院診療であって、こちらをどう抑制するかと言う点で高額医療費上限の引き上げだけでどの程度効果があるのかです。
例えば月額8万円が10万円に引き上げられたとしても、そうした自己負担上限の高い=所得の多い高齢者の方々にとっては月々入ってくる年金の範囲内でしょうから、家族全員がその年金に依存して暮らしているとでも言うのでない限りお金の節約のために早く退院しようと言う気持ちにどれほどなるのかですよね。
こうして考えていくと多少の自己負担引き上げで医療費がどれほど抑制されるものなのかどうかは不確実不透明な部分もあり、根本的に患者の受診行動を変えていくにはまず医療に対する考え方、あるいは期待値を変えていく必要があるのだろうと思うのですが、一例として日常臨床でも遭遇しそうなこんな話を取り上げてみましょう。

入院当日に退院先探しを指示され家族が激怒(2016年6月14日日経メディカル)

 介護施設に入居の相談で来訪される家族の中には、頭の中で整理がつかないまま、不安を抱えた状態で飛び込んで来られる方が少なくありません。
 相談内容の多くは、急性期病院からの退院先について。先日も、入院患者のご家族からこんな相談がありました。

 「1人暮らしで要介護2の母が自宅で熱を出し、病院に受診しました。肺炎とのことで、即日入院になったのですが、医療ソーシャルワーカーの方から、退院後は一人暮らしを継続するのは難しいだろうから、施設への入居を検討した方が良いと言われました。『1週間程度で退院になると思いますので、すぐに退院後の行き先を探してください』とのことだったのですが、突然のことでどうしたらいいのか分からず困っています」。

 もう一件、同様の相談もありました。「母は88歳。大阪で一人暮らしをしていたのですが、昨日熱中症で救急搬送され、入院となりました。私は昨日、東京から駆けつけたのですが、病院からはいきなり『5日程度で退院してほしい』と言われ、それまでに介護施設を探すよう勧められました。母は1人でトイレに行くこともできない状態です。家族は、息子の私一人だけで、遠方に住んでいるため同居は難しいし…。すぐに何件か介護施設の見学に行きましたが、納得して母を預けられる施設がありません。昨日入院したばかりで、まだしんどそうにしている母を、病院は追い出そうとしているとしか思えない!あそこの病院はおかしい!」。

 どちらのご家族も、途方に暮れた様子で、「とりあえず何かをしなければいけない」との思いから来訪されたようでした。体調を崩した親を心配し、やっと入院が決まって少し安心した矢先に、退院先を探すよう言われているのです。病院への不信感を持ってしまうことも少なくありません。

「病院」ならすべて同じだと思う家族も

 国の方針で、病院の機能分化や病院から在宅への流れが加速し、診療報酬改定でもそれらが誘導されている中、急性期病院には、平均在院日数の短縮が求められています。患者の状態が落ち着き退院の目途がついてからの退院支援になると、退院できる状態であるにもかかわらず、受け入れ先が見つかるまで入院を継続することになるため、病院側としては、新規患者の受入れができなくなるといった事情があるでしょう。

 ただ、患者さんやご家族は、このような背景については知りませんし、関心もないのが現状です。それどころか、高額療養費制度の自己負担限度額内の費用負担で入院できるのですから、1日でも長く病院という安心できる環境で過ごしたいと考えるでしょう。

 多くの患者さんやご家族は、「病院」は、どこも同じだと思っています。「評判の良い病院」、「よく名前を聞く病院」という判断基準はあるものの、病院によって得意とする診療科目が違う点や、受け入れ患者の層がそれぞれ異なることなどは、ほとんどの方が理解できていません。家族の中で誰かが病気になった時に初めて関心を持ち、焦って行動する人が多いのが現状なのです。
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 家族は、医療ソーシャルワーカーから介護施設への入居を提案されると、大抵反応が悪く、積極的に行き先を求めることはまずありません。介護施設の見学や相談にもあまり行かないのが現実であり、結局、病院への不信感が募るだけで、退院予定の期日が過ぎてもなかなか退院先が決まらず、入院期間が長くなる傾向にあるのです。
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こうした場合いきなり急性期から在宅ではなくひとまず回復期なりに転院させるべきだろうし、送り先についてもいきなり施設入所が無理ならまずはショートステイで時間を稼ぐ必要があり、こうしたことは素人の家族任せではなくノウハウを持っているケアマネや地域連携室などが段取りをつけるべきかと思うのですが、それでも早期の退院、転院云々の話で今さら驚かれると言うのでは困ったものですよね。
家族の方でも一番安上がりで安心出来るのは病院であり、「納得できる施設がない」等々と言い訳を探しては少しでも長く居座ろうとする方々も少なくないのが現実ですが、「まだ元通りになっていないのに退院させるのか!」式のクレームに対しては「いや、それは我々急性期の役割ではなく回復期でやるべきことだ」ときちんと理解させると言うのは、個々の病院ではなく国の責任で行われるべきことではないかと言う気がします。
こうした場合患者の自己負担をどんどん引き上げていくよう制度改定すべきだと言う極論もあるようですが、必要も適応もないまま急性期病院に居座ることは単に医療費を無駄に浪費していくだけではなく、リソースの消費によって助かるはずの誰かの命を危険にさらしているのだと言うことを理解いただくためには、国やマスコミにももっと広報を頑張っていただく必要がありそうに感じますね。

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2016年8月 3日 (水)

日医副会長、日医目線で新専門医制度を語る

ご存知の通り新専門医制度の導入実施が当面先送りされたと報じられたところですが、かねて部外者であったにも関わらずこの専門医制度に介入したがっているのが日医と言う団体で、先日は日医副会長がこんなことを言っていたと報じられています。

「日本専門医機構のガバナンスを一新」、中川日医副会長(2016年7月29日医療維新)

 日本医師会副会長の中川俊男氏は、7月28日に開催された埼玉県医師会勤務医部会の討論会で、「新たな専門医の仕組みについて」をテーマに講演した。この7月からの日本専門医機構の第二期執行部の役員(理事)を選考した立場から、「新しい役員を選ぶ際の基準は、機構のガバナンス、そして組織を一新する」が狙いであり、それが実現できたと説明、地域医療への影響、サブスペシャルティや専攻医の身分保障など、さまざまな問題をいまだ抱える新専門医制度について、確実かつ早急に議論するよう新執行部に対し、期待を込めた。

 専門医の取得をめぐっては、医師にとってのメリットを問う声もあるが、中川氏は「専門医の仕組みと、診療報酬は決してリンクさせてはいけない」と強調。これは新専門医制度が議論される以前から、日医が長年主張してきた方針だという。
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 「1年延期」となった直接的なきっかけは、地域医療への影響が懸念されたため。中川氏は、地域医療の実情を、学会などの関係者に伝える必要性を指摘し、「声を上げないと、納得したと受け取られる。声を上げ続けてほしい」と求めた。
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 日本専門医機構は2014年5月に発足、日医は設立時の社員3団体の一つとして加わった。日医は、同機構に対し、(1)専門医の仕組みをプロフェッショナルオートノミーとする、(2)専門医の認定の仕組みや総合診療専門医に、日医生涯教育制度を組み入れる――などを働きかけ、協調関係を保つように努力してきた。
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 「新たな専門医の仕組みを、2017年度から導入することを目安としていたが、相当な準備不足が明らかになった」(中川氏)。中川氏は、3月14日の日本専門医機構の社員総会に出席、同総会やその前後で学会関係者の意見を聞く機会があったが、「基本診療領域の中でも大きな学会のトップは、地域の実情を全く分かっていなことが分かった。『うちは大丈夫』『新たな専門医の仕組みにより、医師の地域偏在が加速することはない』と言っていたからだ。しかし、各地域の医師会の意見を聞くと全然事情が違った。この流れを何とか止めなければいけないと思った」と振り返る。
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 中川氏は、「新たな専門医の仕組み」は、専攻医が都市部に集中する懸念だけなく、既に専門医を取得している医師の更新への影響も大きいと説明。「従来は、講習会や学会の総会への参加などで、専門医の更新が可能だったが、新たな基準では、講習に加え、勤務実態の報告、診療実績の証明が加わることになった。地域医療を担う医師にとって負担が大きい」。
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 最終的に7月20日、「新たな専門医の仕組み」は延期され、2017年度は各学会が現行通り実施することが決定した(『新専門医制度、全19領域とも「1年延期」へ』を参照)。新たな仕組みは、2018年度を目途に一斉にスタートすることを目指すとともに、更新基準についても、「新たな基準が厳しすぎて、日常診療に影響が出かねないという声が出されており、新旧基準の違いについて今後調査する予定」になったという。
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質問:専門医を取得するメリットは何か。診療報酬と関連付けるなどの動機付けが必要ではないか。
中川氏の回答:専門医の仕組みと、診療報酬は決してリンクさせてはいけない。日医は長年、「専門医とそれ以外で、診療報酬に差を付けるのは問題」と主張してきた。専門医の仕組みは、医師としての職業的な自律性を確立し、プロフェッショナルオートノミーで運営すべきであり、「いい医療を提供する」という医師の矜持として専門医を取得することが必要だろう。より良い医療を提供すれば、地域住民から評価され、患者も集まり、十分なメリットにつながる。 また「かかりつけ医」と総合診療専門医とは異なり、「かかりつけ医」の診療報酬上での評価は今後も求めていく。「かかりつけ医」は開業医に限らず、病院勤務医でもかかりつけ医。医師が所属する医療機関の経営形態とは関係なく、診療報酬上で評価していくべき。

質問:いいプログラムを作れるのは大きな大学や余裕のある病院に限られる。地域医療への影響が生じないようにしてもらいたい。また専門研修において、「基幹施設」になるか否かは、「大学の顔色」を見て判断しているところがあり、その辺りが何とかならないのか。
中川氏の回答:当初考えられていた仕組みでは、学会により差があるが、指導医になれる医師も限定され、医師の偏在が加速することは間違いなかった。1年延期されたので、精査して徹底的に議論すべきだろう。地域医療の現場を理解してもらうためにも、諦めないで、現場から声を上げ出し続けてもらいたい。
 2017年度は、各学会が独自で専門医養成に取り組む。その際、新しい専門研修プログラムを使いたいという学会については、「地域の医師偏在を加速させない」などの点を精査するよう、日本専門医機構からお願いしている。
 もっとも、医師の地域偏在解消策は、「新たな専門医の仕組み」以外にもあるべきで、一定の強制力もある偏在解消策が必要だと考えている。
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質問:開業医の立場からすると、専門医の更新の問題が大きい。既に新しい基準に則って、更新をしている学会もある。
中川氏の回答:それがダメだという権限はどこにもないが、更新についても厳しくならないように、日本専門医機構から依頼している。

質問:以前だったら、学生がストライキをやるほどの事態。日本専門医機構を作ろうとしたのはいったい誰なのか。また同機構は、(運営のために)約8000万円借り入れたと聞いている。旧執行部が勝手にやり作った借入の返済を各学会が負担するのはあり得ない
中川氏の回答:プロフェッショナルオートノミーとしてやるべき、と主張したのは、日医だ。借入については、旧執行部が責任を取れるレベルではないだろう。

何やら最後の方でさりげなく爆弾も投じられていたような気配なのですが、しかし専門医取得で診療報酬アップはまかりならんが、かかりつけ医の診療報酬アップは求めていくと言ったあたり、日医はちゃんと仕事はしているとみるべきでしょうかね。
それはさておきこの新専門医制度のポイントとして単に学会出席や過去の実績だけではなく、現在進行形で専門医としての診療に携わっている人間にしか維持が出来ないようになると言う大方針が伝えられていて、その結果現実的に基幹病院の勤務医以外は早晩専門医資格を取得も維持も出来なくなるだろうと言われていますよね。
この点に関しては過去にきちんとトレーニングを受けたり多くの経験を積んできたベテランが、市中の中小病院や開業医となった結果専門医資格を保持出来ないのは如何なものか?と言う懸念もあり、基幹病院側から見ても患者を逆紹介するのに全くどの程度の専門的知識がある相手かも判らなければ紹介のしようもないと言うこともありますから、標榜診療科の自由を担保するだけでいいのかどうかと言う議論はあるでしょう。
一部の開業医の先生に言わせると「○○年△△専門医取得」式の表現でやっていく予定だとも側聞するところですが、今後例えば元専門医資格保持者なり過去の診療実績の多さなりを評価する資格として専門医以外の何らかの呼称なり資格なりが必要になるのかどうか、その場合誰がどうやって認定するのか等々の課題もありそうに感じますが如何でしょうか?

いずれにしても記事からも容易にうかがわれるところとして、日医の立ち位置としてこの新専門医制度と言うものが下手をせずとも非常に困ったものになりそうだと言う危機感が表れていて、そうであるからこそ制度の根幹に関与してなんとか自分達の不利益を減らそうと努力している様子が伺われるのですが、その結果新専門医の意味が失われてしまうのでは本末転倒でしょうね。
特に後段の質問にも現れているように、そもそも新専門医取得のメリットとは何なのか?と言う疑問は多くの現場医師が抱くところだと思いますが、日医は以前から専門医資格の有無によって診療報酬に格差をつけるなどまかりならんと、その専門性を公的に評価しない方向で鋭意努力してきたわけですし、ましてや基幹病院にますます医師が集中するようでは非常に困ると言う立場なのでしょう。
一方で厚労省としては以前から中途半端な中小市中病院は統廃合を行い医師の集約化を推進すべきだと言う立場で、後者の基幹病院への専門医集中と言う点に関しては全く合目的的な効果であり、また前者の待遇格差をつけないと言う点についても何らの取得への誘導策を用意しなくとも勝手にプロフェッショナルオートノミー(笑)で先を争って専門医を目指してくれるのであれば、こんなおいしい話はないわけです。
かくして日医と厚労省の目指すところが少なくとも部分的には利害関係が一致しているからこそ、新専門医制度に日医がこれほど深く関与することが認められたと言うことなのでしょうが、日医としては今後の戦略として新専門医制度の過程を通じて今まで影響力を発揮しがたかった勤務医にも力を及ぼし、また受講料なりの名目で日医のためにお金も取れるようにすると言った辺りが目指すべきところとなってくるのでしょうか。

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2016年8月 2日 (火)

遺伝子診療、公的規制導入か

かねてからの懸案となっていた問題ですが、国がこうした方針を決めたと報じられています。

遺伝子検査ビジネス、法規制など検討へ(2016年7月23日朝日新聞)

 病気のリスクや体質がわかるとする遺伝子検査ビジネスについて、厚生労働省は安全性や科学的根拠を確保するため、新たにルール作りに乗り出す。検査結果が就労や保険加入時の「遺伝子差別」につながらないような規制が必要かも検討する。昨年11月から遺伝情報の利活用と保護を議論してきた政府の有識者会議が22日にとりまとめた報告書案に盛り込まれた。

 遺伝子検査が急速に広がるなか、検査を受けた人に食生活の指導や健康食品の販促がされている実態がある。このため、厚労省は健康や生命に悪影響を与える可能性が否定できないと判断。有識者を交えた実態調査を今年度中にも始め、検査の科学的根拠の確保などについて法規制や指針などの導入を検討する。

 遺伝子差別防止などの法整備も検討するため、「結婚や就労時の問題とならないか」「検査したデータが海外流出しないか」といった市民の懸念を把握するための意識調査も始める。

 これまでは産業振興の観点からの経済産業省の指針や、業界の自主規制はあったが、法的拘束力はなかった。(竹野内崇宏)

遺伝子「差別」法規制見送り 検査は国に指針要求 有識者検討会報告(2016年7月23日毎日新聞)

 個人の遺伝情報に基づくゲノム医療の実現に向けて課題と対策を議論していた政府の有識者検討会は22日、遺伝子検査の質を確保するため、一定のルールなどを求める報告書をまとめた。焦点になっていた遺伝情報による差別防止と、医療の枠外で販売されている消費者向けの遺伝子検査ビジネスの規制については、いずれも法整備の必要性を盛り込むことを見送った

 ゲノム医療は、個人の遺伝情報を調べて病気の診断や治療、予防に役立てる。特に、患者1人ずつに応じたオーダーメード医療への応用が期待されるが、将来病気になるリスクが分かるため、雇用や保険加入などでの不利益防止やデータの管理が課題となっている。

 検討会はゲノム医療の実現を目指す協議会の下部組織だが、こうした差別の問題や遺伝子検査ビジネスの規制に関し、政府組織として初めて主要議題としたため注目されていた。

 報告書は、ゲノム医療を保険適用するための前提として遺伝子検査の品質や精度の確保の重要性を挙げ、「ガイドラインなど、法的措置を含む具体策の検討」を厚生労働省に求めた。

 一方、遺伝情報に基づく差別の防止について「不当な扱いを受けることのないよう社会環境の整備が必要」と課題を明記したものの、法整備については「対象となる行為を明確にする必要性がある」などと見送り、差別の実態調査の必要性を提言した。日本医師会などが国内での規制の遅れを批判してきた遺伝子検査ビジネス対策では、学術団体や厚労省などが関与して科学的根拠などが確保される取り組みを求めた。【千葉紀和】

記事を見る限りでは未だ手探り状態と言うしかないのですが、世間的には根強い反対論がある一方でその有用性に関しては疑いようがなく、特に技術開発と言う視点で見ると今後遺伝子診療の技術を制する者は世界の医療を席巻するのではないかともされていて、各国で倫理と技術的主導権争いとの狭間で議論が重ねられてきた経緯があります。
すでにアメリカなどでは20世紀末から遺伝情報をどこまで収集し活用することが許されるのかと言う議論がなされていて、2008年には個人の遺伝情報に基づく健康保険上の差別的取り扱いを禁止することになったそうですが、興味深いのは日本と同様既往歴によって差別的取り扱いを行うことまでは禁止されていないと言う点で、言ってみれば逆差別的状況にあるとも言えますよね。
雇用の場においても遺伝情報の収集や差別は禁止されているのですが、これまた日本においてもメタボ健診で引っかかったら雇い止めされたと言った話も決してなくならない状況を見ても、既存の医療情報と比較してやや逆差別的な取り扱いとも言えるかと思うのですが、まあこうしたケースの最初の段階では厳しめの規制が行われることはままあることではあるでしょう。

遺伝子検査についてはすでにコマーシャルベースで行われていて、素人でも手軽に採取できる検体を郵送するだけで腫瘍疾患の罹患リスクが判ると話題になっていますが、アメリカではこれまた商品としての販売が制限されるなど規制が行われているとは言え、ネットを経由して世界中がつながる時代だけに第三国の幽霊会社を経由するなど幾らでも規制の抜け道はありそうに思います。
検査自体は個人が自己責任で利用する分には早期発見、早期治療と言う既存の健診等とも重なる部分があり、必ずしも悪い話ではないと思うのですが、やはり素人が送られてきた結果を誤って解釈する可能性であるとか、個人情報が流出し思わぬ不利益を被る可能性であるとか、様々な問題点は日本においても指摘されていますよね。
単純に考えるとこれらを回避する早道は医療機関以外ではこうした検査を受けられないようにして、必ず専門家が情報を取り扱うようにすると言う方法論が考えられますが、国がOTC薬を推進するなどと言った近年の医療改革の流れとは逆行する話だとも言えますし、現場の臨床医の先生方にとっても正直面倒臭そうだと言う印象が強いかも知れません。
医学的に見れば疾患治療に直接影響するような領域に関してどこまで保険適応とすべきかも議論になりそうなのですが、下手をすると予防医学のあり方を劇的に変えることにもなりかねないだけに、それによってトータルでの医療費が増えるのか減るのかと言う計算も事前に行われるべきなのかとも思いますね。

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2016年8月 1日 (月)

日本に買い出しに来るロシアの船員さんも愛用しているそうです

予防接種有害論など定期的に登場する話題と言うものが幾つかあって何やら周期性でもあるのか?と思うのですが、先日久しぶりにこうした記事が再登場していました。

正露丸の主成分は解毒剤すら存在しない劇薬! 薬剤師いわく「百害あって一利なし」(2016年7月22日ヘルスプレス)

(略)
 時間はやや遡る。1999年9月12日、医薬品・治療研究会(代表・別府宏圀)と医薬ビジランスセンターJIP(代表・浜六郎)は、民間の医薬品監視機関である薬害オンブズパースン会議の委託による共同研究を行い、『正露丸の有効性及び安全性(危険性)の評価に関する研究』を発表した。この共同研究は、正露丸の安全性と有効性を以下のように結論づけている。

 最大手メーカー大幸薬品の添付文書によれば、正露丸の主成分は木タールから製造されるクレオソート。クレオソートは、フェノール(14.5%)、クレゾール(16.8%)、グアヤコール(23.8%)、クレオソール(19.1%)、エチルグアヤコール(6.4%)が混合するフェノール系化合物だ。
 クレオソートは、解毒剤がない劇薬のため、細胞や神経を傷害する高濃度の腐食性があり、血液障害、腎障害、がんの発症リスクを高める薬剤とされる。ただしは、腸液の分泌抑制・吸収促進、腸の蠕動抑制などによって下痢を止める作用はあるが、殺菌効果はない
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 正露丸の1日の最大常用量(成人)は9粒。動物実験の結果によれば、成人の中毒量は1日の最大常用量の約2~4倍(18〜36粒)と推定される。
 成人の1日の最大常用量の約4倍を服用したため、麻痺性イレウス(腸閉塞)、腸管壊死、貧血を発症したり、腎不全の手術・透析を行った臨床例がある。また、自殺する目的で240粒を服用後、意識消失と溶血が認められ、透析を受けた臨床例もある。
 これらの症例を放置すれば、患者は死亡した可能性が極めて高い。

 また、消費者は薬が効かないと感じれば、増量して服用したり、1日の最大常用量の約2~4倍を服用するリスクは避けられない。したがって、医師や薬剤師の処方箋を必要としない市販薬としての安全性は極めて疑わしい
 正露丸の臨床試験は、使った・治った・効いたという「三た論法」の論文だけを根拠にしている。つまり、正露丸を投与しない対照群との二重盲検試験をまったく実施していない。したがって、正露丸の有効性を実証する根拠となり得ない。
 以上の論点から、正露丸の安全性と有効性の根拠はまったくない。長期的にも短期的にも服用のリスクが高いので、一般医薬品としての価値は認められない。つまり、その毒性は許容できず、臨床効果は適切な臨床試験で証明されていないことから、販売を中止すべきとの結論となっている。
(略)
 都内総合病院に勤務する薬剤部部長のK氏は、次のように語る。
 「正露丸は、古くから販売されている医薬品という点で、安全性が担保されているという考えもできなくはない。また、どんな医薬品でも量を誤れば、何らかの有害事象(副作用)が起こる
 しかし、そのような前提があっても、正露丸には「極めて危険だと感じる点」があるという。
 「正露丸は、添付文書に定める用法・用量からわずか2倍量を超えただけで中毒量に当たる医薬品である点、簡単に入手し服用ができ点を考えると、極めて危険だと感じる。これまであまり大きな問題が起こっていないのは、あの独特の匂いや味覚が、服用量を増やしてしまう行為につながりにくいからだけではないか」
(略)

正露丸についてはこういう記事もありより実感に近いかなと思うのですが、ともかくも10年も前にも話題になりとっくに決着した話だと思っていましたが、何故未だにこうした記事が出るのかと言えばクレオソートと呼ばれる物質が二種類存在しているからに他ならず、しかもそれぞれ単独の物質ではなく複数成分が含まれた混合物であり、その一部は共通であると言う点が紛らわしい理由であるとも言えます。
ただそんなことはネットにつないで5分で判るようなことなのですから、こうして何時間もかけて記事にする間には幾らでも調べる時間があっただろうと思うのですが、まさか今どきの人間がその程度の裏取りもしていないとはちょっと思えませんから、何かしら意図があって混同した言い方を敢えてしていると解釈しておくべきなのでしょう。
ちなみに記事にある医薬ビジランスセンターとは子宮頚癌ワクチン接種をなんとか阻止しようと頑張っていたり、タミフル有害無益論を展開して国に働きかけている団体で、代表の浜六郎氏と言えば「高血圧は薬で下げるな」等々数々の名言?で一世を風靡した御高名なセンセイですから、その言葉を信じて全国各地で健康を害していらっしゃる方々も少なからずだと言いますが、しかし何故正露丸?と言う気はしますでしょうかね。
浜氏やそのシンパの方々の思惑が奈辺にあるのかは寡聞にして存じ上げませんが、正露丸に関しては他の市販薬同様各人が自己責任できちんと用法用量を守って服薬していただくのは当然として、この種のネガティブキャンペーンは既存の常識に反すると言う点でそれなりの注目を集め購買に結びつくと言うことなのか、一般マスコミなども定期的に取り上げる機会もあるようですが、先日こういう興味深い記事が出ていたことを紹介しておきましょう。

BMJ誌から メディアの報道は薬物療法に影響するか? 英国でスタチン論争前後の処方記録を調べた時系列研究 (2016年7月26日日経メディカル)

 マスメディアが医薬品のリスクに関する報道を数カ月にわたって積極的に行った場合、プライマリ・ケアにどの程度の影響を与えるのか。英ロンドン大学衛生学熱帯医学大学院のAnthony Matthews氏らは、スタチンのリスクとベネフィットに関する報道が多かった期間の前後で処方記録を比較し、報道集中期間後にスタチンの服用を中止する患者が増えていたことを報告した。ただしさらに6カ月以上経つと、スタチンを中止する患者の割合は報道前のレベルに戻っていた。詳細は、BMJ誌電子版に2016年6月28日に掲載された。

 スタチンは心血管イベントの一次予防と二次予防を目的として広く処方され、横紋筋融解症などの重篤な有害事象の発生は極めてまれだ。しかし、2013年10月に、スタチンに批判的と見られる論文がBMJ誌に掲載された。そのうちの1本は、心血管リスクが低い人では、スタチンのリスクは利益を上回ることを示唆していた。この論文をきっかけに、英国では心血管リスクが低い患者に対するスタチン投与の是非を巡る幅広い議論が始まり、メディアはそれを積極的に取り上げた。おりしも、英国立医療技術評価機構(NICE)がガイドラインを変更して、スタチンの適応を心血管10年リスクが20%以上の人々から10%以上の人々に拡大しようとしていたために、リスクとベネフィットに関する議論が長期にわたり報道された

 著者らは、メディアが盛んに報道していた時期に、プライマリケアでのスタチンの処方に及んだ影響の程度を明らかにするために、時系列分析を行った。スタチンの処方は、英国民の6.9%をカバーするプライマリケア施設の診療データを収集しているClinical Practice Research Datalink(CPRD)のデータを用いて調べた。メディア報道の暴露期間はBMJの論文掲載時から、英国で「statin side effects」をキーワードにしたグーグル検索がトレンドからはずれた時期を参考に、2013年10月~2014年3月とし、この期間の前後でスタチン治療の開始者と中止者のパターンを比較することとした。

 CPRDから、少なくとも1年以上GPの診察を受けている40歳超の患者で、それまでスタチンの処方記録も心血管疾患の既往もなく、心血管10年リスクが20%以上の人(1次予防の対象者)と、心血管イベントを起こした人(2次予防の対象者)を、毎月同定した。対象のイベントは心筋梗塞、狭心症、血行再建術、脳卒中、TIA、腹部大動脈瘤、間歇性跛行を設定した。また、1次予防の対象者と2次予防の対象者の中で、実際にスタチンを服用し始めた患者の割合を計算した。40歳超の患者でスタチンを処方されていたのに、処方を中止した患者も毎月同定した。追跡は2011年1月から2015年3月まで毎月継続した。

 追跡期間中に、1次予防の対象者は8万8010人、2次予防の対象者は2万8593人発生した。報道期間の前後で比較すると、スタチン治療を開始した人の割合が変わったというエビデンスはなく、1次予防を始めた人の割合はオッズ比0.99(95%信頼区間0.87-1.13)、2次予防を始めた人の割合はオッズ比1.04(0.92-1.18)だった。これに対してスタチンの服用を中止した人の割合は、報道期間後に増えた傾向を示していた。1次予防の中止者はオッズ比1.11(1.05-1.18)、2次予防の中止者は1.12(1.04-1.21)だった。

 層別化解析では、スタチンの服用期間が長い患者ほど、報道の影響を受けやすい傾向を示した。1次予防の報道前後を比較したオッズ比は、服用期間が半年未満1.08(1.03-1.14)、半年~1年1.11(1.05-1.17)、1~2年1.16(1.09-1.23)、2~4年1.26(1.18-1.36)4年超1.38(1.28-1.49)だった。同様に、服用期間が長いほど報道の影響を受けやすい傾向は、2次予防の対象者にも見られた。

 事後解析で、さらにその後の治療開始者と中止者の割合を調べたところ、報道の影響は継続しないようだった。スタチン中止者のオッズ比は、報道期間終了から6カ月を過ぎると、報道期間前のレベルに戻っていた。1次予防の中止者は1.03(0.96-1.11)、2次予防の中止者は1.00(0.92-1.10)だった。

 ネガティブコントロールとして、緑内障患者に対する治療薬の処方状況を調べたが、報道期間前後に変化は認められなかった。また暴露期間を12カ月前倒しにして、報道がない時期にずらして計算したところ、予想通り中止者が増える効果は消滅した。オッズ比は1次予防が1.01(0.99-1.03)、2次予防が1.00(0.98-1.03)だった。

 報道が英国民の健康に及ぼした影響についても検討した。報道期間終了から6カ月以内にスタチンを中止した患者は、英国全体では21万8971人いたと推定された。使用を再開する割合として、別の研究から得られたを66%を仮定すると、報道がなかった場合に比べ、その後10年間に少なくとも2173件の心血管イベントが過剰に生じると予測された。最も悲観的な仮定で、もし使用を再開する患者が1人もいなければ、過剰なイベントは6372件発生すると推定された。

 原題は「Impact of statin related media coverage on use of statins: interrupted time series analysis with UK primary care data」、概要はBMJ誌のウェブサイトで閲覧できる。

元論文の解釈についてはそれぞれお任せしたいところですが、ここで注目したいのはマスコミによるネガティブキャンペーンは一定程度効果を持っていると言う点、そしてその効果は決して永続的なものではなく、やがてどこかの段階で効果が消えていくのだと言う点でしょうか。
スタチンなどは一般市民にとってはあまり馴染みのない薬で、それを新聞テレビが取り上げたからと言ってそういつまでも効果が続かないだろうことは理解出来ますが、これが例えば子宮癌予防のワクチンであるとかインフルエンザの治療薬、あるいは誰もが知っている市販の大衆薬と言った耳慣れたものであればどうなのかで、一度すり込まれた「あれは危ないもの」と言う認識は6ヶ月どころではなくもっと長続きするのかも知れませんね。
その意味で浜氏のシンパを始めとして定期的にネガキャンを打っている方々がどの程度のエビデンスを持っているのかは存じ上げませんが、恐らくは経験的にこうした効果も知った上でタイミングを計ってやっている可能性もあるのでしょうか、そうなると次にやってくるのは最近しばらく話題に出ていないあれか…と想像してみるのも面白いかも知れませんね。

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