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2016年7月16日 (土)

自転車保険、義務化へ

最近報道も増えてきたこととして、こういうニュースが続いています。

自転車保険「義務化」の波、事故増加で高まるニーズ(2016年7月13日株探)

 自転車に乗る全員に「自転車保険」の加入を義務化する動きが広がっている。昨年10月に兵庫県では全国で初めて自転車保険の加入を条例によって義務付けたが、これに続き大阪府でも今年4月に「大阪府自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例」を施行、この条例に基づき、自転車保険の加入義務化が7月1日からスタートした。自転車による事故は都市部を中心に深刻化、今回の条例が契機となり自転車保険のニーズが全国的に高まりそうだ。

●自転車が加害者となる交通事故が増加

 自動車やバイクと異なり原動機が付かない自転車は、免許が不要で誰でも気軽に乗ることができるのが魅力。その半面、交通規則への意識が希薄になり、無謀運転による事故などが問題視されており、15年6月1日には一定の危険な違反行為をして2回以上摘発された自転車運転者(悪質自転車運転者)は、公安委員会の命令を受けてから3カ月以内の指定された期間内に講習を受けなければならない規則に改定された。近年では電動アシスト自転車の普及により、自転車自体のスピードが出やすくなっており、それによるケガの重症化も問題視されている。

 そのようななかで、兵庫県に続き大阪府でも自転車保険の加入が義務化された。大阪府内では、15年の自転車事故の死者数は50人に達し、14年に比べて16人の大幅増となっている。死者数の約5割が高齢者で、死因の約8割が頭部損傷によるもの。自転車が加害者となる交通事故によって、死亡や後遺障害が生じ、高額な賠償請求事例も発生している。
(略)

「自転車保険」義務付け条例相次ぐ…「リスクヘッジの手段として必須」弁護士が指摘(2016年7月7日弁護士ドットコム)

(略)
自転車保険を義務化に踏み切る自治体が相次いでいる背景には、どんな事情があるのか。自転車保険に加入しておくメリットはあるのか。交通事故と保険の問題に詳しい好川久治弁護士に聞いた。

「まず、自転車が関与する事故の件数が、依然として多いということがあげられます。
警察庁の調べによると、2015年の自転車が関与する交通事故件数は9万8700件で、交通事故全体の約18.38%を占めています。このうち、自転車の責任(過失)が大きい『第1当事者事故』は1万5929件で、自転車関与事故の16.13%を占めています。
ここ数年、自転車の運転ルールに対する啓発活動が広まり、悪質な運転を繰り返す自転車運転者に対する安全講習を義務づける道交法改正の影響などもあって、自転車事故の件数は低下傾向にありますが、それでもかなりの数にのぼっています」

好川弁護士はこのように述べる。裁判で争われたケースはどうだろうか。

「自転車事故に関しては、過去に高額賠償を認める判決がいくつか出ています。
(1)自転車運転者が片手にペットボトルを持ったまま下り坂をスピードを落とさずに走行し、信号機のない交差点で横断歩道上を横断していた歩行者(38歳女性)に衝突し、女性が脳挫傷等の傷害を負って2日後に死亡した事故(賠償総額約6778万円、東京地裁平成15年9月30日判決)
(2)自転車運転者が赤信号を無視して交差点に進入し、交差道路を横断していた歩行者(55歳女性)と衝突し、女性が頭蓋内損傷の傷害を負い、10日後に死亡した事故(賠償総額約5437万円、東京地裁平成19年4月11日判決)
(3)歩道を進行していた自転車運転者(高校3年生)が幹線道路を横断する際、自転車横断帯の十数メートル手前で車道を斜めに横断しようとしたところ、車道を進行してきた24歳会社員運転の自転車と衝突し、会社員が頭蓋骨骨折等の傷害を負い、右上下肢機能全廃等の後遺障害が残った事故(賠償総額約9266万円、東京地裁平成20年6月5日判決)
(4)スイミングスクールからの帰宅途中の小学校5年生の子どもが、坂道を自転車で下っている際、歩行者(62歳女性)と正面衝突し、女性が頭蓋骨骨折等の傷害で一生涯常時介護を要する植物状態の障害が残った事故(母親に対して賠償総額約9520万円、神戸地裁平成25年7月4日判決)

「自分は安全運転をしている」と考えている人でも、保険に加入しておいた方がいいのか。

「自転車は免許制度がなく、子どもからお年寄りまで気軽に乗車できるため、交通ルールを厳格に遵守するという意識が一般的に低いです。また、自転車による加害事故を想定して保険に加入することも、自動車と比べるとまだ不十分です。
しかし、一旦事故が起きたときに取り返しがつかない高額賠償を請求されることや、被害者の救済のことを考えると保険への加入はリスクヘッジの手段として必須といえるでしょう。
特に、小さいお子さんを抱える親御さんや、お孫さんを預かっているおじいちゃん、おばあちゃんなら、お子さんが自転車に乗って他人に怪我をさせると、お子さんに代わって損害賠償責任を負わなければなりません。『自分は安全運転しているから大丈夫』と言っていられませんので、注意が必要です。
自転車事故を含む個人賠償責任保険は、自動車保険、火災保険、傷害保険の特約や、クレジットカード会社の付帯サービス、また単体の保険としても販売されていますので、確認してみてください」
(略)

記事にもありますようにかつては車対自転車と言う構図で交通弱者扱いされていた自転車も、近年では歩行者対自転車と言う文脈で加害者側に回るケースが多く、その対策の一環として自転車には歩道ではなく車道を走らせようと言う流れになったことはすでに周知のところだと思いますが、もちろん自転車側にとってはこの結果交通事故の被害者となるリスクは増えているとは言えるでしょうね。
ただ加害者と言う立場から考えると確かにこの自転車と言う乗り物、下手な自動車並みの速度が出せ歩行者に対して重大な障害を負わせる危険性がある割に、その運転をしているのが免許を持っておらず交通ルールの基本的な知識もない子供や高齢者にも多いなど、事故防止の観点からはかなり危ない状況であったのは確かです。
子供の自転車による暴走行為など珍しくなく、かつてであれば親は車との衝突事故を心配していたものですが、今や子供の乗る自転車が他人と衝突し重大な障害を負わせたとなれば下手すれば億単位の巨額賠償金を請求されかねないのですから、ぽんと支払える立場でなければリスクへの相応の対処は必要だろうと言うことですよね。

全国的に自治体による保険の義務化と言う流れが出来つつあるのももちろん損害賠償を請求されたら困るだろうと言うこともありますが、保険が義務づけられている車と違って自転車では実質お金が支払われないケースも多いはずで、交通の最弱者である歩行者救済と言う観点から考えた場合にとりあえず最低限の補償は受けられるようにと言う意味が大きそうだと言えます。
ただ車と違って免許制度もなく所有も乗車も簡単な自転車の場合こうしたやり方が妥当なのかどうかで、場合によってはしばしば問題になる無保険車による事故や歩行者同士の事故も含めて何らかの公的補償制度を用意すべきなのかも知れませんが、この辺りは実際に無保険の事故による補償金額がどの程度になるのかと言うデータも必要になりそうですね。
ちなみにいきなり自転車保険と言うと一体どうしたらいいのかと迷うところですが、記事にもあるように車の保険以外にも家の火災保険やクレジットカードなどにもオプションでこの種の保険がつけられるようになっているそうですから、ひとまずは契約書の類を一通りチェックしてみるのがいいのかも知れません。

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