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2016年7月14日 (木)

今や出世したくない人の方が多数派と言う時代に

それはびっくりと驚くかなるほど確かにと思うかは人によりけりだと思いますが、先日こんな記事が出ていました。

今年度の新入社員「ほどほど志向」 「社長目指す」は過去最低(2016年7月7日産経新聞)

 日本生産性本部が今年度の新入社員を対象に実施した「働くことの意識調査」で、「人並みに働けば十分」との回答が58・3%(前年度比4・8ポイント増)と、過去最高に上ったことが7日、分かった。一方、目指すポストを「社長」と答えたのは10・8%(同7ポイント減)と過去最低だった。調査担当者は「売り手市場を反映し、人より前に出る意識が低い。ほどほどに働き、重い責任を負いたくない傾向にある」と分析している。

 調査は昭和44年度から実施。今年度は3~4月、同本部などが開いた研修に参加した新入社員の男女1286人から回答を得た。

 その結果「人並み以上に働きたい」と答えたのは34・2%と前年度比で4・1ポイント低下。働く目的として「楽しい生活をしたい」と回答したのが過去最高の41・7%だったのに対し「自分の能力をためす」は12・4%と過去最低を更新し、ワークライフバランスを念頭に、生活の充実を求める新入社員が目立った

 また、「どのポストまで昇進したいか」との問いで「社長」と答えたのは男性が15・9%(前年度比1・5ポイント減)、女性が2・8%(同0・9ポイント減)で、いずれも過去最低だった。

今の新卒と言えばちょうどいわゆるゆとり世代真っ盛りで、その辺りと絡めてどうこうと考えたがる人もいらっしゃるようなのですが、かつてのように同期は最大のライバル、他人を蹴落として出世一直線と言う価値観自体はすでに久しく以前から見かけなくなっていて、仕事だけの人生ではなく実生活を充実させたいと言う態度が露わな若手は確かに増えてきた印象はあります。
まあしかし見なし管理職など下手な出世のネガティブな面が散々に喧伝されている現在の日本社会において、出世すればバラ色の人生が待っているなどと夢想する人もそう多くはないのだろうし、出世のために人生の中で色々なものを犠牲にするくらいなら他のものを優先したいと言うのも考えてみれば当然ではあるのかも知れませんね。
もちろんこれはこれで時代に応じた価値観の変遷として何らおかしな話ではないと思うのですが、興味深いのはモーレツ社員を経て社会的に相応の地位を確保した年長の世代からはこうした価値観はあまり評判がよろしくないらしいと言うことで、先日もこんな記事が出ていました。

新入社員たちは能力開発したくない!?仰天の調査結果が判明(2016年6月28日ダイヤモンドオンライン)

キャリア形成や能力開発を望まない割合が史上最多…今年の新入社員について、衝撃的な調査結果が発表された。学校教育でヤル気を減らした彼らは、新入社員研修でさらにヤル気をそがれているのではないだろうか。

 2016年の新入社員は、夜間飛行(深夜残業)や目視外飛行が規制されており、ルールを守った運用や使用者の技量が必要な「ドローン型」と、日本生産性本部発表により命名されている。
 そして、同本部がこのほど発表した「ドローン型」新入社員の意識調査結果に、私は強い衝撃を覚えた。自分のキャリアや専門能力が高められる職場を好む社員の割合が、過去27年で最も低い結果となったのだ。能力評価を望む社員も最低の割合だ。それだけでなく、良心に反する指示のとおり行動する社員の割合は過去最高だというのだ。

 この意識調査は、同本部主催の新入社員研修参加者に対して実施されたという。入社した所属企業で一定期間の研修や行事を終えて、同本部の研修に参加したのだろう。まさにこれから、ビジネスパーソンとしてのキャリアを形成し始め、専門能力を高め始めるスタート地点ではないか。
 普通に考えれば、これから輝かしい未来に向かって、最も気持ちが高まるはずのタイミングである。にもかかわらず、キャリアや専門能力を高める気持ちはない、能力で評価してもらいたくない、良心に反することでも従うという。そこには、プロ意識のかけらも感じることができない

 この話を人事部長仲間にすると、「まあまあ、入社したばかりですから、プロ意識を求めるのは酷でしょう」という意味の反応があったが、私はその考えに全く同意できない。入社してすぐに高いキャリアを実現したり、専門能力を発揮したりしろと言っているのではない。しかし、キャリアを高めたり、専門能力を発揮したいと思う気持ちは十全に持っていて当たり前でないか。
 プロ野球に入団した新人選手が「これから活躍して、華々しいキャリアを築きたいとは思わない」と言ったら、おかしいだろう。ピアニストが「技能を高めるつもりはない」と考えていたら、職を変えろと言いたくなるだろう。ビジネスパーソンと、プロ野球選手やピアニストはそのまま比べられないものの、程度の差こそあれ、プロなのだから同じではないのか。しかし、同じプロであるにもかかわらず、ビジネスパーソンだけが、キャリア形成や専門能力向上の意欲を低下させているという、トンデモな事態が発生しているのだ。
(略)

トンデモな事態かどうかは人それぞれの考え方もあるかと思うのですが、後段で筆者自身が言っているように社員研修などでわざわざやる気をスポイルしている面もあるようですから年長者側も十二分に反省すべき点があるとは思うのですが、こうした話を聞くと運動会のかけっこで皆で手をつないで横一線にゴール云々と言う話も少し思い出しそうですかね。
それはさておき、医学部学生などは言ってみれば理系偏差値最上位層の受験エリートであり、多くが幼少の頃から競合的な環境の中で勝ち上がってきた連中だと思いますが、彼らにしても末は教授か大病院の院長かと言った昔ながらのヒエラルキーを信奉し上昇志向の強い学生は必ずしも多くはなくなっているようで、職場選びにおいても非常勤や当直免除などQOMLを維持できる環境が考慮されるようになっているようです。
これがいいのか悪いのかは考え方もあると思いますが、医師などの場合必ずしも社会的な意味で出世することが経済的裕福さや生活の豊かさに結びつかない面も多いのですから、楽な仕事で給料はしっかりもらいアフターファイブは充実させたいと考える人が増えてくるのも本来当然と言えば当然なのですが、一般社会人においてもそこそこの稼ぎで十分だと言う人が増えてくれば敢えて滅私奉公して出世を目指す意味はないと言うことなのでしょうか。
出世とは本来被雇用者にとって最大のアメであり、出世させてやるから○○しろと言う雇用者最大の武器でもあるはずですが、出世したところで部下につくのはそこそこにしか働く気のない方々ばかりではどうなのかで、実際チェーン店の名ばかり管理職の労働環境などは大変なものだと言う話を聞くにつけ、今の時代雇用者が被雇用者のやる気を引き出すにはどうしたらいいのだろうか?と思ってしまいますね。

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コメント

出世して責任取るのはイヤ
一億総無責任時代の反映だな

投稿: | 2016年7月14日 (木) 08時01分

医師の場合は入試でのバイアスも入っているのでは?
出世を目指さずおとなしく地域医療やってくれる学生を集めてんですから。

投稿: ぽん太 | 2016年7月14日 (木) 08時34分

人並みに働いてればほどほどに充実した生活が送れる、って見込みを持てるんだから
日本はいい国なんだなあと
人並みに働いてるだけでは生存ギリギリという国なら嫌でも上を目指すでしょうから

投稿: | 2016年7月14日 (木) 10時09分

そうした点からはヒラでも十分食べていける医師という職業は、構造的に出世欲を喚起しがたいとも言えますね。
社会的に認められたいとか自分のやりたいことをやりたいと言った欲望がその代りになっているのでょうか。

投稿: 管理人nobu | 2016年7月14日 (木) 10時43分

 自分のやりたいこと(だけ)をやりたい≫≫≫≫社会的に認められたい

 出世欲?何それ
 犬HKやスポーツ省が必死に笛を吹くほど、ますます踊らず。

 テニスのスタープレーヤー、オリンピック代表選手、プレミアムリーグやナショナルチームのサッカー選手、宇宙飛行士、おぼちゃん、都知事も議員も大臣もSMAPも 作られて晒されて、いつか使い捨て。

 そして誰もしなくなった.小松左京 刊行本タイトル 星殺し(スターキラー)早川書房 1970年

投稿: memento mori | 2016年7月14日 (木) 18時27分

>人並みに働いてるだけでは生存ギリギリという国なら嫌でも上を目指すでしょうから

 その読みは甘いですね。
 新自由主義者の考えそうなことですが。
 正社員でも低賃金、が定着してますからね。
 嫌なことはしないで、上を目指さない。

 今現在も、少なくはない数の○利我○亡○が
「あえて人として嫌なことをやって上を目指」していることを
 目の当たりにして(と彼らは思って)いますから。

投稿: memento mori | 2016年7月14日 (木) 18時47分

病院管理職になっても毎日馬鹿馬鹿しい会議会議じゃ医長止まりでもいいかなって気になる

投稿: | 2016年7月14日 (木) 22時21分

毎日馬鹿馬鹿しい会議会議 しか できない組織になってるってことでしょ。国会、内閣からネットの井戸端会議まで同列。

>一億総無責任時代と おっしゃるが、
「責任を取る」と「責任を果たす」の違いが 
わかっていらっしゃるのかな? 
 責任を果たせるようにする会議 と 責任をとらせる会議 
の違い、なんですけどね。
 そういう知恵がなくなっちまってるんですよ。 小選挙区制で。

投稿: memento mori | 2016年7月15日 (金) 08時40分

 今朝犬HKのR1で東京都の副校長昇任試験受験者定員割れを報じていた。
今頃なんで取り上げる?は 都議選がらみの宣伝の一貫とは思うが
 2010、2012あたりにもすでに指導主事や副校長になりたがる人間が減って困っている状況が報じられている。
 これも「引き受けられない責任を押し付けられる」から。

投稿: memento mori | 2016年7月28日 (木) 12時44分

〈SMAPの謝罪〉社会に潜む暗黙のルール 高橋源一郎
http://www.asahi.com/articles/ASJ1V5QRDJ1VULZU00K.html

自分の「正義」に疑いを抱きながら、それでも、「危ういバランス感覚」で活動をつづける自分について、福田はこういっている。

 「下手に正義を掲げて突っ走ってしまったら、すごく偏った人間になってしまうから。半分靴紐(くつひも)がほどけていて、全力では走れなくてダラダラ歩いているぐらいのほうがいいのかなとも思う」

 自分の足元を見つめること。そして、それがどれほど脆弱(ぜいじゃく)な基盤の上に置かれているかを知ること。それでも自分の足で歩こうとすること。そんな場所から生まれることばを、わたしたちは必要としている。「組織」や「社会」にしゃべらされることばではなく、「自分の」ことばを。

投稿: | 2016年8月17日 (水) 19時05分

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