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2016年7月 2日 (土)

自動運転車による初の死亡事故発生

すでに各方面で大きく報じられていますけれども、このところ実用化が進んできている自動運転車で初めての死亡事故が発生したそうです。

<米国>自動運転で初の死亡事故…テスラ、当局が機能調査(2016年7月1日毎日新聞)

 【ワシントン清水憲司】米道路交通安全局(NHTSA)は30日、米電気自動車メーカー、テスラモーターズの乗用車が自動運転機能作動中に死亡事故を起こしたとして調査を始めたことを明らかにした。自動運転機能の事故時の作動に問題がなかったか調べる。米メディアによると、自動運転機能作動中の初めての死亡事故とみられるという。

 NHTSAによると事故は5月7日、米南部フロリダ州の高速道路で発生した。自動運転機能を作動させて走行中のセダン車「モデルS」の前方に、横切るようにトレーラーが進入。テスラによると、強い日差しのため運転手も自動運転機能もトレーラーを認識できず、ブレーキが作動しないままトレーラーに潜り込む形で衝突。運転していた男性が死亡した。

 テスラの自動運転機能はセンサーなどで周囲を把握し、高速道路で指定通りに車間距離や速度を保って走行する。同社は運転手にハンドルを握るよう求めており、完全な自動運転ではなく操作を支援する。同社は「運転手は完全に車両を制御でき、責任は運転手が負う」としている。日本でも1月、国土交通省の承認を得て自動運転機能用のソフトウエア配信を始めた。

 同社によると、自動運転機能は1億3000万マイル(約2億キロ)の走行実績があり、死亡事故は初めてといい、今回は「非常にまれな状況だった」と指摘。「機能は改善しているが完全ではなく、運転手は常に警戒が求められる」との声明を出した。

 問題が見つかれば調査の段階を上げ、リコール(回収・無償修理)に発展する可能性もあるが、NHTSAは現時点では「欠陥があるともないとも解釈されるべきではない」としている。

米テスラ車 自動運転機能で走行中に初の死亡事故(2016年7月1日NHK)

(略)
アメリカ運輸省によりますと、ことし5月7日、南部のフロリダ州の交差点で、テスラの電気自動車「モデルS」が、前方で左折していた大型トレーラーと衝突する事故が起きました。この時、車は、アクセルやブレーキを自動で調節する自動運転の機能を使って走行していましたが減速せずに衝突し、運転手の男性が死亡しました。
テスラによりますと、当時は日ざしが眩しかったことから自動運転の装置が白い色のトレーラーに反応せず運転手も認識できなかったためブレーキをかけられなかったとしています。
死亡事故を受けて、アメリカ運輸省の道路交通安全局は、自動運転システムの設計や性能に問題がなかったかを検証する予備的な調査を始めることを明らかにしました。
テスラは、アメリカで去年10月から自動運転の機能を提供していますが、これを利用中に起きた死亡事故は初めてだということです。自動車メーカー各社が自動運転の開発にしのぎを削る中で起きた今回の事故は、メーカー側に安全対策を求める議論にも影響を与えそうです。
(略)
テスラモーターズの自動運転の機能を利用中に死亡した男性は生前、この機能によって交通事故を防ぐことができたという動画をインターネット上に投稿していました。
男性がことし4月に動画共有サイト、ユーチューブに投稿した動画では、運転中に左から急に走行車線に割り込んできたトラックをセンサーが感知して自動的にハンドルが右に切られて接触を防ぐ様子が映し出されています。この投稿に対しては、テスラのイーロン・マスクCEOもみずからのツイッター上で、自動運転機能が衝突を防いだ動画だと紹介していました。
テスラは、亡くなった男性について、「彼は革新的な発明や技術の進歩、それにテスラの使命を強く信じていた友であった。残された彼の家族と友人に心からお悔やみを申し上げる」とコメントしています。

お亡くなりになった方のご冥福を祈るばかりですが、ちなみに記事にも掲載されているように男性の公開していた動画を見る限りでは直線道路を走る時などは原則機械任せの手放し状態であったようで、事故当時も同様であったとするならば少なくともメーカーの想定している状況とは異なっていたとは言えるのかも知れません。
事故状況も今ひとつよく判らないところがあって、高速道路を走行中に日本で言う右折車両に突っ込んだと言う状況だったとすると見通しはかなり良かったはずだと思うのですが、いくら日差しが強かったとしても大きなトラックに気づかないほどまぶしかったとすれば普通は目を開けているのにもつらいほどだったでしょうから、そもそもちゃんと前方が見えていたのかどうかです。
いずれにしてもメーカーとしては特殊な状況で発生した事故だと言うことにしたい気配なのですが、日差しの強い日も白い車の存在も別段珍しいものではないだけに、こうしたことで致命的な事故が発生すると言うのであれば正直怖いなと思える一方で、現実として人間も反応出来ていなかったと言う事実をどう解釈するのかですよね。

最も考えやすいシナリオとしては自動運転に任せきりにするあまりに運転手が前を良く見ていなかったと言う可能性ですが、日本で研究が進められている運転サポートシステムなどを見ると運転手の安全をより向上させる手助けと言う方向で技術が進歩している場合が多いですから、自動運転にも同様なことを期待したいと考えるのは自然なことだと思います。
その点で自動運転のイメージ的には非常に大きなダメージだと言えそうですが、実際にこうして重大事故が起こることが証明されてしまった以上、社会としては自動運転車は安全なものではないと言う前提に立って対応する必要があるでしょうし、改めて事故時の責任と言うことがどうなるのかと運転手の側でも気になるところでしょう。
今のところ自動運転車の起こした事故は人間の運転手の責任と言うことになっていますが、メーカーとしては例えば販売戦略として事故時の運転手への金銭的保障など実際的な責任を軽減する対応をしてくるのかどうかですし、運転手側としてもこうした事故が起こった際にメーカーを訴えると言うケースも出てくる可能性がありそうですね。

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コメント

2億キロの走行で死亡事故が1件であれば、なんとなくですが人間の運転よりも事故が少ないのではないかと思うのですが、そのあたりのデータがあるのかどうかが気になります。

投稿: クマ | 2016年7月 2日 (土) 08時48分

居眠りしてても事故らないような車ならいいのに

投稿: | 2016年7月 2日 (土) 10時11分

あぶなそうな時には減速するとかそういうのないらしいね
見えてない状況なのにただただまっすぐ走るだけって怖いわ

投稿: | 2016年7月 2日 (土) 11時05分

テスラの自動運転ってこんなレベルだよ?
https://www.youtube.com/watch?v=qQkx-4pFjus

投稿: | 2016年7月 2日 (土) 11時14分

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