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2016年7月23日 (土)

歩きスマホを誘発するゲームは社会の害悪と言うばかりではない

ようやく日本でも配信されたことが話題になっているあのゲームが、一足早く公開された海外で妙なことでニュースとなっています。

ポケモンGO 海外でトラブル続出(2016年7月21日毎日新聞)

 「ポケモンGO」が先行配信された米国では、ゲームで遊んでいて交通事故を起こすなどのトラブルが相次いでいる

 米運輸省などによると、東部ニューヨーク州で7月中旬、運転中に珍しいポケモンを見つけた28歳の男性が、自動車を道路際の樹木に衝突させて重傷を負った。米メディアはポケモンを探していて崖から転落したり、歩行中や自転車で転んだりして、けがをする事故が多発していると報じている。10代の3人が原発の敷地に迷い込み、警備員に追い出されたほか、「ゲームのアイテムがある」とプレーヤーを誘い、強盗にひょう変する集団も現れているという。

 東欧のボスニア・ヘルツェゴビナでは19日、プレーヤーが地雷が埋まっている可能性のある地域に立ち入ったとして、地雷除去に取り組むNGO「ポサビナ・ベズ・ミナ」が「ポケモン探しを中止してほしい」と声明を出した。

 一方、日本ではNISCが20日にポケモンGOで遊ぶ際の注意点をまとめた。ゲームに登録する際に個人が特定されないよう本名を使わずにニックネームを使うほか、危険な場所に立ち入らないよう呼びかけている。また、ポケモンGOは全地球測位システム(GPS)を常に使うのでスマホ電池の消費が早いとして、「予備の電池を持とう」「予備の連絡手段を準備しよう」と注意している。【小川祐希、ワシントン清水憲司】

グアテマラでは少年が不法侵入として射殺されこのゲームによる初の犠牲者だと話題になっていますが、記事にもあるように原発など立ち入り禁止区域への不法侵入や、高速道路に入り込んだ日本人旅行者のケースなどが報じられていて、ユーザーは現実世界を認識しろと呼びかけられるような騒ぎになっているようです。
こうした状況での本家日本での公開ですから各方面から危惧する声が上がるのも当然で、JR西社長が駅のホームでの操作など事故への注意を呼びかけたり、大阪の学校では終業式で歩きスマホ禁止が通達されるなど各方面からメッセージが発せられていますが、このゲームに限らず歩きスマホの危険性は以前から言われていたのですから注意喚起のいい機会であるとも言えるかも知れませんね。
このように何故か思わぬネガティブイメージで報じられることが多くなったこのゲームなのですが、もちろんこれだけ人気を博しているだけに肯定的な評価も少なからず存在しているようで、意外なものとしてこんな評価の声も上がっているようです。

ポケモンGOがうつ患者を世界中で癒やしている理由(2016年7月20日ダイヤモンドオンライン)

(略)
 以上のような問題もあるにはあるが、筆者が注目しているのはポケモンGOの持つ、意図せざる心理学的効果、特にメンタルヘルスへの効果だ。対人不安やうつ病に悩む人々は、米国にも数多くいるが、そういった人々がポケモン欲しさに、自ら積極的に外に出ようとしているのだ。

ポケモンGOが精神疾患を癒す!?

 すでに多くの人がツイートしている。
 米国オレゴン州に住むジェシアンヌさんは、「ポケモンGOは、すでに医者やセラピストが薦めるどんなものよりも、自分のうつに効いている」と語り、オーストラリアに住むララさんは「ポケモンGOはたった1週間で私の病気をものすごくよくしてくれた。ポケモンGOは、うつや不安に悩む私を助けてくれて、外に出してくれたの」と話す。
 米国に住むデヴィッドさんは「本当の話だ。不安やうつに悩む者として、週末のほとんどを外で友人と過ごしたなんて事実は、自分にとっては現実じゃないみたいだ」という。
 このように、精神疾患が原因でこれまで外出できなかった人々が、ポケモンGOをすることで、外に出ることができてきたのだ。もちろん、ポケモンに興味のない精神疾患患者にとっては、このアプリは意味のないものだが、それでも全患者の一部を救うことができるだけで、ポケモンGOの意義は大きいと筆者は思っている。
 すでに米国の心理学者や精神医学者が、メディアのインタビューの中で、ポケモンGOが、精神疾患患者に対して「意図せぬポジティブな効果」を持っているという意見を表明している。

 ポケモンGOがうつや社会不安障害に悩む人々のとって有効なのは、ポケモンをゲットするために外に出る、ということだけではない。いくつかほかに要素がある。
 そのうちのひとつは、ポケモンを育てるためには、2kmから10kmのウォーキングが必要なことだ。
 もちろん家の中を歩いてもいいが、歩くこと自体に意味がある。それは歩くことで、うつと関連性が深い脳内ホルモンであるセロトニンの分泌が促されるからだ。セロトニンは、不安を低減し、心の安定をもたらす作用がある。うつや不安患者には、脳内でのセロトニンの分泌や摂取に問題がある場合が多い。そのセロトニンの体内での分泌を促すのに効果的なのは、規則的で苦痛が伴わない有酸素運動なのである。このため軽いダンスやウォーキングなどが推奨される。
(略) このため、ポケモンGOをプレイしていたら、いつの間にか外でたくさん歩いていた、という行動は、うつや社会不安に悩む者にとって、それらを克服するために最も必要な行動ということになる。むろん、ダイエットや運動不足にもよい。その意味で、筆者はこのゲームのもたらす「意図せざる効果」に驚いているのだ。
 通常、うつや不安に悩む人への対処は、「不安を取り除く」ことがメインとなる。何が不安の原因かを、カウンセリングにより探り、効果的なセラピーを選択していく。筆者がポケモンGOに衝撃を受けたのは、それとは違うやり方で人々を外に出したからだ。それは「不安を取り除いて人々を外に出す」のではなく「もっとすごい興奮(ポケモン狩り)を提供して人々を出す」というものだ。このことは、学問的にみると、実に画期的なことだと思っている。
(略)
 メンタルヘルスケアとしてポケモンGOが優れているもう一つの理由がある。
 米国フロリダ州に住むナオミさんは「ポケモンGOは、自分の社会不安を癒やしてくれるかもしれない。会った人は皆すごく親切だった。最初に自分が思っていたほどには、他人は怖くないのかもしれない」とツイートした。
 他人と会うことが怖いのは社会不安の典型症状だが、ポケモンGOには、そういった人々の対人恐怖を取り除くことができる可能性がある。皆おなじ目的のために集まって、和気あいあいとポケモン話に花を咲かせる。さらにジムと呼ばれる場所での集まりや、今後搭載される「ポケモン交換機能」は、ますます人々同士の親密なコミュニケーションを引き出すことになるだろう。
(略)
 専門的には、こういった脳内物質だけで、人間の社会性すべてをコントロールできるわけではもちろんない。だが少なくともポケモンGOはこれまで様々な医療ができなかったことを、やっている。それも世界規模でだ。その意味で、メンタルヘルスケアに関わるものとして、この現象は注目すべきだと感じている。
 そして、当の患者さん自身がその効果を実感しているのだ。
 米国に住むシェップさんはこうツイートしている。「何年もうつ症状で悩んでいたけど、ポケモンGOはついに私に、部屋を出たい、人と触れ合いたいと思わせたの。大好きよ、このゲーム」。彼女だけではない、世界中の多くの同じ悩みを持つ人々がポケモンGOへの感謝をツイートしている。
 日本での公開が楽しみである。

正直その発想はなかったと申しますか、もちろんゲームなど娯楽全般で有益な脳内物質の分泌が促進されると言ったことはあるのでしょうが、今回の場合それを得るために外の世界を出歩かざるを得ないと言うこと、そしてその家庭で必然的に周囲の人々と肯定的なコミュニケーションを取っていることが非常に有益な効果を生み出していると言うことですね。
いわゆる引きこもりの方々などにとってこうしたゲームがきっかけになって外の世界に足を踏み出すと言ったことがあるのかどうか、日本発売後に各方面でどのような現象が起こってくるのかにも要注目であり、単にゲームはやはり有害であり規制すべきだと言った方向にばかり話が進んでいくよりは、よほど社会にとっても有意義なことではないかと言う気がします。
ちなみにこうした効能が期待出来ると言うことが事実証明されれば、今後も別なゲームなりイベントなりでより積極的にポジティブな効能を期待していくことも出来るのだろうし、場合によっては意図した心理学的効果目的でのゲーム開発と言う新たなビジネスチャンスが生まれてくるのかも知れませんね。

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