« 2016年6月 | トップページ | 2016年8月 »

2016年7月

2016年7月31日 (日)

今日のぐり:「麺匠 あらき」

よほどに珍しい偶然なのか神業なのかは知りませんが、先日こんな出来事が報じられていました。

「10億発に1発」保安官代理の撃った弾が犯人のピストルに(2016年7月20日ZAKZAKニュース)

 米コロラド州で1月に強盗未遂事件があり、銃撃を受けて応射した保安官代理の弾が犯人のピストルの銃身を貫き、発射不能にしていた。

 警察関係者は「10億発に1発」としている。米メディアが伝えた。

 保安官代理は非番で訪ねていた女友達のアパートの駐車場で2人組の男に襲われ、肩と腹部を撃たれたという。 (共同)

さすがアメリカだけに撃たれてもただでは終わらなかったと言うことなのでしょうが、しかしよりにもよって妙なところに命中したものですよね。
今回は孤軍奮闘した保安官代理に敬意を表して、世界中から普通そうはならないだろうと言う極めて珍しい出来事の数々を紹介してみましょう。

スキー場で落石 中学生大けが(2016年7月22日NHK)

22日午前、長野県山ノ内町のスキー場でゲレンデの上から転がってきた石が東京から林間学校で訪れていた中学1年生の男子生徒の頭にぶつかり大けがをしました。

22日午前10時半すぎ、長野県山ノ内町平隠の「一ノ瀬ファミリースキー場」で林間学校で訪れていた、東京・新宿区の海城中学校の生徒数十人がゲレンデで野外活動をしていたところ直径およそ15センチの石がゲレンデの上から転がってきて、1年生の男子生徒の頭にぶつかりました。男子生徒は、頭から出血する大けがをして病院に運ばれましたが、命に別状はないということです。

警察によりますと、男子生徒は、当時、5、6人のグループにわかれてゲレンデ内の指定された場所を通過しながら目的地を目指す、「オリエンテーリング」をしていましたが、靴のひもを結ぶためにしゃがんだ際に、落ちてきた石がぶつかったということです。

警察では、石が落ちてきた状況などを詳しく調べています。

しかしこれまたどんな偶然かと思うような出来事ですが、よほどに運が悪かったと言うべきか当たり所が悪かったと言うべきかですね。
こちらいささか信じがたいような重大事故が発生したと言うのですが、まずは記事から紹介してみましょう。

サバの群れに引き込まれ転覆 4人死亡の漁船事故報告書(2016年7月28日朝日新聞)

 島根県沖で2014年、東洋漁業(長崎市)の巻き網漁船第1源福丸(135トン)が沈没し、4人が死亡、1人が行方不明になった事故で、国の運輸安全委員会は28日、網にかかったサバの群れが一斉に海底方向へ泳ぎ、転覆につながったとする調査結果を発表した。

 事故は14年12月24日未明、網の引き揚げ作業中に起きた。調査報告書によると、船体はサバの群れの動きによって網ごと海底方向に引き込まれ、甲板に波がかぶるなどして右舷側から転覆した。報告書は、魚群が一斉に動いて船体が傾くことを想定し、傾きを戻すために網を切断したり、引き揚げを中断し網を繰り出したりする訓練の実施を求めた。

しかしこんなことが起こると言うのも驚きで亡くなられた方々の不運を嘆くばかりですが、それに対してちゃんと訓練をして備えておくと言うのも確かに必要なことなんですかね。
不運と言えばこちらも相当な不運と言えますが、これもまず普通には発生しない非常に稀な重大事故のニュースです。

7歳女児、動物園のゾウに石投げられ死亡 モロッコ(2016年7月29日CNN)

モロッコの首都ラバトの動物園でこのほど、ゾウが観客に向かって投げた石に当たって7歳の女の子が死亡する事故が起きた。

動物園の発表によると、女の子は家族と一緒に同園を訪れ、ゾウを見ながら写真を撮ろうとしていた。そこへメスのゾウが飼育舎の中から石を投げ、女の子に当たったという。
観客が撮影したビデオには、頭から血を流した女の子の周りに大勢の人が集まる様子が映っている。
女の子は病院に運ばれたが、数時間後に死亡した。

ゾウの飼育舎と観客の間は大きな堀と木製の柵で隔てられていたが、金属製の柵はなかった。動物園側は、国際安全基準には従っていたと説明している。
同動物園はモロッコで最大級の動物園として2012年に開園。これまで園内で飼育している動物が観客を死亡させたり重傷を負わせたりした事例はなかったという。

一体どういう理由でこんな行動に及んだのかゾウの心理は判りかねるのですが、ご両親としてはさぞや驚き無念であったことでしょう。
不運もあれば幸運もあると言うことで、こちら極めて稀な幸運の結果命拾いしたと言うニュースです。

ロシア 170メートルの崖から落ちた9歳の少年助かる(2016年07月10日スプートニク)

ロシア連邦北カフカスのチェチェン共和国シャトイ地区で、170メートルの絶壁から9歳の少年が落ちたが、木の枝に引っかかり命を取り留めた。

ロシア非常事態省チェチェン共和国局のルスラン・アフヤエフ局長は、次のように述べている-
「少年は、シャトイ村に入ろうとした際、崖から落ちた。現在入手している情報では、彼は、水を汲もうとして落ちたようだ。しかし80メートルの深さのところで、木の枝に引っかかった。谷底までは、あと90メートルの高さだった。
事故の通報を受けて、非常事態省の職員が現地に向かい、登山家が使う道具の助けを借りて少年を引っ張り上げた。」

なお少年は、すぐに病院に搬送されたが、健康状態は良好で、心配はいらないとのことだ。

しかし落ちたことに気づいたからよかったようなものの、下手をすればこのまま発見されずに終わっていた可能性もある怖い話ですよね。
最後に取り上げるのはどうしようもない犯罪者のニュースなのですが、ここまでどうしようもないのは珍しいと言う意味で紹介してみましょう。

女性にわいせつ後、逃走中に盗んだ生肉を落とす…「交番に駆け込もうとした」69歳男再逮捕(2016年6月3日産経新聞)

 滋賀県大津市内のレストランから生肉などを盗んだとして、滋賀県警大津署は2日、建造物侵入と窃盗の疑いで、同市晴嵐の無職、山田綱夫被告(69)=迷惑行為等防止条例違反で起訴=を再逮捕した。公園で女性の体を触ったあと、女性などに追いかけられて逃走中、盗んだ生肉を落としたことで発覚。逃げ込もうとした先は交番だった。

 山田容疑者は「お金がなく、腹が減ったので盗んだ」と容疑を認めている。

 逮捕容疑は、5月13日午後10時ごろから午後11時20分ごろ、同市内の閉店後のレストランに侵入し、生肉とフライドポテト(計2000円相当)を盗んだとしている。同署によると、冷凍庫内の生肉を近くにあった発泡スチロールの箱に詰めて盗んだという。

 山田容疑者は犯行後、市内の公園で同市のアルバイトの女性(18)の体を触ったなどとして、強制わいせつの疑いで同署に逮捕されていた。女性は被害を受けたあと、友人の男性を呼び、付近を自転車で走っていた山田容疑者を発見、声をかけたところ逃走した。その際、盗んだばかりの生肉の入った発泡スチロールの箱を落としていた。

 山田容疑者は、女性らに声をかけられた際、近くの交番に向けて逃走した。同署によると「(女性の友人の)男性が怖くて、交番に駆け込もうとした」と話しているという。

どこから突っ込んだら良いのか判らないようなダメッぷりなのですが、しかし降板に逃げ込んだ結果自首したと言うことになるのでしょうか?
いずれにしてもこの調子ではお金に困ると言うのも判る気がしますが、これからは事件を教訓に目的を絞り込んだ行動をされることをおすすめしたいですね。

今日のぐり:「麺匠 あらき」

福山市街地北部の大きなショッピングモールの一角に立ち並んでいる飲食店の中にあるのがこちらのお店で、見た目は普通のラーメン屋ですよね。
ただ味噌ラーメン専門とは割合に珍しいと思い入って見たのですが、地元を始め広島県の色々な味噌を使っているのが売りなのだそうですね。

今回は地元の味噌を使ったと言う旨コク府中味噌麺を野菜盛りで頼んで見たのですが、府中市の老舗味噌蔵浅野味噌の中味噌がベースの、背脂入りこってり味噌ラーメンだと言います。
この味噌は割合に甘口で、濃厚スープに強過ぎない味噌ダレの組み合わせは一応飲める濃さなのですが、それでもさすがにたくさんは無理で、味自体は美味しいのに味噌ラーメンのの弱点でしょうか。
麺は備後地方に多い平打ち麺でこういう濃いめのスープとも合うのですが、トッピングは火の通し加減はまずまずなんですが、もやしやキャベツなど組み合わせはありきたりな気はしました。
どうせなら地元食材にこだわるとか味噌味に特化した組み合わせを試して見るとかもう一工夫あると面白いかなと感じたのですが、全体的にはなかなかの味噌ラーメンで、今度来た際にはあっさり味噌の方も食べて見たいところです。
一緒にラーメン屋の炊き込みご飯なるものを頼んで見たのですが、炊き込みを予想していたところ油で炒めたもので、粒が立って香ばしいしうまいのですがこれはチャーハンと呼びたいですよね。

接遇は元気一杯で今時のマニュアル対応がわりとしっかりされていますし、味噌ラーメン専門らしく紙エプロン常備なのも好印象でしたが、今どきのラーメン屋はどこもちゃんとしてますよね。
しかしどうせならテーブルの薬味にももっとこだわればよかったのにと感じたのですが、ありきたりな市販品でも買ったまま並べるのではなく容器を替えるだけでもかなり雰囲気が違うと思うんですけれどもね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年7月30日 (土)

動物愛護の方々の最近の活動

一枚の子供の写真が大きな反響を呼んでいると言うニュースを紹介してみましょう。

ジョージ王子の愛犬にアイス写真、非難の声で大炎上!(2016年7月26日Movie Walker)

7月22日に3歳の誕生日を迎えたジョージ王子が、愛犬にアイスクリームをおすそ分けしようとする愛らしいはずの写真が、「モンスター」呼ばわりされ、ウィリアム王子とキャサリン妃が、動物虐待者の汚名を着せられる事態にまで発展してしまった。

問題となった写真は、ジョージ王子が3歳になるのを祝ってケンジントン宮殿が公式に発表した4枚のうち、一番人気だった写真だ。自宅のアンマー・ホールの庭先で、ジョージ王子が愛犬Lupoに、棒付きのホワイトチョコレートでコーティングされたアイスクリームをおすそ分けしようとしている瞬間を捉えた、なんとも微笑ましいワンシーンに、「かわいすぎる!」と多数のメッセージが寄せられていた。

しかし動物愛護団体のメンバーと思しき人々などから、「彼はモンスターだ!犬にアイスクリームをあげるなんてありえない。最悪の場合死んでしまうケースもあるし、良くても消化不良で下痢状態になってしまう」「なぜジョージ王子は、白いマグナム弾で犬を殺そうとしてるんだ!」「ジョージ王子は動物虐待の罪で、刑務所にほうり込むべきだ」といった、まだ3歳のジョージ王子を攻撃する過激なツイートや、「子供の教育もちゃんとできないウィリアム王子とキャサリン妃が将来王室を担うとは、なんとも悲劇だ」「世の中の子供たちが、真似する立場であることを親はわきまえるべき」といった、親の教育責任を問う声も届いているという。

専門家がBBCニュースに語ったところによれば、「犬に乳製品やチョコレートを与えると、アレルギー症状が出ることもあり、チョコレートに含まれる苦み成分であるテオブロミンなどは、犬にとって有害な成分で、死に至ることもあります。また乳製品は、激しい下痢やおう吐、それに伴う脱水症状を起こすことがある」そうで、犬の飼い主は知っておくべき事実だという。また、英国動物虐待防止協会の関係者も、「ジョージ王子は、炎天下の中で愛犬をクールダウンさせようとしているのでしょうが、乳製品やチョコレートを与えるべきではありません」とデイリー・メール紙にコメント。

それについて、「ジョージ王子はまだ3歳!色々学んでいく時期」「いいシャッターチャンスだったから撮っただけで、実際Lupoがアイスを食べようとしたら止めているかもしれない」「せっかくの愛らしいショットに、うるさすぎる!」「僕は、5匹の犬に18年間ミルクをやっているけど、全然問題ないよ」「3歳のジョージ王子に、刑務所行きなんて、頭がおかしいんじゃないかしら!」といった猛反撃のツイートが殺到している。【NY在住/JUNKO】

人間には無害でも動物にとっては有害と言うことはままあることで、体重10kgのイヌの場合ホワイトチョコ5000g程度の摂取で危険な量になってくるそうですし、乳製品に関してもイヌによっては人間同様慣れるまでは下痢などの症状を起こすこともあるそうですから、それなりのリスクもあると言うことを知った上で口にするべきであると言うことですね。
それにしてもジョージ王子に寄せられたコメントがいかにも動物保護団体の方々らしいなと感心しながら見ていたのですが、彼らの場合動物虐待には熱心でも人間に対する暴言や虐待には全く無関心あるいはむしろ積極的にそれを行いたがる傾向があるらしいと言うのは、日本の和歌山県太地町などにおける実例でも知られているところです。
その動物保護団体の方々が最近目をつけたのがこのところ世界的に大いに話題になっているあのゲームなのだそうすが、我々平々凡々たる小市民にはいささか理解し難いそのロジックをこちらの記事から紹介してみましょう。

ポケモンにも自由を! 動物愛護団体PETAが「ポケモンGO」に抗議(2016年7月25日ねとらば)

 動物愛護団体PETAが公式ブログで、ロサンゼルスのオフィスを「ポケモンの安全地帯」としたことを発表。「ポケモンを捕獲することは、動物を自然から連れ出し、動物園やサーカスに入れることと大差ない」と、「ポケモンGO」に抗議しています。

 ブログには「架空の動物を捕まえる情熱が、現実で危険にさらされている動物の解放に向けられたら素晴らしいことだ」と記載。ポケモンGOを機会に動物保護について考えてほしいという主旨が述べられています。

 しかしオフィスまわりの掲示は、「ポケモンは家族と引き裂かれてモンスターボールの中へ」「対象がポケモンであれ監禁は悪事」「ポケモン(の解放を)ゲットだぜ」など、直情的にポケモンの保護をうったえるものばかり。真意が伝わるものとはいえず、むしろブームに便乗したパフォーマンスにも見えます。

 同団体は「ポケモンGOと一緒に、PETAのポケモンパロディゲームもぜひ」といった主旨のツイートも投稿。かつて公開した、ポケモンを皮肉ったFLASHゲームを紹介し、「ポケモンは動物虐待」との主張をのぞかせています。

 PETAには、「冗談であってほしい」「実在の動物に目を向けるべき」「PETAはこのナンセンスなキャンペーンで自身を傷つけている」など、批判的なリプライが多数寄せられています。

動物愛護団体PETA、ポケモンGOに便乗してポケモンを捕まえる人間を倒すゲームを公開(2016年7月26日財務新聞)

あるAnonymous Coward 曰く、 以前ポケモンを動物虐待であるとして非難したり、ゲーム「スーパーマリオ」シリーズ内に登場する「タヌキスーツ」を動物虐待だとして非難するなどしていた動物愛護団体「PETA」が、「ポケモンを捕まえようとする人間を倒す」というブラウザゲーム「Pokemon Black & BLUE」を発表している(ギズモード・ジャパン)。

 さすがにこれはPETAの支持者からも突っ込まれているようだが、PETA側は動物虐待の事実を気付かせるものだとし「架空の動物を救おうとしているわけではない」と主張している。

このPETAと言う団体、なかなか愉快な考え方をしていることである意味世界的に有名な組織で、過去にも各方面と様々なトラブルを引き起こしていることで知られていますが、記事にもあるように各種のゲームについてもその内容が動物虐待的であると主張し、今回のようにパロディゲームを公開することもあるそうです。
しかしこの種の方々の言動でよく判らないのがアニメなど二次元規制論者の方々にしてもそうなのですが、実在の生き物に対して権利擁護を主張するのであればまだしも、架空の存在に対してもこうした活動を展開していると言うことで、この論法が通用するならチラシの裏に適当な生き物の落書きを書き散らして路上にばら撒き、うっかり踏みつけた歩行者らに動物虐待だと食ってかかることも可能な理屈ですよね。
こうした行動は彼らの得意とする単なる注目を集めたいがためのパフォーマンスであると主張する人も少なくないようですが、それならそれではるかに大きなターゲットが幾らでもあるはずで、それこそハリウッドの大作映画で何千何万と虐殺されていく宇宙人達の権利を守るために立ち上がった方がよほど効率がいいんじゃないかと思います。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2016年7月29日 (金)

最近目についた訴訟3題

個人的に少し気になっていた裁判の行方なのですが、先日こんな司法の判断が出たと報じられていました。

<諏訪大社「御柱祭」>特別抗告該当せず 中止申し立て棄却(2016年7月23日毎日新聞)

 長野県・諏訪大社の「御柱(おんばしら)祭」での転落死事故を受け、祭りの事実上の中止を命ずる仮処分の申し立てに対し、最高裁は「特別抗告の事由に該当しない」として棄却した。決定は7月15日付で、申し立てた箱山由実子弁護士=東京都北区=は「国民が国家に対して生命尊重を求める権利があるのかないのかを、最高裁として判断を出してもらいたかっただけに、棄却理由に明記がないのは残念だ」と話している。

 6年ごとに開催される祭りではほぼ毎回事故死者が出ており、今年も5月5日に大木を垂直に立てる「建て御柱」で、高さ15メートルの木の上部から氏子の男性(当時41歳)が転落死した。箱山弁護士は、祭りの度にけが人や死者が出るのは人命軽視に当たるとして、安全対策が講じられるまで境内の使用を禁じる仮処分を長野地裁諏訪支部に申し立てた。
 諏訪支部は「申立人(箱山弁護士)には仮処分で守られるべき権利はない」などとして却下、即時抗告を受けた東京高裁も棄却した。このため、「生命や自由、幸福追求に対する国民の権利を尊重するとする憲法13条から導かれる『国家に対して生命尊重を求める権利』が国民にあり、犠牲者が相次ぐ祭りの中止を求める」--などとして、5月16日に最高裁に特別抗告していた。
 最高裁決定は、棄却理由について「違憲を言うが、実質は単なる法令違反を主張するもので特別抗告の事由に該当しない」とした。転落死事故を巡っては、箱山弁護士らが諏訪大社宮司を業務上過失致死容疑で告発、県警諏訪署が捜査している。

 御柱祭は、氏子らを乗せた大木が急な坂を下る「木落(きおと)し」や、人が乗ったまま木を垂直に立てる「建て御柱」が人気で、今年は4月2日から5月16日までの間の12日間で約186万人が見物している。ただ、この半世紀近くでも1968、74、80、86、92、2010年に死亡事故が起きている。【照山哲史/デジタル報道センター】

祭の実際に関してはニュース映像等で見るしかないのですが、6年ごとの開催と言う比較的間隔が長い祭であることから、現場経験に基づく教訓の蓄積や継承と言う点ではかなり不利な状況だったのではないかと想像するのですがどうでしょうね?
この御柱祭に限らず全国各地でたびたび死傷者の出る危険な祭と言うものはあって、今回の司法判断に対する意見も人それぞれのようですが、違憲を理由に最高裁に上告するのは無理筋であったとは思うのと同時に、やはりこの種の祭と言うものの起源を考えるとリスク承知での日常からの脱却と言う側面があるのですから、参加者はそのリスクを承知した上で加わるべきものだとは言えるでしょうね。
事故が起こることが前提となれば保険等いざと言う時の金銭的な対策も十分講じられるべきでしょうが、ただ現在の民間保険では一定確率で誰かが死ぬかも知れない不特定多数の参加する行事と言うものはあまり想定していないようで、ざっと調べた範囲ではあまり満足のいく補償内容のものも見当たらなかったのですが、こうした場合主催者側なりがお金を集め自家保険なりを用意しておくべきかと言う気がします。
いずれにしても危険性のリスク評価が時代と共に変わる以上はこうした現在の目線で見ればいささか危険性が高すぎるのでは?と感じられる伝統行事と言うものはあるわけですが、時代の変化を感じる話としてもう一つ先日出ていたこんな裁判のニュースを紹介してみましょう。

「男児から暴行」特別支援学級の講師、市と保護者を提訴(2016年7月21日朝日新聞)

 堺市立小学校の特別支援学級で2013年、当時30代の女性講師が6年生の男児から執拗(しつよう)な暴行を受け、顔面打撲などのけがや後遺障害を負ったとして、市と保護者を相手取り、慰謝料など計1308万円の損害賠償を求める訴えを大阪地裁堺支部に起こした。第1回口頭弁論が21日に開かれ、市と保護者は請求棄却を求めた。

 訴状によると、女性は産休の代替として13年9月に着任。その直後、教室で男児を注意したところ、顔や頭を数回殴られ、制止するとさらに後ろから数十回殴られ、腰などを十数回蹴られた。職員室でけがの応急処置をして教室に戻ると、今度はナイフを持った男児に突進され、ハサミを投げつけられたという。女性は同校に14年3月末まで勤務した。

 女性は着任前、学校側から男児は注意欠陥・多動性障害があると説明を受けた。しかし、パニックになると暴力をふるう傾向が強いことなどは知らされておらず、危険を避ける適切な行動が取れなかったと主張。学校側の安全配慮義務と保護者の監督義務に違反していると訴えた。また、顔などのけがは公務災害が認定されたが、不眠などの後遺障害に対する慰謝料や休業損害は市と保護者が連帯して賠償する責任があるとしている。

 これに対し、保護者は「(女性から)あおられて手を出したが過剰な暴行はしていない。女性の配慮に欠けた言動が招いた」と反論。堺市教育委員会は「弁護士と相談し、適切に対応したいと考える」とコメントした。

記事を見る限りでは全面対立と言う感じで、実際のところ事実関係がどうであったかと言うことも今後どこまで裁判の過程で明らかになるのかも興味深いのですが、かつての体罰全盛期の学校であればこの種の言って聞くことが出来ない児童には相応の強制力を発揮せざるを得ないと言う暗黙の了解があり、保護者もそれを受け入れていたような気配がありました。
体罰全盛の時代から今や教師が手を挙げでもすれば良心的なメディアや進歩的文化人の方々から集中砲火を浴びる時代で、その結果校内暴力でも発生しようものなら即座に警察が呼ばれ通常の少年犯罪として対処されるようになったのがいいのか悪いのかですが、この場合に関しては児童の状態を考えると傷害罪等を問うのは難しそうですから、あくまでも民事として損害賠償を求めると言うのは妥当なところだと思います。
記事を見る限りでは女性教師にこの児童をコントロール出来なかった気配も感じられますので、不適切な配置につけた学校側の責任を問うために市も訴えたと言うことなのでしょうが、市側はともかく親の責任が認められた場合この種の障害児への対応にも相応の影響が出るのではないかと感じられるところで、さて実際上どうしたらよいものかと頭を悩ませている関係者の方々も多いのではないでしょうか。
この裁判も引き続き続報に注目していきたいところですがもう一つ、こちらはありそうで案外なかった裁判と言うところですが、まずは記事の方から紹介してみることにしましょう。

産業医が復職認めず退職に 元社員が無効と提訴(2016年7月21日共同通信)

 日本通運で働き、そううつ病で休職した男性(45)が20日、主治医から復職可能と診断されたのに、産業医が復帰を認めなかったために退職させられたのは不当として、社員としての地位確認と、損害賠償300万円を産業医に求める訴訟を横浜地裁川崎支部に起こした。

 訴えによると、川崎市内の事業所に勤務していた男性は2003年、長時間労働によりうつ病を発症。休職と復職を繰り返し、最近では14年1月から休職した。症状が安定した15年8月になって、主治医が「復職は可能」と診断したが、産業医は復職を認めなかったため今年1月、社内規定に基づき休職期間満了による退職となった。

 原告側は「産業医の意見は主観的で、医学的根拠がない。復職できないとの結論ありきだ」と主張している。

 日通は取材に「訴状が届き次第、内容を確認して対応を検討する」と説明した。

病気持ちだからと雇われなかった、退職を強いられたとはしばしば聞く話ですが、現実的に健康上の問題で勤務が出来ないと言う場合は一定確率で起こり得ることで、その場合本人があくまで働きたいと言う場合に誰がどう判断すべきなのかと言うのは悩ましい話だと思いますね。
特に留意いただきたいのは産業医は労働者の健康管理を行うと言う意味で労働者である被雇用者の利益を守ることが期待されるのですが、雇用関係から見れば産業医は企業側に雇用されているわけですから、労働者と企業側との利害関係が対立する場合産業医自身にも葛藤があるのかも知れません。
医学的な判断について言えば担当医は病気の状態はよく知っているが仕事の内容は知らないとも言えますし、日常生活は普通に送れても特定の業務は無理だと言うケースはしばしばあることですから、個々の職場環境で就労が可能かどうかについて一概に担当医の判断が最善ではないはずですが、一方で産業医は職場環境は知っていてもその疾患についての専門的判断は出来かねると言う場合が多いかと思います。
その意味で言わば専門外の領域に関して産業医がよく復職を認めないと言う大きな判断をしたなと感じたのですが、ちなみに産業医は労働の実態と本人の状態を総合的に見て休職等の勧告をすることは出来るのですが、復職を認めるか認めないかの判断を下すのはあくまでも会社側の人事権の範疇であって、この場合損害賠償を求める相手として産業医が妥当なのかどうかはまた考え方も別れそうですね。
また一般的に産業医と言えば専門外の医師がいわばアルバイト感覚で従事している場合も多く、実臨床の経験に乏しい社会医学系の先生などが担当していることもあるようですが、とりあえずサインをしてハンコを押すだけの簡単な仕事ですと考えて引き受けていると思わぬ訴訟リスクを抱え込むこともあるのだと言う警鐘としても受け止めておくべきかと思いました。

| | コメント (3) | トラックバック (0)

2016年7月28日 (木)

許可なく医師を当直させた結果どうなったか

むしろそんな許可が必要だったのかと知らない人の方が多かったのではないかとも思うのですが、先日こんなニュースが出ていたことを御覧になりましたでしょうか。

無許可で医師ら宿直、労基法違反状態の県立病院(2016年07月26日読売新聞)

 埼玉県病院局は25日、県立循環器・呼吸器病センター(熊谷市)で、労働基準監督署の許可がないまま、医師や看護師の宿直勤務が行われていると発表した。
 人員不足が原因で、労働基準法違反の状態が続いている

 労基法では、夜間の宿直や休日の日直勤務を行う際は、労基署の許可が必要と定めている。宿日直勤務の職員は、病室の巡回などの軽度な業務しか従事できない
 同センターは1994年5月の開院当初に許可を得たものの、許可書を紛失。2014年2月に再申請したが、熊谷労基署が不許可とした。理由として、医師や看護師が足りず、通常勤務と宿日直勤務の境目が不明確で、心臓へのカテーテル治療などの高度な医療行為を宿日直職員が常態的に行っていると指摘された。
 同局は「許可がないのは好ましい状況ではないが、医療サービスの質は低下させない。許可を受けられるよう、勤務条件の整備や、医師の増員に努めたい」としている。

 同様の労基法違反が千葉県の6病院で今月判明したことを受け、同局が県立4病院の状況を調べた。

労基署の許可なく当直勤務 千葉県立6病院、医師ら 背景に人員不足(2016年7月22日共同通信)

 千葉県がんセンター(千葉市)など千葉県立の全6病院で、労働基準法に定められた労働基準監督署の許可がないまま、医師や看護師に夜間、休日の当直勤務をさせていることが21日、県への取材で分かった。
 厚生労働省は当直の勤務内容について、原則として「待機や病室巡回など軽い労働」に限定している。だが実際は人員不足で、頻繁に急患の対応などを求められるケースが多く、病院が適切な当直態勢を取れないことなどが背景にある。
 無許可では国のチェックが及びにくく、労働組合「全国医師ユニオン」の植山直人(うえやま・なおと)代表は「医師らの過重労働につながる恐れがある。全国的に他の病院でもあり得る」と指摘している。

 県によると、6病院のうち県がんセンターは5月、千葉労基署の立ち入り調査を受けた。県病院局は「許可を得ないまま当直をさせている現状は違法状態と認識している」とする一方、医師の確保が困難で、国が求める当直勤務をさせるための適正な態勢をつくれないとして「早急な解決は難しい」としている。
 厚労省は2002年、全国の病院に勤務の適正化を求める通達を出しており、「無許可の場合は違法労働となる可能性がある」としている。

 県によると、県がんセンターはこれまで数回、医師らの当直について許可申請したが、「勤務内容が通常業務と変わらない」などとして認められなかったという。通常業務として夜間や休日に働く場合、割増賃金が支払われる必要がある。6病院とも過去に許可を得た記録はなく、長期間、無許可状態が続いているとみられる。
 県がんセンターでは、14年に腹腔(ふくくう)鏡手術を受けた11人がその後死亡した問題が発覚するなど医療を巡る問題が相次いでいる。病院が設置した複数の第三者委員会の調査結果で、医師の過重労働や人員不足など、病院の労働環境を改善する必要性が再三指摘されていた。

 ※医師らの当直勤務
 労働基準法は労働時間の上限を1日8時間、週40時間、休日は毎週少なくとも1日と定めるが、医師や看護師の夜間や休日の当直勤務はこれらの定めの適用除外となり、時間外や深夜労働の割増賃金も支払われない。ただ、病院が医師らに当直をさせる場合、事前に労働基準監督署の許可が必要で、別途手当も支払う。厚生労働省は、医師らの当直は原則として夜間は週1回、休日は月1回が限度の「ほとんど労働の必要がない勤務」と基準を示す。待機や病室の巡回、患者の脈拍検査など軽度の労働に限定され、睡眠を取るための設備の整備も要件になっている。

 【解説】国が医師らに当直勤務をさせる際に許可を得るよう求めるのは、厳しい現場で日々働く医師らの健康を守り、医療の安全を確保するためだ。無許可のままでは、軽度の労働に限定されるはずの当直勤務の原則から外れた働き方でも、労働基準監督署のチェックが届きにくくなる。国は、全国的に医療機関を調査して適正化を図る必要がある。
 労働組合「全国医師ユニオン」が2013年に発表した「勤務医労働実態調査」によると、当直勤務が軽勤務のみと答えたのは回答者約1600人のうちわずか1割強。当直後も勤務が続き1日半以上も連続で働く医師は約8割以上に上った。
 調査対象となった病院には、当直の許可を得た病院も多数含まれる。同ユニオンの植山直人(うえやま・なおと)代表は「医療業界では労働基準法が軽視されている」と訴える。
 調査では医療過誤の原因として、「過剰業務・疲労」や「医師の負担増」に加え「スタッフ不足」を挙げた医師が多かった。不適切な当直勤務が多い背景には人員不足もある。国や医療機関は、医師の働きやすさが患者の安全につながることを肝に銘じるべきだ。

許可書を紛失云々はいささかお粗末でしたが、ここで注目頂きたいのは再度許可を申請したものの労基署からの許可が出ない状態が続いていて、その理由として当該病院における当直の実態が実際にはほぼ労働が行われないことになっている当直業務には相当せず、通常業務と同様の労働が行われているからだと言うことです。
現実的にはいやしくも救急車を受けるような急性期の病院で、本来的な当直に相当する寝当直と言う状況はまず想定しにくいと思いますが、こうした場合には労基法36条に基づいて労使協定を締結するか、同37条に基づいて割増賃金を支払わなければならないはずであるのに、そのいずれも行われていなかったと言うことが問題とされていると言うことです。
ルールも定めずお金も支払わず時間外も当たり前に働かせると言えば昨今流行りのブラック企業めいていますけれども、注意いただきたいのはこうした時間外労働をさせていること自体が悪いと言っているのではなく、時間外労働をさせているにも関わらず協定や賃金などの面で労基法を守っていないことは問題だと言っていると言うことですね。

記事にも出ている2002年の厚労省による通達「医療機関における休日及び夜間勤務の適正化について」によれば、「集団指導を実施し(略)宿日直勤務の趣旨及び許可基準に定められた事項の遵守又は交代制の導入等勤務体制の見直しを行う必要があることについて説明し(略)宿日直勤務で対応することが適切でないことが明らかになった場合には、許可の取消を行う旨の説明を行う」と記されています。
ただ今回明らかになったこととして許可の取り消しが行われても現場の実態としては何も変わらないと言うのでしょうか、相変わらず違法状態のままで同じように時間外労働が継続されていると言うことで、労基法によれば36条、37条違反への罰則としては六箇月以下の懲役又は三十万円以下の罰金だと言いますが、さて全国の病院管理者がいつこれらの罪に問われることになるのかですよね(棒)。
厚労省としてはあまりいい加減なことをしているとこうした罪に問われる可能性もあるよと脅しをかけたつもりなのかも知れませんが、15年を経ても「許可がないのは好ましくないが…」程度のごく軽い受け取られようであったことが明らかになった形で、当然ながら医療安全のための医師の労働環境改善と言う点では通達は全く意味がなかったと言われても仕方ないのかも知れません。

| | コメント (5) | トラックバック (0)

2016年7月27日 (水)

著名人遺族から終末期医療への問題提起

先日亡くなった大橋巨泉氏について、こんな記事が話題になっていることをご存知でしょうか。

巨泉さんの妻 治療に不信感「モルヒネ誤投与許せない」(2016年07月21日東スポ)

 12日に死去したタレントで元参院議員の大橋巨泉(本名・大橋克巳=享年82)さんの妻・寿々子さん(元タレント浅野順子)は、20日に発表したコメントで「闘病生活に“アッパレ!”をあげて下さい」と故人をたたえつつ、治療への不信感をのぞかせた。

「もし、一つ愚痴をお許し頂ければ、最後の在宅介護の痛み止めの誤投与が無ければと許せない気持ちです」

 4月から在宅介護を受けていた巨泉さん。夫人はコメントで「先生からは『死因は“急性呼吸不全”ですが、その原因には、中咽頭がん以来の手術や放射線治療などの影響も含まれますが、最後に受けたモルヒネ系の鎮痛剤の過剰投与による影響も大きい』と伺いました」と明かしている。

 がん闘病において、モルヒネは「痛みを消し、延命効果もある」最高の鎮痛剤などといわれる。巨泉さんへの投与の実態は不明だが、夫人がわざわざ記述したことは、相当の憤りをうかがわせる

このモルヒネ誤投与云々については詳細がよく判らないところですが、緩和医療医の大津秀一氏が記載している記事などを参照にするところでは在宅介護中の4月に大量に届けられた鎮痛剤の使用でもうろうとなり緊急入院となった、その後一時は回復したものの肺炎等を繰り返し7月に亡くなったと言うことで、4月時点の投与量が誤投与だったかどうかは置くとしても7月の死亡に関係するのか?と言う疑問は抱くところです。
この辺りの前後の経緯については本人自身も記載していて、何かしら薬物過剰投与をうかがわせる状態ではあるものの誰がどう間違ったのかははっきりしませんが、気になるのは最後を看取った担当医は死因は急性呼吸不全であり、「最後に受けた」モルヒネ過剰投与の影響が大きいと言ったと言うことで、素直に文脈を読めば次第に増量されていったモルヒネにより呼吸抑制に言及しているのではないかと言う気がします。
要するに4月時点で誤投与があったかどうかは別問題としても担当医が言う死因への影響と言う点で直接的なものではなく、担当医は別の意味でのモルヒネ過剰投与と言っていたにも関わらず家族は4月時点のエピソードが関係していたと誤解している可能性もありそうに感じたのですが、ただこうした報道が出れば世間ではまた別な反響が出てくるものです。

巨泉さんモルヒネ報道の悪影響を懸念する(2016年7月22日日経メディカル)

 大橋巨泉さんが82歳で亡くなりました。巨泉さんが残した功績は大きく、その死を悼む報道が続いています。その中で、医師として見過ごせない報道がありました。「モルヒネ系鎮痛薬の誤投与で体力を奪われた」という趣旨の報道です。
(略)
 今回、筆者が問題に感じているのは、マスコミがご遺族の言葉をそのまま強調するように報道していることです。「モルヒネ=怖いもの、体力を奪うもの」という誤解を、一般の方に与えてしまいかねないことを憂いています。
 これから癌の疼痛に対してモルヒネを開始すべき患者がいたとして、今回の報道により抵抗感を抱いてしまうのではないでしょうか。現在、癌と闘病されていて、モルヒネを使用している患者も多くいます。そのような患者や家族が今回の報道をみて、どのように思うでしょうか。
 「モルヒネを使うのは怖いことだ」「モルヒネのせいで体力が弱っている」と感じて、悲観的になるかもしれません。場合によっては、モルヒネをやめたがるかもしれません。
 マスコミは、インパクトのある記事を書かなければならないのかもしれませんが、記事が与える影響も考えてほしいと思います。例えば、巨泉さんのご遺族はこう話しているけれど、医療用麻薬は適切に用いれば安全な薬剤である、という論調まで含めて書いていただくこともできたはずです(マスコミの中には、このような配慮された記事を書かれていたものもあったことを記載しておきます)。全ての癌患者が疼痛から解放される世の中にするため、マスコミも正しく「適切な」報道をしていく責任があることを自覚してもらいたいですし、私たちも協力は惜しみません。

 さて、最後にモルヒネの影響について。巨泉さんは体力を奪われて…という受け止め方になってしまいましたが、むしろ逆に体力がついて元気になったという方も多くいることをご紹介したいと思います。
 ある卵巣癌の方は、モルヒネを「適切に」用いることで、これまでできなかった趣味に出掛けられるようになり、身体も気持ちも元気になれた、と喜んでくださいました。ある悪性リンパ腫の方は、モルヒネを「適切に」用いることで、これまでは無理と諦めていた海外旅行に出掛けることができました(注:モルヒネの海外持ち出しには、事前の申請が必要です)。
 もちろん、癌が進行すれば最終的には弱ってしまうことは避けられません。ですが、時期によっては、モルヒネが患者の生きる力を支える薬となることは疑いようのない事実です。緩和ケアは、死を待つだけではありません。『どう生きるか』を支える力だと信じています。

麻薬性鎮痛剤が単なる鎮痛以外にも様々な好影響があることが知られるようになってきて、末期患者に積極的に投与されるようになってきていますが、一方で日本では以前から麻薬性鎮痛剤と言えば手の施しようのない末期と宣告されたような気分になるだとか、麻薬中毒になってまで生きたくないと言った拒否感も根強いとされ、使用量も世界平均の半分以下、アメリカなどの20分の1だとも言います。
もちろんこうした忌避感は患者側だけではなく医師の側にも未だに残る場合もありますが、昨今ではこの種の疼痛緩和は薬剤師など複数のスタッフが関与して話を進める施設が多くなっていますから、医師だけが自らのポリシーを貫き通すと言う局面はあまりなくなってきているのではないかと思いますね。
時として延命効果もあるとは言っても基本的には本人の苦痛を緩和するためのもので、患者が拒否する場合に無理に使うような性質のものではないのかも知れませんが、その拒否感が妙な誤解から生じているのだとすれば残念なことですし、今回の一件を大きく取り上げたマスコミ諸社は是非ともそのフォローアップ記事にも十分な時間と手間を費やしていただきたいものだと思います。

| | コメント (7) | トラックバック (0)

2016年7月26日 (火)

風邪など寝ていれば治るが推奨される時代に?

今春の診療報酬改定で急性期病院の算定基準が厳格化されるなど見直しが行われた結果、全国各地で収入低下で経営の悪化する病院が続出しているのだそうで、特にもともと経営基盤の怪しかった地方の中小自治体病院は完全な自治体からの持ち出しになり自治体財政にも大きな影響を与えていると言います。
国としては医療についてもコストパフォーマンスと言う観点が必要と言う方針であり、効率の悪い地方小病院などは真っ先に淘汰の対象であると考えているのかも知れませんが、オラが町の公立病院が廃止されたり診療所に格下げになった場合には基幹病院としても患者の送り先に困ると言うケースもあり得るわけですから、地域医療計画でどのような地域医療のトータルプランを描いていくのか今後自治体の力量も問われるのだと思いますね。
そのコストパフォーマンスと言う観点が医療を大きく変えていきそうだと言う気配は昨日の高価な新薬絡みの話題からもうかがわれるところで、基本的に今まで日本の医療現場があまりにもコスト意識が乏しかったことへの反省と言う点では悪くないとも思うのですが、一方で少しばかり気になることとしてこうした記事も出ています。

費用対効果の検証が進めば診療行為も対象に?(2016年7月14日日経メディカル)

高額薬剤問題は、既に日常診療にも影響を及ぼしている。今後は医師の処方に、様々な角度から制限が掛かりそうだ。将来的には、診療ガイドラインにコストを意識した治療が規定され、個々の診療行為にも費用対効果が問われる時代がやって来る。
(略)
 日経メディカルOnlineが行った医師会員向け調査では、回答者3542人のうち、患者の経済状況が原因で治療内容を変えたことがあるという回答が45%に達した(「医師1000人に聞きました」参照)。変更した治療内容を聞いたところ、高額な抗癌剤や生物学的製剤だけでなく、新規経口抗凝固薬(NOAC)や抗精神病薬、DPP-4阻害薬などを、患者の申し出によって安価な薬剤に変更したという回答が多く寄せられた。
 国民皆保険の日本では従来、医師は薬剤を治療効果の観点のみから選択し、ほぼ自由に処方することができた。しかし、高額な薬剤の増加に伴い、今後は患者の懐具合を意識した処方を考えざるを得ない局面が増えていくに違いない。
(略)
 最近、幾つかの抗癌剤で、服薬を中止して様子を見る臨床試験が行われるようになってきた。今年6月の米国臨床腫瘍学会(ASCO)では、非常に高い効果が得られた場合、その後の投薬を中止するというデザインの臨床試験の結果が発表された。しかもこの臨床試験は、企業主導で行われた
 製薬企業がこうした臨床試験を行うようになった背景には、不必要な投薬継続は副作用リスクを上げるだけだという考えとともに、治療が長期間にわたることで経済的な負担に耐えきれない患者が増えていることがあるようだ。
 この研究は幸いにも、効果が得られた患者のその後の経済的負担を考えて中止の可能性を探るものだ。しかし、効果がないのに投薬を継続することは患者には無用な身体的負担になるし、医療保険財政上の負担にもなる。患者がどのような状態になったら高額薬剤の使用を中止すべきなのか。まだ知見が少なく、客観的な指標を設定するには、しばらく時間が必要だろう。しかし、投薬の「やめどき」を巡る議論が活発になっていくことは間違いないだろう。
(略)
 最近、日本肺癌学会の診療ガイドライン委員会では、抗癌剤治療のコストをガイドラインでどう扱うべきかについて、「専門家を交えて議論を開始する方針が決まった」と九州大学の中西洋一氏は言う。しかし、ガイドラインの中で、どのようにコストに言及するかまでは検討が進んでいないという。
 ただし、そのヒントは英国の国立医療技術評価機構(NICE)の取り組みにある。英国では99年にNICEを設立。高額な薬剤を対象に費用対効果の分析を行って、その結果を公的医療制度の給付対象とするかどうかの判断に活用してきた。一方でNICEは、診療ガイドラインの作成も担当している。つまり、費用対効果を検証して得られた成果を、診療ガイドラインに反映させているわけだ。
 NICEが給付対象の基準としているのは、新たに投じられる年2万~3万ポンド(272万~408万円)のコストが、健康な余命1年(1QALY)をもたらすかどうか。この基準で利用可能な薬剤をリスト化して、ガイドラインを組み立てている。
 我が国では、承認された新薬は基本的に薬価収載され、たとえわずかでも既存薬より有効であれば、診療ガイドラインに盛り込まれるケースが多い。そこには薬価の設定と同様に、費用対効果の視点が抜け落ちている
 近い将来には日本でも、高額な薬剤については、費用対効果の検証結果を加味した薬価が設定されることになるはずだ。そして診療ガイドラインの薬物療法の項には、高い費用対効果が実証された薬剤が優先して記載されるようになるかもしれない。

個々の診療行為も検証対象に

 医薬品の費用対効果についての分析が進めば、その後は個々の診療行為にも、費用対効果の視点が持ち込まれるようになる可能性が高い。
(略)
 また、診療行為の費用対効果が明らかになるということは、一つの診療行為を取り上げて医療機関や医師ごとに比較をすれば、それぞれのパフォーマンスが一目瞭然になるということでもある。将来的には、こうしたデータが、医療機関や医師を評価するツールとして使われるようになるかもしれない。
 今はまだ、医療分野で費用対効果を検証する動きの対象は医薬品、それも高額薬剤に限られている。だが、医療保険制度の持続性確保の掛け声の下、今後は検証の対象が全ての薬剤に、そして個々の診療行為へと拡大していくことも十分に考えられる。

しかし抗癌剤治療などは初期には治療効果が出ていてもそのうち効かなくなってくるもので、抗癌剤の辞め時を探る試験が企業主導で行われたなどと聞けばおいしいところだけのデータを集めようとしているのか、などと考えてしまうのは自分だけでしょうか。
もちろん薬のコストパフォーマンスのように比較的数字として明示しやすい話には説得力があるし、今後はガイドラインの記載においてもコスパを考慮に入れた優先順位がつけられていくのは当然だろうと思うのですが、ここで注目したいのは最後の段落で取り上げられているように個々の医師の診療行為そのものもコスパ検証の対象となり得ると言う視点です。
当然ながら病院経営において雇用している医師それぞれの診療がどれほどのコスパを示しているのかは重要で、将来的に本当に医師余りの時代にもなってくれば医師を雇うかどうかや給料の算定に当たってもこうした数字が重視されるようになるのかも知れませんが、それ自体は社会の多くの専門職において普通に行われていることですから卒後何年目かで自動的に給料が決まる方が不自然だったとも言えますよね。
ただ疑問に感じたのがご存知のように日本の診療報酬体系では医師が診察すると言う行為自体ではほとんど報酬がつかず、検査や処置などを行うことに対して報酬がつくと言う形になっていて、この結果必然的に導き出される結論としてコストパフォーマンスによって医療行為を評価するなら検査など行わず、問診や理学所見など時間と手間はかかるがコストはほとんどかからない行為で診断がつけられる方がコスパはいいと言う話になります。

CTやMRIなど高価な検査機械が末端医療機関にまで普及しているなど、この診療報酬体系のもたらした弊害は以前から指摘されてきたところでもあり、DPCに基づく定額払い報酬制度なども可能な限り余計な検査や処置はせず治療をすれば儲かりますよと言う政策的な誘導であったと言えますが、今後は医療財政の側面からもなるべく検査はしないと言うスタイルが望まれるようになると言うことでしょうか。
画像診断などについては後日の検証に耐える客観性のあるデータが保存出来ると言うメリットもあり、一概にお金の無駄であるとも言い切れないものがありますが、一方で高い機械を導入したことで償還をするために不必要な検査を行っていると言うケースも少なからず見られるのも事実で、逆に言えば本当に必要な検査だけではペイしない設備投資は過剰投資であったとも言えるかと思います。
ただ日本の現状でおよそ病院と名のつく施設でCTもないではお客が来ませんから、経営戦略上も周囲との横並びで入れざるを得ない面もあるはずですが、特に施設同士が近接している都市部などでは設備の共用化や検査センター方式の導入が出来れば経営的にも医療財政的にもメリットがあるはずですから、国もコスパ追及を云々するなら現場がそれを行いやすいような制度的バックアップをしていただきたいところですよね。

| | コメント (5) | トラックバック (0)

2016年7月25日 (月)

高すぎると話題の新薬が医療現場に意外な影響を及ぼす

最近高価な新薬の登場が医療財政を破綻させると一般向けにも盛んに喧伝されていますが、その対策として厚労省がこんなことを打ち出してきています。

高額治療薬の適切な使用 ガイドライン作成へ(2016年7月21日NHK)

抗がん剤や高脂血症の薬など高額で効果の高い新薬の開発が相次ぐなか、厚生労働省はこうした薬の適切な使い方をまとめたガイドラインを作る方針を決めました。
効果があまり見込めない患者が使用した場合などは医療保険を適用しない方針で、厚生労働省は増え続ける医療費の抑制につなげたいとしています。

厚生労働省によりますと、ガイドラインの対象となるのは、肺がんなどの治療薬の「オプジーボ」や、高脂血症の薬の「レパーサ」など4つの新薬で、いずれもほかの薬が効かない患者にも効果が期待されています。
その一方で、価格が高く「オプジーボ」では、60歳の肺がんの男性患者に1年間使用すると、およそ3500万円かかると試算されています。
これらの薬は効果のあまり見込めない患者に使用されることがあり、重い副作用が起きるケースも相次いで報告されています。

このため、薬ごとに作るガイドラインでは、使用する医師に一定の専門性があることや、医療機関にも緊急時には対応できる態勢を確保することなどを求めるとしています。
また、高い確率で治療の効果が見込める患者に使用を限るとして、ガイドラインに沿わない場合は医療保険を適用しない方針です。

厚生労働省はガイドラインの導入で、増え続ける医療費の抑制につなげたいとしていますが、患者が希望する薬の使用が制限されかねないとして、今月27日に開かれる中医協=中央社会保険医療協議会で案を示したうえで、
有識者などによる委員会で慎重に議論を行い、年度内にガイドラインをまとめる方針です。

この高い確率で治療の効果が見込める患者に使用を限ると言う文言をどう解釈するかで非常に運用の幅が広そうな話になるかと思いますが、使用前の遺伝子学的検索など様々な縛りがつけられることになるのかどうかもさることながら、そもそも何をもって高い低いと言う指針とするのかと言うことが問題になりそうですよね。
一つの目安として既存治療法よりも高い効果を期待出来るかどうかと言うことが挙げられるかと思いますが、日本同様皆保険制度であるイギリスでは膵癌に対して日本でもよく用いられるアブラキサンを掛かるコストに対して効果が低すぎるとして保険承認から外したと言う例があり、仮に日本で同様の話が持ち上がれば大騒ぎになるかねないとも思います。
肺癌治療薬オプジーボについてはこの7月から何例か死亡例も報告されるようになっていると言い、特に自由診療の免疫療法などと併用して死亡例が出たことが注目されていますが、単に費用の点だけでなくこうした安全面の配慮と言う観点からも使用施設や症例をさらに絞り込むと言うことに一定の理解は得られると考えているのかも知れませんが、むしろ注目したいのはこうした話も出ていることです。

抗がん剤、同効果なら安い方 日赤医療センター、薬価抑制へ方針(2016年7月22日産経新聞)

 がん治療薬「オプジーボ」など高額薬による国の医療費増大が問題となる中、日本赤十字社医療センター(東京)が「同じ効果、同じ副作用なら価格が安い抗がん剤を使う」との院内方針を決めたことが21日、分かった。化学療法科の国頭英夫部長は「国民皆保険制度のもと、日本では高額薬であっても医師は価格を気にせず処方してきた」と指摘。海外では同様の決定が報じられた後に薬価引き下げにつながった例もあるが、薬価を比較した上で使用する薬を決めるのは、国内で異例とみられる。

 国頭氏によると、同センター化学療法委員会が5月下旬に方針を決定。大腸がんの抗がん剤「サイラムザ」と「アバスチン」を比較し、価格が高いサイラムザについて、大腸がんに使用しないことも決まった。
 2剤はがん細胞が栄養を得るため血管を引っ張る動きを妨げる効果があり、他の抗がん剤と併用する。サイラムザは胃がん用に平成27年に発売され、今年4月、大腸がんに適応拡大。アバスチンは大腸がん用に19年に承認されており、国頭氏によると「大腸がんに対し、2剤は効果も副作用も変わらない」という。
 ただ、価格は体重60キロの患者が半年間使用するとアバスチンが150万円なのに対して、サイラムザは427万円と約2・8倍。そのため、センターは「他に薬がない胃がんにはサイラムザを使っても、大腸がんでは使わない」とした。

 米国では米紙ニューヨーク・タイムズが2012年10月、ニューヨークのスローンケタリング記念がんセンターがアバスチンと効果や副作用がほとんど変わらない高額な新薬を使わない方針を示したと報じた。米在住の大西睦子医師は「米国では一般的に新しい医療はより良いものと理解される。センターの決定は異例のことと受け止められた」と話す。同紙は翌月、「製薬企業がこの新薬を50%引きして医療機関に販売する」と報道。新薬の価格はその後、実際に下がった。
 日本では、上限を超えた医療費が医療保険から支給される「高額療養費制度」で患者負担が抑えられることもあり、同じ効果なら安価な薬剤を使うという考えは浸透していない。国立がん研究センター前理事長の堀田知光・国立病院機構名古屋医療センター名誉院長は「高額薬は増えており、医師も患者も保険財政の負担を考える時期に入ったのではないか」と話している。

効果が同じならより安いものを使うとは一般社会では当たり前過ぎるような話なのですが、特に高価な医療は患者負担が定額になる日本の医療現場からこうした話が自主的に出てくると言うのは極めて異例のことで、全国各地で基幹病院として希望している日赤の各病院で同様の対応が行われるようになれば、医療に与える影響も決して小さくないのではと言う気がします。
そもそも薬価が高い、安いと言うこと自体が別にコストや性能によって決まっているわけではなく、国が既存の薬剤と効果などを比較してまあこれくらいだろうと決めているだけなのですから、単独使用ならまだしも複数の薬剤を組み合わせて使うと言う場合には高い薬が効果が高いとも言い切れず、安い薬の組み合わせでも意外なほど高い効果があったりする場合も考えられるわけです。
もちろん薬毎にそれぞれ性質や副作用も違うことから、患者の状態に応じてはどうしても高い薬を使うべきだと言う局面もあるはずですが、基本的にコストを考えながら診療手段の選択をしてこなかった医療現場からこうした話が出てくると言うのは画期的であり、現場としても医療財政の逼迫に危機感を強めていると受け取れる話ですよね。
今後は日常的に使われてきた薬剤なども単に効果だけではなくコストパフォーマンスと言う観点から見直しが進んでいくのかどうか、新薬承認の段階でもコスパ的な評価が盛り込まれていくのかにも要注目ですが、今まで定番的に使われてきた薬が見直された結果案外コスパが悪かったとなれば製薬会社の売り上げにも大きな影響も出かねない話でしょうね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年7月24日 (日)

今日のぐり:「四季紅 玉島店」

先日は七夕でしたが、こんなもの悲しいニュースが出ていました。

なにがあった?東京理科大に飾られてる「七夕の願い事」が鬱すぎる(2016年7月1日MAG2ニュース)

もうすぐ七夕。
東京理科大学の生協に、学生の短冊が飾られている。
どんな願い事をしているのかと思ったら、闇が深かった・・・。

その内容は、
「研究生をやめたい みつを」
「ウエイが消えますように 理科大のクズ」
「じっけんがなくなりますように」
「彼女を造りたい」(字が違う)
「たんいほしい」
「やすみくれ」
「内定ほしい」となっている。

一体、理科大の学生はどうなってしまったのか?

いや天下の理科大だけに彼女を造りたいはまさに本音なのかもですけれども、それにしても日本科学界の将来に若干の不安を感じるのは自分だけでしょうか?
今日は悩み多き理科大生を励ます意味を込めて、世界中からちょっとかわいそうな話題を拾い上げてみることにしましょう。

朝から何やってんの! 洋式トイレのフタにはさまっちゃった猫(2016年6月8日ねとらば)

 TwitterユーザーのReu_すもりばさんさんのお宅のねこちゃんが、洋式トイレのフタにはさまった状態で発見されました。

 写真が投稿されたのは7時45分。「お前は朝から何をしてるんだよ」とそえられたストレートなツッコミが冴えています。ねこ発見時の複雑な気持ちが伝わってきます。

 Reu_すもりばさんさんいわく、「トイレ行こうと思ってドア開けたらこれ」だったそうで、どうしてはさまったのか経緯も分からないようです。ねこがいつから頑張っていたのかと思うと切なくなっちゃう……ともあれ、助かってよかったです!

写真を見る限りではネコにとっては大変な状況で、早い段階で?見つかって良かったと思うのですが、しかし何故…と言う疑問は残りますね。
同じくネコ絡みで海外からこんな悲報が飛び込んできたと話題になっていたニュースを取り上げてみましょう。

肉球マニアに悲報「ネコと自撮り」禁止…サウジの宗教指導者が仰天宣言、過去にはポケモンもやり玉に(2016年7月3日産経新聞)

 「ネコノミクス」とも称される空前のネコブームに水を差す残念なできごとが、サウジアラビアであった。イスラム教の著名な宗教指導者が、ネコとの“自撮り”を禁じると宣言したのだ。現状は個人的な見解の域は出ないとの見方がある一方、サウジでは日本の人気アニメ「ポケットモンスター」がイスラム法に基づいて禁止された過去もある。肉球マニアにとっては気がかりな動向といえそうだ。

 宣言したサウジの宗教指導者は、サラハ・ビン・ファウザン・アル・ファウザン師。4月下旬に配信された動画でネコとの自撮り禁止に言及したとして、欧米メディアが相次いで報じた。
 それによると、師はある人物から「ネコと写真を撮る行為が流行しているが、西洋人になりたいのだろうか」という非難の声を聞かされ、こんな見解を示したというのだ。
 「必要がなければ、ネコやイヌ、オオカミとも写真を撮ることは禁止されている」
 ペットと自撮りした写真をインスタグラムやフェイスブックに投稿する-。こうした例に代表される趣味を、師は「西洋かぶれ」とみなしてばっさり切り捨てたことになる。
 師は「ネコが重要なのではない」とも語った。動物を人間と同等に扱うことか、自分で自分の写真を撮ること、あるいはその両方が教えにそぐわないと判断したとみられる。
(略)
 米誌ニューズウィーク(電子版)は、2001年にサウジの別の宗教指導者が出したファトワ(宗教見解)に言及した。ポケモンをやり玉に挙げ、カードやゲームで遊ぶことを禁じたものだ。
 カード交換は賭博性が強い▽キャラクターがイスラム教で否定されているダーウィンの進化論に基づく▽カードのマークがイスラエルのダビデの星を連想させる-。ファトワはこれらを理由に、ポケモンが「子供に悪影響を与える」と断じた。
 一方でこんな例もある。AFP通信によると、08年にサウジの宗教指導者が「ネズミは根絶すべき悪魔の手先だ」として、ミッキーマウスもこれに該当するとの認識を示すと、エジプトの宗教指導者が「イスラムのイメージを損ねる」と批判したという。
 今回の宣言は、イスラム世界やその周辺にどこまで影響するのだろうか。

別にネコの写真を撮ったからと言って動物を人間と同等に扱っているとも思えないのですが、偶像崇拝の禁止など何かしらqのルールに抵触するのでしょうかね。
時折運の悪い人と言うものはいるものですが、こちらあまりに運が悪すぎて到底涙無しでは見られないニュースです。

騎手が落馬で鼻骨骨折、駆け付けた救急車にもひかれる(2016年7月7日CNN)

(CNN) イタリア・メラーノの競馬場でこのほど、障害物レースに出走していたアイルランドの騎手が落馬して鼻骨を折った上に、出動してきた救急車にひかれる災難にも遭遇した。

さんざんな目に遭った騎手はクリス・ミーハンさん。落馬で目の周りに黒いあざが出来たり、顔に切り傷を負っていた。
競馬などの専門紙レーシング・ポストによると、救急車がこの後、横になっていたミーハンさんの近くに到着して車をバックした際、同騎手の足に乗っかる形で停止する形となった。
ミーハンさんが叫び声を上げ、周囲にいた関係者らが車を押すなどして足の上から離したという。ミーハンさんは足の骨も折る羽目に陥っていた。

皮肉なことに、ミーハン騎手の家族や親族には救急車勤務が多い。レーシング・ポストの取材に「父や兄弟、おばは全員が救急車で働いている。父は北アイルランドやイングランドで救急車の運転の仕方を教えている」とし、今回の不幸の重なりに「信じられない」とこぼしている。

運が悪いとも間が悪いとも言える話なのですが、しかしやはり車を後退させる時にはきちんと安全確認が必要ということですね。
日本でも時折こうした事故が起こりますが、今回はその経緯にも同情すべき点があったようです。

900万円のクロスワードパズルに文字を書き込んでしまったおばあさん、警察から厳重注意を受ける(2016年7月21日GigaZiNE)

ドイツの博物館には約900万円の価値があるというクロスワードパズルが展示されているのですが、観光に訪れたおばあさんがなんとボールペンで文字を書き込んでしまうというアクシデントが発生しています。

問題のクロスワードパズルは、ドイツ・ニュルンベルクにあるゲルマン国立博物館に展示されている「Reading-work-piece」という作品で、ドイツの芸術家・Arthur Køpcke氏が1977年に制作したもの。Reading-work-pieceは、一見するとマスが埋まっていない状態のクロスワードパズルのような見た目をしています。博物館によれば、Reading-work-pieceをもともと持っていた個人コレクターが博物館に寄贈したものだそうで、8万ユーロ(約933万円)の価値があるとのこと。

クロスワードパズルの隣には、作品の一部として「Insert words.(文字を入れてください)」という文章が書かれているのですが、博物館を訪れた91歳のおばあさんは、この文章を字面通りに受け取ってクロスワードパズルの穴を文字で埋めていったとのこと。おばあさんは、警察の事情聴取に対して、「私は、作品の隣に書かれた指示に従って文字を書いただけです。芸術家の指示を無視してほしいならば、博物館側がそのように注意事項を明記しておくべきです」と語っています。

博物館の館長であるEエヴァ・クラウス氏は、おばあさんの書いた文字は比較的簡単に修復可能だろうと述べています。簡単とはいえ修復作業には数百ユーロ(数万円)の費用がかかる見込みですが、費用は博物館が負担するとのこと。クラウス氏は、「おばあさんが展示品を傷つけるつもりはなかったことを、我々は重々承知しています。しかしながら、国立博物館の立場としては、おばあさんを刑事告発しないわけにはいきませんでした。また、保険の関係で、警察への報告も必要でした。作品の元の持ち主が、今回の件で機嫌を損ねていないことを、おばあさんに伝えるつもりです」と語っています。

博物館では、作品の修復後は展示場所に「クロスワードの穴を埋めないように」という注意書きをつける予定とのことです。

そもそも美術品に手を触れるのは禁止なのでは…と言う疑問もありますが、前衛芸術などは触って楽しむものもありますから紛らわしいですよね。
最後に取り上げるのはドイツからのニュースですが、まあそれはそうだろうなと納得は出来る話でしょうか。

ヒトラーさんの悲しい半生 ドイツで「最も難儀な名前」(2016年7月18日朝日新聞)

 戦後のドイツでは、ナチスの独裁者アドルフ・ヒトラー(1889~1945)と同じ「ヒトラー」姓を持つ多くの人が名前を変えた。「アドルフ」というファーストネームは忌避されてきたという。戦後70年余りを経た今も独国民の心に残る爪痕が見える。

 ドイツで「最も難儀な名前を持つ」と言われる男性が、独東端の町ゲルリッツにいる。ロマーノ・ヒトラーさん(65)。自宅を訪ねると、表札は偽名だった。「いたずらを避けるため」という。居間の壁には、ヒトラー総統とメルケル首相の肖像写真が並ぶ。国際テロ組織アルカイダの指導者だったオサマ・ビンラディン、旧東独のホーネッカー元国家評議会議長の写真も。「偉大な人物」の肖像集めが趣味だという。

 本名なのか? 半信半疑でいる記者に、ロマーノさんはドイツ国民が持つ身分証を見せてくれた。確かに「ヒトラー」とある。町の担当課に後で問い合わせると、ヒトラー姓で住民登録していることも確認できた。どうやら本物だ。

 「学校を中退。ろくな職に就けず、結婚もしなかった。この名前のせいです」

聞くところによると元々数が少なかったヒトラー姓はほぼ全員が改姓してしまったそうですが、それを知ったドイツ政府はヒトラー姓を禁止してしまったそうです。
わざわざ名乗るからにはネオナチかなにかだろうと言う理屈なのだそうですが、生まれついてのものを禁止されると言うのも当事者にとっては困ったものですよね。

今日のぐり:「四季紅 玉島店」

倉敷市西部の玉島地区は古い港町の街並みが残る地域ですが、その中心部を走る幹線道路沿いに位置するのがこちらのお店です。
比較的最近出来たと聞きますが古い店舗を改装したのでしょうか、見た目も年期が入っていますが妙に暗い店内も印象的ですよね。
ボリューム自慢の台湾料理の店だと聞いていたのですが、店内に入っての第一声からしてネイティブっぽさが漂い、これはなかなか期待出来そうです。

初めての店なのでまずはありきたりなチャーハン定食なるものを頼んで見ましたが、ラーメンは醤油豚骨塩から選べるらしいんですが、特に何も聞かれませんでした。
台湾ラーメンと言うのですが見た目はあっさり醤油に肉味噌トッピングですがこの肉味噌がとにかく辛く、スープが中華料理屋らしくシンプルなことでバランスが取れた感じです。
麺の方は茹で加減はやや柔らかめか?と言うくらいですが、黄色っぽい色合いが目立つ既製品風のもので味も風味ももう一つでしょうか。
メインのチャーハンは結構いけるんですが、何か妙に量が多くないかと思うほどの盛り具合で、これ一皿だけで味も胃袋も満足しそうな存在感がありますね。
かなり遅れて出てきた唐揚げも割と食べ応えがあるのですが、徹底的な揚げ加減は肉の味より食感重視なのか、それとも単に見た目通り揚げすぎただけでしょうか。
杏仁豆腐はよく言えば手作り感いっぱいの見た目ですが、味はまあセットメニューのおまけと考えればまあこんなものかでしょうか。

チャーハン以外はさほどにパッとしなかったのですが、スープも味の組み立ても基本的にはしっかりしているので、お客の少ない時間帯で普通の中華料理を一度食べて見たいですね。
ただスタッフは最低限で実際回っていないし、料理にも影響している感じなのですが、その割にバタバタ感がないのはおばちゃんのおっとりキャラと店舗の大きさのせいでしょうか。
しかしメニューを見ますと食べ放題もやっているそうなのですが、この状況で食べ放題を引き受けると言うのは無謀ではないかなと危惧するところです。

| | コメント (3) | トラックバック (0)

2016年7月23日 (土)

歩きスマホを誘発するゲームは社会の害悪と言うばかりではない

ようやく日本でも配信されたことが話題になっているあのゲームが、一足早く公開された海外で妙なことでニュースとなっています。

ポケモンGO 海外でトラブル続出(2016年7月21日毎日新聞)

 「ポケモンGO」が先行配信された米国では、ゲームで遊んでいて交通事故を起こすなどのトラブルが相次いでいる

 米運輸省などによると、東部ニューヨーク州で7月中旬、運転中に珍しいポケモンを見つけた28歳の男性が、自動車を道路際の樹木に衝突させて重傷を負った。米メディアはポケモンを探していて崖から転落したり、歩行中や自転車で転んだりして、けがをする事故が多発していると報じている。10代の3人が原発の敷地に迷い込み、警備員に追い出されたほか、「ゲームのアイテムがある」とプレーヤーを誘い、強盗にひょう変する集団も現れているという。

 東欧のボスニア・ヘルツェゴビナでは19日、プレーヤーが地雷が埋まっている可能性のある地域に立ち入ったとして、地雷除去に取り組むNGO「ポサビナ・ベズ・ミナ」が「ポケモン探しを中止してほしい」と声明を出した。

 一方、日本ではNISCが20日にポケモンGOで遊ぶ際の注意点をまとめた。ゲームに登録する際に個人が特定されないよう本名を使わずにニックネームを使うほか、危険な場所に立ち入らないよう呼びかけている。また、ポケモンGOは全地球測位システム(GPS)を常に使うのでスマホ電池の消費が早いとして、「予備の電池を持とう」「予備の連絡手段を準備しよう」と注意している。【小川祐希、ワシントン清水憲司】

グアテマラでは少年が不法侵入として射殺されこのゲームによる初の犠牲者だと話題になっていますが、記事にもあるように原発など立ち入り禁止区域への不法侵入や、高速道路に入り込んだ日本人旅行者のケースなどが報じられていて、ユーザーは現実世界を認識しろと呼びかけられるような騒ぎになっているようです。
こうした状況での本家日本での公開ですから各方面から危惧する声が上がるのも当然で、JR西社長が駅のホームでの操作など事故への注意を呼びかけたり、大阪の学校では終業式で歩きスマホ禁止が通達されるなど各方面からメッセージが発せられていますが、このゲームに限らず歩きスマホの危険性は以前から言われていたのですから注意喚起のいい機会であるとも言えるかも知れませんね。
このように何故か思わぬネガティブイメージで報じられることが多くなったこのゲームなのですが、もちろんこれだけ人気を博しているだけに肯定的な評価も少なからず存在しているようで、意外なものとしてこんな評価の声も上がっているようです。

ポケモンGOがうつ患者を世界中で癒やしている理由(2016年7月20日ダイヤモンドオンライン)

(略)
 以上のような問題もあるにはあるが、筆者が注目しているのはポケモンGOの持つ、意図せざる心理学的効果、特にメンタルヘルスへの効果だ。対人不安やうつ病に悩む人々は、米国にも数多くいるが、そういった人々がポケモン欲しさに、自ら積極的に外に出ようとしているのだ。

ポケモンGOが精神疾患を癒す!?

 すでに多くの人がツイートしている。
 米国オレゴン州に住むジェシアンヌさんは、「ポケモンGOは、すでに医者やセラピストが薦めるどんなものよりも、自分のうつに効いている」と語り、オーストラリアに住むララさんは「ポケモンGOはたった1週間で私の病気をものすごくよくしてくれた。ポケモンGOは、うつや不安に悩む私を助けてくれて、外に出してくれたの」と話す。
 米国に住むデヴィッドさんは「本当の話だ。不安やうつに悩む者として、週末のほとんどを外で友人と過ごしたなんて事実は、自分にとっては現実じゃないみたいだ」という。
 このように、精神疾患が原因でこれまで外出できなかった人々が、ポケモンGOをすることで、外に出ることができてきたのだ。もちろん、ポケモンに興味のない精神疾患患者にとっては、このアプリは意味のないものだが、それでも全患者の一部を救うことができるだけで、ポケモンGOの意義は大きいと筆者は思っている。
 すでに米国の心理学者や精神医学者が、メディアのインタビューの中で、ポケモンGOが、精神疾患患者に対して「意図せぬポジティブな効果」を持っているという意見を表明している。

 ポケモンGOがうつや社会不安障害に悩む人々のとって有効なのは、ポケモンをゲットするために外に出る、ということだけではない。いくつかほかに要素がある。
 そのうちのひとつは、ポケモンを育てるためには、2kmから10kmのウォーキングが必要なことだ。
 もちろん家の中を歩いてもいいが、歩くこと自体に意味がある。それは歩くことで、うつと関連性が深い脳内ホルモンであるセロトニンの分泌が促されるからだ。セロトニンは、不安を低減し、心の安定をもたらす作用がある。うつや不安患者には、脳内でのセロトニンの分泌や摂取に問題がある場合が多い。そのセロトニンの体内での分泌を促すのに効果的なのは、規則的で苦痛が伴わない有酸素運動なのである。このため軽いダンスやウォーキングなどが推奨される。
(略) このため、ポケモンGOをプレイしていたら、いつの間にか外でたくさん歩いていた、という行動は、うつや社会不安に悩む者にとって、それらを克服するために最も必要な行動ということになる。むろん、ダイエットや運動不足にもよい。その意味で、筆者はこのゲームのもたらす「意図せざる効果」に驚いているのだ。
 通常、うつや不安に悩む人への対処は、「不安を取り除く」ことがメインとなる。何が不安の原因かを、カウンセリングにより探り、効果的なセラピーを選択していく。筆者がポケモンGOに衝撃を受けたのは、それとは違うやり方で人々を外に出したからだ。それは「不安を取り除いて人々を外に出す」のではなく「もっとすごい興奮(ポケモン狩り)を提供して人々を出す」というものだ。このことは、学問的にみると、実に画期的なことだと思っている。
(略)
 メンタルヘルスケアとしてポケモンGOが優れているもう一つの理由がある。
 米国フロリダ州に住むナオミさんは「ポケモンGOは、自分の社会不安を癒やしてくれるかもしれない。会った人は皆すごく親切だった。最初に自分が思っていたほどには、他人は怖くないのかもしれない」とツイートした。
 他人と会うことが怖いのは社会不安の典型症状だが、ポケモンGOには、そういった人々の対人恐怖を取り除くことができる可能性がある。皆おなじ目的のために集まって、和気あいあいとポケモン話に花を咲かせる。さらにジムと呼ばれる場所での集まりや、今後搭載される「ポケモン交換機能」は、ますます人々同士の親密なコミュニケーションを引き出すことになるだろう。
(略)
 専門的には、こういった脳内物質だけで、人間の社会性すべてをコントロールできるわけではもちろんない。だが少なくともポケモンGOはこれまで様々な医療ができなかったことを、やっている。それも世界規模でだ。その意味で、メンタルヘルスケアに関わるものとして、この現象は注目すべきだと感じている。
 そして、当の患者さん自身がその効果を実感しているのだ。
 米国に住むシェップさんはこうツイートしている。「何年もうつ症状で悩んでいたけど、ポケモンGOはついに私に、部屋を出たい、人と触れ合いたいと思わせたの。大好きよ、このゲーム」。彼女だけではない、世界中の多くの同じ悩みを持つ人々がポケモンGOへの感謝をツイートしている。
 日本での公開が楽しみである。

正直その発想はなかったと申しますか、もちろんゲームなど娯楽全般で有益な脳内物質の分泌が促進されると言ったことはあるのでしょうが、今回の場合それを得るために外の世界を出歩かざるを得ないと言うこと、そしてその家庭で必然的に周囲の人々と肯定的なコミュニケーションを取っていることが非常に有益な効果を生み出していると言うことですね。
いわゆる引きこもりの方々などにとってこうしたゲームがきっかけになって外の世界に足を踏み出すと言ったことがあるのかどうか、日本発売後に各方面でどのような現象が起こってくるのかにも要注目であり、単にゲームはやはり有害であり規制すべきだと言った方向にばかり話が進んでいくよりは、よほど社会にとっても有意義なことではないかと言う気がします。
ちなみにこうした効能が期待出来ると言うことが事実証明されれば、今後も別なゲームなりイベントなりでより積極的にポジティブな効能を期待していくことも出来るのだろうし、場合によっては意図した心理学的効果目的でのゲーム開発と言う新たなビジネスチャンスが生まれてくるのかも知れませんね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年7月22日 (金)

高齢者への給付抑制が当たり前のように議論される時代に

当然とみるべきか意外とみるべきか微妙なところなのですが、先日こんな記事が出ていました。

高齢者の保険診療に制限、過半数の医師が支持(2016年7月18日医療維新)

 人口の高齢化と医療技術の進展への対応が求められ、医療制度改革が進む日本。医療の質向上だけでなく、医療費抑制の観点から、フリーアクセスの制限、終末期医療の在り方、さらには先進医療をどこまで保険でカバーすべきかなど、さまざまな問題が浮上している。
 2016年5月27日から5月30日にかけて、m3.com医師会員509人(勤務医253人、開業医256人)に、日本の「医療の在るべき姿」と患者の立場から望まれる医療について尋ねた。その結果を紹介する。

Q. 高齢者への保険診療の給付範囲について、医療経済的観点から見直しが必要だとの意見があります。例えば、人工透析の開始年齢や 臓器移植の対象年齢に上限を設けるなどの制限は必要だと思いますか。

 2015年の厚生労働省の発表によると、2013年度の医療費は、史上初めて40兆円を突破し、40兆610億円で確定した。1人当たりの医療費は31万4700円で、前年度より2.3%増えている。右肩上がりの高齢者人口と医療技術の高度化がその背景にある。
 増え続ける現役世代の負担に対して、高齢者との不平等感があるとの指摘も出ている。一部では、人工透析の開始年齢や、臓器移植の対象年齢に上限を設けるなど、医療費の保険給付費の範囲を年齢によって、制限すべきだとの意見もある。現場の医師はどう考えるのかを尋ねた。

 勤務医は55.3%が「年齢である程度制限すべき」と回答し、年齢による制限に賛成する意見が多数派で、制限に否定的な39.1%を大きく上回った。一方で、開業医は制限に否定的な意見が48.0%で、賛成の49.6%とほぼ拮抗している。開業医と勤務医の年齢差のほか、経営する立場にある開業医と被雇用者という立場の違いなどが関係していると見られる。
 年齢によって保険給付の範囲を制限する考えは、反対する意見も多いものの、医師の間で、ある程度支持を得ていると言えそうだ。

勤務医と開業医で大きく意見が分かれると言うのは納得出来る結果なのですが、例えば療養型病床で行える医療に制限があるように、高齢者に対する医療を全て若い人と同じようにやらなければならないと言うわけではないことは多くの人が承知しているでしょうし、むしろ保険適応となっていることで行わなければならないのだと言う強迫観念に囚われるデメリットも考えられるかも知れませんね。
すでに小児科などは成人と違う診療報酬体系で行われているのですから、高齢者も現役と同じでなければならないと言う理屈はないと思うのですが、多くの高齢者が何を求めているのかを考えるに単純に自己負担を引き上げるよりも、例えば抗癌剤や人工透析などの保険診療範囲を絞ってでも負担額を減らすだとか、終末期医療に限っては安くすると言った傾斜の付け方もありそうに感じます。
ただ高齢者医療かくあるべしと言う理念はそれとして、何故このような話が出てくるかと言えば医療費削減が財政上急務であるからで、その意味でどんなに正しくとも国にとって支出抑制と言ううまみがないことは話が進まないのだろうし、逆に直接的な支出の削減につながることであれば案外とんとん拍子で実施される可能性もあるかも知れずで、一例として先日はこんなニュースも出ていたことを紹介してみましょう。

介護サービス縮小を検討 厚労省、費用抑制で(2016年7月20日47ニュース)

厚生労働省 厚生労働省は20日、社会保障審議会の介護保険部会を開き、訪問介護のうち掃除や調理、買い物など「生活援助」のサービスについて、要介護度が低い軽度者に対する給付を縮小する方向で本格的な検討に着手した。

 車いすや介護ベッドなど福祉用具のレンタルと、バリアフリー化する住宅改修に関しても、軽度者は原則自己負担とするよう財務省が求めており、併せて議論を始めた。

 社会保障費の抑制が狙い。厚労省は年末までに制度見直し案をまとめ、来年の通常国会に関連法案を提出する方針だ。2018年度の実施を目指す。ただ、高齢者にとって給付サービスの削減となるため、調整は難航が予想される。

高齢者の介護給付を抑制することがどのように考えても高齢者にとってメリットはないだろうと言うことなんですが、それでもこうした話が出てくると言うのはこの程度なら受け入れられるだろうと言う読みがあり、なおかつコスト削減にそれなりに有効であると思われるからですよね。
実際こうした政策が直ちに実行に移されるかどうかは判りませんが、選挙権年齢も引き下げられ今後は従来のように政治も高齢者の方ばかりを向いてはいないだろうと言う可能性も出てくるとなれば、今後高齢者やその家族としては何らかの自衛的措置を考えなければなりませんが、ならばいざと言う時に備えてまず貯蓄を…ではますます消費が冷え込んでしまいます。
最近は介護の手間を削減するための各種の技術的な工夫が行われていて、転倒や徘徊につながる離床監視システム排泄監視システムなどが発売されるなど、高齢者介護の手間を省き安全性や利便性を高める工夫がこらされるようになりましたが、特に施設などではこうした道具の使用によって最大のコスト要因であるマンパワーを削減することが出来るようになるかも知れません。
全国各地でこうした装置の導入を行っている施設も増えてきているそうですが、国も絞るばかりではなくこの種の機材導入をすることに対してのインセンティブを用意するようにすれば、長期的に見てコストも削減出来て介護への人材流入も増えると言った効果が期待出来るようになるかも知れませんね。

| | コメント (11) | トラックバック (0)

2016年7月21日 (木)

この時期多くなるあの病気が今年も猛威

毎年この時期は高校野球の盛んな奇説ですが、三年生部員にとってあまりに切ない最後の試合になったと話題だったのがこちらのニュースです。

部員9人、選手1人倒れ没収試合に 念願の単独出場だった行徳 主将「感謝しかない」<高校野球千葉大会>(2016年7月15日千葉日報)

 第98回全国高校野球選手権千葉大会第4日は14日、県総合SC野球場など10会場で2回戦27試合が行われた。

 部員9人で試合に臨んだ行徳だったが、二回裏の守備中に3年生選手1人が熱中症で倒れ病院に緊急搬送。8人となり試合の続行が不可能になった。公認野球規則により没収試合となり、敗退が決まった。

 秋、春と連合チームで戦っており、念願の単独出場だった。芳賀大雅主将は「(搬送された選手は)昨秋から入部してくれた助っ人。彼が来てくれたから単独で出られた。ここまで支えてくれた方々にも感謝でしかない」と話した。

もともと部員数も不足して公式戦に出ること自体無理があったのではないかとも言うのですが、それにしても二回の守備中と言うことは試合開始直後と言ってもいい時間帯だったはずで、幾ら何でも早すぎるダウンの背景には体調管理の問題などもあったのでしょうか、他方では今年はこの学校に限らず各地で熱中症による没収試合が相次いでいると話題になっているのだそうです。
高野連が「地方大会では自助努力するしかない」と完全に放置状態なのも批判を呼んでいますが、地方大会に限らず夏の甲子園大会も過酷な連戦スケジュールで選手が体を壊すと批判されているのですから、さすがに今どき「練習中は水を飲むな」などと指導するチームもないのでしょうが、そろそろ対策を講じていかないとますます野球が終わったスポーツ化してしまうのではないかと言う気がします。
ともかくも毎年この時期には熱中症の恐さと言うことがこれだけ各方面で喧伝され、それでも毎年多数の患者が出てしまうと言うことが問題なのですが、先日こんなニュースが出ていましたので参考までに紹介してみましょう。

水だけを飲んでいてもダメ?大塚製薬の熱中症解説が分かりやすい(2016年7月17日netgeek)

猛暑日が続き、熱中症が心配な季節に入った。熱中症対策に水分補給が必要という認識は広まっているが、実は水を飲むだけでは不十分。今、大塚製薬の熱中症解説が分かりやすいと注目を集めている。

どうして水を飲むだけでは、熱中症対策にならないのだろうか?この疑問は、大塚製薬の解説図を見れば、仕組みが一瞬で分かる。
つまり、水をがぶ飲みしたとしても、体液濃度が下がる(薄くなるので)ので、体は濃度を戻そうと水分を結局排出してしまうのだ。水と一緒に塩分をとらなければならない理由が明快に分かる。この解説図を見て、分かりやすいとの声が多数上がった。
大塚製薬の解説だからか、ポカリスエットを飲もうというコメントも散見された。「飲む点滴」とも呼ばれ、発汗によって失われた成分を補給してくれる。これなら熱中症対策はばっちりだ。
なお、ポカリスエットには塩分のほかに糖分も含まれている。実はこの糖分も、水分補給にとって重要な役目を担っている。こちらについても大塚製薬の解説図を見てみよう。

    糖を含んだ飲料が推奨される理由としては、腸管での水分吸収を促進することが挙げられます。主要な糖であるブドウ糖は、腸管内でナトリウムが同時にあると速やかに吸収されます。そしてそれらに引っ張られ水分も吸収されるというのがそのメカニズムです。

糖分は腸管で体内に取り込まれやすいため、同時に水も吸収されやすくなるというわけだ。さすが大塚製薬、体のしくみを熟知している。

また、水中毒について指摘する人もいた。
「水中毒」とは、まさに水分のとりすぎによって体内のナトリウム濃度が下がって引き起こされる中毒症状だ。熱中症対策に伴う水の多飲も原因の一つで、最悪の場合、死に至る怖ろしい症状だ。熱中症とは、熱による臓器へのダメージだけでなく、このような側面のあるとこをしっかり覚えておきたい。
そのほか、熱中症の応急処置から熱中症を起こしやすい年代まで、大塚製薬のWEBページで色々と解説しているので、ぜひご一読いただきたい。なお、熱中症の疑いがある時は、体を冷やしたり塩分・水分をとることはもちろん、必ず病院へ行くよう促している。夏本番に向かっていくこの時期、熱中症にかからないためには、まずそのしくみを理解することが重要だ。

昔から水分だけではなく塩分補給も必要であると言うことは言われてきたところですが、一日何リットルもの水分補給が必要な環境の場合ポカリスエットばかりで補給をしていたのでは糖分過剰の心配も出てきますから、最近ではは各種の工夫されたレジュメもあるので参考にしていただければと思いますけれども、まずは肝心の水分を十分量取れているかですよね。
部活動などにおいてもきちんとしているところでは乾く前の水分補給の重要性と言うことに気を配っていて、時間を決めての水分補給だけでなく日常的な体重管理なども行っていると言いますが、脱水だ熱中症だと言えばあっと言うまにパフォーマンスにも影響してくるのですから、競技スポーツがこうした管理を厳格に行っていることは理解出来るところです。
一方で暑い職場などで水分補給の重要性は認識していても、その方法論や適切な摂取量などを理解して行っているところは少ないようで、職場などでは下手に熱中症で搬送でもされれば労災だ何だと大騒ぎになるのですから、管理責任者はきちんと勉強し適切な指導をしていただきたいものだと思います。
個人で出来る簡単なチェックの方法として一つには体重を朝夕きちんと測定することが挙げられると思うのですが、通常体重は起床時が最も少なく夕食後が最も多いと言う日内変動を示しますから、朝出かける前に測った数字よりも帰宅後に測った数字の方が減っていると言うことになれば、日中の水分摂取が不足している危険信号だと考えられます。
もちろん普通に水分を十分に取っていれば尿意が催してくるのも当然ですから、水分を取っているにも関わらず数時間おきに尿意が表れないと言うのも危険信号と考えられますが、日常的に暑い環境にいる人は一日だけでどうこうすると言うよりも数日かけて次第に水分不足に陥るパターンも多いようで、まずは普段から自分の体の水分量を把握しておく習慣を持っていただきたいところです。

| | コメント (3) | トラックバック (0)

2016年7月20日 (水)

高い薬が患者からも拒否される時代

薬の価格が年々高くなっていると言うことがこのところたびたび否定的なニュアンスで取り上げられていますが、一方でこんな記事も出ていました。

【千葉】患者の経済的理由で治療中断 医師37%経験(2016年7月8日読売新聞)

 県保険医協会は、県内会員の医師や歯科医に受診実態調査を行い、結果を公表した。昨年秋までの半年間に患者側の経済的理由で治療を中断したことがあったのは医師が37%、歯科医が50%だった。
 調査は2015年12月~16年2月、医師約1900人、歯科医約2100人を対象に実施し、医師247人、歯科医257人から回答を得た。患者からの未収金があったと答えたのは医師が47%、歯科医が36%だった。

 75歳以上の患者の窓口負担は現在1割だが、調査では2割に引き上げた場合の影響も聞いた。選択肢から選んでもらったところ、「受診抑制につながる」は医師が66%、歯科医が69%に上る一方、「影響しない」を選んだのは医師が8%、歯科医が10%だった。
 2割への引き上げに関する意見は、「国家財政を考えるとやむを得ない」などとする賛成派と、「絶対に阻止するべきだ」などの反対派で割れた

45%の医師が値段で薬を変更した経験あり 医師3542人に聞いた「経済的な事情での処方変更は?」(2016年7月13日日経メディカル)

 効果が高そうな新薬を使いたいが、薬代を安くしたいと患者に請われれば、処方を変更せざるを得ない。45%の医師はそうした経験をしているようだ(上図)。
 さらに現在は、桁違いの価格の新薬が続々登場する状況。ほとんどの医師が医療保険制度の存続に危機感を覚え、対策が必要と考えている(下図)。高額薬剤による亡国を避けるすべはあるのか。

●患者の施設入所に際して、新規経口抗凝固薬(NOAC)をワルファリンに泣く泣く切り替え。行く先がなくなって途方に暮れるよりはマシかと思い、諦めました。(30代一般内科、20~199床)
●当地では乳幼児の医療費は無料ですが、小学生になると3割負担になります。気管支喘息患児にフルチカゾンとモンテルカストのチュアブル錠で長期管理している場合、小学校に入学した4月からモンテルカストを中止することがあります。(40代小児科、300~499床)
●地方自治体病院に勤務時、同じ疾患でも、国保患者と社保患者では薬価の違う処方を行った。(60代整形外科)
●病院勤務医(特に若い先生方)は案外と薬価を知らず、高い薬剤や最新の薬剤を出してから紹介してくることも多い。そういう薬剤はまだ院内で採用していないこともあり、安価な薬剤によく変更する。(60代一般内科、開業医)
●神経膠腫に対するテモゾロミド治療の経済的負担が大きく、継続できなくなった患者を数人経験しています。(50代脳神経外科、300~499床)
分子標的薬のお金が払えずに、諦める方がしばしばいます。一方で、生活保護の方は標準治療を受けています。(40代一般外科、500床以上)
●前立腺癌のホルモン療法の薬代が高く、「高齢だし、悪くなって死んでもいいからやめさせてくれ」と懇願されました。(40代一般内科、診療所勤務医)
●てんかん発作のコントロールに新薬の増量で対応していたが、「この先、薬代で毎月数万円は痛い」と言われ、昔からの安い薬に変更した。(50代脳神経外科、300~499床)
●再発乳癌への分子標的薬投与で自己破産した患者がいた。その後から、レジメンの選択には患者の経済状態を確認するようになり、安価なレジメンを選択することも是とするようになった。(50代一般外科、300~499床)

調査概要 日経メディカル Online医師会員を対象にウェブアンケートを実施。期間は2016年6月13~19日で、回答数は3542人。回答者の内訳は、病院(20~199床)勤務医19.3%、病院(200~499床)勤務医28.9%、病院(500床以上)勤務医22.3%、開業医14.3%、診療所勤務医10.6%など。

この場合話題になっているのは必ずしも昨今話題の一粒何万円と言った超高額薬のことばかりではなく、むしろ日常的に使用し一生飲み続けるような類の薬のケースも多いのではないかと思うのですが、いずれにしても従来であればほんのわずかでも治療効果が高そうだとなれば例えコストが高まろうが使われていた新薬が、今やそうそう気楽に出せなくなってきたと言うことだと思いますね。
高血圧などは安い従来薬でも用量の調整で何とでもなるもので、むしろ治療に関するエヴィデンスと言う点では古い薬の方がよほどしっかりしていると言う場合もありますから、製薬会社のプロパーに勧められるまま新薬が出るたびに処方を切り替えると言う先生も今やそう多くはないかと思いますが、そもそも医師の側ではあまり薬価と言うことについて詳しい知識を持っていなかった先生も多いのではないかと思います。
この点で価格について患者と直接交渉する立場にあるのが院外薬局の薬剤師ですが、こちらは処方権はありませんからせいぜい安い後発品にするかどうかを相談できるくらいで、薬の価格を真剣に意識しているのは薬代も含めて丸めになる療養病棟勤務の先生くらいなのかも知れませんね。

国の医療財政も逼迫している中で、価格のことを全く考えずに高い薬ばかり処方されても困るのは確かで、このところ特に高額な薬剤を中心にどのように適正使用を図るべきかと言うことが議論されるようになっていて、先日も厚労省の医薬局長が高額薬適正使用対策の重要性を語った上で、対象患者や使用医師の要件等を決めていく必要があると言及するなど、コストの問題が現場の診療にも直接影響が出かねない話になっています。
ただこの種の高額薬は抗癌剤など命の行方に直結するものも多いだけに、コストパフォーマンスと言うことを考えた場合にどうしても命の値段をどの程度に評価すべきなのかと言う議論が避けられないはずですし、わずかでも高い有効性が期待出来そうなものを国が認めないから使えないと言うことになれば、近年のドラッグラグ解消推進などの流れとも矛盾する話にも聞こえます。
この辺りは結局のところどうしても使いたければ自費で使うことは認めますと言う混合診療の問題とも絡んでくる話ですが、医療支出が無制限に増大すれば皆保険制度自体が破綻しかねないことは誰しも理解せざるを得なくなってきているだけに、どこまでを皆保険制度でまかなうかと言う点に関してはもっと多くの人が関心を寄せて議論に参加していただきたいところですよね。

| | コメント (3) | トラックバック (0)

2016年7月19日 (火)

増えた癌患者は社会に帰ってくる道理

人口の高齢化が進めば進むほど増えてくる病気と言うものがありますが、その結果先日はこんな記事が出ていました。

がん患者、初の100万人超=16年予測、死亡は37万人―がんセンター(2016年7月15日時事通信)

 国立がん研究センターは15日、今年新たにがんと診断される患者は101万200人で、死亡する患者は37万4000人に上るとの予測を発表した。
 発症は昨年より約2万8000人増え、初めて100万人を超える見通し。高齢者人口の増加が主な要因で、死亡も約3000人増加する。

 同センターが過去の患者数や推計人口を基に予測した。発症は男性が57万6100人で、女性が43万4100人。部位別では大腸がんが14万7200人と最も多く、胃がんと肺がんが13万人台で続く。前立腺がん、乳がんもそれぞれ9万人を超えるとみられる。
 死亡では肺がんが7万7300人と最多。男性が約7割を占め、喫煙者の割合が多い団塊の世代の高齢化が影響しているとみられる。次いで大腸がん、胃がん、膵臓(すいぞう)がん、肝臓がんが多くなりそうという。

 片野田耕太がん登録センター室長は「がん検診の受診率が上がれば、一次的に患者数は増えるが死亡者は減らせる。積極的に受診してほしい」と話している。 

この癌患者数と言うもの、必ずしも全てが一律に増えているわけではなくものによっては減っているものもあることが知られていて、有名なところではかつて日本の国民的疾患のような扱いだった胃癌は食生活の変化などもあって久しく以前から減少が続いていますし、増加傾向が続いていた他の癌についてもそろそろピークを越えたかと言う印象があります。
肝臓癌などは肝炎治療の進歩で今後長期的には次第に減少が期待される癌の一つと言えますし、婦人科癌なども予防接種などが普及すれば減っていく可能性がありますが、いずれにしても癌とひとくくりに言っても病期の進み具合で全く話は変わってくるのですから、癌検診の普及などで早期発見と早期治療が進めば死亡者数はさらに減らせるかも知れないと言うことですね。
その癌検診の受診率の低さが日本の医療における問題点の一つと指摘されて久しいところですが、先日自らも癌患者であることを告白している都知事選候補者が膏薬の一つとして癌検診受診率向上を挙げるなどしていましたが、それに絡んで世間でもこんな議論が盛んになっているようです。

【都知事選】鳥越氏は激務に耐えられるか?「民進党は無責任」と医師が苦言(2016年7月16日東スポ)

 心意気は買いたいが、本当に大丈夫なのか? 東京都知事選(31日投開票)が14日告示され、ジャーナリストの鳥越俊太郎氏(76)が新宿駅前で第一声を上げた。鳥越氏といえば2005年に直腸がんを患い、肺や肝臓への転移も乗り越えたがんサバイバー。それだけに真夏の選挙戦や当選後に知事の激務に耐えられるかは、最も気になるところだ。本紙が取材した複数の医師からは案の定、心配する本音が上がり、鳥越氏を担ぎ出した民進党に「無責任だ!」と苦言を呈した。
(略)
 05年に直腸がんを患い、その後に肺と肝臓に転移。さらに2年後に肝臓にも転移。これまで4度の手術をしながらも“不死鳥”のごとく、復活を遂げてきた。それは素晴らしいことだが、今回の選挙戦が過酷なのはもちろん、当選すれば激務が待ち受けている。
 永田町関係者は「鳥越さんは行政未経験で、しかも都議会を牛耳る自民・公明両党と対峙し、都政改革を進めていくにはあまりに肉体的・精神的ストレスや負担は大き過ぎる」と指摘する。
 任期は80歳になる20年まで。同年は東京五輪も行われる。「本当に大丈夫か」「酷過ぎる」との声は絶えない。第一声後に報道陣から健康不安を指摘されると「私は今が一番健康です。それは予断、偏見だよ。私は健康です」と語気を強めた。

 がん権威の大学教授は匿名を条件にこう指摘する。「最近分かったことで、自然と消えてしまうがんも存在する。いろんなところに転移しながら克服したケースというのも珍しくはない。動いた方が良かったり、おとなしくしていた方が良かったりと人それぞれ」。一概に不安視はできないという。
 また関東近郊の私立病院院長も「顔色はいいので、今現在は心配はないでしょう。ただ、過去の転移を考えると、普通の人よりリスクは高いのは事実です」と語る。
 民進党は以前にも鳥越氏に出馬を打診したことがあるが、家族の反対で頓挫した経緯もある。

 76歳にして大勝負に出た鳥越氏だけに、専門医も遠慮がちにならざるを得ないが、世田谷井上病院の井上毅一理事長は本気で心配する。
「(出馬と聞いて)本当にがんだったのか?と疑うくらい。心配になったからテレビを見たけど、顔色は悪くない。真夏の選挙を戦うことはできるだろうが、その先は分からない」と不安を語る。
 続けて「がんの転移は将来的にあるのかないのかという予測ができません。予測できる人がいるなら逆立ちしますよ。ましてや、肺や肝臓の転移となると、医者としては震え上がってしまう」。
 それほど“決死のチャレンジ”なわけだ。まして都知事になってから体調悪化となれば、再び都政が停滞しかねない。
「本人のやりたいという意志は仕方ありません。むしろ選んだ側が無責任じゃないですか!? 民進党は病院に問い合わせるなどしたのでしょうか? 都知事の任期は4年もある。民進党が何を考えているのか分かりません」(同)
(略)

赤の他人が重大な個人情報を病院に問い合わせるべきだと言い切る医療関係者と言うのもどうなのかですが、鳥越氏の立候補表明後の記者会見を見ても単純な勘違いないし言い間違いとも言い切れない言動に不安を感じた方は決して少なくはなかったようですね。
民進党の思惑はともかく、鳥越氏と言えば多臓器に転移する非常に深刻な癌を患っていたことが知られていて、しかも高齢でもあるだけに今後仮に選挙戦を勝ち抜いたとしても都知事としての職責を果たせるのか?と言う疑問の声が少なくなく、著名人の中にも「最後の一花咲かせようという老人の思い出作りでいいだろうが、都民にとっては、また近いうちに都知事選が行われて、税金の無駄づかいを強いられる」と手厳しい人もいるようです。
他方では当然ながら癌患者を癌患者であるからと言う理由で社会生活からはじき出すのはいかがなものか?と言う意見もあり、また安倍総理が難病患者であることを理由に散々バッシングしてきた野党の方々が今回鳥越氏を担ぎ上げることに矛盾を感じる声もあるようですが、癌の治療法が進歩して長期生存が得られるようになれば当然こうしたケースは今後増える一方だと思われ、それについて社会はどう対処すべきなのかです。
ちなみに件の鳥越氏はかつて第一次政権で安倍総理が辞任した際に独自取材の結果として総理が潰瘍性大腸炎を患っているようだと報じた上で、自らの癌体験とも照らし合わせて「政治家は病気のことを言うと政治生命を絶たれるというのが常識。この常識を変えるべき」とコメントしたそうですが、今回は自らが当事者として「常識を変える」ことに挑む立場になったとも言えそうですね。

| | コメント (5) | トラックバック (0)

2016年7月18日 (月)

今日のぐり:「福龍」

宴の後のさみしさを「おもしろうてやがてかなしき鵜舟かな」と詠んだのは芭蕉ですが、現代においても「おもしろうてやがてかなしき」こんな記事が出ていました。

「俺の会社ブラック…」電車内のオッサン2人の会話がツラすぎる(2016年6月21日MAG2ニュース)

電車に乗っていると、他の人が話している会話を耳にすることもあるであろう。
Twitterユーザー・紅音ゼバス(@_zebasu_)さんが、隣にいたおっさん2人の会話を紹介してくれている。
それがこちら。

「俺の会社ブラックなんだよな…」
「色があるだけいいじゃないか」
「ああ、お前はむしょくか」である。

この会話はシュールすぎて笑えない!
「お前はむしょくか」が切なすぎる。
(略)

かつて過労死と言う言葉が日本独自の現象としてオックスフォード英和辞典に載ったなどと話題になりましたが、ブラック企業問題も現代日本を象徴する現象とも言えますね。
今日は色がついたり黒かったりで大変な世の労働者の方々を労い励ます意味で、世界中からその国らしいお国柄を示すニュースを取り上げてみましょう。

セレブの国アラブ、人工の山を作って水不足解決ってマジ?(2016年5月22日GIZMODOニュース)

節水なんてケチくさい、って感じなんでしょうか。
一瞬夏のトンデモSF映画かと思ったんですが、UAE(アラブ首長国連邦)の水不足対策が、なんというかさすがです。なにしろ、雨を降らせるために、山を作ることを検討しているようなんです。って、そんなの効果あるのかっていうと、一応ありそうではあるんです。ただその、供給される水の量を増やす手段に大金をはたくより、消費する量を減らす方が先じゃないかって話なんです。

山を作って雨を降らせるっていうのは、そこまでトンデモ科学じゃないようです。海からの湿った空気が人工の山にせき止められて、上空の冷たい大気で冷やされ、雲ができて、うまくいけば雨になって落ちてくるというわけです。こうして山の海側に雨が降り、反対側には雨が少なくなる現象は「雨陰(ういん)」と呼ばれています。
今は研究者たちがこの試みの実現可能性を判断しているところです。米国の大気研究大学連合と大気研究センターがこのプロジェクトのアドバイザーになって、「詳細なモデリング」をしているそうです。そこで検討した結果、やっぱり効率悪いからやめよう、となるかもしれません。多分そうなった方がいい気がします。

確かに、中東の広い範囲では今深刻な水不足です。最近の報告では、中東の一部では気候変動の影響で気温が高くなりすぎ、2050年までには人が住めなくなるとまで言われています。だからこれから数十年、状況は悪くなるばかりなんでしょうね。
でもUAEでは住民に対してそこまで節水を呼びかけてもないのに、とりあえず札ビラで箱モノを作ればなんとかなるだろう、みたいな考え方はどうなんでしょうか。UAEがいかに水をじゃぶじゃぶ使っているか、International Business Timesがこんな数字を出しています。

    Federal Water and Electricity Authorityの調査によると、UAEの住人は1日平均550リットルの水を使っていると推定されている。国際平均は170~300リットル。
    Al Jazeera Centre for Studiesの報告によると、同地域での水需要は140%上昇しているが、水資源は「干ばつ、雨量低下、昨今の気象傾向によってすでに減少中」である。

つまりUAEでは、ひとりひとりが国際平均の2~3倍相当の水を使っているようです。ちなみに「水と安全はタダだと思ってる」と言われる日本でも、1日ひとりあたりの水使用量は300リットルだそうです。去年大干ばつに襲われた米国カリフォルニア州でも、ほとんどの地域で住民による節水が功を奏し、対前年比で23.9%も水の使用量を減らせたんです。

UAEといえばドバイなどにあるバブリーな建造物でよく知られていて、世界一高いビルもあるし、港にはヤシの木の形やらの人工島があふれています。
また、「高層ビル火災にジェットパック消防士」みたいな、一見未来なんだけど効率的にどうかと思われる解決策を編み出す傾向があります。そういう意味で、水不足の対策で山を作るというアイデアは、UAEのブランド的にはぴったりです。実際その山ができたとしたら、一大観光スポットになりそうです。
ただやっぱり、クラウドシーディングもそうですけど、物事には順番があると思います。仮に山を作ったとして、さらに水が足りなくなったらどうするんでしょうか? もうひとつ山を作るんでしょうか?

まあ日本人もバブリーな時代には賽の河原に石を積み上げるようなことを延々とやって喜んでいたわけですから、これを愚かしい無駄遣いとは一概には言えないとは思いますけれども、ねえ…
独裁者と言えば人並み外れたスーパーマンでなければならないと言うことでしょうか、その大変さが判るこんな記事が出ていました。

金正恩氏は3才で「射撃の名手」だった?…驚愕すべき北朝鮮の新教科書(2016年07月16日デイリーNK)

    南朝鮮(韓国)に住むチャドリは、米帝オオカミ野郎に反対するビラを撒きました。ビラは1束に25枚。初日には20束撒き、次の日には24束を撒きました。撒いたビラの数は全部で何枚でしょうか?

北朝鮮の教科書には、思想教育の教科書のみならず、算数や音楽の教科書にすら反米思想を刷り込むため、上のような過激な記述があった。しかし、最近の新しい教科書からは、こうした内容が姿を消したという。背景には、神聖な政治ポスターを粗末に扱うなど、意識変化が顕著な北朝鮮国民に対する思想教育や偶像化の効果がなくなっていることがあると思いきや、必ずしもそうではなさそうだ。
韓国の北朝鮮向け放送局「自由北韓放送」のキム・ソンミン代表は2014年から使われている北朝鮮の教科書を入手。それによると、「思想教育を減らし、実利を追求する傾向が強まっている一方で、金正恩党委員長への個人崇拝を強化する内容が増えている」と指摘する。
(略)
小中学校の夏休みが2週間、冬休みが6週間であることを考えると、週1時間の授業を受ける計算となる。そして、新しい教科書には、やはり以下のような金正恩氏の「超人伝説」が記されているという。

    ・金正恩氏は3歳の頃、1秒間隔で射撃を行い、10個の的に命中させた。 ・車で未舗装の道路を疾走した。 ・7歳の頃には時速200キロの超高速船を操縦し、外国のプロとの競争で2回も勝った。

3才で銃を扱うとは、銃規制問題で揺れる米国も真っ青な話だ。また、車で疾走したというが、足がアクセルやブレーキに届くのかという根本的な疑問が生じる。
(略)
誰もがウソとわかるつまらない偶像化教育にせっせと励む前に、故金日成氏、金正日氏から続く偶像化が、韓国や日本、そして世界の嘲笑の的になっていることを正恩氏自身が、一日も早く知るべきだろう。

と言いますか北朝鮮には運転免許の年齢制限と言うものはないのかですが、生まれついての独裁者ともなると何かと大変なのだろうなとも思いますね。
アメリカ人と言えば派手で賑やかなことが好きだそうですが、こちらやり過ぎるとこうなると言うニュースです。

「独立記念日をド派手な祝砲で」 手作り大砲が暴発し男性死亡(2016年7月7日Techinsight)

米国の市民が、この日だけは打ち上げ花火など派手に騒いでも良いとされるのが7月4日の「独立記念日」。今年もまた事故が各地で多発したもようだ。
ミシガン州ではなんと自身で大砲を作っていた男性が暴発により命を落としてしまった。『detroit.cbslocal.com』ほかが伝えている。

このほどミシガン州ニウェーゴ郡のクロトン・タウンシップで、アンソニー・ハーマンさんという46歳の男性が鋭い金属片が胸に突き刺さったことにより死亡した。
ミシガン州警察の発表したところによれば、ハーマンさんは「独立記念日」に祝砲を放ちたいとして自身で大砲を手作りしていたもよう。
前日である3日には一日中撃っていたが、午後10時46分ごろにそれが暴発しハーマンさん自身が被弾。午後11時半に死亡が確認された。

その大砲は鋼管製で長さが約30cm、直径が7.62cmといわゆる「超小型大砲」であったが、殺傷能力は相当なものであった。
ハーマンさんが倒れている付近一帯に金属片が散乱していたが、137m離れた民家の庭の洗濯物に弾丸の金属片が突き刺さったほか、183m先でも破片が発見されている。
大砲から13mほど離れたところにいたハーマンさんが死亡した以外、幸いにも負傷者は出ていないという。

そもそも手製の大砲を作ろうと言う姿勢がどうなのかですが、やはりいざとなれば市民が武器を手に立ち上がるお国柄とはこういうものなのでしょうか。
ドイツ人と言えば何事にも真面目な一方で性に関してはかなりアレなところがあるそうですが、その真面目でアレなドイツ人の小学校教育はこんな感じだそうです。

子どもの情事:独小学生、性生活の一幕を役で演じる(2016年06月20日スプートニク)

ノルトライン=ラインヴェストファーレン州で、「多様性の学校」教育プログラムの一環の新たな試みが提示された。ドイツ紙「ディ・ヴェルト」が報じた。

同性愛関係、トランスセクシュアル、また、様々な種類の非伝統的なセックスについて子ども達に語られる。教師には一連のワークショップを行うよう提案され、子どもたちは小規模な劇を演じる。

劇中シーンの模範的なテーマとしては次のものが提案されている:オーガズムと早期のオーガズム、サドマゾヒズム、アナルセックス、オナニーのための部屋だ。

ディ・ヴェルト紙が伝えるところ、プログラムの目的は、非伝統的な性的指向を持つ人々への敬意を子どもに教えることにある。

知識がないよりもあった方がいいのだろうと一般論としては思うのですが、こうして何事にも徹底的なドイツ気質が出来上がっていくのでしょうか。
イタリア人と言えば近代以降あまり勤勉なイメージは持たれていないところですが、そんなイタリアの公務員はこんな感じなのだそうです。

イタリア小都市、役所職員の半数が「ずる休み」で逮捕(2016年7月13日ロイター)

[ローマ 12日 ロイター] - イタリアのナポリ近郊にある人口1万1000人の小都市ボスコトレカーゼで12日、役所職員の約半数に当たる23人が「ずる休み」の罪で逮捕され、人手不足のため大半の業務が停止される事態となっている。

数週間にわたる捜査の結果、200件のずる休みが発覚。関与した人物は30人に上ったという。

警察が仕込んだカメラには、職員がタイムレコーダーで出勤記録を付けてから私用で職場を離れる様子や、複数のカードを機械に通して出勤していない同僚の出勤記録を付ける様子などが撮影されていた。

市長は地元テレビに対し「役所を閉鎖せざるを得ないだろう」と語った。政府は最近、ずる休みに対する取り締まり強化を発表しており、摘発された労働者は6─12カ月の停職処分を受けたほか、最終的に解雇の可能性もあるという。

しかし処分されて業務が滞ると言うことはそれなりに必要な仕事はしていたと言うことなのでしょうか、そもそも役人の数が適正だったのかどうかですね。
最後に取り上げるのはご存知ブリからのニュースですが、先日の国民投票が思わぬ形で影響を及ぼしているそうです。

EU離脱の影響? イギリスの2大公務員猫「首相官邸ネズミ捕獲長」と「外務・英連邦省ネズミ捕獲長」のバトルが勃発(2016年7月15日ねとらば)

 イギリスの2大公務員猫である「首相官邸ネズミ捕獲長」のラリーと、「外務および英連邦省ネズミ捕獲長」のパーマストンの緊迫した関係性が英メディアの注目を集めています。

 イギリスのEU離脱を主導した中心人物、ボリス・ジョンソン氏が7月13日(現地時間)、外務大臣に就任しました。それに伴い思わぬ場外乱闘が勃発。辞任したキャメロン元首相と共に5年間「首相官邸ネズミ捕獲長」として勤務してきた猫のラリーと、ボリス氏の新たなお膝元となった外務および英連邦省で「ネズミ捕獲長」を勤めているパーマストンが火花を散らす様子が激写されました。

 首相官邸と外務および英連邦省は隣接しており、2つの建物をつなぐ通路で両「ネズミ捕獲長」が最悪のタイミングで遭遇。BBC記者が撮影した映像にはお互い一歩も引かず、「ミ゛ャー……」と相手をけん制する様子が映し出されています。なお、ラリー(※非公式アカウント)はBBC記者のツイートに対し、「あいつが先に始めたんだ」と弁明ツイートを投稿しています。

 この他にもラリーがボリス氏の外務大臣就任について皮肉とも取れるツイートを投稿をしたり、パーマストンが「お隣さん同士仲良しだよ」とラリーとの関係性についてしらじらしいツイートをするなど、燃料は投下され続けています。

その仁義なき戦いの様子は元記事を参照いただければと思いますが、ちなみにこの両氏ともに元は野良から雇用されたのだそうです。
その辺りが彼らの縄張り…もとい、職業意識にどのような影響を与えているのかは何とも言いがたいのですが、取りあえず周囲としては黙って仕事をして欲しいところでしょうね。

今日のぐり:「福龍」

福山市街地の一画に位置するこちらのお店、昔から鶏の唐揚げで有名な老舗ですが、小さな店舗ながら相変わらず繁盛していらっしゃるようですね。
メニューを見て見ますと特に手の込んだものはなく、ラーメンに唐揚げ、炒飯が基幹メニューでそれらに一品組み合わせてセットメニューにしているパターンが多いようです。

と言うわけで今回はそれら全てが入っている半チャンラーメンBセットを頼んでみたのですが、ここのラーメンは備後地方では標準的なあっさり醤油です。
麺は老舗に良くあるちょっと微妙な茹で加減で、スープは弱いが醤油ダレとのバランスはまずまずと、単品で頼もうとは思いませんがこの種のセットの中では主張し過ぎない味でしょうか。
名物の唐揚げは大振りなカットが特徴で、下味や肉自体の味はさほどではないのですが、クリスピーな衣とパリパリの皮、その下のトロットした脂の食感はなかなかよく出来ています。
炒飯は見た目も味もプロの作った家庭の焼き飯と言う感じで、全般にどれも濃過ぎず美味過ぎないほどほどの味ですが、食べ飽きないのはこれくらいの味加減なのかとも感じました。

家族経営なのか接遇面は標準的な個人店レベルですし、設備の方も見た目の年式相応と言う感じですが、フロアの方はまだ若くて元気はいいんですが年期の入った厨房は大変そうですね。
ただでさえ暑い厨房内ですから、これからの暑い時期にお爺ちゃんお婆ちゃんが体調を壊しでもしたら大変そうですが、長年の愛用者のためにもくれぐれも御自愛いただければと思います。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2016年7月17日 (日)

今日のぐり:「一心太郎」

先日こんな記事が出ていましたが、世の中色々なものがあるものなのですね。

アイス買ったら、店員が「温めますか?」 「えっ?」「目が点」の客、今年も(2016年7月13日J-CASTニュース)

   コンビニでアイスを買ったら、店員に「レンジで温めますか?」と聞かれた――。2016年も本格的な夏の到来を迎え、ネット上にはこんなシーンが報告されるようになった。「コントのようだ」と驚く人もいる。
   電子レンジで数十秒温めてから食べるアイスは、ローソンが2011年から販売する「夏の定番商品」だ。今年で販売から6年目となるが、今もネット上には「レンジで温めるか聞かれてメチャクチャ驚いた」との声が出ている。こうした状況に、ローソンの広報担当者は「すでに十分周知できていると思っていた」と声を落とす。

   ローソンが販売している「ウチカフェフラッペ」シリーズは、500ワットの電子レンジで30秒ほど温めてから食べる商品だ。カチカチに凍ったアイスを少しだけ温めることで、やわらかく食べやすい食感になる。
   この商品をローソン店舗で購入するときには、レジの店員からも「温めますか?」と聞かれるようだ。実際、記者が7月12日に都内のローソンで買ってみたところ、店員から「レンジできますが、どうしますか?」と声をかけられた。
   冷たいアイスを購入したにも関わらず、レンジでの「加熱」をオススメされることに面食らう客は、今もいるようだ。ツイッターで16年4月から7月までの投稿を調べると、「ビックリした」と報告するツイートが少なくとも100件以上は見つかる。なかには、
    「カップアイスを買ったら店員さんが 『温めますか?』と言うから 『えっ?』ってなった」
    「LAWSONのアイスをかったらなにも言わずレンジにかけられたんだけど、誰か説明して」
などと面白おかしく報告する投稿も目立った。

   ただ、ローソンがレンジで温めて食べるアイスの販売を始めたのは11年6月のこと。今年で販売から6年目となる同社の「夏の定番商品」なのだが、先述したようにネット上には「知らなかった」というユーザーがまだまだ見つかる。
   過去の投稿をさかのぼってみても、
    「アイス買ったら、温めますか?って聞かれた。アホかと思ってきょとんとしてたら、レンジでチンしてちょっと溶かして食べるものらしい」(15年)
    「ローソンではアイスを買ったらレンジでチンしてくれるの?」(14年)
    「店員さんに『アイス、温めますか?!』と聞かれて目が点になってシマッタ」(13年)
といった具合に、商品の販売時期にあわせてネット上にこうした声が出ている。

   こうした投稿に対しては、大抵の場合、フォロワーなどから「定番の商品ですよ!」などと説明するリプライ(返答)が寄せられている。どうやら、「温めるアイス」をめぐる一連のやり取りは、ネット上の「夏の風物詩」の1つになっているようだ。
   また、ローソン広報室の担当者は7月12日のJ-CASTニュースの取材に対し、「確かに初めて知った人は戸惑うかもしれません」と話す。続けて、記者が「アイスを温めることに驚く声が、今もネット上に出ている」と伝えると、担当者は「すでに十分周知できていると思っていたのですが・・・」と残念そうだった。

まあしかし夏の暑い盛りにやっとコンビニにたどり着いてアイスを買ったら「温めますか?」などと言われようものなら、下手をすればこいつ馬鹿にしてんのか?と殺意を抱く人が出るやも知れないですかね。
今日は残念ながら広報活動が十分に進んでいなかったローソン担当者を励ます意味で、思わずえっ本当?!と言いたくなる日常の中の意外性あるニュースをお伝えしたいと思います。

東京・下町でおじいちゃんと散歩する「巨大ガメ」に世界が興味津々(2016年7月12日MAG2ニュース)

飼い主とペットの犬を連れて歩く姿は、よく見る光景ですよね。
でも、それが予期せぬ生き物を連れていたら?

日本人男性が連れて歩いているペットが海外で話題です。
それがこちら、じゃじゃーん。
亀の「ボンちゃん」です。

AFP通信によると、ボンちゃん(Bon-chan)は全長1メートル、体重70キロのケヅメリクガメで、飼い主の三谷久夫さんと一緒に東京・月島をお散歩するのが日課だそうです。
三谷さんは、当時は手のひらサイズだったこちらの亀を20年前にペットショップで買ったそうですが、いまではこんなに大きな亀へと成長しました。
すでに下町のアイドルとして、人気者ですが、その人気は海外でも。
(略)
東京の月島周辺をお散歩しているそうなので、行く機会があったら、ぜひボンちゃんに会ってきてください。
ハッピーな気持ちになることでしょう。
今日もボンちゃんは行く!

その愉快な散歩の様子を示す動画は元記事を参照いただきたいと思うのですが、確かにこんなものが街を歩いていればびっくりしますよね。
誰にでも起こり得ることなのですが、間が悪いと大変なことになると言うニュースがこちらです。

校舎3階窓から、小4重傷 三戸郡 /青森(2016年6月25日毎日新聞)

 三戸郡内の町立小学校で9日、4年生の男子児童が校舎3階のトイレの窓から転落し、右足の骨を折る重傷を負う事故が起きていたことが分かった。児童はトイレのドアノブの不具合で閉じ込められたため、窓から脱出しようとしたという。

 県教委などによると、9日午後1時ごろ、児童がトイレから出ようとした際、出入り口のドアノブがないことに気づき、窓からの脱出を試みたが、窓から体を滑らせ転落したという。児童は自ら事務室へたどり着き、病院に搬送された。命に別条はなかった。

 学校職員が前日に点検した時にはドアノブはついていた。事故後にトイレ内でドアノブが発見されたという。

何でも以前から調子が悪く修理依頼が出ていたそうですが、それならそれで使用禁止の張り紙でもしていれば…と悔やまれる残念な結果になってしまいましたね。
これまた一定確率で起こり得ることなのですが、何とも残念すぎたと言う悲しむべきニュースをお伝えしましょう。

創業明治36年、東京神田の老舗そば屋の閉店理由(2016年7月8日MAG2ニュース)

東京神田にある蕎麦屋『満留賀』の閉店理由が悲しすぎると話題になっています。

『満留賀』は創業明治36年の老舗そば屋であり、今まで多くの人の胃袋を満たして来ました。
そんな老舗蕎麦屋が、一体どんな理由で一時閉店となったのでしょうか?

店主の蕎麦アレルギー悪化のため、仕方なく一時閉店…!
辛すぎる閉店理由ですね。
(略)
食べられない悲しみや触れない辛さは多くのアレルギー患者が持っている苦しみですが、代々続いてきた仕事にまで影響があるとは、想像以上に大変な思いをされたのでしょうね。
今までおいしい蕎麦を食べさせて下さっていたことに感謝すると共に、店主さんがこれから上手くいくよう祈りたいですね。

ちなみにこの「満留加」と言う店名は非常に蕎麦屋として歴史と伝統があるものらしいのですが、全国300店舗の中でもこちら神田の「満留加」は最古参であるとも聞きます。
同じくアレルギー絡みの話題ですが、これまた何とも意外で哀しすぎる結末になったと言うニュースです。

恋人とキスした直後に女性が死亡 その衝撃的な死因に専門家からも警鐘が(2016年06月21日AOL)

2012年に起こったひとつの悲しい事件がいま海外で改めて取りあげられている。

当時、20歳のミュリアム・デュクレ=リメイさんは、ボーイフレンドとキスをした直後に死亡した。ボーイフレンドがその少し前、ピーナツバターサンドイッチを食べたのが原因だった。彼は、ミュリアムさんが重度のピーナツアレルギーということを知らなかったとされている。

キスの直後、呼吸が困難になったミュリアムさんは持っていたぜんそく用の吸入器を使ったが効果がなく、ボーイフレンドに救急車を呼ぶようお願いした。救急隊員が到着する前に、ボーイフレンドは心肺蘇生法(CPR)を試みたが、残念ながらミュリアムさんが目を覚ますことはなかった。

カナダ・モントリオール小児病院の小児アレルギー・免疫科のクリスティン・マカスケル医師によると15歳から30歳までは"危険性のある年齢"であり、深刻なアレルギー発作が起こりやすい。ミュリアムさんは、その日エピペンを持っていなかったが、持っていたらここまで急激に悪化させずに済んだかもしれないとマカスケル医師は言う。重度のアレルギーを持っている場合は、肌身離さず持ち歩くことが賢明だ。

マカスケル医師は「本人が気づかないうちに『なんか変な感じ...』から『これはまずい』に達します、あっという間なんですよ」と、注意を呼びかけている。

何とも衝撃的な話なのですが、しかしこんなことが起こる可能性は恐らくほとんどの人が念頭には置いていないと思いますね。
最後に取り上げるのも意外性という点で非常に驚くべきものがありますが、まずは記事から紹介してみましょう。

ポルトガルの潜水艦が仏トロール漁船の網にかかる(2016年7月13日スプートニク)

12日、フランス西部サンブリュー沖で、英海軍の艦艇との合同演習に参加していたポルトガルの軍用潜水艦Tridenteが、フランスのトロール漁船の網にかかった。FranceBleuが伝えた。

​事件が起こったのは、英リザード岬から南に約55キロの沖合。潜水艦は水面に浮上し、トロール漁船に連絡したという。

網は、英国の海南救助隊によって除去された。なお、けが人は出ていない。
(略)

元記事の写真を見る限りでは恐らく漁網でつり上げられた史上最大の獲物なのだと思いますが、漁師としてもさぞ驚いただろうと思います。
高価な潜水艦がまさか漁網によって駆逐されていいのかですが、実は漁網に引っかかり大変な目に遭う潜水艦とは意外にも多いものなのだそうです。

今日のぐり:「一心太郎」

松江駅前の一角にありながらプレハブ作りの安っぽい(失礼)普請に思わずびっくりするこちらのお店ですが、何故か妙に気になって入って見ました。
しかし何なんでしょうかこの漁港界隈の産地直売所併設の飲食コーナーノリはと思うのですが、ビルの合間にこんな魚臭い店があるものなのですね。

本日の海鮮丼がレジ横に掲示されていて頼んで見たのですが、基本メニューってこれだけじゃね?と言う感じなんですが、一応頼めばそれなりにはあるようですね。
海鮮丼はあら汁とイカの塩辛がセットになっていて、今日の~と言うところからもっとシンプルなものを考えていたんですが、色々なネタが盛りだくさんで魚の種類は豊富です。
そのネタもよくあるマグロにサーモンといったものではなく、ちゃんと地元で水揚げした食材ばかりらしいのが好印象ですが、名だたる漁港だけに見た目の彩りもネタも悪くはないですね。
地元の食材をあれもこれも詰め込みたい気持ちも判るのですが、強いて言えばこれだけ色々と取り合わせてしまうと逆に特徴がなくなった気もするでしょうか。
あら汁は最近多いそれあらじゃない身だろうと言うものではなく本当にあらそのもので食べるには少し苦労しますが、汁の味はいいもののこの味噌は少し甘口で特徴的ですね。
一方で塩辛は以前に天橋立界隈で食べた甘口のものが印象的でしたが、これは塩辛さが立った昔ながらの塩辛らしい味でした。

見た目も味も悪い料理ではないし、相応にボリューミーなのでかなりの割安感もあり悪くないのですが、食べていてカウンターの中の慌ただしさの方が気になりましたね。
見ている限りさほど複雑な料理は出ていないですし、狭い店内もさほど混雑してもおらず、完全セルフ方式でフロアは全くのお客任せですから調理に専念出来る状況のはずです。
それでパニックめいた声を上げられてはお客の方が気を遣ってしまいますが、せっかく真っ当な料理を出しているのですからもう少し落ち着いて味わえればなおよかったですかね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年7月16日 (土)

自転車保険、義務化へ

最近報道も増えてきたこととして、こういうニュースが続いています。

自転車保険「義務化」の波、事故増加で高まるニーズ(2016年7月13日株探)

 自転車に乗る全員に「自転車保険」の加入を義務化する動きが広がっている。昨年10月に兵庫県では全国で初めて自転車保険の加入を条例によって義務付けたが、これに続き大阪府でも今年4月に「大阪府自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例」を施行、この条例に基づき、自転車保険の加入義務化が7月1日からスタートした。自転車による事故は都市部を中心に深刻化、今回の条例が契機となり自転車保険のニーズが全国的に高まりそうだ。

●自転車が加害者となる交通事故が増加

 自動車やバイクと異なり原動機が付かない自転車は、免許が不要で誰でも気軽に乗ることができるのが魅力。その半面、交通規則への意識が希薄になり、無謀運転による事故などが問題視されており、15年6月1日には一定の危険な違反行為をして2回以上摘発された自転車運転者(悪質自転車運転者)は、公安委員会の命令を受けてから3カ月以内の指定された期間内に講習を受けなければならない規則に改定された。近年では電動アシスト自転車の普及により、自転車自体のスピードが出やすくなっており、それによるケガの重症化も問題視されている。

 そのようななかで、兵庫県に続き大阪府でも自転車保険の加入が義務化された。大阪府内では、15年の自転車事故の死者数は50人に達し、14年に比べて16人の大幅増となっている。死者数の約5割が高齢者で、死因の約8割が頭部損傷によるもの。自転車が加害者となる交通事故によって、死亡や後遺障害が生じ、高額な賠償請求事例も発生している。
(略)

「自転車保険」義務付け条例相次ぐ…「リスクヘッジの手段として必須」弁護士が指摘(2016年7月7日弁護士ドットコム)

(略)
自転車保険を義務化に踏み切る自治体が相次いでいる背景には、どんな事情があるのか。自転車保険に加入しておくメリットはあるのか。交通事故と保険の問題に詳しい好川久治弁護士に聞いた。

「まず、自転車が関与する事故の件数が、依然として多いということがあげられます。
警察庁の調べによると、2015年の自転車が関与する交通事故件数は9万8700件で、交通事故全体の約18.38%を占めています。このうち、自転車の責任(過失)が大きい『第1当事者事故』は1万5929件で、自転車関与事故の16.13%を占めています。
ここ数年、自転車の運転ルールに対する啓発活動が広まり、悪質な運転を繰り返す自転車運転者に対する安全講習を義務づける道交法改正の影響などもあって、自転車事故の件数は低下傾向にありますが、それでもかなりの数にのぼっています」

好川弁護士はこのように述べる。裁判で争われたケースはどうだろうか。

「自転車事故に関しては、過去に高額賠償を認める判決がいくつか出ています。
(1)自転車運転者が片手にペットボトルを持ったまま下り坂をスピードを落とさずに走行し、信号機のない交差点で横断歩道上を横断していた歩行者(38歳女性)に衝突し、女性が脳挫傷等の傷害を負って2日後に死亡した事故(賠償総額約6778万円、東京地裁平成15年9月30日判決)
(2)自転車運転者が赤信号を無視して交差点に進入し、交差道路を横断していた歩行者(55歳女性)と衝突し、女性が頭蓋内損傷の傷害を負い、10日後に死亡した事故(賠償総額約5437万円、東京地裁平成19年4月11日判決)
(3)歩道を進行していた自転車運転者(高校3年生)が幹線道路を横断する際、自転車横断帯の十数メートル手前で車道を斜めに横断しようとしたところ、車道を進行してきた24歳会社員運転の自転車と衝突し、会社員が頭蓋骨骨折等の傷害を負い、右上下肢機能全廃等の後遺障害が残った事故(賠償総額約9266万円、東京地裁平成20年6月5日判決)
(4)スイミングスクールからの帰宅途中の小学校5年生の子どもが、坂道を自転車で下っている際、歩行者(62歳女性)と正面衝突し、女性が頭蓋骨骨折等の傷害で一生涯常時介護を要する植物状態の障害が残った事故(母親に対して賠償総額約9520万円、神戸地裁平成25年7月4日判決)

「自分は安全運転をしている」と考えている人でも、保険に加入しておいた方がいいのか。

「自転車は免許制度がなく、子どもからお年寄りまで気軽に乗車できるため、交通ルールを厳格に遵守するという意識が一般的に低いです。また、自転車による加害事故を想定して保険に加入することも、自動車と比べるとまだ不十分です。
しかし、一旦事故が起きたときに取り返しがつかない高額賠償を請求されることや、被害者の救済のことを考えると保険への加入はリスクヘッジの手段として必須といえるでしょう。
特に、小さいお子さんを抱える親御さんや、お孫さんを預かっているおじいちゃん、おばあちゃんなら、お子さんが自転車に乗って他人に怪我をさせると、お子さんに代わって損害賠償責任を負わなければなりません。『自分は安全運転しているから大丈夫』と言っていられませんので、注意が必要です。
自転車事故を含む個人賠償責任保険は、自動車保険、火災保険、傷害保険の特約や、クレジットカード会社の付帯サービス、また単体の保険としても販売されていますので、確認してみてください」
(略)

記事にもありますようにかつては車対自転車と言う構図で交通弱者扱いされていた自転車も、近年では歩行者対自転車と言う文脈で加害者側に回るケースが多く、その対策の一環として自転車には歩道ではなく車道を走らせようと言う流れになったことはすでに周知のところだと思いますが、もちろん自転車側にとってはこの結果交通事故の被害者となるリスクは増えているとは言えるでしょうね。
ただ加害者と言う立場から考えると確かにこの自転車と言う乗り物、下手な自動車並みの速度が出せ歩行者に対して重大な障害を負わせる危険性がある割に、その運転をしているのが免許を持っておらず交通ルールの基本的な知識もない子供や高齢者にも多いなど、事故防止の観点からはかなり危ない状況であったのは確かです。
子供の自転車による暴走行為など珍しくなく、かつてであれば親は車との衝突事故を心配していたものですが、今や子供の乗る自転車が他人と衝突し重大な障害を負わせたとなれば下手すれば億単位の巨額賠償金を請求されかねないのですから、ぽんと支払える立場でなければリスクへの相応の対処は必要だろうと言うことですよね。

全国的に自治体による保険の義務化と言う流れが出来つつあるのももちろん損害賠償を請求されたら困るだろうと言うこともありますが、保険が義務づけられている車と違って自転車では実質お金が支払われないケースも多いはずで、交通の最弱者である歩行者救済と言う観点から考えた場合にとりあえず最低限の補償は受けられるようにと言う意味が大きそうだと言えます。
ただ車と違って免許制度もなく所有も乗車も簡単な自転車の場合こうしたやり方が妥当なのかどうかで、場合によってはしばしば問題になる無保険車による事故や歩行者同士の事故も含めて何らかの公的補償制度を用意すべきなのかも知れませんが、この辺りは実際に無保険の事故による補償金額がどの程度になるのかと言うデータも必要になりそうですね。
ちなみにいきなり自転車保険と言うと一体どうしたらいいのかと迷うところですが、記事にもあるように車の保険以外にも家の火災保険やクレジットカードなどにもオプションでこの種の保険がつけられるようになっているそうですから、ひとまずは契約書の類を一通りチェックしてみるのがいいのかも知れません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年7月15日 (金)

末期癌患者の多くが癌専門病院以外で看取られている!と問題視する声

癌の末期と言えば痛い、苦しい、しんどいとネガティブなイメージがつきまといがちですが、一方で緩和医療の進歩などによって今や苦しむものではなくなったと言う声もあり、少なくとも正しい対応を行っていれば見ている家族はともかく当の患者本人にとって長く強い苦痛を強いられると言うものではなくなってきているとは言えそうです。
ただそれもきちんとした知識に基づいた正しい医療としっかりした専門的なケアを受けられればこその話であるとも言え、先日こんな記事が出ていたことを紹介してみましょう。

末期がん患者のケア不十分…専門病院以外の「一般病棟」での看取り51%(2016年7月12日読売新聞)

 がん患者の半数が、がん専門病院以外の一般の病院で 看取られ、痛みやつらい症状を取り除く緩和ケア外来の利用率も低い、という調査結果をがん患者支援団体がまとめた。

 がんの末期に質の高いケアが十分受けられていないとみられる。

 NPO法人「HOPEプロジェクト」が昨年11月、患者を看取った遺族200人に調査を実施。看取った場所として最も多かったのは「総合病院の一般病棟」(51%)で、「自宅」が20%、がんセンターや全国のがん診療連携拠点病院などの「がん専門病院」が12%、末期がん患者に対応する「緩和ケア病棟」が10%だった。

 一方、通院しながら痛みのコントロールなどを行う「緩和ケア外来」を利用したのは16%だけで、平均利用日数も月3・5日にとどまった。

 桜井なおみ理事長は「がんが進行し、有効な治療がなくなると、専門病院から一般の病院に転院せざるを得ない患者が多い。痛みをコントロールしながら生活できる体制の確立が必要」と話している。

総合病院の一般病棟が看取り場所として良いのか悪いのかの議論もありますが、記事を読んでいて気になるのはがんセンターなどいわゆる癌専門病院で末期癌を看取ることが正しいかのようにも読める点で、もちろん末期患者の緩和に力を入れている施設もあるのでしょうが、基本的にああいった施設は高度な医療を行い癌患者の治療を行う施設であって終末期ケアを行う施設ではないわけです。
しばしば聞く話ですががんセンターに患者を紹介したが、治療適応がないとなった途端に送り返されてきたと言ったことも珍しくないようですが、別にそれは悪い話と言うわけではなく、癌治療のハイボリュームセンターではそこでしか出来ない高度な癌診療に特化すべきであって、終末期患者の看取りと言うことであればむしろ総合病院の一般病棟の方がよほどに手慣れている可能性があるかも知れません。
その意味でこのデータから問題点を探るとすれば、末期癌患者の看取り場所で癌専門病院が12%しかなかったことではなく、まさに末期患者の看取りに特化した施設であるはずの緩和ケア病棟での看取りがわずかに10%でしかなかった点だろうと思うのですが、この記事を受けて国のエライ方々が「これは大変だ!癌患者は癌専門病院で看取るべきだ!」などと斜め上な対策を打ち出してこないものか不安ではありますね。
一方では何故こうまで緩和ケア病棟での看取りが少ないのかと言う点ですが、病床数の不足などリソース面での問題はさておき、まさに末期患者を専門病院等で看取らないことを問題視する世間の風潮が確かにあって、ホスピスに紹介しますなどと言い出そうものなら「先生見捨てないでください!」などと言われ抵抗されてしまうと言う現実もあることは指摘しておくべきですが、先日出ていたこんな記事を紹介してみましょう。

映像で「終末期の積極治療」希望減【米国心臓学会】(2016年7月11日米国学会短信)

 高齢の末期心不全患者に様々なレベルの終末期医療を描いた短時間の映像を見せると、映像を見せなかった場合に比べ、同治療への意思表示を明確にする割合が上昇したことが分かった。特に「緩和ケアを受けたい」割合は増加し、「積極的治療を希望する」割合が減少した。米国心臓学会(AHA)が6月29日、Circulationの掲載論文を紹介している。

 平均年齢81歳の進行期心不全患者246例を(1)延命のための心肺蘇生(CPR)や人工呼吸器装着、(2)CPRや人工呼吸器装着は行わずに入院による点滴治療などを実施、(3)症状緩和のために必要に応じて入院はするが、主に在宅でQOL維持のための緩和ケアを実施―の3つのレベルの終末期医療の様子を医師のナレーション付きで紹介する6分程度の映像を視聴した群と、映像視聴なしの群に半数ずつランダムに割り付け。それぞれの群に対し、終末期医療に対する考え方を聞き取り調査した。

 緩和ケアを受けたいと答えた患者の割合は映像視聴群の51%に対し、非視聴群では37%にとどまっていた。CPRや人工呼吸器装着を差し控えると答えた患者の割合は映像視聴群の68-77%に対し、非視聴群では35-48%。入院による治療を受けたいと答えた割合はそれぞれ25%、22%だった。「(どの終末期医療が望ましいか)わからない」と答えた割合は映像視聴群の2%に対し、非視聴群では7%と上昇していた。検討から3カ月以内に自身の終末期医療について医師と話し合った患者の割合は映像視聴群の61%に対し、非視聴群では15%にとどまっていた。また、終末期医療に関するテストの点数も映像視聴群で有意に高かった。なお、映像を視聴した患者の96%は他の人にも視聴を奨めたいと答えていた

 研究グループ責任者で、米国マサチューセッツ総合病院骨髄移植サバイバーシッププログラムのトップでもあるAreej EI-Jawahri氏は「心不全の経過はわかりにくく、治療成績の改善もあって、医師の側から意思決定能力が低下した際のアドバンストケアに対する話し合いを行いたがらない可能性がある」と指摘。今回の検討により、患者に十分な情報提供が行われていた場合、終末期に関する話し合いのハードルが下がることが分かったとしている。

ここでは心不全末期患者のケースを取り上げていますが、基本的な話の方向性としては癌の末期患者とも共通するもので、わずかな時間の映像を見せただけでこれだけ大きな意志の変化が現れたと言う話を聞いてしまうと、一体それがどんな映像だったのだろうと興味をひかれますよね。
そこでしか出来ない医療を行い治すべき患者の治療に特化した専門病院で、ただ終末期の看取りのためだけにベッドやマンパワーなどを消費することは国民トータルで見れば大きな不利益であるはずですが、やはり日本の場合昔ながらの主治医制の感覚がまだ残っているのか、長年自分のところで治療してきた患者の最後はやはり自分のところでと言う感覚を持つのは患者のみならず医療従事者においても見られる現象でしょう。
ただその結果他に助けるべき患者が専門的医療を受けられなかったと言う可能性も出てくるはずですが、地域両計画によって医療機関の再編が進むとなるとこの種の病床毎の役割分担はより厳格に求められるはずだし、そうした厳密な管理をしなければ経営が成り立たなくなるはずですから、患者も医療従事者にも状況に応じて医療機関を使い分けると言う意識改革が求められることになるのでしょうね。
ただ弾力的な運用のためにはある程度空きベッドなどリソースの余裕がなければ回らないはずで、余命1ヶ月の終末期患者をホスピスに紹介したら転院2ヶ月待ちと言われたでは笑い話にもなりませんから、状態に応じた施設間での患者移動をどんどん行っていくべきだと言うのであれば、空きベッドを無くさなければ経営が成り立たない現在の診療報酬体系についても見直していく必要があるようには感じます。

| | コメント (6) | トラックバック (0)

2016年7月14日 (木)

今や出世したくない人の方が多数派と言う時代に

それはびっくりと驚くかなるほど確かにと思うかは人によりけりだと思いますが、先日こんな記事が出ていました。

今年度の新入社員「ほどほど志向」 「社長目指す」は過去最低(2016年7月7日産経新聞)

 日本生産性本部が今年度の新入社員を対象に実施した「働くことの意識調査」で、「人並みに働けば十分」との回答が58・3%(前年度比4・8ポイント増)と、過去最高に上ったことが7日、分かった。一方、目指すポストを「社長」と答えたのは10・8%(同7ポイント減)と過去最低だった。調査担当者は「売り手市場を反映し、人より前に出る意識が低い。ほどほどに働き、重い責任を負いたくない傾向にある」と分析している。

 調査は昭和44年度から実施。今年度は3~4月、同本部などが開いた研修に参加した新入社員の男女1286人から回答を得た。

 その結果「人並み以上に働きたい」と答えたのは34・2%と前年度比で4・1ポイント低下。働く目的として「楽しい生活をしたい」と回答したのが過去最高の41・7%だったのに対し「自分の能力をためす」は12・4%と過去最低を更新し、ワークライフバランスを念頭に、生活の充実を求める新入社員が目立った

 また、「どのポストまで昇進したいか」との問いで「社長」と答えたのは男性が15・9%(前年度比1・5ポイント減)、女性が2・8%(同0・9ポイント減)で、いずれも過去最低だった。

今の新卒と言えばちょうどいわゆるゆとり世代真っ盛りで、その辺りと絡めてどうこうと考えたがる人もいらっしゃるようなのですが、かつてのように同期は最大のライバル、他人を蹴落として出世一直線と言う価値観自体はすでに久しく以前から見かけなくなっていて、仕事だけの人生ではなく実生活を充実させたいと言う態度が露わな若手は確かに増えてきた印象はあります。
まあしかし見なし管理職など下手な出世のネガティブな面が散々に喧伝されている現在の日本社会において、出世すればバラ色の人生が待っているなどと夢想する人もそう多くはないのだろうし、出世のために人生の中で色々なものを犠牲にするくらいなら他のものを優先したいと言うのも考えてみれば当然ではあるのかも知れませんね。
もちろんこれはこれで時代に応じた価値観の変遷として何らおかしな話ではないと思うのですが、興味深いのはモーレツ社員を経て社会的に相応の地位を確保した年長の世代からはこうした価値観はあまり評判がよろしくないらしいと言うことで、先日もこんな記事が出ていました。

新入社員たちは能力開発したくない!?仰天の調査結果が判明(2016年6月28日ダイヤモンドオンライン)

キャリア形成や能力開発を望まない割合が史上最多…今年の新入社員について、衝撃的な調査結果が発表された。学校教育でヤル気を減らした彼らは、新入社員研修でさらにヤル気をそがれているのではないだろうか。

 2016年の新入社員は、夜間飛行(深夜残業)や目視外飛行が規制されており、ルールを守った運用や使用者の技量が必要な「ドローン型」と、日本生産性本部発表により命名されている。
 そして、同本部がこのほど発表した「ドローン型」新入社員の意識調査結果に、私は強い衝撃を覚えた。自分のキャリアや専門能力が高められる職場を好む社員の割合が、過去27年で最も低い結果となったのだ。能力評価を望む社員も最低の割合だ。それだけでなく、良心に反する指示のとおり行動する社員の割合は過去最高だというのだ。

 この意識調査は、同本部主催の新入社員研修参加者に対して実施されたという。入社した所属企業で一定期間の研修や行事を終えて、同本部の研修に参加したのだろう。まさにこれから、ビジネスパーソンとしてのキャリアを形成し始め、専門能力を高め始めるスタート地点ではないか。
 普通に考えれば、これから輝かしい未来に向かって、最も気持ちが高まるはずのタイミングである。にもかかわらず、キャリアや専門能力を高める気持ちはない、能力で評価してもらいたくない、良心に反することでも従うという。そこには、プロ意識のかけらも感じることができない

 この話を人事部長仲間にすると、「まあまあ、入社したばかりですから、プロ意識を求めるのは酷でしょう」という意味の反応があったが、私はその考えに全く同意できない。入社してすぐに高いキャリアを実現したり、専門能力を発揮したりしろと言っているのではない。しかし、キャリアを高めたり、専門能力を発揮したいと思う気持ちは十全に持っていて当たり前でないか。
 プロ野球に入団した新人選手が「これから活躍して、華々しいキャリアを築きたいとは思わない」と言ったら、おかしいだろう。ピアニストが「技能を高めるつもりはない」と考えていたら、職を変えろと言いたくなるだろう。ビジネスパーソンと、プロ野球選手やピアニストはそのまま比べられないものの、程度の差こそあれ、プロなのだから同じではないのか。しかし、同じプロであるにもかかわらず、ビジネスパーソンだけが、キャリア形成や専門能力向上の意欲を低下させているという、トンデモな事態が発生しているのだ。
(略)

トンデモな事態かどうかは人それぞれの考え方もあるかと思うのですが、後段で筆者自身が言っているように社員研修などでわざわざやる気をスポイルしている面もあるようですから年長者側も十二分に反省すべき点があるとは思うのですが、こうした話を聞くと運動会のかけっこで皆で手をつないで横一線にゴール云々と言う話も少し思い出しそうですかね。
それはさておき、医学部学生などは言ってみれば理系偏差値最上位層の受験エリートであり、多くが幼少の頃から競合的な環境の中で勝ち上がってきた連中だと思いますが、彼らにしても末は教授か大病院の院長かと言った昔ながらのヒエラルキーを信奉し上昇志向の強い学生は必ずしも多くはなくなっているようで、職場選びにおいても非常勤や当直免除などQOMLを維持できる環境が考慮されるようになっているようです。
これがいいのか悪いのかは考え方もあると思いますが、医師などの場合必ずしも社会的な意味で出世することが経済的裕福さや生活の豊かさに結びつかない面も多いのですから、楽な仕事で給料はしっかりもらいアフターファイブは充実させたいと考える人が増えてくるのも本来当然と言えば当然なのですが、一般社会人においてもそこそこの稼ぎで十分だと言う人が増えてくれば敢えて滅私奉公して出世を目指す意味はないと言うことなのでしょうか。
出世とは本来被雇用者にとって最大のアメであり、出世させてやるから○○しろと言う雇用者最大の武器でもあるはずですが、出世したところで部下につくのはそこそこにしか働く気のない方々ばかりではどうなのかで、実際チェーン店の名ばかり管理職の労働環境などは大変なものだと言う話を聞くにつけ、今の時代雇用者が被雇用者のやる気を引き出すにはどうしたらいいのだろうか?と思ってしまいますね。

| | コメント (10) | トラックバック (0)

2016年7月13日 (水)

てんかん患者はお上に届け出るべきか否かと言う議論

意識障害を来す各種疾患罹患者による交通事故の続発を受けて道路交通法や危険運転致死傷罪が改正されましたが、その結果とも言うべきこんな記事が出ていました。

免許更新うその記載で書類送検(2016年6月28日NHK)

運転免許を更新する際に提出する質問票にうそを記載して、その後、交通事故を起こした山形市の会社員が、道路交通法違反などの疑いで28日までに書類送検されました。
おととしの道路交通法改正によって、質問票にうそを記載すると、罰則が科せられるようになってから、書類送検されたのは、山形県内では今回が初めてです。

書類送検されたのは、山形市に住む50代の会社員の男性です。警察によりますとこの男性は、てんかんの治療中で、医者から、運転を避けるよう助言されていましたが、ことし2月に免許を更新する際、「病気が原因で意識を失ったことがあるか」という質問票の項目で、「いいえ」を選択しました。
しかし、免許更新からおよそ1週間後、上山市で、運転中に意識を失って交通事故をおこし、3人に軽いけがを負わせたとして道路交通法違反と危険運転傷害の疑いで、6月21日書類送検されました。
質問票にうそを記載した理由について、男性は「免許が更新できないと仕事ができなくなると思った」と話しているということです。

おととしの道路交通法の改正によって、運転免許を更新する際、質問票にうそを記載すると、最高で、懲役1年または罰金30万円の罰則が科せられるようになってから、書類送検されたのは、山形県内では今回が初めてです。
日本てんかん協会山形県支部の工藤昭二代表は「てんかんは、薬を飲んで規則正しい生活を送れば、症状を抑えられる病気です。てんかんで運転できない人に対しては、社会的な支援が必要だと思う」と話していました。
今回の書類送検について日本てんかん協会山形県支部の工藤昭二代表は「事故を起こさないために運転は控えるべきだと思うが、生活していく上で車は必要不可欠だ。てんかんは、薬を飲んで規則正しい生活を送れば、症状を抑えられる病気ということを社会が理解した上で、運転できない人に対しての支援が必要だと思う」と話しています。

5人死傷事故で懲役4年 運転中にてんかん発作の男 宮崎地裁「服薬怠り運転を非難」(2016年7月11日産経新聞)

 宮崎市で昨年3月、乗用車を運転中にてんかんの発作を起こし、1人が死亡、4人にけがを負わせる事故を起こしたとして、自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)などの罪に問われた無職、岡留富信被告(63)に宮崎地裁は11日、懲役4年(求刑懲役5年6月)の判決を言い渡した。

 判決理由で織川逸平裁判官は「主治医から注意を受けていたのに服薬を怠って運転した。認識の甘さは厳しい非難に値する」と指摘した。

 判決によると、岡留被告は昨年3月12日、宮崎市で乗用車を運転中、てんかんの発作で意識障害となり、前方や対向の車に次々と衝突。軽乗用車の男性=当時(56)=を死亡させ、男女4人にけがを負わせた。

てんかん協会はてんかんは薬を飲んでいればコントロール出来ると主張しているのですから、薬を飲まずコントロールを怠っている患者に対しては患者への偏見を助長すると厳しい態度で臨んでもいいように思うのですが、いずれにしても一度けいれん発作を起こしただけでずっと治療を受けなければならない、免許更新時なども申告をしなければならない等々と言われると、なんだかなあと感じるのも人情ではありますよね。
そうやって管理を怠った結果何ともなかったと言う人もいれば、どこかで発作を起こす人もいると言うことなのですが、単純に自己責任とばかりも言い切れないのは車の運転中であれば大抵は周囲にも被害を及ぼすと言うことで、やはり視力に障害がある人が眼鏡やコンタクトを必ず装着して運転する必要があるのと同様に、社会的責任と言うものも自覚した行動を取って頂きたいものだと思います。
ただこうした疾患管理の不良についてはたまたま事故などで見つかると言うのでは遅すぎると言うもので、予防的な段階で介入すべきだと言う考え方も当然出てくるのですが、本人と並んで最も状況が判っているだろう担当医などにとっては言わば患者を売るような密告めいたことをすべきなのかどうか葛藤もあると言うことなのでしょう、こんな話もあるようです。

てんかんなど「運転危険」診断、近畿2府4県で医師届け出1件のみ 改正道交法で新制度創設後(2016年1月5日産経新聞)

 てんかんなど意識障害の病気が原因の交通事故が相次ぎ、医師が任意で診断結果を警察側に届け出ることができる新制度を盛り込んだ改正道交法が平成26年6月に施行されて以降の1年間で、近畿2府4県でてんかん診断の届け出が1件にとどまることが5日、各府県警への取材で分かった。てんかん患者は全国で約100万人いるとされ、法改正後もてんかん発作などが原因の重大事故が各地で発生しており、新制度の事故抑止効果に疑問が残る形となっている。

 警察庁によると、改正道交法が施行された26年6月から27年5月までの1年間、てんかんや認知症など病気全体の届け出は全国で184件あった。警察庁は病種別の件数を明らかにしていないが、近畿の6府県警によると、計13件の届け出があり、てんかんは1件だった。近畿では認知症が6件で最も多かった。
 法改正以前は、警察側が病気の有無を把握するには運転手の自己申告に頼るしかなく、無申告のてんかん患者による事故が各地で相次いだ。23年4月には栃木県でクレーン車の運転手が発作を起こし、小学生の登校の列に突っ込んで6人が死亡。24年4月には京都・祇園で、軽ワゴン車の運転手が発作で暴走し、歩行者19人を死傷させるなどした。
 新制度に関し、事故の遺族は「自己申告では事故を防げない」と医師の届け出義務化を求めて署名活動したが、国側は届け出の義務化を見送り、医師が「運転が危険」と判断した場合、任意で警察側に届け出る新制度を盛り込んだ改正法が成立した。

賛否別れる新制度の“効果” 遺族「届け出義務化を」 医師側「患者との信頼崩壊」 

 新設された医師の任意届け出制度は、てんかん患者らが無申告のまま運転し続ける事態を食い止める役割が期待されていた。ただ、道交法改正後も届け出はほとんどなく、事故も多発。遺族らは届け出義務化の必要性を訴えるが、医師側は「義務化で、むしろ事故は増える」と否定。新制度の効果も不明で、賛否は分かれている。
 「この1年間で届け出を義務化していれば守れたはずの命がたくさん奪われてしまった。任意の制度では事故を防ぎきれないのは明らかだ」。平成23年4月、栃木県鹿沼市で小学生6人が死亡した事故で、当時小学4年だった長男を亡くした伊原高弘さん(44)はそう語気を強める。
(略)
 一方、医師で日本てんかん協会(東京)の久保田英幹副会長は「届け出を義務化すれば患者は病状を正確に医者に申告しなくなり、治療することもできなくなる」と主張する。
 久保田副会長は現在、てんかん患者約600人を抱えるが、患者の中には運転免許を失い失職する人もいるという。「患者に運転の危険性を説明することで運転をやめることを納得してもらっており、届け出が必要となるケースは生じていない」とした上で、「件数が少なくてもそれが危険というわけではない」と話した。

まあ久保田先生の前で「納得し」たはずの患者が全員きちんと運転免許を返納なりしたのかどうかを調べて見るのも興味深い結果になりそうだと思うのですが、事故被害者の立場に立てば当然ながら知っている情報を知らせないことで被害に遭うのはまっぴらだと言う考えが成り立つでしょうね。
医師の側から見れば守秘義務や患者との信頼関係等を考えれば診断即届け出とはならないでしょうが、そもそも法改正の内容を議論した場である有識者検討会でも「 医療関係者は、患者について力を尽くして治療すること、 患者を社会復帰させることが仕事の柱であるため、社会での 患者の活動による被害や、その被害を受けた者の苦情を受け 止めるという発想が欠けている部分がある」などと半ばあきらめられていたそうです。
全く医師の指導にも従わず治療も満足に受けずと言う患者は一定程度いるもので、大昔であれば医師が言わば首根っこをひっ捕まえて治療を受けさせていた、そして近年では患者の治療拒否の経緯等々をカルテに詳細記載して後は自己責任に委ねるようになった、そしてこれからはさらに一歩進んでその患者が治療を受けないことの社会的意味も考えながら対応すべきだと言うことになるのでしょうか。
その場合意識変革のモチベーションとして医学生に対する教育をどうこうする程度では不十分だと思うのですが、以前に病院から外出中の精神科入院患者が起こした殺人事件を巡って加害者、被害者双方の家族から病院が訴えられた事件のように、医療現場にとって大きなインパクトを残すような出来事があって初めて抜本的な意識改革が進むのかも知れませんね。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2016年7月12日 (火)

健診で引っかからない人の方がむしろ異常

特定健診というものが義務づけられて以来、医療機関の外来で無症状の受診者がかなり増えているのではないかと思いますが、実際にこんなデータが公表されていました。

健診「合格」40歳以上は17%…健保連調査(2016年07月06日読売新聞)

 40歳以上のサラリーマンで、血圧や肝機能など健康診断の主要4項目が全て「基準値範囲内」の人はわずか2割にも満たないことが、健康保険組合連合会(健保連)の調査でわかった。

 健保連は、食事や運動など生活習慣の見直しによる改善を呼びかけている。

 健保組合は、大企業の会社員や家族約3000万人が加入している。このうち、433組合に加入する40~74歳の会社員270万4234人について、2014年度の血圧、脂質、血糖、肝機能のデータを調べた。

 その結果、4項目全て基準値範囲内の人は約45万人で全体の17%しかいなかった。半数にあたる約136万人は、1項目以上が「医療機関の受診を勧める数値」となっていた。「受診は必要ないが保健指導が必要な数値」の人は約89万人(33%)いた。

つまり普通に生活している人々の実に8割以上が健診によって異常者にされてしまっていると言う言い方も出来るかと思いますが、もちろん大きな異常や重大な疾患の初期を拾い上げているケースも少なからずある一方で、健診が不要な病人を増やしているのではないかと言う声も根強くあるのは確かですよね。
この辺りは実際に早期からの医療介入によってその人個人の健康寿命が延びる等の効果に加えて、財政面のメリットとして言われるように生涯医療費が安上がりになるのかどうかも今後の検証課題になるかと思いますが、一方で素朴な疑問として感じるのは臨床検査の正常値とは健康な人の95%が当てはまる値だとされていますが、大部分の人が引っかかってしまう場合正常異常の線引きとしてどうなのかです。
他方で健康上問題が起こる数字をもって正常異常の境界線とすべきだと言う考え方もあるはずですが、これも先のように治療介入を行うことによるメリットがコストやリソースの消費を上回るものなのかどうかも問題で、健診の基準値なども未だにどこからを異常とすべきか議論の余地が多く、また立場によっても考え方が異なってくるようです。

10年ぶりに見直されるか? メタボ健診 高リスク非肥満者への対策を巡り2つの意見(2016年7月7日日経ビジネス)

 2008年に始まったメタボ健診・特定保健指導は、生活習慣病の前段階である内臓脂肪症候群(メタボリックシンドローム)に焦点を当てたもの。いま、5年ごとに行われてきた実施計画の見直しの時期を迎え、腹囲や体格指数(BMI)を第一基準としたこれまでの評価基準では不十分との声が高まっている。
 東京大学大学院医学系研究科糖尿病・代謝内科教授の門脇孝氏は、「心血管イベント発症のリスクが高い肥満者の拾い上げには成功したが、非肥満者でリスクが高い群に対する取り組みは不十分だった」と指摘する。「血糖、脂質、血圧、喫煙のリスクを抱える非肥満者にも、生活習慣病予防に関する取り組みを積極的に行っていく必要がある」という考えだ。

非肥満者でも高リスク群が存在

 門脇氏の発言の裏付けとなっているのは、同氏が研究代表者を務めた「特定健診・保健指導におけるメタボリックシンドロームの診断・管理のエビデンス創出に関する横断・縦断研究」の結果だ。この研究は、12の国内コホート研究データを用いて、心血管疾患の発症を8~12年間前向きに追跡したもの。
 現行の評価基準(表1)を用いて男性1万4068人、女性1万7039人を分類し、データを解析した結果、腹囲とBMIの基準をどちらも満たさず(非肥満者)、血糖や脂質、血圧、喫煙歴などのリスク因子もない群を対照群とすると、腹囲かBMIの基準値を満たし(肥満者)、リスク因子を1つ以上持つ群(リスク数1群)では、心血管イベントのハザード比が3倍近くになることが示された(図1右)。
 また、腹囲やBMIの基準値を満たしていない非肥満者でも、リスク因子を持つ群では心血管イベントのハザード比が高いことが明らかになった。リスク1群では、男性1.78、女性2.12。リスク因子を2つ以上持つ群(リスク数2以上群)では、男性1.91、女性2.54と、肥満者と同様に高いハザード比になった(図1左)。
(略)
 門脇氏らによる研究結果を受け、厚労省健康局の「特定健康診査・特定保健指導の在り方に関する検討会」は、2018年からのメタボ健診の実施計画を見直す目的で、今年1月に議論を開始。腹囲を対象者選定の最初の基準にするのではなく、エビデンスを重視し、血圧や血糖の高値といったリスク因子の数を基準にし、それに加えて腹囲を指標に対象者を選ぶべきという結論に達した。

保険者は現状維持を支持

 だがあくまで、この結論は健康局が開催した検討会での話。実施主体である保険者が制度としての実現性などを議論する目的で、今年1月から厚労省保険局が開催している「保険者による健診・保健指導等に関する検討会」では、既存の基準で継続すべきという意見が多数を占め、健康局の検討会とは異なり、基準の見直しは不要との結論に至っている。
 保険局の検討会での結論について、日本公衆衛生協会会長で同検討会の座長を務める多田羅浩三氏は、「メタボ健診の目的は症状の早期発見・早期対応ではない。症状を来す前に指導を行い、疾患の発症を予防するための取り組みだ。国民が自ら生活習慣を改善するのを手助けするものと捉えれば、既存の評価指標で十分と判断した」と語る。
 加えて多田羅氏は、メタボ健診と保健指導が高血圧、脂質異常症、糖尿病の上流にある内臓脂肪の蓄積解消に着目して始められた取り組みであることを強調。その他のリスク因子を抱えているとしても、非肥満者はそもそもメタボリックシンドロームの定義に該当しないので、「健康増進法に基づき、市町村が健康教育などを実施すればよい」と主張する。

 メタボ健診の実施者は、市町村ではなく国民健康保険、被用者保険(組合健保、協会けんぽ)などの保険者。市町村が行っている健康教育とは財源も位置付けも異なるため、実施の目的をきちんとすみ分けたいというのが保険者側の考え方だ。
 現在、メタボ健診の対象者約5300万人のうち、受診者数は約2500万人。保健指導対象者とされるのは約420万人だが、指導を終了しているのは約76万人のみ。「2兆円の医療費抑制効果をうたい導入した経緯を振り返れば、評価基準を変更して保健指導の対象者をいたずらに増やすのではなく、保健指導の利用率を高め、指導を完遂する仕組みづくりが求められている」と多田羅氏は話す。
 それぞれの検討会で、異なる論点から異なる結論が出されているメタボ健診の見直し。評価基準をどうするかについての最終結論はまだ出ていない。
(略)

現時点でどちらの考え方が妥当であるのかは議論も別れるところだと思いますが、健康被害を未然に防ぐと言う観点からは当然ながらリスク因子を抱えている人々はなるべく多く拾い上げるべきだと言う考えもある一方で、現状でもすでに当事者関係者の不平不満も多い基準をさらに厳しくした場合、下手をすれば健診受診者の限りなく全員が医療機関のお世話にならなければならないと言うことになるかと言う懸念もあります。
健診で引っかかった場合にどこから治療を行うべきなのかはガイドライン等の医学的指針や本人と医療側の考えに従って決まってくるのでしょうが、特に生活習慣病に関してはいきなり治療開始と言うことはそう多くはないはずで、多くの場合まず生活の改善を試みるところからと言うことになるのでしょうが、そのために医療機関を受診する本人の手間や外来リソースの消費等に見合った成果が挙げられているのかどうかです。
受診者の中には毎年同じように異常値で引っかかり、毎年同じように生活を改善しましょうで終わっている方も少なくないでしょうが、こうした方々に対してどこかで強制的に治療に入るべきなのか、医療機関以外での指導で済ませられないものなのかなど、引っかかった後の対応についても検討しておかないと、基準が厳しくなればなったで受診者本人も医師の側も不満が高まるばかりと言うことになりかねませんね。

| | コメント (6) | トラックバック (0)

2016年7月11日 (月)

国が在宅死の現状を公表した理由

畳の上で死ぬと言う言葉がありますが、実際に畳の上で死んでいる人の数が調査されて報じられています。

在宅死:人口5万人以上、最大4.65倍格差 病床数など関係か 厚労省調査(2016年7月7日毎日新聞)

 自宅で死を迎える人が死亡者全体のうちどの程度を占めているかについて、厚生労働省が2014年の人口動態調査を基に初の市区町村別統計をまとめ、6日公表した。人口5万人以上の自治体では在宅死の割合が5・5~25・6%と、最大4・65倍の差があった。地域の病床数や在宅医療の受けやすさ、孤独死の発生数などが関係しているとみられる。

 日本では1970年代に病院や診療所で死を迎える割合が自宅を上回り、14年は病院死が75・2%なのに対し、グループホームやサービス付き高齢者住宅を含む在宅死は12・8%にとどまる。一方、内閣府の12年度調査では、55%の人が「最期を自宅で迎えたい」と望んでおり、厚労省は「自宅でのみとり」の推進を図っている

 人口5万人以上20万人未満の自治体で在宅死率が最も高いのは、兵庫県豊岡市(25・6%)、東京都中央区(21・5%)の順。20万人以上の都市では神奈川県横須賀市(22・9%)、東京都葛飾区(21・7%)と続いた。5万人以上で高かった10自治体では、1市を除いて「在宅療養支援診療所」が15カ所以上あり、訪問診療や訪問看護の体制が充実していた。政令市では神戸市の18・1%が最高だった。

 医療問題に詳しい宮武剛・日本リハビリテーション振興会理事長は「都市部では病院で終末期の患者を引き受ける余力がなく、在宅医療の充実が在宅死の割合に関わる。これに加え、東京23区に限れば孤独死が数を押し上げ、在宅死の約35%を占めている」と指摘。病院の再編で25年までには地域で療養する高齢者が今より約30万人増えるとして「介護と接点のある市町村単位で、在宅でどこまでみとれるか検討する必要がある」と話す。

 データは、厚労省のウェブサイト内の「在宅医療の推進について」のページに掲載されている。【野田武、有田浩子】

在宅死割合、岡山県内自治体でも格差 医療・介護の偏在を解消を(2016年7月7日山陽新聞)

 病院ではなく、自宅で最期を迎えられるよう国が「在宅みとり」を推進する中、自宅で亡くなる人の割合に大きな地域差があることが6日、厚生労働省が公表した全市区町村別の集計で分かった。人口20万人以上の都市で8・0~22・9%と差は約3倍。人口5万人以上20万人未満の中規模自治体では5倍近い開きがあった。

 岡山県内27市町村の割合は6・9~27・8%、うち15の市だけで比べても最大2倍超の開きがあり、人口規模が異なるとはいえ、地域差は鮮明だ。「在宅死」を巡っては県民の6割以上が終末期の自宅療養を望んでいることが2014年の県調査で判明しており、行政には在宅を支える医療・介護サービスの偏在を解消する積極的な取り組みが求められる

 15市のうち最低だったのは7・4%の高梁市。県によると、市内には診療所が36施設あるものの、訪問診療を手掛けるのは11施設、24時間対応は3施設にとどまるという。高梁医師会長の仲田永造医師(68)は「この地域は人口密度が低い上、道路事情も悪く、訪問サービスは非効率的で浸透しにくい」と打ち明ける。
(略)
 一方、瀬戸内市の割合は16・0%と15市では最も高かった。在宅医療を24時間態勢で支える在宅療養支援診療所が市内に10施設あり、人口規模が同じ新見市(3施設)、備前市(同)と比べて充実していることなどが背景にあるとみられる。瀬戸内市の担当者は「医療、介護の専門職が熱心で、連携して在宅を支えてくれている」と話す。

 政令指定都市の岡山市は12・3%と、全国平均(12・8%)を下回った。同市は15年5月、全国に先駆けて総合相談窓口「地域ケア総合推進センター」を開所するなど在宅支援を積極的に進めてきたが「基幹病院や救急医療体制が充実している市の特性が影響しているのでは」(同市)と分析する。

 県全体でみると、在宅死の割合が最も高かったのは新庄村(27・8%)、最低は和気町(6・9%)で約4倍の開きがあった。ただ、岡山大大学院の土居弘幸教授(疫学・衛生学)は「人口が少ない町村を交えた単純比較は難しく、各自治体はデータを一つの指標とし、年ごとの推移から在宅医療の進展状況を推し測るべきだ」と指摘する。

 県平均は11・1%。県は17年度末までに13%に引き上げる目標を掲げており、医療推進課の則安俊昭課長は「在宅死の割合は地域の医療体制や住民意識に大きく左右される。希望する人の願いがかなうよう、各市町村の取り組みを一層支援していきたい」としている。

小さな自治体ほど地元の医療関係者の熱意ぶりによって数字が大きく変動するだろうとは容易に想像出来るところなのですが、実際にこれだけ大きな地域差があると言うことに加えて、興味深いのは国や自治体として在宅看取りの割合を引き上げていこうと言う方針であることで、背景として医療リソースの限界も挙げられている点に留意ください。
こうした国や自治体の前向きな態度の根拠として自宅で死にたいと考えている方々が多いと言う調査結果が挙げられていますが、この種の調査に関しては過去に何度も行われているものの当事者としては看取る家族に迷惑をかけることを最も心配している一方で、家族の方では自宅で看取りたいとはさほどに考えておらず病院や施設でと言う希望が強いと言う興味深い結果が出ていますが、その背景にあるのはやはり自宅で入院ほどの医学的サポートが得られるかと言う懸念でしょう。
もともと昨今ではかつてと違い葬儀なども自宅で行うと言うことはほとんどなくなってきていて、全体のわずか数%だけが自宅で葬儀をされていると言うことを考えても、一日で終わる葬儀ですら大変なのにいつ終わるとも知れない自宅介護を実際に行える家庭がどれほどいるものなのか、それを行った場合またぞろ介護離職など様々な問題が続発するのではないかと気になるところですよね。

いずれにしても記事にもある通り在宅看取りを増やしたいと言うのであれば、まずは地域内でどれほど在宅医療を受けられるものなのか、それによって家族負担がどれほど軽減されるのかと言うことが問題になってきますが、当然ながら自治体主体で策定される例の地域医療計画において医療リソースのどれほどの部分をこうした領域に振り向けるかと言うことが自治体の本気度の表れとして問われてくる理屈です。
ただ国としては在宅医療を推進したいと言うのは当然ながら医療、介護コストの公的負担軽減と言う観点からも理解出来る話であり、厚労省においても在宅医療推進を重点分野として取り急ぎ課題を検討していくと言いますから大変なものですが、当の厚労省自身が言っているように在宅医療推進が国民にとってどんなメリットがあるのかと言う点は今までほとんど示されてきませんでした。
もちろん当事者が希望しているだとか、医療費への公的支出が減れば回り回って税負担も安くなる可能性がある等々とは言えることですが、直接的に見れば誰か家族がつきっきりで世話をしなければならない以上、そうした世話に従事できる家族がいて外で労働せずとも家計的に問題がないと言う、言わばかなり恵まれた家庭以外では負担感を上回るほどの利点が示せるかどうかですね。
一方で医療の側から見ればこれは病院と言うよりも開業医の仕事として今後大きな部分を占める可能性もある領域で、その意味では日医なども無関心ではいられない領域のはずなのですが、開業医が診療所内と自宅とを問わず地域住民の日常のフォローアップを全て請け負うと言うスタイルが構築出来るのであれば、単なる小さな病院ではない開業医独自のポジションを確保出来ることになるでしょうね。

| | コメント (6) | トラックバック (0)

2016年7月10日 (日)

今日のぐり:「麺屋はやたろう 倉敷店」

クマ被害が目立つ今年、幾ら何でもそれはいささかどうよ?と話題になっていた対処法が意外な結末を迎えたと報じられていました。

“子グマ”、実は子ダヌキだった…/青森・南部町(2016年6月27日Web東奥)

 子グマと思ったら、実は子ダヌキ-。青森県南部町で16日発見され、“子グマ”として一時的に保護されていた幼獣2頭について、町農林課は27日、クマではなくタヌキの子どもと分かったと発表した。同課によると、2頭は発見者の男性が預かっており、健康状態に問題はなく、時期をみて山に放すという。
 2頭の幼獣は16日午前、同町下名久井の会社敷地内で発見された。これを子グマだと思った同課は“親グマ”を誘い出すため、同社敷地内に捕獲用おりを設置し、2頭を入れていた。だが、動物愛護の観点から翌17日、一時的に保護することにし、発見男性宅に預けていた。
 同課は20日、引き取り先を探すため、日本動物園水族館協会に照会。同協会がホームページに幼獣の画像を掲載したところ、ある動物園から「クマではなく、タヌキではないか」との指摘が、同課に寄せられた。2頭の健康状態を確認した獣医からも同日、同様の指摘があったという。
 その後、青森県が森林総合研究所東北支所(盛岡市)に鑑定を依頼したところ、「クマ」ではなく「タヌキ」と判明。27日、県から同課に連絡があった。
 同課の東野成人課長は「この件では全国から多くの意見、助言があった。多くの方にご心配をかけ申し訳ない」と話した。
 県自然保護課の担当者は「クマとタヌキの幼獣は区別しづらく、専門家以外は見分けがつきづらいようだ」と述べた。

写真を見る限りでは確かにクマっぽくも見えるのですが、しかしクマにしてはサイズ感が違いすぎるようにも思うのですけれどもね。
本日は様々な意味で危ういところを出した子ダヌキ達を祝って、世界中からちょっと微妙な感じのする勘違いのニュースを紹介してみましょう。

食中毒 間違ってスイセンの根食べた 長野で児童ら11人(2016年5月7日毎日新聞)

 長野県は7日、同県伊那市の市立小学校で、児童10人と女性教諭1人が山菜のノビルと間違って、有毒植物のスイセンの根を食べ、嘔吐(おうと)するなどの食中毒を訴えたと発表した。全員、症状は軽く快方に向かっている。

 県などによると、児童が6日午前の休み時間、校庭で採取。担任の女性教諭が給食時間に調理実習室の電子レンジで加熱し、みそを付けて食べたという。

 ノビルはネギ属の多年草。スイセンと似ており、校庭に混在して生えていた。女性教諭と児童らは昨春、校庭のノビルを採って食べたことがあったという。【

写真を見てもこれだけ似たものが混在して生えていると言うのは危ない状況なのですが、しかし長野の給食では校庭の野草をむしって食べるものなのですかね。
急いでいる時ほどやってはいけない間違いをやらかすことはままあることですが、こちらうっかりとんでもない間違いをやらかしてしまったお店のニュースです。

洗剤で揚げたドーナツ販売、宮城県仙台市「アフタヌーンティー・ティールーム エスパル仙台店」で洗剤5リットル混入(2016年6月17日林檎舎ニュース)

6月15日、宮城県仙台市「エスパル仙台(S-PAL仙台)」の地下にある「アフタヌーンティー・ティールーム エスパル仙台店」で18リットルの油が入る調理器具(フライヤー)に洗剤が混入したまま揚げたドーナツなどを販売していたことが明らかになりました。洗剤が混入した油で揚げ、販売した商品は4種22個だという。
洗剤が混入したのは、エスパル仙台店の地下1階にある「アフタヌーンティー・ティールーム」で製造・販売されたドーナツなどの揚げパン、4種類22個。

仙台市の保健所によると、6月15日の開店前にパンを揚げる調理器具、フライヤーの近くにあった洗剤5リットルを油と間違えて継ぎ足した状態でドーナツやパンを製造・販売。これまでに10人が舌のしびれなどを訴え、1人が通院中とのことですが、いずれも軽症です。

保健所の発表では、店を17日まで営業停止処分としたものの、未回収分があるとして注意を呼びかけている。

そもそも間違えるような容器に入っているものを間違えるような場所に置いておくべきではないのでしょうが、しかし洗剤で揚げた場合ドーナツがどうなるのでしょうね。
海外からのニュースでこちらも時折見かける類の話なのですが、あまりに悲劇的と言うしかない話ですよね。

カナダ人女性 ナビゲーターを信じて湖に突っ込む(2016年05月15日スプートニク)

カナダ東部オンタリオ州に住む23歳の女性が、自動車に搭載されたGPSナビゲーターの指示通りに走行し、自動車で湖に突っ込んだ。ABCニュースが伝えた。

事故が起こったのは12日深夜。女性は視界不良の状況の中、必要な場所で曲がらなかったため、知らない場所に到着した。女性はナビゲーターの指示に従って走ったところ、ヒューロン湖のジョージアン湾に乗り入れたという。女性はトヨタ・ヤリス(日本名:ヴィッツ)」のモーターが止まる前に窓を開けることに成功し、沈む車から脱出した。

女性は、冷たい水の中を岸まで約30メートル泳ぎ、その後、救助隊を呼ぶために近くのホテルまで歩いた。なお女性の健康状態に問題はないという。

何故このような事故が起こるものなのか、防止策なりとないものかですが、しかし海外のナビは道なき道を誘導する仕様にでもなっているのでしょうか。
こちらどちらかと言えば意図的に行われたと言うべき勘違いの例ですが、まずはニュースを取り上げてみましょう。

「国民は裸で仕事を」=大統領が珍命令?―ベラルーシ(2016年6月25日時事通信)

「国民は裸で仕事をしなさい」。

欧州最後の独裁者とも呼ばれるベラルーシのルカシェンコ大統領が議会で演説した際、労働者に服を脱ぐよう奨励したと聞き間違えられる珍事があった。若者らはジョークとして大統領の「命令」を忠実に守り、男女問わずオフィスなどで裸で働く様子を「自撮り」し、写真投稿サイトに次々と掲載している。

大統領は22日の演説で「国民は発展し、勤労しなければならない」と労働者の心構えを訴えた。ただ、ロシア語では「発展」と「脱衣」は発音が近く、聞き間違いが発生。写真投稿サイトには24日までの3日間で約500枚の写真が寄せられた。 

今の時代らしいニュースであるとも言えますが、しかしこうしたことが出来る程度の自由はあると言うことなのでしょうかね。
最後に取り上げるのはちょっともの悲しいニュースでもあるのですが、まずはこちらの記事から紹介してみましょう。

3歳の少女が便座の上に立つ悲しき理由(2016年6月22日GQ JAPAN)

3歳の娘が便座の上に立つ1枚の写真。面白がった母は写真を撮って夫に送ったりもした。しかし、便座に立つ理由を娘から聞いた母は戦慄した。

子どもはいつも、大人には予想もつかない行動に出るものだ。
ミシガン州トラヴァースシティに住む、育児グッズ販売会社「Silikids」の創業者 兼 CEO、ステイシー・ワーマン・フィーリーさんも、3歳になる娘がトイレの便座の上に立ってじっとしている様子を見て、最初はおもしろがっていた。かわいいイタズラだと思い、写真を撮って夫に送りもした。
しかし、便座の上に立つ理由を娘から聞いたワーマンさんは戦慄することになる。

少女の通っている幼稚園では「ロックダウンドリル」と言われる侵入者対策訓練が行われていた。犯人から逃れ、トイレに隠れた時に何をするべきか。
「下から覗かれたときに見つからないように便座の上に立ち、息を潜めてじっとしていなさい」
そう教えられた少女は、自宅で便座に立って復習していたのだ。

フィーリーさんはFacebookで便座の上に立つ娘の写真と共に、政治家に向けてメッセージを発信した。
「政治家の皆さん、ご覧ください。これはあなたの子どもであり、孫であり、ひ孫であり、将来生まれてくるすべての子どもの姿です。この子たちはあなたたちの決定によって成り立つ社会で生きていくのです。銃規制が犯罪を100%抑止できるとは誰も思っていません。しかし、もしかしたら1%か2%、ひょっとしたら50%くらいは防げるかもしれません。やってみない限り、これは誰にもわかりません」
「なぜ(銃を購入する際に)身元調査をしないのですか。銃登録のデータベースはどこにあるのですが。なぜ大容量マガジンが軍隊だけではなく、一般への販売も許可されているのですが。本当にそれは身を守ったり、狩猟をしたりするために必要なのでしょうか」
(略)

写真を見る限りでは何とも珍妙とも滑稽とも言えるこの光景にそんな意味があったのかですが、しかしアメリカの幼稚園も大変ですね。
米国社会の問題は外部の人間がどうこうと口を出すべきことでもありませんが、これが勘違いや冗談で済まない現実が確かにあると言うことなのでしょう。

今日のぐり:「麺屋はやたろう 倉敷店」

倉敷市街地中心部を少し外れた辺りに位置するこちらのお店、何でももともとは長野から浜松に出たお店だそうで、店名は長野と静岡にまたがる「早太郎伝説」が由来らしいですね。
浜松と言えば餃子が有名でこちらでも数を選んで注文できると言うのは助かりますが、さてそれでは浜松のラーメンとはどんなものなのか?と興味がそそられます。

今回はおすすめだと言う黒旨ラーメンを頼んで見ましたが、濃いめの豚骨スープに焦がしニンニク、使っているのは普通の中細麺と熊本あたりを連想させるようなラーメンですよね。
このスープは油の層が大変に分厚く飲み方にもこつがいりそうですが、油の下にあるスープはわりとすっきりしたいい味で、全体としてもなかなかうまいと思います。
餃子もそれなりに期待して頼んでみたのですがこちらは特に可もなく不可もなく、しかし浜松風と言えばやはりもっと数を頼まなければ楽しくないものですね。
こちらのソースカツ丼はどんなものか一度試して見たいですが、出てきたお茶の風味がちょっと強いのが個人的にはちょっと舌に残りすぎる気がしましたが、まあこのラーメンは油が強いですからね。

まだ新しいお店なのでしょうか、小綺麗なのはいいですがフロアの仕事ぶりは慣れてなさそうなところもある一方、厨房の仕事はしっかりしていてラーメン屋と言うよりも普通の飲食店っぽい雰囲気ですね。
しかし今やこの種のデザインのお店はありふれていて看板を見ないことにはどのお店なのか区別がつかないのですが、ラーメン店も入れ替わりが激しいだけにあまり独創的なものも難しいのでしょうね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年7月 9日 (土)

テレビ批判が相次ぐ時代

最近目につく記事として、こういう内容のものがあります。

TBS、不適切な演出で謝罪 出演者無断カット「行き過ぎた編集がありました」(2016年7月5日オリコン)

 TBSは5日、6月19日放送の同局系バラエティー番組『珍種目No.1は誰だ!?ピラミッド・ダービー』に出演した顔相鑑定士・池袋絵意知氏をCGにより消すなど不適切な演出をしたことについて、番組公式サイトとツイッターを通じて本人および視聴者に謝罪した。

 同番組は「さまざまなジャンルの一流のプロたちが番組の用意した一風変わったルールの珍種目で対決!」という趣旨でレースを展開を予想する番組。

 池袋氏が出演したのは登場する双子が入れ替わっているかを見極める「双子見極めダービー」というコーナーで、池袋氏が最終問題まで回答したのにも関わらず、オンエア上では「脱落」、最終的にメンタリストのDaiGoが優勝を飾ったと放送され、これに池袋氏もブログなどを通じて抗議していた。

 この日、番組公式サイトでは「6月19日放送の『双子見極めダービー』の中で、出演者の方からご指摘頂いた収録の順番や、ルール変更の経緯は、演出の一環のつもりでしたが、事前に説明や了解を得ることなく画像を加工し、行き過ぎた編集がありました」と説明。「池袋絵意知氏、および視聴者の皆さまに深くお詫びいたします」と記した。

あの芸人が被害者に!TBS「他人の尿を飲ませる」イタズラ番組に視聴者ドン引き(2016年6月30日アサ芸プラス)

 6月29日、バラエティ番組「見切り発車バラエティ アガる↑テレビ欄!」(TBS系)が放送された。同番組は、出演者が企画を考えてから、VTRを制作するという実験的な内容だったという。
「この番組は、思わず見たくなるテレビ欄の内容を芸能人が考えるという番組です。そこで採用された内容は後日、実際にスタッフがロケを行い、VTRが制作されます。今回、発案者として出川哲朗、劇団ひとり、小島瑠璃子などがアイデアを番組に提供していました」(テレビ誌記者)

 そんな中、“イタズラ”というテーマで企画を考えることになり、まず出川から「人間は尿をかけられたら怒るのか?」という案が出された。その企画を元に出演者らが相談を重ね、最終的に「尿のスイーツを作って食べさせる」というイタズラVTRの制作が決定。
 しかし実際に、そのVTRが流れると、視聴者からはドン引きする声が相次いだという。
「番組では何も知らないバイきんぐ・小峠英二が、尿を使ったレモン色のかき氷や、ところてんを食べる様子を、スタジオの芸能人らが楽しむという内容を放送しました。使われた尿はろ過させていたものの、見知らぬ高齢男性が朝一にした2週間分の尿を使用していたため、視聴者から『本気で気持ち悪い』『頭おかしいだろ、この番組』『普通にドン引きしたんだけど』と、辛辣な意見が飛び交いました」(前出・テレビ誌記者)

 番組では、NASAと同じ技術を使ってろ過させたことで、尿は水道水よりも綺麗な水質になったと説明した。しかし、例えろ過させたとしても、他人の尿を使うのは気持ち悪いと受け取った視聴者が多かったようだ。

ガッツ石松、「めちゃイケ」に大激怒(2016年7月4日NewsCafe)

 6月25日に放送された「めちゃイケ」(フジテレビ系)で「オ・サール高等学校 抜き打ち修学旅行」という企画が行われた。出演者たちはバスの中で猿の格好にさせられ、猿として立派に活動できるかを試す内容だった。
 その企画に出演中のタレント、ガッツ石松が激怒して撮影をキャンセルし、帰ってしまうトラブルがあったという。

 「企画の内容がガッツのプライドを著しく傷つけたのでしょう」と言うのは番組制作会社ディレクター。
 どういうこと?
 「その企画とは…番組序盤にビュッフェレストランで、道具を一切使わずに猿らしく手づかみで食べるという指示だったんです」
 その指示に従った?
 「最初ガッツはどうにか我慢していました。レストランの隅でバナナを12本食べていたんですが、ついに堪忍袋の緒が切れて『いい加減にしてほしい。人を何だと思っているんだ』と怒り、現場でモメたんですよ」
 なぜモメた?
 「ガッツは今回、ここまでプライドを傷つけられるとは想定していませんでした。こんな企画だとも知らされず、マネージャーからは『グルメ旅行みたいなロケで…』と聞かされていたんです。事実を知って激怒したガッツはマネージャーに『こんなくだらない仕事だと知って承諾したのか?』と叱ったんです」
 それは怒っても無理ないでしょう。
 「人が何に対して怒るのかは人それぞれですが、ガッツの場合は手づかみで食事をするのが最もみっともないことだと思っていました」
 テレビマンたちの心が貧しいから、こんなくだらない企画しか立てられないのかな?
 「まったくです。以前この番組は俳優、哀川翔(55)の衣装を汚して激怒させたばかり。今回もまったく懲りてないというか、配慮がなさすぎる。もう『めちゃイケ』は終了していい番組だと思います」
(略)

いずれもごもっともと言う内容の批判記事である一方で、テレビと言えばそんなものだと言えばその通りなのですが、確かに全国放送するにはあまりにどうしようもない話としか言いようが無いもので、これが受けると思っている方々の感性はやはり少し世間とずれてきていると言う気がしないでもありませんが、テレビの演出と言うものは年々過激になる傾向は指摘されていますよね。
一方で実際にはかつての方がストレートに過激な内容のものが多いと言う指摘もあって、今はいっぱしの文化人のような顔をしている某大物コメディアンなども若い頃はさんざん社会的弱者批判だと世間から散々の評判だったものですが、今の時代であれば放送禁止用語だらけでまともなメディアに登場する機会はなかったことでしょう。
また毎週週末8時に放送されていた伝説的とも言える国民的お笑い番組なども今の目線で見ると暴言連発も良いところですし、下手をすると差別的内容だと良識ある方々からクレーム殺到しかねないもので、実際に当時は各方面から子どもの教育上よろしくないとテレビ視聴を制限すべきだと言う意見が堂々と出されていたわけです。
ただそうした暴言の連発も当時市中でそこらのおじさんおばさんが当たり前に交わしていた会話の延長線上に位置するものであり、現代目線でどうかはともかく当時そうした内容をさほどに違和感を感じなかった国民の方が多数派だったとも言えますから、そうしますと昨今「公開いじめだ」などと批判を浴びることの多いテレビ番組のあり方も現代の世相を反映しているとも言えるのでしょうか。

いずれにしても注目いただきたいのはこうしたマスコミ批判のニュースが今や決して珍しくないと言う点で、一般的に既存マスメディアとは対立的な文脈で語られることの多いネットメディアなどがこうした記事を取り上げることは理解出来るのですが、既存メディアの中からも同様の批判記事が珍しくないと言う辺りが何を意味しているのかですよね。
メディアも客商売で見られてナンボな世界であるだけに、この種の記事が多く出ると言うことはこの種の記事を望んでいる市民が増えていると言うことの反映だと言う推測も成り立ちそうなんですが、確かに今現在最も熱心にテレビを見ているのはこの種の粗探しのネタを探している人々と老人くらいで、ネットに流れた若い世代のテレビ離れが叫ばれて久しいと言います。
内容の陳腐化や低俗化と言った問題はこの際横に置くとしても、やはりネットで能動的に求めるものを手に入れる事に慣れた世代にとってはテレビの前にじっと座って画面を眺めるだけと言うのは物足りないのでしょうし、10分置きに「大事なことはCMのあとで」攻撃に耐えるくらいならチャンネルをかえるかスマホやタブレットに向かいたくなるのは当然かも知れませんね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年7月 8日 (金)

悪そうなものはやはり悪かったらしいと言う話

意外なと言うべきか当然と言うべきか、先日こんな警告が厚労省から出ていました。

厚労省が在宅酸素療法の火気取り扱いで注意喚起(2016年7月5日日経メディカル)

 厚生労働省は7月1日、在宅酸素療法として酸素濃縮装置などを使用している患者が、喫煙などが原因と考えられる火災により死亡するなどの事故が繰り返し発生しているとして、在宅酸素療法における火気の取り扱いについて注意喚起した。
 この問題に関しては、2010年1月に「在宅酸素療法における火気の取扱いについて(注意喚起及び周知依頼)」(医政総発0115第1号・医政指発0115第1号・薬食安発0115第1号)という通知が出されているが、その後も事故が繰り返し発生していることから、今回改めて注意喚起が行われた。
 日本産業・医療ガス協会医療ガス部門まとめによると、2016年6月末時点で重篤な健康被害事例は2003年12月から16年4月までに61件。火災事故原因別では喫煙43%、漏電8%などとなっている。

 厚労省は、在宅酸素療法を受けている患者やその家族が注意すべき項目として以下の3点を挙げている。
1)高濃度の酸素を吸入中に、たばこなどの火気を近づけるとチューブや衣服などに引火し、重度のやけどや住宅の火災の原因となる。
2)酸素濃縮装置などの使用中は、装置の周囲2m以内には、火気を置かない。特に酸素吸入中には、たばこを絶対に吸わないようにする。
3)火気の取扱いに注意し、取扱説明書通りに正しく使用すれば、酸素が原因でチューブや衣服などが燃えたり、火災になったりすることはないので、過度に恐れる必要はない。医師の指示通りに酸素を吸入する。

酸素を使っていれば火気厳禁と言うことは初歩的な科学的知識があれば理解出来ることですが、実際にはどの程度燃えやすくなるかと言う実感がなかなか湧かないと言う方も少なくないはずで、業者さんも動画等で啓発はしているそうなのですが、しかし火災原因の約半数が本来この種の病気を持つ患者が決して吸ってはならないはずの喫煙が原因と言うのが何とも言いがたいところですよね。
慢性呼吸器疾患は喫煙で発症したり悪化したりと言うことがある病気ですが、残念なことに死んでも良いからタバコだけは絶対やめないと言う人は結構いますから、こうした事態に備えて周囲への延焼阻止策や焼けた後の始末の付け方などきちんと事前準備だけはくれぐれも調えておいていただければと思います。
この種の因果関係がはっきりしているものは誰にとっても判りやすくていいのですが、医学の世界では結局それがいいのか悪いのかが時代によってコロコロ変わると言う厄介な現象もままあるもので、先日出ていたこんなニュースなどもさしずめそんな事例の一つと言えるのでしょうか。

学者、街灯が健康にどんな害をもたらすか語る(2016年6月26日スプートニク)

米国医師会(AMA)は、LED街路灯が人体の健康に与える影響を分析した報告書を出した。

緑と青色のスペクトルの放射光は危険だと協会のサイトに掲載された報告書にある。さらに、青色の光は人の目にしばしば白色だと受容される。
青色のスペクトルを多く含む照明は、夜間に通り過ぎる運転手の視力を下げる可能性がある。さらに、同様の街灯はホルモン「メラトニン」の生産を妨げ、人間の疲労感を高め、労働効率に害を与える可能性がある。

同様の恐れはLED照明のある部屋でも存在する。学者はこう書いている。
「深夜の住居での明るい照明は睡眠時間の短縮と睡眠の質への不満、極度の眠気、昼間の身体機能の乱れ、肥満を引き起こす」

LED照明の否定的な影響を避けるための注意事項として、ランプや電球の光度を下げ、青色スペクトル光を発しないタイプの照明を使用することが推奨されている。

この記事を見ると青色街灯は危険で有り健康に良くないと言うことを指摘しているようにしか見えないもので、青色スペクトル自体を出さない照明器具を使いましょうと言われればなるほど昨今話題のブルーライトか、あれはカットしないと目に悪そうだなどと納得はしそうになるのですが、モニター注視による疲労感の原因は別に青色光だけがその理由と言うわけでもないそうですね。
それはともかく青色の街灯と聞いて誰しも思い出すのが、かれこれ10年ほども前にイギリスでは青色街灯で街の犯罪を抑制している!などと言う話が突然ブームになったことがあり、日本全国で街灯を青色に変える動きが拡がったと言う事件がありましたが、あれも後に単なるガセネタだったことが判明して各地の自治体は無駄な出費に頭を抱えたことでしょう。
ちなみに古来青色など寒色系は心理的に不安感を与える色合いだと言いますが、青色街灯の導入によって何となくその界隈にいることがキモチワルイと感じる人が増え、犯罪者やその予備軍なども立ち去った結果犯罪が減ると言う効果も期待出来るとか出来ないとか言う説もあるそうで、これまた自治体の投じた予算が後々になってやはり無駄ではなかったと再判明する日が来るかも知れませんよね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年7月 7日 (木)

東京都民は圧倒的に乳癌のリスクが高かった?

先日何とはなしに不思議な感じのするこんな記事が出ていたのを御覧になったでしょうか。

乳がんは東京で突出、肝臓がんは西日本に偏在…発症に地域差(2016年6月30日読売新聞)

 がんを発症する危険性は居住する都道府県により差があることが29日、国立がん研究センターが発表した2012年のがん患者の推計値でわかった。

 乳がんの発症は東京で突出して高く、肝臓がんは西日本に偏っていた。全都道府県でがん登録のデータがそろい、地域ごとの全容が明らかになったのは初めて。

 推計値によると、12年に新たにがんと診断されたのは約86万5000人。集計結果から年齢などを調整し、発症の危険性を全国平均を100として都道府県ごとに算出した。

 がん全体では、男性は北海道、東北、山陰、九州北部で発症が多く、女性は東京、大阪、福岡など都市圏で目立った。

 がんの種類別でみると、乳がんは東京で133と際だっていた。愛媛、福岡、三重、長野、広島が110台と高かった

 肝臓がんは、近畿以西で120~160と高い府県が多かった。胃がんは東北地方や日本海側、大腸がんは北海道や東北、中部地方で危険性が高かった。

 松田智大・同センター全国がん登録室長は「生活習慣や環境の違い、がんの原因となる細菌やウイルス感染者の分布などが、地域差の要因と考えられる」と話している。

 同センターは、がん発症状況をすでに集計していた道府県については03年分から推計値を公表してきた。東京や埼玉などが今回から参加し、初めて47都道府県のデータがそろった。

疾患毎の地域差があると言うことは昔から知られていることで、例えばある種の血液疾患の原因となる成人T細胞白血病ウイルスの罹患率などは地域によって大きな違いがあり、当然ながら発症率にも差があると言う結果につながるわけで、同じくウイルス性肝炎から発症することが多い肝癌なども地域差があると言うことは知られているところですよね。
ただ今回何故乳癌が東京で際立って多いのか?と言うことが素人ながら気になったのですが、とりあえず容易に考えつくのは東京では乳癌検診などに力を入れていて単純に検診受診者も多いからこそ拾い上げが多いのだろうと言うことなのですが、興味深いことに人口当たりの乳癌検診受診者数で見ると東京は全国でも最下位と言う不名誉な記録を誇っていると言うことです。
ちなみに上位の県で見ますと三重県は例外的に全国トップクラスの受診率を誇るものの、他の愛媛、長野、広島などは平均並みかどちらかと言えば受診率の低い県であるようで、必ずしも大勢の検診受診者がいるから患者が多く見つかると言うわけでもないようです。

健康診断などは数字で出る結果についてはおおよそ全国的に統一された基準治での判定が可能でしょうが、乳癌検診の場合は通常レントゲン(マンモグラフィ)と視触診の併用で行われていて、いずれもかなり主観が入る診断法とは言えますから、地域によってどこからを精密検査に回すかと言う線引きが異なっていると言う可能性もあるのでしょうか。
もちろん肝癌などと同様に乳癌においても危険因子に地域性が大きいのだと考えることも出来るのでしょうが、乳癌発症に強く関わる危険因子として挙げられるのが飲酒や肥満、出産や授乳経験の有無などだと言い、確かに東京などは結婚年齢も高くなりそうな印象がありますが、それなら他の都市圏でも高くなりそうなものですよね。
何かしらこの辺りに明確な原因が隠されていることが判れば対策も講じられると言うものですが、環境要因による発癌として以前に印刷所従業員に胆管癌が次々と発生して問題化したようなケースもあって、東京に特異的な乳癌の要因として何かがあるのだとすれば興味深いものである可能性もあり、専門家による検討を待ちたいところです。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2016年7月 6日 (水)

医療を断固拒否したいと言う方々、絶讚増加中?

先日こういう記事が出ていたのを御覧になったでしょうか。

学会声明撤回求める 子宮頸がんで薬害監視団体(2016年7月4日共同通信)

 医薬品問題に取り組む民間団体「薬害オンブズパースン会議」は4日、子宮頸(けい)がんワクチンの接種を呼び掛けた日本小児科学会など17団体の声明について「科学的に不正確な記載がある」と批判し、撤回を求めた。

 17団体は4月、ワクチンの有効性は明らかで、健康被害に遭った人への診療体制の整備や救済が始まったとして、接種を推奨するとの見解を示した。

 会議は、17団体の声明について、ワクチンの副作用の発生頻度を過小評価しており「安全性に誤解を与える」と指摘。診療体制も整備されておらず「副作用のリスクを冒してまで接種するだけの有効性や必要性はない」と訴えた。

 接種後に全身の痛みなどの症状が出た千葉県白井市の園田絵里菜(そのだ・えりな)さん(19)が厚生労働省で記者会見し「地元の病院では医療は受けられない。診療体制が整ったとはとても言えない」と話した。

まあこういったものはリスクをどう評価するかで見解も分かれるところですから、話を聞いて妥当だと考えた希望者の方のみ接種されればいいのだろうと思うのですが、世界的には接種が推進されている中で日本だけが異質な状況に置かれている事情が先日も某人気漫画で取り上げられていて、時折報じられる麻疹ワクチン未接種問題などと同様何故そうなったのかということを考えると興味深いですよね。
ちなみにこの異質であるという状況には日本の婦人科癌検診受診率が非常に低いということも含まれていて、予防接種をしないならしないできちんと定期検診を受けるということであれば別に何ら問題ない話なのですが、両者共に欠いた状態で癌になってしまう方々が毎年決して少なくないということも問題ではあるでしょう。
ともかくもこうした問題の背景には医療不信という問題があることもまた否定出来ないことで、恐らく現代日本の臨床医の方々の中には「そんなに医療不信なら別に病院来なくてもよくね?」と突き放してかかっている多忙な先生方も増えてきているのではないかと思うのですが、一方で医療不信を放置するとかえって多忙を極めてしまうということもあるようです。

「薬は飲むな」男性誌キャンペーンで診療不信の患者殺到、病院がパニックに…(2016年7月4日週プレNEWS)

今、あちこちの病院の診察室でパニックが起きている。オジサマたちの愛読誌が、メジャーな薬を片っ端から「飲んだら副作用で死ぬ」と書き立てたからだ。

きっかけは、『週刊現代』が5月30日売り号に掲載した大特集だった。『ダマされるな! 医者に出されても飲み続けてはいけない薬』という特集でメジャーな薬49種の副作用を解説。さらには「飲んでも効かない」「寿命は延びない」などと訴えたのだ。
この特集は大反響を呼び、その号の売り上げを大幅にアップ。翌週以降も、
『有名な薬でも医者の言いなりに飲み続けるのは危険です!』『その薬、一度飲んだら最後、やめられません』『医者に言われても断ったほうがいい「薬と手術」』
などなど、これまで5号連続で大特集を展開中だ(途中から手術の話題も入ってきた)。
このブームに『週刊ポスト』、さらにはスクープが売りの『週刊文春』まで便乗。「副作用怖いよ祭り」が続いているわけだ。

それ自体は「売れてよかったね」という話なのだが、問題は、その記事を読んだ患者さんたちが、かかりつけの病院で、
「私がもらってる薬、飲んじゃいけない薬だったらしいじゃないですか!」「怖いので薬をやめたい」「飲むと死ぬんでしょ?」「もう飲みません!」「もう病院行きません!
と、医師に訴える場面が激増していることだ。しかも、パニック状態になっているのは記事を読んだ人だけではない。神経内科医の高橋宏和氏(医学博士。松戸神経内科、JCHO東京高輪病院)が、こうため息をつく。
「一番困るのは、雑誌の新聞広告だけ見た患者さんが『この薬、飲んじゃいけないって“新聞に”書いてありました』と言ってくることです。広告なのに『新聞に載っていた』という記憶にすり替わっているんですね」
週プレ読者の若い世代にはピンとこないかもしれないが、団塊世代より上の日本人にとって、新聞は今でも、ものすごくエライのだ。
「だから思わず『せめて記事を読んでくださいよ』と言いかけて、いかん、売り上げに貢献してしまうと(笑)」(高橋医師)

パニックの震源地がオジサマ週刊誌なので当然だが、これらの記事で糾弾されている「危険な薬」は、高コレステロール血症の治療薬だったり、血圧を下げる薬だったりと、高齢の患者さんが長期にわたって服用する性格のものが多い(そして市場としてはものすごく巨大だ)。
しかし、実はこの話、若年世代にも無縁ではない。オジサマたちの「医療不信」が広まっていけば、若者の中にも「病院は信用できない」と考える人が増えても不思議ではないからだ。
このような「薬は飲むな」キャンペーンが続けば、本当に患者のためを思って薬を出している医者まで疑われかねず、その影響は患者本人の健康に及ぶ。
(略)

これまた結局は自分の体のことなのですから、自動車を買うのにオプションの安全装備をつけるかどうかが個人の判断に委ねられているのと同様、リスクも承知の上で自己責任で薬を飲まないのであれば何も問題ないと思うのですが、「何故オレにオプションの自動ブレーキをすすめなかった!」とディーラーに怒鳴り込む顧客はいなくとも、「何故ワタシにあの治療をすすめなかったの!」と怒鳴り込んでくる患者は珍しくないわけです。
この背景には患者は医者の言うことを黙って聞いていればいいのだ式の医療をやってきた諸先輩医師方の長年の努力による部分もあるのでしょうが、実際問題としてしばしば裁判沙汰になることもあり、またきちんと説明をし患者自身が拒否したとカルテ記載しても説明不足だった、もっと説得すべきだったなどと言われ損害賠償を命じられかねないのですから、この種の患者とはなるべく関わりたくないと言うのも医師の本音なのかも知れません。
アメリカなどでは文化的背景もあるのでしょうが治療は患者が自己責任で決めると言うことが徹底されていて、有名な某コンピューター企業のカリスマ的創業者なども堂々と我が道を行ったことが報じられ一時話題になりましたが、日本ではこうしたことは患者にしろ医師にしろなかなか受け入れられがたく、先日亡くなった有名女優の治療経緯などもかなり議論を呼んだものですよね。
患者にもそれぞれに考え方があってのことでしょうし、客観的にどれほどお得と思える治療法でも別に必ず受けなければならないと言うわけでもありませんから、やりたくないと言うことであれば堂々と担当医にも伝えてお断りすることに躊躇する必要はないと思いますが、輸血拒否で知られる某宗教団体の方々などはこうした場合に備えて文書まで用意されていて、それでもしばしば後でトラブルになると言うことは双方とも教訓とすべき話かと思います。

| | コメント (8) | トラックバック (0)

2016年7月 5日 (火)

日医、権力拡大の野望を隠さず

日本医師会(日医)と言う組織は時々面白いことを言い出す癖があるようですが、先日はさすがにちょっと笑えないと言うこんなことを言い出したそうです。

「保険医は医師会員であるという方向に」、日医組織強化策(2016年6月29日医療維新)

 6月26日の第138回日本医師会臨時代議員会で、横倉義武会長は日医の組織強化のため「保険診療をするには医師会員であるという方向性に持っていきたい」とし、保険医講習会に医師会研修に充てていくよう厚生労働省と議論を進めていると説明した。

 石川県代議員の上田博氏は、医師会のさらなる組織強化の方策について質問。2014年度は医師数31万1205人に対し、日医会員数は16万6121人で、組織率は53.4%、勤務医では38.6%(2012年)に留まると指摘した。2010年度以降、日医のA1会員(病院・診療所の開設者、管理者及びそれに準ずる会員、年会費12万6000円)は年間8000人超が「卒業する」状況にあり、「近い将来、日医の組織率は過半数を割り込み、医師を代表する唯一無二の団体とは言い難い危機的状況すら危慎される」との危機感を示した。

 横倉会長は「地域医療を支えるために組織力強化が不可欠であるとの思いから、会務運営の強化を柱に掲げてきた」と説明し、研修医の会費無料化などの取り組みを紹介。また、入退会や異動の際の手続きの簡便化のため、都道府県医師会との相互利用、電子認証センターとの更なる連携に向けて会員情報システムの再構築を進めていると説明した。

 一方で、郡市区等医師会の会員のうち、約2万7000人が日医には未入会であったり、郡市区医師会でも退会者数が新規加入者数を上回っていたりする状況があるという現状を踏まえ、「本来的には全ての郡市区医師会員は都道府県、日医の会員でなければならない。日医まで加入をしてもらうことが組織強化の一歩になると考える」と述べた。

 会場からは「この問題は何回も同じように出てくる。問題の一つは医師会のアイデンティティがはっきりしないこと。地区によっては勤務医が入りにくい雰囲気を作っている。(そういった雰囲気を)やめさせるのか、実際に移す行動を示してほしい」との指摘が出た。横倉会長は「医師会は職能団体であるから全ての医師が所属することが望ましい。地域で同じ医療に携わる医師は顔が見える関係作りが大事」と答えた上で、勤務医の受け皿作りの一環として、保険医の資格と医師会の研修を連動させる枠組みを検討していると説明。これは、「保険医療機関は指定更新時(通常6年)に集団指導を受ける規定になっている。医師会が行う研修会も集団指導と見なし、合わせて保険医の指定更新時にも医師会の研修を受けることを要件にできないかなど、厚生労働省と相談したいと考えている」(日医事務局)という意味だ。
(略)

まあ非民主的組織として知られる日医らしい全体主義的妄想と言うのでしょうか、とうとう目を開けたままで寝言をつぶやき始めたかと受け取るしかなさそうな話なのですが、保険医登録を日医の特権として実質的に入会を強制出来るシステムにするならば、彼らの野望もより一歩の実現に近づくと言うことは確かでしょうね。
記事を見ていても地区医師会の会員ですら日医所属を拒否して逃散していっているというくらいですから、彼らの危機感がかなり差し迫ったものであることは理解出来るところなのですが、全国の医師達が何故自由意志の放棄を強要され日医の傘下にはせ参じなければならないのかという理由は一向に見えてきませんし、彼らとしても別段そんなものを提示する必要性を認めてもいないのでしょう。
いずれにしてもこうしたことを言い出す日医という組織には注意深く視線を注いでいかなければなりませんが、このところ各方面で日医の影響力強化を図っているということなのでしょうか、あちらこちらでその権限を強化し現場医師達に何とか強制力を発揮しようという野望が見え隠れしているようです。

医師偏在解消、「規制」でなく医師会主導で(2016年6月28日医療維新)

 日本医師会会長の横倉義武氏は、6月26日の第138回日医臨時代議員会で、医療制度改革の議論で、「医師の偏在解消のために「規制的」な施策が検討されていることについて、「都道府県知事の強権発動ではなく、プロフェッショナルオートノミーに基づくものでなければならない」などと主張し、医師会の組織力を強化した上で、医師会が主導的に医師の偏在解消に取り組んでいく方針を示した(『「医師不足地域の勤務が院長の要件」、日医』などを参照)。
(略)
 横倉会長は、医師の偏在問題についても説明。地域医療支援センターは、厚労省の「医療従事者の需給に関する検討会」の医師需給分科会の5月末の中間取りまとめで、2015年12月の日医と全国医学部長病院長会議の緊急提言に基づいて、医師のキャリア形成支援の機能が追加されることになった( 『偏在対策「強力」に、「医師の働き方ビジョン」も策定』を参照)。「新たな専門医の仕組みにおける(関係者の)協議の場も、都道府県単位であり、都道府県医師会も主体的な役割を担うことが重要」(横倉会長)。

 さらに、医師需給分科会など、さまざまな場で指摘されることの多い「医師偏在解消のための規制」についても、「都道府県知事の強権発動ではなく、プロフェッショナルオートノミーに基づくものでなければならない。そのためにも医師会の組織力を強化した上で、医師会のコントロールの下で実施されることが大前提」と説明した。医師需給分科会は、今年末に最終取りまとめを行う予定であり、医師偏在対策が主要課題になるとし、横倉会長は、「医師会がプロフェッショナルオートノミーを発揮して、医療提供体制の構築と、医師偏在の解消ができるように制度設計をし、日医から提案していく」との方針を示した。

いわゆる医師偏在問題の解消に関しては従来大学医局が一定の役割を果たしてきたことは否定出来ず、かつては白い巨塔などとその存在を揶揄していた方々も含め昨今大学医局の復権を願う声が高まっていることは興味深い現象ですが、この大学医局による人事システムが稼働していた理由としてはいわば医師と医局との間の御恩と奉公という関係が成立していたところにあったと言えます。
要するに田舎病院でしばらく働くかわりに次は良いところで働かせてやるといった関係ですが、そもそも医局人事で動かない先生方が増えた時代にあっては派遣システムが崩壊するのは当然であり、この時代に医師不足を嘆いている施設といえば医師にとって様々な意味で魅力がない施設だとも言えますから、自らの魅力を高める努力もせず医師を強制配置してもらうというのもどうなのかですよね。
一方で現場医師に対して何らの御恩を施していない日医という組織にどれだけの支配力があるのかですが、この日医による強制的医師配置などという妄想を実現するためには現場医師に対する相応の強制力を持たなければ仕方のないことであり、その強制力を担保するどのような方法論が取り得るのかに注視したいところですよね。
先日は新専門医制度の専門医共通講習として、日医の生涯教育が単位認定されることになったと報じられていましたが、日医としてはこの新専門医制度に日医が強い権力を握るという野望を隠しておらず、日医に所属しその講習を受けることを専門医取得の必須条件にすることを画策しているように思えますが、制度に日医がどの程度関わってくるのかが当面の着目点となりそうです。

| | コメント (3) | トラックバック (0)

2016年7月 4日 (月)

特養が余ってきていると言う噂の出所

療養病床の行方とも絡めて注目されている特養ですが、先日こんな気になる記事が出ていました。

特養、待機者が減少 入居制限影響か 都内など(2016年7月2日朝日新聞)

 全国で入居申込者数が最も多い東京都内の特別養護老人ホームの待機者が減り始めた。昨年4月から特養の入居条件を原則「要介護3以上」とすることが介護保険法の施行規則に明記され、申込者が減ったためとみられる。入居したくても申し込むことすらできない高齢者が増えている可能性がある。

 東京都高齢者福祉施設協議会が1日、都内の特養にアンケートをした結果を明らかにした。今年1~2月に都内の特養の96%にあたる457施設を調べ、242施設(回答率53%)から回答があった。1施設当たりの平均待機者数は2013年11月の360・0人から15年同月には296・3人と17・7%減っていた

 他の地域でも同様の傾向が出ている。朝日新聞が調べたところ、北九州市は15年4月から1年間で約28%、神戸市は14年9月から1年で約27%、横浜市では14年10月~15年5月で約16%減少していた。

 その理由として関係者が指摘するのは、昨年4月の介護保険制度の見直しに伴う入居要件の厳格化だ。神戸市は要介護1、2の申込者を待機者リストから統計上、外したことを明らかにした。協議会の西岡修会長は「表向きの待機者数が減っても入居できない要介護者が増えれば介護離職も増えるのではないか」と懸念を示す。一方、近年は有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅などが急増しており、そうした施設に入居して特養への申し込みをやめたケースもありそうだ。(水戸部六美)

<特養>待機の実態調査へ 待機者急減 整備抑制の可能性も(2016年7月2日毎日新聞)

 52万人とされていた特別養護老人ホームの入所待機者が全国各地で急減している問題で、厚生労働省は特養待機者の実態調査をすることを決めた。要介護1、2の軽度者を除外した結果、待機者が減っている実態を今秋までにまとめる。結果次第では、費用のかかる特養の整備が抑制される可能性もある。

 厚労省高齢者支援課などによると、待機者数や特養ホーム入所の優先度、申込時期、所得の程度などについて、都道府県を通じ全特養ホームを調べる。一部の自治体では既に調査が進んでいる。

 複数の特養に入所を申し込む人もいるため、同一人物かどうかチェックして、希望者の実数に近づける。「優先度」では入所の必要性の度合いや、他の施設での対応が可能かどうかを調べる。国として「優先度が低い」と判断した人数分は特養の整備対象から除外するねらいがある。

 厚労省は、2014年時点の待機者が52.4万人との調査をまとめ、要介護3以上の重度者で在宅の15.3万人を「緊急に入所が必要」と判断した。これに基づき、安倍政権が打ち出した「介護離職ゼロ」で、20年代初頭までに12万人分の施設・在宅サービスを整備するとしている。このうち特養を何人分整備するかは決まっていない。

 高齢者支援課は、「待機者が減ったとはいえゼロになるわけではない。特養は依然、人気が高いとは認識している」とする一方、「大きく減ったとわかれば、それだけ整備するのかという話になるかもしれない」と話し、結果によっては特養の整備を進めない可能性を示唆した。

 介護保険制度の財政難から、厚労省は要介護1、2の軽度者の特養入所を原則認めない方針を昨年4月から実施。待機者減の主因の一つとみられている。

 特養は国と自治体が整備を補助する公的施設で、月6万~8万円での入所も可能。民間主体の有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅は月十数万~二十数万円かかり、低所得者は入れない。実態調査が反映されれば、行き場のない高齢者が増える恐れもある。【斎藤義彦】

それは入所者の条件を厳しくすれば一見して待機者は減ったようにも見えるのでしょうが、要介護の施設入居希望者自体が減ったと言うわけではありませんから、国としてはこれでコストの掛かる特養整備の必要性が減ったのだからと言いたい、そのために条件を厳しくして…といわばマッチポンプとも言えることをやったのだとも解釈できますね。
記事にもある複数施設への重複申し込みなどは確かに相応にあるのですが、そこのチェックにお金をかけるよりは単純に各地の平均入居待ち期間が何ヶ月と言ったデータの方がより現場の実感を反映しているのだろうし、今後の整備計画においても重視されるべき基礎データになりそうなのですが、いずれにしても実態を反映したデータが出た時点でどこにゴールを置くのかです。
介護施設には種類に応じてそれぞれ対応出来る患者の程度と言うものがあり、一方で家族としてはより高度な対応が可能な施設に入れたいと言う願望があるのでしょうが、一方でそうした施設ほどより多くの公費投入を要することを考えると、国としては少しでも安価な施設で済むものならそちらに入ってもらいたいし、入らせるべく制度的な制約も強化したいと言うのが本音でしょう。

病院などでも平均在院日数が厳しく言われるようになった時期からマスコミ諸社が競うように「元通りに治っていないのに追い出された!医療は金勘定だけでいいのか!」式の批判を繰り広げた時期がありましたが、そもそも地域内の医療機関や介護施設をきちんと分類整備して、需要や必要性に応じて計画的に整備しましょうと言うのが今後の大方針となっているわけです。
そうした計画がきちんと思った通りに稼働するためには、お上の定める基準に従って国民が粛々と決められたグレードの施設に移動していくと言うことが必要になる道理ですが、見る限りでは国もマスコミもこうしたことが必要なのだと言うアナウンスはろくにしていないようですし、いざその時になって医療・介護施設からいきなり「これが国策ですから」と言われても国民としては何のことやらかも知れませんね。
もちろん全ての国民がきちんと状態に応じて分類され、適当な施設に分配されるなら最も無駄がないとは机上の計画としてはうまくいくことなのでしょうが、実際には一定程度のゆとりやあそびのないものは大抵うまく機能してくれないもので、「並んだ全ての車輛が全く同じように動き出すなら渋滞など発生しない」式の話に終わらないことを願うばかりです。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2016年7月 3日 (日)

今日のぐり:「東珍康(とんちんかん)」

人工知能やロボット技術の発展が注目される時代ですが、一方でこんな警鐘を鳴らす人もいるようです。

学者らが警告、青少年の初セックス相手がロボットになる恐れ(2016年06月11日スプートニク)

研究者らは将来、セックス用ロボットが登場し、人間どうしの正常な関係を阻害すると警告を発している。英国シェーフィールド大学のロボット技術の専門家らは将来、10代の青少年らがまさにロボットを相手に性交渉を開始するようになり、悲惨な結果をもたらすと危惧感を表した。

学者らは、青少年にとって、もしロボットとの性交渉が人生で初めてのものであった場合、その後、ロボットによって対人関係を構築する意思がなくなるおそれがあると指摘する。

日米ではセックスロボットが販売されているが、学者らはこうしたものは将来、異性との不健全な関係を誘発しないよう、16歳以下には販売してはならないとの見方を表している。

まあしかし現代社会において各種のアダルトグッズや成人向けサービスなどの充実ぶりを見る限り、一度こうしたものを体験してしまえば人間相手に戻れなくなる可能性は確かにありそうですよね。
本日は人類の未来に対して改めて注意喚起をする意味で、世界中から性にまつわるそれはいささかどうよ?と思われるニュースを紹介してみましょう。

日本人熟年男性 実の妻を捨て「セックス・ドール」と暮らす(2016年06月29日スプートニク)

長野県出身の熟年男性が、プラスチック製の所謂「セックス・ドール」と住み始めた。この男性には、実の妻と二人の子供がある。新聞Daily Mailが報じた。

ナカジマ・センジ氏(Senji Nakajima)(61)は、人形を「さおり」と名付け、東京の自室で「彼女」と一緒に暮らしている。彼は、諸般の事情により、約6年前に長野を出、一人暮らしとなったが、「人形」との同棲生活を決意した。最初彼は、人形をセックス処理用としてのみ使っていたが、ある時期が過ぎてからは、情が移り、人間のように「彼女」に魅かれているという。

現在ナカジマ氏は「さおり」さんと共に店に買い物に行ったり、公園で散歩したり、デートに出かけたりしている。彼によれば「彼女」が何の下心もなく自分の隣にいてくれるところが良いとのことだ。

ナカジマ氏は「実の妻は、私の隣にいたいとはもう望んでいない」と語った。なお彼の家族が「さおり」さんをどう考えているのかについては、新聞報道は言及していない。

写真を見る限りすでに冒頭の危惧は現実のものとなっているのかですが、しかしこの場合散歩などはどうやって行くものなのでしょうね。
人間の欲望には限りがありませんが、ある意味でその欲望が身体的限界を超えさせたかと思わせるようなニュースです。

女湯のぞいた疑い元校長を逮捕(2016年6月23日NHK)

中学校の元校長で石川県教育委員会の非常勤職員の男が、白山市の入浴施設で女性の裸をのぞいたとして、県の迷惑行為防止条例違反の疑いで逮捕されました。元校長は容疑を一部否認しているということです。

逮捕されたのは金沢市の2つの中学校で校長を務め、現在は県教育委員会の非常勤職員の山本秀紀容疑者(62)です。警察によりますと、山本容疑者は白山市にある入浴施設の男性用の浴場で隣にある女性用の浴場をのぞこうとジャンプして、隔てている壁の上から50代の女性の裸を見たとして県の迷惑行為防止条例違反の疑いが持たれています。
女性がのぞかれていることに気づいて入浴施設の職員に知らせ、駆け付けた警察が山本容疑者をその場で逮捕したということです。当時、浴場には山本容疑者とこの女性しかいなかったということです。
警察の調べに対して山本容疑者は「女湯がどういうところか知りたくて見た」と話し、女性の裸を見るつもりはなかったという趣旨の供述していて容疑を一部否認しているということです。

警察は、山本容疑者からさらに詳しく事情を聴くことにしています。
県教育委員会は山本容疑者の逮捕について「事実関係を確認した上で厳正に対処したい」と話しています。

まあしかしいい歳をしてこうした行動に出ることが出来ると言うのも大したものですが、しかしその状況を想像すると目撃した周囲の人間も対処に困ったでしょうね。
裁判官と言えば一般的には高い倫理性を期待される仕事だと思いますが、いささかそのファウルラインの角度がずれていたと思われるのがこちらの人物です。

裁判官が半裸画像投稿=ツイッターに、厳重注意―東京高裁(2016年6月27日時事通信)

 ツイッターに半裸の男性など不適切な画像や文章を投稿し、裁判官の品位を傷つけたとして、東京高裁の岡口基一裁判官(50)が今月、同高裁長官から口頭で厳重注意を受けていたことが27日、分かった。

 問題とされた投稿は、2014年4月から今年3月までの3件。縄で縛られた上半身裸の男性の画像や、「これからも、エロエロツイートとか頑張るね」などの書き込みがあった。

 岡口裁判官は1994年の任官で、水戸地裁や大阪高裁を経て昨年4月から現職。厳重注意を受けた今月21日、3件中2件の投稿へのリンクを掲載した上で、「国民の皆様に多大なるご迷惑をおかけしたことを深くおわびする。このようなつぶやきは二度としない」などと投稿した。 

色々と突っ込みどころが多くてどこから突っ込んでよいか迷うような話なのですが、人間の性癖と言うものは多種多様だからとしか…
これまたその気がない人間にとっては何のことやらなのだと思うのですが、今回が再犯だったそうです。

車の下に潜み女性の足首を触る20歳変態男、また逮捕(2016年06月29日テックインサイト)

どうしても女性の足首を触りたい、そのためなら後ろに手が回っても構わない…!? 米ネブラスカ州からとんだ変態男の話題が飛び込んできた。車の下に潜り込んでは女性の足を掴むという方法を、男は幾度も繰り返していたのだ。

このほどネブラスカ州東部のリンカーンという町で、女性に対する痴漢行為および治安紊乱行為につき逮捕されたジェシー・ジョンソンという20歳の男。48歳の女性がディスカウントストア「Aldi」で買い物をし、購入した品を自分の車に詰め込もうとしたところで、いきなり車の下から伸びてきた手に足首を掴まれたという。

女性の大きな悲鳴により逃走するも通報されたジョンソン。近くにある「Kohl’s」の店内で御用となったが、『1011now.com/KOLN News』によれば、ジョンソンは2015年6月からその行為をたびたび繰り返しては罰金刑を食らっており、警察の世話になるのは今回でなんと4度目。今年3月に「ウォルマート」で55歳の女性に対し事件を起こした際には、7日間の服役も経験していたことが報じられている。

保釈後に地元紙『Journal Star』の取材に応じたジョンソンは、「女性の足首を掴むなんて、そんなことはしていませんよ。これはただの癖というか趣味というか、自分でもなぜかわかりませんが車の下に潜んで景色を眺めるのが大好きなんです。カウンセラーとの面会もしてきましたが、お金も続かないし、もうやりませんから」などと語っている。

一方でリンカーン警察のジェリ・ローダー署長は「のぞきの常習犯と同じで、こうした悪癖をどうしても絶てない人間がいます。また、そうしたレベルを卒業してもっと悪いことに手を染める者もいますから、引き続き監視が必要になります」と同紙に語っている。反省の色をみせないジョンソンに前回より長いオツトメを言い渡される可能性はかなり高そうだ。

百歩譲って女性の脚に触りたがるところまではまあいいとしても、ここで問われるべきなのはその方法論かなと言う気もしますでしょうか。
最後に取り上げますのはこれまた多様な愛のあり方を伝えるニュースですが、その希少性はかなりのものであるようです。

「男性×スマホ」前代未聞の結婚式 米ラスベガスのミニ礼拝堂で(2016年06月29日テックインサイト)

「最愛のスマートフォンとやっと夫婦になれた」と笑顔で語る男性が米ロサンゼルスにいた。ラスベガスのミニ礼拝堂でしっかりと結婚式も挙げたことを現地メディアの『ktnv.com』が伝えている。

「僕の愛する妻はこのスマホ。いついかなる時も僕の傍から離れずにいてくれた。」

そう語る男性はアーロン・チェルベナックさん。先月20日、自身の運転でロサンゼルスからはるばるネバダ州のラスベガスの小さなチャペルまで向かい、結婚指輪を取り付けた最愛のスマホに左手薬指を通しながら永遠の愛を誓った。

あるインターネットセキュリティ大手企業の調査によれば、スマホユーザーの4分の1が「スマホの存在は自分にとって両親かそれ以上に重要」と評価しており、眠る直前にしたいのはスマホのチェックであるとの結果を発表していた。生身の人間との対話よりもSNSやメール、音楽や映像の視聴、ネットの話題をチェックする方が楽しいというわけだ。そんな一人であるアーロンさんも「24時間いつも一緒。これだけ重要な関係を長い間続けて来られたのは“この娘”だけ。結婚したい」と決心すると、さっそくラスベガスの礼拝堂に助けを求めた。そこには一風変わった結婚式にも手を貸してくれる礼拝堂がいくつか存在し、最近ではペットと挙式する人も増えているのだ。

その挙式を引き受けてくれたのは、ラスベガス目抜き通りの最北端「ストラトスフィア」ホテルの向かいにある「The Little Vegas Chapel」。経営者のマイケル・ケリー氏は『ktnv.com』の取材に、「命を持たない“物質”と結婚しようというのですよ。最初は何がなにやらさっぱり理解できませんでしたが、話しているうちに“テクノロジーがどれほど人の気持ちに食い込めるものか、よし、一肌脱ごう”という気になりました」と語っている。そのような結婚にネバダ州が婚姻許可書(マリッジライセンス)を発行するわけもないが、アーロンさんは今、やることはやった満足感でいっぱいだそうだ。機種変更の時がきたら、彼はそれを“離婚・再婚”と表現することであろう。

いわゆる性的少数者の権利が擁護される時代ですからこれまた有りなのでしょうが、一種の人工知能的に捉えるならば別にさほどおかしなことでもないのかも知れません。
ちなみに電気製品の寿命は人間よりも短く、スマホ大手の某林檎マーク社では自社製スマホの寿命を3年と想定しているそうですが、永遠の愛を誓い合った二人?が末永くお幸せであることを願うばかりです。

今日のぐり:「東珍康(とんちんかん)」

尾道市街地から北に外れかけた新幹線の新尾道駅近く、幹線道路沿いに位置するこちらのお店、尾道ラーメンの老舗人気店だと言います。
店舗の見た目は確かに老舗ラーメン屋っぽい雰囲気ですが、店内に入って見れば意外と小綺麗で、老舗に良くあるような壁も柱も脂ぎった…と言う感じでもありません。

この日は野菜炒めラーメンを頼んで見たのですが、尾道ラーメンと言えば体に悪影響が懸念されるような濃厚な醤油ダレのお店が多いイメージがありました。
こちらの甘辛濃厚なスープもそれなりに醤油が強めで塩分も多いのでしょうが、スープとのバランスはちゃんと取れていて結構飲めてしまう味ですよね。
麺は備後地方で多い平打ち麺ではなく加水率低めの中細麺でしたが、これもなかなかしゃっきりした茹で加減でスープとも合っていい具合です。
野菜もシャキシャキ熱々のちょうどいい炒め加減なのですが、おまけのように乗っている昔ながらの豚臭いチャーシューだけはちょっと食べるのにきつい感じでした。

尾道風云々を抜きにしても普通に美味いラーメンで、特にこのスープが妙にくせになりそうなんですが、ラーメン以外にもメニューは豊富で色々あるようで、そちらもまた試して見たいですね。
接遇も愛想があるわけでもありませんが、手慣れて全く無駄がなくキビキビした働きぶりが好印象で、特に車や新幹線で尾道に来た際には一度立ち寄る価値があるお店ですね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年7月 2日 (土)

自動運転車による初の死亡事故発生

すでに各方面で大きく報じられていますけれども、このところ実用化が進んできている自動運転車で初めての死亡事故が発生したそうです。

<米国>自動運転で初の死亡事故…テスラ、当局が機能調査(2016年7月1日毎日新聞)

 【ワシントン清水憲司】米道路交通安全局(NHTSA)は30日、米電気自動車メーカー、テスラモーターズの乗用車が自動運転機能作動中に死亡事故を起こしたとして調査を始めたことを明らかにした。自動運転機能の事故時の作動に問題がなかったか調べる。米メディアによると、自動運転機能作動中の初めての死亡事故とみられるという。

 NHTSAによると事故は5月7日、米南部フロリダ州の高速道路で発生した。自動運転機能を作動させて走行中のセダン車「モデルS」の前方に、横切るようにトレーラーが進入。テスラによると、強い日差しのため運転手も自動運転機能もトレーラーを認識できず、ブレーキが作動しないままトレーラーに潜り込む形で衝突。運転していた男性が死亡した。

 テスラの自動運転機能はセンサーなどで周囲を把握し、高速道路で指定通りに車間距離や速度を保って走行する。同社は運転手にハンドルを握るよう求めており、完全な自動運転ではなく操作を支援する。同社は「運転手は完全に車両を制御でき、責任は運転手が負う」としている。日本でも1月、国土交通省の承認を得て自動運転機能用のソフトウエア配信を始めた。

 同社によると、自動運転機能は1億3000万マイル(約2億キロ)の走行実績があり、死亡事故は初めてといい、今回は「非常にまれな状況だった」と指摘。「機能は改善しているが完全ではなく、運転手は常に警戒が求められる」との声明を出した。

 問題が見つかれば調査の段階を上げ、リコール(回収・無償修理)に発展する可能性もあるが、NHTSAは現時点では「欠陥があるともないとも解釈されるべきではない」としている。

米テスラ車 自動運転機能で走行中に初の死亡事故(2016年7月1日NHK)

(略)
アメリカ運輸省によりますと、ことし5月7日、南部のフロリダ州の交差点で、テスラの電気自動車「モデルS」が、前方で左折していた大型トレーラーと衝突する事故が起きました。この時、車は、アクセルやブレーキを自動で調節する自動運転の機能を使って走行していましたが減速せずに衝突し、運転手の男性が死亡しました。
テスラによりますと、当時は日ざしが眩しかったことから自動運転の装置が白い色のトレーラーに反応せず運転手も認識できなかったためブレーキをかけられなかったとしています。
死亡事故を受けて、アメリカ運輸省の道路交通安全局は、自動運転システムの設計や性能に問題がなかったかを検証する予備的な調査を始めることを明らかにしました。
テスラは、アメリカで去年10月から自動運転の機能を提供していますが、これを利用中に起きた死亡事故は初めてだということです。自動車メーカー各社が自動運転の開発にしのぎを削る中で起きた今回の事故は、メーカー側に安全対策を求める議論にも影響を与えそうです。
(略)
テスラモーターズの自動運転の機能を利用中に死亡した男性は生前、この機能によって交通事故を防ぐことができたという動画をインターネット上に投稿していました。
男性がことし4月に動画共有サイト、ユーチューブに投稿した動画では、運転中に左から急に走行車線に割り込んできたトラックをセンサーが感知して自動的にハンドルが右に切られて接触を防ぐ様子が映し出されています。この投稿に対しては、テスラのイーロン・マスクCEOもみずからのツイッター上で、自動運転機能が衝突を防いだ動画だと紹介していました。
テスラは、亡くなった男性について、「彼は革新的な発明や技術の進歩、それにテスラの使命を強く信じていた友であった。残された彼の家族と友人に心からお悔やみを申し上げる」とコメントしています。

お亡くなりになった方のご冥福を祈るばかりですが、ちなみに記事にも掲載されているように男性の公開していた動画を見る限りでは直線道路を走る時などは原則機械任せの手放し状態であったようで、事故当時も同様であったとするならば少なくともメーカーの想定している状況とは異なっていたとは言えるのかも知れません。
事故状況も今ひとつよく判らないところがあって、高速道路を走行中に日本で言う右折車両に突っ込んだと言う状況だったとすると見通しはかなり良かったはずだと思うのですが、いくら日差しが強かったとしても大きなトラックに気づかないほどまぶしかったとすれば普通は目を開けているのにもつらいほどだったでしょうから、そもそもちゃんと前方が見えていたのかどうかです。
いずれにしてもメーカーとしては特殊な状況で発生した事故だと言うことにしたい気配なのですが、日差しの強い日も白い車の存在も別段珍しいものではないだけに、こうしたことで致命的な事故が発生すると言うのであれば正直怖いなと思える一方で、現実として人間も反応出来ていなかったと言う事実をどう解釈するのかですよね。

最も考えやすいシナリオとしては自動運転に任せきりにするあまりに運転手が前を良く見ていなかったと言う可能性ですが、日本で研究が進められている運転サポートシステムなどを見ると運転手の安全をより向上させる手助けと言う方向で技術が進歩している場合が多いですから、自動運転にも同様なことを期待したいと考えるのは自然なことだと思います。
その点で自動運転のイメージ的には非常に大きなダメージだと言えそうですが、実際にこうして重大事故が起こることが証明されてしまった以上、社会としては自動運転車は安全なものではないと言う前提に立って対応する必要があるでしょうし、改めて事故時の責任と言うことがどうなるのかと運転手の側でも気になるところでしょう。
今のところ自動運転車の起こした事故は人間の運転手の責任と言うことになっていますが、メーカーとしては例えば販売戦略として事故時の運転手への金銭的保障など実際的な責任を軽減する対応をしてくるのかどうかですし、運転手側としてもこうした事故が起こった際にメーカーを訴えると言うケースも出てくる可能性がありそうですね。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2016年7月 1日 (金)

似非医学の被害者が訴えない理由

本日の本題に入る前に、日本医科大学武蔵小杉病院の腫瘍内科教授・部長である勝俣範之先生が、先日こんなコメントを出しています。

近藤理論を放置してはいけない(2016年4月12日日経メディカル)

近藤誠医師が提唱する“がん放置理論”を信じて、せっかく早期で発見できたがんを進行がんにしてしまう患者が後を絶たない。学術論文を引用しながら標準的治療の効果を否定し、誤ったインフォームドコンセントを広げる近藤理論に専門家は断固、反論すべきだと勝俣医師は主張する。
(略)
勝俣 近藤先生の主張は、がんの手術は寿命を縮めるだけ、抗がん薬は効かない、検診は無意味、がんは本物とがんもどきに分かれる――というものです。がんの臨床試験には不正があるとも言っています。つまりがんの標準治療の完全な否定です。
 トラスツズマブの臨床試験ではカプランマイヤー曲線が上に凸なので不正があったと主張しています。もし事実なら世界中で不正な乳がん治療が実施されていることになりますから大問題なはずです。僕は近藤先生が根拠として挙げている論文を読みましたが、不正な研究ではカプランマイヤーの曲線が凸になるとはどこにも書いていないのです。
(略)
――トラススツマブも話が象徴的ですが、近藤先生の本を読むといろいろな学術論文を引用しています。

勝俣 そこです。一般の方々は論文をたくさん引用しているからすごいことを言っているのではないかと思う。我々が見れば論文の読み方が偏っていて、レベルも低い。最初から結論ありきで偏った読み方をするから間違った結論に達するのです。
 標準治療を無視して、しかもお金を取って医療を行っているというのは海外では医師免許剥奪という話になりかねないし、弁護士も黙っていないということです。僕は患者さんにも訴訟してもいいですよと言っているのですが、患者さんは近藤先生の言う事を聞き入れた自分が悪いと、自分を責める人が多く、訴訟までに至った例はありません
 近藤先生の独特の診療スタイルなんですが、患者さんには手術は寿命を縮める、抗がん薬は効かないなどの持論を展開した後で、「あなたが決めてください」と言うのです。自分が決めたのだから、がんが進行しても、近藤先生を責める気にはなり難いようです。

―インフォームドコンセントの方法に問題がありそうですね。

勝俣 インフォームドコンセントを日本に広げたのは近藤先生という人もいますが、僕から見れば間違ったインフォームドコンセントを日本に広げたのが近藤先生です。20年前に近藤先生が広めたインフォームドコンセントはいわば「患者の自己責任型インフォームドコンセント」です。医師が責任逃れのために使うといっても言い過ぎではありません。
(略)
勝俣 放置していいというのは患者さんにとっては楽な選択肢です。手術にも薬物療法にも放射線治療にもメリット、デメリットがありそれを天秤にかけながら患者さんに説明して、治療を進めているのが我々です。ですから断定的なことは本来、患者さんに言う事は出来ないはずです。言う事が決まっていれば、患者さんの言う事に耳を傾けることすら必要なくなります。
(略)
 こうした医療が幅を利かせる点について標準治療を推奨する側にも反省すべき点があります。

――反省すべき点とはどのようなことでしょうか。

勝俣 まず根拠が希薄な医療に対して反論が十分であったかどうか。免疫細胞クリニックや近藤先生の放置療法に対して反証を挙げて、国民に情報提供して来なかった。国立がん研究センターや学会が行ってもいいはずです。これはメディアも同じです。また近藤先生の極端な主張が国民の一部に支持されている背景には身近にがんの治療で苦しんだ人がいる方も多い。十分な緩和ケアを受ける事なく、過剰な抗がん薬や過剰な治療をされてQOLを損なった方を見て来た方も多いはずです。だから近藤先生の意見にも正しい部分はある。しかし一部に共感して全部信じてしまうから間違った方向に行ってしまう。国民の皆さんには、十分に気をつけてくださいと言いたいのです。

勝俣先生のおっしゃることは医学と言う観点から見ればまことにいちいちごもっともなのですけれども、基本的にああいうものは宗教と一緒で事実がどうであるかと言った次元とは別な世界での話だと思いますから、宗教家に向かって神が実在すると言う根拠などどこにも存在しないと説くような空しさも感じるところでしょうか、ともかくも事実として近藤先生は訴えられていないと言う点には注目すべきですね。
とは言え先生も実例を挙げているように少なからぬ方々に健康被害が出ていることは事実ですし、医師免許を持っている人間が率先して国民の健康を害することをやっているとなれば通常は免許停止くらいはあってもおかしくないと思うのですが、これまた勝俣先生も言っているように近藤先生の商売のやり方は非常に巧妙なものですから、患者は悪いのは信じた自分と自責の念に駆られることで訴訟沙汰等には訴えないようです。
その点で「判断するのはご自分で」と言う近藤先生方式のインフォームドコンセント?はかなり厄介なものであり、さすがに長年この道で食っているだけに巧みに網をかいくぐれるよう洗練されてもいるのだと関心もするのですが、別に近藤先生に限った話でもなく今の時代に似非医療や代替医療、果ては拝み屋の類で健康被害が出ると言うことは決して少なくないし、その対策をどうすべきかと頭が痛い問題ですよね。
周囲も何かおかしいことをやっていると感じ、本人が見る間に衰弱していくのを目の当たりにしてどうしたらいいのかど右往左往はしても、本人がどうしてもそうするのだと言い張っている場合どう対処したものか迷うケースが少なくないと思いますが、周囲がどう動くべきかと言う点で先日もかなり判断に迷いそうなこんな事例が報じられています。

乳児への「予防接種拒否」で家裁が「親権喪失」決定…どんな背景があったのか?(2016年6月28日弁護士ドットコム)

 乳児への予防接種を拒否したことなどを理由に、九州地方の家庭裁判所が3月、児童相談所による母親の「親権喪失」申し立てを認めていたと共同通信が6月上旬に報じた。「親権停止」ではなく、予防接種拒否を理由にした「親権喪失」は極めて異例だという。
報道によると、乳児は昨夏、自宅玄関前に放置されていたことから、ネグレクトとして一時保護された。児童相談所は、乳児を親から離して里親委託しようとしたが、法定の予防接種を受けていないために、委託先を決められなかった。子どもに予防接種を受けさせるには原則保護者の同意が必要だが、児童相談所が再三、同意を求めても、母親は応じなかったという。
親権喪失は、http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160628-00004826-bengocom-soci で、民法で規定されている。
家裁は、母親の予防接種拒否の意向は、思想・信条よりも、児童相談所への反発からと判断したが、「親権喪失」という異例の決定をどのように評価するべきか。榎本清弁護士に聞いた。

●家裁は、予防接種拒否だけでなくネグレクトを総合的に判断

通常、『予防接種の拒否』というケースは、親権停止が想定されています。しかし、今回の決定は『親権喪失』です。影響の大きい手段を取ったという点で、問題をはらむ決定です。
予防接種のような医療ネグレクトの場合は、親が同意して通常特定の医療行為がなされればよいわけです。つまり、2年以内に原因が消滅するため、親権停止という影響の小さい手段で対応可能です。もちろん、今回も、予防接種を受けさせれば問題は解決しますよね。このため、親権停止という取扱でも十分だったという考え方もできます」
しかし、それでも家裁は親権喪失に踏み切った。
「そうですね。今回のケースには、2つの特殊性があります。(1)前提として、予防接種拒否以前に、ネグレクトがあったこと(2)予防接種の拒否が医学・思想上の問題ではなく、児相職員への感情的な反発心を背景にするものであった――という点です。
医療ネグレクトについては、思想・信仰上の問題等のデリケートな問題を含むことが多く、その判断にも一定の配慮が要請されます。信仰による輸血拒否は、有名な事例です。予防接種にも同様の問題を生じうるところです。
しかし、今回は、(2)の理由から、予防接種の拒否に関する思想・信仰にどのように配慮するかという問題にはなりません。そして、(1)の状況と相まって、養育態度が著しく不適当という判断に至ったものと思われます」
(略)

今回の場合は制度上非常に現場は困っただろうケースで、そうであるが故にこうした処分が下された側面もあるのだろうと思いますが、予防接種などは昔から副作用渦と言うことに非常に神経質な方々も少なからずいらっしゃるわけですから、それこそ思想・信条により子どもに必要な医療行為を受けさせないと言う場合周囲はどう対処すべきなのかです。
この種のケースの実例として古来たびたび登場するのが思想・信条による輸血拒否を貫く宗教団体のケースで、親が熱心な信徒であり子どもへの輸血を拒否したため子どもの命が危険にさらされたと言う場合、実際に親権停止をした上で輸血により子どもが救命された事例がありますが、個人の思想信条に社会が介入する範囲として考えますとこれが親本人の命に関わる話であれば勝手にしなさいよでスルーされていたことでしょう。
その点で親子とは言え別人格に対して自分の一方的な思想信条を押しつけ危害を与えることは許されない、少なくとも判断力のある成人の場合であれば一見社会常識に反した行為でもかなりの自己裁量の自由が許されていると言うことですが、そうした観点から言えば冒頭の近藤先生の商売を患者の家族などが何とかしたいと考えてもなかなか難しいとも考えられますよね。
こうした場合患者本人には冷静な判断力がないと主張して強制的に治療に介入するか、あるいは患者に対する間違った入れ知恵によって患者が被害を受けた、その結果家族にとって心身の大きな損害が生じたと言う論法で民事に訴えるべきなのかと思うのですが、他方では家族も含めて近藤理論に最後まで納得し満足していると言うのであれば客観的にはどうであれ、それはそれで選択の自由として許容されるべきかなとも思います。

| | コメント (8) | トラックバック (0)

« 2016年6月 | トップページ | 2016年8月 »