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2016年6月25日 (土)

インド料理屋が増えたのには理由があった

ネタのような本当の話と言うことなのでしょうか、先日こんな記事が話題になっていました。

「皆さん助けて下さい」 インドカレー店の悲痛な呼びかけに心配の声 給与支払われずこのままではホームレスに(2016年6月16日ねとらば)

 賃金も2年払われていません。皆さん助けて下さい――。

 そんな張り紙を掲載するレストラン「シャンティ(shanti)」に、「本当だったらひどい」「事実なら大問題」と心配の声が寄せられています。

 「シャンティ」は東京都豊島区内に5店舗を構えるインド料理レストランで、インド人など14、5人が働いています。支援を求める張り紙は各店舗の入口や店内など至るところに掲載されており、下部には比較的日本語が分かる従業員の連絡先も。
 本店(豊島区駒込)で働くジョシさんに話を伺ったところ、同店の従業員は日本語に不慣れな人が多いため、日本人の協力を得て張り紙を書いたとのこと。ジョシさんによると、2015年3月ごろから給与支払いが遅れるようになり、金額も半分に。さらに2016年1月からは完全にもらえなくなってしまったそうです(張り紙には「賃金も2年払われていません」とありますが、正確には約1年3カ月)。
 2016年5月末に労働基準監督署に行き、従業員全体で6200万円を超える未払いの給与があることが判明。社長と支払う方法について話し合ったものの、「本当に払ってくれるのか信用できない」というのが正直な意見のようです。現在は店の売り上げを会社に渡しておらず、社長側からは6月17日までに店舗から退去することを求める通告書が出されています

 現在、一部の従業員は住む部屋もなく、店で寝泊まりしている状態。以前は従業員13人でマンションの一室を借りて暮らしていましたが、2016年2月末ごろ、マンションが火災にあい、住む部屋だけでなく、私物もほとんどなくなってしまいました。ちなみに当時住んでいた部屋は会社の所有物で、家賃は1人あたり5~6万円ずつ毎月の給料から天引きされていた形。部屋の中は2段ベッドを5個ほど置くと、あとは歩くスペースくらいしか残らなかったそうです。
 もしも通告書通りこのまま店舗を閉鎖した場合、金銭面、ビザなどを考慮すると日本でホームレスになるしかないそう。お金がないため電車にも乗れず、当然故郷に帰ることもできません。また、従業員全員が仕事を見つけ、新しい生活をスタートするには最低でも300万~500万円が必要だといいます。
 日本の言葉や制度が分からず、誰を頼ればよいのかも検討がつかないとのこと。「日本人の社長のもとなら、異国の地でこのようなトラブルに遭うことなく、安心して働けると思っていた」とジョシさんは話しました。
(略)

色々と突っ込みどころも多い記事とは言え、もし事実であれば給料未払いと言うのは困った話ですけれども、見ていますとかなり劣悪な環境で働かせていると言う点、そしてどうも経営者側は必ずしも店の運営で儲けようとしていないように見える点に留意頂ければと思います。
ちなみに近年全国的にインドカレーをうたうお店が倍々ペースで増えているのだそうで、そう言えば身近でも見かける機会が多くなりましたけれども、実際にそこで働いているのはネパールやスリランカなど近隣諸国の人達がほとんどなのだそうで、何故インド料理を名乗るのかと言えば日本ではそうしないと売れないからなのだそうです。
とは言え実際にはこうしたお店のうちあまりお客が入っていないものも少なからずあるように見え、その割にはいつまでもお店が続いていると言うことに不思議な気がするのですが、どうもこうした店舗の幾つかはお店の外にもうけ口があると言う仕組みであるようで、こちらの記事を紹介してみましょう。

「日本で働ける」と被害者から詐取、日本人名乗る男ら逮捕(2016年6月18日産経ニュース)

 ネパール警察は17日、昨年4月のネパール大地震の被災者に「日本で働ける」と持ち掛けて計約113万ネパールルピー(約110万円)をだまし取った詐欺の疑いで男2人を逮捕した。うち1人は日本人を名乗っているが、身分証明書などを所持しておらず、事実かどうか不明。残り1人はネパール人。ヒマラヤン・タイムズ紙などが伝えた。

 男らはコンサルティング会社幹部を名乗り、中部ゴルカ県などのネパール地震の被災者12人に日本での就労あっせんを提案、前金を預かったまま逃亡した疑いが持たれている。PTI通信によると、男らは被災者に「月に20万~30万ルピー稼げる」と声を掛けていたという。

 ネパールでは近年、日本での就労が人気になっており、首都カトマンズなどでは多数のブローカーが仕事をあっせんしているとされる。


ネパールで就労持ちかけ詐欺容疑 日本人名乗る男ら逮捕(2016年6月18日朝日新聞)

 ネパールの警察当局は17日、昨年4月のネパール地震の被災者ら12人に「日本で働ける」と声をかけ、計約110万ルピー(約110万円)をだまし取った疑いで、カトマンズ市内で2人の男を逮捕した。うち1人は「日本人のモリカワ・ヒロシ(55)」と名乗っているが、パスポートなど身分を示す書類を持っておらず、在ネパール日本大使館も事実関係の確認を進めている。

 地元紙ヒマラヤン・タイムズなどによると、男たちはコンサルタント業者を名乗り、昨年の地震で大きな被害を受けた中部ゴルカなどで日本で働くことを持ちかけ、保険金などの名目で現金をだまし取った疑い。

 経済の低迷が続くネパールでは日本での就労希望者が増えており、あっせん業者も増えている。(ニューデリー=貫洞欣寛)

要するに現地でスカウトと称して実際には金を巻き上げるだけの詐欺同然の話が行われていると言うことなのですが、日本に送り込んだ後は野となれ山となれで店の経営がうまくいくかどうかはどうでもいいと言うのも、スカウトの段階で相応の金を巻き上げているからだと考えれば理解出来る話ですし、むしろ店側としては劣悪な労働環境でさっさと追い出して次の犠牲者を呼び込みたいのでしょう。
制度的にもこうした行為を後押しする要素があって、全く料理などしたことがなくてもプロの料理人ですと申告すればビザ取得も楽になるそうですし、さらに法人経営の店舗がインド式の焼き釜を導入すると1台につき4人分まで就労ビザも発給されるのだそうで、引き受け手となる国内の店舗経営者にはブローカーから一定金額も支払われるので、金だけ受け取って入国後直ちに解雇すると言う話もあるそうです。
特に記事にもあるように特にネパールの方々は先年の地震被災者が多く、一攫千金を夢見てこうした怪しい話に引っかかってしまうようですが、以前には東アジアでも現地の暴力組織が絡んだ日本への密航ビジネスが話題となったことがあって、ああしたものも現地で大金をかすめとって日本に送り込む、あるいは借金漬けにしてただ働きさせるなど似た構図にも思えますね。
もちろん日本に来てごく普通に真っ当な料理屋をやって繁盛している方々も数多くいらっしゃるわけですので、なんでもかんでも犯罪行為絡みと言うわけではないのは当然ですが、現地ブローカーと国内での引き受け手が協働して外国人を食い物にしているとすれば下手をすれば国際問題ですし、ブラック企業対策としても放置するわけにはいかない問題でしょう。

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コメント

うまい話には裏があるってことね

投稿: | 2016年6月25日 (土) 09時29分

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