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2016年6月22日 (水)

毎度毎度の麻生氏発言に意外な援護射撃

先日は麻生財務相がまた暴言を吐いた!と進歩的な方々が取り上げていたのですが、世間ではこの件に関して妙な方向で反応が出ているようです。

麻生氏「90歳で老後心配、いつまで生きてるつもりだ」(2016年6月18日朝日新聞)

 自民党の麻生太郎副総理兼財務相が17日、北海道小樽市での講演で「90歳になって老後が心配とか、わけの分かんないこと言っている人がこないだテレビに出てた。オイいつまで生きてるつもりだよと思いながら見てました」と語った。麻生氏自身も75歳だが、高齢者への配慮に欠けた発言として批判が出ている。

    麻生氏の発言詳細

 麻生氏はこの日、参院選の立候補予定者の応援などで北海道を訪問。小樽市の党支部会合で経済政策について語り、「1700兆円を超える個人金融資産があるのに消費が伸びていない」などと指摘する中で「90歳の老後」に言及した。自らの祖母が91歳まで元気だったと紹介し、「カネは一切息子や孫が払うものと思って、使いたい放題使ってましたけど、ばあさんになったら、ああいう具合にやれるんだなと思いながら眺めてました」とも語った。貯蓄より消費が重要として「さらにためてどうするんです? 金は使って回さないとどうにもならない」とも述べた。

 麻生氏の発言に対し、民進党の岡田克也代表は大分県由布市で「国は年金や医療、介護制度で、高齢者の不安に応えなければならない。私は非常に怒っている」と批判した。共産党の志位和夫委員長は東京都内で「人間の尊厳をどう考えているのか。血も涙もない」と述べた。

ちなみに冒頭に取り上げた記事と同じ朝日新聞が麻生氏発言の全体を掲載していて、これを読むと自虐を込めた笑い話的に消費の重要性を語った内容で会場は大受けだったそうですが、当の朝日の方でもどう取り上げるべきか迷ったのか何が言いたいのかよく判らない記事になっていますね。
高齢者が一番金を持っていると言うのは各種統計にもはっきり出ている単なる事実で、そのお金をどうやって社会に回していくかと言うことは以前からの課題として言われてきたことですが、「それは高齢者が生活に不安があるからだ。だからもっと高齢者にお金を支給しよう」では際限のない社会保障費の増大を招くだけですから、既存のシステムとは異なる方法でのアプローチが必要になるのは当然です。
そうした観点から今回の件で面白いなと思ったのは民進党代表である岡田氏が冒頭のようなコメントをしている一方で、同じ民進党内で蓮舫氏が主張の内容に理解を示していると言うことで、高齢者相手には適当に甘いことばかり言っていれば票を入れてくれるとばかりにいたずらに聖域化していられる時代ではないと言うことでしょうね。

麻生氏「いつまで生きるつもりなのか」発言  民進・蓮舫氏から意外な「援護」が(2016年6月18日J-CASTニュース)

麻生太郎副総理兼財務相が2016年6月17日、北海道小樽市で開かれた自民党の集会で、「90になって老後が心配とか、わけのわからないことを言っている人がテレビに出ていたけど、いつまで生きているつもりだよと思いながら見ていた」と発言し、複数のメディアが報じた。
(略)
しかし、一方では
    「これ早く死ねという含意じゃなくて、90歳が『老後』という言葉を使ったことに対して、90歳が老後じゃないなら人生何年なんだというツッコミに過ぎないんじゃないの。」
    「因みに最近麻生さんは毎度講演の度にこの話をするんだけど、遂に自分自身が後期高齢者になっちまったと言う所までセットで会場を大草原にする。」
    「麻生さん間違ってないでしょ。貯金してないでお金使わなきゃ。お金持ってるのは高齢者ばかりなんだから。この人の言い方が悪いのは昔から。ニュースにするほどじゃない。」
と、理解を示す意見も少なくない

蓮舫氏「言葉は乱暴だが、趣旨は共鳴」

そうしたなか、参院選を前に自民党との対決姿勢を強める最大野党、民進党代表代行の蓮舫氏の18日のツイッターが目を引いた。蓮舫氏は、日経電子版の記事を引用して、「(麻生氏の)言葉は乱暴」だと前置きしながらも、
    「(『いつまで生きるつもり』を)見出しにする報道はいかがか
と指摘。そのうえで、
    「1700兆円もの個人金融資産の多くを保有する高齢者に『消費』に使ってもらいたいという趣旨は共鳴。問題は、どうして『使わない』のか。消費税増税先送りでも社会保障の充実は先送りすべきではない。」
と投稿。麻生氏の問題提起を正面から受け止めないメディアの取り上げ方を蓮舫氏が批判したようにも読め、麻生氏にとっては一面的な切り取り方をするメディアに対する意外な援護になった形だ。

先日朝日新聞に介護保険法改正で自己負担が増えた結果高齢者をサポートする子ども世代の負担が増えていると言う記事が載っていて、自治体窓口に相談しても財源がないのだから仕方が無い、施設を対処し自宅介護するしかないと言われた云々とずいぶんな話が出ていますが、こうして仕事を辞め自宅介護を開始した結果親子揃って貧困生活に突入し共倒れと言うケースは少なくないようです。
現状で高齢者の社会保障コストは現役世代が負担することになっていますが、これについては何故金が無く支出も多く必要で貧乏な若い世代ばかりが苦労しなければならないのかと言う反発も次第に強まっていて、少なくとも富裕層や現役並み所得のある高齢者に対しては応分の負担を求めてもいいだろうと言う点まではコンセンサスが出来ているように感じます。
1700兆円の個人金融資産のうち6割は3000万人の高齢者が持っていると言いますから、高齢者自身の持つ資産を高齢者のために使うなら一人当たり平均3000万以上になり十分高齢者だけで自給自足出来る計算ですが、こうした再分配を嫌って子どもや孫に生前贈与をしますと言うのであればそれはそれで社会にお金が回るのですから悪くない話です。
麻生氏発言を批判するとなれば高齢者は今以上に貯蓄に励むべきだと言うことになってしまいますが、「社会保障の充実は先送り」せず「高齢者の不安に応え」るためにも手つかずの高齢者資産に着目し活用を図るべきだと、民進党あたりが次回選挙の公約として掲げてみてくれれば面白いと思いますね。

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コメント

以前と比べたらこの手の言葉尻ツッコミな記事って減ってる気が。
大臣がインスタントラーメンの値段を知らなかったからなんだって話ですけど。

投稿: ぽん太 | 2016年6月22日 (水) 07時58分

言論の自由を制約しようとするマスゴミの横暴w

投稿: | 2016年6月22日 (水) 08時30分

この種の報道に共感する市民が全般的に減ってきているのか、単純に飽きてきたと言うことなのかも知れません。

投稿: 管理人nobu | 2016年6月22日 (水) 12時26分

高齢者の貧困の実態だそうな

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201606/CK2016061802000134.html?utm_content=bufferdf795&utm_medium=social&utm_source=twitter.com&utm_campaign=buffer

投稿: | 2016年6月22日 (水) 20時28分

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