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2016年6月17日 (金)

当事者曰く圧力などと言うものはなかった

毎日新聞と言えば朝日新聞を並んで日本を代表する良心的な報道機関として知られていますが、その中の人から先日こういう記事が出ていました。

岸井成格氏「報道番組のジャーナリズム精神は失われつつある」(2016年6月14日NEWSポストセブン)

 私たちが日頃、見ているニュース番組の周辺が何かと騒がしい。「圧力」「電波停止」「キャスター降板」…そんな言葉がこのところ、“ニュース”として報じられている。参議院選挙を直前に控えた今、私たちが知るべき情報は本当に伝えられているのだろうか。『NEWS23』(TBS系)のアンカーだった毎日新聞特別編集委員の岸井成格さんが、ニュース番組について語る。

 事実を伝えるだけなら、人工知能にだってできること。事実があり、その裏側にはこういう意味があるという“解説”までできなければニュース番組ではありません。

 古今東西、権力は必ず腐敗し、時に暴走してきました。特にその権力が、多数決で圧倒的な力をもっていると暴走しやすくなります。これにストップをかけるのがメディア、とりわけジャーナリズムです。本来、報道は、政府による権力の暴走を止める役割も持っているのです。決して政府の広報局ではありません。
 安保法案についても、単に政府の発表を放送するだけなら、良い法律のように見えてしまう。でも、その裏には危険な思惑があることをしっかり解説して問題を投げかける責任が、ニュース番組にはあります
 その点で、日本のニュース番組のジャーナリズム精神は失われつつあります。政府や権力に甘く見られ、圧力をかければ屈すると思われてしまっているのです。別に権力に反抗したからといって、番組を止められるわけではありません
 テレビ局のトップ、そして現場で番組作りに携わる人にはどんどん声を上げてほしいと思いますね。報道機関の使命を再認識してほしいです。

そもそも日本に本当の意味でのジャーナリズムは存在しない、あるのは単なる扇情だけであるとは時に言われることで、最近では東京都知事のスキャンダルに絡んだ報道などもこうした点から批判する声もありますが、バッシングに参加しない者が今度はバッシングの対象になると言ういじめの論理にも似たものが背景にあるのではとも言われていて、例えば震災などの際に自粛を強要する風潮などと同様日本社会全体の問題であるとの指摘もあります。
それはともかく、事実を伝えないと言う点でマスコミ各社が世間的批判を大いに受けるようになった時代、人工知能にだってできることを何故やらないのかと言う疑問はあるところですが、岸井氏の主張したいところには報道には事実以外にマスコミ各社による何かしらの思想なり目的なりを盛り込まなければならないと言うことでしょうかね。
そうした点で先日岸井氏好みの話だろうと思われるニュースが出ていたのですが、これなどは世間一般ではいささかどうよ?と思われるような話である一方で、マスコミ的にはこれくらい当然であると言う声も少なくないようです。

古館氏「政治的圧力」演出していた!(2016年6月9日Japan In-depth)

朝日新聞が5月31日朝刊に掲載したテレビ朝日の前キャスター、古舘伊知郎氏とのインタビュー記事は衝撃的な内容だった。
古舘氏は朝日新聞がキャンペーンとして伝える、「テレビ局に政府・自民党の政治的圧力がかけられている」という趣旨の主張を完全に否定しただけではなく、自分自身が画面上でその政治的圧力があるかのような演出をしていたと認めたからだ。圧力がないのに圧力があるかのようにみせかけていた、と、当の本人が告白したのだ。

この報道は「キャスター敗北の12年」「インタビュー」という見出しの長文の記事だった。内容は朝日新聞の佐藤美鈴記者と古舘伊知郎氏との一問一答がほぼすべてである。
古舘氏はいうまでもなくテレビ朝日系のニュース番組「報道ステーション」のキャスターを12年間、務め、今年3月末に降板した著名人である。
このインタビューでは佐藤記者が「政治的圧力があったのだろう」という推測を何度も何度も執拗にぶつけ、誘導尋問を試みる。だが古舘氏はそんな圧力はまったくなかったと、否定を繰り返す。そして圧巻は以下のやりとりだった。

佐藤記者「それでも、なんらかの圧力があったのではと受け止められた
古舘氏「画面上、圧力があったかのようなニュアンスを醸し出す間合いを、僕がつくった感はある」

以上の古舘氏の言葉で「圧力があったかのような」というのは、明らかに圧力は実際にはなかったのに、あったかのようにする、という意味である。その後の「ニュアンス」とは普通の意味では「見えない何かを感じるさま」という意味だろう。「醸し出す」とは「作り出す」ことである。
つまり政治的圧力がないのに、あったかのように視聴者に感じさせる虚偽の印象を作り出していた、ということになる。なんともショッキングな告白である。
この古舘氏の告白こそ朝日新聞などがこのところ続けている「政府のテレビ局への政治的圧力」キャンペーンの真実だといえよう。つまりは政治的圧力があるかのようなニュアンスがキャスターにより意図的に醸し出されていたというわけなのだ。
参考までにこの同じインタビューで古舘氏が語った他の言葉も紹介しておこう。要するに朝日新聞の推進する「政治的圧力」キャンペーンの全面否定なのである。

佐藤記者「政治からの圧力は本当になかったのですか」
古舘氏「僕に直接、政権が圧力をかけてくるとか、どこかから矢が飛んでくることはまったくなかった。圧力に屈して辞めていくということでは決してない
佐藤記者「この春、NHK『クローズアップ現代』の国谷裕子さん、『NEWS23』の岸井さんも相次ぎキャスターを降りました」
古舘氏「岸井さんも国谷さんも、会ったことはありません。同時多発に辞めたのは不思議ですね。通底する何かがあるんですか? むしろ朝日新聞にお聞きしたい」

いやはやなんとも信じがたいような真実の発覚だといえよう。

この古館氏の発言については以前にも当「ぐり研」で取り上げたことがありますが、今読み返してみても古館氏自身は「プレッシャーや圧力がかかって辞めさせられるということは一切ない」と断言しており、また同番組のコメンテーターが降板した際に圧力が云々と主張した際にも強い口調でそれを否定するなど、一貫して圧力なるものの存在を否定してきたにも関わらず、何故かマスコミ各社では圧力圧力と騒ぎ立ててきた経緯があります。
元記事である「キャスター敗北の12年」の方はネット上に出ていますから興味のあるお方は参照いただきたいと思いますが、まあしかし前述の岸井氏にしても「別に権力に反抗したからといって、番組を止められるわけではありません」と断言しているくらいで、中の人にとっても圧力云々などはフィクションであると言うことが常識であった、それを知った上で「問題を投げかけ」るためにやっていたことと言う理解でよいのでしょうか。
しかし良心的な報道各社にとってはいわば二階に上げられてからハシゴを外されたような心境なのかも知れませんが、過去の各種報道に見られるように「いや、このコメント自体も古館氏に対する圧力の結果なのだ」とむしろ憶測を強化する方向に利用される可能性すらあって、今後朝日を始め各社がこの圧力問題なるものをどう扱っていくつもりなのかに注目したいですね。

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コメント

圧力がなかったという証言は圧力によるものではないか?

投稿: | 2016年6月17日 (金) 07時56分

さいしょっからぜんぶプロレスだったんだよ

投稿: | 2016年6月17日 (金) 11時03分

圧力があったと感じさせるように振る舞えという内部圧力ですかね

投稿: | 2016年6月17日 (金) 12時07分

ご指摘の通り仮にあったとすれば古舘氏に圧力をかけていたのは中の人なのかと感じるのですが、その理由が話題性なのか他の理由なのかは判らないですね。

投稿: 管理人nobu | 2016年6月17日 (金) 12時10分

「舛添さんは『フジテレビだけは許さない』と、強引な取材にカンカンになっている。
BPOに提訴することも考えているそうで、復讐が始まると話題になっています」(政界関係者)

15日、辞職願を提出した舛添都知事。
14日夕方の議運委理事会で、
「子どもたちが毎朝、テレビに追いかけられ、泣きながら帰ってくる」
「妻は『変な女』と報じられている」
と涙ながらに話す場面もあったという。
この怒りは、フジテレビに向かっているそうだ。

「舛添知事が問題にしているのは、
宮根誠司さんが司会を務めるフジテレビの情報番組『Mr.サンデー』です。
5月22日に放送した中身に激怒しているといいます。
番組スタッフが妻の雅美さんを早朝直撃し、
雅美さんが『いくらなんでも失礼です』とキレる姿が映されました。
実はその直前、フジのスタッフが、その場にいた舛添知事の子どもに近づき、
それに雅美さんが怒ったというのです。
『なぜ、子どもに取材するのか』という気持ちだったのかもしれない。
子どもを守りたかったのでしょう。
でも、番組では雅美さんがいきなりキレたかのように放送していました」(フジテレビ関係者)

雅美さんの映像はネット上で大炎上。
「逆ギレかよ」と雅美さんへのバッシングが始まった。
矛先は子どもたちにまで及んだという。

「2人の子どもには殺害予告が出され、学校でもいじめられているといいます。
年を取ってからできたためか、舛添さんは本当に子どもを可愛がっている。
成績も抜群で、自慢の子どもだといいます。
フジテレビとの関係はいいと思っていただけに、怒りが収まらないのも無理ないでしょう」(前出の政界関係者)

未成年の子どもに強引に取材しようとしたのか。フジテレビに事実確認を行うと、
「舛添雅美氏を取材した際、近くに子どもがいたことは事実ですが、
子どもに声をかけたり、囲んだりしての撮影、取材は一切しておりません」
と回答した。

子どもがいる前でズカズカと取材するのはやり過ぎといわれても、仕方がない。
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/183642

投稿: | 2016年6月17日 (金) 22時04分

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