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2016年4月21日 (木)

高齢者バッシングはすでにタブーではない

先日こんなニュースがちょっとした話題になっていたのですが、まずは記事から紹介してみましょう。

あなたを待つ恐ろしすぎる老後。70%の老人が同じ理由で人生を後悔(2016年4月11日まぐまぐニュース)

「自分が70歳、80歳になり人生を振り返った時、後悔がないように生きていきたい」―、多くの方がそう考えているのではないでしょうか。では、お年寄りは実際、これまでの人生についてどのような思いを抱いているのでしょう。無料メルマガ『サラリーマンで年収1000万円を目指せ。』の著者・佐藤しょ~おんさんは、とあるサイトで発見した衝撃的なデータを紹介しています。
この回答が衝撃です。それは、「チャレンジしなかったこと」なんですね。できたかできないかではなく、頑張ったか手を抜いたかでもなく、チャレンジせずに手をこまねいてしまったことを後悔しているんです。でも老人になってからこれを後悔してももうどうしようもありませんよね。

我々は歴史から学ぶのです。それはつまり、先達が後悔したことを学び、それと同じ轍を踏まないということと同義なのです。70%の老人が後悔していることがなにかを知ってしまった我々は、この老人と同じ後悔をしてはいけないのです。もしあなたの未来であなたが人生を振り返って同じ後悔をするのなら、それはあなたが歴史からなにも学ばなかったということなのです。
(略)

一般論として人間現在の境遇や環境に満足していれば特にチャレンジしようと言う意欲も湧いてこないもので、生まれつき何不自由なく裕福に過ごしてきた方が悠々自適の老後を送りながら「そう言えば人生何のチャレンジもしてこなかったな」と振り返るなどと言うケースも含まれているのかも知れずで、チャレンジしなかったと後悔することと今までの人生なり現状に不満足であると言うこととは必ずしも一致しないものなのかも知れません。
ただ今現在の70歳と言えばちょうど戦後生まれの方々で、高度成長期やバブルなど日本社会が毎年よくなる一方と言う時代に生きてきた方々ですから、それは敢えてチャレンジしようと思わずとも毎日が十分エキサイティングだったのかも知れないですけれども、産まれた時から不景気の時代しか知らない今の若手現役世代が将来老人となった時、同じようにチャレンジしなかった事を後悔していたとしてもその意味づけは違っているのでしょうね。
ともかくも現在の日本社会における高齢者と言えば最もお金を持ち、年代別人口比からも民主主義社会の中で一番大きな権力を握っている方々だとも言えますが、それほど勝ち組の人生を歩んできた方々であってもチャレンジしてこなかったことへの後悔がよほどに大きいと言う事なのか、今から盛んに社会に対してチャレンジをなさっておられる方も少なくないようです。

キレる高齢者が増加 タクシー会社や鉄道会社がビクビク(2016年4月7日NEWSポストセブン)

 2016年3月20日、兵庫県加古川市で驚愕の事件が起きた。小学生の男女から「たばこのポイ捨てはあかんのに」と注意された75才の無職男性が逆上。6才の小1男児の首を両手で絞めて逮捕されたのだ。この男性は「注意されて腹が立った」と容疑を認めたが、一歩間違えれば大惨事となる出来事だった。
 暴走老人による同様の事件は、各地で続出している。2015年版犯罪白書によれば、一般刑法犯の検挙人数に占める65才以上の高齢者の割合は過去最高の18.8%に達した。17才前後の少年犯罪が相次いだおよそ15年前、新聞や雑誌は一斉に「キレる若者」という見出しを掲げたが、現在は「キレる老人」が世の中にあふれているのだ。

「ウチの運転手は、お年寄りの男性客にいきなり杖で顔面を殴られました。顔面が腫れて変色し、2週間も包帯を巻いたままでしたよ」
 こうため息をつくのは、都内のタクシー会社社員だ。同僚のドライバーが運転中にややきつめのブレーキをかけてしまったところ、後部座席の高齢客が「危ないじゃないか!」と激高したという。
「『危険回避のため、急ブレーキをかけさせていただきました。本当にすみませんでした』と丁寧に謝罪しても、この客は聞く耳持たずで、手にしていた杖の持ち手部分でいきなり殴りかかってきたそうです。運転手が顔を殴られてけがをしたので警察に一応報告しましたが、会社は事を荒立てたくないので被害届は出さず、ドライバーは泣き寝入りです」(タクシー会社社員)

 聞くに堪えない話だが、この社員は「そんなの、氷山の一角ですよ」と続ける。
「10年ほど前から高齢者によるトラブルが増えました。泥酔して暴れて、運転席と後部座席を遮る防護板を破壊した60代の男性もいました。また、乗車料金として五千円札をお預かりしたのに、納金袋に入れた途端、『お釣りが違う。万札を出したじゃない!』と猛クレームをつけたおばあさんもいます。あとで車内ビデオを見て確認したら確かに五千円札だったんですけどね…。
『錦糸町まで』と言われて到着すると、『おれは警視庁と言った! カネは払えん!』と怒鳴りまくり、結局、警視庁までタダで乗せたおじいさんもいます。何かとキレる高齢者の餌食となるタクシー業界はホトホト困っています」(前出・タクシー会社社員)

 公共交通機関でも、高齢者による事件は多発している。JRや日本民営鉄道協会などが1年間に発生した鉄道係員への暴力を調査したところ、加害者の年齢は、60代以上が2014年度まで5年連続でトップ。全体の2割以上を占めた。私鉄関係者が明かす。
「中学生に席を譲られた高齢女性が『年寄り扱いしないで!』と激怒したり、高齢男性が通りすがりの車掌に『その態度は何だ! 謝れ!』と詰め寄って謝罪を求めることもある。ICカードのチャージの仕組みがどうしても理解できず、最後はキレて駅員に手を出した高齢者もいます。雨の日は恐怖ですよ。何しろ、凶器となる傘を持っていますからね…」


病院やスーパーでやりたい放題の高齢者「納豆を1つで売れ!」(2016年4月8日NEWSポストセブン)

(略)
 高齢者が集うことの多い病院でも、キレる高齢者が増えているという。東京慈恵会医科大学附属病院(東京・港区)は、2004年に「院内交番」と呼ばれる、患者クレーム対応を行う渉外室を設置した。ここに昨年3月まで勤務していた警視庁OBの横内昭光氏(同渉外室名誉顧問)が言う。
「この渉外室は悪質なクレーマー患者の暴言や暴力から、病院職員を守るためにできました。当時から、高齢の患者には悩まされました
 相談件数は年間200~300件。“最盛期”には警察OB6人が対応したという。

「入院時に箸を持ってくるのを忘れ、最初の食事の時に『どうやって食べるんだ!』と激高、職員を殴った高齢者もいました。お気に入りの看護師にプレゼントを渡した後、食事の誘いを断られて『なぜだ!』と逆上したおじいさんもいました。自分の子供のような年齢の医師に上から目線で『~に気をつけなさい』と注意され、カチンと来てクレームを入れる高齢者も多かった」(横内さん)
 クレームや暴行事件はタクシー会社同様、病院もできるだけ穏便に対処を進めるが、それでも年間数件は警察に通報せざるを得ないという。
 実際、私立大学病院医療安全推進連絡会議が11施設に調査したところ(2011年)、患者やその家族から暴力を受けたという職員は4割を超えた。暴力をふるった年齢は70代、セクハラは60代が最も多く、暴言は60代が2番目に多かった。病院の高齢者はやりたい放題なのだ。

 ほかにもスーパーマーケットで「お客様は神様」との主張で我を通す老人も多い。
「例えば3パック入りの納豆や、5個入りの玉ねぎ…。“こんなに食べられないから1つで売れ”と声を荒らげる。そんなことは日常茶飯事ですよ」(スーパー店長)
(略)

この場合の問題は明らかな傷害事件であるのにそれを放置し従業員を守ろうとしないタクシー会社にあるのではと言う気がしないでもないのですが、年代別で最多と言っても高齢者がこれだけ増えている時代ですから人口比率では当然最多にもなるだろうと言う考え方もあるのだろうし、一般的に若い人より出歩く機会の少ないと思われる高齢者がこれだけ暴れているのはやはり異常だと言う見方もあるのでしょう。
これらの行動の背景には当然ながら認知症など身体的なトラブルが行動に影響を及ぼしているものもあるのでしょうが、超高齢者よりも高齢者の仲間入りをし始めたばかりの団塊世代などが「団塊モンスター」とも言われ社会的に忌避されつつあることを考えても、やはり加齢による変化ばかりではなく時代背景なりに根ざした集団としての特性もあるのかも知れませんね。
年代毎に過ごしてきた背景事情も受けてきた教育も異なるのですから、こうした世代毎の特色が出てくるのはむしろ当然なんだろうと思うのですが、お金も持っているだろうこの種高齢者を叩く記事が当たり前にマスコミにも取り上げられるようになったのが時代の変化であるとは言え、かつて老人叩きのネタで名を上げたツービートなども当時はタブー破り的な意味で注目を集めたように、これも売れるネタになってきたと言うことなのでしょうか。

高度成長で税収も年々伸び、また若年人口も十分にあった時代に基本設計がなされた社会保障のあり方が、老若年人口比率が逆転し低成長が安定的に続く時代には全く維持不可能なものとなっていることから、高齢者に対する給付の抑制と各種社会保障コスト負担の増加と言うことは社会保障改革の柱として以前から言われながら、未だに十分には実現していないのが現状です。
その理由として高齢者=社会的弱者と言う現状では根拠に乏しいと言うしかない暗黙の前提条件があったことは間違いありませんが、持続可能な社会保証制度構築と言う総論部分に関しては概ねコンセンサスが得られている以上、今後は少なくともお金を持っている高齢者には応分の負担を求めることが当然視されるようになってくるのでしょうね。
その場合高齢者=か弱く保護すべき対象と言うステロタイプな高齢者像が定着していては何かと都合も悪いはずで、政策的に見ればこうした高齢者の「実態」を明らかにしていく記事はウェルカムなのかも知れませんが、高齢者を養うために乏しい給料からお金ばかり取られていく現役世代にとっても、この種の記事が格好の息抜きになっている側面も否定出来ないかと思います。

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コメント

草食系とモンスターの二極化してるってとこもありそうですが。

投稿: ぽん太 | 2016年4月21日 (木) 08時21分

対応する側の変化なのか接遇マニュアルの欠陥なのか、モンスターが暴れていても制止や通報をせずスルーしてしまうことも問題をこじらせた一因とは感じます。
某病院では外来看護師一同が「怖そうな人が来た」と戦々恐々としておりましたが、医師が診察してみると単なる引退した元体育教師だったと言う笑い話?もあったそうですが。

投稿: 管理人nobu | 2016年4月21日 (木) 11時00分

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