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2016年4月 4日 (月)

気がつけば薬局がよってたかっての集中砲火?

最近何となく一つの社会的傾向があるように感じるのですが、先日こんなニュースが出ていたことを御覧になったでしょうか。

薬局1割超で過大請求か 京都、改善指導へ(2016年3月2日京都新聞)

 薬を受け渡す際の薬剤師による患者への確認・指導の料金について、京都府内の薬局で過大な請求がされている可能性が高いとして、総務省京都行政評価事務所は1日、厚生労働省近畿厚生局京都事務所に、府内薬局への改善指導などを求めた。

 改善指導の対象となった「薬剤服用歴管理指導料」は1件で最大410円。算定は、薬剤や後発医薬品の有無などの情報提供、残薬の確認などを患者に対して行ったかどうかで変わる。

 京都行政評価事務所に昨年、同じ薬を使い続け、内容や飲み方を知る京都市内の男性から「薬に関してほとんど説明することもなく手渡している。料金を請求するのはおかしい」との相談があった。

 同事務所は、実際に府内薬局を利用した行政相談委員から、算定に必要な薬剤師の確認や指導を受けたかどうかを調査。利用回数44回のうち、算定に見合う確認・指導が行われたのは7回にとどまり、残る37回は不当な請求になる可能性が高いと判断した。

 近畿厚生局京都事務所は今後、診療報酬の点数が平均より1・2倍以上高い薬局を中心に指導を強化するとしている。対象は府内の薬局(約960店)の1割を超えるという。

近年医薬分業により声の大きい医療と切り離されたこともあるのでしょうか、厳しく制約されている医療報酬に対し半ば野放し状態とも言える調剤報酬の優遇ぶりが目につくと言う声が内外から高まってきていて、日医などからは「母屋でおかゆをすすっているのに離れですき焼きを食べている」と言った厳しい批判の声も上がっているようです。
先日の中央社会保険医療協議会総会でも日医が「調剤報酬が高すぎる」と批判の声を上げていて、また近年増えてきている大手調剤薬局チェーンの利益率の高さも問題視されたそうですが、経済畑からの分析によってもこのご時世に薬局チェーンの経営の堅調さは注目されているそうです。
こうした儲けすぎ批判に対する一つの解答がこの4月から始まったかかりつけ薬局云々の話であり、24時間対応を求められると言うのも結局は薬局の儲けすぎに対する医療側のやっかみなり不信感と言ったネガティブな感情も反映されているのでしょうが、こうした薬局側に対する批判的目線は何も医療だけではなく各方面にも拡がりつつあるようです。

ついにマスコミも調剤薬局にロックオン(2016年2月17日医療維新)

(略)
 一昨年のことだったか、「調剤薬局花盛り」というコラムが朝日新聞に載っていた。「塾や、昔からの商店が閉じたあと、あちこちに調剤薬局がオープンし、しかも、長者番付の上位に名を連ねている」という内容で、まえまえから噂されていたように、そろそろ調剤薬局冬の時代か!と思っていた。

 2月10日の朝日新聞、「くすりの福太郎」が、薬のカルテを全く記載していなかった、けしからん!!ということで一面に載っている。「◯◯さんに、いつ、どんな状況で、どんな薬を調剤した」という記録を薬のカルテと呼び、その記載が義務付けられているのに福太郎ではそれをしていなかった、というもの。そうはいっても、どんな診断で、どんな臓器機能(腎臓が悪い? 肝臓は?)かもわからず、しかも家族が取りに来れば、肥満か、痩せかも把握できない状況では、記録なんて、形ばかりのもので、その必要性も感じないのだから、記載もれ、となっても不思議ではない。

 そもそも、薬剤師は6年間の高等教育をうけて、国家資格を得、それで、調剤薬局で、薬のピッキング程度のことしかしないのでは、なんのための教育か? と首をかしげる。そもそも調剤薬局ができたのは、診療所などで医師がいい加減に薬剤を出していた、副作用にも注意を払わず、仕入れ価格も不明確、この状況を当たらめねば、という表向きの理由で院外調剤という仕組みが30年ぐらいまえに導入された。

 しかし、今回のロックオン、この流れを変えることになるだろう。今こそ、「診療所に薬剤師を配置すべき」、診療所内での、医師、看護師、薬剤師のチーム医療で、多職種相チェック(監視)の体制を整えるのが正しい医療の方向であろう。

まあ薬のカルテが実効性を発揮していないのはまた別の問題も原因なのでしょうが、ここでは薬局がそろそろマスコミのターゲットになる厳しい目線を注がれ始めていること、そして今後この種のどれほど意味があるかわからないような薬局の面倒くさい仕事はますます増えて行くのだろうと言う予想が出来ることに留意いただきたいところです。
いわゆる医療崩壊と言う現象を経験し医療業界は様々な意味で自己防衛力を高めた側面もあり、また国民世論なども医療に対する理解が進んだ結果マスコミも無闇とバッシングしにくくなってきた印象がありますが、そうは言っても医療叩きは彼らの社是と言っていいほど大きなコンテンツとして長い歴史を誇ってきたものではあるわけです。
そんな時代に医薬分業で医業と薬局が切り離された、そしてどうやら医療業界の中でも薬局がやっかまれているとなればこれほど叩きやすいネタもないだろうと言うもので、マスコミ各社がそろそろ薬局叩きに舵を切ると言うのであれば理解は出来る話なのですが、冒頭の記事にもあるように薬局に厳しい目線を注いでいるのは何も医業やマスコミだけではなさそうだと言うことですよね。
先日は塩崎厚労相が政府の経済財政諮問会議の場で薬局数削減を容認すると発言したものの、会議に参加した委員からは削減と言わず半減させるべきだ等々相当に厳しい意見が出たそうで、今後は調剤報酬の削減とセットで薬局に対してより一層汗をかく努力が求められるようになってくるのだと思います。
その場合経営的な体力のある大手チェーンよりは個人がやっているような小さな調剤薬局が先に体力が尽きるのだろうとは想像出来るところで、今後は各地で薬局の統廃合や再編も進んできそうなのですが、それが患者たる国民にとって良い話なのか悪い話なのかは現段階では何とも言えないですよね。

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心と体」カテゴリの記事

コメント

門前薬局に他の病院の処方箋出したら薬がないって言われて困る

投稿: | 2016年4月 4日 (月) 08時38分

消費者としては、門前薬局へ行けば調剤料が安くなる、という理解でいいのかしら。

「かかりつけ」機能というのが、対価を払うに値すると認められるか否かがカギでしょうね。

投稿: JSJ | 2016年4月 4日 (月) 08時55分

お薬手帳を持参しないと調剤が高くなりますので、患者側にもかかりつけ意識が求められるところです。

投稿: 管理人nobu | 2016年4月 4日 (月) 11時47分

そもそも査定がザルのような…
薬に限らず、査定が甘い特定地域があるとよく聞く
査定がゆるい地域は何故か医師数が多いか有力政治家がいる…

おっとあぶないww

投稿: 非医師 | 2016年4月 4日 (月) 19時03分

↑ もしもし エイプリルフールは1日だけですよ・・・

投稿: | 2016年4月 5日 (火) 08時02分

日本型医薬分業は患者本位でなく儲け第一のチェーン薬局に汚され、大失敗しました。
あとは整理されるのみです。

投稿: 医療人の端くれ | 2016年9月 8日 (木) 18時46分

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