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2016年4月19日 (火)

保育園落ちた騒動に続いて保育園反対騒動が話題に

つい先日は「保育園落ちた日本死ね」騒動とも言うべきものがありまして、国会でも取り上げられるなど日本中で賛否両論大変な騒ぎになっていたのですが、基本的には待機児童問題に代表される保育園施設容量の不足感が背景にあることは確かなのだろうし、各地の自治体も保育施設整備にコストを投じる傾向にあるようです。
もちろん少子化対策がこれほど言われる一方で、共働きでなければそもそも食べていけないと言う時代に保育施設でもなければ結婚も安心して出来ない理屈ですから、数が足りず困っている人が多いと言うなら早急に対策を講じるべきなのは確かなのでしょうが、その一方で相前後してこんなニュースも話題になっていました。

「子供うるさい」近隣住民反対で保育園断念!地元説明なくいきなり建設看板(2016年4月13日J-CASTニュース)

   千葉・市川市で4月(2016年)に開園を予定していた私立保育園が、近隣住民の反対で断念した。「子供の声がうるさい」「交通が危険だ」などが反対の理由だが、住民への説明より先に園児募集をかけるなど手続き上の問題もあったようで、待機児童が問題になるなかで論議を呼びそうだ。

   開園を予定していたのは社会福祉法人「成未会」(松戸市)で、0~5歳児を対象に定員108人の保育園を市川市菅野の住宅地にある空き地に建設予定だった。昨年3月に建設を市に申請し、市の承認を経て8月に予定地に看板を設置した。直後に近隣住民から市に反対の申し入れがあった
   市の担当者によると、「静かに暮らす権利がある。保育園をつくるのはいいが、ここは困ると」ということだった。その後、10月から説明会を3回開いたが、「端から『白紙撤回』一本で、話にならなかった」という。
   市川市の待機児童は373人で、全国のワースト9位。市としては108人に期待していたのだが話は進まず、1月には住民から反対署名が提出された。運営者はこの3月に開園を断念した。現地はいまも更地のまま、「保育園建設予定地」という看板が立っている。

   阿部祐二リポーターが反対住民の声を聞いた。ある住民はインターホンで「園児の声は大変。環境破壊だ」という。「狭い道路で交通も多く危険だ」という意見もあった。さらに聞くと、この住宅地は高齢者が多く、待機児童数は少ない。つまり、「よそのガキなんか」という感情があることもわかった。
   子供の声はたしかにうるさい。小学校、幼稚園、保育園などは、全国どこでも同じ問題を抱えている。東京・大田区の住宅街にある保育園は、防音壁と二重窓でにし、園長は「周囲の理解がないと保育園はうまくいかない」という。
   市川市のケースは、住民との関係を後回しにしたツケといってもよさそうだ。成未会も「もっと早めに近隣の説明をしておけばよかったのかなというのが反省点です」という。防音や交通対策なども考えたが、住民は聞く耳を持たず、議論にならなかったという。
(略)

これでは「保育園落ちた」解消は無理? 「住民の反対運動」で開園中止(2016年4月12日J-CASTニュース)

(略)
千葉県松戸市内の社会福祉法人は、県の認可保育園を2016年4月にオープンさせる計画を前年8月末に許可された。そして、9月に入って、開園を知らせる看板を予定地に立てたが、市川市のこども施設計画課などによると、予定地前の道路に面した家に住む十数人の住民がその直後から反対運動を始めた
道路が狭く、園児の親が車や自転車で送り迎えして通行が増えると危険だというのが主な理由だった。一部の住民からは、「子供の声がうるさい」といった懸念の声も上がった。住民らは、署名活動を始め、市などに計画撤回の要望書も出すようになった。高級住宅地でほとんどが一軒家に住んでおり、定年退職した高齢者や子供のいる世帯など様々だった。
社会福祉法人では、住民らに複数回にわたって説明会を開いた。駐車場を設けたり、送迎も限らせるとしたりしたほか、防音壁の設置も提案した。しかし、住民の反対は止まず、社会福祉法人でも、建設工事に入ることもできないまま、3月下旬に開園を断念することを決めた。

社会福祉法人の理事長は、取材に対し、次のように答えた。
    「住民の方は、若い人もおられましたが、多くは50代以上の方でした。こちらからは、様々な提案をしましたが、なぜダメなのかについては分かりませんでした。市からは、許可が出てから住民に説明するように言われていました。近隣の協力がありませんと保育園の運営は難しいので、非常に残念という思いでいます」
看板を立てて以来、「いつから始まるのか」といった問い合わせが何十件もあったといい、社会福祉法人の理事長は、「保育園不足は、深刻だと思います」と話す。
実は、理事長は、別会社の運営で千葉市内の私立保育園も14年4月にオープンさせている。そこは、4車線の道路に面し、周囲はオフィスビルのため、特に問題なく開園できたという。理事長は、「ほかに候補地があれば、また保育園を作りたい」と言っている。

保育園を巡っては、住宅地に建てられることも多いことから、住民の反対運動が起きて、開園が延期するケースも過去に報じられた。開園してからも、園児の遊び時間を制限したりする保育園も見られる。
特に、家にいることが多い高齢者が難色を示しているともされるが、厚労省が15年3月に行った調査では、騒音だと感じるのは40代の女性が比較的多かった。とはいえ、保育園が騒音と感じる人はかなりの数に上っており、調査した人全体の3分の1にも上っていた。
ネット上でも、「うるさいのは事実だろ」「家の隣に保育園出来たらキツイ」「住宅街とは相性が悪いでしょ」といった書き込みが多く見られる。一方で、保育園が足りていない現状に理解を示す向きも多く、「『御互い様』の精神が欠如してる」「許容してこそ大人だよ」「将来ある子供を優先しろ」といった意見も出ていた。

当ぐり研でも過去に何度か取り上げて来た経緯があるこの保育所拒否の問題、双方に言い分もあろうし以前からある程度あったことなのでしょうが、特に少子化対策と言うものが言われ待機児童問題が社会問題化する中で、いわばその裏側に位置する問題として大きく取り上げられてきた印象があります。
一部では地域の民度云々に言及している声もあるようですが、沖縄などでも同様に住民の反対で開設断念に追い込まれたケースが見られるなど全国的に同種の事例は多発しており、別に千葉県の一部だけが特殊な住民感情をお持ちであると言うわけでもないようですね。
ちょうど先日は「保育園騒音クレーム問題に関する基本的Q&A」なる記事を拝見していたのですが、開設してからも保育園へのクレームは全く珍しくないと言い、それは確かに応援の音がうるさいと高校野球の試合中に怒鳴り込む人もいる時代ですから仕方が無いのかも知れませんが、パイプ椅子を持って怒鳴り込む人もいると言えば身の危険も感じざるを得ないでしょう。

こうしたケースにさてどう対処すべきかなのですが、どうしても狭い日本である以上誰かの家の近所にはなる理屈ですが、海外などにならって国内でも児童の声を規制対象としての騒音から除外しようと言う動きもあり、仮に条例なりで子どもが大声を出して騒ぐ権利が保証されると言うことになれば、ますます住民からの反発を買いかねないと言う懸念もあるわけです。
地域の民度に期待したいと言ってもこうした問題が起こるのは決まって子育てに縁が無い方々が住む住宅地であるようで、事実記事にもあるように商業地などでは特に問題なく建設が行われているようですから、まずは事業者の側にも立地に対する配慮なりが必要なのだとは思いますけれども、何故こうした立地を選ぶのかと言う背景事情が見えてくれば対策のしようもあるのかも知れませんね。
ちなみに「保育園落ちた日本死ね」騒動で有名になったブロガー氏はその後のこうした一連の反保育園騒動に関してはひどく抑制的な態度でいらっしゃるそうで、日本死ねとまで言う方であれば「反対住民みんな氏ね」くらいのことは言ってくれるだろうと密かに期待していた方々は、すっかり肩すかしを食らった気分になっているそうです。

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コメント

「保育所の騒音で体調崩した」 損害賠償求め住民ら提訴
2016年4月15日21時18分朝日新聞

 保育所からの騒音で体調を崩したとして、愛知県豊田市の住民らが保育所を運営する社会福祉法人を相手取り、防音設備の設置と計600万円の損害賠償を求める訴訟を名古屋地裁岡崎支部に起こしたことがわかった。提訴は3月30日付。

 訴えたのは、保育所近くで会社を経営する男性(50)と従業員ら計4人。訴状では、園庭で園児らが騒ぐ際の音は平均で70デシベル前後に達し、我慢の限度を超えた違法なものだと主張。防音壁の設置を求めたがかなわず、騒音で精神疾患になり入院したなどと訴えている。

 保育所側は「近隣の方と良好な関係を維持したい。子どもの安全を守るため、防音壁を設置する」としている。

投稿: | 2016年4月19日 (火) 07時56分

園児の声も換金対象になったかww

投稿: | 2016年4月19日 (火) 09時52分

連れ子殺しが時々ニュースになるますが、野生動物ではもっと顕著ですよね。
他人の子が憎悪の対象になるのは本能か。

投稿: | 2016年4月19日 (火) 10時10分

一説に私立の施設が多く認可されるようになってからこの種のトラブルが多発しているとも言い、「公共施設だと思うからこそ我慢できていた」と言うのもあながち間違いではないのかも知れません。
実際に送迎の車輛の無断路上駐車などマナー上の問題もあるようで、少なくとも騒音や駐車等の迷惑対策を講じない施設は忌避されても仕方ない側面もあるのでしょうね。

投稿: 管理人nobu | 2016年4月19日 (火) 13時49分

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