« 諸外国の実例にみる親子関係の難しさ | トップページ | 今日のぐり「一竜 西中洲店」 »

2016年3月 5日 (土)

時代と共に変わりつつある高等教育のあり方

今どきこういう団体が表立って活動していることにもびっくりですが、世間の反応はさすがに時代を感じさせるものであったようです。

「マジ迷惑」 京大中核派バリケード解除させたのは学生(2016年2月29日朝日新聞)

 安全保障関連法成立後の昨年10月、京都大での抗議活動で授業を妨害したとして、京都府警は29日、中核派全学連委員長で元法政大生の斎藤郁真容疑者(27)ら3人を威力業務妨害容疑で逮捕した。他のメンバー3人も逮捕状を取った。大阪府警などと中核派の拠点・前進社の関西支社(大阪市天王寺区)、京大熊野寮(京都市左京区)のほか、福島市や那覇市の拠点など数カ所の捜索を始めた。

 昨年10月27日午前6時前。まだ薄暗い京都大キャンパスに、中核派全学連のメンバー約40人が続々と集まってきた。語学の授業に使われることが多い「吉田南1号館」前に、鉄柵や机でバリケードを築いた

 午前9時、出勤した大学職員が詰め寄る。「校舎を封鎖するストライキは違法。日本は法治国家であり、法律の枠内でやるべきだ」。メンバーらは応じず、授業は休講や教室変更を余儀なくされた

 1カ月前に安保関連法が成立したばかり。斎藤容疑者らはマイクを握り、学生らに呼びかけた。「日本も戦争に加わろうとし、世界中で戦争や反対運動が起きている。我々はただ座って授業を受けているだけでいいのか。今こそ立ち上がるべき時ではないのか」

 大学は京都府警に警備を要請。機動隊員約170人が駆けつけ、周辺は物々しい雰囲気に包まれた。

 そんな中、バリケードを解除したのは一般の学生たちだった。「英語の授業に出られない」「マジ迷惑」。ツイッターに苦情が飛び交う。正午すぎ、メンバーから「大学当局に加担するのか」と抗議されながら鉄柵や机を次々に撤去した。法学部1年の男子学生(19)は「僕らの学ぶ機会を奪う権利は彼らにない。主張したいなら他人に迷惑をかけず、堂々と言論で訴えればいい」と憤った。

「僕らの学ぶ機会を奪う権利は彼らにない。主張したいなら他人に迷惑をかけず、堂々と言論で訴えればいい」とは全くその通りと言うしかないのですが、しかしかつては全国大学でその傍若無人ぶりで悪名高かったと言う中核派も、こうなってしまってはすっかり形無しですかね。
最近では大学生の半分は奨学金と称する学生ローンを組んで進学しているのだそうで、卒業した時点で何百万と言う巨額の借金を抱えて社会人生活のスタートを強いられるのですから、往年のレジャーランドと呼ばれた時代の大学生とはそもそも覚悟なり真剣さなりが違うのかも知れずで、「マジ迷惑」とは彼らの本音ではあるのでしょう。
大学レジャーランド時代を経験したバブル世代の年長者達が「近ごろの若い者は真面目過ぎて面白みがない。若いんだからもっと遊べ」などと言っているのも彼らにとっては冗談ではないと言うことなのかも知れずですが、そんな今どきの真面目な学生生活を送る学生達にもこんな面白いことを経験している人たちもいるそうです。

USJ行きお釣り計算「数学」 三重の高校、不適切教育(2016年3月1日朝日新聞)

 国の就学支援金を不正に受給していた疑いがある株式会社立ウィッツ青山学園高校(三重県伊賀市)について、文部科学省は2日にも、監督する三重県伊賀市に対し、生徒の新規募集を見直させるよう求める通知を出す。登校中のバス内で映画を鑑賞しただけで英語と国語の授業を受けたことにするなど、不適切な教育内容があったという。

 同校には通信制課程があり、生徒は一定時間本校に通って対面の授業を受けることが、学習指導要領で定められている。

 伊賀市と文科省によると、同校は昨年、全国各地から生徒をバスなどを使って本校に登校させたその際にユニバーサル・スタジオ・ジャパン(大阪)に寄り、使ったお金の釣り銭を計算させ、これを数学の授業としたという。ほかにも、神戸で美しい夜景を観賞して芸術の授業。レストランでご飯を食べて家庭科。伊賀市の最寄りの駅から本校まで2キロほど歩いて体育など。

 文科省は対面授業を受けたことにならないとしている。

 伊賀市は通知を受け、同校に対し、約1200人の在籍生徒の一部に授業のやり直しをすることも併せて求める方針だ。(高浜行人、燧正典)

ウィッツ青山学園高校の現役学生、ずさんな授業の実態語る(2016年3月3日FNN)

国の就学支援金を不正に受給した疑いに加え、お釣りの計算を「数学の授業」と見なしていたことなどが明らかになった、ウィッツ青山学園高校。現役の学生が、FNNの取材に応じ、ずさんな授業の実態を語った。
ウィッツ青山学園高校通信制現役生徒は「授業みたいなことをやらずに、月に1回、温泉に行ったりとか。友達も、彼女も連れてきていいよって言われている友達も何人かいたので」と話した。

現役生徒が語る、ずさんな授業の実態。
三重・伊賀市にあるウィッツ青山学園高校では、通信制課程で、驚きの手抜きカリキュラムが行われていた。
「手裏剣投げ」の体験が、そのまま「体育」の履修になっていたという。
忍者ショーを鑑賞し、手裏剣投げを体験。
忍者の里・伊賀市の忍者博物館では、忍者体験をしたことが「体育」の授業に。
大阪のユニバーサル・スタジオ・ジャパンを訪れた際には、お土産を買ったお釣りの計算が、「数学」の授業になっていた。
さらには、バスの中での邦画や洋画の鑑賞で、「英語」や「国語」を履修したことになっていた。

東京・港区で聞くと、高校2年生は、「(こういう高校があるんですが?)うそやろ! 最悪じゃない?」、「将来的にはちょっと」と話した。
文部科学省も、学習指導要領から大きく逸脱した、不適切な授業内容と問題視。
文科省の義家副大臣は「あきれて、ものが言えません。これが高校だというふうに認識していたのだったら、それは、同じように頑張っている広域通信制全体への冒とくでもあろうというふうに思うんですね」と述べた。

あきれるばかりの手抜きカリキュラムが、なぜ、まかり通っていたのか。
背景には、ウィッツ青山学園高校の金銭をめぐる問題がちらついている。
東京地検特捜部は、2015年12月、この学校の通信制が、国の就学支援金を不正に受給した詐欺の疑いで家宅捜索し、捜査を進めている。
学校側は、就学支援金の受給が目的で、必要な授業は行っていなかったのではないか。
そう考えられる実態を、現役生徒が語った。
ウィッツ青山学園高校通信制現役生徒は「1度もスクーリングに行かずに、1度も試験もリポートも出さずに、卒業した方がいらっしゃると、話を聞いたことがあります」と話した。
今回問題となっているのは、通信制の生徒が、年2回、伊賀市の本校で直接教員から受ける、スクーリングと呼ばれる授業。
その実態について、現役生徒は「行かなくても単位もらえるというようなことは、学校側の人が言っていたこともありましたし。こんなので高卒の資格をもらえるんだったら、すごく気軽で、手軽でいいなと」と話した。

問題の不適切な授業内容について、学園の管理会社の福村康廣社長は「(教育内容について話が上がってくることは?)基本的には、ないですね。校長の裁量なんですよ。だから、会社の裁量じゃ全くなくて。学校自治ってありますよね。だから、そこには、会社は入れないということですよ」と話した。
一方、学校側は、学習が困難な生徒の学習意欲を引き出そうとしたのが始まり、などと説明している。
ウィッツを監督する伊賀市教育委員会の宮崎 寿教育総務課長は「修学実態のない、不適切な学生といいますか。そういう者が、実際に何人かは存在するのではないかということで、今、実態を解明しています」と述べた。 (関西テレビ)

話だけを聞くとこんな授業をやるのも面白い試みなんじゃないかとむしろ感心していたのですが、その背景にあるのはどうも国からの支援金詐欺めいたお金の問題であっただとか、卒業後は野となれ山となれ的投げっぱなし感であるとか、旧来の学校教育とは違うと言うだけではなくいささか胡散臭すぎる嫌いはありますよね。
ただこうした内容についてどこまで批判すべきなのかと考えると、このところ多少見直しの風潮が出てきているとは言えゆとりだとか自由だとか、進歩的な方々が長年にわたって推進してきた旧来の固定概念に縛られない教育と一体どこが違うのかと言う意見もあるようですし、それではそれらの革新的教育法は全て手抜きだと一掃されるべきなのかです。
近年大学入試の多様化も進んでいて、それに伴い一芸入試等で入学させたはいいが全く大学のレベルについていくことが出来ない学生も少なくないと言い、どこまで教育の自由を認めるべきなのかと言うことはなかなか判断が難しいのも確かですが、高校以上は義務教育と言うわけでもないのですから、結局はお金を出して通う学生の側が教育に何を求めるかと言う判断基準で学校を選ぶしかないのでしょうね。
その点で前述の学生ローンの問題なども「そんな借金を背負って生きていくくらいなら高卒で就職したほうが得なんじゃないの?」と言う声もあるように、高等教育と言うものをただ漠然と「みんなが行っているから自分も進学を」と考えるべき時代はそろそろ終わりつつあると言うことなのかも知れません。

|

« 諸外国の実例にみる親子関係の難しさ | トップページ | 今日のぐり「一竜 西中洲店」 »

心と体」カテゴリの記事

コメント

学生を借金漬けにして一生奴隷化する先進国w
http://news.yahoo.co.jp/feature/118

投稿: | 2016年3月 5日 (土) 08時38分

教育の中身まで文科省が決める必要は無いと思うけどな
義務教育はともかく高校や大学も許可制にする必要性はないかと

投稿: 名無し | 2016年3月 5日 (土) 09時34分

認可はいらないにしても学位を出す権限を持たせるなら何かしらの承認はいると思うけどね

投稿: | 2016年3月 5日 (土) 09時38分

>学生を借金漬けにして一生奴隷化する先進国w

奨学金や優先枠目当てで軍に入隊イラク行きなアメリカあたりとどっちがマシかなあ…。

>高校や大学も許可制にする必要性はないかと

補助金の類を一切受け取ってないならそれもありかな?

投稿: 10年前にドロッポしました。 | 2016年3月 5日 (土) 09時52分

カイジって現実世界でいえば
借金漬けにして軍隊に放り込むような話だよね
現実に起きていることを娯楽作品として脚色している

投稿: | 2016年3月 7日 (月) 10時26分

>教育の中身まで文科省が決める必要は無いと思うけどな

義務ではない高等教育に関してはこれでいいのだと思いますし、そうした教育内容も含めて何を学んだかを個別に評価するのが脱偏差値の第一歩だと言う、進歩的な方々が主張してきたことにも合致する気がします。

投稿: 管理人nobu | 2016年3月 7日 (月) 12時19分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/519753/63299261

この記事へのトラックバック一覧です: 時代と共に変わりつつある高等教育のあり方:

« 諸外国の実例にみる親子関係の難しさ | トップページ | 今日のぐり「一竜 西中洲店」 »