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2016年2月16日 (火)

若者の選挙離れが深刻なのだそうです

選挙権の18歳引き上げが話題になっているところですが、それと関連して若者の選挙離れと言うことも言われていて、先日こんな記事が話題になっていました。

日本を「老害」の国にしているのは「グズ」な若者(2016年2月10日プレジデント)

■50年前は、投票者の半分が20~30代だった

 日本のような間接民主制の社会では、国民は選挙を通して政治に参画するのですが、わが国の投票率は年々下がってきています
 衆院選の投票率をみると、1967年(第31回)では74.0%でしたが、2014年(第47回)では52.7%まで低下しています。20代の若者では、66.7%から32.6%へと半減です。
 少子高齢化で若年人口が減っているのに加え、投票率がこうでは、投票する若者の絶対数は著しく減っていることになります。私はいつも、近くの小学校の体育館で投票するのですが、若者は滅多に見かけません。目にするのは、白髪の高齢者ばかりです。

 これは私の経験ですが、統計で見て、投票所に足を運ぶ人間の年齢構成はどうなっているのでしょう。各年齢層の人口に投票率を乗じて、衆院選の投票人口を推し量ってみました。表1は、その結果です。
 右端が推定投票者数ですが、1967年では、下が厚く上が細いピラミッド型でした。当時は、投票者の半分が20~30代の若者だったようです。それが今では、きれいな逆ピラミッド型になっています。人口ピラミッドの変化の反映ですが、投票率の世代差が拡大していることもあり、このような構造になってしまっています。

■20代が選挙に行かないから「老人天国」

 なるほど、投票所で若者を見かけないわけです。
 これでは、若者の意向は政治に反映されないだろうな、と思います。後でみるように、政治への要望は若者と高齢者ではかなり異なるのですが、重きが置かれるのは後者。その結果、若者の政治不信が強まり、ますます選挙から離れていく……。こんな悪循環もあるのではないでしょうか。

 ちなみに、選挙の投票率は国によって大きく違っています。主要国について、「国政選挙の際、いつも投票する」という者の割合を年齢層別に出し、グラフにしてみました。図1をご覧ください。
 日本は、「いつも投票する」の割合が低く、世代差も大きくなっています。右上がりの傾斜が急です(韓国、アメリカも同じ)。南米のブラジルは、どの年齢層も高い「高原型」。この国では、18~70歳の国民は選挙の投票を義務付けられており、理由なく棄権した場合は罰金・罰則を科されるそうです。中南米では、こういう強硬策を採っている国が多くなっています。

 時代比較・国際比較から、日本の若者の投票率の低さ(選挙離れ)が明らかなのですが、彼ら(若者)は政治に何の期待もしていないのではありません。多くの要望を持っています
 内閣府『国民生活に関する世論調査』(2015年7月)では、政府への要望を複数回答で尋ねていますが、20代の若者と70歳以上の高齢者を比べると、前者のほうが多くの事項を選択しています。
(略)
 若者がもっと選挙に行くようになれば、政治の重点もこれらの事項(図の右下)にシフトしてくるはずです。若者は政治に多くの要望を持っていますが、それだけではダメ。自分たちの要望を実現してくれる候補者(政党)を推すという、具体的な行動をとらないといけません。それが選挙での投票です。
(略)
 たとえば、同性愛に対する寛容度をみると、高齢者はとても低いのですが、若者は、同性婚が合法化されている国と遜色ありません(「同性愛への寛容度で分かる日本の世代間分裂」『ニューズウィーク日本版』、2015年9月29日、http://www.newsweekjapan.jp/stories/culture/2015/09/post-3946.php)。
 若者の意向が政治に反映されることで、社会が変わる可能性は十分にあります。今年の参院選では、投票所にて多くの若者の姿が見られることを願います。

具体的に年代別で関心事にどのような格差があるのかは元記事を参照いただきたいのですが、興味深く感じたのは若年者において関心が高いものが雇用対策や景気対策、少子化対策あるいは自殺対策と言ったものであるのに対して、高齢者が関心があるのが社会保障整備や高齢社会対策と言ったものであると言う点で、確かにそれぞれ身近な問題として関心を集めそうですよね。
このうちどちらが政策上より大きく反映されているのかと言う点に関しては諸説あるかと思いますが、選挙のたびに社会保障充実や高齢化への対応は熱く語られ実際に政策に反映される一方で、現役世代のワープア化や非正規労働者の増加なども話題にはなるものの未だに改善傾向が見られないどころかますます悪化の一途を辿っているようにも見えるのは気のせいなのでしょうか。
この種の政策上の争点と言うものは各々の追及する利益が異なる各社会階層の闘争と言う面もあるのは当然ですが、日本では特に現在これが世代間対立と言う形でかなり説明されるような状況になっていると言うのは、やはり増大し続ける社会保障の財源を誰が負担するかと言う点で若年者の間に不公平感が漂っていることとも無関係ではないように思います。
こうした世代間の対立を語る上で、高齢者が増え投票率も高いから政治家も常に高齢者の利益誘導にばかり熱心となり、若者が常に冷遇されるのだと言われればもちろんそうした傾向はあるのでしょうが、そうならない為に投票には必ず行きましょうと言うだけでは何ら問題の解決にならないことはすでに示されている事実であって、何故投票率が高まらないのか、引き上げるにはどうすべきかと言う点が問題ですよね。

政治家などは一般的な労働者と比べると年齢もかなり高めの方々が多く、感覚的にも若年者の意見を拾い上げることが難しいのだろうと思いますが、若年者の声を拾い上げることが票につながると理解すれば当然そちらに耳を傾ける姿勢も示すのだろうし、まずはどういうやり方が投票率向上につながるかと言うことは本来あまり反対意見の少なそうな課題に思えます。
最も簡単な方法論としては記事にもあるように投票しなかった場合には何らかのペナルティーを与える、あるいは投票することで何かしらのメリットが得られるようにすると言うやり方がありますが、その前提となっているのは若者が無関心なり怠惰なりと言った理由で投票に行かないのだと言う発想であって、関心があっても投票に行けない現役世代も多いのではないかと言う視点が欠けているように感じますね。
今の現役世代の方々はどこの職場も人手不足でひどく多忙な毎日を送っていて、日曜日だろうが朝から晩まで仕事をしていると言う人も珍しくないはずですが、若者も投票へ行けと言う高齢者の方々が投票日には若者の仕事を全部引き受けようと言い出したと言う話も聞くわけでもなく、「休日は若いのに任せてのんびりさせてもらうわ」とばかり普段通り仕事を押しつけていると言う現実もあるわけです。
もちろん不在者投票も簡単に出来るようになっている現在、本当に投票する意志があるのに出来ない人間が実際どれほどいるのかと言う疑問もあるでしょうが、可能であるのに権利を行使しないと言う場合は本人の選択の結果であって、それによって不利益を被るのは仕方ない部分もありますから、まずはその意志がある人々の投票行動への利便性を高める方法論を議論してもらいたいと思いますね。

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心と体」カテゴリの記事

コメント

投票したらポイント10倍くらいやれよ
マイナンバーでポイント共通管理できるんだろ

投稿: | 2016年2月16日 (火) 08時05分

世の中半数以上が何も考えていない、ただただ流されているだけの人間。
なので、若者の投票率が低いっていうことは、それなりに考えている
マトモな票しか入っていない可能性大。
ということは、逆に高齢者の投票を制限したほうが、まともになるかも。

投稿: | 2016年2月16日 (火) 09時07分

シルバー民主主義ですね。
高齢者のが数が多く投票率が高いので政治家もそっちを優先する
ただ現状のままだと破綻するのでどうしたものか

投稿: 名無し | 2016年2月16日 (火) 09時07分

憲法第12条 この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない。

「政治離れ」した責任は若者が負う必要があるので、ポイントで釣る必要はないでしょう。民主主義の権利は自ら行使するもので、行使の放棄も権利の一つ。シルバー世代は自分たちのためにきわめて正しい権利の行使をしているだけの話です。

結局、欧米のように階級闘争の末勝ち取った民主主義ではなく、天から与えられた民主主義は定着しないということだと思います。憲法12条はまさに慧眼、というところでしょう。

今朝のNHKでもやってましたが、アメリカは10代の友人同士の社会・政治議論が活発と。サンダース旋風も、理にかなっているかどうかは別として、若者の力です。

対して日本は....まあ、そういうことです。

投稿: おちゃ | 2016年2月16日 (火) 09時52分

老人世代は与えられた民主主義に希望を持ったから、いまだに投票に行くんだと思う
まあ幸せな世代だよね
それで長年の民主主義の成果が、政治家といえばゲスな人間ばかり、若者にしわ寄せばかりという社会になっとりますからして
若者を政治離れさせてシルバー世代が牛耳るのに見事に成功してますね

投稿: | 2016年2月16日 (火) 10時23分

周囲を見渡しても政治に不平不満も多いが選挙どころではないと言う方々が目立つので、少なくとも政治参加の意思がある人間は権利を行使できるような状況を望みたいです。

投稿: 管理人nobu | 2016年2月16日 (火) 11時59分

希望を持ったというより、自ら動かなければ希望すらなかった時代、だったんじゃないかと。

今はその希望が叶った結末で、希望と思っていたものは実はとてつもない汚れたもので、明るい未来より一層暗い現実をもたらしていて、そんな状況で喜んで政治に参加する気にはならないと。

我々が政治に未来を託せないように、老人は託し続けているだけ。
単なる生活様式だと思います。

投稿: | 2016年2月16日 (火) 16時36分

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