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2015年12月30日 (水)

最近話題になっていた新しい心の病

いわゆる電磁波の有害性なるものについては各方面で以前から語られていて、もちろん一定強度以上の強力な電磁波が人体に有害であることは間違いないのですが、日常生活レベルで飛び交っている弱い電磁波についての影響はどうであるのかは議論のあるところで、先日はこんなニュースが出ていました。

やはり電磁波で人は死ぬ!? 15歳少女が「Wi-Fiアレルギー」で死亡するまで(2015年12月14日トカナ)

 今年6月、イギリスに住む15歳のジェニー・フライが、自宅近くの木で首を吊って死亡しているのが見つかった。少女を自殺へ追い込んだのは、学校でのイジメやドメスティック・バイオレンスではない。原因はWi-Fiだ。今、こうして記事を読んでいるあなたの周りにも、当たり前のように飛び交っているWi-Fiの電磁波が、ジェニーを苦しめ生きる気力を奪ってしまったのだ。
「ジェニーは電磁波過敏症で苦しんでいました。彼女はWi-Fiや携帯電話、携帯の基地局などから放射される電磁波を感じ取ってしまい、頭痛や疲労、集中力の低下に悩まされた挙句、肉体も精神も衰弱してしまったのです」
 母親のデブラ・フライは、何とかジェニーを電磁波から守ろうと苦心したが、その想いは報われなかった。

 フライ家では、ジェニーに悪影響を及ぼすWi-Fiや携帯電話を徹底的に排除した。その結果、自宅にいる時の彼女は普通に生活することができた。
 だが、再三にわたって両親が改善を要請したが、彼女の通っていた学校が電磁波への対策に乗り出すことはなく、ジェニーの担任教師からは最後まで理解を得られなかったと言う。
 ジェニーが残した遺書には「これ以上Wi-Fiの電波には耐えられない」と書かれていた。

 2005年にWHOも電磁波過敏症の存在を認めているのだが、なぜそのような症状が現れるのか、科学的根拠は見つかっていない。そのため、患者が電磁波による苦しみを訴えても、医師から適切な処置を受ける事は難しい。
 ただし、ある産業医学グループの調査によれば、100万人当たり数人は電磁波による健康被害を受けていると推定している。
 今年8月には、アメリカのマサチューセッツで暮らす家族が、12歳の息子はWi-Fiの影響で体調を崩したとして、通っていた学校を告訴している。学校が2013年に、それまでよりも強力なワイヤレス環境を導入したことによって、少年は症状が深刻になったと訴えているのだ。

 ちなみに、電磁波過敏症による主な症状として報告されているのは「目の痛みや見にさ。皮膚の乾燥や炎症。鼻づまり、鼻水。顔のほてり。口内炎。歯や顎の痛み。頭痛やうつ。異常な疲れと集中力の欠如。吐き気。肩こり、関節痛。呼吸困難。手足のしびれ」などである。

記事中に登場する電磁波過敏症(EHS)なる聞き慣れないものですが、一連の症状を訴える患者においても一般人と同様電磁波の有無を区別することは出来なかったと言い、WHOも2005年に各種文献を検討し矛盾するようですが「EHSの症状を電磁界ばく露と結び付ける科学的根拠はありません」と発表しています。
言うところの心身症や心気症の類と考えてもよさそうな話ですが、いずれにしてもこうした方々に「あなたの症状は単なる気のせいだから」と幾ら言ったところで何らの解決にはならないのも当然ですし、中にはこうして自ら命を絶つまでに思い詰めてしまう方々もいらっしゃると言う現実を直視しないわけにはいきませんよね。
ただこの種の病気全般に言えることですが、マスコミ等がおもしろおかしく大々的に取り上げ騒ぎ立てるほど患者が増えていくと言う傾向があるようで、特に昨今は新型うつ病など年々新たな病気が登場し大いに騒がれている時代ですからどうしたものかですが、先日出ていたこんな記事も今後新たな患者を輩出する前兆になってくるのでしょうか。

人前でご飯を食べられない…。もしかしたら「会食恐怖症」かも?(2015年12月16日MAG2ニュース)

家族や親しい友人だと何ともないのに、職場の会食や飲み会、レストランなどの外食であまり親しくない人の輪にいると、ご飯が食べられなくなることはありませんか?緊張して吐き気やめまいを感じてしまう、こうした状態は「会食恐怖症(かるいは外食恐怖)」と呼ばれ、最近では話題になっています。
他人と一緒に食事をすると、緊張したり、めまいや吐き気がしてしまうのが「会食恐怖症」の症状です。本人はご飯を食べるのが苦手なことを悩んでいるのですが、周囲の人は、「付き合いが悪い」「お高く留まっている」などと誤解してしまうことも多いようです。
次のような傾向が指摘されています。セルフ・チェックの参考にしてみてください。

□周囲の人が気になって、食事ができない
□外食ができない
□外食が怖い
□口に入れたものを飲みこめない
□箸・ナイフ・フォークを持つ手が震える
□誰かと食事する時、吐き気やめまいがする
□吐き気、胸の不快感
□対人場面での不安や緊張を抱えている
□他人の目が気になる
社交不安障害としての「会食恐怖症」

会食恐怖症は、精神医学的には「社交不安障害(SAD)」の一種とみなされています。人から注目される場面や、人との関わりをもつ場面で、自分が恥をかいたり、恥ずかしい思いをしたりするのではないかと強い不安を感じ、極度に緊張してしまうのが特徴です。
場合によっては、振戦(ふるえ)・書痙(手の震え)・めまい・吐き気・赤面・発汗・動悸などの身体症状を引き起こすと言われ、これが6か月以上続いている場合「社交不安障害」と診断されます。
人前での行動が不適切ではないか、バカにされるのではないか、という強い不安が、社交不安障害です。生涯有病率は3~13%と研究による幅が大きく、発症年齢は10~20代半ばまでが多いです。うつ病やアルコール依存症などとの併存率も高く、男性の方がやや多いと言われています。
未治療のまま経過していることが多く、数十年にわたり症状が続き、学業・仕事・日常生活に支障を来している患者さんも少なくないのが難しいところです。会食恐怖症の場合、20~30代の若いビジネス・パーソンなどが、仕事などを通してこの傾向に気がつき、受診に至っているようです。
(略)

ある程度のところまでは誰しもあるようなことでも、程度が過ぎれば病的と見なされると言うことはしばしばあるものですし、逆に社会的に多数派となってしまえば異常であっても取り立てて病気扱いされないと言うのは例えば矯正可能な視力障害などもそうだと思いますが、恐怖症と言われるほど強い症状が出ると言うのは社会生活上困りものですよね。
この場合も周囲の無理解が社会適応を難しくしていて、また場合によってはより症状を悪くさせているのではないかとも思うのですが、特定の場面でだけ症状が強く出やすいと言う傾向もあるそうで、やはり過去に大事な会食の席で失敗してしまったと言った恐怖体験がその発症の動機にもなると聞きます。
原因がはっきりしていればその分対処の方法も出てくると言うことですが、特に仕事上必要な場面が引き金になってしまうと大変だろうとは思うところで、これまた当の本人にとっては社会生活を営む上で場合によっては死活問題ともなりかねない大問題とは言えそうですね。
こういう時代ですからネットでこうした病名を知り「自分はこれだったんだ」と納得したと言う方々も多いようですが、これも真偽不明の怪しい情報も多数出回っていて下手をすると症状を悪化させかねませんので、本当に深刻な状態であればまずは精神科など専門家に一度相談してみることが必要ではないかと言う気がします。
しかしこうして様々な疾患概念が新たに登場してくるのを見聞していますと、いずれ遠くない時期にDHMO過敏症などが登場してきてもおかしくないと言う悪い予感も拭えないのですが…

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コメント

これを総じて昔の人は「気のせい」と受け止めて
処理していたと思うのです。
何やら例のティーンに接種するワクチンの問題と
カブって見えるのですが…

投稿: | 2015年12月30日 (水) 08時23分

言われるように先日のワクチンの話と同類な気がします。
心の病だから軽く見ていいってことじゃないんでしょうけど。

投稿: ぽん太 | 2015年12月30日 (水) 08時39分

何故この種の疾患概念が増えて行くのかと言えば、そう診断することによって何らかの利益が得られると言う側面があるのかなと言う気がします。

投稿: 管理人nobu | 2015年12月30日 (水) 12時39分

どんな状況であれ、自殺されてしまうのは穏やかではありません。
でも、こういうケースって当然と言えば当然ですが精神科医が関与することを極端に嫌がる人が多いんですよね・・・

投稿: クマ | 2015年12月30日 (水) 19時55分

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