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2015年12月 3日 (木)

投票所で暴れると当然ながら逮捕されます

先日は大阪で知事選がありましたが、その投票所内でこんな暴力事件が発生したと報じられていました。

投票管理者の「ご苦労さんです」に激高 「机の角を脳天に突き刺すぞ!」 会社員を逮捕(2015年11月23日産経新聞)

 大阪府知事選の投票所で投票管理者を殴るなどしたとして、大阪府警は23日、公職選挙法違反(投票管理者への暴行等)容疑で大阪府茨木市の会社員の男(47)を逮捕した。「今回のことはやり過ぎました」と容疑を認めているという。

 逮捕容疑は22日午後7時45分ごろ、市内の投票所で机をひっくり返した上、投票管理者の70代男性の左側頭部を右手で1回平手打ちにし、「机の角を脳天に突き刺すぞ」などと脅迫したとしている。

 府警によると、男は投票管理者が投票に訪れた有権者に「ご苦労さんです」と声をかけていたことに激高。「『ご苦労さんです』という言葉は目上の者に使う言葉ではない。俺は大阪府民として当然の権利を行使してるんや。謝れ」などと因縁を付けたという。

 当時現場には市職員や投票者ら約10人がいた。男は現場から立ち去ったが、通報を受けた府警が捜査を進め、翌23日に逮捕した。

今ひとつイメージが湧かない方もいらっしゃるかと思いますが、別ソースによれば「「『ご苦労さん』というのは目上の人が目下の者に使う言葉だ。『お疲れさま』だろう。オレはお前の目下の者か。謝れ」と怒鳴りながら机を投げ飛ばした。さらに、管理者の頭部を平手打ちし、「もう1回やったら机の角を脳天に突き刺すぞ」と脅迫した」のだそうですから相当なものです。
一部方面で流通していると言う大阪という地域に対するイメージを確固たるものにする話だ等々、ネット上ではこの事件に対して様々な見解が出ているのですが、もちろん当事者の行動が最大限控えめに言ってもちょっと普通ではないと言う点には異論がないとして、そもそも何故こうまで暴れたのかと言う点が気になりますよね。
一般的には「おつかれさま」とは立場が下の人間から目上の人間にかける言葉であり、「ごくろうさま」とはその逆に用いられるとされていて、ビジネス書などでは「とにかくおつかれさまで統一しておけば間違いない」的なことを書いているものもあるそうですが、むしろ本来的にはごくろうさまこそ目上の人に使うべきだと言う意見もあるようで、厳密に考えると何が正解とは言い難いものがあります。
ただ社会的慣習として今現在はおおむねそうなっていると言うことは事実上言えるとは思うし、実際問題そう指導されてきたと言う方々も多いと聞きますが、いずれにしても他人に失礼だと感じる言動をされたから好き放題暴れていいかと言えばそんな馬鹿げた理屈はないのであって、こんな批判的な記事が出てくるのも当然と言えば当然でしょう。

ご苦労さん」は失礼なあいさつなのか? 大阪知事選の投票所で47歳会社員が激怒(2015年11月25日BLOGOS)

(略)
「お疲れ様」と「ご苦労様」は、確かにビジネスマナーとして使い分けが注意される言葉とされることもある。違いが分からない新入社員が役員に「ご苦労様です」と言って叱責された、という例は枚挙に暇がない。
今回の場合も、接客サービスの感覚でいえば「投票者が上で、管理者が下」と言えるかもしれない。しかし対等な関係として「ご苦労様」でも問題ないという見方もできる。少なくともマナーに対する認識の違いであって、管理者の悪意が感じられるほどのものでもない。
このニュースを知った人からは「いくらなんでもブチ切れ過ぎだろ」と驚くとともに、あいさつの言葉から「上下関係」を過剰に感じ取って暴力に走る男を非難する声が相次いだ。

    「自分で自分のことを目上だって言う奴にはろくな奴いない
    「『お客様は神様』と自分で言い出すタイプだな。ああ、やだやだ」
    「選挙管理委員会の人は下じゃねーぞ?っていうか、飲み屋でも、客は客で、店員との上下関係なんて無い。いまだにこういうバカがいるのかよって気持ちになる」

中には70歳の投票管理者の方が「人生の先輩なんだから目上だな」という意見も。47歳男の謙虚さが足りなかった、ということだ。

「ご苦労」「お疲れ」の使い分けマナーに根拠なし?

この男と同様に「ご苦労様」を使うのは不適当と考える人もいるようだ。ネット掲示板には「いきなりご苦労さんですなんて言われたらイラっとくるわ。お前は何様のつもりなんだよって思う」という書き込みが見られる。
Yahoo!知恵袋には、2004年の質問として「『ご苦労様でした。』と市役所の職員に言われ…」という投稿があった。期日前投票をした際、市の職員から「ご苦労様でした」と言われたが、「それは目上の人は目下の人に使うものなのではないのか」と疑問に思ったという。
しかし、これらの使い分けマナーも、実は確かなものとは言えないようだ。三省堂国語辞典編集委員の飯間浩明氏(@IIMA_Hiroaki)はツイッターで「ご苦労さまは目下に、お疲れさまは目上に」というマナーは、歴史的に見て根拠がないと指摘している。
飯間氏によると、「ご苦労」は江戸時代にも臣下が主君に対する場面などで使われ、現代でも警察・自衛隊などでは改まったあいさつとして「ご苦労さま」が使われているという。投票管理者が「ご苦労さん」と言ったのは、この感覚のようだ。
一方、「お疲れさま」はずっと新しい言葉で、元は芸能界の言葉ともいわれているという。目上にもふつうに使っていたという。誰かが任意で決めたビジネスマナーが杓子定規で用いられ、それを知らない人を「非常識」と非難する――。世知辛いこと、この上ない。そんな理由で労をねぎらう言葉が伝えにくくなるとすれば、本末転倒というものだろう。

記事にもあるようにはるか年長者なのだから別に目上で間違いではないと言う考え方もあるのだろうし、語源的にも目上に対して使っても何ら問題がないとも言うのですからどこまで言っても加害者が悪かったで終わってしまう話なんですが、ただ投票所で管理者が投票者に言葉をかけると言うのは基本的に業務外の行為で、この場合も恐らくマニュアルなどは定まっていなかったのだろうと思いますね。
個人的にはこの場合「おつかれさまです」などと言われる方が違和感を感じるのではないかなとは思うのですが、とは言え投票を円滑に進めるのが仕事ではあるならそれを最優先に考えるべきなのだろうし、モンスターだクレーマーだと言われる手合いが世の中一定数いることも考えると、徹底的にマニュアルを固守して余計なことはしないと言うのもまあ間違いではないのでしょうね。
しかし最近は違うようですがかつてお役所だのの類と言えば無愛想を絵に描いたような対応で見ていてあまり面白いものではなく、それもこうしたトラブルを招かないための自己防衛的な行動であったと考えるならなるほど合理的ではあるのでしょうが、時に多少の言葉のひっかかりはあっても普通にあいさつくらいは交わせる方がトータルで見ると快適性が高い社会になりそうには感じます。

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コメント

うちの村(といっても政令指定都市の真ん中ですが)は年功序列が厳しい(年長者絶対)のですが、祭りも含め行事の時には、年長者には「ご苦労はんです」って言ってます。もっとも、若いほうには余り声を掛けないなぁ。
もう何百年も前からだろうから、ビジネス用語的には?かもしれないけど、気にするほどのものでもないのかなって思います。
ちなみに同い年には「お疲れ!」です。

投稿: | 2015年12月 3日 (木) 08時58分

こんな目立つ場所で暴れたら理由を問わずダメでしょ。
よほど虫の居所が悪かったのかなあ?

投稿: ぽん太 | 2015年12月 3日 (木) 09時18分

上流階級で使われる敬意表現であった「貴様」が下層階級の罵倒語になったように、立場や年代によって言葉の意味合いや社会常識も異なると言う点が話をややこしくしていると感じました。
とは言え無抵抗の高齢者にいきなり殴りかかると言うのはどのような理由であれ許されないことですし、文句があるならしかるべきクレームを入れればよかったのではないかと思います。

投稿: 管理人nobu | 2015年12月 3日 (木) 12時15分

会社員って何の会社だったんだろ?

投稿: | 2015年12月 3日 (木) 19時56分

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