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2015年12月21日 (月)

不健康な生活と健康食品

ファーストフード店と言えば日頃から多用している方も多いと思いますが、その弊害として昔から健康上あまりよろしくないのでは?と言う疑惑が言われている中で、先日こんな体を張った実験が行われたと報じられています。

牛丼の具3カ月食べ続け、健康リスク増えず 吉野家HDが実験(2015年12月9日日本経済新聞)

 吉野家ホールディングスは9日、牛丼の具を3カ月間毎日食べ続けた場合の身体への影響を調べた実験結果を発表した。成人の男女24人を対象に実験前後の体脂肪率や血糖値などを調べた結果、特に変化は起きなかったという。同社は「毎日食べても健康リスクが増加する兆しは見られなかった」としている。

 実験は医療機関に依頼して実施。4~10月にかけて吉野家が販売する冷凍牛丼の具材を3カ月間、毎日1食、被験者に食べてもらった。その結果、体重や体脂肪率、血圧などに特に変化は見られず、血液検査でも中性脂肪やコレステロール類の数値の変動は無かったとしている。

 実験中は日常と同じ生活を送ってもらい、牛丼の具を食べる以外は特に運動をしたり、食事制限をしたりはしていない。

見ていただけば判る通りエヴィデンスとしてはさして高いレベルのものではないのですが、しかし一般的な現代日本人が日常生活でどのような食事を取っているかと言うことは気になるところで、かつての昭和時代のように炊きたてご飯に味噌汁、焼き魚と言った標準的な?朝食を取っている人はむしろごく少数派なのだろうし、牛丼屋で牛丼にサラダをつけて「今日は健康的な食事だ」と涙する方もいらっしゃるとも聞きますね。
いずれにせよこうした結果に安住せず外食産業も食の栄養価にこだわっていくことも必要な時代で、極論すれば愛好者がより健康により長く利用してくれるような食事が提供できれば理想的なのですが、そうは言っても多忙な現代人にとって食生活はしばしば他の要因との兼ね合いから犠牲になりやすい部分でもあります。
こうした問題点を自覚している人々の間でじわじわと人気を高めてきたのがいわゆる健康食品であり、近年ようやく成熟化しつつある傾向も見えるものの過去20年以上にわたって右肩上がりで成長を続けてきたと言いますから大変なものですが、先日こんな呼びかけが為されていたことをご存知でしょうか。

健康食品「本当に必要か考えて」 食品安全委が呼び掛け(2015年12月13日毎日新聞)

 内閣府の食品安全委員会は、健康食品の利用が広がっていることを受けて、健康食品について知っておくとよいことを19のメッセージにまとめて8日付で公表した。科学的研究が少なく「安全性や有効性が確立しているとはいえない」と指摘し、「今の自分に本当に必要か考えてください」と注意を促している。

 メッセージは、健康被害のリスクはあらゆる食品にあり、健康食品でも被害が報告されていると説明。そして「現在の日本人が通常の食事をしていて欠乏症を起こすビタミンやミネラルはあまりない」「自己判断でサプリメントからミネラルを大量に補給することは過剰摂取につながる可能性がある」と指摘する。

 さらに、健康食品は品質管理の規制の対象になっていないことや、医薬品と併用すると薬の効果が弱まったり強くなりすぎたりする可能性もあることなどを注意点として挙げている。

まあ本当に必要かと言われれば恐らく必要はないのだろうし、実際に健康食品を使わないことによる栄養欠乏のリスクよりも、健康食品を使うことによる何らかの身体的被害の方が大きそうには思うのですが、この辺りに関してはあまり真面目な調査結果もないものですから、誰もきちんとした議論が出来ないのも判断が難しいところですよね。
健康食品とは少し違いますが、かつては点滴にビタミン剤を混入すると点数が高くなると言う時代もあったのだそうで、医療機関にかかるとどこもかしこもビタミン入りの点滴をしてくれることから今でも「病院に行ったら点滴」をデフォのように考えている方もいらっしゃるようですが、保険の査定で片っ端から切られまくるようになりこのビタミン添加点滴の風習もずいぶん廃れたと言います。
ところがその結果ビタミン不足による脳症などが発症し社会問題化するようになった結果、厚労省も20年ほど前に点滴にビタミンを忘れず加えるようにと言う異例のお達しを出す羽目になったそうですが、これらはあくまでも食事が取れない重症患者に高カロリー輸液を続けた場合にビタミン不足が発生すると言うものであって、日常生活でビタミン剤を飲む必要があるかどうかは別問題ですよね。
有名なスポーツ選手でも極端な偏食で野菜類などは一切口にしない代わりに日常的に各種サプリメントを愛用していると言う方もいらっしゃるようですが、ああしたサプリをうまく調節して過不足なく各種栄養素を摂取するのは大変だろうなと思いますし、実際時折過剰摂取による健康被害なども散見されるようですから食事の代用になるものではないと言うことでしょうね。

一般的に何であれ個人が自己責任の範囲で行うことには特に目くじらを立てる必要もないのですが、この種のサプリメントに関して言えばどれもそれなりに高価であって、しかもいずれもその効能に関して何ら科学的な根拠がないと言う点で、お金をどぶに捨てて跳ね返りの汚物を浴びているようなものだと酷評する向きもあります。
ビタミンやミネラルなど既知の栄養素を補給するものならばまだしもですが、見るからに怪しげなキノコだのを精製したと称し○○に効果有りと言って高い値段で売っているものがありますが、世界中の製薬会社が巨額の予算や人材を投じて新薬を開発せんと鋭意努力している中で、効果があるようなものであればとっくに薬として商品化されているだろうし、実際いずれも効果があると言う真っ当なデータが示されてはいないわけです。
そうした欠点は売る側もよく考えたもので、「薬として認可を得ると販売ルートが限られてしまう。全てのお客様に利用していただきたいから敢えて認可を得ていないのだ」などと大まじめに語っている販売員の方に出会ったことがありますし、実際メーカーの販促資料などではそのようにFAQ記載されているのでしょうが、まあ鰯の頭も信心からと言いますから信じて利用する方にとってはまるで効果がないわけでもないのかも知れませんね。
こうした健康食品がよく売れると言う背景を考えてみると、日常的に不健康な生活を送っている人が「でも本当は体をいたわっているのだ」と一種の免罪符的に利用している側面もあるかと思うのですが、毎日大量飲酒で肝臓を痛めつけてきた人がうこん系サプリなどに手を出して重症の肝障害で入院になったと言った話を聞くと、健康であるということは体だけではなく心の問題でもあるのだろうなと言う気もしないでもありません。

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心と体」カテゴリの記事

コメント

三ヶ月ではっきり健康悪化する食品ってよほど悪いもんでしょ。
でもそれ以上続けるのはきついってことなんですかね?

投稿: ぽん太 | 2015年12月21日 (月) 08時44分

反対の少なくなかった機能性食品という健康食品の規制緩和で成長戦略とうたっていた割には、案の上のオチでなかなか興味深いところであります。

投稿: | 2015年12月21日 (月) 11時29分

その辺りについてはいわばお墨付きを与えたようなもので、国として一貫性を欠くと批判の余地はありそうです。

投稿: 管理人nobu | 2015年12月21日 (月) 15時51分

カフェイン常用 中毒死 「眠気覚まし」思わぬ危険も
2015年12月21日14時31分 (更新 12月21日 14時43分)

「エナジードリンク」と呼ばれるカフェイン入り清涼飲料水を長期にわたって頻繁に飲んでいた
九州の20代の男性が、カフェイン中毒で死亡していたことが福岡大学法医学教室の分析で分かった。
男性はカフェインの錠剤も飲んでいたが、同教室は飲料の大量摂取が中毒の主な原因とみている。
厚生労働省は「国内でのカフェイン中毒死は聞いたことがない」としており、
常用による中毒死の報告は国内初とみられる。

同教室によると、男性は24時間営業のガソリンスタンドの従業員で、深夜から早朝に勤務。
そのまま夕方まで起き、しばらく寝てから出勤する生活を繰り返していた。眠気を覚ますために
エナジードリンクを日常的に多用し、カフェイン錠剤も併用していたという。

男性は昨年、帰宅後に吐いて寝込んでいて容体が急変。数時間後に同居する家族が気付き、
救急搬送したが、手遅れだった。死亡の約1年前から体調不良を訴え、吐いて動けなくなることも数回あったという。

警察の依頼で福岡大の久保真一教授(法医学)が男性を解剖し、カフェインの中毒死と判断、
警察に報告した。血中に少量のアルコールが残っており、胃の内容物や血液、尿から
高濃度のカフェインが検出されたという。目立った外傷などはなく、
状況から自殺などの目的で故意に大量飲用したのではないという。

胃の内容物にはカフェイン錠剤とみられる破片もあったが、事件性がなかったことなどから
詳しく調べられず、錠剤がどの程度、死亡に影響したかは分からないという。

海外では、若者を中心にカフェインの過剰摂取が問題化。2000年代から
エナジードリンクが販売されている米国では、11年に14歳の少女がエナジードリンクを飲んだ後に
死亡する事故が起きたと報道された。米国では、このほか十数件の死亡例が報告されているという。
国内では死亡例の報告はこれまでなく、摂取許容量などの基準は国内にはないという。

http://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/214307

投稿: | 2015年12月21日 (月) 23時52分

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